平成１５年度　細胞システム生理学（２生理） 前期試験

 

９月１０日実施

１．ポアズイユの法則が生体循環で厳密には成り立たない理由を３つ示しなさい。

２．
１）以下の文章において正しい語句を選択せよ。
ⅰ）一般に心筋において脱分極と再分極が同一方向に生じるとＱＲＳ波とＴ波の向きは（a同じ　b逆）になる。
ⅱ）心室では脱分極は
　a心外膜側から心内膜側へ、心基部から心尖部へ生じる。
　b心外膜側から心内膜側へ、心尖部から心基部へ生じる。
　c心内膜側から心外膜側へ、心基部から心尖部へ生じる。
　d心内膜側から心外膜側へ、心尖部から心基部へ生じる。
ⅲ）正常心筋において最も効果的に１回拍出量が増加するのは以下の場合である。
　a前負荷が増加、後負荷が増加
　b前負荷が増加、後負荷が減少
　c前負荷が減少、後負荷が増加
　d前負荷が減少、後負荷が減少
ⅳ）末梢血圧の上昇によって
　a前負荷が増加する。
　b前負荷が減少する。
　c後負荷が増加する。
　d後負荷が減少する。
ⅴ）心臓において迷走神経は（a主に心房に　b主に心室に　c心房と心室同等に）分布している。

２）図は正常者における心電図及び左心経の圧曲線である。以下の（ ）に適切な語句を記入せよ。
ⅰ）Ｉは（ ）の圧曲線である。
ⅱ）心電図においてⅡは（ ）波、Ⅲは（ ）波と呼ばれている。
ⅲ）大動脈弁の閉鎖は（ ）で生じる。（Ａ～Ｇのいずれかを記入）
ⅳ）ＢからＣの間を（ ）期、ＥからＦの間を（ ）期と呼ぶ。



３．人体を構成する細胞は、グルコースを外部から取り込み、それを化学分解することによりエネルギーを生み出している。赤血球におけるエネルギー生産過程（エネルギー代謝）とその特徴を述べよ。

４．ジギタリスは心臓の収縮力を強めることが知られているが、このジギタリスの作用機序について、単一心筋細胞レベルで説明せよ。

５．細胞膜のイオン透過性に対する説明文中の（ ）に、適する語句を入れよ。
１）神経細胞の膜電位は外を基準（０ｍＶ）に測定すると、一般に（①）の静止電位を有する。細胞膜は（②）で構成されているために、イオンの透過性が極めて（③）。しかし、細胞内外に存在するイオンの中で（④）イオンに対する透過性があるために、膜電位は（④）イオンの平衡電位に近づく。個々のイオンの平衡電位は（⑤）の式によって求めることができるが、細胞膜が複数のイオンに対して透過性を有し、それぞれが無視できないときには（⑥）の式によって膜電位を計算することができる。この場合、各細胞内外のイオン濃度に（⑦）を乗じて計算を行う。
２）神経細胞の活動電位はイオン透過性の劇的な変化によって生じる。膜電位が閾値を越えると電位依存性イオンチャネルの開口によって、まず、（⑧）イオンの透過性が上昇し、膜電位はその（⑨）に近づく。次いで（⑩）イオンの透過性が増大し、元の静止電位に戻る。このタイミングのずれは（⑪）秒以内である。神経細胞内の陽イオンで最も濃度の高いものは、（⑫）イオンであり、この細胞内イオン濃度は、活動電位発生時に流入したイオンによって（⑬）。

６．
１）糸球体濾過量（ＧＦＲ）はどのようなときに減少するかを以下の語句を用いて説明せよ。
　血圧、交感神経、膠質浸透圧、メサンギウム細胞
２）腎臓におけるグルコースの再吸収について説明し、グルコースはどのようなときに尿中に排泄されるか記せ。

７．イオン濃度：Ｎａ１５０ｍＭ、Ｋ５ｍＭ、Ｃａ２ｍＭである細胞外液を使って、ある細胞におけるグリシンで活性化されるイオンチャネル応答を観察する実験をしています。グリシン応答の平衡電位がー５８ｍＶ（－ＲＴ／Ｆ）でした。細胞内のＣｌの濃度はいくらか。

８．シナプス前抑制について、ＧＡＢＡ受容体、ＧＡＢＡ受容体が係わっているメカニズムについてそれぞれ記述しなさい。

９．
１）ＸＸＹ染色体をもつヒトの外性器は、男性ですか。女性ですか。
２）精巣における精子形成に関連する主な因子について図示し説明しなさい。特に、そのなかで内分泌されるものはどれですか。特に四角で囲みなさい。

１０。死後硬直のおこるメカニズムについて書きなさい。