平成15年度「放射線基礎医学」中間試験問題

(獲得)

平成15年12月1日(月)実施

 

 

1.     以下の文で、γ崩壊の説明として正しいものはどれか。その番号を書きなさい。[5]

(1)質量数が4減少する。

(2)陽子数が2減少する。

(3)ヘリウム原子が放出される。

(4)反応前後で中性数は変わらない。

(5)反応前後でのエネルギー順準位は変わらない。

 

答え:(4)

 

 

2.     以下のうち、電磁放射線と物質の相互作用による現象を選んで、その番号を解答欄に記入しなさい。[5点]

(1)光電効果
(2)コンプトン効果
(3)制動放射
(4)電子対生成
(5)衝突損失

 

答え:(1)(2)(4) 正解以外は粒子放射線の話。

3.Which characteristic increases with increasing photon energy?[5点]
A)Wavelength
B)Frequency
C)Mass
D)Charge
E)All of the above

 

答え:(2) E=hν=hc/λ(ν:振動数、λ:波長)

訳)次のどれが増加したら光子エネルギーは増加するか?

 

 

4.次の放射線壊変に伴い原子核の原子番号(Z)と質量数(N)の変化がZ=-1、N=0はどれか。。[5]

(1)α壊変

(2)β-壊変

(3)β+壊変

(4))軌道電子捕獲(EC)

 

答え:(3)

 

 

5.50 x 10^9 Bqの無担体106Ru(半減期:3.23 x 10^7秒)の質量(g)を計算しなさい。アボガドロ数を6 x 10^23とする。[10点]

答え:A(放射能)=λN、λ=ln2/T、N=6×10^23×W/Mより

         W=(M・A・T)/(ln2・6×10^23

          =(10650 x 10^93.23 x 10^7)(0.6936 x 10^23)

         =4.1 x 10^(-4)  g

 

 

6.原子量250の金属2.5gを熱中性子束密度f個/cm^2secの原子炉で、生成核の半減期の時間だけ照射を行った。照射直後に生じた放射能(Bq)を与える式を示しなさい。この金属の中性子放射化断面積を20b(バーン)、アボガドロ定数を6 x 10^23molとする。[10]

 

      答え:A=Nfσ(1-e^(-λt)

          =2.5250 x 6 x 10^23  x  x  20 x 10^-24  x (1-e^(-ln2/T x  )

          =2.5250 x 6 x 10^23  x  x  20 x 10^-24  x (1-1/2)

          =0.06 x

 

 

7.次の文章の( )の部分に入る最も適切な語句または数値を、解答群から1つだけ選び、数字で答えなさい。[2 x 10 : 20]

 

細胞は、内因性および外因性の侵襲に常にさらされている。このうち、内因性侵襲としては、細胞内の(A)や生理作用で生じる(B)が重要である。一方、生物が体外からの放射線に曝された時には、細胞核DNAに様々な変化が生じることが知られている。細胞は、DNAに生じた変化を(C)し、その変化にどう対応するかを選択して実行して、最終的に(D)を(E)する機構を備えている。これが(F)である。γ線よりも、波長が(G)紫外線がつくる生物学的に重要なDNAの変化は(H)の生成である。DNAのこのような変化は(I)として細胞に認識され、細胞が本来備えている修復機構のうち(J)が作動して損傷を修復する。

[解答群]

1.アポトーシス   2.DNA損傷   3.DNA修復   4.p53遺伝子

5.幹細胞   6.活性酸素   7.ピリミジンダイマー 8.遺伝情報

9.代謝   10.短い   11.長い   12.探知   13.保全

14.塩基除去修復   15.ヌクレオチド除去修復

 

      答え:()9 ()1 ()12 ()8 ()13 ()3 ()11 ()

(I)2 ()15

 

 

8.     次の文章の( )の部分に入る最も適切な語句または数値を、解答群から1つだけ選び、数字で答えなさい。[2 x 10 : 20]

 

 X線やγ線のような波長が(A)電離放射線は、細胞の核内DNAに(B)をおこし、これがその生物作用である細胞死、発がんや(C)の原因であると考えられている。生じた(B)の(D)は、その切断端が(E)的に(D)される場合と、(F)的に組換えられ(D)される場合とがある。前者は、非相同末端結合修復と呼ばれ、DNA-PK、Ku70やKu80等のタンパク質が関与している。一方後者は(G)と呼ばれ、Rad52等のタンパク質が関与しており、その修復特性から、(H)セットの(F)な(I)を必要とする。従って、この修復機構は、細胞周期のS期とG2期で作動する。また相同的に組換えられるので、修復に伴う誤りは(J)。

[解答群]

1.1    2.2    3.多い    4.少ない    5.再結合    6.複製

7.相同組換え修復    8.悪性化    9.突然変異    10.2本鎖切断

11.1本鎖切断    12.相同    13.非相同    14.2本鎖DNA

15.2本鎖RNA    16.短い    17.長い

 

      答え:()16 ()10 ()9 ()5 ()13 ()12 ()7 ()

(I)14 ()

 

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