平成17年度 泌尿・生殖器 概説試験

(復元)

○ 実施日: 2005.2.22

○ 試験時間: 120

○ 問題用紙: 問題用紙は「泌尿器科」「産婦人科」「病理」それぞれの科ごとの冊子。解答用紙もそれぞれ一枚ずつ。

○ 不合格: 14

○ コメント: 泌尿器はほぼ過去問と同じ。ただ産婦人科の分が過去問とはちょこちょこ変わってて解きにくかった。病理はその中間といったところ。如何せん、連日の循環・神経で力を使い果たしてやる気をそがれます(?)。

 

<泌尿器科>

【1】正しいものを選べ。

1.機能性尿失禁とは排尿反射に対する上位中枢からの抑制路が何らかの原因で遮断され生じる失禁で、トイレまで我慢できず尿が漏出してしまうものである。

2.血尿は初期血尿、終末時血尿、全血尿に大別されるが、膀胱腫瘍では排尿痛を伴う終末時血尿が特徴的である。

3.腎後性無尿は骨盤内臓器腫瘍による浸潤や圧迫、後腹膜リンパ節転移による圧迫などが、原因となっていることが多く、治療としては経尿道的尿管ステントの留置や経皮的腎ろう(?)造設術が行われる。

4.尿量が1日100ml以下を無尿と呼ぶが、尿閉との鑑別には膀胱部の超音波検査が有用である。

5.腎の大きな結石では、しばしばせん痛発作を来たすことがある。

a.12  b.13  c.14  d.23  e.24  f,25  g,34  f.35

 

【2】排尿障害があることを証明する検査を2つ選べ。

(1)検尿・細菌培養 (2)残尿測定 (3)膀胱内圧測定

(4)膀胱造影 (5)腎孟造影 (6)括約筋筋電図

(7)排尿記録(あるいはCup stopwatch法)

a.12  b.13  c.15  d.24  e.26  f.27  g.34  h.37  i.45  j.67

(15年概説の2番と同じ)

 

【3】

1)喫煙は膀胱癌のリスクファクターである。

2)尿路上皮(移行上皮)癌は、肉眼的に潰瘍を形成するものが最も多い。

3)膀胱尿路上皮癌乳頭状型の上皮成分は、通常の尿路上皮より高層化(七層以上)したものが多い。

4)膀胱に発生する肉腫では、横紋筋肉腫が多くこれは小児に好発する。

a134  b12  c23  d4  e1234

 

<答え> a?

 

【4】左右の腎機能を区別して検査できるのはどれか。

(1)静脈性腎盂造影 (2)レノグラム (3)PSP排泄試験

(4)尿濃縮試験 (5)インジゴカルミン排泄試験

a,123   b,125   c,145   d,234   e,345

(16年概説の4番と同じ)

 

【5】以下の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ(血尿:肉眼的血尿)。

(1)初期血尿・・・後部尿道~膀胱頚部からの出血

(2)終末時血尿・・・前部尿道からの出血

(3)全血尿・・・頚部以外の膀胱~上部尿路(腎・尿管)からの出血

(4)無症候性血尿・・・尿路悪性腫瘍

(5)終末時排尿痛・・・急性膀胱炎

a.123  b.234  c.135  d.145  e.345

(15年概説の5番と同じ)

 

【6】高熱を来すのはどれか。

(1)急性尿道炎

(2)急性精巣上体(副睾丸)炎

(3)急性腎孟腎炎

(4)急性前立腺炎

(5)急性膀胱炎

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

(15年概説の6番と同じ)

 

【7】3ヶ月の男児  ・胎児超音波検査で左側の水腎症    行うべき適切な画像診断法(A群)と、最も考えられる疾患(B群)の組み合わせとして正しいものはどれか。

A群

選択肢はUS(超音波検査)、IVP(経静脈性腎盂造影)、RP(逆行性腎盂造影)、DR(デジタルラジオグラフィー)、CTの5つの中から2つを選んだ10通りの組み合わせ

 

B群

a.腎盂尿管移行狭窄 b. 尿管膀胱移行部狭窄 c. 尿管異所開口 d. 尿管瘤  e. 巨大尿管症  f.膀胱尿管逆流症 g.嚢胞腎 h.後部尿道弁

 

【8】前立腺肥大症の重症度を判定するのに必要な項目を3つ選べ。

1. 国際前立腺スコア(I-PSS)とQOL

2. 前立腺特異抗原(PSA)

3. 最大尿流率、残尿量

4. 直腸診

5. 前立腺容積体積

a,123 b,235 c,125 d,135 e,245

 

答え d

 

【9】(平成15概説泌尿器9と全く同じ。以下、至誠からコピペ。)尿路感染症について正しいものはどれか。3つ選べ。

(1)急性単純性尿路感染症の原因菌としてブドウ球菌が多くを占める。

(2)性交は再発性膀胱炎の危険因子である。

(3)急性単純性腎孟腎炎では発熱を伴うことが多い。

(4)留置カテーテルは単純性尿路感染症の原因となる。

(5)感受性検査法には、MIC値が用いられる。

a.123  b.124  c.145  d.234  e.235  f.すべて

 

(解答)e

(解説)「尿路・性感染症」プリント参照。

(1) × E.coliが多い。

(2) ○ 選択肢から。

(3) ○ 症状:発熱、腎部痛、腰痛(ちなみに急性単純性膀胱炎の3主徴は頻尿、排尿痛、尿混濁)

(4) × 留置カテーテルは複雑性尿路感染症の原因となる重要な基礎疾患である。

(5) ○ 最小発育阻止濃度測定法。他にディスク拡散法がある。

 

10】正しいものの組み合わせを選べ。

1.我が国の淋菌感染者1995年以降減少している。

2.淋病にはニューキノロン系が効く。

3.非淋菌性尿道炎はクラミジア・トラコマティスが多い。

4.女性にクラミジア感染症は少ない。

5.尖圭コンジローマはHuman papilloma virus の感染による。

 

11次のうち正しくない組み合わせを選べ。

(1)腎外傷において血尿は必発であり、血尿を認めない場合腎外傷は否定できる。

(2)非開放性腎外傷の多くは腎挫傷であり、保存的治療が可能である。

(3)後部尿道の損傷は骨盤骨折に伴うことが多い。

(4)腎梗塞は、直ちに手術的に治療する必要がある。

(5)精索捻転症は発症後48時間以内であれば、患側精巣機能の廃絶の可能性は低い。

 a:1,2,3 b:2,3,4 c:1,2,4 d:2,3,5 e:1,4,

 

<解答> e

<解説> 2/9原野先生の「尿路性器外傷と泌尿器科的救急処置」のプリント、ステップ(1)× 肉眼的血尿は約90%の症例で認められるが、腎損傷の程度と血尿の頻度は必ずしも一致しない(ステップ泌尿器科p.307

(2)○ 外傷中で頻度最多。全症例の85%は腎挫傷程度であり、合併症の発生が少なく保存的に治療する(ステップ泌尿器科p.309

(3)○ 後部尿道外傷(膜様部・前立腺)は骨盤骨折に伴い損傷を受けやすい。出血もしやすい。感染を合併すると敗血症になりやすい。

(4)× 腎梗塞とは、血栓などによる腎動脈の閉塞で起こり、その動脈の支配領域の壊死→腎萎縮→腎線維化という経過をとる。エコーにより尿路結石との鑑別を行い、発症5日以内に血栓溶解治療をする。効かない場合は腎部分切除、腎摘出術を行う。早期発見・早期治療開始が大切で、原因疾患の治療も行う。

(5)× 精索捻転症は、清掃動静脈が長軸方向に捻転することにより、清掃の血行障害を来たし、清掃の出血性梗塞に至る疾患。6時間以内の治療が重要で、12時間を経過すると精巣機能は廃絶する可能性が大きい。(ステップ泌尿器科p.215

 

12】尿路結石について正しい答えの組み合わせはどれか?

(1)感染結石として重要な成分はリン酸マグネシウムアンモニウムである。

(2)アルカリ性尿は感染結石、酸性尿は尿酸、シスチン結石、高カルシウム尿はシュウ酸カルシウム結石ができやすい。

(3)シスチン尿症は常染色体優性遺伝であり、その結石はレントゲン陽性結石である。

(4)アロプリノールは尿中へ尿酸の排泄を促し、尿酸結石の成因となる。

(5)尿路結石に対し最も多く行われている手術はESWLである。

a.123  b.234  c.125  d.145  e.235

(15年概説の13番と同じ)

 

13腎細胞癌について正しいのはどれか。

(1)近位尿細管由来であり、画像上hypervascularな像を呈することが多い。

(2)血行性転移よりもリンパ行性転移をきたしやすい。

(3)原因不明の発熱、高カルシウム血症などの徴候が見られることがある。

(4)根治的腎摘除術ではまず腎動静脈の結紮を行うが、副腎は副腎不全予防のため摘出してはならない。

(5)肺転移に対し、インターフェロンやインターロイキン2等の免疫療法が行われる。

a.123 b.234 c.135 d.145 e.235

 

14性機能障害とその治療について正しい組み合わせを選べ。(みたいな問題文でした)

1.シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ阻害薬TypeⅢである。

2.糖尿病患者のEDはすべて(ほとんどって書いてあったかも)心因性である。

3.EDは加齢により増加傾向にあるが、米より日本の方が患者数が多い。

4.シルデナフィルは、性的興奮により初めて勃起効果を発揮する。

5.日本での勃起治療は、プロスタグランジンE1(3と書いてあった気も)の陰茎への直接注射が最も多い。

6.シルデナフィルは、硝酸薬やシメチジンやエリスロマイシンとの同時服用は避けるべきである。

a.12 b.13 c.14 d.16 e.23 f.24 g.26 h.35 i.36 j.46(組み合わせは少し間違っているかも)

 

15】正しい文章の組み合わせを選べ。

(1)原発性腎孟尿管癌において自排尿の尿細胞診の陽性率は非常に高い。

(2)原発性膀胱癌の組織型としては大部分が移行上皮癌である。

(3)膀胱癌の発生と芳香族アミン化合物(ベンチジン、2-ナフチラミンなど)の相関は、疫学的には認められない。

(4)上皮内癌(carcinoma in situ)はBCG膀胱内注入療法の適応である。

(5)尿路変向術には失禁型の尿管皮膚痩や回腸導管、自然排尿型のHautmanStuder法などがある。

a.124  b.234  c.125  d.145  e.245

 

(解答)e

 

16】精巣腫瘍について、正しい組み合わせはどれか。

(1)有痛性陰嚢腫大を主訴とすることが多く、精巣上体炎、精巣捻転との鑑別が重要であり、経皮的超音波ガイド下の針生検が有用である。

(2)精巣腫瘍の腫瘍マーカーとしてAFP、HCG-β、LDHが有用である。

(3)転移巣があっても高位除睾術を行い、患側精巣を摘出し病理診断を行う。

(4)胚細胞性精巣腫瘍は組織学的にセミノーマと非セミノーマに大別され、前者は放射線療法(+化学療法)、後者はシスプラチンを中心とした化学療法が有効である。

(5)非セミノーマには胎児性癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、奇形腫などがあり、このなかでは奇形腫の予後が極めて不良である。

a.123  b.234  c.124  d.235  e.245

(15年概説の17番と同じ)

 

1740歳の女性。2年前から、徐々に体重増加と満月様顔貌とを認めるようになった。6ヵ月前から無月経となった。同じころに高血圧を指摘され、降圧薬を投与された。血中コルチゾール26.6μg/dl(正常5-15)、dehydroepiandrosterone sulfate:22μg/dl(正常130-160)。この患者でみられる所見はどれか。

(1)血中ACTHは低下する。

(2)血中コルチゾールの日内変動は消失する。

(3)デキサメサゾン8mgを2日間投与すると、尿中17-OHCS/日は減少する。

(4)メチラポン(メトピロン)試験で尿中17-OHCS/日は著増する。

(5)131Iアドステロール副腎シンチグラフィーにより一側に強い放射能集積をみる。

A(1)(2)(3)  B(2)(3)(5)  C(1)(2)(5)  D(1)(4)(5)  E(2)(4)(5)

 

解答:C(過去問と一緒でーす)

 

18】以下の記述で正しいものの組み合わせを選べ。

(1)高齢者ほど前立腺癌の潜在癌の頻度は高い。

(2)前立腺内に限局する前立腺癌では経尿道的前立腺切除術が根治的治療となる。

(3)前立腺癌の約50%は内分泌療法が無効である。

(4)高分化の前立腺癌は、低分化のもめに比べ内分泌療法に良く反応する。

(5)内分泌療法に抵抗性となった前立腺癌ではcisplatinを中心とする抗癌化学療法が有効であることが多い。

a.12  b.13  c.14  d.15  e.23  f.24  g.25  h.34  i.35  j.45

 

19】 ×

 

 

<婦人科>

【1】女性生殖器の解剖に関して正しいものをひとつ選べ

a 子宮、卵巣、ちつの下方はミュラー管から発生する

b 卵胞は原始卵胞、グラーフ卵胞、白体、黄体へ発育、変化していく

c 会陰は後陰唇交連と肛門との間の部分で分娩時会陰切開が行われる

d 解剖学的内子宮口は組織学的内子宮口より外子宮口に近い

e 骨盤隔膜は深会陰横筋と尿道カツヤク筋からなり骨盤内臓器を保護している

 

【2】29歳の主婦。月経不順と3ヵ月間の無月経を訴えて婦人科を受信した。内診と超音波断層法にて子宮および付属器に異常はなく、基礎体温測定を指示された。その後1ヵ月間の基礎体温は低温一相性である。

この症例について正しいものをひとつ選べ。

a.無排卵周期症の治療に排卵誘発剤を投与する

b.早発閉経の予防にエストロゲン製剤を投与する

c.機能性子宮出血の予防にプロゲステロン製剤を投与する

d.妊娠の可能性があるのでホルモン治療は行わない

e.破綻出血の予防にGnRHアナログ製剤を投与する

(14年の2を写しました)

 

【3】正しいものを一つ選びなさい

a GnRHの分泌は律動性に行われる

b 初経はエストロゲンによる破綻出血による

c プロゲステロンの分泌は初経の飛来に必須である

d 排卵にはエストロゲンのネガティブフィードバックが必要

e インヒビンはLHの分泌を特異的に抑制する

 

【4】誤りを1つ選べ。

a.パパニコロー分類で子宮頚部スメアがスコアⅣであり、上皮内癌を疑った。

b.コルポスコピー検査で白色上皮を認め、異形成と診断した。

c.子宮内膜症を診断するために腹腔鏡検査を行った。

d.子宮内膜はMRIT2強調画像で高信号を示す。

e.子宮腺筋症にはMRIよりCTの方が診断に有用である。

 

【5】正しいものをひとつ選べ。

a子宮卵管造影法の前にクラミジアの検査を行う必要がある。

b性交後試験では頚管粘液の牽糸性を評価する

c粘膜下子宮筋腫の確定診断には腹腔鏡検査が必要である

d排卵日の推測にはLH-RH試験が有用である

e子宮内膜症の腹膜病変の診断には経膣超音波検査が有用である

 

【6】次のうち誤りをひとつ答えよ。

1.性腺細胞はY染色体上のspy遺伝子により刺激をうけて精巣になる。

2.テストステロンはLeydig細胞から分泌され、ミュラー管を退縮させる。

3.卵巣は生殖隆起から分化する。

4.ミュラー管が癒合して子宮になる。

5.副腎性器症候群では陰核が肥大する。

 

【7】子宮内膜症について正しいものをひとつ選べ。

a、子宮内膜炎や子宮内膜過形成を合併することが多い。

b、再発することが多いので両側付属器切除が基本である。

cGnRHアナログ療法では骨量減少に注意する必要がある。

d、エストロゲン依存症であるためタモキシフェン療法が有効である。

e、過多月経や過長月経のために貧血を合併することが多い。

 

【8】間違いを選べ。

①月経モリミナは月経周期に一致した下腹部痛を起こす。

②ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群は腎尿路奇形を起こす。

③子宮脱は生殖洞の分化異常により起こる。

④膀胱脱は腹圧性尿失禁を起こす。

⑤子宮奇形は習慣流産の要因になる。

 

【9】正しいものを選べ。

a、フーナーテストは精子の運動率を調べるために黄体期に行う。

b、人工授精では、排卵期に経膣的に排卵を行う。

c、基礎体温で高温期が10日以下は卵管閉塞が疑われる。

d、Rokitansky-Kuster-Hauser症候群ではカウフマン療法により月経が導ける。

e、卵嚢過剰刺激症候群は医療性疾患であり、血液濃縮、電解質異常から腎不全を起こすことがある。

 

10】婦人科良性腫瘍について誤っているものを1つ選べ。

a.漿膜下子宮筋症の患者に過多月経と月経困難症を認めた。

b.不妊性子宮筋腫患者に筋腫核出術を行った。

c.子宮腺筋症が妊娠して軽快した。

d.卵巣線維腫に胸水が合併した。

e.卵巣の粘液嚢胞腺腫が多房性であった。

 

11】正しくないものを1つ選べ。

a.子宮頚部の異形成において、細胞診は陰性のことが多い。

b.子宮頚部の異形成は、子宮頚部の移行帯に好発する。

c.円錐切除術は、子宮頚部微小浸潤癌の確定診断に用いられる。

d.広汎子宮全摘除術の後障害として、神経因性膀胱が見られる。

e.子宮頚癌に対する放射線治療として、外照射と膣内照射がある。

 

12】外陰・膣の疾患について誤っているものを1つ選べ。

a.小陰唇に皮脂腺を認めた。

b.Kissing ulcer を認め、ベーチェット病と診断した。

c.外陰に肥厚した白斑を認め、増殖性ジストロフィーと診断した。

d.外陰癌が骨盤リンパ節に転移した。

e.バルトリン腺嚢腫にレーザー開窓術を行った。

 

13】子宮付属器腫瘍について誤りを1つ選べ。

a卵巣しょう膜性腺癌では腫瘍マーカーCAI125が上昇しやすい。

b明細胞癌(類中腎癌)は抗癌剤が良く効く。

c大網に径5cmの転移性腫瘍がある場合の卵巣癌進行期はc期である。

d両側性の充実性卵巣腫瘍の場合は消化管の精査を行なう。

e卵巣癌化療法には現在プラチナ製剤とタキサン製剤が使われる。

 

14】 ×

 

15】 ×

 

16婦人科炎症性疾患について、誤っているものを1つ選べ

a.尖形コンジローマを認め、梅毒と診断した

b.淋菌を検出し、ニューキノロン系抗生剤を用いた

c.老人性(萎縮性)膣炎の治療にエストロゲン膣錠を用いた

d.外陰ヘルペスの擦過スメアに多核巨細胞を認めた

e.骨盤内炎症性疾患(PID)の患者からクラミジア抗体価の上昇を認めた

 

 

<病理>

【1】腎細胞癌について正しいものを選べ

1.腎淡明細胞癌の間質は繊維成分に富むことが多い

2.腎淡明細胞癌の淡明な細胞質にはグリコーゲンが豊富に含まれている

3.長期透析後の後天性嚢胞腎に、しばしば腎細胞癌が発生する。

4.集合管癌は、腎表面に発生することが多い。

(選択肢はおそらく他と同じ)

 

【2】腎芽腫(Wilms'tumor)についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1.10~15歳に好発する

2.未分化な腎芽細胞からなり、糸球体や尿細管の構造はとらない。

3.発生にはRb遺伝子の異常が深く関与している。

4.腎横紋筋肉腫様腫瘍は乳幼児にみられ、極めて予後不良である。

a.1,3,4  b.1,2  c.2,3   d.4のみ  e.1~4のすべて

 

答え d

a.2~5歳の幼児期に好発。b.未熟だが糸球体や尿細管構造が存在する。

c.Rbは網膜芽細胞腫。本疾患ではWT。

d.腎横紋筋肉腫様腫瘍は腎芽腫の不全型で脳腫瘍合併などをきたす。

 

【3】胱の疾患に関して正しい組合せを選べ

(1)喫煙は膀胱癌のrisk factorである

(2)尿路上皮(移行上皮)癌は、肉眼的に潰瘍状を呈するものが最も多い

(3)移行上皮癌乳頭状型の上皮成分は、通常のものより高層化し、7層以上を呈するものが多い

(4)膀胱に発生する肉腫では、横紋筋肉腫が多く、これは小児に好発する

a:134 b:12のみ c:23のみ d:4のみ e:1~4全て

 

【4】前立腺肥大症、前立腺癌についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)前立腺肥大症は、組織学的に前立腺被膜下の外腺領域の過形成である。

2)前立腺肥大症は、組織学的に前立腺腺組織の過形成であり間質成分は乏しくなる。

3)前立腺癌は組織学的に異型が強く、高分化型でも組織診断は容易である。

4)前立腺癌の組織学的gradingとしてGleason分類が多用されている。

a)13,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)14すべて

(H17卒試病理問題5番と同じ)

 

【5】 ×

 

【6】 ×

 

【7】子宮体部病変についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1) 子宮外妊娠でみられるArias-Stella反応は、正常妊娠ではみられない。

2) 子宮内膜症が子宮筋層に起こった場合を子宮腺筋症と呼ぶ。

3) 子宮平滑筋腫と平滑筋肉腫の組織学的鑑別には、核の異型性や核分裂像の有無が有用である。

4) 全胞状奇胎と部分胞状奇胎の鑑別には、cisternの有無が重要である。

a)1,3,4    b)1,2    c)2,3    d)4    e)1~4すべて

 

<解答>  c

1× Arias-Stella反応とは、妊娠に伴うhCGの作用による子宮内膜細胞の変化。正常妊娠でも認められるそうです。(医学書院の医学大辞典より)

2(1×3○が確実なので選択肢的に) テップp143にあるように昔はそう考えられてましたが、厳密には違う病態であるということが分かってきたようです。が、今回の設問としては選択肢的に○のようです。

3○ ルービン基本病理学p422より。

4×(1×3○が確実なので選択肢的に)ステップp231より、「一部の絨毛のみの嚢胞化」もしくは「胎芽、胎児または臍帯を認める場合」は部分胞状奇胎。cisternとは、脳槽などの「槽」を表す言葉ですが、復元ミスかもしれません。すみません。絨毛が変化してできる嚢胞のことを指しているのでしょうか?それならどちらにもあるようなので×でしょう。

 

【8】次のうちから正しい組み合わせを選べ。

1 子宮頚部扁平上皮癌はその異型度に従いG1~G3までに分類され、予後の推定に有用である。

2 子宮頚部腺癌は極めて稀である。

3 乳癌の治療に用いられるタモキシフェンは抗エストロゲン作用により子宮内膜ガンのリスクを低下させる。

4 子宮内膜癌は多くが腺癌であり、その中でも正常の組織に類似する類内膜腺癌が多い。

 a 134  b 12  c23  d4のみ  e すべて

 

【9】卵巣腫瘍・腫瘍様病変についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1) 卵巣子宮内膜症はチョコレート嚢胞をきたす。

2) 卵巣漿液性腫瘍には境界悪性病変が存在するが、卵巣粘液性腫瘍には境界悪性病変は存在しない。

3) 卵巣漿液性腫瘍上皮は、卵管上皮や卵巣表層上皮に似る。

4) 卵巣粘液性腫瘍は、腫瘍上皮の性状から内頸部型、腸上皮型と混合型に分けられる。

a)1,3,4のみ  b)1,2のみ c)2,3のみ d)4のみ e)1~4すべて

 

H17卒試9と同じ

 

10】 ×

 

 

 

 

 

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