平成15年度 細胞システム生理学(2生理) 後期試験

 

平成15年12月12日実施

1.次の文章の(1)~(10)の括弧に当てはまる語句を記載しなさい。
(A)神経筋接合部が傷害される疾患として(1)、Lambert-Eaton症候群や神経性筋強直症が知られている。(1)はニコチン性アセチルコリン受容体に対する(2)が原因であり、Lambert-Eaton症候群は(3)に存在するP/Q型電位依存性カルシウムチャネルに対する(2)が原因である。また、神経性筋強直症は(3)に存在する電位依存性Kチャネルに対する(2)が原因である。
(B)心電図上においてQRSの開始点からT波の終了までの時間をQT時間と定義する。QRSは心筋の活動のうち(4)を反映した波であり、T波は(5)を反映した波である。正常なヒトの心電図ではQT時間は約0,3秒程度であるが、0,44秒以上のものをQT時間の延長とすることが多い。近年、QT延長症候群と呼ばれる心筋疾患の原因が分かってきた。QT時間の延長の原因としては第0相(脱分極相)を形成する電位依存性(6)チャネルの(7)の障害や、第3相(再分極相)に関与する電位依存性(8)チャネルの機能低下が示唆されている。
(C)細胞内のカルシウムイオン貯蔵部位である小胞体上には2種類のカルシウムチャネルがある。1つはIP3受容体であり、もう1つは(9)受容体である。(9)受容体はカフェインや(10)イオンにより活性化される。(9)受容体の変異によりカフェインや(10)イオンに対する感受性が高くなり、容易にカルシウムが遊離される。すると、骨格筋線維が過度に吸収し多大なエネルギーの消費により高熱を発する。これがハロセン麻酔時に発症する悪性高熱症の本態である。

2.実験:Capnometer(CO2モニター)でラット呼気終末CO2を記録した。迷走神経を結紮・切断し、その中枢端と末梢端を電気刺激して下のトレースを得た。
トレースから、1)中枢端および、2)末梢端刺激によって起きた結果を説明し、何故そのような結果が生じたか、それぞれのその機序を考察せよ。
縦軸:CO2濃度、横軸:時間 トレース上の黒いバーは加えた電気刺激のタイミングを示している。




3.小腸の運動とその制御機構について知るところを述べよ。

4.ビールを飲みながら焼肉定食を食べた。このとき消化管のどこで、どの様な消化、吸収が起こると考えられるか。

5.以下の文章の( )内に適当な語句を下から選んで入れなさい。(同じ語句は1回のみ使用するものとする。)

全身循環を考えたとき、赤血球の最も重要な生理的役割は、組織に( )を運搬し、( )を回収することである。この際赤血球は自らの直径( )よりはるかに狭い毛細血管や、脾洞の間隙を通過する。この過程で赤血球は受動的に折り曲げられたり引き伸ばされたりすることになる。しかしその際、赤血球は本来の( )で自らの形を変えて、また( )でもって膜が断片化してちぎれることもなく、さらに( )があるがゆえに狭い間隙を通過後には再び本来の( )に戻る。個々の赤血球は約( )秒間に1回全身を循環するので、その生涯(寿命は約( )日である)で50万回以上もこの変形と復元を繰り返すことになる。血管径が数百μ以下の微小循環では血液の見かけの粘度が低下する。これは水や血漿では起こらないため、上記の昨日を有する赤血球が関与していることが推察される。これを( )効果という。

[
語句:窒素、二酸化炭素、酸素、20~50、7~8、2~3、中窪み円盤形、中凸円盤形、球形、鎌状、膜可塑性、変形能、膜安定性、分裂能、形態保持能、600、180、20、120、400、800、ラムダ、イプシロン、シグマ]

6.重症の糖尿病状態と飢餓状態の類似点と相違点を述べよ。

7.Hbの酸素解離曲線を描き、それに影響する因子について述べなさい。

8.脊髄前角に存在する運動ニューソンが興奮して骨格筋が収縮し、その骨格筋が再び弛緩するまでの機序を述べよ。

9.通常、精子が1個しか受精しない理由を述べよ。

10.脳の発達における神経回路の再編成について知っていることを述べよ。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送