平成17年度 循環器 概説試験

(復元)

○ 実施日: 2005.2.20

○ 試験時間: 120

○ 問題用紙: 問題用紙は冊子。解答用紙はA4一枚。

○ 不合格: 16

○ コメント: 今年の卒試もそうだが、心臓外科の教授が変わったらしく例年より難化。追試はほとんど本試と同じ。

 

 

【1】心筋の微細構造の中でサルコメア(筋節)に含まれる蛋白質はどれか

1 アクチン

2 筋小胞体カルシウムポンプ

3 リアノジン受容体

4 トロポニン

5 トロポミオシン

a123  b125  c145  d234  e345

 

【2】誤りはどれか

(1)心筋において実験的に細胞外カルシウムを取りのぞくと収縮もおきない

(2)Na/Ca交換チャネルは心筋のCaを細胞外に出す重要な仕組みの1つである

(3)心筋のトロポニンTはカルシウム受容体として機能する

(4)平滑筋では細胞内のカルシウム濃度の上昇が同程度なら、ミオシン軽鎖のリン酸化は常に同程度である

(5)平滑筋では電位依存性Caチャネル以外にもCa流入機構がある

a.12  b.15  c.23  d.34  e.45

 

【3】正しいものを選べ

1 安静時の心拍出量は5㍑/分

2 Starlingの法則を機械的なポンプで実現するのは容易ではない

3 心機能が正常な心血管系において心拍出量の主たる決定因子は前負荷

4 駆出率 = 収縮末期心室容積 / 拡張末期心室容積

5 肺動脈血管抵抗は体動脈血管抵抗の約1/2である

a 123  b 125  c 145  d 234  e 345

 

【4】

a.血管の緊張(トーヌス)調節には、副交感神経の働きが重要である。

b.心拍出量は、運動時には安静時の約3倍になる。

c.血圧の維持には、圧受容器反射が重要である。

d.Guytonの分類??

e.トーヌスの亢進により、静脈還流量は増大する。

 

回答:番号が分からないんですが、cdeだと思います。

 

【5】次の心疾患の心エコー所見について適切な組み合わせのものはどれか?

    (疾患名)         (所見) 

(1)心房中隔欠損       心室中隔の奇異性運動

(2)心タンポナーデ        右室の拡大

(3)僧帽弁狭窄症    DDR(あるいはEFスロープ)の増加

(4)肥大型心筋症       非対称性中隔肥厚

(5)心サルコイドーシス   心室中隔基部の菲薄化

a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

 

【6】

 

【7】肺静脈圧上昇に伴う間質性肺浮腫における胸部レントゲン写真の特徴で正しいのはどれか

1Kerley B line  2、上肺野の肺静脈陰影の減少

3、気管支正接像のcuffing sign  4、肺門部の肺動脈陰影辺縁の不明瞭化

a,134のみ  b,12のみ  c,23のみ  d,4のみ  e,1-4のすべて

(17年卒試の8番と同じ)

 

【8】心筋の機能評価について

①123I‐MIBGで心筋血流が評価できる。

②99Tcーピロリン酸で急性心筋梗塞が評価できる。

③安静時タリウム心筋シンチグラフィーは心臓の心臓の「バイアビリティ」をはかる・をはかるのに有用である。

④心機能はwash outのはやさと相関している。

選択肢  a134のみ  b12のみ  c23のみ  d4のみ  eすべて

 

【9】誤っているものを選べ。

1、肺動脈楔入圧波形でv波の増高が著明で左房の心室化が見られたら、僧帽弁狭窄を疑う。

2、大動脈圧波形で、吸気時に収縮期圧が呼気時よりも10mmHg以上低下していたら、心タンポナーゼを疑う。

3、心カテーテル検査で、弁口面積を計算するには、弁口を通る血流量(ml/秒)を求め、それを弁を介する平均圧較差(mmHg)の平方根で除して算出する。

4、心内左ー右短絡の場合、肺血流量と体血流量の比(Qp/Qs)は1以下である。

5、心拍出量を計算するには、直接Fick法を用いて算出された酸素消費量を動静脈酸素圧較差で除して求めるが、この静脈血は肺静脈血である。

選択肢忘れた。。

 

10正しい組み合わせはどれか。

(1)   左室造影に際して求められる左室駆出率は1回拍出量を収縮末期容積で除して算出する。

(2)   冠動脈造影法での血管狭窄度は過小評価することがあり、血管内エコー法での(血管狭窄度の評価の方が優れている)

(3)   血管造影法においては造影剤を使用するが、造影剤アレルギーや腎障害に注意する必要がある。

(4)   大動脈造影において大動脈弁逆流の重症度を表すSellers分類のⅣ度とは「大動脈根部と同程度の持続的な左心室(の造影」を示す。)

(5)   (左心壁動の確認の撮影は正面と斜位の2位でよい。)

a,12  b,15  c,23  d,34  e,45

(え~、2と4のかっこの部分は字がかすれてて自分でも読めなかったんで勝手に補いました。)

 

11

 

12】 42歳女性、警察官。安静時5~10分の胸部不快感が数ヶ月前から続く。検査前の診察と安静時ECGは正常。トレッドミル:ステージⅣの1分で中止。HRmax:162、血圧170/80、60msで1.0~1.5msの水平~下降型ST低下、4分で正常化。運動開始と??期に心室性期外収縮、トレッドミルは陽性判定とした。下記のうち正しい説明はどれか。

a.この検査が「真の陽性」である確率は50~70%である。

b.この検査が「真の陽性」である確率は70%以上である。

c.この検査が「偽の陽性」である確率は70%以上である。

d.この検査が「偽の陽性」である確率は50~70%である。

 

13

1.心尖部では、Ⅰ音はⅡ音に比べて音量は大きく、持続性は長く、低周波成分を多く含む。逆に心基部ではⅡ音がⅠ音より高い。

2.Ⅱ音の生理的分裂は、呼気時に胸腔内圧が陰性になるため、静脈還流量が増え、右室の収縮時間が遅れ、肺動脈弁閉鎖(P2)が大動脈弁閉鎖(A2)に遅れることで生じる。

3.Ⅲ音の固定性分裂は心室中隔欠損の所見の一つである。

4.Ⅳ音は、肥大性心筋症などの左室コンプライアンス減少で生じる。

a.12  b.124  c.3  d.4  e.全て

 

14】 確か心音と弁とかの話。

 

15】次の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。

(1)心電図のPQ時間は房室伝導時間を示しており、正常時は0.12秒以上0.21秒未満である。

(2)心電図の平均電気軸は-30度(0度)より負の場合を左軸偏位、-30度~+90度(0度~90度)を正常軸、+90度以上を右軸偏位と定義している。

(3)双極誘導は、左手(+)右手(-)の第一誘導、左足(+)右手(-)の第二誘導、左足(+)左手(-)の第三誘導の3種類からなる。

(4)心電図のP波は心房興奮、T波は心室興奮の伝播を反映する。

(5)QT時間は0.4秒前後であり、RR間隔で補正されたQTcは0.360.40秒である。

a,123  b,125  c,145  d,234  e,345 aかな?

 

16】 ×

 

17正しい組み合わせを選べ。

1.左房負荷の場合、II、III、aVF、V1、V2誘導でP波が先鋭かつ高振幅になる

2.右房負荷の場合、II、III、aVF誘導ではP波が幅広くかつ高振幅になり、V1、2誘導では陰性P波が出現する

3.心房下部から刺激が発生した場合、II、III、aVF誘導でP波が陰性化する

4.QRS波が低下している場合、心嚢液貯留、肺気腫、四肢浮腫、肥満が見られることがある

5.左房負荷は僧帽弁の異常に伴って起こることが多い

a.123 b.125 c.145 d.234 e.345

 

18】正しい組み合わせはどれか。

(1)左室肥大ではV1,2誘導のS波とV5,6誘導のR波の振幅が増大する。

(2)左室肥大に伴ってⅠ、aVL誘導やV5,6誘導のST部分とT波が陰転化することがある。

(3)右室肥大はV5、V6誘導のS波の振幅が増大する。

(4)右室肥大のとき右軸偏位を示すことはまれである。

(5)肥大の心電図ではQRS幅は0.12秒以上ある。

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

 

解答 a

 

19】 ×

 

20】正しい組み合わせはどれか。

(1)完全左脚ブロックはQRS幅が0.12秒以上でV1誘導ではrSパターンをV6誘導ではR波と陰性T波を認める。

(2)完全右脚ブロックはQRS幅が0.12秒以上でV1誘導ではrSR'パターンをⅠ、,aVL、V6誘導では幅の広いS波を認める。

(3)右脚ブロックの時には右室肥大の存在は診断できない。

(4)左脚ブロックの時にはその他の心電図異常も診断できる。

(5)左脚ブロックは何らかの心疾患に伴って起こる事が多いが右脚ブロックは伴わないことも多い。

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

(15年概説13番と同じ)

 

21】 正しい組み合わせを選べ。

1.心電図のST上昇は、心筋梗塞や心膜炎の急性期、冠攣縮性狭心症、正常者の早期再分極でも見られる。

2.運動負荷試験は、マスター二段階、トレッドミル、エルゴメーターを用いて心筋の虚血や運動誘発による不整脈の診断を行う。

3.低カルシウム血症では、心電図のST上昇が見られる。

4.運動負荷試験で胸痛を伴ってⅡ、Ⅲ、aVF、Ⅴ5-6誘導でST上昇が認められれば、左室前壁の虚血であることが多い。

5.高カリウムでは、T波のテント上の上昇が、低カリウムではU波が増高し、う波とT波との融合があり、QT時間の延長が見られる。

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

 

<解答> b

<解説> 3.× ST上昇 → ST延長

 

22】 ×

 

23】 ×

 

24】 ×

 

25】心不全患者における不整脈治療について正しいものを選べ。

(1)慢性心不全患者の心室性不整脈治療としてはアミオダロンを使用するが間質性肺炎などの副作用に注意が必要である。

(2)植え込み型除細動器は心不全患者の致死性心室性不整脈治療に有用である。

3)心房細動においては抗凝固療法としてワーファリンによりINRを1前後にコントロールする。

(4)心不全患者の心室性不整脈に対してⅠ群抗不整脈薬の積極的使用が勧められる。

a.134のみ  b.12のみ  c.23のみ  d.4のみ  e.1~4のすべて

(15年概説31番と同じ)

 

26】心不全の病態について正しいものを選べ。

a.重症になる程、交感神経が亢進している。

b.脳性ナトリウム利尿ペプチドBNPが低下している。

c.心不全は、αミオシン重鎖の割合が増加している。

d.? e.

 

27拡張不全について正しいもの

1.左室の拡大と駆出率の低下が特徴である

2.若年者に多い

3.男性に多い

4.心筋虚血が原因となることがある

5.心肥大を伴うことが少なくない

a12  b15  c23  d34  e45

 

答 e

 

28】 高拍出性心不全となるのはどれか。

1.大動脈狭窄症

2.急性心筋梗塞

3.甲状腺機能低下症

4.貧血

5.ビタミンB1欠乏

a12  b15  c23  d34  e45

 

29拡張型心筋症について正しいものを選べ。

(1)心筋収縮不全と左室内腔の拡大が特徴である。

(2)家族歴があることは稀である。

(3)冠動脈病変を伴うことが少なくない。

(4)心筋生検によってアミロイドの沈着が認められる。

(5)長期予後の改善にはβ遮断薬が有効である。

a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

 

30肥大型心筋症について正しいものを選べ。

(1)びまん性心筋肥大が特徴である。

(2)約半数に家族内発症、原因として収縮蛋白の遺伝子異常が指摘されている。(3)経過中に心室壁厚が菲薄化し、拡張型心筋症様の症状が出る場合がある。

(4)心尖部肥大型では、僧帽弁の収縮期前方運動()を示すことがある。

(5)閉塞性肥大型心筋症には、血管拡張薬が有効である。

a(1)(2) b(1)(5) c(2)(3) d(3)(4) e(4)(5)

 

31特定心筋疾患について正しいものを選べ。

1.心Fabry病は女性に多い。

2.心サルコイドーシスに対し酸素補充療法が有効である。

3.心アミロイドーシスは拡張障害が主体で収縮能は比較的保たれてることが多い。

4.心アミロイドーシスでは左室壁厚の増大にもかかわらず低電位差であることが特徴的。

5.アドリアマイシンの心毒性は用量非依存的である。

a.123   b.125   c.145   d.234   e.345

だったと思います。選択肢がちょっと自信ないです・・・もしかしたらa.12  b.15  c.23   d.34   e.45だったかも(><)

 

32】虚血性心疾患について正しい記述の組み合わせを選べ。

(1)危険因子として重要なものは高コレステロ―ル血症である。なかでもLDLコレステロ―ル値が高いほど虚血性心疾患の発生率が高くなる。

(2)危険因子の数が多いほど虚血性心疾患の発症リスクが高くなる。

(3)コレステロ―ル低下療法によって虚血性心疾患の発生率が低下することは証明されている。

(4)我が国において虚血性心疾患の発生頻度は増加している。

a.134のみ  b.12のみ  c.23のみ  d.4のみ  e.1~4のすべて

(15年概説の42番と同じ)

 

33】急性心筋梗塞症について正しい記述の組み合わせを選べ。

1.閉塞性血栓は大部分動脈硬化部位の破綻raptureにより起こる。

2.破綻部位の病理組織学的特徴としては、炎症・脂質沈着、脆弱な皮膜などが挙げられる。このような病変の質的異常をプラーク不安定化(動的動脈硬化)という。

3.閉塞性血栓が起きやすい不安定化部位の動脈硬化性狭窄の程度は70%以上の狭窄である場合が多い。狭窄が軽度-中等度の場合は少ない。

4.不安定化動脈硬化部位の破綻の原因として冠動脈攣縮、ストレスや交感神経緊張などが挙げられる。

a.134のみ  b.12のみ  c.23のみ  d.4のみ  e.1~4のすべて

 

答え:bかな?

 

34】急性心筋梗塞症の診断について正しい記述の組み合わせを選べ。

(1)不安定狭心症との鑑別には心電図と心筋逸脱酵素の経時的変化が役立つ。

(2)症状としての胸痛は30分以上続き、ニトログリセリンは無効であることが多い。

(3)心電図で最も初期の変化は冠性T波である。

(4)心筋壊死は心外膜側から始まり内膜側へ進展する。

(5)急性心膜炎との鑑別診断には心エコー検査が有用である。

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

(15年概説44番と同じ)

 

35急性心筋梗塞について正しい記述の組み合わせを選べ。

1.発症早期(6時間以内)には冠動脈閉塞部位を再疎通させる再還流療法が予後の改善に有効である。最疎通療法として血栓溶解療法、或いは経皮的冠動脈形成術が選択される。

2.Forresterの血行動態分類は心機能の評価と治療の選択に有用である。SubsetⅡ(肺うっ血+、末梢循環不全-)の場合、利尿薬と血管拡張薬が選択される。

3.二次予防(再梗塞防止)にはβ遮断薬やアンギオテンシン変換酵素阻害薬が選択される。

4.3枝病変で心機能が低下している場合、冠動脈バイパス術のよい適応である。

a.134のみ b.12のみ c.23のみ d.4のみ e.14のすべて

H16概説の45とほぼ同じ)

 

36】 ×

 

37心筋虚血に関する正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか選べ。

()心筋虚血は心筋酸素需要量と供給量の不均衡による。

()冠血流量減少を生じる機序には器質的な冠狭窄と機能的な冠攣縮(スパズム)がある。

()無症候性心筋虚血の頻度は高くない

()気絶心筋(stunned myocardium)とは梗塞に陥った心筋が長時間機能不全に陥っている病態である。

()冬眠心筋(hibernating myocardium)とは慢性の冠血流量の低下に伴い心筋が機能を低下させている病態である。

 ()()() b()()()  c()()()  d()()()  e()()(

 

38狭心症について正しいものを選べ。

1.心筋虚血でも自覚症状が無い場合がある。

2.労作時の歯痛なら、狭心症は除外できる。

3.不安定狭心症の原因は、冠動脈プラークの不安定化である。

4.運動負荷試験陰性でも、狭心症を否定できない。

a.134 b.12 c.23 d.4 e.1-4

 

解答 a

1.○。無症候性心筋虚血

2.×。狭心症では胸痛がしばしば腕や顎に放散し、歯痛をもたらすこと

もある。

3.○。

4.○。選択肢から。

 

39心筋虚血と同じ心電図所見を示すものを選べ。

1.digilatis投与中

2.心筋炎

3.左室肥大

4.K

a.134 b.12 c.23 d.4 e.1-4

 

解答ae

R-P71に、左室肥大の鑑別診断として、ST-T変化にはジギタリ

ス、利尿剤があげられている。心筋炎でも、ST-T変化が見られ、

心筋梗塞との鑑別が必要とのこと。よくわかりません、すみません。

1.○。

2.△。

3.○。

4.○。

 

40】 PCI時の造影について。

1.ガイドカテーテルのため、冠動脈入口部と大動脈弁の位置関係は重要である。

2.標的病変、そのへの到達経路、進行角度を明らかにすることは重要である。

3.いろいろな角度から撮影し、血管の重なりを避けて長さ・形を把握することが大事である。

4.病変の側枝とその入力の動脈硬化の有無を把握することは重要である。

5.標的血管の遠位部の状態と側副血行は重要である。

6.標的部位の冠動脈径を決定する必要がある。

a.123  b.1345  c.12456  d.23456  e.全て

 

41POBAについて、正しいものの組み合わせを選べ。

(1)POBAとは、血管をバルーン拡張により拡大する手術のことである。

(2)血管壁の伸展・裂開、プラーク部位の長軸方向への移動により狭窄部位を拡大する。

(3)拡張後に、血管壁部位につよるリコイルのため拡張不全となることがある。

(4)ステントがない頃のPOBAは、冠動脈解離により冠動脈血流障害が生じることが問題

であった。

(5)ステント時代となった今日、POBAは不要となった。

a:1,2,3 b:1,2,4,5 c:1,2,3,4 d:2,3,4,5 e:1~5の全て

 

<解答> c

<解説> テキストp.194の説明文章がそのまま問題になっている

(1)○ POBA=冠動脈バルーン形成術

(2)○ 血管壁の伸展、裂開:長軸方向へのプラーク内容物の移動による。

(3)○ 拡張後に血管壁の弾性によるリコイルにより拡張が不十分で終わることが多い。

(4)○ ステントがない時代にはPOBA後に冠動脈解離を生じて冠動脈血流障害を生じることが問題であった。

(5)× ステント時代の今日POBAは必要不可欠の手技であり、ステント留置前の狭窄病変拡張、ステント留置と拡張のために必須である。

 

42】 ×

 

43不整脈とその発生機途のうち正しいものを選べ。

1.抗不整脈薬によるtorsade pointes-撃発活動のEAD

2.ジギタリス中毒時の頻脈性不整脈-撃発活動のDAD

3.急性心筋梗塞時の促進型心室固有調律-異常自動能

4.発作性上室性頻脈症-リエントリー

a.134 b.12 c.23 d.1~4の全て

 

44心不全治療薬とその機能の組み合わせで正しいものを選べ。

(1)β遮断薬-心筋酸素需要量低下

(2)Ca拮抗薬-血管平滑筋弛緩

(3)スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)-プラーク安定化

(4)硝酸薬-前負荷の軽減

a.(1)(3)(4) b.(1)(2) c.(2)(3) d.(4) e.(1)-(4)

 

45

 

46正しい組み合わせを選べ。

(1)高安動脈炎は弾性型動脈に限局した中・外膜病変を基盤とする。

(2)Buerger病は高齢男性に好発し、喫煙者に多い四肢の中小動脈の閉鎖をきたす疾患である。

(3)高安動脈炎の注意する合併症は、大動脈弁閉鎖不全とそれに引き続く心不全、高血圧や脳血管障害並びに虚血性心疾患である。

(4)川崎病の本態は冠動脈炎を特徴とする全身の血管炎であり、予後の点から心臓病変が最も重要視される。

a.(1)(3)(4)のみ  b.(1)(2)のみ  c.(2)(3)のみ  d.(4)のみ  e.(1)~(4)の全て

(15年度概説96と全く同じ。)

 

47正しい組合せを選択せよ。

(1)古典的結節性多発動脈炎は中・小動脈壁およびその周囲における病変を主体とする壊死性血管炎である。

(2)顕微鏡的結節性多発動脈炎は、毛細血管および細動静脈などの小血管を主体とする白血球破砕性血管炎が特徴的である。

(3)好中球細胞質抗体(perinuclear ANCA)はウェゲナー肉芽腫症に特異性が高い。

(4)ウェゲナー肉芽腫症は上気道、下気道や腎に好酸球が多発浸潤した肉芽腫を伴う壊死性血管炎を特徴とする。

(5)古典的結節性多発動脈炎の主な死因は腎不全で、ついで心不全が多い。

a.12  b.15  c.23  d.34  e.45

 

答えは過去問通りbだと思います。

 

48】誤っている記述を一つ選択せよ。

a.疫学とは人間集団を対象として人間の健康およびその異常の原因を宿主、病因、環境の各面から包括的に考究し、その増進と予防を図る学問である。

b.疫学研究の観察対象の単位は個人の場合と集団の場合とがある。いずれの場合も同一人の要因と結果の両測定値が必要である。

c.観察対象が個人の場合の疫学研究方法は観察研究と介入研究の2つに大別できる。

d.研究者がある因子への暴露を人為的に与えたり、取り除いたりすることによって起こってくる事態を記録して比較する方法を介入研究という。

e.メタアナリシスとは、一つの疫学研究から明確な結論が出ない場合に質の高い小規模研究を併せて評価する統計学的手法である。

 

49】 ×

 

50】誤っている記述を一つ選択せよ。

a.循環器疾患のリスクは、通常観察研究によって測定される。この代表的研究が米国Framingham研究や久山町研究である。

b.臨床経験だけでなく、再現性があり偏りのない臨床観察を系統的に行い、予後や診断、治療に応用する方法の一つとしてEBM(evidence-based medicine)が提唱されている。

c.選択バイアス(selection bias)は研究のために集めた患者それぞれが研究に関係する因子以外の点で異なっているときに起こる。

d.バイアスを制御する方法として、ランダム化、マッチ、層化、標準化などの手法が用いられる。

e.バイアスが少ない点で症例対象研究は無作為割付比較試験よりも優れている。

(15年概説100番と同じ)

 

51】冠動脈造影に関して、正しいものを選べ。(図はだいたいこんな感じ↓)

(※この図はレジュメから)

1.冠動脈Aは、右房と右室の間を通る。

2.冠動脈Bは、心室中隔の下縁を通る。

3.冠動脈Cは、左房と左室の間を通る。

4.冠動脈Dは、心室中隔の上縁を通る。

a.134  b.12  c.34  d.4  e.全て

 

52図付きで、心臓の心房心室および肺動脈の位置を聞く問題。図は心臓の横切り。

(撮影:H氏)

 

53】人工心肺について正しいものを選べ。

1.弓部置換術を循環停止で行う場合には、低体温法併用が必須である。

2.大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈弁置換術を行う場合は、心筋保護液を選択的に冠動脈入口部に注入するか、冠動脈より逆行性に注入する。

3.心房中隔欠損症の手術など、右心系を開く場合には、通常2本の脱血カニューレが必要である。

4.下行大動脈に血栓がある場合には、大腿動脈よりも上行大動脈を送血部位として選ぶ。

a.134  b.12  c.23  d.4  e.全て

 

54図の胸部X線の患者の疾患として適切なものを選べ。

(撮影:H氏)

a、

心房細動

b、心室細動

c、Ⅰ型房室ブロック

d、完全房室ブロック

e、SSS

選択忘れました…

 

55(循環テキスト116ページの図3-bと全く同じ図がでて)図の心電図を示す患者に植えこまれたペースメーカーの機能を下記のコード表示より選択せよ。

(1)DDDR

(2)DDD

(3)AAI

(4)VVI

a(1)、(3)、(4)のみ  b(1)、(2)のみ  c(2)、(3)のみ  d(4)のみ  e(1)~(4)の全て

 

56「死に行く患者の心電図の問題で、生前の処置として正しいものを選べ」ってやつ

 

57

1、胃潰瘍で少量の出血がある48歳男性。仕事が忙しいので動脈弁置換術をすぐに行った。

2、少量の脳出血のある65歳男性。6センチメートルの腹部大動脈瘤が見られたので、すぐに手術を行った。

3、81歳男性。手術後、39度の熱が出たが、術後合併症と判断し、ステロイド剤を投与した。

4、36歳男性。MRSAによる咽頭炎が見られたので、弁置換術を見送った。

a)1,3,4 b)1,2 c)2,3 d)全て

 

58IABP(大動脈内バルーンポンピング)駆動中の上段より動脈圧波形、心電図、バルーンの状態を示す。以下の選択肢から正しい組み合わせを選びなさい。

①心停止後十分間程度であればIABPのみで全身へ必要最低限の血流量を送ることが可能である。

②心電図同期の時はT波の中央からP波までバルーンを拡張させる。

③心臓の拡張期にバルーンをふくらませ拡張期血圧を上げ、冠血流を増加させる。(diastolic augmentation)

④動脈圧波形で同期させる場合は大動脈弁が閉鎖するdicrotic notchをバルーンの拡張開始時期とする。

⑤心拍数80回/分、不整脈はない。興味あることに1対1で心拍同期させるより1対4で同期させIABPを駆動させた方が心補助効果は高い。

a12 b15 c23 d34 e45

 

59】 心不全患者の管理について、正しい組み合わせはどれか。

1.血液ヘモグロビン値と全身の酸素需要量が一定ならば、心拍出量と混合静脈血酸素飽和度は反比例する。

2.心筋収縮力と前負荷が一定ならば、後負荷としての体血圧が高ければ高いほど、心拍出量は増すと考えられる。

3.開心術後の洞徐脈の場合、心房ペーシングと心室ペーシングを同じペーシング数で比較すると、心室ペーシングのほうが心房圧を下げて心拍出量を増やす。

4.50歳女性。冠動脈バイパス術後、体重及び尿量が減少し、心拍出量も1.0/min/m2に低下した。肺動脈楔入圧は1mmgであった。まずすることは輸液である。

134  2  12  23  1-4

 

60心臓移植の拒絶反応について

1術語早期死亡の第一の原因は拒絶反応である

2拒絶反応の診断はBiopsy後の免疫Tcellの染色である

3胸腹腔内臓器の中で心臓が虚血許容時間が一番短い。

4慢性化した閉塞性冠動脈閉塞病変は、慢性拒絶反応が原因である。

a134  b2  c12  d23  e1-4

 

61】 ×

 

62

 

63】】冠動脈バイパス術(CABG)の手術適応として正しいものを選択せよ。

1.PCI(Pereutaneous coronary intevention)が発展しても、CABGの適応は不変である。

2.左冠動脈主幹部病変と3枝病変のCABG適応はほぼ同じである。

3.陳旧性心筋梗塞が認められれば、通常CABGの適応にはならない。

4.急性心筋梗塞の超急性期には、緊急CABGよりPCIが良い。

5.高齢者のCABG適応では、暦年齢より肉体年齢を重視する。

a.12  b.34  c.45  d.24  e.35

 

64】冠動脈バイパス手術成績、手術手技について正しいものを選択せよ。

(1)早期開存率、遠隔期開存率のいずれにおいても、内胸静脈グラフトは動脈グラフトより明らかに優れている。

(2)最近我が国における初回CABG手術の病因死亡率(手術後在院死亡率)は全国平均で約2%にまで改善してきた。

(3)OPCAB(off-pump CABG)は体外循環を使用しない心拍動下バイパス手術で、最近著増傾向にある。

(4)多枝バイパス術においては、内胸動脈グラフト1本のみの使用より、両側内胸動脈グラフトを使用した方が、遠隔期生存率において優れている。

(5)冠動脈バイパス手術では、緊急手術も待機手術もほぼ同じriskで手術可能である。

a.123  b.234  c.1345  d.1234  e.1~5のすべて

 

65】急性心筋梗塞合併症の外科治療について正しいものを選択せよ。

1.左室自由壁破裂、よくにblow out typeでは、救命は極めて困難である。

2.心室中隔穿孔では、一般に心原性ショックに陥る前の急性期外科治療が必要である。

3.僧帽弁乳頭筋完全断裂による急性僧帽弁閉鎖不全では、緊急僧帽弁置換術が必要である。

4.左室瘤は一般に慢性期に手術適応となるが、最近はDor手術がよく行われる。

a.123  b.234  c.134  d.124  e.1~4のすべて

 

66弁膜症の手術について正しいものを選びなさい。

1)解離性大動脈瘤の合併症として大動脈閉鎖不全症がある。

2)僧帽弁閉鎖不全では弁形成が第一選択であるが、感染性心内膜症があるときは感染巣遺残の疑いがあるので行われない。

3)大動脈閉鎖不全症では手術は行われない。

4)三せん弁閉鎖不全症は右心症状が強いので手術を必ず行う。

5)僧房弁閉鎖不全に対しては自己弁温存の弁形成術が行われる。

a)12  b)15  c)23  d)34  e)45

 

答え:b

 

67】正しいものを選べ。

1.機械弁は再置換を行う必要がない。

2.生体弁は生着性がいいため、70歳以上の大動脈弁置換によく使われる。

3.機械弁は設置後に抗凝固療法が必須である。

4.生体弁置換術の後は抗凝固療法は必要ない。

5.生体弁の生着率は80%である。

 a)1,2 b)1,5 c)2,3 d)3,4 e)4,5

答え c)

 

68】感染性心内膜炎手術に関する記述のうち誤っているもの

1.感染性心内膜炎では内科的治療は奏功しないので確定診断がついた時点で手術療法が選択される。

2.忘れましたゴメン

3.感染心内膜炎手術では感染が治癒しなければ手術はできない。

4.解剖学的に僧帽弁が感染心内膜炎に侵されることは無い。

a.134  b.12  c.23  d.4  e.14

 

69】 乳児の心不全症状として、比較的頻度が高いのはどれか。

1.発汗過多

2.浮腫

3.チアノーゼ

4.呼吸困難

5.哺乳困難

a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

 

70

 

71】先天性心疾患の疫学について正しいのはどれか。

(1)Marfan症候群はelastin遺伝子の異常により生じる

(2)21trisomyは約50%頻度で心奇形を合併する。

(3)先天性心疾患と関連の深い遺伝子としてAlagille症候群がある。

(4)生産児における先天性心疾患の発生頻度は約5.0%である。

(5)Turner症候群で高頻度に見られる心疾患は肺動脈縮窄である。

a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

 

72次のうち誤りはどれか?

(1)完全型大血管転移症Ⅰ型は新生児期を比較的無症状で経過する。

(2)総肺静脈逆流異常症は通常新生児期に発症する。

(3)三尖弁閉鎖症においてBAS(balloon atrial septostomy)を必要とすることがある。

(4)肺動脈血流のための動脈管開存維持にはインドメタシンが有効である。

(5)心房中隔欠損症で肺高血圧を合併することが多い。

a.123  b.125   c.145   d.234  e.345

 

73次の先天性疾患のうち、肺血流が増加し、チアノーゼのないものはどれか。

(1)動脈管開存症  (2)心室中隔欠損症  (3)三尖弁閉鎖症

(4)完全大血管転移症  (5)心房中隔欠損症

a.123   b.125   c.145   d.234   e.345

 

<解答>

 

74】 ×

 

75チアノーゼ型心疾患の合併症として起きてくるのはどれか。

1脳膿瘍 2尿蛋白 3高尿酸血症 4感染性心内膜炎

a134, b12, c4, d1~4

 

76正しいものを選べ。

1、姑息手術とは根治手術ができない症例に行い、延命を目的とする

2、アイゼンメンジャー化した心室中隔欠損症は状態が安定してるので、手術は急がず、いつ行ってもよい

3、大動脈弓離断症が動脈管開存を合併してる場合、心不全軽減の為に動脈管は早く閉じることが望ましい

4、乳児早期の心室中隔欠損症は小さなものは自然閉鎖がありえるので経過観察でよい

a134、 b12、 c23、 d4、 e1~4のすべて

 

77正しい組み合わせを選べ。

1.新生児の肺血管抵抗は減少する。

2.心室中隔欠損症の術後の肺血流量は術前に比べて減少する。

3.多発性心室中隔欠損症に対する外科的治療として欠損閉鎖術だけでなく、肺動脈絞扼術が行われることがある。

4.肺動脈血流のための動脈開存維持にはプロスタグランディンが有効である。

5.心房中隔欠損で肺高血圧を合併することが多い。

a123 b125 c124 d234 e345

 

78】 正しいものを選べ。

1.完全心内膜床欠損床の根治術は、心房中隔欠損の閉鎖と、??弁形成である。

2.完全心内膜床欠損症では、ダウン症の合併率が高い。

3.大動脈弁逸脱のある心室中隔欠損症では、シャント量は通常少ないが、手術は急がねばならない。

4.乳児期の開心術は危険性が極めて高いので、強い心不全を呈する心室中隔欠損症であっても、手術は1歳過ぎまでまつ。

a.134  b.12  c.23  d.4  e.1~4

 

79先天性心臓奇形のうち通常チアノーゼを呈するものは以下のどれか。

1心房中隔欠損症

2心室中隔欠損症

3完全型心内膜症欠損症

4ファロー四徴症

5単心室

a1,2  b1,5  c2,3  d3,4  e4,5

 

80】正しいくみあわせはどれか?

.心室中隔欠損症ー体肺短絡術

.左心低形成症候群ーNorwood stage1手術

3.三尖弁閉鎖症ーtotal cavopulmonary connection

4.完全大血管転移症ー大動脈スイッチ術

5.両大血管右室起始症ーMustard手術

a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

 

81動脈管依存性心疾患はどれか。

1.純型肺動脈閉鎖症

2.大動脈縮窄複合

3.心房中隔欠損症

4.三心房心

5.総肺静脈還流異常症

a(12)b(15)c(23)d(34)e(45)

 

82

 

83

 

84胸部大動脈溜について正しいもの

(1)大動脈溜は男性より女性に好発し、部位別では腎下部>上行>胸部下行>弓部>腎上>胸腹部の順で発生する

(2)非解離性胸部大動脈溜は動脈硬化に起因するのが80~90%と最多

(3)大動脈溜による周囲臓器・組織の圧迫症状として反回神経麻痺による嗄声がある。

(4)胸部大動脈溜緊急手術の成績は不良で、一般に溜径6cm以上で、Marfanやその類似疾患で5cm以上で手術適応

(5)弓部大動脈溜手術時の脳保護法として脳分離体外循環法では脳梗塞の発溜が多く、臨床的には使用困難である

a123  b125  c145  d234  e345

 

85】正しいものの組み合わせを選べ。

1.粥状硬化症の概念には、弾性型のみならず、筋型動脈や細動脈の病態を含む。

2.細動脈硬化症は加齢、高血圧や糖尿病がその原因になっていることが多い。

3.粥状硬化症は動脈の内膜をおかす疾患である。

4.粥状動脈硬化による急性~亜急性病変には虚血性疾患、脳梗塞、腹部動脈瘤などがある。

5.メンケベルグ型粥状硬化では、著明な内膜硬化によりしばしば内腔が閉塞する。

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

 

86】誤っているものを選べ。

(1)粥腫(atheroma)が破綻すると動脈周囲に出血し、その圧迫のため内腔が狭窄することがある。

(2)粥状硬化巣は石灰化をきたしやすく、CTなどで発見されることがある。

(3)粥状硬化症の主たる危険因子には年齢、高脂血症、高血圧、糖尿病がある。

(4)粥状硬化症は冠動脈、腎動脈、腸間膜動脈に発生しやすい。

(5)閉経前の女性は男性より粥状硬化症の程度は一般的に軽いが、妊娠を契機として増悪することが多い。

a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

(16年概説の84番と同じ)

 

87】粥腫破綻について関係が深い病変の組み合わせはどれか選べ。

(1)偏心性粥腫

(2)内膜内マクロファージ浸潤

(3)内膜内平滑筋細胞増生

(4)内膜石灰沈着

(5)血栓形成

a.(1)(2)(3) b.(2)(4)(5) c.(3)(4)(5) d.(1)(2)(5) e.(1)(3)(4)

 

88】虚血性心疾患に関係する病変について正しい記載はどれか。

(1)急性冠症候群の疾患概念の特徴は冠動脈内血栓の病態的意義に注目した点にある。

(2)急性心筋梗塞は貧血性梗塞であり病変内出血は稀である。

(3)労作性狭心症の責任病変として75%以上の冠動脈内腔狭窄が重要である。

(4)心筋収縮帯壊死は最灌流障害によるところが多い。

(5)血栓塞栓による心筋虚血は心内膜下に好発する。

A,123  b,245  c,345  d,125  e,134

 

89正しいものの組み合わせを選べ

(1)高安動脈炎は女性に発症しやすい

(2)巨細胞動脈炎は中高年者に発症しやすい

(3)川崎病は小児に発症しやすい

(4)ウェゲナー肉芽腫症は喘息を伴うことがよくみられる

(5)顕微鏡的結節性多発動脈炎は血清C-ANCAが陽性である

a123 b125  c145  d234  e345

 

90正しいものを選べ

1.僧房弁狭窄の原因として最も重要なのはリウマチ熱である。

2.大動脈弁狭窄の原因に、Marfan症候群における弁輪の拡張がある。

3.僧房弁逆流の原因として、floppy valveがある。

4.大動脈二尖弁は、大動脈弁逆流の原因である。

a.(134)  b.(12)  c.(23)  d.(4)  e.(1234)

 

91正しいものを選べ

1.DCMの組織学的特徴の1つとして、心筋細胞の細小筋繊維欠如がある。

2.DCMは細胞周囲繊維化がある。

3.HCMは錯綜配列が特徴的である。

4・RCMはアミロイドーシスが原因である。

a(1,3,4) b(1.2) c(2.3) d(4) e(1,2,3,4)

 

92】 ×

 

93正しい組合せを選べ

(1)アントラサイクリン系抗がん剤…心筋障害

(2)甲状腺機能亢進症…心房細動

(3)Duchenne型筋ジストロフィー…拡張型心筋症

(4)放射線照射…心臓弁膜症

(5)褐色細胞腫…低血圧

a.123 b.125 c.145 d.234 e.345

 

94

a.感染性心内膜炎の起炎菌は腸球菌が最も多い。

 

95カテーテルアブレーション適応として間違っているものを1つ選べ。

1 特発性頻拍 2 発作性上室性頻拍 3 完全房室ブロック 4 WPW 5 心房細動

 

96急性動脈閉塞症の症状として適当でないものを選べ。

a.動脈拍動の消失

b.皮膚の蒼白

c.間歇性跛行

d.知覚障害

e.麻痺

 

97慢性動脈閉塞症について正しいものを選べ

(1)原因疾患として閉塞性血栓性血管炎(Buerger病:TAO)が閉塞性動脈硬化症(ASO)より頻度が高い。

(2)脊柱管狭窄症などの整形外科疾患との鑑別が必要である。

(3)安静時疼痛や潰瘍・壊疽がある場合、原則的には血行再建術の適応である。

(4)バルーン血管拡張術やステント挿入術などの血管内治療は、大腿動脈以下の下肢動脈閉塞に対する第一選択の治療である。

(5) 解剖学的バイパスより非解剖学的バイパスのほうが、低侵襲で、長期開存成績も良好である。

a,12 b,15 c,23 d,34 e,45

 

解答)c

1× 頻度はASOの方が高い(28日講義より)

2○ ともに間欠性跛行が見られるので鑑別が必要(レジュメp269より)

3○ 治療方針はFontaine分類に基づく。Ⅰ度とⅡ度では主に薬物療法、Ⅲ度(安静時疼痛)とⅣ度(潰瘍・壊疽)では主に外科療法 (レジュメp269,271より)

4×?ステージにもよるが、薬物治療を第一選択にすることもあるのでは?

5×?解剖学的バイパスのほうが自然で無理がなさそうな気がします。

 

98腹部大動脈瘤について正しい組み合わせを選べ。

(1)突然の腹痛、ショック、有痛性拍動性腫瘤が現れたら胸部大動脈瘤破裂が考えられる。

(2)血管造影が有用である。

(3)脳血管障害、虚血性心疾患の合併は稀である。

(4)待機手術の死亡率は10パーセント以下である。

(5)腫瘤径が4センチ以下のとき、~~~、経過観察を行う。 (~~~のとこは忘れました)

a12  b15  c23  d34  e45

 

99下肢静脈瘤について正しい組み合わせを選べ。

(1) 一次性静脈瘤の原因としては、大腿静脈の弁不全が多い。

(2) 一次性静脈瘤では、肺塞栓症を来しやすい。

(3) Perthes試験は深部静脈の開存性を評価する試験である。

(4) 弾性ストッキングによる圧迫は、下肢のうっ血を軽減させるので、保存的療法には有用である。

(5) 標準手術法として大伏在静脈の全長を抜去するストリッピング手術が行われるが、再発率が高く、再発率の低い硬化療法が一般的になりつつある。

a 12  b 15  c 23  d 34  e 45

 

解答 d (H16概説94と同じ)

 

100】下肢深部静脈血栓症について正しい組み合わせを選べ。

(1)静脈血栓にはおもに血小板が関与している。

(2)下肢の腫脹、うっ血性皮膚炎等をきたす静脈炎後症候群は、発症後早期に起こる。

(3)危険因子として、静脈血栓症の既往、下肢の外傷、骨盤内手術、長期のベッド上安静、急性心筋梗塞、慢性心不全、悪性腫瘍、避妊薬服用中などがある。

(4)初期治療として、持続的ヘパリン投与を行い、引き続きワーファリンの経口投与による抗凝固療法を3~6ヶ月以上継続する。

(5)肺塞栓症予防目的でときに下大静脈遮断や下大静脈フィルターの挿入が行われる。

a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

(16年概説の95番と同じ)

 

 

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