平成14年度 医学生物学概論 中間試験

 

平成14年12月5日(木)実施


A~Gの7つの群から、それぞれ1問を選び解答しなさい。学籍番号、氏名を記入後に、解答する問題群並びに問の番号を記入すること(例えば、[A-1].
Hについても記述すること。


[A]
(竹重)
A-1:細胞内の小構成成分を挙げ説明しなさい。
A-2:生体内でみられる非共有結合を挙げ説明しなさい。


[B]
(竹重)
B-1:タンパク質構造の階層性について述べなさい。
B-2:生体内でタンパク質のコンフォメーションを変化させる機構について述べなさい。


[C]
(續)
C-1:次の問に答えなさい。
DNA二重らせんの一方の鎖のヌクレオチド配列が、5’-GGATTTTTGTCCACAATCA-3’である。相補鎖の配列は何か。
ある細菌細胞のDNAでは、ヌクレオチドの13%がアデニンである。ほかのヌクレオチドの割合を求めなさい。
長さNヌクレオチドのDNAで、幾通りのヌクレオチド配列が可能か。(a)DNAが一本鎖の場合は何通りか。(b)二本鎖の場合は何通りか。
C-2:次の文のうち、正しいものを選び、その理由を述べなさい。
DNA鎖は、塩基の中に親水性のアミノ酸があるため極性をもつ。
G-C塩基対はA-T塩基対よりも安定である。
岡崎フラグメントはRNAヌクレアーゼによって除去される。
DNA複製で誤りが生じる率を低くするのには、DNAポリメラーゼの校正機能で十分である。
DNA修復がなければ、遺伝子は不安定である。


[D]
(續)
D-1:DNAのクローニングに用いられるプラスミド・ベクターについて、ベクターとして保有すべき性質を中心に説明しなさい。
D-2:図(A)はジデオキシリボヌクレオシド三リン酸を利用して塩基配列を決定する方法を示している。この方法の概略を説明しなさい。さらに、写真(B)に示されているDNAの塩基配列を決定して解答しなさい。但し、写真の4つのレーンはそれぞれ、ddG(レーン1)、ddA(レーン2)、ddT(レーン3)、ddC(レーン4)を含んだ塩基配列決定反応の産物である。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[E]
(和田)
E-1:DNAは二重らせん構造をとっているという事を発見した研究者の1人、フランシスクリックは、遺伝情報の、DNAからRNAを経た蛋白質への流れを「セントラルドグマ」を名づけた。この流れは、現在では、ドグマ(教義、信条)の域から事実であると認識されるようになっている。しかしながら、この流れに当てはまらない事象もある。それは、どのような過程か、説明しなさい。
E-2:次に述べる変異のなかで、生物に有害だと思われるのはどれか、理由を述べなさい。
コード領域の末端近くでヌクレオチドを1個挿入
コード領域の最初のほうでヌクレオチドを1個欠失
コード領域中央付近で連続した3個のヌクレオチドを欠失
コード領域の中央付近で連続した4個のヌクレオチドを欠失
コード領域の中央付近で1個のヌクレオチドを置換


[F]
(和田)
F-1:X染色体のある特定の遺伝子に変異が起こると色盲になる。変異遺伝子を持つ男性は全て色盲である。変異遺伝子を持つ女性の大部分は正常な色覚を持つが、網膜での機能できる錐体細胞(色光受容体を持つ細胞)の密度が正常より低いためか、色覚の解像度が低い。この観察結果を説明せよ。ある女性が色盲だとすると、その父親や母親はどうか、考えなさい。

F-2:次の文のうち、正しい物を選び、その理由を述べなさい。
真核生物の核染色体には、次のようなDNAの塩基配列が必ず存在する:テロメア2個、1個の複製起点、1個のセントロメア。
細菌では、rRNA、tRNA、mRNAを指令する遺伝子はそれぞれ異なるRNAポリメラーゼによって転写される。
細菌では、大部分のmRNAは2つ以上のタンパク質を指令しているが、真核生物では違う。
ほとんどのDNA結合タンパク質は、二重らせんの大きい溝に結合する。
遺伝子発現の調節段階は転写、RNAプロセシング、翻訳とタンパク活性の制御という4ヶ所があるが、大多数の遺伝子の調節は転写開始の段階で行われる。
RNAポリメラーゼはDNAがヌクレオソームに巻きついているところに来ると、転写を中止する。
クロマチンを小さくたたむ最も基本的な単位がヌクレオソームであり、ヒストン八量体をDNAが取り巻いたヌクレオソームコア粒子とリンカーDNAとから構成されている。


[G]
(和田)
G-1:生物にとって2倍体であることの利点は何か。その生物を研究しようとする遺伝学者にとっては、どうしてそれが不都合なのか。
G-2:Alu配列などの転移DNAのコピーや繰り返し配列は、ヒトのDNAに多数見つかる。このような配列の存在は、周辺の遺伝子にどのように影響を与えるだろうか。


[H]
医学生物学概論ではエッセンシャル細胞生物学を教科書として指定して講義を行っている。これまでの講義を受けての感想を記しなさい。

 

 

 

 

 

 

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