消化管・腹膜 平成18年度概説
【1】以下の内視鏡検査のうち壁構造を調べるためのものはどれか。
a)色素内視鏡
b)拡大内視鏡
c)超音波内視鏡
d)カプセル内視鏡
e)ダブルバルーン内視鏡
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
【2】消化管造影検査でもっとも高濃度のバリウムを用いるのは?
a)胃 b)十二指腸 c)空腸 d)回腸 e)大腸
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:1
解説:胃 120〜230W/V%,小腸 60W/V%,注腸造影 70〜80W/V%
【3】上部消化管X線検査、内視鏡検査の際の抗コリン剤投与禁忌はどれか。
a)狭心症 b)前立腺肥大 c)甲状腺機能低下症 d)肺気腫 e)重症筋無力症
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:1
解説:緑内障、心疾患、前立腺肥大には禁忌。グルカゴンを用いる。
【4】便潜血反応でないものをひとつ選べ。
a)オルトトルイジン反応 b)グアヤック反応 c)フェノールフタレイン反応
d)ズダンV染色 e)ベンチジン反応
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:4(脂肪の検出)
【5】腹痛に関する記述で正しいものはどれか。
a)体性痛腹痛は無髄のC繊維を介して伝達される。
b)体性痛腹痛は持続的であることが多い。
c)放散痛は内臓性腹痛で認められる。
d)内臓性腹痛は悪心・嘔吐を伴うことが多い。
e)内臓性腹痛は体動により増悪することが多い。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× A線維 b)○ c)○ 伴うことがある d)○ e)軽減することが多い
【7】以下の記載で正しいものを選べ。
a)喀血患者の喀血物は酸性を示す。
b)吐血は暗赤色を呈することが多い。
c)上部消化管出血患者の下血は黒色を呈することが多い。
d)頭蓋内疾患による嘔吐は腹痛を伴うことが多い。
e)テネスムスは十二指腸潰瘍で起こることが多い。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:3
a)× アルカリ性 b)○ c)○ タール様便 d)×嘔吐中枢の直接刺激
e)× 下部大腸の炎症によって少量の内容物でも便意をもよおす状態
【8】クローン病について正しいものを選べ。
a)下血が多い b)10〜20代に好発 c)縦走潰瘍である
d)痔核と合併する e)忘れました、すみません
a)× b)○ c)○ d)○ Crohn’s anusの1つ
【10】腸結核の特徴として正しいのはどれか。
a)縦走潰瘍 b)萎縮瘢痕帯 c)偽憩室 d)乾酪性肉芽腫 e)下掘れ潰瘍
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
解説:腸結核は回盲部に好発・輪状潰瘍・乾酪性肉芽腫・瘢痕帯
【11】以下のうち潰瘍性大腸炎の合併症はどれか?
a)中毒性巨大結腸炎 b)壊疽性膿皮症 c)大腸癌
d)逆流性食道炎 e)原発性胆汁性肝硬変
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1(aがあると手術)
【12】潰瘍性大腸炎の特徴として正しいものはどれか。
a)通常直腸から連続性に罹患する。
b)男性の罹患率は女性の約3倍である。
c)初回発作型が最も多く、再発は少ない。
d)本邦の有病率は欧米諸国よりも高い。
e)本邦では有病率がクローン病よりも高い。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:2
a)○ b)× ほぼ同じ。男性が少し多い c)× 寛解と再燃を繰り返す
d)× 欧米の方が多い e)○
【13】次の消化管疾患とX線所見で正しいものを選べ。
a)単純性潰瘍−Lead pipe appearans
b)Crohn病−縦走潰瘍
c)腸結核−偽憩室
d)腸重積−Coiled spring sign
e)潰瘍性大腸炎−輪状潰瘍
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× Lead pipe appearanceは潰瘍性大腸炎に特徴的 b)○ c)○
d)○ 超音波とCTで診断するようになってきている e)×
【14】急性腸炎の原因細菌は?
a)Campylobacter jejuni
b)Bacteroides vulgatus
c)Bifidobacterium
d)Salmonella typhimurium
e)Yersinia enterocolitica
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:3
a)○ 鳥肉や未殺菌ミルク、糞便に汚染された飲料水、ペットなどから感染する
b)× c)× 乳酸菌(非病原性) d)○ 生卵からの感染で腸炎を起こす
e)○ 野生動物や家畜に分布し、飲料水や食品を汚染する。
回腸末端炎、腸間膜リンパ節炎、虫垂炎、胃腸炎などを起こす。
【15】大腸癌について正しいものを選べ。
a)組織的形態では高分化型腺癌が最も多い。
b)早期癌は粘膜筋板までの癌である。
c)肉眼的形態ではびまん浸潤型が最も多い。
d)非遺伝性大腸ポリポーシスは劣性遺伝する。
e)リンパ節以外では肝転移が最も多い。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:?
a)○(標準消化器病学) b)× 粘膜下層までにとどまるもの c)× 潰瘍限局型
d)復元ミス? HNPCCなら常染色体優性遺伝 e)○
【16】家族性大腸腺腫症の大腸外病変の組み合わせで正しいものはどれか?
a)結節性紅斑
b)口唇色素沈着
c)胃底腺ポリープ
d)骨腫瘍
e)デスモイド腫瘍
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:5
a)× 潰瘍性大腸炎、クローン病の合併症 b)× Peutz-Jeghers
【17】上部消化管X線検査について正しいものを選べ。
a)検査前に絶食が必要である。
b)嘔吐反射を防ぐ為に咽頭麻酔を行う。
c)胃のぜん動運動を抑制するために抗コリン剤を使用する。
d)検査後のバリウム排出の為に下剤を使用する。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
【19】注腸造影検査に関して正しいものを選べ。
a)下剤を用いた前処置が必要。
b)腸管のぜん動運動を抑制する抗コリン剤を使う。
c)胃透視よりも低い濃度のバリウムを使う。
d)バリウムと空気を経肛門的に注入する。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
【20】胃癌を示す粘膜ひだ集中の所見として正しいものはどれか。
a)ひだ先端の急峻な先細り
b)ひだ先端の途絶
c)ひだ先端の太まり
d)ひだ先端の癒合
1)adのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
【21】正しい組み合わせを選べ。
a)肝右葉上部背側の無漿膜野はモリソン窩と呼ぶ。
b)癌性腹膜炎のCT診断は腹水がないとできない。
c)膵臓は後腹膜臓器で頭部から尾部まで後腹膜にある。
d)CTで肝右葉上部背側に液体を認めればそれは胸水である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:4
a)× モリソン窩は肝腎窩 b)× 大網ケーキ c)× 尾部は腹腔内
d)○ 肝上背側部には腹水はたまらない
【22】正しいものの組み合わせを選べ。
a)肝鎌状間膜は肝を前上方から支える間膜である。
b)肝十二指腸間膜には、門脈、総肝動脈、リンパ節が存在する。
c)肝十二指腸間膜の腹側にwinslow孔が存在する。
d)網のうと通常の腹膜腔はbare areaを通じて交通している。
e)小網は肝胃間膜と脾腎間膜よりなる。
a)○ b)○ c)× 背側 d)× winslow孔 e)× 肝胃間膜と肝十二指腸間膜
【23】正しいものを選べ。
a)大網は腹膜播種の好発部位である。
b)正常の腹膜はCTで指摘容易である。
c)膵癌は胃結腸間膜を介して横行結腸へ浸潤するのが普通である。
d)横行結腸間膜は胃の大弯から下方へ伸びる間膜である。
e)横行結腸間膜と小腸間膜には連続性はない。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:1
a)○ b)× c)× 膵癌は肝転移・腹膜播種・リンパ節転移
d)膵前面からおこる e)× 右側が連続している
【24】正しいものを選べ。
a)網嚢と通常の腹膜腔には交通はない。
b)網嚢は膵の背側に位置する。
c)膵嚢は胃の背側に位置する。
d)臍静脈、傍臍静脈は肝冠状間膜内を走行する。
e)大網は2層の腹膜より構成される。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
a)× b)× c)○ d)× e)× 4層
【25】胃酸分泌を促進するものはどれか。
a)ガストリン b)ソマトスタチン c)セクレチン
d)アセチルコリン e)ヒスタミン
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:3
【26】消化管運動に関して正しいのはどれか。
a)食後、胃近位側から弛緩し食塊を受納する。
b)脂肪摂取は胃からの食物排出を促進する。
c)ガストリンはmigrating motor complex を誘発する。
d)小腸の分節運動により食物が、撹拌、混和される。
e)グルカゴンは消化管運動を抑制する。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:3
a)○ b)× c)× モチリンが誘発(空腹時) d)○ e)○
【27】正しい組み合わせを1つ選べ。
a)終末消化は刷子縁膜で行われる。
b)ペプシノーゲンは胃底腺の主細胞から分泌され酸性条件下でペプシンが活性化される。
c)膵液中のαアミラーゼは多糖をオリゴ糖に分解する。
d)ビタミンB12は主細胞から分泌される内因子と複合体を形成し、空腸で吸収される。
e)小腸粘膜上皮から吸収された脂質はカイロミクロンを形成し、門脈で吸収される。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
a)○ b)○ c)○ d)× 回腸 e)× 刷子縁膜から吸収
【28】食道癌について正しいものを選べ。
a)粘膜筋板に及ぶが、リンパ転移がみられないものは早期癌である。
b)胸部下部食道癌で粘膜下層まで癌が及ぶとき、頸部リンパ節への転移がよく見られる。
c)癌が粘膜下層にまで達しているとき、化学放射線治療は行わない。
d)通常手術は、左開胸で行う。
e)全周性の癌に対しては、EMRは困難である。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:5
a)× 粘膜内 b)× c)× d)○ e)○
【29】食道疾患に関して正しいものはどれか。
a)食道アカラシアの食道X線造影検査では食道下端に欠損像を認める。
b)食道アカラシアに対して内視鏡的噴門拡張術が行われる。
c)Mallory-Weiss症侯群では嘔吐後の吐血を認める。
d)発赤所見を認める食道静脈瘤は出血する危険性が高い。
e)腐食性食道炎はウイルス感染による。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× 狭窄像 b)○ c)○ d)○ e)× 強酸、アルカリなど化学物質による
【30】胃癌に関して正しいのはどれか。
a)低分化型腺癌は高分化型腺癌と比較してリンパ節転移をおこしにくい。
b)H.pyloriが発ガンと関係している。
c)遠隔転移としては肝転移が最も多い。
d)0−Uc型胃癌の集中するひだの先端の太まりは粘膜下層への癌の浸潤を示唆する。
e)4型進行胃癌は潰瘍限局型である。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× 低分化型がおこしやすい b)○ c)○ d)○ e)× スキルス
【31】正しい組み合わせを選べ。
a)gastrointestinal stromal tumorでは超音波内視鏡で第4層と連続する低エコー腫瘤 が見られる。
b)胃腺腫では上部消化管内視鏡で白色扁平隆起が見られる。
c)4型の進行胃癌では胃X線所見で胃壁の硬化、伸展不良、皺襞の腫大が見られる。
d)胃癌のUa型は超音波内視鏡で第2層から4層まで低エコーの腫瘤が見られる。
e)胃癌の0−T型は上部消化管内視鏡では、周りの粘膜と高低差がほとんど無く発赤調粘膜として観察される。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
a)○ 粘膜筋板と筋層から発生 b)○(新臨床外科学) c)○
d)× Ua型は表在型 e)×0−T型は隆起型
【32】胃腫瘍で正しいものを選べ。
a)GISTの治療にメチル酸イマチニブが用いられる。
b)胃カルチノイドの多くはカルチノイド症候群を呈する。
c)胃腺腫が癌化することはない。
d)胃原発の悪性リンパ腫はB細胞性が多い。
e)MALTにはH.Pylori除菌療法が有効である。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:3
a)○ 再発進行GISTに用いる b)× 肝転移をきたしたものにみられる
c)× 約10%が癌化 d)○ e)○
【33】胃・十二指腸疾患で正しいものを選べ。
a)胃底腺ポリープは癌化の可能性があるのでポリペクトミーの適応である。
b)家族性大腸腺腫症では十二指腸に腺腫を高率に認める。
c)十二指腸癌の中では十二指腸乳頭部癌が最も多い。
d)早期胃癌では陥凹型が最も多い。
e)壁深達度が粘膜下層の早期胃癌はEMRのよい適応となる。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× 治療不要 b)○ 乳頭部近傍にできる c)○ d)○ e)× 粘膜内
【35】扁桃について正しい組み合わせを選べ。
a)扁桃組織は抗体を産生し、免疫反応をおこし、感染防御を行う。
b)咽頭扁桃増殖症は滲出性中耳炎の原因となる。
c)扁桃病巣感染症では扁桃摘出術は禁忌である。
d)扁桃周囲膿瘍に対する治療として切開排膿は禁忌である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:2
a)○ b)○ c)× 扁桃摘出の対象 d)× 入院で切開排膿と抗生剤投与が必要
【36】正しい組合せはどれか。
a)嚥下の第U相(咽頭期)は不随意運動である。
b)伝染性単核球症に対してはペニシリンが第一選択である。
c)Plummer-Vinson症候群では、舌炎、鉄欠乏性貧血、嚥下障害を伴う。
d)伝染性単核球症では、肝機能障害に注意する。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:1
a)○ b)× 禁忌 c)○ d)○ EBウイルスによる肝障害
【37】正しいものを選べ。
a)唾液を産生するのは舌下腺、顎下腺、耳下腺のみである。
b)唾石症は顎下腺に好発する。
c)亜鉛の摂取低下で味覚障害が起こることがある。
d)耳下腺は組織学的には粘液腺である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× 他にも口唇腺、頬腺、臼歯腺、口蓋腺、舌腺など d)× 漿液腺
【38】口腔癌について正しい記述を選べ。
a)組織学的には大多数が扁平上皮癌である。
b)早期癌ではレーザー照射を行う事がある。
c)放射線感受性は低いことが多い。
d)地図状舌は前癌病変である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:2
a)○ b)○ c)× 高い d)× 舌白板症が前癌病変
【39】咽頭癌について正しい組み合わせを選べ。
a)下咽頭癌は亜部位の中では咽頭後壁で最も頻発する。
b)輪状後部癌は女性に多い。
c)食道癌、胃癌との重複癌に注意が必要である。
d)初期から嚥下痛を発症する。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× 梨状陥凹に多い b)○ c)○ d)× 自覚症状に乏しい
【40】上咽頭癌についての記載で正しい組み合わせはどれか。
a)慢性副鼻腔炎は上咽頭癌のリスクファクターである。
b)発癌にEBウイルスが関与しているといわれている。
c)滲出性中耳炎を初発症状とすることがある。
d)治療は手術療法が第一選択である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× b)○ c)○ 側方進展したときに見られる d)× 放射線療法、化学療法
【41】正しいのはどれか。
a)Barret食道は食道入口部に見られる。
b)Barret食道から発生する癌の多くは扁平上皮癌である。
c)食道癌の大半は組織学的には腺扁平上皮癌に分類される。
d)食道小細胞癌は肺の小細胞癌に似た組織像を示す。
a)× 食道・胃移行部 b)× 腺癌 c)○ d)○
【42】胃癌について正しいものを選べ。
a)高分化型癌は転移の形式として血行性転移をとるものが多い。
b)高分化型癌は未分化型癌(低分化型癌)と比較して高齢女性に多く見られる。
c)高分化型癌の周囲粘膜には腸上皮化生を見ることが多い。
d)高分化型癌は未分化型癌(低分化型癌)と比較して限局性発育をすることが多い。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:1
a)○ b)× 高齢男性に多い(病理学 第6版) c)○ d)○
【43】食道良性疾患で誤っているものはどれか?
a)食道裂孔ヘルニアは逆流性食道炎を合併しやすい。
b)滑脱型食道裂孔ヘルニアの食道胃境界部は正常位置にある。
c)アカラシアは下部食道括約筋(LES)の弛緩不全が主な原因と考えられる。
d)アカラシアの手術では通過障害の解除と逆流防止をみたす必要がある。
e)Zenker憩室は頸部食道に発生する圧出性憩症である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:2
a)○ b)× c)○ d)○ e)○ 咽頭食道憩室で圧出性
【44】食道性疾患について、正しいものを選べ。
a)マロリーワイス症候群では、中年女性に発症。
b)マロリーワイス症候群では観血的手術を行う。
c)特発性食道破裂では、胸部下部食道左後部に多い。
d)特発性食道破裂では、抗生剤投与による保存的治療を行う。
e)特発性食道破裂では確定診断としてバリウムによる食道造影が有用である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
a)× 40〜60代の男性に多い b)× 保存的療法。内視鏡的止血術が必要なときも
c)○ d)× 手術 e)× 水溶性造影剤を用いる。バリウムは禁忌
【45】食道癌について正しいものはどれか。
a)喉頭癌の既往は食道癌の発生のrisk factorである。
b)肥満は食道癌の発生のrisk factorである。
c)食道癌の壁内転移は予後不良因子である。
d)中国の東北地方は食道癌の好発地域である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:1
a)○ b)× c)○ d)○
【48】食道癌について正しいものはどれか。
a)術後合併症として横隔神経麻痺をきたすことが多い。
b)術後2、3日には肺水腫をきたしやすい。
c)再建臓器に結腸を用いた方が胃を用いた場合より縫合不全の頻度が高い。
d)縫合不全は術後早期(3日以内)に起きることが多い。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× 反回神経麻痺 b)○ 術中の過剰輸液による c)○ d)× 術後1週間前後
【49】胃液分泌について正しいのはどれか。
a)胃酸は幽門腺の壁細胞から分泌される。
b)ヒスタミンは幽門腺のD細胞から分泌される。
c)ペプシノーゲンは胃底腺の主細胞から分泌される。
d)ガストリンは幽門腺のG細胞から分泌される。
e)内因子は胃底腺の壁細胞から分泌される。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:5
a)× 胃底腺 b)× ヒスタミンはECL細胞から分泌 c)○ d)○ e)○
【50】潰瘍について。
a)胃潰瘍は十二指腸潰瘍に比べて穿孔が多い。
b)十二指腸潰瘍の穿孔は前壁に多い。
c)高齢者は胃潰瘍が高位に多い。
d)手術適応は穿孔、出血、狭窄である。
e)十二指腸潰瘍に比べて胃潰瘍では高酸が多い。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
a)× b)○ c)○ 胃体部中心 d)○ e)× 逆
【52】萎縮性胃炎について正しい組み合わせを選べ。
a)A型胃炎は自己免疫性の機序による。
b)B型胃炎ではヘリコバクター・ピロリと関連がある。
c)腸上皮化生は癌の発生母地となる。
d)B型胃炎は悪性貧血を伴う。
e)B型胃炎は抗壁細胞抗体が陽性である。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
a)○ b)○ c)○ d)× A型 e)× A型
【53】アニサキスについて正しいものを述べよ。
a)穿孔を起こす。
b)下痢を起こす。
c)海産魚の生食により発生する。
d)内視鏡で摘出する。
e)急激な腹痛を起こす。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:5
a)× b)× c)○ d)○ e)○
【54】正しい組み合わせを1つ選べ。
a)Lemmel症候群とは傍乳頭憩室症候群のことである。
b)Functional dyspepsia(FD)では特定の器質的病変を認めない。
c)H.pyloriはグラム陽性球菌である。
d)糖尿病患者では胃排出能が亢進している。
e)柿は胃石の原因となる。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:2
d)× 十二指腸潰瘍で亢進。糖尿病では自律神経障害によって排出能低下
e)○ コーラで溶ける
【55】GISTについて正しいものを選べ。
a)腫瘍径が5cm以上のものは悪性である。
b)第一選択はメシル酸イマチニブである。
c)リンパ行性に転移する。
d)血行性に転移する。
e)外科的な原則は局所切除である。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:3
a)○ b)× c)× 少ない。リンパ節転移したら予後不良
d)○ 肝転移が多い e)○
【56】胃癌の転移について正しいのはどれか?
a)左鎖骨上への転移はSchnitzler転移という。
b)リンパ節転移は粘膜腫でも認められる。
c)肝転移は分化型腺癌に多い。
d)腹膜播種は分化型腺癌に多い。
e)早期癌では腹膜播種は認められない。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:?
a)× Virchowリンパ節転移 b)? 粘膜腫というものはないです
c)○ d)× 低分化型に多い e)○
【57】胃癌の定型手術について誤っているものを選べ。
a)定型手術は他臓器に浸潤がなく(T3以下)、D3郭清にて、根治度ABが得られるときに施行する。
b)開腹時に腹膜転移が疑われるときは、腹腔洗浄細胞診を施行し遊離癌細胞の有無を確かめるのが望ましい。
c)腫瘍縁と切除縁との距離は肉眼で見て設定する。進行癌で、浸潤型と中間型に対しては5cm以上、限局型に対しては3cm以上にするのが望ましい。
d)上部(U)進行胃癌では、脾門部リンパ節(No,10)の郭清を行うために脾摘を行うことが多い。
e)噴門部リンパ(No,1、2)の転移が疑われるときは胃全摘が多い。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:1
a)× D3郭清は拡大手術 b)○ c)○ d)○ e)○
【59】胃切除後の障害について誤っているものを選べ。
a)消化吸収障害により、術前に比べて術後の体重減少をきたしやすい。
b)胃全摘症例では、生理的噴門括約機構が脱落し、逆流性食道炎をきたしやすい。
c)食事から2〜3時間しておこる晩期ダンピング症状は、食後の一過性過血糖に反応したインスリンの過剰分泌による低血糖。
d)貧血に対しては鉄とビタミンB12の投与を術後早期から検討する。
e)骨代謝異常による骨粗鬆症や骨軟化症の発生をみることがある。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:4
a)○ b)○ c)○ d)× 早期はしなくてよい e)○
【60】40才の女性。腹部不快感と体重減少を主徴として来診。スキルス胃癌と診断された。この疾患について正しいものはどれか?
a)貧血を伴わないことが多い。
b)内視鏡検査にて生検しても確定診断がつかないことがある。
c)間質成分の増殖が顕著である。
d)蛋白漏出を起こしやすい。
e)血行性転移を起こしやすい。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:3
a)× 進行胃癌でしばしば見られる
b)○ 原発の粘膜病変が微小で生検が命中しないことによる
c)○ このため硬い d)× e)× リンパ節転移や腹膜播種が多い
【62】68歳の男性。胃癌で胃全摘術を施行した(食道空腸端吻合)。術後6日目より発熱し、術後8日目の消化管透視で縫合不全が認められた。Minor leakageで、患者さんの全身状態は落ち着いている。腹部はdrainageが効いていて、排液は感染を伴っているが少量である。現時点で最も有効な処置はどれか。
a)経口的に抗生物質を投与する。
b)食事摂取をし、栄養補給に努める。
c)絶食飲をし、抗生物質の点滴静注および高カロリー輸液を行う。
d)内視鏡検査を行う。
e)直ちに再手術を行う。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
【63】62才男性。胃癌。開腹すると遠隔臓器への転移(−),腹膜播種(−)、癌腫は上部胃小彎から後壁に及び、漿膜までの浸潤。多臓器への浸潤なし、小彎リンパ節に転移疑い。腫瘍上縁は食道・胃接合部から20mm。根治的胃切除術は?
1)開胸・開腹→下部食道・上部胃切除 2)全摘
3)噴門側胃亜全摘 4)分節胃切除 5)幽門側胃亜全摘
答:2(胃上部の進行胃癌は胃全摘)
【64】胃癌の化学療法に関するもので正しいものを選べ。
a)塩酸イリノテカンは胃癌の化学療法として使わない。
b)5−FUは胃癌化学療法のkey drugである。
c)化学療法の目的の一つは症状緩和である。
d)本邦では進行胃癌に対して術前化学療法が行われることがある。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× b)○ c)○ d)×
【65】化学療法の適応となる必要条件はどれか?
a)全身状態が良好である。
b)遠隔転移がある。
c)臓器が保たれている。
d)十分なインフォームドコンセントが得られている。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:1
【66】緩和ケアについて正しいものを選べ。
a)モルヒネには副作用はない。
b)末期ガンには家族を含めたケアがいる。
c)疼痛の強さにはメンタルケアも影響する。
d)終末期には高カロリー輸液による治療が望ましい。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× b)○ c)○ c)×?
【67】遺伝子に関する記述で正しいのはどれか。
a)リボゾーマルRNAの塩基配列に基づきアミノ酸がつながることを転写という。
b)DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。
c)DNAの遺伝子情報からメッセンジャーRNAが作られることを翻訳という。
d)DNAには遺伝子の発現を調節する部分がある。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:4
a)× b)× c)× d)○
【68】次の中から正しい記述を選べ。
a)癌の原因は先天的なものがほとんどである。
b)プロト癌遺伝子は癌細胞のみに認められる。
c)正常細胞の染色体には癌特性を抑制する部分がある。
d)癌化に癌遺伝子と癌抑制遺伝子の両者が必要である事を、2ヒットセオリーという。
e)p53は癌遺伝子である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
a)× b)× c)○ d)× e)×
【69】正しいものを選択しなさい。
a)子宮頸癌の約40%にパピローマウイルスが検出される。
b)APC遺伝子は大腸癌多段階発癌の初期に働く。
c)ヒトの遺伝子は約3260個である。
d)ハイブリダイゼーションとは伸長反応のことである。
e)EGFRを標的とした分子標的治療薬は多くの副作用のため臨床使用が困難である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:2
a)× 95%以上に発癌性HPV型のDNAが含まれている(ハリソン内科学)
b)○ c)× d)× e)×
【70】小腸の解剖と生理に関して正しいものを選べ。
a)胆汁酸が吸収されるのは回腸が一番多い。
b)Migrating Motor Complex は空腹期の強い収縮波という。
c)腸瘻の治療では経腸栄養をしながらする。
d)クローン病、腸結核、放線菌症で腸瘻をきたす。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:?
a)○ b)○ c)× 非経腸栄養 d)○
【71】腸瘻につき正しいものの組み合わせはどれか。
a)消化管手術後の縫合不全により発生するのは唇状瘻である。
b)小腸が膀胱と瘻孔を形成したものは外腸瘻である。
c)腸瘻の治療では経腸栄養をしながら行う。
d)クローン病、腸結核、放線菌症では腸瘻をきたす。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:4
a)× 管状瘻、唇状瘻とも発生する。前者は自然閉鎖することが期待できるが、
後者は手術などの処置が必要。 b)× 内腸瘻 c)× 非経腸栄養 d)○
【72】腸間膜血管閉塞症と短腸症候群で正しい組み合わせはどれか。
a)腸管壊死はischenic injuryとreperfusion injuryより発生する。
b)クローン病では経腸栄養剤を使用する場合は、小腸機能障害の認定を得られる。
c)短腸症候群は小腸の長さが100cm以下になって代謝障害を伴うことが多い。
d)上腸間膜動脈閉塞症塞栓によることが多い。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
a)○ b)○ c)○ d)○
【73】腸管奇形に関して正しい組み合わせはどれか。
a)Meckel憩室は腸間膜側に位置する。
b)Meckel憩室は異所性胃粘膜があり多量出血、穿孔をきたすことがある。
c)腸回転異常症の手術では癒着を剥離してnon rotationに戻す。
d)180度molrotationではLadd靭帯は形成されないので中腸軸捻転はきたさない。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× 反対側 b)○ c)○ d)× Ladd靭帯は形成される
【74】虫垂炎に関して正しい組み合わせはどれか。
a)虫垂炎は虫垂内腔の内圧上昇に細菌感染を合併して発生する。
b)Blumberg signがある時は腹膜刺激症状があることを示す。
c)超音波検査は正当の虫垂の描写ができないので、重要な検査ではない。
d)カタル性虫垂炎は手術のよい適応である。
a)○ b)○ c)× d)× 保存的治療が可能
【75】大腸の解剖について正しいものはどれか?
a)結腸にはhaustraがあり、縦走筋がtaeniaを形成する。
b)中直腸動脈は内腸骨動脈から分岐する。
c)側方向リンパ節とは、中直腸動脈へ沿って分布するリンパ流をいう
d)中直腸弁が腹膜翻転部で、これより肛門部がRbの領域となる。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
a)○ b)○ c)○ d)○
cについて解説:上方向⇒下腸間膜動脈領域、側方向⇒内外腸骨血管領域(Rbの癌)、
下方向⇒会陰・鼠径方向(肛門管癌) 癌の転移で重要となる
【76】大腸の生理について正しいものを選べ。
a)下腹神経を損傷すると勃起障害が起こる。
b)大腸ではカリウムイオンや重炭酸イオンが吸収される。
c)大腸では炭水化物は腸内細菌によってブドウ糖に分解されて吸収される。
d)大腸では逆蠕動波によって便が排泄されるのは24〜48時間後である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:4
a)× 骨盤神経 b)× 分泌される c)× 大腸ではグルコースは吸収できない
【78】潰瘍性大腸炎について正しいものを選べ。
a)大腸全摘が基本的な手術法である。
b)重症型や劇症型ではステロイド強力療法やWBC除去療法を行っても反応しないときは手術する。
c)全結腸炎型では左側結腸型や直腸炎型より高い癌化率を示す。
d)回腸でJやWなどのpouchを形成して肛門と吻合すると、術後早期の排便回数はストレートに吻合した場合より少ない。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
a)○ 標準的手術 d)○ 術後早期の排便機能が問題となるが徐々に回復する
【79】肛門疾患で正しいものを選びなさい。
a)内痔核は脱出の程度により、治療法は変わる。
b)外痔核に血栓を合併すると激痛がおこる。
c)肛門管の歯状線より外側は移行上皮である。
d)痔核は直腸指診により診断される。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:?
a)○ b)× 静脈炎を併発すると激痛が起こる c)× 重層扁平上皮 d)○
【80】次の製剤のうち、分子クローン化技術の発達によりはじめて可能になったものはどれか。
a)輸液用アルブミン製剤
b)ヒト型インスリン製剤
c)G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤
d)インターフェロン製剤
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
【81】次の薬剤のうちいわゆる「分子標的治療薬」と呼ばれるカテゴリーに属する薬剤はどれか。
a)gefitinib(商品名「イレッサ」)
b)paclitaxel(商品名「タキソール」)
c)imatinib(商品名「グリベック」)
d)trastuzumab(商品名「ハーセプチン」)
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:1
【82】潰瘍性大腸炎の組織学的特徴は?
a)びまん性炎症 b)陰窩膿瘍 c)陰窩の捩れ
d)類上皮細胞肉芽腫 e)乾酪壊死
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
a)○ b)○ c)○ d)× クローン病など e)× 結核
【83】炎症性腸病変について正しいものの組み合わせを選べ。
a)潰瘍性大腸炎では深い下掘れ潰瘍が特徴的である。
b)クローン病では縦走潰瘍が特徴的である。
c)腸結核では輪状狭窄を伴う円形潰瘍が特徴的である。
d)感染性腸炎では敷石像が特徴的である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:3
a)× 下堀れ潰瘍はベーチェット病と単純性潰瘍 d)× 敷石像はクローン病
【85】以下の腸炎についての記述で正しいものの組み合わせを選べ。
a)放射性腸炎では血管内皮細胞下の泡沫細胞出現が特徴的組織所見である。
b)偽膜性腸炎の原因はClostridium difficileの毒素による。
c)病原性大腸菌O-157感染による腸炎の組織像は虚血性腸炎と類似している。
d)抗癌剤性腸炎では奇異な核を有する異型細胞が出現する。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
a)○ b)○ c)○ d)○ 大型で奇異な核をもつので癌との鑑別が必要
【86】先天性異常の記述の中で正しいものの組み合わせを選べ。
a)重複腸管には異所性胃粘膜を認めることがある。
b)Meckel憩室は胎生期の卵黄腸管が遺残したものである。
c)Meckel憩室は大腸に発生することがある。
d)Hirschsprung病は大腸の固有筋層の欠損が原因である。
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:2
a)○ b)○ c)× 回腸に発生
d)× 先天性の壁内神経節細胞欠損。マイスネル、アウエルバッハ両方とも欠損
【89】滑脱型食道裂孔ヘルニアについて正しい記載を一つ選べ。
a)本疾患は先天性疾患で、若年者の発生率が高い。
b)自然軽快することが多い。
c)症状の改善には制酸剤が有効である。
d)食事直後の安静臥床が症状軽減に有効である。
e)Lichtenstein法は本疾患に対する手術術式である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
答:3
a)× 加齢による横隔膜食道靭帯の脆弱化や肥満、肺気腫、嘔吐などの腹腔内圧上昇機
転による b)× c)○ d)× セミファーラー体位がよい
e)× Nissen法などLichtensteinは鼠径ヘルニアの手術
【90】正しい記述はどれか?
a)上行結腸と下行結腸は後腹膜臓器である。
b)腹直筋後鞘は臍の上部で欠損する。
c)臍ヘルニアの治療は、臍の切除を要する。
d)Morgani横隔膜ヘルニアは、突然の呼吸困難で発症する。
e)卵巣粘液嚢腫や虫垂粘液腫は、腹膜偽粘液腫の原因疾患となる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:2
a)○ b)× c)× 不要 d)× e)○(新臨床外科学)
【91】以下の疾患と疼痛の組合せのうち、関連痛と考えられる痛みはどれか?
a)胆石発作−右肩痛
b)膵炎−左背部痛
c)右卵巣のう腫捻転−右下腹部痛
d)急性虫垂炎−右下腹部痛
e)過敏性腸症候群−左下腹部痛
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:1
a)○ b)○ c)× d)× e)×
【92】緊急手術の適応となる疾患を選べ。
a)急性胃炎 b)急性膵炎 c)大腸穿孔
d)絞扼性イレウス e)大腸憩室炎
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:4
【93】22才の男性。
夕食を午後7時に摂取し、その後11時に就寝した。午前5時に急激な上腹部痛が生じ、軽快しないため午前7時に救急車で来院した。苦悶様顔貌を呈し、上腹部は圧痛と筋性防御が著明であった。体温37.8℃、脈拍95/分、整、分圧146/90mmHg、便潜血は陽性であった。まず行う検査はどれか。
a)MRI
b)胸腹部X線単純撮影
c)腹部超音波検査
d)血液・尿検査
e)上部消化管造影検査
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:4
解説:消化管穿孔が疑われる。特にbは重要で、free gasを認めれば確定診断となり、
外科的処置が必要なことが多い。eはしないほうがよい。また、CTはとるがMRI
は不要。
【94】急性虫垂炎と鑑別すべき疾患はどれか。
a)右卵巣出血 b)大腸憩室炎 c)尿管結石 d)腸重積
1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)a〜dのすべて
答:5
解説:このほかに右側結腸癌、骨盤内炎症性疾患、卵巣嚢腫茎捻転、子宮外妊娠、腸間
膜リンパ節炎、Mechkel憩室炎、急性胆嚢炎、胃十二指腸潰瘍穿孔。
【96】上部消化管出血によるショックに対する治療として、適当なものは?
a)昇圧剤投与 b)H2ブロッカー投与 c)輸血
d)消炎鎮痛剤投与 e)セミファーラー体位
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
e)× 仰臥位で両側下肢を水平にして上半身を約20度起こした体位。脊椎麻酔の薬が
頭方移動するのを防ぐ場合や腹腔膿瘍をダグラス窩に誘導するとき、呼吸を楽にすると
き、GERDの緩和などに用いる。
【99】食道静脈瘤出血に対する止血術について正しいものを選びなさい。
a)内視鏡的結紮術
b)バゾプレッシン投与
c)βブロッカー投与
d)高張Na−エピネフリン局注
e)S−Bチューブ挿入
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
答:1
【100】次のうち誤った記載はどれか。
a)肝硬変症患者の吐血は、胃潰瘍やびらんからの出血も比較的多い。
b)腎機能障害はEISの合併症の一つである。
c)EVLはEISに比べて合併症が少ない。
d)胃静脈瘤の治療として脾摘術は有効である。
e)食道静脈瘤より活動性出血を認める場合はEVLは無効である。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de
答:2
a)× b)○ c)○ d)○ Hassab手術が有効 e)×
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