平成16年度「遺伝学」中間試験

(獲得)

平成16年12月21日(火)実施14:0015:30

1.下記の(1)~(5)の問について、解答欄に記入しなさい。[3×5=15点]
(1)「獲得形質は遺伝しない」とする分子生物学的根拠を簡潔に記入しなさい。
(2)ダーウィンの進化論について、「成長」「個体数」「生存競争」「変異」「集団」「蓄積」という言葉を必ず用い、一文で説明しなさい。
(3)ゲノムの役割を2点挙げなさい。
(4)遺伝医学の特性について3点記しなさい。
(5)遺伝子領域内に生じた塩基変異とその結果生じる遺伝子機能変化について、塩基変異の部位と対比させて記しなさい。

2.下に示す単一遺伝病家系の家系図について、
につき正しいものに○、誤りに×を解答欄に記入しなさい。[1×5=5点]

 

 


両親と血縁にある子供は3人である。(○)
血族結婚が見られる。(×)
養子が1人いる。(○)
自然流産した子供がいる。(×)
常染色体優性遺伝病が最も強く疑われる。( )


 


3.下記の記述について、正しいものに○、誤りには×を解答欄に記入しなさい。[2×5=10点]
(1)多因子疾患の遺伝要因は多くの場合、2~3個と考えられる。
(2)高血圧の遺伝要因を同定する遺伝学解析にはパラメトリック連鎖解析が適する。
(3)相関解析の方が連鎖解析に比べて統計学的検出力は高い。
(4)100人の一塩基多型を調べたところ、95人が遺伝子型TT、5人が遺伝子型TGであった。従って、対立遺伝子Gの遺伝子頻度は5%である。
(5)常染色体劣性遺伝の特徴の一つは、その表現型が世代を超えることである。


4.哺乳動物のゲノムDNAは[C+G]含量が約40%である。このDNAを制限酵素であるEcoR(認識配列はGAATTC)で切断すると、得られる断片の平均長は大体何kbと予想されるか。[10点](計算過程も)

A:EcoR
の認識配列は20/100*30/100*30/100*30/100*30/100*20/100の確率で現れる。
つまり、1/(上式の逆数)と表すと、これは(上式の逆数)個に1回でてくる、という意味であるので、答えは
100/20*100/30*100/30*100/30*100/30*100/20=3086
  3,086kb



5.下記の問に答えなさい。
(1)ある常染色体劣勢遺伝病の罹患率が100万人に1人であった場合、保因者の頻度は何%か。解答欄に記入しなさい。[6点]

(2)下図に示すような家系の両親(A、B)の親縁係数と、子(C)の近交係数を解答欄に記入しなさい。また、子供Cにおける(1)のような疾患の成立は、両親が近縁関係に無い場合の何倍になるか。解答欄に記入しなさい。[3×3=9点]




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.下記の文章の( )にあてはまる言葉を解答欄に記入しなさい。[3×5=15点]
(1)アデニンからチミンへの変化を( )と呼ぶ。 (transversion
(2)ヒトのゲノムの( )並列では、5’側の塩基がメチル化を受けやすく、その後に脱アミノが起こり、塩基置換を生じやすい。 (C-G)
(3)機能喪失変異で常染色体優性遺伝病となる場合を( )不全と言う。 (ハプロ)
(4)ある特定の遺伝子の変異産物のために、正常産物の機能も障害を受ける場合がある。このような変異を( )と呼び、常染色体( )遺伝病の原因となることがある。
(5)集団イントロン内の1塩基置換で疾患が起こる場合、遺伝子発現の( )の過程に異常を来したと考えられる。 (転写またはスプライシング)

7.Kleinfelter's syndrome の核型および臨床症状について記しなさい。[10点]

8.遺伝子ノックアウトマウス作成の手順について説明しなさい。[20点]

 

 

 

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