平成16年度 放射線基礎医学 追試験
(獲得)
平成16年3月4日(金)実施
1. 以下のうち、粒子放射線と物質の相互作用による現象には「○」、そうでないものには「×」を解答欄に記入しなさい。[5点]
(1)光電効果
(2)コンプトン効果
(3)制動放射
(4)電子対生成
(5)衝突損失
2. 下記のうちで、α崩壊の説明として正しいものには「○」を、そうでないものには「×」を解答欄に記入しなさい。[5点]
(1)質量数が4減少する。
(2)陽子数が2減少する。
(3)ヘリウム原子が放出される。
(4)反応前後で中性子数は変わらない。
(5)反応前後での電子数は変わらない。
3. 同じ原子数の放射性核種X(半減期=10時間)とY(半減期=50時間)の放射能の比(Ax/Ay)を求めなさい。[5点]
1. 原子量M、放射化断面積2 x 10^-24 cm^2の単核元素のターゲットwgを中性子束密度f個/cm^2secで生成核の半減期の時間だけ照射した時、照射終了直後の生成放射能(Bq)を求めなさい。アボガドロ定数を6 x 10^23/molとする。[10点]
5.放射能治療の利点として正しいのはどれか?正しいものを[a]~[e]から選んで、解答欄に記入しなさい。[5点]
(1)形態と機能とが保存される。
(2)高齢者や全身状態不良者にも適応できる。
(3)感受性が高い腫瘍では広い範囲の病巣にも適応できる。
(4)組織による感受性の差はなく、すべての組織に適応できる。
(5)早期の反応はあるが、晩期の反応は無視できる。
[a](1)(2)(3)、[b](2)(3)(4)、[c](3)(4)(5)、[d](1)(3)(5)、[e](1)(2)(5)
6.下記の(1)~(5)の検査のうち、X線・ガンマ線の医学利用の例として適切でないものを一つ選び、解答欄に記入しなさい。[5点]
(1)放射線治療
(2)核医学検査
(3)血管造影検査
(4)CT検査
(5)MRI検査
7.下記の(1)~(5)のうち、CT検査の特徴として最も適切なものを一つ選んで、解答欄に記入しなさい。[5点]
(1)形態診断に優れている。
(2)金属による影響がない。
(3)造影剤が不要である。
(4)被曝がない。
(5)動きの栄養がない。
8.次の文章の( )の部分に入る最も適切な語句を、解答群から1つだけ選び、数字で答えなさい。ただし、解答群の同じ語句を複数回使用することもある。[2 x 10 : 20点]
身体の臓器や組織の多くは、わずかな数の細胞が失われても影響は見られない。しかし、失われた細胞数が多いと、(A)の障害が起きる。この障害の発生は、線量が低いと認められないが、(B)以上になると、線量が増すにつれて頻度が急速に増加する。(B)以上では障害の(C)も、線量の増加とともに増す。このような障害を(D)影響と呼び、放射線誘発(E)はこの一例である。
被曝の結果DNAに重大な損傷を生じた細胞が存在していると、その結果は上記の場合とは異なってくる。損傷細胞が(F)の場合はがんを、また(G)の場合には子孫に有害な(H)影響を誘発する可能性がある。これらの影響を(I)影響と呼ぶ。(I)影響には(J)が無いと仮定されている。
[解答群]
1.重篤度 2.頻度 3.確率的 4.確定的 5.白内障 6.白血病 7.発がん 8.突然変異 9.機能 10.分化 11.実効線量 12.倍加線量 13.閾線量 14.生殖細胞 15.体細胞 16.遺伝的 17.身体的
9.次の文章の( )の部分に入る最も適切な語句を、解答群から1つだけ選び、数字で答えなさい。[2 x 5 : 10点]
放射線による遺伝的影響はヒトの遺伝性疾患の自然発生率を動物実験で得られた(A)に基づき、単位線量あたりの遺伝性疾患誘発率として推定されている。これに対して、ヒト発がんの(B)の推定は、ヒトでの疫学的調査研究によるところが大きい。(C)データは主に、広島・長崎で被ばくした集団によっている。このγ戦及び(D)を被ばくした集団では、被曝線量は低線量を含めて広い範囲にわたるが、(E)が高い。従って、一般公衆における発がん率を推定するためには、この点を考慮しなければならない。
[解答群]
1.倍加線量 2.実効線量 3.線量率 4.線量 5.確率 6.重篤度 7.定量的 8.定性的 9.中性子線 10.陽子線 11.遺伝的背景 12.健康状態 13.発生機序
10.下の表は放射線による細胞の増殖死と間接死の違いをまとめたものである。空欄【A】【E】に当てはまる適切な単語を下の単語群から選び、表を完成させなさい。[4 x 5 : 20点]
|
放射線による細胞の死 |
||
【A】(reproductive death)分裂を経て死ぬ |
【B】(interphase death)分裂を経ないで死ぬ |
||
増殖速度 |
速い |
遅い あるいは
増殖しない |
|
代表的な細胞の種類 |
骨髄幹細胞、【C】、腫瘍細胞、培養細胞など |
【D】 |
肝実質細胞、筋肉細胞、【E】 |
放射線感受性 |
高い (LD37=0.5~2 Gy) |
高い (LD37=0.05~1 Gy) |
低い (数十 Gy) |
低LET放射線照射時の生存率曲線 |
肩あり(造血系幹細胞等では肩なし) |
肩なし(アポトーシス) |
(ネクローシス) |
細胞死までの時間 |
数時間~数日 |
数時間~1日 |
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[単語群] 増殖死、間接死、リンパ球、腸幹細胞、神経細胞
11.γ線源から30cmの距離における放射線線量率をγ線用のサーベメータを用いて測定したところ、1μSv/hrであった。この線源から60cmの距離におけるおよその放射線線量率を計算で求めよ。ただし、線源とサーベメータの間には遮断物はないもpのとする。[10点]
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