平成17年度 臨床薬理学 本試験

(獲得)

○ 実施日: 2005.9.29

○ 試験時間: 90

○ 問題用紙: 問題用紙と解答用紙共通でA4が10

○ 不合格: 10

○ 総括: この年から試験時間が短くなったせいか、長年続いてきた語句説明問題がなくなり、選択問題が増えた。記述問題は過去問通りで易しいが、選択問題がやや難しくなった。試験官は2人。

 

 

1.ヘルシンキ宣言に則って臨床試験を実施するために必要不可欠な条件を挙げ、説明せよ。(10点)

 

2.薬効の判定に偏りを与える因子を挙げ、これを回避する方法について述べよ。(10点)

 

3.サリドマイドについて、薬害問題および新たな臨床応用という2つの観点から述べよ。(10点)

 

4.高齢者の薬物動態の特徴を挙げ、薬物治療で特に注意すべき点について述べよ。(10点)

 

5.それぞれの問いの答えをひとつずつ選び、AEに○をつけよ。(各2点)

(1) 治験の被験者説明文書の内容として適切でないものはどれか。

A 治験参加の同意はいつでも撤回できると記載されている

B 治験に参加すればいち早く新しい治療が受けられると記載されている

C 健康被害が生じた場合は補償されると記載されている

D 被験薬とプラセボのどちらに当たるかはわからないと記載されている

E 被験者は通院毎に金銭を受け取ることができると記載されている

 

(2) 臨床試験コーディネーター (CRC) の業務内容として誤っているものはどれか。

A 被験者の同意を取得する際の補足説明

B 試験スケジュールの管理

C 試験計画の倫理審査

D 症例報告書作成への協力

E モニタリング・監査への対応

 

(3) 最も高いビデンスが得られるものはどれか。

A 無作為化比較試験

B コホート研究

C 症例対照研究

D 症例集積研究

E 臨床試験の系統的レビュー

 

(4) 初回通過効果を受ける薬物投与法はどれか。

A 静脈注射

B 舌下噴霧

C 皮膚貼付

D 経口投与

E 吸入

 

(5) 薬物代謝酵素 (CYP) を誘導する薬物として誤っているものはどれか。

A イトラコナゾール

B フェノバルビタール

C リファンピシン

D エタノール

E フェニトイン

 

(6) CYP3A4 の阻害作用がもっとも強いものはどれか。

A リンゴジュース

B オレンジジュース

C パイナップルジュース

D グレープフルーツジュース

E トマトジュース

 

(7) 薬剤性パーキンソン症候群を起こしやすい薬物として誤っているものはどれか。

A メトクロプラミド

B スルピリド

C クロルプロマジン

D ハロペリドール

E レボドパ

 

(8) 薬物と重大な有害反応の組み合わせとして誤っているものはどれか。

A ジソピラミド          ―  Torsades de Pointes

B ジクロフェナクナトリウム  ―  スティーブンス・ジョンソン症候群

C 副腎皮質ホルモン製剤  ―  間質性腎炎

D アトルバスタチン      ―  横紋筋融解

E チアマゾール        ―  無頼粒球症

 

(9) 酵素活性の遺伝的差異が比較的小さいものはどれか。

A  アルデヒド脱水素酵素 (ALDH2)

B  CYP2C19

C  CYP2D6

D  CYP3A4

E  N- アセチル転位酵素 (NAT2)

 

(10) 妊婦に用いる感染症治療薬として最も安全なものはどれか。

A エリスロマイシン

B テトラサイクリン

C レボフロキサシン

D スルファメトキサゾール

E ゲンタマイシン

 

(11) ジギタリス製剤について正しいものはどれか。

A Na/K-ATPase を活性化する

B 低カリウム血症では作用が増強される

C 心拍数を増加させる

D 房室伝導時簡を短縮する

E 心筋収縮力を抑制する

 

(12) 房室伝導を抑制しないものはどれか。

A イソプロテレノール

B ジルチアゼム

C プロプラノロール

D アセチルコリン

E ベラパミル

 

(13) リドカインについて正しいものはどれか。

A 房室伝導時間を延長する

B カルシウムチャンネルを強く阻害する

C 洞房結節に作用して徐脈を起こす

D 心筋収縮カを抑制する

E 治療係数が小さく、血中濃度モニタリングの対象となる

 

(14) ニトログリセリンと併用しではならないものはどれか。

A アテノロール

B ジルチアゼム

C シルデナフィル

D ベラパミル

E アムロジピン

 

(15) βアドレナリン受容体遮断薬の治療効果が期待されるのはどれか。

A 労作狭心症

B 異型狭心症 ( 冠動脈攣縮 )

C 低血糖発作

D 房室伝導障害

E レイノー症候群

 

(16) 下記の病態を有する高血圧と降圧薬の組み合わせで適切なものはどれか。

A 高カリウム血症 ― スピロノラクトン

B パーキンソン病 ― ジルチアゼム

C 高尿酸血症   ― ヒドロクロロチアジド

D 起立性低血圧 ― ドキサゾシン

E 心不全      ― カプトプリル

 

(17) レニンーアンジオテンシン系阻害薬について正しいものはどれか。

A アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬はキマーゼも阻害する

B アンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) の特徴的な副作用として空咳がある

C ARB は AT2 受容体も阻害する

D ARB による降圧効果にはブラジキニンが大きく関与する

E ACE 限害薬も ARB も腎臓保護効果が期待できる

 

(18) ワルファリンについて誤っているものはどれか。

A 納豆により効果が減弱される

B 血中濃度測定で治療効果をモニタリングする

C 心房細動による心原性脳塞栓症の再発予防に用いられる

D 主に CYP2C9 により代謝される

E 肝臓におけるビタミン K 依存性血液凝固因子の生合成を阻害する

 

(19) ヘパリンについて正しいものはどれか。

A 経口投与する

B ビタミン K によって拮抗される

C 血中では 95% 以上がアルブミンと結合している

D プロトロンビン時間が効果の指標になる

E アンチトロンビン III を介して作用する

 

(20) シクロオキシゲナーゼを阻害して抗血小板作用を発揮するものはどれか。

A チクロピジン

B ジピリダモール

C アスピリン

D オザグレル

E サルポグレラート

 

(21) 各種貧血と治療薬の組み合わせのうち誤っているものはどれか。

A 鉄欠乏性貧血   ― 鉄剤

B 腎性貧血      ― エリスロポエチン製剤

C 巨赤芽球性貧血 ― シアノコバラミン ( ビタミン B12 製剤 )

D 再生不良性貧血 ― 蛋白同化ホルモン製剤

E 鉄芽球性貧血   ― チアミン ( ビタミン B1 製剤 )

 

(22) 非ステロイド性抗炎症薬と以下の薬物の相互作用のうち誤っているものはどれか。

A ニューキノロン系抗菌薬         ― けいれん

B ワルファリン                ― 出血傾向

C アンジオテンシン変換酵素限害薬  ― 降圧効果減弱

D スルホニル尿素薬            ― 低血糖

E チアジド系利尿薬            ― 降圧効果増強

 

(23) 副腎皮質ホルモン製剤の長期使用による副作用として誤っているものはどれか。

A 消化性潰湯

B 腎障害

C 成長抑制

D 骨粗鬆症

E 耐糖能異常

 

(24) 高腎皮質ホルモン製剤が一般に禁忌とされる疾患はどれか。

A 麻疹

B 湿疹

C アトピー性皮膚炎

D 気管支喘息

E ネフローゼ症候群

 

(25) 免疫刺激薬として用いられるものはどれか。

A シクロスポリン

B メトトレキサート

C テセロイキン ( IL-2 製剤 )

D ラパマイシン

E アザチオプリン

 

(26) 間質性肺炎の原因として誤っているものはどれか。

A 金製剤

B ブレオマイシン

C メトトレキサート

D プレドニゾロン

E ゲフィチニブ

 

(27) 細菌感染症治療薬とその作用機序の組み合わせで誤っているものはどれか。

A βラクタム系         ― 細胞壁合成阻害

B クロラムフェニコール    ― タンパク質合成阻害

C リファンピシン        ― 核酸合成阻害

D ニューキノロン系      ― DNAジャイレース阻害

E アミノグリコシド系      ― 葉酸合成阻害

 

(28) マイコプラズマ性肺炎の治療薬として最も適切なものはどれか。

A ベンジルペニシリン

B エリスロマイシン

C バンコマイシン

D ゲンタマイシン

E リンコマイシン

 

(29) ウィルス感染症治療薬とウィルス種との組み合わせで誤っているものはどれか。

A オセルタミビル     ― 単純ヘルペスウイルス

B ジドブジン        ― ヒト免疫不全ウイルス

C ザナミビル        ― インフルエンザウイルス

D ガンシクロビル     ― サイトメガロウイルス

E インターフェロン製剤 ― C型肝炎ウィルス

 

(30) 抗腫瘍薬について誤っているものはどれか。

A シクロホスファミドは DNA のアルキル化により DNA 合成を阻害する

B フルオロウラシルはプリン代謝桔抗により DNA 合成を阻害する

C ビンクリスチンはチューブリンに結合し微小管形成を阻害する

D トラスツズマブは HER-2 過剰発現乳癌に対するモノクローナル抗体である

E ドキソルビシンは副作用として心筋障害を起こすことがある

 

 

 

 

 

 

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