平成17年度「放射線基礎医学」最終試験問題

(獲得)

平成18年2月20日実施

 

 

 

 

 

 

 

問題5  ガンマ線1Gyの全身急性被爆により、放射線障害として発生する可能性のあるものは、次のうちどれか。番号を解答欄に記入しなさい。(5点)

 

1.白血球減少 2.永久不妊 3.白内障 4.腸管死 5.皮膚紅斑

 

解答 1 

放射線感受性順位は、リンパ組織(0.25Gy)>骨髄(1Gy)>生殖腺(永久不妊・2~6Gy)>腸上皮(腸管死・10Gy)>皮膚上皮(紅斑・5~12Gy)>水晶体

ちなみに胎児には0.1Gyが奇形発生のしきい値である。

 

 

 

問題6  数Gyの全身急性被爆により末梢血液中で、最も遅く減少するものは、次のうちどれか。番号を解答欄に記入しなさい。(5点)

 

1.単球 2.血小板 3.赤血球 4.リンパ球 5.多核白血球

 

解答 3

最も感受性が高いのはリンパ球で、次いで白血球>血小板>赤血球

 

 

 

問題7  放射線の確定的影響に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。番号を解答欄に記入しなさい。(5点)

 

A. 発生頻度と重篤度とは、共に被爆線量の大きさによって変化する。

B. 全身被爆では起こるが、局所被爆では起こらない。

C. 短期の被爆では起こるが、長期の被爆では起こらない。

D. しきい線量が存在する。

 

1.AとB 2.AとC 3.AとD 4.BとC 5.BとD 6.CとD

 

解答 3

 

 

 

問題8  核医学検査の特徴を説明するものとして次の(1)~(5)の中から最も適切なものを一つ選び、その番号を解答欄に記入しなさい。(5点)

 

(1) 空間分解能が高い。

(2) 被爆がない。

(3) 形態診断に優れている。

(4) 機能診断に優れている。

(5) 検査時間が短い。

 

解答 4

 

 

 

問題9  次の(1)~(5)の記載で、放射線治療の特徴として正しいのはどれか?正しい記載の組み合わせを(a)~(e)の中から選び、その記号を解答欄に記入しなさい。(5点)

 

(1) 早期の喉頭癌、子宮頸癌は放射線治療にて根治可能である。

(2) 治療後、組織の形態と機能が欠損となる。

(3) 高齢者や全身状態不良者にも適応が可能である。

(4) 感受性が高い腫瘍では広い範囲の病巣にも適応できる。

(5) 組織による感受性の差はなく、全ての腫瘍に効果がある。

 

(a):(1)、(2)、(3) (b):(2)、(3)、(4) (c):(1)、(3)、(4) (d):(2)、(4)、(5)  (e):全て

 

解答 (c)

 

 

 

問題10 放射線高感受性を示すヒト遺伝病として、毛細血管拡張性小脳失調症(ataxia  telengictasia:AT)と色素性乾皮症(xeroderma  pigmentosum:XP)が知られている。下の語群からそれぞれの疾患及びその原因遺伝子産物に関連する語句を5つずつ選び、記号を各疾患の解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句を両疾患に選んでも良い。(10点)

 

(1) 毛細血管拡張性小脳失調症  (2) 色素性乾皮症

 

【語群】 (A)電離放射線高感受性 (B)紫外線高感受性 (C)不定期DNA合成能の低下 (D)放射線抵抗性DNA複製 (E)染色体不安定性 (F)タンパク質リン酸化酵素 (G)ヌクレオチド除去修復 (H)8つの遺伝性相補性群 (I)高発がん性

 

 

解答 (1) A D E F I   (2) B C(E?) G H I

 

 

 

問題11  下の文章のに入る適切な語句を下の語群から選び、解答欄に記入しなさい。(2点×5=10点)

 

放射線の細胞に対する影響の中で最も顕著なものは細胞死の誘導である。癌の放射線治療は放射線による癌細胞の細胞死を誘導することによって成り立っており、また放射線の大量被曝による個体死は血球系や腸の幹細胞等の細胞死によりもたらされる。

細胞死には形態的・生化学的に区別される2種類がある。傷害により直接的に細胞構造あるいは機能が破壊されて引き起こされる受動的な細胞死は(  )と呼ばれる。それに対して、損傷あるいは生理的な「死のシグナル」に応答して、細胞の代謝反応の結果として引き起こされる能動的な細胞死は(  )と呼ばれている。(  )を起こした細胞には、(  )の断片化、核内クロマチンの凝縮、細胞の分断化等の形態的特徴が観察される。このような細胞のゲノムDNAをアガロースゲル電気泳動にかけると、約180塩基対の整数倍の長さのDNA断片が規則的に並んだ、いわゆる「DNAラダー(梯子状に並んだDNA断片)」が観察される。これは(  )を起こした細胞内では、特異的に活性化される(  )がゲノムDNAを(  )単位で切断するからである。

 

【語群】 塩基、ヌクレオチド、ヌクレオソーム、染色体、核、突然変異、細胞周期、チェックポイント、間期死、増殖死、ネクローシス、アポトーシス、界面活性剤、ミトコンドリア、クロロプラスト、チロシンキナーゼ、タンパク質分解酵素、RNA分解酵素、DNA分解酵素、DNA修復酵素

 

解答 ネクローシス アポトーシス 核 DNA分解酵素 ヌクレオソーム

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送