呼吸器平成18年度概説
<放射線科>
【1】次の文章のうち、正しいものを選べ。
1)立位胸部正面X線PA撮影のX線管球とフィルムの距離は2mである。
2)臥位のAP撮影では、心拡大がより強調される。
3)胸部立位正面X線撮影は通常100kVp以上の高圧で撮影する。
4)胸部側面X線撮影では、前半部が不明瞭な方が右横隔膜である。
5)小葉間裂は通常胸部正面撮影にて左肺野に描出される。
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:a
1)○ 2)○ 3)○ 4)× 心臓の影響を受ける左が前半部が不明瞭となる 5)× 右
【2】胸部X線写真の所見用語の解説について、謝っているものを選べ。
a)上肺野、中肺野の境界は、第2肋骨前縁を基準にした水平線である。
b)結節は、30mm未満の境界明瞭な円形陰影をさす。
c)すりガラス影は、陰影と重なる肺血管影が不明瞭となる場合に用いる。
d)Kerley lineは肥厚した小葉間隔壁を反映している。
e)胸膜外徴候(extra-pleural sign)が見られた場合、肺外由来の病変が考えられる。
答:c
c)× 肺血管影と識別できるものをいう
【3】胸部正面X線画像でシルエットサイン陽性を示すのはどこか、正しい組み合わせを答えよ。
1)心右縁−右中葉 2)右横隔膜−右下葉 3)心左縁−左下葉
4)左横隔膜−左舌区 5)下行大動脈−左下葉
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:b
【4】2次小葉の解剖について、誤っているものを選べ。
1)小葉辺縁から小葉中心までの距離は、ほぼ3mmである。
2)細気管支と肺動脈は二次小葉の中心部を走行する。
3)間質とは、気管支・血管周囲間質、小葉間隔壁、胸膜下間質の3つを指す。
4)二次小葉の解剖の理解は、特に高分解能CTの造影において重要である。
5)リンパ管は小葉中心と小葉辺縁の両方の結合織(広義間質)に存在する。
答:3
3)× 肺胞間隔壁が狭義の間質。文中の3つと合わせて通常、間質と呼ばれる
<耳鼻咽喉科>
【1】( )内に適当な語句を下の候補から選び番号で記入せよ。
内喉頭筋の内、( a )筋のみは( b )神経に支配されており、声のピッチ(音程)調節に関与している。他の内喉頭筋は全て( c )神経により支配されているが、吸気時などに声門を( d )する作用をもつのは( e )筋のみである。また(b)神経の内枝は喉頭内に進入し、粘膜内に終末を形成し、喉頭粘膜の( f )をつかさどる。この(f)が刺激されると嚥下や( g )などの気道防御反射が誘発される。
候補:1)誤嚥、2)舌咽神経、3)迷走神経、4)舌下神経、5)副神経、6)上喉頭神経、
7)輪状咽頭筋、8)輪状甲状筋、9)甲状被裂筋、10)反回神経、11)側輪状被裂筋、
12)被裂筋、13)後輪状被裂筋、14)嘔吐、15)咳、16)閉鎖、17)開大、18)運動、
19)感覚
答:a)8 b)6 c)10 d)17 e)13 f)19 g)15
【2】55歳男性。副鼻腔X線写真で、左上顎洞に異常陰影と内側壁の骨欠損を認める。
考えられる疾患はどれか。
1)乾酪性上顎炎 2)急性上顎洞炎 3)歯性上顎洞炎
4)上顎癌 5)術後性上顎洞嚢胞
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:c
解説:この問題は癌を疑い、その鑑別診断に含まれるものから骨破壊を伴うものを選べということです。
1)○ 真菌感染によるもので、骨破壊を伴うものがある 2)× 3)×
4)○ 骨破壊がある 5)○ しばしば骨破壊を認め、上顎腫瘍と誤りやすい
【3】気管切開について正しいのはどれか。
1)上気道閉塞による呼吸困難は気管切開の適応である。
2)一側性反回神経麻痺は気管切開の適応となることがある。
3)気管支異物は気管切開による摘出が一般的である。
4)中気管切開では甲状腺の切離を行う。
5)輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:c
3)× 気管支鏡を用いる
【4】声帯麻痺について正しい記載は次のうちのどれか。
1)両側麻痺の主な症状は呼吸困難である。
2)原因として甲状腺術後の麻痺が多い。
3)一側麻痺では努力性嗄声を呈する。
4)一側麻痺では誤嚥はまれである。
5)一側麻痺では肺炎のリスクが高くなる。
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:b
3)× 気息性嗄声を呈する
【5】次の記述のうち正しいものを選択せよ。
1)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として喫煙が最も多い。
2)声帯結節は通常両側性である。
3)声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。
4)声帯白斑症は女性に多い。
5)声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)全て
答:d
3)× 音声酷使が原因
<第二外科>
【1】気胸の分類、病態、治療法について下記の記述中の空白部分に適切な語句を記入せよ。
原発性自然気胸の患者像は、若年・男性・( a )・痩躯で、肺尖部に後発する胸膜直下の( b )の破裂が主因である。続発性自然気胸の基礎疾患として、慢性肺気腫・間質性肺炎・肺癌・( c )などがある。
気漏部の check valve機構によって1方向性に持続的に気漏が続く場合、( d )性気胸に陥りやすく、呼吸・循環障害をきたす。直ちに( e )を施さなければならない。
答:a)長身 b)ブラ・ブレブ c)肺結核 d)緊張 e)胸腔ドレナージ
【2】胸部悪性腫瘍について、下記の記述中の空白部分に適切な語句を記入せよ。
全身状態の良い臨床( f )期および一部のIII期非小細胞肺癌患者には、標準手術である( g )切除+縦隔リンパ節郭清が行われる。病理TA期の切除後の5年生存率は概ね( h )%であるが、UB期では( i )%以下である。
転移性肺腫瘍に対する肺切除は、原則として、( j )が制御されており、他臓器に転移がなく、全身状態のよい場合に適応となるが、すべての組織型の平均5年生存率は約( k )%である。
胸膜中皮腫は、有効な治療法のない難治がんであるが、I期、かつ( l )型(組織型の1つ)の場合、根治切除が可能なことがある。
( m )を合併する重症筋無力症は、非合併症例に比べ、拡大胸腺摘出術による寛解率・改善率が低い。
答:f)T・U g)肺葉 h)80 i)40 j)原発巣 k)40(正確には36%)
l)上皮 m)胸腺腫
【3】呼吸器外科疾患について下記の記述中の空白部分に適切な語句を記入せよ。
肺分画症は、( n )より直接分枝する異常動脈により支配される。異常肺組織で、気道と交通するものは感染をきたしやすい。
肺良性腫瘍で最も多い( o )は緩徐に増大するか通常転移はしない。
答:n)大循環系 o)過誤腫
<病理>
【1】Wegener肉芽腫症の三主徴は、半月体形成性糸球体腎炎、上気道や肺の血管炎と気道の( )である。
A)乾酪性肉芽腫 B)壊死性肉芽腫 C)Masson体
D)閉塞性細気管支炎 E)好酸球性肉芽腫
答:B
【2】歌手で、慢性嗄声が出現。以下の喉頭病変で最も予想されるのは、
A)腺癌 B)多発ポリープ C)喉頭結核 D)嚢胞形成 E)喉頭ポリープ
答:E
【3】び慢性肺胞障害(DAD)の滲出期に最も特徴的な病理所見は、
A)肺胞上皮過形成 B)気管支肺炎 C)硝子膜形成 D)肺胞道線維化 E)肺うっ血
答:C
【4】通常型間質性肺炎の病変分布の特徴は、
A)汎細葉性 B)細葉中心性 C)細葉辺縁性 D)胸膜下・近傍
答:C
【5】間質性肺炎の病理像で誤りは、
A)硝子膜形成 B)蜂窩肺 C)慢性炎症細胞浸潤
D)類上皮細胞結節 E)線維化胞隔炎
答:D
【6】喫煙による慢性肺気腫としては、( )肺気腫が基本である。
A)汎小葉性 B)小葉中心性 C)傍隔壁性 D)不規則性 E)ブラ性
答:B
【7】Churg-Strauss症候群に特徴的な病理・病態所見には、肉芽腫性血管炎、喘息、単もしくは多発性神経炎、肺浸潤陰影と( )がある。
A)半月体形成性腎炎 B)好酸球性肉芽腫 C)Masson体形成
D)閉塞性細気管支炎 E)乾酪性肉芽腫
答:B
【8】以下の肺病変でリウマチ様関節炎と関連が少ない病変は、
A)アミロイド沈着 B)閉塞性細気管支炎 C)血管炎 D)間質性肺炎 E)肺血鉄症
答:E
【9】肺組織球症の病理で誤りは、
A)異形リンパ球 B)Langerhans細胞 C)線維症 D)喫煙 E)Birbeck顆粒
答:A
解説:90%以上が喫煙者で20〜40代の若年男性に多い
【10】肺小細胞癌の発生母細胞は、
A)気管支腺細胞 B)化生扁平上皮細胞 C)気管支基底細胞
D)神経上皮細胞 E)クララ細胞
答:D
【11】原発性肺癌の予後に関係の少ない因子は、
A) 分裂像数 B) 胸膜浸潤 C) 臨床・病理学的病期
D) 中枢・末梢性発生 E) リンパ節転移
答:D
【12】若年女性で肺門リンパ節腫大と血清高カルシウム値を認める。リンパ節生検の病理像で予想されるのは、
A) アミロイド沈着 B) 乾酪性肉芽腫 C) 非乾酪性肉芽腫
D) 膿瘍 E) 壊死性組織球増生
答:C
解説:サルコイドーシスが疑われる
【13】原発性肺高血圧症に最も特徴的な肺病変は、
A)リンパ管平滑筋腫 B)tumorlet病変 C)蔓状血管病変
D)多発血栓性塞栓 E)肉芽腫性血管炎
答:C
【14】肺動脈主幹部血栓塞栓症を認めた。心臓内の肉眼所見は正常。塞栓の由来で最も可能性の高いのは、
A) 下大静脈 B) 上大動脈
C) 下肢表在静脈 D)
下肢深部静脈 E) 右心室
答:D
【15】悪性中皮腫の病理で誤りは、
A)アスベスト暴露 B)異所性関節滑膜原発 C)肉腫型 D)上皮型
E)カルチノイド抗原
答:E
<呼吸器科>
【1】60歳の女性が肺炎を生じた。膿性の喀痰を伴っている。喀痰グラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貪食像が認められた。以下の原因菌で最も考慮が必要なものを1つ選べ。
A)Streptcoccus pneumoniae B)Legionella pneumophila
C)
Pseudomonas aeruginosa D) Mycoplasma pneumoniae
E) Haemophilus influenzae
答:A
【2】以下の抗菌薬の中でDNA合成阻害剤を1つ選べ。
A)ペニシリン B)マクロライド C)テトラサイクリン
D)カルバペネム E)ニューキノロン
答:E
【3】以下の抗結核薬のうち、最も視力障害を来たしやすい薬剤を1つ選べ。
A)イソニアジド(INH) B)リファンピシン(REP) C)エサンブトール(EB)
D)ピラジナマイド(PZA) E)ストレプトマイシン(SM)
答:C
A)末梢神経障害・肝障害 B)肝障害・血小板減少・皮疹
C)視野・視力障害(多くは可逆的) D)高尿酸血症・肝障害 E)聴覚平衡障害
【4】アスペルギルスによる菌球形成に見られる特徴的な画像所見を一つ選べ。
A)Tree in bud
appearance B)Migrating
pneumonia
C)Crazy-paving appearance D)Halo sign E)Air crescent sign
答:E
A)細気管支周囲の炎症を反映した所見で、小葉中心性の分枝状構造。先端が太くなる。結核などで見られる。 C)肺胞蛋白症で見られる D)浸潤性アスペルギルス症で見られる結節性影とその周囲のすりガラス陰影のこと E)meniscuc signのことで、アスペルギルスによるfungus ballのある症例で見られる
【5】以下の呼吸器疾患の内、世界の死因トップ10に入らないものを1つ選べ。
A)肺炎 B)結核 C)COPD D)気管支喘息 E)肺癌
答:D(中西先生のプリント参照)
【6】喀血の特徴で正しいものを1つ選べ。
A)pHが低い B)外観はコーヒー残渣様である C)もっとも多い死因は失血死である
D)泡沫を含む E)出血傾向を伴わない
答:D
A)× 吐血の特徴 B)× 吐血 C)× 気道確保すればまず死なない D)○ E)×
【7】49歳、男性。前胸部痛を訴えて来院した。局所に圧痛を認めた。
除外できる疾患を1つ選べ。
A)肋間神経痛 B)胸肋関節炎 C)筋肉痛 D)肋骨骨折 E)胸膜炎
答:E(圧痛がある→胸腔外の病変)
【8】肺癌細胞に高頻度に見られる遺伝子変異として正しい組み合わせを1つ選べ。
1)VEGF 2)EGF Receptor 3)P53 4)K-ras 5)APC
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:A(rasは非小細胞癌に30%以下の頻度で見つかる程度)
【9】肺癌の徴候・検査所見として誤った組み合わせを1つ選べ。
1)癌性心膜液−奇脈
2)癌性リンパ管症−末梢血管拡張
3)上大静脈症候群−顔面浮腫
4)Pancoast腫瘍−Horner症候群
5)異所性Cushing症候群−高血糖
答:2
1)○ 心タンポナーデをひきおこすため
2)× リンパ管が拡張し、周囲は浮腫や線維組織が増える
【10】気管支喘息の大発作で来院した患者の治療として正しい組み合わせを1つ選べ。
1)酸素投与 2)β2受容体刺激薬吸入
3)抗コリン薬吸入 4)副腎皮質ステロイド点滴
A)134のみ B)12のみ C)23のみ D)4のみ E)1〜4の全て
答:E
【11】気管支喘息の病態で正しい組み合わせを1つ選べ。
1)気管支粘膜に好酸球浸潤を伴う炎症がある
2)気管支粘膜に浸潤している主なリンパ球はTh1細胞である。
3)β2刺激薬により1秒量が増加する。
4)気道閉塞は可逆性である。
A)134のみ B)12のみ C)23のみ D)4のみ E)1〜4の全て
答:A
2)× Th2
【12】慢性閉塞性肺疾患について正しい組み合わせを選べ。
1)肺気腫ではHRCT画像でLow attenuation areaがみられない。
2)1秒率が低下する。
3)好中球優位の気道炎症が存在する。
4)喫煙は重要な発生因子であり、わが国では発生頻度は低下傾向にある。
5)気道過敏性は亢進しない。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:C
【13】慢性閉塞性肺疾患に関して正しい組み合わせを1つ選べ。
1)気管支拡張薬投与では、治療効果が期待できない。
2)高炭酸ガス血症があれば酸素投与は禁忌である。
3)喫煙を止めても、長期間にわたる肺機能低下は軽減しない。
4)呼吸リハビリテーションは運動耐容能を改善する。
5)低酸素血症を有する患者では、在宅酸素療法が生命予後を改善する。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:E
1)× 抗コリン薬、β2刺激薬などを用いる 2)× 3)×
4)○ 下肢運動が有効 5)○
【14】気管支喘息について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)アトピー型は高齢者に多い 2)人口の5−10%に見られる
2)気道過敏性が亢進している 4)症状では、左心不全との鑑別は困難である
5)アスピリンは発作を誘発することがあるが、他の消炎鎮痛薬は安全である
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:D
1)× 高齢者は内因性、感染型が多い 2)○? 4〜7%で増加傾向 3)○
4)○ 症状のみでは困難で、鑑別を要する 5)×
【15】胸水について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)漏出性胸水−心不全 2)癌性胸水−片側性発症
3)結核性胸水−CEA高値 4)乳び胸水−低グルコース値
A)134のみ B)12のみ C)23のみ D)4のみ E)1〜4の全て
答:B
1)○ 2)○ 3)× 結核では糖低下、ADA高値。CEA高値は癌性のもので見られる
4)× 乳び胸水は脂肪が含まれる。低グルコースは結核・RAなど
【16】肺循環障害について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)続発性肺高血圧症の成因として低酸素性肺血管収縮が重要であり、酸素療法はこの現象の
改善を目的として行われる。
2)肺性心より右心不全が進行すると、チアノーゼ、頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水な
どが出現する。
3)原発性肺高血圧症は老年男子に好発する。
4)肺血栓塞栓症の胸部X線写真所見として、肺の過膨張や気腫化が特徴的である。
5)肺血栓塞栓症は長期臥床、手術、妊娠・出産などに合併しやすく、入院中の発症が高いことも特徴の一つである。
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:B
3)× 妊娠可能年齢の女性に多い
4)× 肺野透過性亢進、横隔膜挙上、胸水下肺野の線状・索状影、心拡大など
【17】肺水腫について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)透過性亢進型肺水腫では心拡大は見られず、また左心室拡張気圧に近似される肺動脈楔入圧(wedge pressure)が上昇していない。
2)肺水腫では著明な低酸素血症が見られ、呼吸パターンとして浅く速い呼吸(rapid shallow breathing)が特徴的である。
3)肺血管の透過性は肺血管内の静水圧だけで決定される。
4)ARDS(急性呼吸窮迫症候群)は肺血管内皮細胞の障害を介して出現する肺水腫で、その原因疾患は肺だけである。
5)肺水腫の胸部X線写真所見の1つとして、肺門から肺野に向かって広がる浸潤影が出現し、その形から蝶形陰影(butterfly shadow)と呼ばれる。
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:B
1)○ 2)○ 3)× 4)× SIRSでもなる 5)○ 肺胞内肺水腫の特徴
【18】呼吸調節について誤っている組み合わせを1つ選べ。
1)呼吸中枢は基底核から淡蒼球にかけて存在する。
2)末梢化学受容体は大動脈と頸動脈に存在する。
3)低酸素換気応答のグラフは双曲線を呈する。
4)末梢化学受容体は主に低酸素を刺激として反応する。
5)後頭葉には呼吸困難を司る知覚野が分布する。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:B
1)× 脳幹部 2)○ 主にO2の濃度を感知している 3)○ 4)○
5)× どこで感知しているのかは不明
【19】アスベスト曝露に伴う胸膜疾患について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)胸膜肥厚斑が見られる。
2)胸水中のヒアルロン酸値が高くなる場合がある。
3)悪性中皮腫は曝露後5年以内に発症する例が多い。
4)胸膜生検よりも胸水細胞診検査が診断に有用。
A)134のみ B)12のみ C)23のみ D)4のみ E)1〜4の全て
答:B
1)○ 胸水を伴う不整な肥厚がある 2)○ 3)× 20〜40年で発症
4)× 胸水細胞診では肺腺癌との鑑別は困難で胸膜生検が必要なことが多い
【20】急性好酸球性肺炎について誤っている組み合わせを1つ選べ。
1)中年の女性に多い。
2)末梢血の好酸球が著増する。
3)喫煙との関連が示される。
4)副腎皮質ステロイドが治療薬である。
5)再発することは少ない。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:A
1)× 20〜40代の男性に多い(特に20代)
2)× BALF中の好酸球が増える。末梢血は好中球優位 3)○ 4)○ 5)○
【21】特発性肺線維症(IPF)について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)50〜60歳代の女性に多い。
2)肺癌の合併頻度が高い。
3)症状発現後の平均寿命は4.5年である。
4)CT所見はhoneycombing, traction bronchiectasisである。
5)気管支肺胞洗浄、経気管支肺生検によって他の特発性間質性肺炎と鑑別できる。
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:D
1)× 50才以上の男性に多い。特に60代 2)○ 3)○
4)○ 蜂巣肺と牽引性気管支拡張が特徴 5)× 気管支肺胞洗浄は有用でない
【22】次の記述の中で正しい組み合わせを1つ選べ。
1)皮膚筋炎における間質性肺炎の合併頻度は高い。
2)アミロイドーシスではC-ANCAが良いマーカーとなる。
3)アスベスト肺における胸膜プラークは悪性所見である。
4)放射線肺臓炎は化学療法併用により重症化しやすい。
5)リンパ脈管筋腫症は気胸が特徴である。
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:C
1)○ 合併例は予後が極めて悪い 2)×
3)× アスベスト肺ではしばしば見られるが悪性ではない 4)○
5)○ その他乳び胸、腹水、多発性嚢胞など
【23】アレルギー性気管支肺アスペルギルス症について誤っている組み合わせを1つ選べ。
1)気管支喘息を合併する。 2)経口抗真菌剤の長期服用で治療する。
3)びまん性気管支拡張症は本症に特異的な症状である。
4)アスペルギルス抗原に対する即時型反応が見られる。
5)血清総IgE値の経時的測定は急性増悪の予測に有用である。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:C
1)○ 2)× ステロイドが基本。最近イトラコナゾールが有効との報告がある
3)× 本症で起こるのは中枢性の気管支拡張 4)○ T型・W型が関与 5)○
【24】気管支肺胞洗浄液(BALF)所見について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)リンパ球増多−薬剤性肺炎 2)好中球増多−ARDS
3)CD4/CD8比の上昇―夏型過敏性肺臓炎 4)CD4/CD8比の低下−サルコイドーシス
5)milky lavage−肺胞蛋白症
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:B
1)○ 2)○ 3)× 低下 4)× 上昇 5)○ 乳白色のサーファクタントが特徴
【25】次の記述の中で正しい組み合わせを1つ選べ。
1)末梢血白血球増加−細菌性肺炎 2)末梢血好酸球増加−薬剤性肺炎
3)血清ACE高値−過敏性肺臓炎 4)血清LDH上昇−Wegener肉芽腫症
5)血清KL-6上昇−特発性間質性肺炎
A)123 B)125 C)145 D)234 E)345
答:B
1)○ 2)○ 3)× サルコイドーシスの特徴 4)× 5)○
【26】喫煙との関連が最も深いと考えられるものを1つ選べ。
A)Idiopathic pulmonary fibrosis
B)Nonspecific interstialpneumonia
C)Cryptogenic organizing pneumonia
D)Acute interstitial pneumonia
E)Desquamative interstitial pneumonia
答:E
【27】先天性気管支拡張の原因疾患について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)Stevens-Johnson症候群 2)Kartagener症候群 3)肺分画症
4)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
A)134のみ B)12のみ C)23のみ D)4のみ E)1〜4の全て
答:C
1)× ペニシリンなどによる重症薬疹の一型で、主に粘膜を侵す
2)○ 内臓逆位・鼻および副鼻腔の慢性炎症・気管支拡張を特徴とする遺伝性疾患
3)○ 4)×
【28】酸素療法および人工呼吸管理について正しい組み合わせを1つ選べ。
1)鼻カニューラによる酸素吸入では吸入気酸素濃度は50%以下である。
2)リザーバー付き酸素マスクは吸入気酸素濃度の微調整に有用である。
3)在宅酸素療法では酸素濃縮器で100%酸素を吸入できる。
4)人口呼吸管理で呼気終末の気道内圧増加は換気と血流の不均等分布をさらに増悪させる。
5)人工呼吸器から離脱する場合はCMVよりSIMVモードが適している。
A)12 B)15 C)23 D)34 E)45
答:B
1)○ 通常28〜40%程度 2)× 酸素濃度を上げることができる 3)×
4)× 改善する 5)○ SIMVで徐々に換気回数を減らしていく
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