平成16年度 統合生理学(1生理) 前期 本試験



(1枚目)

1.感覚系に関する記述で( )の中に最も適当と思われる語句を考え解答欄に記入しなさい。

1)感覚神経は4種類に分類され、一般体性感覚神経は(a 皮膚)や(b 筋)からの情報を伝え、(c 一般内臓性感覚)神経は内臓、平滑筋からの情報を伝える。また、特殊体性感覚として(d 視覚)、(e 聴覚)や(f 平衡覚)などの感覚を伝えており、特殊内臓性のものとして(g 味覚)や(h 嗅覚)の情報を伝える。
2)筋からの求心性感覚神経の分類で、Ia線維は(i 筋紡錘)からの情報を、Ib線維は(j ゴルジ腱器官)からのものを、Ⅲ線維は(k 圧、触覚)の情報を、また、Ⅳ線維は(l 痛覚)の情報を伝える。

2)脊髄感覚神経の細胞体は(m 後根神経節)に存在し、顔面からの感覚情報は(n 三叉)神経を介し、その細胞体は(o 半月神経節、三叉神経節)に存在する。脊髄神経を介して入力した情報は視床の(p VPL、後外側腹側)核に、顔面からの情報は(q VPM、後内側腹側)核を介して大脳皮質Brodmann野の(r 3,1,2)野に伝えられ知覚される。それらの情報は記憶と照合され認識される。

3)触覚は2つの経路によって視床に伝えられるが、その一つは(s 前脊髄視床)路で、他の一つは(t 後索ー内側毛帯)路で同側を上行した後、(u 延髄下部)のレベルで(v 薄束核)と(w 楔状束核)と呼ばれる神経核でニューロンを変えた後(x 内束毛帯)と呼ばれる神経路を経て視床に投射する。

(a)(b)順不同 (d)(e)(f)順不同 (g)(h)順不同


2.痛覚系に関する記述で、( )の中に最も適当と思われる語句を考え解答欄に記入しなさい。

1)末梢に炎症が起こると様々な化学メディエータが放出されるが、それらには(a ブラジキニン)、(b プロスタグランディン)(c セロトニン)、(d ヒスタミン)、(e ATP)等がある。これらは痛覚受容器に働き感作を起こすが、その症状として(f 痛覚過敏)や(g アロディニア)等が見られる。
2)痛みを全く感じない先天性無痛症があるが、それは(h C)線維を発達・成長に関与する(i NGF、神経成長因子)の受容体である(j TrkA、と解答はなっていたがTrk receptorではないだろうか?)に突然変異や欠損が見られ、そのため(h)線維が欠損しているため起こることが明らかになった。
3)痛みの伝達様式にはパターン説と(k 特殊)説が唱えられていたが、現在は(k)説が信じられている。それは触や温度また痛みの情報がパターンの違いではなく、(l 異なる線維)によって運ばれているとするものである。
4)痛覚刺激によって(m 屈曲)反射が起こるが、これは(n 脊髄)のレベルでコントロールされ、同側の伸筋運動ニューロンを(o 抑制)し屈筋運動ニューロンを(p 興奮)させる事によって遂行される。
5)顔面からの痛覚情報は三叉神経の(q 脊髄路)核に投射され視床の(r VPM、後内側腹側)核を経て第一次感覚野に伝えられる。(q)核に入力する痛覚情報のうち上顎枝からの線維は(q)核の中でも最も(s 下部)に入力する。
6)痛みの抑制系に関連している部位として(t 視床下部)、(u 中脳水道灰白質)、(v 縫線核)や(w 青斑核)があり、(t)はベ-タエンドルフィンを、(u)は(x グルタミン酸)を、(v)は(y セロトニン)を、また(w)は(z ノルアドレナリン)を含んでいる。

(a)(b)(c)(d)(e)は順不同


(2枚目)
3.運動系は大きく4つの系によってコントロールされているが、それを列記し、それぞれに1)関与する部位、2)役割、3)入力する感覚情報について述べなさい。

4.脊髄アルファ、ガンマ運動ニューロン、骨格筋、筋紡錘、遠心性線維、求心性線維について図示し、膝蓋腱反射時にどのように回路が機能するかを述べなさい。




5.錐体路で1)大脳皮質、2)内包、3)延髄錐体部がそれぞれ障害された時に出現する症状とその特徴を述べなさい。




(3枚目)

1.下図は、視覚路を模式的に示したものである。(ア)~(オ)に適切な語句を入れなさい。



2.下図左は、網膜の細胞を模式的に示したもので、右は光情報の流れを示したフローチャートである。(ア)~(オ)に適切な語を入れなさい。

(ア桿体)(イ錐体)(ウ双極)(エアマクリン)(オ神経節)



3.次のうち、3つを選んで答えなさい。
1)中耳におけるインピーダンス整合
2)蝸牛マイクロフォン電位
3)単一聴神経活動の特徴
4)進行波説
5)音源定位
6)感音性難聴


1)耳小骨、つまりツチ骨,キヌタ骨,アブミ骨が耳小骨連鎖を形成し,鼓膜で受けた音波を効率よく内耳に伝える働き。

2)蝸牛に電極をあてて増幅すると音刺激と同じ周波数の電気現象がみられる.あたかもマイクロホンのようなので, 蝸牛のマイクロホン作用microphonic action of the cochleaと考えたが,現在ではこの電位は個々の有毛細胞から生じる受容器電位のうちの交流成分がたし合わされて生じたものであると考えられている.

3)

4)蝸牛基底膜には音の刺激により共振(共鳴)が起こるのではなく,進行波が起こるという説

5)

6)伝音難聴に対応する言葉で,難聴の原因が内耳およびそれより高位の聴覚経路にある場合を総称して感音難聴という.



3.次の問いに答えなさい。
1)前庭性眼振(vestibular nystagmus)の機序を図示して簡単に説明しなさい。


2)前庭神経核の主な遠心路(最低3つ)とそれらが関与する前庭反射について述べなさい。

 前庭脊髄路:姿勢反射(緊張性迷路反射など)
 前庭小脳路:
 前庭神経核→内側縦束・網様体→眼球運動核→眼筋:前庭動眼反射(眼振など)


(4枚目)
1.下図は動脈圧受容器反射を図解した物である。空欄となっている神経(1,2,3,4)と関連する部位(a、b、c)の名称を記入しなさい。

ただし DNX:迷走神経背側核、  NA:疑核   NTS:孤束核
     RVLM:吻側延髄腹外側部


(1 舌咽神経)(2 迷走神経)(3 迷走神経)(4 交感神経)
(a
 頚動脈洞)(b 延髄)(c 副腎髄質)


2.筋性防御(内臓ー体性反射)が起こるメカニズムを図解し、生理学的な意義を書きなさい。


3.脳神経の名称を3種類記載し、その神経が関与する特徴的な神経学的反射名を1つ挙げよ。

  例:前庭神経(or 外転神経) → 前庭動眼反射

  (1)視神経(or 動眼神経) → 対光反射

  (2)三叉神経 → くしゃみ反射

  (3)迷走神経 → せき反射



(5枚目)

1.
嗅覚系の情報処理・情報伝達について、末梢から中枢まで順を追って説明せよ。


2.
味覚系の情報処理・情報伝達について、末梢から中枢までを順を追って説明せよ。

 

 

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