平成16年度 「聴・嗅・味覚器」 卒業試験
概要 【1】:小宗教授30題(マルチョイ)!正しいものの組み合わせを選ぶ。30問
選択肢は全部共通で a(1)(5) b(3)(4) c(2)(3)(4) d(1)(2)(5) eすべて
【2】:他の先生は文章の穴埋め単語40個。括弧内をうめる
1)~5)があり、かっこは全部で40こでした
問題
【1】以下の問題文を読み、正しい選択肢の組み合わせを選べ。
選択肢は全ての問題共通で、a(1)(5) b(3)(4) c(2)(3)(4) d(1)(2)(5) eすべて
1.中耳伝音理論について正しいのはどれか? 1)耳小骨連結が音増幅にもっとも大きな役割をもつ。 2)鼓膜・耳小骨が全てなくなると30dBの伝音難聴となる。 3)鼓膜小穿孔で耳小骨が正常な場合に予想される難聴は12.5dBである。 4)慢性中耳炎で耳漏が増えるときに聞こえがよくなるのは遮蔽効果のためである。 5)鼓室形成術㈿型は最大聴覚レベル30dBが限界である。 |
解答:b? 1)×鼓膜と卵円窓の面積比が大きい。 2)×面積比25dB+耳小骨2.5dBで27.5。 3)○ 4)? 5)問題文不明
2.こどもの急性中耳炎について正しいのはどれか。 1)経鼓膜感染がほとんどである。 2)起炎菌は黄色ブドウ球菌が圧倒的である。 3)上気道炎に続発する。 4)ペニシリン耐性肺炎球菌が増えている。 5)鼓膜切開は治療法として無用である。 |
解答:b 1)×上咽頭から耳管経由。 2)×肺炎球菌50%、インフルエンザ杆菌40%。 3)○ 4)○ 5)×
3.鼻出血について正しいものはどれか。 1)鼻中隔前端が出血部位として多い。 2)鼻中隔湾曲は出血の原因の一つである 3)出血の責任動脈として内頚動脈系と外頚動脈系の両方がある 4)頑固な鼻出血には顎動脈結さつを行なう 5)貧血は鼻出血の原因の一つである |
解答:e 1)○kiesselbach部位。 2)○ 3)○ 4)○ 5)○貧血による出血性素因。
4.鼓室硬化症について正しいものはどれか。 1)中耳炎の後遺症である。 2)耳小骨の可動性が失われる。 3)鐙骨が固着することはない。 4)鼓膜はほぼ正常である。 5)乳突蜂巣は発育が不良である。 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)×? 4)× 5)○?
鼓室硬化症とは中耳炎後遺症のひとつで、鼓膜の白色肥厚をきたす。粘膜下層に浸潤した線維芽細胞により生じた膠原線維が肥厚し融合、硝子化したもので石灰沈着することもある。耳小骨周囲に生ずると、可動性が制限され難聴の原因となる。
5.聴神経腫瘍について正しいものはどれか。 1)ある程度大きくなるとめまい症状が強くなる。2)両側性である。 3)初期にBrunsの眼振を認めることがある。 4)発生部位は蝸牛神経が多い。 5)進行性の感音難聴である。 |
解答:a 1)○ 2)× 3)×Bruns眼振とは患側を見たとき高振幅低頻度、健側を見たとき低振幅高頻度である眼振。進行例に見られる。 4)×前庭神経に多い。5)○
6.急性喉頭蓋炎について正しいものを選べ 1)急性喉頭炎の一種である 2)喉頭蓋が丸く発赤,腫大する 3)ステロイドの全身投与が有効である. 4)強い嚥下痛がある 5)呼吸困難から死にいたることもある. |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○粘膜の浮腫進行抑制のため 4)○? 5)○急激な浮腫のため。
7.側頭骨骨折について正しいものを選べ。 1)縦骨折と横骨折がある。 2)難聴、めまい、顔面神経麻痺などが主な症状である。 3)頭蓋底骨折は伴わない。 4)難聴は伝音性難聴である。 5)髄膜炎を併発することもある。 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)× 4)×縦骨折で伝音難聴または混合難聴、横骨折で感音難聴5)○
8.上咽頭癌について正しいのを選べ。 1)滲出性中耳炎が初発症状であることがある。 2)複視になることがある。 3)両側上頚部リンパ節腫脹で気づかれることが多い。 4)東南アジアに多い。 5)EB virusが原因である。 |
解答:e 1)○ 2)○三叉神経、外転神経は高度に侵す。3)○ 4)○特に中国人。5)○
9.甲状腺ガンについて正しいものを選べ 1)99mTcでcold nodule 2)乳頭癌がもっとも多く予後が良い。 3)嗄声をきたすことがある。 4)全摘後はテタニーを起こしやすい。 5)男性に多い。 |
解答:c 1)×99mTc→123I 2)○ 3)○進行時の反回神経麻痺。 4)○上皮小体損傷のため。 5)×女性に多い。
10.正しいのはどれか。 1)真珠腫性中耳炎のほとんどは弛緩部穿孔を持つ。 2)気管支異物患者の大半は1歳台である。 3)気管支異物は豆類が多い。 4)食道癌は反回神経麻痺の原因となる。 5)注視(方向性)眼振は中枢性疾患により出現する。 |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○ 4)○ 5)○
11.kiesselbach部位に流入する動脈を選べ。 1)眼動脈 2)顔動脈 3)舌動脈 4)上甲状腺動脈 5)顎動脈 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)× 4)× 5)○
12.blowout fractureについて正しい組み合わせはどれか 1)眼部への鈍的打撲による 2)複視を生じる 3)眼窩底を骨折する 4)上方視が制限されやすい 5)なるべく早期に整復する |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○上方視に際して。 4)○ 5)○
13.鼓膜陥入所見について正しいものを選べ 1)つち骨柄が垂直化す 2)つち骨柄が水平化する 3)つち骨頭が突出する 4)光錘が消失する 5)鼓膜下方が膨隆する |
解答:a 1)× 2)○ 3)○ 4)○ 5)× 鼓膜陥入は滲出性中耳炎や真珠腫性中耳炎。
14.耳痛を来たす疾患を選べ。 1)急性中耳炎 2)慢性化膿性中耳炎 3)滲出性中耳炎 4)結核性中耳炎 5)Hunt症候群 |
解答:a 1)○ 2)× 3)× 4)? 5)○耳帯状疱疹。
15.内耳性難聴をきたすものはどれか。 1)アスピリン 2)アミノ配糖体抗生物質 3)砒素 4)ループ利尿薬 5)シスプラチンなどの抗癌剤 |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○?色々調べたが記載なし。 4)○ 5)○
16.乳幼児乳突洞炎について正しいもの 1)耳介の從立 2)耳後部腫脹 3)高熱 4)耳痛 5)緊急乳突洞削開 |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○ 4)○ 5)○
17.顔面神経麻痺をきたしやすい中耳炎はどれか。 1)結核性中耳炎 2)真珠腫性中耳炎 3)慢性化膿性中耳炎(単純穿孔性) 4)滲出性中耳炎 5)急性中耳炎 |
解答:d 1)○?選択肢上 2)○ 3)× 4)× 5)○
18.鼓膜正常で伝音難聴をきたす疾患はどれか 1)慢性化膿性中耳炎 2)聴神経腫瘍 3)耳小骨奇形 4)耳硬化症 5)遺伝性難聴 |
解答:b 1)×鼓膜穿孔をきたす 2)×感音難聴 3)○ 4)○ 5)×感音難聴
20.進行性不可逆性難聴をきたすのはどれか? 1)耳硬化症 2)カナマイシン難聴 3)突発性難聴 4)音響外傷 5)聴神経腫瘍 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)×一過性で再発なし。 4)×回復する。 5)○
22.めまいを伴う疾患はどれか。 1)メニエール病 2)突発性難聴 3)真珠腫性中耳炎 4)内耳梅毒 5)内耳炎 |
解答:e 1)○回転性、反復性。 2)○再発なし。 3)瘻孔現象あり。 4)内耳性難聴、耳鳴、めまい 5)○
23. 真珠腫性中耳炎について正しいものを選べ。 1)ポリープを合併する。 2)再発がある。 3)弛緩部穿孔がほとんどである。 4)骨破壊。 5)めまい、瘻孔症状を伴うことがある。 |
解答:e? 1)? 2)○ 3)○ 4)○ 5)○瘻孔現象では、外耳道の圧変化でめまい出現
24.慢性化膿性中耳炎について正しいものを選べ。 1)起炎菌は肺炎球菌が多い。 2)アデノイド、扁桃肥大、口蓋裂、慢性副鼻腔炎は原因となりうる。 3)真珠腫性中耳炎と病態は異なる。 4)中心性穿孔である。 5)鼓膜穿孔が自然閉鎖することはない。 |
解答:c 1)×多剤耐性、MRSA、緑膿菌が多い。 2)○? 3)○ 4)○ 5)?
25.耳硬化症について 正しいのはどれか? 1)伝音性または混合性の難聴。 2)難聴は進行性。 3)中耳炎の既往がある。 4)高率にめまいを合併する。 5)鼓膜は正常。 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)×?中耳炎後遺症は鼓室硬化症。 4)×? 5)○時に鼓膜を介して充血した中耳を散見(Schwartze徴候)。
26.難聴をともなわないめまいはどれか。 1)前庭神経炎 2)椎骨脳底動脈不全 3)メニエール病 4)側頭骨骨折 5)良性発作性頭位めまい症 |
解答:d 1)○ 2)○?Wallenburg症候群、PICAは伴わないが、AICAは伴う。 3)× 4)×縦骨折では中耳損傷による伝音性難聴、横骨折では内耳損傷による感音性難聴。5)○
27.正しいのはどれか? 1)自発眼振はすべて異常である。 2)注視(方向性)眼振はほとんどが中枢性である。 3)中枢性眼振は回旋成分が多い。 4)中枢性眼振は固視で抑制される。 5)前庭性めまい患者は暗闇で特に歩きにくい。 |
解答:d 1)○ 2)○ 3)× 4)× 5)○
29.突発難聴について 1)一側性 2)聾に至るものがある 3)早期治療が重要 4)聴神経腫瘍の初発症状として出現することがある。 5)めまいを伴うことがある |
解答:e 1)○ 2)○ 3)○発症から2週間以内に治療開始。 4)○ 5)○
30.職業性騒音性難聴について正しいものは 1)耳栓は無効である 2)C5 dipをきたす 3)蝸牛有毛細胞の障害である 4)ステロイド無効である 5)中音域から障害されるのが特徴である |
解答:c 1)× 2)○4000Hzあたりのくぼみ 3)○ 4)○ 5)×?4000Hzから障害
【2】次の文中の( )にあてはまる語句を答えなさい。 (I)喉頭は臨床解剖的に( 1 )( 2 )( 3 )の部位に分けることができる。 喉頭癌も発生部位により先の3つに分けられる。発生が最も多いのは(2)癌であり、その症状は( 4 )である。(1)の症状は嚥下痛である。(3)は症状が出にくく発見が遅れやすい。喉頭癌の組織型で最も多いのは( 5 )である。 |
1.声門上部 2.声門部 3.声門下部 4.嗄声 5.扁平上皮癌
(II)喉頭を支配する神経は上方から支配する( 6 )神経と下方から支配する( 7 )神経とがある。(6)神経の支配する筋肉は( 8 )と内喉頭筋のうち( 9 )筋である。それ以外の内喉頭筋は(7)神経が支配している。そのうち声帯を開く作用を持つのは( 10 )筋である。(7)神経の障害では( 11 )麻痺が起こり、( 12 )を来たす。 |
6.上喉頭 7.下喉頭 8.下咽頭収縮筋 9.輪状甲状 10.後輪状披裂 11.声帯 12.嗄声
(III)唾液腺は小唾液腺と大唾液腺に分けられる。大唾液腺には( 13 )( 14 )( 15 )がある。唾液腺には( 16 )とよばれる骨代謝に関係するホルモンが含まれる。食事のときに疝痛発作を伴う疾患として、( 17 )があり、これにより( 18 )管が閉鎖される。(14)に多くみられる。唾液腺の腫瘍の中で1番多いのは(15)であり、組織型は( 19 )が多い。耳下腺腫瘍の手術のときには( 20 )神経の損傷に気をつけねばならない。また、( 21 )瘻の予防のために( 22 )管をきちんと結紮しておく必要がある。 |
13.舌下腺 14.顎下腺 15.耳下腺 16.パロチン 17.唾石症 18.輸出 19.多形腺腫 20.顔面 21.唾液 22.ワルトン
(IV)舌の神経支配は、前3分の2は( 23 )神経の枝である( 24 )神経支配であり、後3分の1は( 25 )神経支配である。中耳の手術の際は、つち骨ときぬた骨との間に( 24 )神経が通っており、損傷しないように気をつける。(24)神経損傷では、( 25 )低下が起こる。(25)低下を引き起こす金属には( 26 )( 27 )がある。味覚障害に関係する金属は( 28 )( 29 )である。 |
23.顔面 24.鼓索 25.舌咽 24.鼓索 25.味覚 26.カルシウム 27.ナトリウム? 28.亜鉛 29.鉄
(V)鼻アレルギーの3主徴は突然の( 29 )( 30 )( 31 )で鼻粘膜上の( 32 )型アレルギーである。臨床上、通年性患者の抗原として( 33 )が多い。季節性患者としては春先の( 34 )が有名である。診断には、上の3主徴、鼻粘膜の色調のほかに抗原検索、誘発反応、鼻汁中( 35 )、血清( 36 )や特異的( 36 )抗体の測定が重要である。治療としては、( 37 )の回避を行い、薬剤としては( 38 )の局所投与や抗アレルギー薬の服用がある。 |
29.くしゃみ 30.鼻中(鼻汁過多) 31.鼻詰まり(鼻閉) 32.I 33.ハウスダスト(ダニ) 34.スギ花粉 35.好酸球検査 36.IgE 37.抗原 38.ステロイド
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