泌尿・生殖器 平成18年度概説

 

<泌尿器科>

【1】正しい組み合わせを選べ。

 1)機能性尿失禁とは排尿反射に対する上位中枢からの抑制路が何らかの原因で遮断されて生じる失禁で、たとえばトイレまで我慢できずに尿が漏出してしまうものである。

 2)血尿は初期血尿、終末時血尿、全血尿に大別されるが、膀胱腫瘍では排尿痛を伴う終末時血尿が特徴的である。

 3)腎後性腎不全は骨盤内臓器腫瘍による浸潤や圧迫、後腹膜リンパ節転移による圧迫などが原因となっていることが多く、治療として経尿道的尿管ステントの留置や経皮的腎瘻造設術が行われる。

 4)尿量が1100ml以下の場合を無尿と呼ぶが、尿閉との鑑別には膀胱部の超音波検査が有用である。

 5)尿管結石では5mm以下の小さなサイズでもしばしば疝痛発作をきたすことがある。

 a)123 b)234 c)124 d)235 e)345

 

 答:e

 1)× 切迫性尿失禁 2)× 無症候性全血尿 3)○ 4)○ 5)○

 

 

【2】以下の記述のうち誤っているものの組み合わせを選べ。

1)造影剤アレルギーの予測にはヨードテストが有用で現在も広く行われている。

2)腎癌と腎血管筋脂肪腫の鑑別には血管造影が有用である。

3)膀胱癌の進達度判定にはT2強調MRI検査が有用である。

4)前立腺癌の局在診断には造影CTが有用である。

a)123 b)234 c)124 d)235 e)345

f)12 g)14 h)23 i)24 j)34

 

 答:c

 1)× 2)× CTMRIが有用。血管造影でも鑑別できるが、あまりしない

 3)○ 4)×

 

 

【3】以下の記述のうち適切なものの組み合わせを選べ。

1)骨シンチグラフィーで異常集積が認められた場合は骨転移と診断してよい。

2)レノグラムは分腎機能検査、内因性クレアチニンクリアランスは総腎機能検査として用いられる。

3)尿流動体検査で排尿がはじまると外尿道括約筋圧と直腸内圧が低下し括約筋筋電図の電位は下がる。

4)尿流量検査は蓄尿機能を測定する検査である。

5)PSA検査は経直腸的超音波断層検査の前に実施するのが望ましい。

a)12 b)13 c)14 d)15 e)23

f)24 g)25 h)34 i)35 j)45

 

 答:g

 1)× 骨の炎症性疾患や骨折でも集積する 2)○

 3)× 直腸圧は軽度上昇(『標準泌尿器化学』参照) 4)× 排尿機能 5)○

 

 

【4】乳児期に発見されたA群に示す尿路先天異常に対して、B群の病態の説明のうち正しい組み合わせはどれか。

    A群          B

1)尿道下裂→尿路感染を起こしやすいので、予防的に抗生物質を投与して                  2〜3歳まで経過を観察する

2)停留精巣→自然下降が十分期待されるので就学前までは経過を観察する               のが原則である

3)先天性水腎症→腎盂尿管移行部狭窄に伴うことが多く、腎機能障害をきたしやすいので早急に手術を行う

4)尿管異所開口→本邦では単一尿管の異所開口(ThomT型)が最も多く、開口部位は膀胱頚部が最も多い

5)膀胱尿管逆流症→乳児期での発見は圧倒的に男児に多く、手術は待機的で予防的抗菌療法で経過をみるのが原則

a)12 b)23 c)34 d)45 e)15

f)24 g)35 h)13 i)25 j)14

 

答:d

解説:今年の卒試の4番と同じ問題です。

1)× 主に社会生活上の問題のため、3~4歳までに手術を受ける。

2)× 1歳児検診が確定診断となる。それ以後は自然下降が期待されない。

3)× 腎盂尿管移行部狭窄は、発育にしたがって自然軽快することが期待される。

経過観察が重要。

4)○ 5)○ 成長とともに軽くなる。

 

 

【5】尿路感染症に関する記載のうち正しいものを選択せよ。

1)尿路感染症は多くの場合、腎からの順行性感染で起こる。

2)単純性膀胱炎における起炎菌はブドウ球菌が最も多い。

3)複雑性尿路感染症においては基礎疾患の治療が大切である。

4)腎盂内にカテーテルが留置された患者に細菌尿がみられた場合、症状がなくても注射薬による治療を14日間程度行うべきである。

5)急性腎盂腎炎を繰り返す患者に対しては排尿時膀胱造影を行うべきである。

a)12 b)13 c)24 d)35 e)45

 

 答:d

 1)× 2)× 大腸菌が多い 3)○ 4)× 経口でよい 5)○

 

 

【6】正しい文章を選べ。

1)表在性膀胱癌において自排尿の尿細胞診の陽性率は非常に高い。

2)原発性膀胱癌の組織型としては大部分が移行上皮癌である。

3)膀胱癌の発生と芳香族アミン化合物(ベンチジン、2-ナフチラミンなど)の相関は、疫学的には認められない。

4)上皮内癌(carcinoma in situ)は経尿道的切除で根治的切除が可能である。

5)尿路変向術には失禁型の尿管皮膚瘻や回腸導管、自然排尿型のHautmanStuder法などがある。

a)12 b)13 c)14 d)15 e)23

f)24 g)25 h)34 i)35 j)45

 

 答:g

 1)× 必ずしも高くない 2)○ 3)× 明らかな発癌性が証明されている

 4)× BCGで治療 5)○

 

 

【7】次の文章のうち誤っている組み合わせを選べ。

1)原発性膀胱癌症例の50%は浸潤癌であり、膀胱全摘除術の適応となる。

2)現在、尿路上皮癌の原因として最も危惧されるのは喫煙である。

3)膀胱上皮内癌に対してBCGの膀胱内注入療法は第一選択の治療法である。

4)原発性陰茎癌において骨盤内リンパ節郭清術は全例には施行しない。

5)原発性腎盂癌の手術療法としては根治的腎摘除術が原則である。

a)12 b)13 c)14 d)15 e)23

f)24 g)25 h)34 i)35 j)45

 

 答:d

 1)× 70%は表在性膀胱癌 2)○ 3)○ 4)○ 5)× 腎尿管全摘除術

 

 

【8】腹腔鏡下腎摘除術において気腹に使用されるガスはどれか。

1)アルゴン 2)炭酸 3)酸素 4)窒素 5)空気

a)1 b)2 c)3 d)4 e)5

 

 答:b

 

 

【9】38才女性。筋力低下と腰痛とを主訴に来院した。6ヶ月前から無月経となった。4ヶ月前から階段の昇降が困難になり、腰痛が次第に増強するようになった。身長154cm、体重56kg。脈拍64/分、整。血圧160/100mmHg。円形顔貌、体幹に比べて四肢が細い。皮膚に多数の出欠斑を認める。

 血清生化学所見:Na 144mEq/l, K 2.8mEq/l, Cl 104mEq/l

 まず行う検査はどれか。

1)血中コルチゾール測定 2)尿中VMA測定 3)ブドウ糖負荷試験

4)アルギニン負荷試験 5)デキサメタゾン抑制試験

a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:b

 解説:Cushing syndromeの疑い

 

 

10】以下の記載のうち正しい内容の文を2つ選べ。

1)膀胱排尿筋の主な支配神経は副交感神経である下腹神経である。

2)骨盤内手術では陰部神経を損傷し、膀胱の収縮機能障害を生じる可能性がある。

3)橋より上位の中枢神経は排尿の抑制(蓄尿)に働く。

4)ヒトでは骨盤神経の中枢はS2-S4に存在する。

5)膀胱頚部から尿道は交感神経である下腹神経と、体性神経である陰部神経による二重支配を受けている。

a)12 b)13 c)14 d)15 e)23

f)24 g)25 h)34 i)35 j)45

 

 答:h

 1)× 骨盤神経 2)× 骨盤神経 3)○ 4)○ 5)× 二重支配ではない

 

 

12】誤っている組み合わせはどれか?

1)射精は交感神経の興奮によって起こる。

2)RPLND(後腹膜リンパ節郭清)では射精障害は起こらない。

3)TUR-P(経尿道的前立腺切除術)後の合併症として、逆行性射精が起こりうる。

4)精索静脈瘤は右側に多く、男性不妊症の原因となることがある。

5)脊髄損傷患者でも正常な射精機能は保たれていることが多い。

a)123 b)234 c)125 d)145 e)245

 

 答:e(『新泌尿器化学』p329参照)

 1)○ 2)× 3)○ 4)× 90%以上は左側 5)×

 

 

13腎細胞癌につき正しいのはどれか?

1)近位尿細管由来であり、画像上hypervascularな象を呈することが多い。

2)血行性転移よりもリンパ行性転移をきたしやすい。

3)原因不明の発熱、貧血、高カルシウム血症などの兆候が見られることがある。

4)根治的腎摘除術ではまず腎動静脈の結さつを行うが、副腎は副腎不全予防のため摘出してはならない。

5)肺転移に対して、インターフェロンやインターロイキン2等の免疫療法が行われる。

a)123 b)234 c)135 d)145 e)235

 

 答:c

 1)○ 2)× 3)○ 4)× Gerota筋膜ごと副腎もとる 5)○

 

 

14】精巣腫瘍について正しいものを選べ。

1)陰嚢腫大を主訴とすることが多く経皮的超音波ガイド針生検が有用である。

2)精巣腫瘍の腫瘍マーカーとしてAFPHCGβLDHが有用である。

3)転移巣があっても高位精巣摘除術を行い患側精巣を摘出し病理診断を行う。

4)胚細胞性精巣腫瘍は組織学的にセミノーマと非セミノーマに大別され、前者は放射線療法(+化学療法)、後者はシスプラチンを中心とした化学療法が有効である。

5)非セミノーマには胎児性癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、奇形腫などがあり、この中では奇形腫の予後が極めて不良である。

a)123 b)234 c)124 d)235 e)345

 

 答:b

 1)× 針生検は禁忌 2)○ 3)○ 4)○ 5)× 絨毛癌が最も予後不良

 

 

15尿路結石について正しいものを選べ。

1)感染結石として重要なものはリン酸マグネシウムアンモニウム結石である。

2)尿酸結石、感染結石は尿のpHがアルカリ性でできやすい。

3)レントゲン陰性結石で遺伝的疾患としての側面を持つものはシスチン結石である。

4)アロプリノールは尿中への尿酸の排泄を促し尿酸結石の成因となる。

5)尿路結石に対し一般的に最も多く行なわれている手術はESWLである。

a)123 b)235 c)135 d)345 e)125   f)すべて正しい

 

 答:c

 1)○ 2)× 3)○ 4)× プロベネシド 5)○

 

 

16】尿路結石について正しい組合せはどれか。

1)感染結石として重要な成分はリン酸マグネシウムアンモニウムである。

2)感染結石、尿酸結石は尿のpHがアルカリ性でできやすく、カルシウム結石はpHが酸性でできやすい。

3)レントゲン陰性結石で遺伝的疾患としての側面を持つものはシスチン結石である。

4)アロプリノールは尿中への尿酸の排泄を促し尿路結石の成因となる。

5)尿路結石に対し一般的に最も多く行われている手術はESWLである。

正しいもの3つの組合せを選ぶ。選択肢は5310通りで、全通りあった。

 

 答:c

 1)○ 2)× 3)○ 4)× 5)○

 

 

17以下の記述のうち適切なものの組み合わせを選べ。

1)陰茎持続勃起症は通常の勃起と同様に陰茎海綿体と尿道海綿体の勃起が生じる。

2)精巣捻転症と急性精巣上体炎との鑑別ができない場合はなるべく保存的に治療する。

3)疝痛とは尿管の急速な閉塞による腎被膜の進展で発生し、尿管結石が代表的な原因疾患である。

4)尿閉で尿道カテーテル留置ができない場合は直ちに膀胱痩を造設する。

a)12 b)13 c)14 d)23 e)24

f)34 g)1のみ h)2のみ i)3のみ j)4のみ

 

答:f

1)× 陰茎海綿体のみ。陰茎動脈の破綻、陰茎静脈の閉塞による。

2)× 精巣捻転症は緊急的に整復手術を行わなければならない。 3)○ 4)○

 

 

18】腎移植について正しいものの組み合わせはどれか?

 1)腎移植手術においては、一般的には腎動脈は外腸骨動脈、腎静脈は内腸骨静脈に吻合する。

2)近年、生体腎移植において腹腔鏡や後腹膜鏡を用いたドナー腎摘除術が増加している。

3)我が国の腎移植件数は年々増加しており、死体腎移植の増加が顕著である。

4)腎移植後のウイルス感染症として代表的なものはサイトメガロウィルス感染症でganciclovirが治療に用いられる。

5)新しい強力な免疫抑制剤の出現は移植腎の生着率の向上と日和見感染の減少をもたらした。

a)12 b)23 c)34 d)45 e)14 f)24 g)15 h)35

 

答:b

1)× 腎動脈-内腸骨動脈、腎静脈-外腸骨静脈  2)○

3)× 生体腎移植が増加で、死体腎移植は減少傾向。 4)○

5)× 日和見感染は増加。

 

 

19前立腺癌に関する以下の記述の中で正しいものを一つ選べ。

1)危険因子として遺伝的要因はあまり重要ではない。

2)本邦では4050歳の罹患率が最も高い。

3)多くは前立腺肥大結節が癌化することで生じる。

4)近年本邦においては転移性前立腺癌が増加してきている。

5)前立腺癌が転移する頻度が高いのは骨である。

 

 答:5

 1)× 2)× 高齢になるほど高くなる 3)× 4)× 5)○

 

 

20】以下の記述で正しいものの組み合わせを選べ。

1)高齢者ほど前立腺癌の潜在癌の頻度は高い。

2)前立腺内に限局する前立腺癌は経尿道的前立腺切除術が根治的治療になる。

3)前立腺癌の約50%は内分泌治療が無効である。

4)高分化の前立腺癌は低分化のものに比べ、内分泌療法に良く反応する。

5)内分泌療法に抵抗性となった前立腺癌では、cisplatinを中心とした抗癌化学療法が有効であることが多い。

a)1のみ b)2のみ c)3のみ d)4のみ e)5のみ

f)12 g)23 h)34 i)45

 

 答:a

 1)○ 2)× 根治的前立腺全摘除術 3)× 1520

 4)× レセプター変位度などによる。組織学的分化度とは関連性がないようです

 5)× 有効率は低い

 

 

<産婦人科>

【1】女性生殖器の解剖について正しいものをひとつ選べ。

a)卵巣動脈は総腸骨動脈から分岐する。

b)円靱帯は子宮体部に付着する。

c)扁平円柱上皮境界は小児期には頸管外にある。

d)子宮頸部のリンパ節は傍大動脈節に流れる。

e)尿管は総腸骨動静脈の後面を通る。

 

 答:b

 a)× b)○ c)× 頚管内 d)× 卵巣・卵管のリンパ節 e)× 前面

 

 

【2】卵胞ホルモンについて正しいものをひとつ選べ。

 a)排卵直後に急増する。

 b)910歳で産生が増加がみられる。

c)基礎体温を上昇させる。

d)頚管粘液の粘調度を増加させる。

e)アンドロゲンの前駆体である。

 

 答:b

 a)× b)○ c)× d)× 低下させる e)× アンドロゲンからできる

 

 

【3】Turner症候群について誤っているものをひとつ選べ。

 a)胎生期初期には原始卵胞が存在する。

 b)低身長、外反肘、翼状頚が特徴的である。

 c)血中エストロゲンとゴナドトロピンは低値を示す。

 d)精神発達は正常である。

 e)Kaufmann療法により月経を起こすことが可能である。

 

 答:c(『ネルソン小児科学』参照)

 a)○ 在胎5ヶ月で急速に消え始める b)○ c)× ゴナドトロピン高値

 d)○ e)○

 

 

【4】婦人科検査法について誤っているものをひとつ選べ。

 a)頚部スメアがパパニコロウ(Papanicoloau)分類Vbのため高度異形成を疑った。

 b)膣拡大鏡診(コルポスコピー)でモザイクを認め異形成を疑った。

 c)子宮頚部浸潤癌の病巣からヒトパピローマウイルス(HPV18型が検出された。

 d)閉経後の出血症例に子宮内膜細胞診(エンドサイト)を行った。

 e)正常子宮内膜がMRIT2強調画像で低信号に(黒く)描出された。

 

 答:e

 解説:白色上皮、赤点斑、モザイク⇒異形成

異常隆起、異形血管、潰瘍⇒浸潤癌

 a)○ b)○ c)○ d)○ e)× 内膜は高信号

 

 

【5】婦人科検査法について正しいのを1つ選べ。

a)基礎体温は排卵で低音相になる。

b)LHRH負荷試験で卵巣の予備能を測定することができる。

c)前進する精子が10%であれば、乏精子症だと診断できる。

d)子宮卵管造影検査は卵管の疎通性を調べるために卵胞期に行う。

e)Asherman症候群では子宮鏡検査で子宮内腔の拡張を認める。

 

 答:d

 a)× b)× c)× 精子濃度20×10^6/ml未満 d)○ 卵胞期初期に行う

 e)× 子宮内腔の癒着

 

 

【6Muller管の発育異常と関係ないものをひとつ選べ。

a)膣中隔 b)副角子宮 c)処女膜閉鎖 d)子宮欠如 e)中隔子宮

 

 答:c

 

 

【7】子宮内膜症について正しいものをひとつ選べ。

 a)症状として月経不順が多くみられる。

 b)マーカーとしてはCEAが一般的である。

 c)診断には子宮鏡が有用である。

 d)卵巣チョコレート嚢腫は漿液性腺癌へ癌化することが多い。

 e)妊娠すると症状は軽快する。

 

 答:e

 a)× 月経困難、下腹痛、性交痛、不妊など b)× CA-125 c)× 腹腔鏡

 d)× e)○

 

 

【8】膣縦中隔に関する次の記述のうち、正しい組み合わせをひとつ選べ。

1)治療として中隔切除術を行うことが多い。

2)重複子宮を合併することが多い。

3)分娩の際に通過障害をきたすことが多い。

4)膣留血腫を合併することが多い。

5)原発性無月経を主訴とすることが多い。

a)123 b)125 c)145 d)234 e)345

 

 答:d

 1)× 分娩障害がなければ治療しない 2)○ 3)○ 4)○ 5)× 月経は正常

 

 

【9】不妊症について正しいものをひとつ選べ。

 a)卵巣に含まれる卵胞数は思春期に最大数となる。

 b)排卵障害は子宮性排卵障害と卵巣性排卵障害に大別される。

 c)クロミフェン投与で頚管粘液は増加する。

 d)Kallmann症候群では染色体異常を認める。

 e)卵巣過剰刺激症候群は医原性疾患であり、血液濃縮、電解質異常から腎不全を起こすことがある。

 

 答:e

 a)× b)× 中枢性と卵巣性 c)× 抗エストロゲン作用により量が減る

 d)× 染色体異常はない e)○

 

 

10】婦人科良性腫瘍について誤っているものを一つ選べ。

a)子宮筋腫の治療にエストロゲンを投与した。

b)不妊症の子宮筋腫患者に筋腫核出術を行った。

c)子宮腺筋症が妊娠により軽快した。

d)子宮内膜症による高度癒着を骨盤に認め、凍結骨盤と診断した。

e)子宮内膜症病巣を肺に認めた。

 

 答:a

 a)× 悪化する b)○ c)○ d)○ e)○

 

 

11子宮頸癌に関する記述で誤りを一つ選べ。

a)扁平上皮癌は腺癌と比べて予後が良い。

b)進行期の決定は治療前に行われる。

c)Tb期かUb期の鑑別に円錐切除が行われる。

d)尿路造影の所見は進行期決定に関与する。

e)放射線照射は、外部照射と組織内照射を組み合わせて行う。

 

 答:c

 a)○ b)○ c)× 直腸診による子宮傍組織浸潤の有無で決定 d)○ e)○

 

 

1278歳の女性が不正性器出血を主訴に来院し、右陰唇に存在する径3cm大の腫瘍性病変を認め、同部位の細胞診でクラスXの所見であった。今後行うべき、検査および治療に関して正しくないものをひとつ選べ。

 a)子宮頚部および体部内膜細胞診を考慮する。

 b)膀胱鏡検査や直腸鏡検査を行う。

 c)外陰癌の病理組織診では扁平上皮癌が最も多い。

 d)外陰癌進行期分類では多臓器に浸潤・転移性病変が存在しなければT期である。

 e)外陰癌治療として広汎外陰切除術が選択肢の一つである。

 

 答:d

 a)○ b)○ c)○ d)× 最長径2cm以下も必要 e)○

 

 

13】子宮付属器腫瘍について誤っているものをひとつ選べ。

 a)皮様嚢腫は若年者に好発する。

 b)顆粒膜細胞腫はエストロゲンを産生する。

 c)卵黄嚢腫瘍は発熱、下腹痛を生じやすい。

 d)後腹膜リンパ節転移のある卵巣癌はUc期である。

 e)上皮性卵巣癌の標準治療は可及的腫瘍切除術と術後化学療法である。

 

 答:d

 a)○ 20代に多い b)○ c)○ d)× Vc期 e)○

 

 

14】絨毛性疾患について誤っているものをひとつ選べ。

 a)全胞状奇胎の染色体は精子由来である。

 b)胞状奇胎の子宮内容除去術後は経時的なhCGの測定が必要である。

 c)胞状奇胎の子宮は同じ週数の妊娠子宮に比べ柔らかい。

 d)組織学的に証明されていなくとも基準を満たせば臨床的絨毛癌として取り扱ってもよい。

 e)絨毛癌は高率にリンパ行性転移をきたす。

 

 答:e

 e)× 血行性転移

 

 

15症例は55GOPO、閉経49歳の婦人で、肥満で不妊症の治療歴がある。数日前より性器出血があり来院された。内膜細胞診は陽性で、内膜組織診で悪性細胞が認められた。この疾患について正しいもの一つ選べ。
a)60歳代の女性に最も頻度が高い。

b)子宮頚部擦過細胞診で90%以上の陽性率を示す。

c)子宮癌の約30%を占める。

d)腺癌が大部分を占める。

e)HPV感染が発生に関与している。

 

 答:?(子宮体癌)

 a)× 50代 b)× c)○ NEW産婦人科学』参照 d)○ e)×

 

 

1628歳の女性が下腹部痛、帯下および発熱を主訴として来院し子宮付属器炎の診断に至った。今後の治療において合併症となり得るものの正しい組み合わせをひとつ選べ。

 1)子宮内膜症 2)不妊症 3)Asherman症候群 4)習慣流産 5)卵管水腫

 a)12 b)15 c)25 d)34 e)45

 

 答:c

 

 

<病理>

【1】腎細胞癌についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)近位尿細管上皮由来と考えられている。

2)肉眼像ではしばしば出血・壊死をみる。

3)腎静脈や下大静脈に腫瘍塞栓をつくることは稀ではない。

4)長期透析後の後天性嚢胞腎に、しばしば腎細胞癌が発生する。

 a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:e

 

 

【2】腎細胞癌についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)腎淡明細胞癌の間質は、線維成分に富むことが多い。

2)腎淡明細胞癌の淡明な細胞質には、グリコーゲンが豊富に含まれている。

3)紡錘細胞(肉腫様)癌は淡明細胞癌に比し予後不良である。

4)集合管癌(Bellini管癌)は、腎表面に発生することが多い。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:c

 

 

【3】腎芽腫(Wilms’ tumor)についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)5才以下の乳幼児に好発する。

2)発生にはRb遺伝子の異常が深く関与している。

3)未分化な腎芽細胞と上皮系・間葉系細胞が混じり、多彩な組織像を呈する。

4)腎横紋筋肉腫様腫瘍は、乳幼児にみられ極めて予後不良である。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:a

 2)× WT遺伝子

 

 

【4】膀胱の病理について以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)喫煙は膀胱癌のリスクファクターである。

2)移行上皮癌は、潰瘍状の形態を示すものが最も多い。

3)膀胱移行上皮癌乳頭状型の上皮成分は、通常の移行上皮より高層化(7層以上)したものが多い。

4)膀胱に発生する肉腫では、横紋筋肉腫が多くこれは小児に好発する。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

答:a(05年度病理の3番と同じ)

 

 

【5】前立腺の疾患について正しいものはどれか。

1)前立腺肥大症は、組織学的に前立腺被膜下の外腺領域の過形成である。

2)前立腺肥大症は、組織学的に前立腺腺組織の過形成であり間質成分は乏しくなる。

3)前立腺癌の組織学的gradingとしてGleason分類が多用され、その数値が高いほど高分化であることを示す。

4)高分化型前立腺癌は比較的軽い異型・きれいな腺管構造をとり、診断が難しいことがある。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:d

 1)× 内腺 2)× 3)× 数値が低いほど高分化 4)○

 

 

【6】精巣腫瘍について正しいのはどれか。

1)停留精巣は精巣杯細胞腫瘍のrisk factorである。

2)定型的精上皮腫(typical seminoma)の腫瘍細胞は淡明な胞体の中にグリコーゲンを多く含む。

3)精母細胞性精上皮腫(spermatocytic seminoma)40才以上に多く、定型的精上皮腫(typical seminoma)に比べ予後不良である。

4)性索・性腺間質腫瘍のほとんどが悪性である。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:b

 1)○ 2)○ 3)× 予後良好 4)×

 

 

【7】子宮頚部異形成についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)子宮頚部異形成は、扁平上皮と円柱上皮の移行部に好発する。

2)koilocytosishuman papilloma virus(HPV)感染による所見と考えられる。

3)子宮頚部異形成では上皮の表層から異型細胞がみられ、高度異形成では粘膜のほぼ全層に異型細胞がみられる。

4)子宮頚部異形成と同様の概念としてCIN(cervical intraepithelial neoplasia)が用いられ、上皮内癌はCIN1に含まれる。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:b

 1)○ 2)○ 3)× 基底部から 4)× CIN

 

 

【8】子宮体部病変についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)子宮外妊娠でみられる子宮内膜のArias-Stella反応は、正常妊娠ではみられない。

2)子宮内膜症が子宮筋層に起こった場合を子宮腺筋症と呼ぶ。

3)子宮内膜癌の多くは腺癌であり、その中でも正常の内膜に類似する類内膜腺癌が多い。

4)乳癌治療に用いられるtamoxifenは、その抗エストロゲン作用のため子宮内膜癌発生のriskを減少させる。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:c

 1)× 2)○ 3)○

 4)× リスクを増やす(子宮内膜にはエストロゲン作用をもつ)

 

 

【9】卵巣腫瘍・腫瘍様病変について正しいのはどれか。

1)卵巣子宮内膜症はチョコレート嚢胞をきたす。

2)卵巣漿液性腫瘍には境界悪性病変が存在するが、卵巣粘液性腫瘍には境界悪性病変が極めて少ない。

3)卵巣漿液性腫瘍の腫瘍上皮は、卵管上皮や卵巣表層上皮に似る。

4)卵巣粘液性腫瘍は、腫瘍上皮の性状から内頚部型、腸上皮型と混合型に分けられる。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:a

 

 

10】卵巣腫瘍についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。

1)卵巣にもしばしば子宮内膜に類似する類内膜腺癌が発生する。

2)卵黄嚢腫瘍yolk sac tumorの組織像はSchiller-Duval bodyの存在が特徴的である。

3)卵巣未熟奇形腫には腹膜播種や転移を来すものがある。

4)莢膜細胞腫は一般にエストロゲン産生性である。

a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)14の全て

 

 答:e

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