平成17年度 「聴・嗅・味覚器」 概説試験
問題冊子はA4の8枚。解答は直接問題用紙に記入する。不合格者4人。
便宜的に大問番号を付けておきます。
【1】嚥下障害 1.正しいものには○、間違っているものには×を記せ。 (1)嚥下運動は生理学的に、口腔期、咽頭期、食道期の3期に分けられる。 (2)嚥下物が声門を越えて下気道に侵入することを誤燕という。 (3)一側声帯麻痺では咳嚇効率が低下し、肺炎を生じやすい。 (4)Vernet症侯群では患側の咽頭筋麻痺を生じることが多い。 (5)嚥下性肺炎は、高齢者の死因の上位を占めている。 |
概説2003と同じ (解答)1.○ 2.○ 3.× 4.○Vernet症候群とは頭部損傷により後頭蓋窩内にある舌咽神経、迷走神経などの麻痺が起こるもの 5.○
2.『喉頭挙上期型誤嚥』と『喉頭下降期型誤嚥』の鑑別点について説明せよ。 |
概説2004に同じ、解答解説は省略
3.次の記述のうち正しいものを選択せよ。(複数可) (a)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として音声の酷使が最も多い。 (b)声帯結節は通常一側性である。 (c)声帯ポリープの原因はパピローマウィルスである。 (d)声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。 (e)声帯白板症は女性に多い。 |
概説2004と同じ (解答) a,d
a.○ b.×両側。 C.× 声帯の酷使と喫煙が原因となる。d.○ e.×前癌病変である
【2】耳 1.中耳炎を3種類挙げて、病態や症状などを述べよ。 2.伝音難聴と感音難聴をキーワードに、純音聴力検査について説明しなさい。 |
1. 概説2003に同じ、解答解説は省略
2. 純音聴力検査では125~8000Hzの間で気導聴力および骨導聴力を測定する。難聴が認められる症例において気導聴力および骨導聴力の差すなはちABgapがあれば伝音難聴、もしABgapがなければ感音難聴と鑑別される。
3-4.メニエール病につき正しいものはどれか (1)発症は発作性で反復性である (2)発作の激しい時は意識障害を伴う (3)進行すると温度眼振検査で半規管麻痺(CP)を生じる (4)初期は低音域難聴が多い (5)めまいのため、物が二重に見える a.123 b.124 c.134 d.234 e.345 |
2005卒試と同じ (解答)c 解説は省略
3-? 純音聴力図を示す。考えられるのはどれか。 a.耳小骨離断 b.耳硬化症 c.突発性難聴 d.加齢性難聴 e.慢性騒音性難聴 |
(解答)c 概説2003、卒試2005に同様の問題あり
a. ×伝音性難聴b.×アブミ骨底の固着に起因し、伝音性難聴を呈するc.○突然の片側性難聴を呈するd.×両側の感音難聴で右下がりのオージオグラムになる e.×両側の感音難聴で4000Hz付近の聴力低下から始まり、幅が広くなっていく。
3-? 7歳の男児。 学校の健康診断で右耳の難聴を指摘され、精密検査目的で来院した。自覚的に耳痛なく、局所所見で鼓膜の穿孔や耳漏もない。ティンパノメトリーでAd型であった。純音聴力検査(片側性の伝音性難聴)を示す。最も考えられるのはどれか。 a.急性中耳炎 b.慢性中耳炎 c.耳小骨形態異常 d.突発性難聴 e.機能性難聴 |
(解答)c 概説2004、卒試2005(図あり)と同じ
耳痛,鼓膜穿孔,耳漏が無く、中耳炎は考えにくい。オージオグラムは片側性(右)の伝音性難聴を示している。(ABgapを認める)またティンパノメトリーでAd型(大気圧下でのコンプライアンス異常上昇)であることは耳小骨連鎖離断による鼓膜の可動性の増大を示す。
【3】形成外科 1.カッコ内に適当な語を埋める (1)皮膚の自然に生じる線にはwrinkle line, contour line, ( )がある。 (2)皮弁にはrandom pattern flapと( )があり、後者の代表的なものに、筋膜皮弁( )などがあげられる。 (3)口唇裂は( )の走行異常を伴う組織欠損である。 (4)口蓋裂は( )の走行異常があり、口蓋帆張筋の機能にも影響を与えている。 |
解答 1.relaxation line 2.axial pattern flap 3.口輪筋 4.口蓋帆挙筋
2.上顎動揺と左頬部変形がみられた場合に考えられる顔面骨折部位は? [#f9574ff1] |
解答:上顎骨折(Le Fort II型)
上顎骨折はLe FortI~III型に分けられる。I型は顔面下部打撲により歯槽骨折を来たしたもの、II型は顔面中部打撲により頬部骨折による顔面の三日月様変形を来たし三叉神経障害や鼻血、耳出血、髄液漏などを伴う。III型は顔面上部打撲により顔面のロバ様変形を来たす。一般に骨折線が上部にあるほど(III型が最も)重篤である。気道確保および整復(必要に応じて観血的)を行う
【4】頭頚部腫瘍の選択肢問題 1.58歳の男性。 1年前から鼻出血と右耳の滲出性中耳炎を反復していた。2ヶ月前から右頸部に硬い腫瘤が出現し、次第に増大してきた。10日前から複視が出現し来院した。最も考えられるのはどれか。 a.蝶形骨洞癌 b.上咽頭癌 c.中咽頭癌 d.上顎洞癌 e.中耳癌 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e |
(解答)2 卒試2005と同じ
初発症状は頚部腫瘤(リンパ節転移)や耳閉塞感、滲出性中耳炎が最も多いが、鼻出血、外転神経麻痺、三叉神経麻痺など多彩な初期症状を呈しうる。特に本症例のように頚部腫瘤を主訴に来院する例は全体の30%に達する。
2.咽頭癌に関する以下の記述の中で正しい組み合わせはどれか a.上咽頭癌では手術が第一選択である b.下咽頭癌は組織学的に腺癌が多い c.下咽頭癌は頸部リンパ節に転移をきたしやすい d.中咽頭癌の亜部位で最も多いのは側壁型である e.上咽頭癌の発症にはEBウイルスが関与していることがある 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
(解答)5
a.×放射線照射が第一選択 b.×95%以上を高分化扁平上皮癌が占める。C.○早期から高率に認められる。d.○側壁(口蓋弓)に最もよく見られる。e.○
3.正中頸嚢胞について正しいものはどれか a.甲状舌管遺残嚢胞である b.第2鰓弓の発生異常である c.組織的にはリンパ組成である d.放射線感受性が高い e.好発部位は舌骨レベルである 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
(解答)2 卒試2005と同じ
a.○ b.×第2鰓弓から発生するのは側頚嚢胞 c.× d.× e.○
4.以下の記述のうち正しい組み合わせはどれか a.耳下腺の腫瘍には悪性腫瘍より良性腫瘍が多い b.甲状腺髄様癌は家族性に発生することがある c.耳下腺腫瘍の手術では顔面神経に注意する必要がある d.唾液腺腫瘍の大部分は顎下腺に発生する e.甲状腺腫瘍の診断には開放生検が第一選択である 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
(解答)1
a.○悪性は20%を占める。b.○多発性内分泌腫瘍(MEN II型) c.○ d.×大部分(85%)は耳下腺に発生 e.×超音波検査や穿刺吸引細胞診を行う。
5.以下の記述のうち誤っているものはどれか a.声帯ポリープは手術治療が第一選択である b.ポリープ様声帯は喫煙が発生原因となる c.喉頭癌の発生部位は声門癌が最も多い d.喉頭の白斑症は前癌病変である e.急性喉頭蓋炎では気管切開が必要となることがある 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e |
(解答)1
a.×声帯の安静が最も重要 b.○喫煙者に多い c.○60%を占める d.○ e.○
副鼻腔は(1)洞、篩骨洞、前頭洞、(2)洞からなり、(1)、前頭洞、前篩骨洞が開口する重要な部位を(3)と呼ぶ。 鼻涙管は(4)鼻道に開口している。単純X線検査ではCaldwell法はとくに(5)洞、前頭洞の観察に、Waters法は(6)洞、前頭洞の観察に優れている。 鼻出血の好発部位は(7)の前方にあり(8)部位と呼ばれる。 アレルギー性鼻炎の三主徴はくしゃみ、水性鼻汁、(9)で、病因抗原の検出として皮膚反応、鼻粘膜誘発反応、抗原特異的(10)抗体測定法がある。慢性副鼻腔炎の治療として(11)の少量長期投与が有効である。(12)は(3)を開大し、換気と排膿により慢性副鼻腔炎を治癒に導く。副鼻腔嚢胞では(13)が最多であり、また(14)洞と後篩骨洞の嚢胞では視力低下をきたすので注意が必要である。 (選択肢) 1.上 2.中 3.下 4.前 5.後 6.上顎 7.下顎 8.篩骨 9.蝶骨 10.鼻前庭 11.鼻中隔 12.ベロック 13.バルーン 14.キーセルバッハ 15.鼻閉 16.嗅覚減退 17.IgA 18.IgE 19.IgG 20.マクロライド 21.ニューキノロン 22.セフェム 23.内視鏡下鼻副鼻腔手術 24.上顎洞根本術 25.OMC 26.fontanelle 27.歯原性嚢胞 28.術後性上顎嚢胞 29.鼻前庭嚢胞 30.olfactory cleft |
(解答) 1.上顎 2蝶形骨 3 篩骨漏斗(該当する選択肢なし) 4下 5 篩骨洞 6上顎洞 7鼻中隔 8 キーセルバッハ 9鼻閉 10 IgE 11マクロライド 12 血管収縮薬(該当する選択肢なし) 13術後性上顎嚢胞 14 上顎
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