平成17年度 「肝・胆・膵」 概説試験

(獲得)

○ 実施日: 2005.12.12

○ 試験時間: 90

○ 問題用紙: 問題用紙は30ページ程の冊子。解答用紙はマークシート。

○ 不合格: 38

○ コメント: 過去問との重複率はそんなに高くない。なにより「20問は絶対ここから出す!」とか言って授業中渡したプリントからほとんど出てなかった。試験後、その先生に質問しに行ったら「えっ?もう試験終わったの!?」とか言ってたそうな。

席は自由。試験官は4、5人くらい(ずっと後ろに3人立ってた)。

 

 

【1】 胆石症について正しいのはどれか。

a. 右季肋部痛のため呼気時に息を止めるのを Murphy 徴という。

b. Mirizzi 症候群は胆嚢頚部結石による十二指腸との痩孔形成をいう。

c. confluence stone は胆嚢管の結石が胆管に内凄を形成し、胆管内に露出したものである。

d. FDG-PET は胆石での石灰化の描出に優れている。

e. 胆嚢壁全体の急性炎症による肥厚を strawberry gallbladder という。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【2】 肝内結石症について誤っているのはどれか。

a. コレステロール系結石が多い。

b. 肝膿瘍を合併する。

c. 胆管癌の合併を約 10 %に認める。

d. 肝右葉後区域と左外側区域に多い。

e. 結石の除去と胆管の狭窄の解除が治療の基本である。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【3】 Acute Obstructive Suppurative Cholangitis ( 急性閉塞性化膿性胆管炎 ) について誤っているのはどれか。

a. エンドトキシン血症が惹起される。

b. 胆嚢摘出術の適応である。

c. 発熱、黄疸、意識障害は Charcot の 3 徴である。

d. 原因として胆管結石の嵌頓が多い。

e. 起炎菌は大腸菌が多い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【4】 胆嚢ポリープについて誤っているのはどれか。

a. コレステロールポリープがもっとも多い。

b. 悪性ポリープは 15mm 以上が多い。

c. 多発性ポリープは胆嚢癌に多い。

d. 悪性ポリープは無茎性が多い。

e. コレステロールポリープは自然脱落を認める。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【5】 膵胆管合流異常症について誤っているのはどれか。

a. 短い共通管が特徴である。

b. 特発性膵炎を契機に診断されることがある。

c. 先天性胆道拡張症を合併することが多い。

d. 胆道癌の発生が多い。

e. 胆嚢胆汁中アミラーゼ値は高値でない。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【6】 胆嚢癌について誤っているのはどれか。

a. 胆嚢静脈を介しての肝転移が起こりうる。

b. 進行胆嚢癌に対する肝切除術は左側よりの肝切除が基本となる。

c. 胆嚢癌で明らかな大動脈周囲リンパ節転移陽性例は手術適応とならない。

d. 胆嚢癌の術前の壁深達度診断には超音波内視鏡が有用である。

e. M,MP 胆嚢癌には胆嚢全層切除が適応となる。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【7】 胆管癌について誤っているのはどれか。

a. 胆石の合併が多い。

b. 非切除例にはメタリックステント挿入などが適応となる。

c. 肝門部胆管癌を Klatskin 腫瘍という。

d. 下部胆管では Courvoisier 徴候を認める。

e. 下部胆管癌は ( 幽門輪温存 ) 膵頭十二指腸術の適応となる。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【8】 膵仮性嚢胞について誤っているのはどれか。

a. 6 ヶ月間縮小傾向の見られない仮性嚢胞は手術適応である。

b. 感染のある仮性嚢胞は手術適応である。

c. 仮性嚢胞は膵管と交通することが多い。

d. 仮性嚢胞に対する手術として嚢胞胃吻合術がある。

e. 急性膜炎や腹部外傷後に生じることが多い。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【9】 慢性膵炎について誤っているのはどれか。

a. 腫瘤形成性膵炎と膵癌の鑑別は難しい。

b. 主膵管型の膵管内乳頭粘液性腫瘍との鑑別が問題となる。

c. 膵実質内に存在する膵石は膵管空腸吻合術の適応である。

d. 慢性膵炎に対する手術として Frey の手術がある。

e. 炎症性腫瘤のため閉塞性黄疸がある場合には膵頭十二指腸切除術の適応となる。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【10】 膵癌について誤っているのはどれか。

a. 膵頭部癌は膵体尾部癌より多い。

b. 組織学的に神経周囲浸潤が特徴である。

c. 膵頭部癌では Whipple 徴候が出現する。

d. 総肝動脈浸潤例は動脈合併切除の適応である。

e. 門脈軽度浸潤例は門脈合併切除の適応である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【11】 膵癌について誤っているのはどれか。

a. 明らかな大動脈周囲リンパ節転移例は外科適応ではない。

b. 肝転移例は外科切除適応ではない。

c. 胃十二指腸動脈浸潤例は外科切除適応ではない D

d. 癌性疼痛に対して腹腔神経叢ブロックが適応となる。

e. 局所進行膵癌では術中放射線療法により予後改善と除痛効果が期待される。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【12】 膵嚢胞性腫瘍について正しいのはどれか。

a. 膵漿液嚢胞性腫瘍は悪性例が多い。

b. 粘液嚢胞腺腫に対して嚢胞・胃吻合術が適応となる。

c. 膵管内乳頭粘液性腫瘍は高齢の男性に多い。

d. 粘液嚢胞腺癌は通常型膵癌同様、拡大膵切除術の適応である。

e. 粘液嚢胞性腺腫は経過観察する。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【13】 膵内分泌腫瘍について誤っているのはどれか。

a. インスリノーマは単発性で良性が多い。

b. インスリノーマでは高血糖となる。

c. インスリノーマの局在診断として S A S I テストがある。

d. 境界明瞭で血流に富む腫瘍である。

e. ガストリノーマは多発、悪性が多い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【14】 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の合併症として誤っているのはどれか。

a. 糖尿病

b. 膵液瘻

c. 胃内容排出遅延

d. 逆行性胆管炎

e. 胆汁性肝硬変

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【15】 原発性硬化性胆管炎について誤っているのはどれか。

a. 女性に多い。

b. 胆管の瀰漫性性拡張を認める。

c. 進行性で肝移植の適応となる。

d. 自己免疫性疾患と考えられている。

e. 潰瘍性大腸炎を合併しやすい。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【16】 十二指腸乳頭部腫瘍について誤っているのはどれか。

a. 高齢の女性に多い。

b. 家族性大腸腺腫症に腺腫が合併することが多い。

c. 消長する黄疸が特徴である。

d. 腺腫例では内視鏡的乳頭切除が適応となる。

e. 癌では潰瘍型は腫瘤型より予後良好である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【17】 胆石症に対する治療法として誤っているのはどれか。

a. 腹腔鏡下胆嚢摘出術

b. 内視鏡的乳頭切開術

c. ウルソデオキシコール酸

d. 総胞管十二指腸人々吻合術

e. 総胆管切開術

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【18】 肝臓の解剖について正しいのはどれか。

a. Spiegel 葉は尾状葉に含まれる。

b. 門脈臍部とは左右一次分枝の合流点である。

c. 腹腔動脈は上腸間膜動脈よりも足側に位置する事が多い。

d. 胆嚢から直接肝臓に流入する胆管交通枝を Arantius 管という。

e. 中肝静脈と左肝静脈は共通管を形成する事が多い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【19】 肝損傷について正しいのはどれか。

a. 日本外傷学会肝損傷分類では I 型は表在性損傷をさす。

b. バイタルサインが安定している場合は、保存的に治療する。

c. 晩期合併症として胆汁漏を来す事がある。

d. 黄疸は早期から発症する。

e. 保存的に軽快する事が多い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【20】 肝臓の解剖について正しいのはどれか。

a. Cantli 線とは門脈臍部と下大静脈を結ぶ線である。

b. 短肝静脈とは胎生期の臍静脈の名残である。

c. 肝右葉は S5,S6,S7,S8 からなる。

d. 肝十二指腸間膜内には肝動脈・総胆管・門脈が走行している。

e. 左肝動脈が左胃動脈から分岐する変異は約 15 %に認められる。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【21】 肝包虫症について正しいのはどれか。

a. 多包虫症は近畿地方に多く見られる。

b. 包虫症の確定診断は肝生検による。

c. 感染から発症まで、数ヶ月である。

d. 根治的治療法は肝切除である。

e. CT 上、石灰化が多く認められる。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【22】 肝血管腫について正しいのはどれか。

a. 30~50 歳の女性に多い。

b. MRI T2 強調像で高信号を示す。

c. Kasabach-Merritt 症候群は高齢患者に多い。

d. 血管造影にて膿瘍濃染像を認める。

e. 血清 AFP 値が高値を示す。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【23】 肝細胞腺腫について正しいのはどれか。

a. 経口避妊薬との関連がある。

b. 破裂や腫瘍内出血を来しやすい。

c. 悪性化はない。

d. CT で腫瘍の辺縁に石灰化が多く認められる。

e. 高分化型肝細胞癌との鑑別は比較的容易である。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【24】 肝の限局性結節性過形成 focal nodular hyperplasia について正しいのはどれか。

a. 経口避妊薬との関連がある。

b. 星芒状中心性瘢痕が特徴である。

c. 悪性化はない。

d. コロイド肝シンチが診断に有用である。

e. 治療は手術を行う。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【25】 肝類上皮性血管内皮腫 epithelioid hemangioendothelioma について正しいのはどれか。

a. 肝表面に多発する。

b. 30~50 歳の女性に多い。

c. 星芒状中心性瘢痕が特徴である。

d. 免疫染色において第 7 因子が発現している。

e. 間葉系悪性腫瘍である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【26】 転移性肝腫瘍について正しいのはどれか。

a. 超音波検査での辺縁の高エコー帯が特徴的所見である。

b. 大腸癌肝転移の術後 5 年生存率は約 50% である。

c. 3cm を超えると肝切除の適応とはならない。

d. PIVKA-II 高値となる事が多い。

e. 異時性肝転移とは原発巣術後 3 年を経過して発症したものである。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【27】 肝内胆管癌について正しいのはどれか。

a. 30~40 歳代の男性に多い。

b. 肉眼的に腫瘤形成型、胆管浸潤型、胆管内発育型の 3 つに分類される。

c. 肝内胆管拡張を認めることが多い。

d. HCV 抗体陽性率は約 30% である。

e. 病理組織学所見上、胆汁産生を高頻度に認める。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【28】 肝細胞癌について正しいのはどれか。

a. 肝静脈を介して肝内に転移する。

b. 乏血性腫瘍である。

c. 正常肝からは肝細胞癌は発生しない。

d. C 型肝炎ウイルスの日本人のキャリア率は 2% 程度である。

e. 腺腫様過形成は良性のため治療の必要はない。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【29】 原発性肝癌について正しいのはどれか。

a. 我が国では肝細胞癌の原因として B 型肝炎が最も多い。

b. 古典的肝細胞癌では超音波検査で内部がモザイク状を呈する。

c. 肝細胞癌の転移は肝内が最も多い。

d. 肝細胞癌は胆管細胞癌より予後良好である。

e. 脂肪化を伴う肝細胞癌は予後不良である。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【30】 肝細胞癌について正しいのはどれか。

a. 肝切除中の出血を減少させるには中心静脈圧を高めるとよい。

b. 単発、最大腫瘍径 10cm 、脈管侵襲なし、であれば Stage II である。

c. 1cm の肝腫蕩の確定診断には造影 CT が有用である。

d. 門脈本幹への腫瘍塞栓を伴うものには動脈塞栓術がよい適応である。

e. 総ビリルビン値 2.0mg/dl であれば肝右葉切除は可能である。

1)a,c,d  2)a,b  3)b,c  4)dのみ  4)全て

 

【31】 生体肝移植について正しいのはどれか。

a. ドナー残肝量は 20% あれば問題ない。

b. 再建は肝動脈―肝静脈―門脈―胆管の順番で行う。

c. 肝細胞癌に対する生体肝移植後の再発は肝外再発が多い。

d. HBcAb 陽性ドナーからの生体肝移植では術後 HB Immunoglobulin を使用する。

e. 日本でドナーの肝不全死の報告はない。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【32】 食道胃静脈瘤に関して正しいのはどれか。

a. 食道胃静脈瘤があれば、肝硬変と考えてよい。

b. 食道静脈瘤に最も関与している供血路は右胃静脈である。

c. 門脈圧充進症に起因する静脈瘤は食道と胃にしかできない。

d. 胃静脈瘤は主に胃の穹隆部にできることが多い。

e. 胃静脈瘤は左腎静脈につながることが多い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【33】 食道胃静脈瘤の治療に関して正しいのはどれか。

a. 内視鏡的食道静脈瘤結紫術 (EVL) は内視鏡的硬化療法 (EIS) に比べ合併症が多い。

b. 内視鏡的硬化療法〈 EIS) は、 EVL に比べ食道静脈瘤の再発が少ない。

c. 食道胃静脈瘤の治療の一つとして、内服薬が挙げられる。

d. バルーン下逆向性経静脈的塞栓術(B-RTO)は食道静脈瘤の新しい治療法である。

e. 出血歴のない食道静脈瘤は治療の適応とならない。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【34】 以下の肝疾患の中で、肝細胞の脂肪変性をきたしやすい疾患の組み合わせはどれか。

a. ヘモジデローシス

b. 慢性 C 型肝炎

c. アルコール性肝炎

d. ガラクトース血症

e. Wilson 病

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【35】 肝腫瘍とその危険因子との関係で正しいものの組み合わせはどれか。

 例 ) 肝細胞癌 ― C 型肝炎ウイルス

a. 肝血管腫 ― トロトラスト

b. 肝内胆管癌 ― 肝内結石症

c. 肝細胞腺腫 ― 経口避妊薬

d. 肝細胞癌 ― へリコパクターピロリ菌

e. 肝芽腫 ― 糖尿病

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【36】 以下の記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。

a. 自己免疫性肝炎では肝小葉に好中球のびまん性浸潤を認める。

b. 薬剤が原因で劇症肝炎をきたすことがある。

c. 日本住血吸虫症では肝硬変にいたることがある。

d. 原発性硬化性胆管炎は潰瘍性大腸炎を合併することがある。

e. 限局性結節性過形成は大きなものでは悪性化する危険性がある。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【37】 肝癌に関する記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。

a. PIVKA-II は肝細胞癌の再発のマーカーとして有用である。

b. 肝細胞癌はリンパ節転移をきたしやすい。

c. 大腸癌の肝転移巣では中心に壊死を伴うことがある。

d. 進行した肝細胞癌は豊富な門脈血流を有する。

e. 慢性 C 型肝炎を背景に肝内胆管癌ができることがある。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【38】 胆道系病変についての記述の中で、正しいものの組み合わせばどれか。

a. 原発性胆汁性肝硬変では類上皮肉芽腫性胆管炎をきたす。

b. 胆嚢癌では経皮的生検が有用である。

c. 胆嚢結石は胆嚢癌の危険因子である。

d. 胆道閉鎖症は胆管病変が肝外胆管に限局している。

e. 原発性硬化性胆管炎は潰瘍性大腸炎を合併することがある。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【39】 胆道の腫瘍性・腫瘍様疾患についての記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。

a. 胆嚢腺腫は比較的頻度が低い。

b. 胆嚢コレステロールポリープは癌化の可能性が高い。

c. 肝外胆管癌では肉眼的にポリープ状の形態をとるものが多い。

d. 胆嚢腺筋症は組織学的に Rokitansky-Aschoff sinus の増生・拡張を特徴とする。

e. 膵胆管合流異常があっても胆管拡張がなければ、胆道癌発生の頻度は極めて低い。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【40】 下記の記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。

a. 十二指腸乳頭部癌は膵頭部癌よりも予後がよい。

b. 解剖学的に膵頭部癌が門脈へ浸潤する可能性は低い。

c. 画像診断上、ときに膵頭部癌と慢性膵炎の鑑別が困難なことがある。

d. 膵内分泌腫瘍の中でガストリンを産生するものがある。

e. 漿液性嚢胞腫瘍の悪性例の頻度は極めて低い。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【41】 通常型膵癌 ( 浸潤性膵管癌 ) についての記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。

a. 比較的太い膵管から発生すると考えられている。

b. 間質増生を伴いながら著明な浸潤性発育を示す。

c. 神経周囲浸潤を来しやすい。

d. Courvoisier 徴候は胆嚢への直接浸潤により起こる。

e. 急速な腫瘍の増大に伴い、急性膵炎を伴うことが多い。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

【42】 膵管内乳頭粘液性腫瘍についての記述の中で、正しいものの組み合わせばどれか。

a. 高齢男性の膵頭部に多い。

b. 厚い被膜を持ち、球状の外観を呈する。

c. 主膵管内と比較的小さな末梢膵管のいずれにも発生する。

d. 悪性例の頻度は極めて低い。

e. 急性膵炎を伴うことがある。

1)a,c,e  2)b,c,d  3)a,d  4)b,c  5)全て

 

 

以下の設問 ( 問題 43~51) において、 4 項目 (a~d) のうち 1 個だけ正しい場合は 1 、 2 個だけ正しい場合は 2 、 3 個だけ正しい場合は 3 、全て正しい場合は 4 、全て間違っている場合は 5 を選べ。

 

【43】

a. A 型肝炎は慢性化しないが、遷延化することはある。

b. A 型肝炎は劇症化しない。

c. A 型肝炎の潜伏期は 1 週間程度である。

d. A 型肝炎は病気が明らかになってからの方が潜伏期よりも他者に感染させやすい。

 

【44】

a. A 型肝炎は経口感染する。

b. A 型肝炎の治療としてワクチンを用いる。

c. A 型肝炎の発症には季節性がある。

d. 高齢者には A 型肝炎の既感染者が若年者に比べ明らかに多い。

 

【45】

a. IgM タイプの HA 抗体の上昇を確認した場合 A 型肝炎の既往をもっとも強く疑う。

b. HBV キャリアからは劇症肝炎は発生しない。

c. HBe 抗体陽性はセロコンバージョンを意味し HBV 感染の終息を意味する。

d. HBV は成人になってからの性的感染の場合、急性肝炎で終息するよりも慢性化しやすい。

 

【46】

a. HBV 感染者は HCV 感染者よりも肝細胞癌の若年発症のリスクが高い。

b. HBV ウイルス陽性のみでは肝障害を起こしているかの判断は困難である。

c. HBV による慢性肝炎の治療にインターフェロンを用いることがある。

d. HCV は感染後ほぼ全例急性肝炎を起こすことなくキャリアとなる。

 

【47】

a. 慢性 C 型肝炎から肝硬変への移行を考えるデータとして血小板数の減少がある。

b. 慢性 C 型肝炎の治療として近年ペグ化したインターフェロンとリバビリンの併用でほぼ全例の治癒が望めるようになった。

c. HCV 抗体陽性は HCV RNA 陽性を意味する。

d. HCV RNA 高値の場合インターフェロンの効果は薄い。

 

【48】

a. 原発性胆汁性肝硬変 (PBC) では、皮膚の痒みが症状としてあることが多い。

b. PBC では黄疸が明らかになると、移植を考慮する必要がある。

c. PBC で肝硬変状態となっても、肝癌の発生はまれである。

d. PBC では他の自己免疫疾患の合併はまれである。

 

【49】

a. 自己免疫性肝炎 (AIH) の診断基準として IgM の高値がある。

b. AIH では抗核抗体に加えて抗ミトコンドリア抗体の出現を認める。

c. AIH では他の自己免疫疾患の合併はまれである。

d. PBC ではステロイドを使用することはまれであるが AIH では頻用する。

 

【50】

a. 薬剤性肝障害では IgA の上昇を認めることがある。

b. 一般に経皮薬では薬剤性肝障害を起こさない。

c. 薬剤性肝障害のときに好酸球の上昇を認めることがある。

d. 薬剤性肝障害では AST/ALT の上昇を認めることが多く ALP/γ-GTP の上昇は認めないことが多い。

 

【51】

a. 肝細胞癌の治療では癌の stage と肝臓の予備能力を加味して治療方針を立てる。

b. 肝臓原発の悪性腫蕩では肝細胞癌の発生は 3/4 程度である。

c. 転移性肝癌は超音波検査で、典型的にはブルズアイの所見を呈する。

d. 肝細胞癌でも高分化型の場合、造影 CT で high-low pattern にならないことが多い。

 

 

【52】 総胆管結石症について正しいのはどれか。

a. 無症状であれば、手術適応はない。

b. 超音波検査での結石の検出率は、約 90 %である。

c. 結石の種類としては、層状構造を示すカルシウムビリルビン結石が最も多い。

d. 急性膵炎の原因となり得る。

e. 治療法としては腹腔鏡下総胆管切開術が標準術式となっている。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【53】 肝内結石症について正しいのはどれか。

a. 膵胆管合流異常を伴うことは少ない。

b. 胆管癌の発生率が高い。

c. 胆道鏡下切石術の完全切石率は約 90% である。

d. 両葉に発生しやすい本疾患は、胆石溶解剤の良い適応である。

e. 再発が多いため、肝切除術の適応とはならない。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【54】 正しくない組合せはどれか。

a. 気腫性胆嚢炎 ――――― Welch 菌

b. 胆嚢腺筋症 ―――――― 泡沫状細胞

c. 総胆管結石症 ――――― Courvoisier 徴候

d. Mirizzi 症候群 ――――― 急性膜炎

e. 胆道拡張症 ―――――― 胆管癌

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【55】 正しいのはどれか。

a. 胆石の 80% は腹部単純 X 線で陽性に描出される。

b. 胆嚢摘出術後の症例では、胆管炎が重症化しないことが多い。

c. 胆管炎の重症例では、中枢神経障害を示す。

d. MRCP は胆石の術前検査として使用される。

e. 胆石イレウスの症例には、胆道消化管瘻を伴う。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【56】 膵臓について正しい組み合わせはどれか。

a. 膵臓は五臓六腑の中で唯一内外分泌能を有する臓器である。

b. 膵臓は頭・体・尾部に分かれており、頭部領域は門脈左縁までである。

c. 膵臓は機能的に外分泌組織と内分泌組織とから成り、 95% 以上は外分泌細胞である。

d. 外分泌細胞は主に膵腺房細胞と膵管上皮細胞からなり、前者は重炭酸塩と水 ( 膵液 ) 分泌を、後者は膵酵素分泌を行う。

1)a,b,c,d  2)a,b  3)b,c  4)c,d  5)b,c,d

 

【57】 膵機能に関して正しい組み合わせはどれか。

a. コレシストキニン (CCK) は胆嚢収縮作用および Oddi 括約筋を弛緩させる作用を有する。

b. セクレチン (Secretin) は膵臓において主に重炭酸塩と水 ( 膵液 ) 分泌を刺激する。

c. 膵外分泌調節機構には脳相、胃相および腸相がある。

d. ランゲルハンス島のα細胞 (A 細胞 ) からはグルカゴンが分泌される。

1)a,b,c,d  2)a,b  3)b,c  4)c,d  5)b,c,d

 

【58】 大部分のビタミンは十二指腸および空腸で吸収されているが、下記のビタミンのなかの一つだけは回腸で吸収される。正しいのはどれか。

a. ビタミン A

b. ビタミン B12

c. ビタミン C

d. ビタミン D

e. ビタミン E

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【59】 正しい組み合わせばどれか。

a. 鉄の主要吸収部位は十二指腸および上部空腸である。

b. ビタミン A および D は脂溶性ビタミンである。

c. カルシウムは胃でも吸収され、イオン化されたカルシウムは能動的に上部小腸で吸収される。

d. 抱合型胆汁酸は十二指腸や空腸では吸収されにくく、胆汁酸の主な吸収部位は大腸である。

1)a,b,c,d  2)a,b  3)b,c  4)c,d  5)b,c,d

 

【60】 血液検査にて、総アミラーゼ値 580U/l と高値を認めた。アミラーゼアイソザイムの検索では、膵型アミラーゼは正常範囲内で、唾液腺型アミラーゼの高値を認めた。考えられる疾患はどれか。

a. 急性膵炎

b. 膵癌

c. 大分子型アミラーゼ血症 (Macroamylasemia)

d. 肺癌

e. 唾液腺炎

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【61】 慢性膵炎患者で現在腹痛などの自覚症状はない。 膵外分泌機能試験の PFD 試験 が 20 %と著明な低下を認めた。病態および治療についての解釈で正しいのはどれか。ただし、本症例の腎機能は正常である。

a. 慢性膵炎の代償期であり、血中アミラーゼ、リパーゼが高値であると想定できる。

b. この症例ではセクレチン試験で膵液の液量低下、重炭酸塩濃度の低下、膵酵素排出量の低下が認められることが想定できる。

c. 大量の消化酵素剤の投与が必要である。

d. 早急にインスリン治療の必要がある。

e. 絶食にして輸液管理をおこなうのが望ましい。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【62】 慢性膵炎に関して正しいのはどれか。

a. 慢性膵炎の成因で最も多いのはアルコール性である。

b. 慢性膵炎は進行性の非可逆性慢性疾患であり厚生労働省より難病指定されている。

c. 慢性膵炎の代償期では消化不良症候および膵性糖尿病が顕著になる。

d. 慢性膵炎は 2:1 で女性に多い。。

e. 慢性膵炎を母体にして膵癌が発症することは稀である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【63】 膵性糖尿病に関して誤っているのはどれか。

a. 膵性糖尿病を呈する疾患は慢性膵炎のみでなく膵切除後でも起こり得る。

b. インスリンの分泌は比較的保たれているが、グルカゴン分泌不全が特徴である。

c. 十分な消化酵素剤の投与なしでは血糖コントロールが見かけ上良好の場合があり、注意を要する。

d. 膵性糖尿病の診断にはアルギニン負荷試験が有用である。

e. 膵性糖尿病でのインスリン治療は低血糖の出現に留意する必要がある。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【64】 膵内分泌腫療に関して正しいのはどれか。

a. ガストリノーマでは 10% が悪性である。

b. インスリノーマでは、局在診断に選択的動脈内カルシウム注入法を用いる。

c. ガストリノーマでは壊死性遊走性紅斑をみとめることが多い。

d. VIP 産生腫瘍では激しい下痢のため脱水や電解質異常をきたしやすい。

e. 膵内分泌腫瘍をみとめた場合 MEN1 型についての精査が必要である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【65】 膵癌に関して正しいのはどれか。

a. 膵癌の大部分は腺房細胞癌である。

b. 血管造影では hypervascular mass として描出される。

c. ERCP は分枝膵管まで描出されるので、小膵癌の診断に有効である。

d. 非切除進行膵癌の化学療法では Gemcitabine( ジェムサイタビン ) 投与が標準的治療である。

e. 進行性膵癌に伴う癌性疼痛に対してはモルヒネ製剤の投与は乳頭括約筋を収縮させるので禁忌である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【66】 急性膵炎後の膵仮性嚢胞の合併症として起こる可能性のある病態はどれか。

a. 敗血症

b. 汎発性腹膜炎

c. 出血性ショック

d. 肝膿瘍

e. 黄疸

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【67】 膵臓の解剖について正しいのはどれか。

a. 膵臓はほぼ第 1~2 腰椎の高さに位置し、前面のみが腹膜で被われる。

b. 膵頭部と体部の境界は上腸管膜動脈の左側縁である。

c. 門脈は膵臓の前面を走行する。

d. 膵臓は上・下膵十二指腸動脈、牌動脈から動脈を受ける。

e. Wirsung 管は副乳頭に関口する。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【68】 膵腎同時移植に関して正しいのはどれか。

a. 膵臓は 2 つに分け、腎臓と共に別々のレシピエントに移植することが多い。

b. 本邦で生体膵移植が行われたことはない。

c. ステロイド、シクロスポリンは膵炎の起因薬剤ではない。

d. 膵液のドレナージ法には消化管ドレナージ法と膀胱ドレナージ法がある。

e. 急性拒絶反応では主に細胞性免疫が関与する。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【69】 子宮全摘術の術前検査にて、総ビリルビン 2.8mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl) 、 直接ビリルビン 0.9mg/dl( 正常値 :0-0.3mg/dl) 、総蛋白 7.5g/dl( 正常値 :6.7-8.3g/dl) 、 アルブミン 4.8g/dl( 正常値 :4.0-5.0g/dl) 、 AST 12U/L( 正常値 :13-33U/L) 、 ALT 17 ( 正常値 :6-30U/L) 、 γ-GTP 27 U/L( 正常値 :10-47U/L) 、 ALP 250U/L( 正常値 :115-359 U/L) 、 LDH 170( 正常値 :119-229U/L) の結果を得た。本症例に関して下記の設問に正しい 組み合わせはどれか。

a. 黄疸があり手術は困難と考えられる。

b. 黄疸はあるが手術には問題ないと考えられる。

c. 本症例においては絶食により黄疸が増強される。

d. 診断としては Gilbert 症候群が最も考えられる。

e. 診断としては Dubin-Johnson 症候群が最も考えられる。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【70】 B 型肝炎に関して正しい記載はどれか。

a. HBs 抗原陽性はウイルスの存在を意味する。

b. HBs 抗体陽性であっても感染するリスクがあるのでワクチン接種が必要である。

c. HBe 抗原陽性はウイルス量 ( 増殖 ) が少ないことを意味している。

d. HBe 抗体陽性はウイルスが存在しないことを意味する。

e. HBc 抗体陽性 (200 倍希釈 ) はキャリアーであることを意味する。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【71】 C 型肝炎に関して正しい記載はどれか。

a. HCV 抗体陽性は必ずウイルスが存在することを意味する。

b. ウイルス急性肝炎のほとんどは C 型肝炎ウイルスによるものである。

c. 慢性肝炎の主たる原因は母子感染である。

d. C 型急性肝炎のうち約 8 割が慢性化 ( キャリアー化) する。

e. C 型慢性肝炎に対してはインターフェロン + リバビリン併用療法が有効である。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【72】 献血の際に HBs 抗原陽性を指摘された 28 歳の独身女性が来院した。検査の結果は、総ビリルビン 0.7mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl)、AST 12 U/L( 正常値 :13-33U/L) 、ALT 17( 正常値 :6-30U/L)、γ-GTP 20U/L( 正常値 :10-47U/L)、ALP 200U/L( 正常値 : 115-359U/L)、LDH 170( 正常値 :119-229U/L) の結果を得た。ウイルス学的検査では、HBs 抗原陽性、HBs 抗体陰性、HBe 抗原陽性、HBe 抗体陰性、 HBc 抗体陽性 (99%)、HBV-DNA(PCR 法 )、7.6 log コピー (10~7.6 コピー )/ml 以上、 HCV 抗体陰性であった。本症例に関して下記の設問に正しい組み合わせはどれか。

a. 性行為により他人に感染させる危険がある。

b. セロコンバージョン前の状態である。

c. セロコンバージョン後の状態である。

d. すぐに抗ウイルス剤 ( ラミブジン ) を投与する必要がある。

e. 将来の出産の場合には HBIG (HBs 抗体 ) とワクチンにより母子感染はほぼ防げる。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【73】 進行した肝硬変症においてしばしば認められる検血上の所見を選びなさい。

a. 白血球数が低下する。

b. 血小板数が低下する。

c. MCV が上昇した貧血。

d. MCH が低下した貧血。

e. 異型リンパ球の出現。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【74】 肝疾患における免疫グロブリンの変化で正しいものを選びなさい。

a. 肝硬変症になると IgG が低下してくる。

b. 自己免疫性肝炎では IgG が上昇してくる。

c. アルコール性肝炎では IgA が上昇してくる。

d. 原発性胆汁性肝硬変症では IgM が低下してくる。

e. 原発性硬化性胆管炎では IgM が上昇してくる。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【75】 現在 ( 検査時 ) の肝 ( 実質細胞 ) の合成能をみるのにもっとも適切なものはどれか 2 つ選びなさい。

a. アルブミン

b. コリンエステラーゼ

C. コレステロール

d. プロトロンビン時間

e. ヘパプラスチンテスト

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【76】 黄疸のある患者が来院した。検尿を施行したところ、尿中ウロビリノーゲン (N)[ 正常 ] 、尿中ビリルピン (+++)[ 強陽性 ] で、あった。この結果より考えられる病態を選びなさい。

a. 溶血性貧血

b. 重症肝炎

c. 核黄疸

d. 完全閉塞性黄疸

e. 非代償性肝硬変

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【77】 検診の際に HCV抗体陽性を指摘された 58 歳の男性が来院した。自覚症状はない。診察においては、クモ上血管腫と手掌紅斑と軽度の浮腫を認めた。検査の結果は、白血球数 2200/μl( 正常値 :3500-9000/μl) 、血小板数 6万 /μl ( 正常値 :14 万 -44 万 /μl)、総ビリルビン 1.0mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl)、総蛋白7.4g/dl( 正常値 :6.7-8.3g/dl)、アルブミン 3.5g/dl( 正常値 :4.0-5.0g/dl)、 AST 82 U/L( 正常値 :13-33U/L)、ALT 65 ( 正常値 :6-30U/L)、γ-GTP 40 U/L( 正常値 :10-47U/L)、ALP 290 U/L( 正常値 :115-359 U/L) 、αフェトプロテイン 320ng/ml( 正常値 :6ng/ml 以下 ) の結果を得た。本症例に関して下記の設問に正しい組み合わせはどれか。

a. まだ、肝硬変症に至っていないと考えられる。

b. すでに肝硬変症に至っていると考えられる。

c. 腹部エコーや上腹部 C T の検査が必要である。

d. 上部消化管内視鏡検査の検査が必要である。

e. インターフェロンによる治療が必要である。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【78】 症例は 42 歳男性。 20 代で大動脈閉鎖不全症のために人工弁置換術を受けワーファリンを服用している、またこの手術の際に輸血を受けている。自覚症状なく飲酒は毎日日本酒を 3 合程度である。総ビリルビン 0.7mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl)、総蛋白 7.8 g/dl( 正常値 :6.7-8.3g/dl)、アルブミン 4.7g/dl( 正常値 :4.0-5.Og/dl)、AST 35 U/L( 正常値 :13-33U/L)、ALT 45( 正常値 :6-30U/L)、γ-GTP 80 U/L( 正常値 :10-47U/L)、ALP 220 U/L( 正常値 :115-359U/L)、プロトロンビン活性 26 % ( 正常値 :70 %以上 )、プロトロンビン INR2.16 ( 正常値 :0.9-1.1) 、αフェトプロテイン 3ng/ml( 正常値 :6ng/ml 以下 )、PIVKA II 23539 mAU/ml( 正常値 :40mAU/ml 以下 )、HCV 抗体弱陽性、HCV-RNA 定性陰性の結果を得た。本症例に関しての解釈で正しい組み合わせはどれか。

a. C 型慢性肝炎である可能性が低い。

b. C 型慢性肝炎である可能性は高い。

c. PIVKA II が異常高値であり、肝癌の合併の可能性が高い。

d. プロトロンビン活性が低く、肝硬変症である可能性が高い。

e. 肝障害にアルコールが関与している可能性が高い。

1)a,b  2)a,e  3)b,c  4)c,d  5)d,e

 

【79】 肝性脳症に関して正しい記載を選びなさい。

a. 尿素回路が障害されるために、血中尿素窒素、アンモニアともに上昇してくる。

b. フィシャー比が上昇する。

c. 分枝鎖アミノ酸製剤の投与が有効である。

d. 合成 2 糖類であるラクチュロース等の経口投与や注腸が有効である。

e. II 度以上の脳症であれば羽ばたき振戦や脳波で 3 相波を認めることが多い。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

【80】 肝細胞癌に関して正しい記載を選びなさい。

a. 腫瘍マーカーとしてαフェトプロテインや PIVKA II が用いられる。

b. 腹部エコーは侵襲性もなく、有効である。

c. 血流に乏しく造影 CT では造影されないことが多い。

d. 転移性肝癌との鑑別には 67Ga-citrate による肝シンチグラフィーが有用である。

e. 多くの場合、肝硬変を素地に発生してくる。

1)a,b,c  2)a,b,e  3)a,d,e  4)b,c,d  5)c,d,e

 

 

 

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