皮膚 平成19年度 概説
○
2007.6.4実施
○
問題用紙は持ち帰り可。
○
最初のほうはH18卒試と全く同じ問題が続いてました。
新出問題も結構ありましたが、基本的には過去問どおりでした。
○
不合格:0人
【1】以下を漢字で記せ。
1)りんせつ
2)きょくめん 3)しはん 4)しんじゅん
5)たいせんか
6)のうほう
答:1)鱗屑 2)局面 3)紫斑 4)浸潤 5)苔癬化
6)膿疱
次の設問に対し、解答を一つ選び記号a〜dを解答欄に記入せよ。
【2】誤りはどれか。
a)ランゲルハンス細胞は皮膚樹状細胞である。
b)ランゲルハンス細胞は骨髄由来である。
c)表皮の厚さは1mm程度である。 d)表皮には血管はない。
答:c
【3】誤りはどれか。
a)色素細胞はメラニンを産生する。 b)メラニンは皮膚のみに分布する。
c)色素細胞は神経堤由来である。 d)汗腺細胞は表皮細胞である。
答:b
【4】誤りはどれか。
a)蕁麻疹は膨疹を伴う。 b)蕁麻疹は痒みを伴う。
c)蕁麻疹は数時間で消退することが多い。
d)蕁麻疹の治療のファーストチョイスはステロイド内服である。
答:d
【5】誤りはどれか。
a)スィート病は発熱を伴う。
b)スィート病は骨髄異形成症候群や白血病を伴うことが多い。
c)壊疽性膿皮症は高安病を伴うことが多い。
d)結節性紅斑は上肢に好発しやすい。
答:d
【6】誤りはどれか。
a)多形浸出性紅斑の重症型はStevens-Johnson症候群である。
b)多形浸出性紅斑はヘルペス感染症やマイコプラズマ感染症に伴いやすい。
c)結節性紅斑は上気道感染後に発症しやすい。
d)バザン硬結性紅斑はサルコイドーシスの時に出現しやすい。
答:d
【7】誤りはどれか。
a)サルコイドーシスでは両側肺門リンパ節腫脹を伴うことが多い。
b)サルコイドーシスでは血中angiotensin-converting enzymeが上昇しやすい。
c)サルコイドーシスではツベルクリン反応が陰転化しやすい。
d)環状肉芽腫はサルコイドーシスでおこりやすい。
答:d
【8】誤りはどれか。
a)皮膚筋炎 − 間質性肺炎 b)アトピー性皮膚炎 − 気管支喘息
c)太鼓ばち指 − 気管支拡張症、肺気腫 d)オスラー病 − 血管炎
答:d
【9】誤りはどれか。
a)腸性肢端皮膚炎 − 下痢、低蛋白血症 b)強皮症 − 嚥下障害、逆流性食道炎
c)アナフィラクトイド紫斑 − 仙痛発作、嘔吐、血便 d)ペラグラ − 過行動
答:d
【10】誤りはどれか。
a)クモ状血管腫 − 肝硬変 b)手掌紅斑 − 肝硬変
c)紙幣状皮膚 − 肝硬変 d)女性化乳房 − Paget病
答:d(Paget病→肝硬変)
【11】誤りはどれか。
a)天疱瘡ではデスモゾームに対する自己抗体が出現する。
b)天疱瘡では抗デスモグレイン抗体が陽性である。
c)天疱瘡は表皮内水疱を形成する。 d)天疱瘡は高齢者に多い。
答:d(高齢者→中高年)
【12】誤りはどれか。
a)類天疱瘡ではヘミデスモゾームに対する自己抗体が出現する。
b)類天疱瘡の治療の第1選択は免疫抑制剤である。
c)類天疱瘡は表皮下水疱を形成する。 d)類天疱瘡は高齢者に多い。
答:b
次の設問に対し、解答を一つ選び、記号a〜fを解答欄に記入せよ。
【13】次の感染症と原因微生物の組み合わせのうち間違っているのはどれか。
1)
黒癬 − Trichophyton
mentagrophytes
2)
スポロトリコーシス − Sporothrix
schenckii
3)
頭部白癬 − Microsporum
canis
4)
カンジダ性指間びらん症 − Cryptococcus neoformans
a)12 b)13
c)14 d)23 e)24
f)34
答:c
1)× Exophiala
werneckii 2)○ 3)○ 4)×
【14】次の感染症と治療の組み合わせのうち正しいのはどれか。
1)
爪白癬 − アンホテリシンB点滴 2)頭部白癬 − テルビナフィン内服
2)
スポロトリコーシス − ヨウ化カリウム内服 4)癜風 − ミノサイクリン内服
a)12 b)14
c)23 d)34 e)1〜4のすべて
答:c
1)× グリセオフルビン、イトラコナゾール、テルビナフィン
2)○ 3)○ 4)×
イトラコナゾール
【15】次の真菌とその背景の組み合わせのうち正しいのはどれか。
1)Trichophyton
tonsurans − 格闘技選手
2)Microsporum
canis − イヌ、ネコとの接触
3)Aspergillus属 − ギプス、点滴の固定器具
4)Candida albicans − 局所の湿潤環境
a)12 b)14
c)23 d)34 e)1〜4のすべて
答:e
【16】次の記述のうち正しいのはどれか。
1)
スポロトリコーシスは小児の顔面や高齢者の上肢に多い。
2)
マラセチア毛包炎は被髪頭部や顔面に好発する。
3)
疥癬は高齢者などimmuno-compromised hostに特有の疾患で健常者にはみられない。
4)
慢性皮膚粘膜カンジダ症では基本的に肺や肝臓などの実質臓器が冒されることはない。
a)12 b)14
c)23 d)34 e)1〜4のすべて
答:b
1)
○ 2)× 青少年の前胸、上背、上腕部 3)× 4)○
【17】次の腫瘍のうち非上皮性悪性腫瘍の組み合わせはどれか。
1)Paget病
2)悪性黒色腫 3)グロームス腫瘍
4)隆起性皮膚線維肉腫 5)Bowen病
a)13 b)24
c)34 d)45 e)25
答:b
1)× 上皮性 2)○ 3)× 良性 4)○ 5)× 上皮性
【18】次の腫瘍と組織学的特徴の組み合わせのうち誤りはどれか。
a)エクリンらせん腫 − two cell pattern
b)石灰化上皮腫 − clear cell
c)脂漏性角化症 − pseudo-horn cyst
d)皮膚線維腫 − storiform pattern
e)基底細胞癌 −
nuclear palisading
答:b
b)× basophilic cell, shadow cell d)○
花むしろ状
【19】悪性黒色腫について誤りはどれか。
1)近年世界的に増加傾向にある。
2)多くは色素性母斑を母地として生じる。
3)悪性黒子型は他型より予後が悪い。
4)治療の第一選択は外科的切除である。
5)1のみ b)134 c)23 d)24 e)1〜4の全て
答:c
c)× 結節型が最も予後不良
【20】ケロイドの好発部位はどこか。
1)指先 2)前胸部 3)耳垂 4)肩 5)眼瞼
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345
答:d
【21】熱傷面積の測定に関して正しいのはどれか。
1)5の法則は小児の熱傷面積測定に利用価値が高い。
2)正確な面積を算出するにはLund-Browder表を用いるのがよい。
3)手掌法による計測は、患者の一側の手掌面面積を約5%とする。
4)輸液の指標となる熱傷面積はV度熱傷面積である。
5)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:b
【22】分層植皮の特徴として正しいのはどれか。
1)荷重部の再建に適する。 2)全層植皮と比べると生着しやすい。
3)大きな植皮片を採取することが出来る。
4)採皮部は縫縮することで治癒する。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:c
【23】皮弁について正しいものはどれか。
1)
皮弁の生着は皮片自身の血流に依存する。
2)
乱軸型皮弁(random pattern flap)であれば任意の部位に任意の長さの皮弁を作成可能である。
3)
荷重部の再建には植皮よりも皮弁の方が適応となる。
4)
眼瞼の全層欠損の再建には皮弁手術が適応となる。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:a
【24】化学損傷について正しいのはどれか。
1)
治療の第一は早期の大量の水による洗浄である。
2)
アルカリによる損傷は深達性であることが多い。
3)
フェノールはポリエチレングリコールで拭き取る。
4)
苛性ソーダによる創面では石鹸様のなめらかな壊死がみられる。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:b
3)× 洗浄 4)× ゼラチン様のなめらかな痂皮
【25】色素性乾皮症について正しいものはどれか。
1)日本人ではB群が最も多い。 2)常染色体優性遺伝である。
3)C,E,F群には末梢神経伝達速度遅延が認められることがある。
4)UV照射によって生じるピリミジンダイマーを除去し、修復する酵素の欠損による。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:d
1)× A群 2)× 劣性 3)× C,E,F群以外 4)○
【26】褥瘡について正しいものはどれか。
1)大転子部は好発部位である。 2)感染は増悪因子の一つである。
3)
デブリードマン、洗浄が重要である。
4)
適切な体位変換がその予防・治療に重要である。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:e
【27】魚鱗癬について正しいものを選べ。
1)コロジオン児(collodion baby)は出生時に膜様の角化物質に覆われている病態を示し、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と葉状魚鱗癬に特異的である。
2)道化師様魚鱗癬は生下時より発症するが、生命予後は良いことが多い。
3)伴性遺伝性魚鱗癬ではしばしば掌蹠角化が認められる。
4)日常診察において診る機会が多いのは尋常性魚鱗癬である。
5)水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の原因はkeratin1あるいはkeratin10の遺伝子変異と同定されている。
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:e
【28】疾患と病理組織像の組み合わせで誤っているものを選べ。
1)扁平苔癬 ― コロイド小体 2)尋常性魚鱗癬 ― 顆粒層の菲薄化または消失
3)Thost-Unna型掌蹠角化症
− 液状変性
4)道化師様魚鱗癬 ― 顆粒変性 5)尋常性乾癬 ― 角層内好中球性微小膿瘍
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:c
【29】炎症性角化症について誤っているものを選べ。
1)
Auspitz現象は健常な皮膚に刺激を加えると同一病変を生じる現象である。
2)
Kobner現象は乾癬でも扁平苔癬でもみられる現象である。
3)
乾癬の外用療法としてビタミンB外用薬による治療が増加してきている。
4)
口腔内の扁平苔癬ではしばしばC型肝炎の合併がみられる。
5)
尋常性乾癬は乾癬全体の約90%を占める。
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:b
【30】次の細菌感染症に関連する記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。
ア)せつ、よう、蜂窩織炎は主に黄色ブドウ球菌を起炎菌とする。
イ)黄色ブドウ球菌の産生する表皮剥脱毒素は、猩紅熱の病態に関与する。
ウ)溶血性連鎖球菌の伝染性膿痂疹は水疱やびらんを形成しやすい。
エ)
トキシックショック症候群の治療に免疫グロブリン製剤の投与が有用である。
オ)
トキシックショック様症候群の治療にクリンダマイシンを併用すると有用である。
a)アイウ b)アイオ c)アエオ d)イウエ e)いずれでもない。
答:c
イ)× 連鎖球菌 ウ)× ブドウ球菌
【31】30歳男性、インド出身の渡航者が、右頚部に索状の結節を主訴に皮膚科受診。理学的所見として、結節は大耳神経の走行に一致して硬く浸潤を触れ、周囲皮膚の知覚麻痺を認めた。この症例に対し、正しい対処法を選び、正しいものの組み合わせを選べ。
ア)
血清学的診断が有用であり、診断確定の根拠になる。
イ)
保健所への届出が必要である。
ウ)
局所からの多量の排菌が予想される。
エ)
治療には、リファンピシン、レクチゾール(DDS)の2剤併用療法を用いる。
オ)
病理組織学的には巨細胞を混じる類上皮細胞性肉芽腫である。
a)アイウ b)アイオ c)アエオ d)イウエ e)いずれでもない。
答:e
ア)× 役に立たない イ)× ウ)× 無菌性 エ)× 1剤 オ)○
【32】以下のうち、正しいものの組み合わせを、1〜5のうちから一つを選べ。
ア)
カポジ水痘様発疹症 − ヒト単純ヘルペスウイルス2型
イ)
コックサッキーウイルス − 手足口病
ウ)
種痘様水疱症 − EBウイルス
エ)
尖圭コンジローム − HPV-6/11
オ)
伝染性軟属腫 − HPV-16
a)アイウ b)アイオ c)アエオ d)イウエ e)いずれでもない。
答:d
ア)× 1型 オ)× 伝染性軟属腫ウイルス
【33】以下のうち皮膚リンパ腫関連疾患は
1)Cowden症候群 2)Paget様細網症 3)Cronkheit Canada症候群
4)色素失調症 5)菌状息肉症
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:d
【34】菌状息肉症について正しい組み合わせを
1)
浸潤・増殖する細胞はCLA陽性B細胞
2)
紅斑期:紅斑から始まり、数ヶ月から数年つづく。
3)
腫瘍期にはCD30陽性細胞が出現することがある。
4)
表皮内にKogojの微小膿瘍を形成する。
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:c
【35】消化管悪性腫瘍を伴うことの多い皮膚疾患はどれか。
1)黒色表皮腫 2)Muir-Torre症候群 3)Sweet病 4)Leser Trelat症候群
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:e
1)
○ 胃癌 2)○ 大腸癌 3)? 白血病、MDS 4)○ 消化器癌
【36】正しいものを選べ。
1)
全身性アミロイドーシスでは表皮直下にのみアミロイド沈着を示す。
2)
甲状腺機能亢進症では全身性粘液水腫を呈する。
3)
汎発性環状肉芽腫では糖尿病が背景にあることが多い。
4)
スタージウェバー病では単純性血管腫を認める。
5)
ヘモクロマトーシスの色素沈着は表皮の鉄の沈着による。
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:c
1)× 2)× 低下症 3)○ 4)○ 5)× メラニンが原因
【37】正しいものを選べ。
1)
眼皮膚白皮症、1a型:チロシナーゼ陰性型では成長と共に色素が産生されてくる。
2)
ぶち症はc-kit遺伝子の異常がある。
3)
Hermansky Pudlak症候群では易感染性を示す。
4)
悪性腫瘍剤では体幹部に色素沈着を生じやすい。
5)
ミノサイクリンでは薬剤による色素沈着に注意が必要。
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:d
【38】誤っているものを選べ。
1)
神経線維腫症1型では虹彩に結節を生じる。
2)
結節性硬化症では知能低下、てんかん発作、顔面の血管線維腫を生じる。
3)
ポイツ・イェーガス症候群では体幹の色素沈着と腸管ポリポーシスを生じる。
4)
スタージ・ウェーバー症では三叉神経第3枝領域に単純性血管腫を生じる。
5)
神経皮膚黒色症では脳軟膜、中枢神経、皮膚に母斑細胞が増殖する。
a)12 b)13 c)34 d)25 e)45
答:c
【39】妊娠の後期に出現・増悪するのは
1)妊娠性疱疹 2)妊娠性痒疹 3)皮膚筋炎
4)PUPPP(pruritic urticarial pauples and plaques of
pregnancy)
a)134のみ b)12のみ c)23のみ d)4のみ e)1〜4の全て
答:a
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||