聴・嗅・味覚器 平成19年度概説
「内耳・聴覚検査」
【1】純音聴力検査のデータを下表に示す。この表より、オージオグラムを完成させよ。
(赤と青の区別はしなくてよい)
答:下図の通り。右がmass curve
1)上記の難聴のタイプは何か? 答:( )難聴
答:(右)伝音難聴
2)上記検査のためにマスキングは必要か? 気導聴力と骨導聴力に分けて理由についても記せ。
答:気道聴力→左右差50dB以内だから不要
骨導聴力→左右差5dB以内だから不要
3)この難聴を示す疾患は下記のどれか。
a)耳硬化症 b)鼓室硬化症 c)滲出性中耳炎 d)前庭神経炎
e)メニエール病 f)ハント症候群
答:c(『イラスト耳鼻咽喉科』純音聴力検査(2)が有用)
a)× 両側性伝音難聴で、stiffness curveとCarhart’s notchが特徴
b)× 伝音難聴だが、純音聴力検査はmassとstiffnessの混合
c)○ 伝音難聴で、A-B gapが全周波数に平均してみられるmass curveになる
d〜f)× 感音性難聴
【2】各問いに答えよ。
1)
両側性の感音難聴をきたすことが多い疾患はどれか。
1)ムンプス難聴 2)シスプラチン難聴 3)ステロイド依存性感音難聴
4)外リンパ瘻
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:c
2)
突発的に難聴を来たした場合、鑑別としてあげられる疾患として正しいのはどれか。
1)メニエール病 2)鼓室硬化症 3)内耳炎 4)聴神経腫瘍
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:a
解説:2は慢性炎症の終末像で伝音性難聴をきたす。
3)
顔面神経麻痺で聴覚過敏、味覚障害が訴えられた。障害部位はどこか。
a)膝状神経節より中枢 b)膝状神経節 c)アブミ骨筋神経より中枢
d)アブミ骨筋神経より末梢 e)鼓索神経より末梢
答:c
解説:聴覚過敏→アブミ骨反射低下・消失
4)
中耳伝音系について適切でないのはどれか。
1)
音のエネルギーは空中から液体に伝わる際に約70%が失われるため、中耳伝音 系の音増幅作用によりこれを代償する。
2)
鼓膜とアブミ骨底の面積比による増幅は25dBである。
3)
耳小骨のテコ比による増幅は2.5dBである。
4)
鼓膜の大穿孔があるとcancel effectを生じる。
5)
cancel effectにより約40dB聴力が低下する。
a)12 b)15 c)23 d)34 e)45
答:d
1)× 99.9% 2)× 27.5dB 3)○ 4)○ 5)× 12.5dB
「平衡疾患、外耳・内耳疾患」
【3】平衡疾患についての各問いに答えよ。
1)次の( )に正しいことばを入れなさい。
ヒトは( )と前庭と( )からの情報を空間認知に利用している。
めまいの客観的裏付けである眼振は、( )相と( )相からなる眼球運動で、眼振の方向とは( )相の方向を指す。
中枢性疾患が疑われる眼振は( )や純回旋性眼振であり、眼振の振幅や頻度に比較して( )が軽いという特徴がある。
答:順に 視覚、固有知覚、緩徐、急速、急速、注視眼振or垂直性眼振、めまい
2)良性発作性頭位めまい症の特徴を3つ挙げなさい。
答:@ 特定の頭位をとると眼振が数秒の潜時で眼振がおこり、次第に増強し、ついで減衰、消失する。
A 眼振に伴ってめまいを自覚するが、蝸牛症状はない。
B めまいの誘発を繰り返すと軽くなったり消失したりする。
3)良性発作性頭位めまい症の理学的治療法を3つ挙げなさい。
答:@ Epley法 A Semont法 B
Brandt-Daroffのphysical
therapy
4)メニエール病と診断するための3つの条件を挙げなさい。
答:@ 回転性めまい発作を反復する。
A 耳鳴・難聴・耳閉感などの蝸牛症状を伴う。
B 上記の症候をきたす他疾患を除外できる。
5)
メニエール病の外科的治療法を2つ挙げなさい。
答:前庭破壊術、内リンパ減荷術、前庭神経切断術のうち2つ
【4】外耳・内耳疾患についての各問いに答えよ。
1)外耳道の自浄能(自浄作用)について述べよ。
答:鼓膜外耳道上皮はツチ骨臍から鼓膜縁に向かって遊走し、さらに外耳道骨部か
ら難骨部へと遊走することで外耳道を浄化している。
2)鼓室形成術の二つの目的を述べよ。
答:@ 鼓室内の病変を除去する。 A 中耳伝音系を再建する。
3)急性中耳炎の起炎菌を3つ挙げよ。
答:肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ・カタラーリス
4)耳硬化症とはどこが硬化する疾患であるか?また、純音聴力検査とアブミ骨筋反射を行ったときの特徴を、それぞれ一つ述べよ。
答:アブミ骨の固着
純音聴力検査→Carhart’s notch(骨導)、気導聴力ではstiffness curveが特徴
アブミ骨筋反射→消失
「音声・嚥下障害、喉頭疾患」
【5】
問1)
次の記載のうち、正しいものを選択せよ。
1)混合性喉頭麻痺のうちVernet症候群に舌下神経麻痺を伴ったものをCollet-Sicard症候群と呼び、嗄声と嚥下障害を来たす。
2)急性喉頭蓋炎では気管切開など気道確保を要することがある。
3)声帯白板症、声帯上皮過形成症は声帯上皮内癌とほぼ同義である。
4)声帯癌で一側声帯の可動性がなければ腫瘍の進行度はT4となる。
5)喉頭摘出後の代用音声として食道発声法が最も自由度が高い。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:d
1)○ 2)○ 気道確保しないと死ぬことあり 3)×
前癌病変
4)× T3 5)○
問2)
次の記載のうち、正しいものを選択せよ。
1)嚥下運動は生理学的に口腔期、咽頭期、食道期の3期に分けられる。
2)一側声帯麻痺では咳嗽効率が低下し、肺炎を生じやすい。
3)Vernet症候群(頚静脈孔症候群)では患側の咽頭筋麻痺を生じることが多い。
4)一般に球麻痺タイプの嚥下障害では固形物を、偽性球麻痺型の嚥下障害では水様物を嚥下しづらい。
5)嚥下時の喉頭挙上前方運動は、誤嚥の防止と食道入口部の開大に関与する。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:e
問3)
次の記載のうち、正しいものを選択せよ。
1)誤嚥とは嚥下物が声門をこえて下気道に侵入することをいう。
2)下気道に吸引された嚥下物や唾液によって生じる肺炎を嚥下性肺炎という。
3)Wallenberg症候群における嚥下障害の多くは呼吸困難を伴う。
4)偽性球麻痺タイプの嚥下障害では一般に喉頭下降期型誤嚥を呈する。
5)気道防御反射や喉頭期嚥下を引き起こすのに重要な感覚神経は上喉頭神経である。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:d
4)× 喉頭挙上期型
問4)
次の記述のうち正しいものを選択せよ。
1)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として喫煙との関係が深い。
2)声帯結節は通常一側性である。
3)声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。
4)声帯白斑症は女性に多い。
5)声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:a
1)○ 2)× 両側性 3)× 音声酷使による 4)× 男に多い 5)○
問5)
一側声帯麻痺に対する声帯内転術の目的は次のうちどれか。
1)音声の改善 2)誤嚥の防止 3)構音機能の改善
4)上気道抵抗の低減 5)咳嗽効率の改善
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:d
3)× 構音は口唇、頬、舌、咽喉頭筋の運動によって行われるもので、声帯内転
術では改善できない。構音訓練などを行うことで改善される。 4)×
増加
問6)
次のうち正しいものはどれか。
1)喉頭癌の好発部位は声門上の部位であり、女性に多い。
2)喉頭肉芽腫では早期より嗄声をきたす。
3)声門癌の初期症状は嗄声で、早期に発見されやすく予後も良い。
4)早期喉頭癌の治療として放射線化学療法は適切である。
5)喉頭癌のリスクファクターは喫煙であり、飲酒との関係はほとんどない。
a)15 b)34 c)234 d)125 e)すべて
答:b
1)× 声門部が多く、男に多い 2)× 通常は無症状(←呼吸器の授業より)
3)○ 4)○ 5)× 飲酒は声門上癌の発癌原因
<頭頚部形成外科>
【6】次の文の( )内に適切な言葉を記せ。
1)( )縫合は真皮にかかる緊張を減ずるため、肥厚性瘢痕の予防に役立つ。
2)Z形成術の効果には( )、分断効果、位置の変換、四面体効果がある。
3)顔面骨骨折症例で開口障害がある場合、頬骨骨折、( )、下顎骨関節突起骨折を考える。
4)口蓋裂では口蓋・咽頭筋群の中でも特に( )筋の走行異常が問題となる。
5)頭頚部悪性腫瘍の治療に際しては、呼吸、( )、音声機能に対する配慮が必要である。
答:1)真皮 2)延長効果 3)頬骨弓骨折 4)口蓋帆挙 5)嚥下
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