平成15年度 「受胎・成長・発達」 卒業試験

 

<産科>

1.通常の妊娠検診で行わない項目をひとつ選べ。

a.子宮底長の計測  b.体重測定  c.血圧の測定  d.検尿  e.血糖値の測定

[解答]e

[解説]一般の妊婦検診では体重測定、血圧測定、尿蛋白および尿糖検査、腹囲および子宮庭長の測定は必須検査事項である。

 

 

2.妊娠に伴う母体の生理的変化に関して正しいものをひとつ選べ。

a.妊娠中期に血圧が上昇することが多い。 b.妊娠中期に心胸郭比(CTR)が低下することが多い。

c.妊娠初期に拡張期雑音を聴取することが多い。

d.妊娠中期に血中酸素分圧が低下することが多い。

e.妊娠後期に血中二酸化炭素分圧が低下することが多い。

[解答]e

[解説]a.妊娠中期には血圧はわずかに低下する事が多い。  b.CTRは増加する事が多い。

c.収縮期雑音を聴取する事が多い。  e.過換気傾向となるので血中二酸化炭素分圧は低下する事が多い。

 

 

3.正しいものをひとつ選べ。

a.プロゲステロンは妊娠中を通じて主に妊娠黄体から分泌される。

b.ヒト絨毛性ゴナドトロピンは妊娠初期に急増し中期以降は低値となる。

c.ヒト胎盤性ラクトーゲンは妊娠の進行とともに低下する。

d.エストリオールは母体副腎で産生され胎児に移行する。

e.プロゲステロンの下垂体刺激で妊娠中のプロラクチンが増加する。

[解答]b

[解説]a.妊娠黄体がプロゲステロンの主要産生源として働くのは妊娠67週頃までで、以後は絨毛が主要産生源となる。

c.ヒト胎盤性ラクトゲンの母体血中濃度は妊娠週数が進むに従って増加する。

d.母体尿中エストリオールは胎児副腎で生合成されたデヒドロエピアンドロステロンサルフェイト(DHEA-S)がタイ時間像で16α-OH-DHEA-Sとなり、これが胎盤でエストリオールに転換され母体に移行した後、母体肝臓で抱合化され腎臓から尿中に排泄される。

e.プロゲステロンはプロラクチンの作用を抑制する。

 

 

4.20歳の大学生。初経は10歳。12歳頃より月経は整順であったという。平成159月1日から6日間の月経があった。10月1日から月経より少ない性器出血が2日間あった。1015日に少量の性器出血と下腹部痛を訴えて来院した。内診で子宮体部はやや増大し柔らかく、右付属器領域とダグラス窩に圧痛を認めた。尿中hCG1000単位陽性であった。正しいものをひとつ選べ。

a.最初に子宮外妊娠の診断を目的に腹腔鏡検査を行う。

b.ダグラス窩穿刺の前に経膣超音波断層法が有用である。

c.頚管妊娠を除外診断するために子宮鏡検査が必要である。

d.卵管流産の可能性もあるので卵管鏡が有用である。

e.卵巣妊娠の可能性もあるので骨盤MRI検査が必要である。

[解答]b

5.28歳の経産婦。最終月経は平成15612日から5日間。平成1588日に当科を受診し、妊娠81日と診断した。本日(平成151211日)、午前6時から1時間に6回の有痛性子宮収縮を自覚し、午前8時に来院した。来院時、子宮収縮は5分毎で、胎動は良好である。内診所見は,外子宮口開大度2cm、展退度60%、先進部は児頭小泉門で下降度sp-2、子宮口位置は中央、硬度中等度であった。胎児心拍数陣痛図では、胎児心拍数基線は140bpmreactive patternで、子宮収縮の頻度は8回/60分、持続時間は40秒であった。次の処置のうち正しいものをひとつ選べ。

.酸素投与 b.β2刺激剤の点滴静注 c.オキシトシンの点滴静注 d.帝王切開術 e.経過観察

[解答]b

[解説]本症例は切迫早産であり、治療を行う必要がある。β2刺激薬投与、頸管縫縮術など。

a.胎児心拍数基線はreactive patternで、胎児は低酸素状態になっていない。

b .β2刺激薬は子宮収縮抑制作用がある。  c .オキシトシンは子宮収縮誘発作用がある。

 

6.次の文を読み、1)と2)の問に答えよ。 23歳の初産婦。既往歴・家族歴に特記すべきことはない。妊娠8週より近医にて妊婦検診を受けていた。妊娠28週より浮腫と蛋白尿が出現し、塩分制限の指導を受けていた。妊娠32週5日、午前1時より頭痛および右上腹部痛が出現し軽快しないため、同日午前9時に当科を紹介され受診した。来院時所見は、身長156cm、体重62kg、呼吸数18/分、子宮底長24cm、腹囲82cm、血圧186120mmHg、蛋白尿(3+)、全身に浮腫を認めた。理学的所見では右季肋部の圧痛および深部腱反射の亢進を認めた。膣鏡診で羊水流出は認めなかった。内診所見は、外子宮口開大度1cm、展退度40%、先進部は児頭小泉門で下降度sp-2、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。胎児心拍数陣痛図では、胎児心拍数基線は140bpmreactive patternで、子宮収縮の頻度は4回/60分、持続時間は20秒であった。一般末梢血検査では、白血球数6300/μl、ヘモグロビン値13.6gdl、ヘマトクリット値40%、血小板数9.8×10/μl、血液生化学検査では、総蛋白5.9gdl、アルブミン3.3gdlBUN13mg/μlクレアチニン0.7mgdl、総ビリルビン値0.8mgdlAST125IU/lALT40IU/lLDH563IU/ldであった。

6−1)まず行うべき処置として正しいものをひとつ選べ。

a.アンギオテンシン変換酵素阻害剤の投与    b.フェノバルビタールの投与

c.利尿剤の投与  d.解熱鎮痛消炎剤の投与  e.硫酸マグネシウムの投与

6−2)この症例の合併症として最も疑う疾患をひとつ選べ。

a.血小板減少性紫斑病 b.急性肝炎 c.常位胎盤早期剥離 d.HELLP症候群 e.子癇

[解答]1)d 2)d

[解説]妊娠28週より浮腫と蛋白尿が出現しており、来院時に高血圧、全身浮腫、蛋白尿3+がある事からこの患者は重症型の妊娠中毒症である。1)妊娠中毒症に対しては血圧の改善(降圧薬)、抗凝固療法、血小板凝集抑制を病状に応じて適せん行う。子癇に対しては抗痙攣剤を使用する。本問では妊婦への投与禁忌薬剤を確認しておかねばならない。ACE blocker、フェノバルビタール、利尿剤は禁忌である。硫酸マグネシウムは鎮痙剤として使用するが、本症では痙攣発作は起こっておらず、使用するにはいたらない。解熱鎮痛消炎剤は血小板凝集抑制を目的として使用する。2)HELLP症候群は妊娠中毒症に溶血(Hemolysis)、肝酵素の上昇(Elevated Liver enzymes)、血小板減少(Low Platelet count)を示す症候群で、本症例で右上腹部痛、肝酵素の上昇(ASTLDH)、血小板減少がみられ、疑いやすい。参考:New産婦

 

7.25才、G1P0の妊婦。分娩予定日は平成15210日である。本日(1211日)、午前5時00分に腹痛と少量の性器出血を自覚し、午前8時に来院した。来院時、子宮収縮は持続性で、内診所見は外子宮口開大度3cm、展退度60%、先進部は児頭で位置sp-2、小泉門を2時の方向に触知し、胎胞および赤色持続性の出血を認める。胎児心拍数は90bpm。超音波断層法で胎盤の厚さは8cm。検査所見として考えにくいものをひとつ選べ。

a.赤枕値の亢進 b.血小板数の減少 c.APTTの延長 d.FDPの上昇 e.凝固時間の延長

 

8.糖尿病合併妊娠について正しいものをひとつ選べ。

a.日本では1型より2型糖尿病の合併妊娠が多い  b.妊娠中は経口糖尿病薬を使用する

c.インスリンの需要量は妊娠期間を通じて一定である

d.糖尿病合併妊娠において形態異常児の発症頻度は一般頻度とは差異はない。

e.1型(インスリン依存型)糖尿病では巨大児出生の頻度が高い

[解答]a,d

[解説]b.妊娠中は食事療法とインスリン療法を行う。 c.インスリンの使用量は随時変化する。

 

9.次の文を読み、1)と2)の問いに答えよ。

26歳、初産婦。既往歴・家族歴:特記事項なし

現病歴:平成1536日から7日間を最終月経として妊娠成立し、平成15年5月8日に当科を受診し、妊娠90日と診断した。以後、当科で妊婦検診を受けており、妊娠経過は順調で、胎児の発育も良好であった。本日(平成151211日)、午前6時頃より痛みを伴う10分毎の子宮収縮が出現し、午前8時に当科に入院となった。入院時、身長158cm、体重61kg、血圧12068mmHg、体温36.2℃、子宮底長32cmであった。膣鏡診で、羊水の流出はなく、血性粘液調の分泌物を認めた。内診所見は、子宮口開大2cm、展退度70%、児頭の位置-1、子宮口の位置 中、硬さ 軟であった。胎児心拍数陣痛図では心拍数基線140bpm一過性頻脈を認め、一過性徐脈は認めなかった。子宮収縮は4分毎に認めた。陣痛発来と診断し、胎児心拍数陣痛図をモニターしながら分娩経過を観察した。

9−1)入院時の内診所見におけるビショップスコア−は何点か

a.5点   b.6点   c.7点   d.8点   e.9

本日13時の内診所見は子宮口開大7cm、展退度81%、児頭の位置+1、子宮口の位置 中、硬さ 軟であった。また、先進部の小泉門を1時方向に触知した。陣痛周期は7分で、陣痛の持続時間は60秒であった。

9−2)この時の診断として正しいものをひとつ選べ。

a.正常分娩経過 b.回旋異常 c.原発性微弱陣痛 d.続発性開大停止e.頸管塾化不全

9-1)[解答]d

[解説]ビショップスコアーとは頸管成熟度を点数化したものである。

子宮口開大度2cm → 1点    展退度 → 2      児頭の位置-1 → 2

子宮口の位置 中央 → 1    子宮口の硬さ 軟 → 2

9-2)[解答]a

 

10.次の組み合わせで正しいものをひとつ選べ。

a.TORCH症候群 − asymmetrical IUGR  b.胎盤機能不全 − symmetrical IUGR

c.染色体異常 − asymmetrical IUGR  d.母体糖尿病 − symmetrical IUGR

e.妊娠中毒症 − symmetrical IUGR

[解答]d or

[解説]IUGRは、従来より体型上の特徴から2つの型に分類されて論じられてきた。すなわち、身長や頭部のサイズも小さく、全体としてバランスのとれたsymmetrical IUGRと頭部の大きさの割に体重の少ない痩せ型のasymmetrical IUGRである。染色体異常など胎児自身の内的因子が発症要因である場合、頭部も含め全体に身体の小さいsymmetrical typeとなることが多い。一方、妊娠中毒症や胎盤機能低下など外的環境因子による胎児栄養障害の場合、脂肪の蓄積の少ない痩せたasymmetrical typeになることが多い。

以上のことから、先天性感染症であるTORCH症候群と染色体異常はsymmetrical、胎盤機能不全、母体糖尿病、妊娠中毒症はasymmetricalとなる。そうなると答えがなくなってしまうが、重症の妊娠中毒症や重篤な母体合併症などでは、妊娠早期より胎児環境が悪化し胎児の発育遅延が生じ、栄養障害型であってもsymmetrical IUGRの体型を呈する。となると答えはdかeとなる。ちなみに、2000年の卒試の解答では母体糖尿病を重篤な母体合併症として選択していた。(NEW p208209)

 

11.子宮近の収縮について正しいものをひとつ選べ。

a.ヒト子宮筋は内側の輪状筋を外側の縦走筋に分類される。

b.妊娠10週では子宮筋のオキシトシン感受性は亢進する。

c.プロゲステロンは子宮筋の収縮を引き起こす。 d.マグネシウム製剤は子宮筋の収縮を抑制する。

e.プロスタグランディンは子宮筋の収縮に関与しない。

[解答]d

[解説]a.×子宮筋層は平滑筋層から成り、筋線維の走行形式により外縦層、中輪層、内縦層の三層に分けられる。(NEW p5

.×妊娠10週ではなく妊娠末期とくに第10月になると、子宮筋細胞のオキシトシンやプロスタグランディンへの感受性が増加する。(NEW p254)

.×プロゲステロンは分娩前に消退し、子宮筋の収縮を引き起こすものではない。

.○硫酸マグネシウムには子宮収縮抑制作用がある。これはMg2+ が神経末端でのアセチコリン放出を抑制する結果、筋の弛緩が得られるものと考えられている。(NEW p344)

.×プロスタグランディンとオキシトシンが子宮収縮を促進する。

 

12.図1は、妊娠32週の胎児上腹部の超音波横断像である。考えられる疾患をひとつ選べ。

 

a.食道閉鎖症  b.水腎症  c.臍帯ヘルニア

d.十ニ指腸閉鎖  e.髄膜瘤

[解答]d

[解説]図1の超音波断層像にてdouble bubble signが認められるので、十二指腸閉鎖である。

 

13.羊水過多の原因となりにくいものをひとつ選べ。

a.双胎間輸血症候群  b.食道閉鎖症  c.胎児水腫  d.胎盤損傷  e.潜在性二分脊椎

[解答]e

[解説]羊水過多は何らかの原因で羊水の産生が増加するか、喪失が減少することにより生じる。

a.受血側の循環血液量が増加すると、多尿となり羊水過多になる。(NEW p192)

b.羊水吸収障害のため羊水過多となる。(NEW p198)

c.原因は不明だが羊水過多となる。(NEW p198)

d.胎盤が損傷し、羊水循環に障害がおこると羊水過多となる。

e.二分脊椎は開放性の場合、脳脊髄液が漏出し羊水過多になるが、潜在性ではなりにくい。

 

14.頸管開大度曲線(Friedman)について正しいものをひとつ選べ。

a.緩徐期(latent phase)は主として展退度が進行する。

b.開大度7〜8cmで活動期(active phase)に入る。  c.活動期は麻酔で遷延する。

d.開大度10cmで児頭は固定する。

e.急昇期(maximum slope)には初産婦で2cm/時間以上開大する。

[解答]e

[解説]a.×初産婦は展退後に子宮口が開大し、経産婦では子宮口開大が展退に先行する。展退は緩徐期(latent phase)に進行するとは決まっていない。(Compass p320)

.×初産婦では子宮口開大2.5cmから活動期に入る。(NEW p255)

.×活動期(active phase)でなく緩徐期(latent phase)が外部からの機械的な刺激や薬剤投与の影響を受けやすい。(NEW p255)

.×固定の時期は初産婦では第10月初めに、経産婦では陣痛発来時に起こる。

.Friedman曲線から急速開大期は初産婦で2.5cm/h、経産婦で3cm/h、開大している。

 

15.2は、妊娠380日で陣痛発来し、入院となった初産婦のパルトグラムである。先進部は児頭で分娩経過中に破水は認められていない。正しい記述をひとつ選べ。

a.緩徐期(latent phase)から、既に分娩進行に異常が認められている。

b.児頭は固定しているので、児頭骨盤不均衡は否定してよい。

c.開大度の進行に比べて、展退度の進行が不良である。

d.活動期(active phase)での分娩停止と判断される。

e.遷延分娩の状態であり、帝王切開すべきである。

[解答]d

[解説]初産婦で展退、開大が進行しても、先進部がSp-2から下降しておらず、CPD(児頭骨盤不均衡)が疑われる。11時には展退と開大も進行が止まり、active phaseでの分娩停止と考えられる。CPDが疑われる場合は、超音波検査による児頭大横径計測とⅩ線骨盤計測を施行して、CPDと確定診断されたら、帝王切開を行う。それ以外は帝王切開の準備をして陣痛誘発法により経膣分娩を試みる(試験分娩)。(NEW p265-266)また、Sp+1+2の時にCPDは否定できる。(Compass p389)

 

16.13才、G2P0の妊婦。妊娠39週に3分毎の陣痛を訴えて来院した。内診で外子宮口は全開大。諸検査の結果、産科医は骨盤入口部における児頭骨盤不均衡と診断した。本患者に認められない所見をひとつ選べ。

a.Seitz法(+)  b.児頭位置Sp-3  c.対角結合線14cm  d.低在横低位  e.児頭大横径11cm

[解答]d

[解説]低在横低位とは児頭が第2回旋を行うことなく下降して骨盤底に達し、分娩進行が停止した場合をいい、扁平骨盤の場合におこる。この症例は骨盤入口部における児頭骨盤不均衡であるので、低在横低位にはならない。他の所見は児頭骨盤不均衡に矛盾しない。

 

17.胎児心拍数陣痛図上、non-reassuring FHR patternと診断される所見をひとつ選べ。

a.早発一過性徐脈       b.遅発一過性徐脈    c.基線細変動の減少

d.軽度変動一過性徐脈    e.心拍数基線100bpm

[解答]b

[解説]遅発一過性徐脈は子宮胎盤循環不全によって発生し、胎児仮死と診断される。遅発一過性徐脈に細変動消失を伴うときは重症であり、急速墜娩が必要となる。(NEW p282,p333)

 

18.28歳の1回経産婦。妊娠経過は順調であった。妊娠392日に自然陣痛発来し、入院となった。陣痛発来から約6時間後に3870gの男児を頭位経膣分娩した。分娩時の出血量は100mlであった。児娩出後30分経過しても胎盤の剥離徴候を認めなかったため、臍帯を軽く牽引したところ胎盤が膣外に娩出された。また、胎盤に引き続いてテニスボール大の暗赤色の固まりが膣口に突出し、患者は強い痛みを訴えた。診断として正しいものをひとつ選べ。

a.頸管裂傷     b.子宮破裂    c.弛緩出血    d.筋腫分娩    e.子宮内反症

[解答]e

[解説]胎盤を剥離させようと牽引したら暗赤色のかたまりが突出して激痛を訴えたというのは、子宮内反症の典型的例である。全身麻酔下の用手整復、無理な場合は開腹手術を行う。

 

19.次の文を読み、1)と2)の問いに答えよ。

34歳の2回経産婦。本日(妊娠345日)突然性器出血および下腹部痛が出現し、当科に緊急搬送された。来院時、患者は持続する強い下腹部痛を訴えており、顔面は蒼白、血圧8050mmHg、脈拍120/分、呼吸数18/分、子宮は板状硬であった。膣鏡診では、血性の羊水流出が認められた。超音波検査では胎盤は子宮底部に付着し著名な肥厚像を認めた。内診所見は、外子宮口かい大度2cm、展退度70%、先進部は児頭小泉門で下降度sp-1、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。胎児心拍数基線は120bpm、基線細変動は7bpmで、一過性頻脈は認めず、遅発一過性徐脈が認められた。

19−1)診断として正しいものをひとつ選べ。

a.常位胎盤早期剥離  b.前置胎盤  c.弛緩出血 d.子宮破裂 e.仰臥位低血圧症候群

19−2)この患者に対してまず行うべき処置として正しいものをひとつ選べ。

.帝王切開術 b.オキシトシンの点滴静注 c.人工破膜 d.吸引分娩 e.β2刺激剤の点滴静注

[解答]1):a 2):a

[解説]性器出血、顔面蒼白、血圧低下、子宮板状硬、腹痛、胎盤の肥厚像とあり、常位胎盤早期剥離であると考えられる。Bishop score6点である。常位胎盤早期剥離に対する基本方針は、「可及的速やかな逐娩(4~6時間以内)」である。この場合、早急な経膣分娩は不可能と判断し、帝王切開を行う。軽症例や経産婦で分娩良好な場合は子宮収縮剤+人工破膜を行うこともある。

 

20.30歳の初産婦。妊娠380日に自然陣痛発来し、入院となった。外子宮口改題度6cmの時点で、胎児心拍数陣痛図で胎児仮死の徴候が発現したため帝王切開分娩を行った。児は2560gの男児であった。娩出1分後の新生児は弱々しくてい啼泣し、筋緊張は不良で、カテーテルによる口腔内吸引で顔をしかめる。四肢にチアノーゼを認め、心拍数は80/分。この児にまず行うべき処置について正しいものをひとつ選べ。

a.気道内吸引   b.マスクによる人工換気   c.気管内挿管による酸素投与

d.アシドーシスの是正   e.心マッサージ

[解答]b

[解説]a×気道内吸引はしすぎると気管れん縮の危険性が増すため要注意である。

b○心拍100以下の場合はまずマスク換気を考える。

c×マスク換気において心拍100以下の場合は挿管によるコントロールが必要となる。

d×アシドーシスの補正よりも呼吸を安定させる必要がある。  e×心拍があるので不要である。

 

21.妊産褥婦の精神障害について、正しいものをひとつ選べ。

.マタ二ティー・ブルーズは妊娠後期に起こりやすい。

.産褥期うつ病は、産褥1ヶ月以内に発症することは多い。

.マタ二ティー・ブルーズの治療には、向精神薬を用いる。

.産褥期精神障害のなかで最も多いものは、うつ状態である。

.重症の産褥期精神障害を有する症例では、母児隔離による症状憎悪を避けるため、母児同室を奨励する。

[解答]d

[解説]a× 分娩後数日で発症する。産後女性の70%にみられ、一般的にあるため正常反応として「障害」とはみなさない見方が強い。数時間から数日続く。

b× 普通、産後8~10週たってから。  c× 自然寛解することが多い。

d○産後女性の10~15%に見られる。  e軽症例では母児同室を勧めるらしいが…

 

22.30才、GP1の褥婦。経膣分娩後に一旦退院したが、産褥15日目から39.0度の発熱が2日にわたって続くため来院した。考えにくい疾患をひとつ選べ。

a.乳腺炎  b.子宮内膜炎  c.子宮内膜ポリープ  d.気管支肺炎  e.尿路感染

[解答]c

[解説]産褥の子宮内膜ポリープは子宮内に遺残した胎盤から発生することがあるが、産褥15日というのはポリープが形成されるには早すぎるのでcは考えにくい。他の選択肢は感染症であり、この場合否定する根拠に欠ける。

 

小児科 復元  全24問。16のみ小問が2

2.細胞性免疫不全で易感染性を示す病原体はどれか?3つ選びなさい

a.マイコバクテリア  b.インフルエンザ菌  c.サルモネラ  d.MRSA  e.水痘・帯状疱疹ウイルス

[解答]a,c,e

[解説]ウイルス、結核菌、サルモネラなどの細胞内寄生体に対する感染防御には細胞性免疫が必要となる。マイコバクテリアには結核菌、非定型抗酸菌、らい菌などが属する。

 

 

4.熱性けいれんについて誤りを2

 a.日本では小児の0.8%に見られる  b.単純型熱性痙攣は好発年齢が6生月〜2歳で持続も比較的短い

 c.予防目的としてジアゼパムの座薬を使用   d.後にてんかんを発症することがある

 e.発症型は全体の約5割の症例で複雑部分発作である

[解答]a,e

[解説] a.×:小児人口の約3%にみられる。(STEP小児科p545

 b.○?:単純性熱性けいれんは発作初発時期が生後6ヶ月~4歳である。(STEP小児科p545

 c.○:熱性けいれんの非発作時の対応は、発症機序が解明されていないので確立された基準はないが、現在のところ1.抗けいれん薬を継続投与する。2.発熱時のみ抗けいれん薬を投与する。3.無治療とする。という考えになっている。抗けいれん薬としてはジアゼパム坐薬が第一選択。(STEP小児科p547

 d.○:熱性けいれんの数%は複雑型で、てんかんに移行しやすい。(STEP小児科p547)  e.

 

 

6.問14.次の文章のうち誤っているものを2つ選びなさい.

(1)   ミトコンドリアDNAは細胞質遺伝(母系遺伝)する

(2)   ミトコンドリア病では一般に、細胞ごと臓器ごとに正常のミトコンドリアDNAと異常のミトコンドリアDNAが同じ割合で混在する.

(3)   ミトコンドリアDNAに変異を持つミトコンドリア病では骨格筋に赤色ぼろ線維(ragged-red fibers)が存在する.

(4)   副腎白質ジストロフィーの多くは乳児期後半にけいれんで発症する.

(5) Zellweger症候群ではペルオキシソームが欠損している.

解答:(2),(4)【解説】(4)× 学童期発症の進行性脱髄性疾患

 

9.正しいものを3つ選べ

 a.臍帯動脈は1本、臍帯静脈は2本である。

 b.末梢性チアノーゼまたは大理石紋様・網状チアノーゼは、主に体温調節が目的の生理的反応である。

 c.モロー反射が8ヶ月で見られても異常ではない。

 d.呻吟呼吸は、呼気時に声帯を閉じ、肺胞の虚脱を防ぐ防御反応である。

 e.新生児期に50~60/分の早い呼吸後に10~15秒の無呼吸をきたしても、チアノーゼ・徐脈がなければ生理的反応である。

[解答]b,d,e

[解説]a.×:臍帯動脈2本、臍帯静脈1本である。

b.○:末梢性チアノーゼには生理的なものと病的なものとがある。生理的なチアノーゼの場合、体温調節のためである。

末梢性チアノーゼ

a)アクロサイアノーシス

①四肢・爪床および口周囲に認められる生理的なチアノーゼ。末梢の低体温により末梢血管の収縮が起こるため末梢血流の低下し生じる(新生児の体表面積が体重に比して大きいため)。

b)病的な末梢性チアノーゼ

 

循環血漿量の減少;分娩時の出血

毛細血管床への血液灌流の減少;敗血症、代謝性アシドーシス、末梢血管収縮剤の使用

c.×:8ヶ月まで続く場合は異常を疑う。モロー反射は原始反射の一種で、手技は、乳児を座位にし、頭を約30°後方へ落とすように、急に手を頭から数cm離す。すると上肢の伸展と外転、手指を開いてから(第1相)、上肢の屈曲と内転、手指を閉じる(第2相)。妊娠(胎生)28週から出現し、5~6カ月で消失する。中枢神経系の全般的抑制がある場合は出生時にこの反射が見られない。この反射の消失が遅延する場合は、感覚運動機能の不良を疑う。左右差がある時は、大脳の一側障害かエルブ麻痺などの末梢神経損傷を疑う。 

d.○:呻吟(しんぎん)呼吸は空気が声門を通過する時にうめき声として聴取するもので、息を吐き終わった時も残気を維持することにより肺の圧を保つことである(呼吸器管理の際、positive and expiratory pressure PEEPをかけることで呼吸を助けるのと同じ原理)。呼吸に異常がある場合には多呼吸(1分間61回以上)、陥没呼吸、呻吟呼吸、シーソー呼吸(腹部があがると胸部が下がる)、チアノーゼなどの呼吸窮迫症候が出やすい。

e.○:未熟児無呼吸発作について問う問題でしょうか。自律的呼吸運動は延髄の呼吸中枢と、その上位にある橋の呼吸調節中枢でのコントロールが考えられているが、未熟児ではこれらの機能が抑制され無呼吸になりやすい。これを未熟児無呼吸発作という。定義は20秒以上の呼吸の停止、あるいは20秒未満でもチアノーゼまたは徐脈を伴う呼吸停止であり、未熟児(多くは34週未満)で、無呼吸の定義を満たし、他の原因を除外し診断する。

 

周期性呼吸

無呼吸

定義

1)毎分呼吸数は正常

2)510秒の呼吸停止

3)心拍数/tcPO2の変動は軽度

1)20秒以上の呼吸停止

2)20秒未満でも徐脈またはチアノーゼを伴うもの

頻度

1)低出生体重児の4050%

2)成熟児にも見られる

1)周期性呼吸の約半分

2)成熟児の場合は他疾患の合併を考える

予後

1)一般に良好

2)無呼吸に移行することあり

1)放置により脳障害・死亡することがあり合併症も問題になる

治療

1)必要なし

1)予防および治療が必要

 

10.正しいものを3つ選べ。

 a.新生児の黄疸は直接型優位のものが多く治療の第一選択は光線療法であり、最終的な治療は交換輸血である。

 b.光線療法により遊離ビリルビンが抱合型に変換され胆汁中に速やかに排出される。

 c.急性ビリルビン脳症の初期症状としたシ眠、筋緊張低下吸てつ力低下がある

 d.低体重、低体温、感染症、低アルブミン血症は核黄疸のリスクファクターである。

[解答]b,c,d

[解説]a.×:新生児の黄疸で直接型ビリルビン優位のものは感染症、新生児肝炎と胆道疾患くらいである。一方、間接型ビリルビン優位の高ビリルビン血症で代表的なものは生理的黄疸、母乳黄疸、血液型不適合、核黄疸などである。新生児黄疸の大部分は生理的黄疸であり、間接型ビリルビン優位である。間接型ビリルビン優位の黄疸の治療法の第一選択は光線療法で、最終的な治療は交換輸血である。

.○:間接型優位の黄疸に対し、皮膚に光を当てると、そのエネルギーによって皮下の間接型ビリルビンが光異性体に変化して水溶性になり、腎臓や肝臓から排泄されやすくなる。

.○:核黄疸の症状は以下のように進行していく。

核黄疸の症状(Van Praagh

第一期

筋緊張の低下、嗜眠傾向、哺乳力の低下(吸啜反射の減弱)、モロー反射の減弱などの非特異的症状がみられる。これらの症状は発病後一両日中にみられる。高ビリルビン血症が同時に認められれば、核黄疸の初期症状を示唆する。この第一期症状の段階で交換輸血などの適切な処置が行われれば神経学的予後は良好である。

第二期

 

核黄疸に特有な後弓反張、四肢硬直、落陽現象、甲高い鳴き声、発熱などが起こる。発病後12日に起こり、重症例ではこの時期に死亡することもある。

第三期

痙性症状の消退期。発病後1014日以後にみられる。

第四期

 

比較的恒久的な錐体外路症状が徐々に発現。具体的にはアテトーゼ、難聴、上方凝視麻痺、歯芽形成異常などの症状がみられる。

.○:核黄疸は、まず赤血球の破壊により血中に間接ビリルビンが現れる。この際、通常はアルブミンと結合するのだが、血漿蛋白の少ない状態では間接ビリルビンが血液中に溶けきれず(遊離ビリルビン)、血液脳関門を通過して脳の大脳基底核、視床下核、海馬回などの組織に沈着し脳細胞のミトコンドリアにおける電子伝達系を破壊する、という機序をとる。未熟児の場合には成熟児に比べてアルブミンのビリルビン結合能が低いために、遊離ビリルビンが上昇しやすく、核黄疸の危険因子となる。血液脳関門の透過性は低酸素血症、高炭酸ガス血症、高浸透圧血症、発熱、敗血症、髄膜炎によって亢進し、黄疸の場合にはビリルビンの脳内侵入が容易になる。

 

11.次の内誤っているものを2つ選びなさい。

 a.胎便吸引症候群は未熟児よりも成熟児に多い。

 bTORCH症候群などの先天感染症では出世時のIgMが高値である。

 c.早発敗血症の起炎菌としては大腸菌、A群溶連菌が多い。

 d.重症敗血症の治療としては抗生剤、血漿交換、GCSF投与が有効である。

 E.新生児の感染症の症状は、無呼吸、定体温、notdoingwellなど非特異的なものが多い。

解答]a,d

[解説]b:胎児期に感染があれば、IgMが産生される(出生時IgM>30mg/dlは異常)

c:生後数日以内の発症の場合母体からの垂直感染が考えられ、大腸菌、B群溶連菌などが主役であり、それ以後は水平感染が考えられ、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などが多い。

e:新生児感染症の臨床像は一般状態(発熱・低体温、哺乳不良、not doing well)、消化器系(嘔吐、腹部膨満、下痢)、呼吸器系(無呼吸、多呼吸、陥没呼吸、チアノーゼ)、循環器系(蒼白、皮膚冷感、血圧低下)、神経系(易刺激性、大泉門膨隆、痙攣)、血液系(黄疸、出血斑)などである。

 

12. 次の内分泌疾患のうち新生児マス・スクリーニングの対象になっているのはどれか。

 1.先天性腎性尿崩症  2.成長ホルモン欠損症

3.先天性副腎皮質過形成 (21水酸化酵素欠損)  4.クレチン症    5.甲状腺機能亢進症

   a.1,2  b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

[解答]d

[解説]現在新生児マススクリーニング対象はフェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、クレチン症、先天性副腎皮質過形成、神経芽細胞腫。

 

13.成長障害の鑑別

 1.Turner症候群  2.副腎皮質過形成  3.甲状腺機能亢進  4.頭蓋咽頭腫  5.慢性甲状腺炎

     a.1 2 3    b.1 2 5    c.1 4 5    d.2 3 4    e.3 4 5

 

14.次の代謝異常症のうち、新生児マススクリーニングの対象となる疾患を選べ。

 1.メチルマロン酸血症 2.フェニルケトン尿症 3.ホモシスチン尿症 4.チロシン血症 5.ムコ多糖症

   a.1 2    b.1 5    c.2 3    d.3 4    e.4 5

[解答]c

 

166ヶ月の女児。在胎35週,胎児エコーで心臓腫瘍を指摘されたが、経過観察中に縮小した。在胎39週に仮死なく出生。出生時,体重3090g、身長502㎝、当為33.0㎝。5ヶ月頃から物音にびっくりしたように両上肢を挙上させる動作を57秒間隔で数回から10数回繰り返すようになり、あやしてもあまり笑わなくなってきたので来院した。(2) 可能性の高いものを2つ選べ。

 a 木の葉様白斑   b 顔の血管線維腫   c 脳波で遅棘徐波結合

 d CTで石灰化した上衣下結節   e 治療としてステロイドパルス

[解答]a,d(?)

[解説]診断は結節性硬化症である。けいれん発作(West症候群)、知能障害、皮脂腺腫(顔面の血管線維腫)3大症状である。皮脂腺腫は出生児には見られず、45歳頃から出現する。検査上はMRICTにて石灰化した上衣下結節が認められる。また本症では心臓の横紋筋腫、腎臓の血管近脂肪腫、肺の嚢腫、眼の網膜母斑など、全身臓器に種々の腫瘍が見られる。

 

17.6歳男児。家族歴、既往歴に特記すべきことはない。3日前より下痢、2日前より1日7~8回の水様下痢となり、腹痛、38℃台の発熱もみられるようになった。腹痛は排便前に最も強く、排便後に軽快した。昨日夕方より解熱したが、少しずつ便に血液が混じるようになり、本日朝より便汁の大部分を血液が占めるようになった。また、腹痛も増強した。身体所見では、皮膚異常なし。腹部全体に軽度の圧痛を認めるが、筋性防御は認めない。腸音亢進。検査所見は下記の通り。

CBC 白血球22130/μlN75%、Ly16.5%、Mo8%、Eo0.5%)、赤血球387/μlHb10.8gHt31%、血小板5.3/μl

生化 TP5.5 Alb3.4 BUN28 Cr1.5 AST169 ALT30 LDH2046 T.bil 1.7 CRP3.2

尿 比重1.025 ケトン体++ 潜血++ 蛋白++ Bil- ウロビリノーゲン+ 白血球-

本症の起炎菌として最も可能性があるのはどれか。

 aサルモネラ  b腸管出血性大腸菌  cカンピロバクター  d腸炎ビブリオ  e黄色ブドウ球菌

[解答]b

[解説]腸管出血性大腸菌は潜伏期間は48日、初期症状は下痢、腹痛などで大量の血便を呈する症例が多い。重症例では脱水、意識障害、けいれんを来たす。症状発症後7日前後にHUS(溶血性貧血、腎不全、血小板数減少を合併する)が発現することがある。

 

21.8歳女児。2ヶ月前から多飲・多尿が出現し、体重も3kg減少した。今朝から嘔吐が出現し、昏睡状態になったので救急車で来院した。口腔内は乾燥しており、クスマウル呼吸がみられた。病態について正しいものの組み合わせを選べ。

 1脱水症  2低血糖  3代謝性アシドーシス  4尿ケトン体強陽性  5呼吸性アシドーシス

   a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

[解答]c

[解説]典型的な臨床症状は、インスリン不足に伴うグルコース利用の低下、高血糖、これによる高浸透圧利尿による多尿、このための口渇感、多飲、体重減少、脱水、全身倦怠感などである。さらにこの状態が続くと、特に感染などが加わり、腹痛、嘔吐、著しい脱水、深くて長い呼吸(Kussmaul呼吸)を伴った意識障害、昏睡を来たす。

 

<小児外科>

1.正しい組み合わせを選べ

)新生児では体重の80%が水分である。 2)光線療法は直接型優位の高ビリルビン血症に有効である。

)新生児は成人に比して体液コンポーネントのうち細胞外液の比率が多い。

)低出生体重児は正産児に比して低血糖をきたしやすい。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]a

[解説]1)○成人は60%である。  2)×間接型優位の場合に有効である。

3)○細胞内液の占める比率は65%である。成人は60%。

4)○低出生体重児や子宮内発育遅延児では低血糖をきたしやすい。

 

2.出生前に診断されやすい小児外科疾患の組み合わせを選べ。

1) 食道閉鎖症  2) 十ニ指腸閉鎖症  3) 肥厚性幽門狭窄症  4) Hirschsprung

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]b

[解説]1)○羊水過多で診断される。    2)○羊水過多で診断される。

3)×     4)×生後1週過ぎまでに発見される。

 

3.先天性横隔膜ヘルニアの出生前診断について正しい組み合わせを選べ。

1) 出生後診断例に比べて軽症のものが多い。

2) 肺の大きさを超音波で評価する方法としてLT比やLH比がある。

3) 羊水過多をきたす例は重症例が多い。

4) 胎児治療として子宮切開による横隔膜閉鎖がさかんに試みられている。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]b

1)×重症例は出生前診断されたものの他に生後24時間未満発症例などがある。

 

4.先天性横隔膜ヘルニアの術前術後管理に関して正しい組み合わせを選べ。

)できるだけ低体温にする。  2)気管内挿管よりもマスクによる用手換気が推奨される。

)全身の血圧は低めに維持するほうがいい。 4)人工肺(ECMO)の重大な合併症として脳出血がある。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]e

[解説]1)×低体温にすると、新生児遷延性肺高血圧症をおこして危険である。

2)×マスクによる換気は空気が胃に入り、チアノーゼ、呼吸苦が増悪する。

3)×肺高血圧発生の有無は体血圧ではなく、肺血管抵抗に依存する。よって、低めに維持してもあまり意味がない。       4)○

5.先天性食道閉鎖症について正しい組み合わせを選べ。

1) 胸腹部単純写真にてコイルアップがあり腸管のガス像がある場合、まず胃楼をつくる。

2) Gross A型はgapが小さいものが多い。  3)Waterston分類のAの救命率は約70%である。

4)術後合併症としてGERの頻度は高い。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]e

[解説]1)×胃ろうは長大なgapが存在するGrossA型の場合に適応となることが多い。

2)×gapは大きいものが多い。

3)×Waterston分類が発表された1960年当時でA群の救命率は95%、B群は67%、C群は6%である。      付)Waterston分類は以下の3群に分けられる

A群:出生体重2500g以上で肺炎や合併奇形なし

B群:出生体重1800~2500gで肺炎や合併奇形なし

      出生体重2500g以上で1度の肺炎や1度の合併奇形あり

C群:出生体重1800g未満もしくは2度の肺炎や合併奇形あり

肺炎   1度…片側肺の1葉に限局した異常

         2度…両側肺の異常、または片側肺全体の異常

合併奇形 1度…四肢の奇形、口蓋口唇裂、心房中隔欠損、小さな動脈管開存など

          2度…消化管閉鎖、大血管転移、重症腎奇形、複数の1度合併奇形

 

6.小児肝臓移植について正しい組み合わせを選べ。

1) 小児の生体肝移植ではグラフトはドナーの左葉を用いることが多い。

2) 拒絶反応の治療の第1選択はステロイドである。  3)適応疾患としては肝芽腫が最も多い。

4)PTLDはサイトメガロウイルスの感染によっておこる。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]b 平成146/9小児臟噐移植参照

[解説](1)○ 小児生体肝移植では外側区域(,)あるいは左葉(,,)をグラフトとして用いる。成人では右葉を用いることもある。

(2)○ 拒絶反応は術後2週目頃からが多い。生検にて確定。ステロイドパルスのほかタクロリムスの濃度をあげるなどがある。

(3)× 胆道閉鎖症が最も多い。適応疾患には劇症肝炎、胆道閉鎖症、先天性代謝異常、Budd-Chiari症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、B,C型ウイルス性肝硬変、アルコ-ル性肝硬変などがある。

(4)× PTLD(posttransplant lymphoproliferative disorder)EBVで起こる移植後感染症。

 

7.小児移植について正しい組み合わせを選べ。

1)小腸は他の臓器に比べて免疫反応が強い。 2)拒絶反応の診断には特異的な血清マーカーがある。

2)術式として世界全体では小腸単独移植と小腸+肝移植とほぼ同数である。

3)適応としては中心静脈栄養法の維持が困難になった場合があげられる。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]a 平成146/9小児臟噐移植参照

[解説](1)○ リンパ組織に富むため免疫反応が強く、移植が難しい理由の一つである。

(2)× 拒絶のモニターとして臨床症状(発熱、下痢)、定期的な内視鏡検査、生検(細胞浸潤、クリプトCellapoptosis増加)がある。血清マーカーは無い。    (3)

(4)○ 適応基準は不可逆性小腸不全、permanent TPNである。また適応患者選択基準として、TPN肝障害の進行、静脈ラインの欠如、頻回の静脈ルートの感染、前癌性腫瘍病変、年齢6ヶ月~60歳、がある。

 

8.先天性空腸・回腸閉鎖について正しい組み合わせを選べ。

1)発生原因として胎児腸管の腸重責や捻転などが考えられる。

2)頻度は索状型、膜様型、離断型の順に多い。  3)胎便に胆汁を混入していることはない。

4)注腸造影ではmicrocolonを呈する。合併奇形の頻度は低い。

                  a)1, 3, 4  b)1, 4, 5  c)2, 3, 4  d)3, 4, 5  e)1, 3, 5

[解答]b 授業プリントH14/6/24小児外科、STEP外科2p413参照

[解説](1)○ 腸重積や捻転による胎児腸管の血行障害により離断型、索状型となる。ほかには再疎通障害により、膜様型になると考えられる。

(2)× 離断型44.0%、膜様型25.5%、索状型9.5%の順である。

(3)○? 胎便は少量で排泄は遅延し、無胆汁の灰白色になる。はずだが

(4)○ 注腸造影により機能が停止した大腸が細々と描出され、microcolonと呼ばれる。

(5)○ 十二指腸閉鎖と異なり、合併奇形や染色体異常を認めることは多くない。

 

9.腸重責症について正しい組み合わせを選べ。

1)生後4〜6週前後の乳児に多い。  2)腹痛、嘔吐、血便が3主徴である。

3)超音波検査では腸管の重積部位がtarget signとして描出される。

4)注腸造影では蟹爪様サインが特徴である。

5)観血的整復では嵌入腸管を素早く引き出すことが重要である。

                  a)1, 3, 4  b)1, 4, 5  c)2, 3, 4  d)2, 4, 5  e)2, 3, 5

[解答]c 授業プリント小児外科十二指腸,小腸,回盲部参照

[解説](1)× 離乳期4ヶ月~2歳に好発する。

(2)○ その通り。間欠的腹痛、胃液,後に腸液の嘔吐、イチゴゼリー状粘血便が見られる。

(3)○ その通り。          (4)○ その通り。

(5)× Hutchinsonの手技により押し戻す。決して引っ張らない。

 

10.ヒルシュスプルング病について正しい組み合わせを選べ。

1)腸管壁内神経細胞のcranio-caudal-migrationの途絶が成因の1つとして考えられる。

2)全結腸型が最も多い。  3)ちょうえんを合併しやすい。

4)直腸肛門内圧検査で直腸肛門反射は陽性である。

5)直腸粘膜生検ではアセチルコリンエステラーゼ活性が増強している。

                  a)1, 3, 4  b)1, 4, 5  c)2, 3, 4  d)3, 4, 5  e)1, 3, 5

[解答]e 授業プリント小児外科 大腸・肛門2参照

[解説](1)○ 迷走神経に伴われて食道から直腸に遊走する腸管壁内神経のcranio-caudal-migrationの途絶が発生因。

(2)× 最も多いのは直腸S字状結腸型で53.8%である。以下、下部直腸型、長節型、全結腸型、広範囲型の順に続く。  (3)○ 随伴する症状として、1胎便排泄遅延、2腹部膨満、3胆汁性嘔吐、4便秘、排便障害、5下痢、腸炎症状、敗血症 がある。

(4)× 直腸肛門内圧検査で直腸肛門反射は欠如することが特徴である。  (5)○ 確定診断になる。

 

11.直腸肛門奇形(鎖肛)について正しい組み合わせを選べ。

1) 倒立位X選撮影でPC線とは恥骨中央と仙尾関節を結ぶ線である。

2) 中間位・高位型では新生児期に人工肛門を増設することが多い。

3) 男児の直腸尿道球部瘻は低位型である。

4) 術後排便機能に重要な筋肉は恥骨直腸筋と内肛門括約筋である。

5) 合併奇形は低位型より高位型に多い。

                  a)1, 2, 3  b)1, 3, 4  c)2, 3, 4  d)3, 4, 5  e)1, 2, 5

[解答]e 授業プリント 大腸・肛門1、STEP外科2p427参照

[解説](1)(2)○ 瘻孔があっても十分な排便ができないので、新生児期にまず人工肛門を造設し、生後3ヶ月または体重が6kg以上になった頃に、根治術(腹会陰式肛門形成術、Pena法など)を行う。低位型では新生児期に人工肛門を造設する必要はない。

(3)× 高位型、中間位型である。低位型は肛門皮膚瘻が普通である。

(4)× 根治術は生涯に及ぶ良好な排便機能を獲得することが最終目標。内肛門括約筋はほとんど痕跡的であり、術後、恥骨直腸筋および外肛門括約筋の機能をフルに活用する必要がある。(5)

 

12.正しい組み合わせを選べ

1)メッケル憩室は空調に好発する。  2)メッケル憩室の約半数に胃粘膜の迷入が見られる。

3)Peutz-Jeghers症候群では炎症性ポリープが胃腸管に多発する。

4)Peutz-Jeghers症候群は遺伝性疾患で口唇、手足に色素沈着が見られる。

5)小児の虫垂炎は穿孔し易い。

                  a)1, 2, 3  b)1, 3, 4  c)2, 3, 4  d)3, 4, 5  e)1, 2, 5

[解答]? 授業プリント小児外科大腸・肛門2、十二指腸,小腸,回盲部、STEP外科2p146,p166

[解説](1)× 回盲弁から口側100cm以内の回腸に好発。

(2)× 異所性組織の迷入(胃粘膜、膵組織など)が約50%に見られる。胃粘膜の迷入は約20%に見られる。

(3)× 食道以外のあらゆる消化管に過誤腫性ポリポーシスが多発する。炎症性ポリープは潰瘍性大腸炎などで見られる。  (4)○ その通り。常染色体優性遺伝である。  (5)○ 症状が非典型的なことが多く、訴えも不明瞭なため診断が遅れることが多いことと、虫垂壁が比較的薄いことが原因である。

 

13.小児の泌尿器疾患について正しい組み合わせを選べ。

1)先天性水腎症の成因として腎盂尿管移行部狭窄が最も多い。

2)先天性水腎症の出生診断は稀である。  3)膀胱尿管逆流症は腎盂腎炎を再燃し易い。

4)膀胱尿管逆流症の手術法では粘膜下トンネルの作成が重要である。

5)停留精巣は思春期までに手術を行えば精巣機能の回復は充分である。

                  a)1, 2, 3  b)1, 3, 4  c)2, 3, 4  d)3, 4, 5  e)1, 2, 5

[解答]b 授業プリント小児外科,泌尿器,熱傷,外傷,異物、標準小児科学第4p509参照

[解説](1)3割を占める。(2)× 出生前診断症例の割合は約9割である。

(3)○ 圧負荷と感染により腎機能の荒廃をきたす。腎盂腎炎を来たしやすくなる。

(4)○ その通り。Politano-Leadbetter法、Cohen法などがある。

(5)× 12歳で自然降下する場合が多いが、この時期を過ぎて改善しない例は出来るだけ早期に陰嚢内精巣固定術を行う。放置すると、将来、不妊や悪性腫瘍の合併が多い。

 

14.小児固形悪性腫瘍の腫瘍マーカーの組み合わせで正しいものを選べ。

1)横紋筋肉腫 − βHCG  2)神経芽腫 − NSE

3)ウィルムス腫瘍 − 尿中VMA,HVA  4)卵黄嚢癌 − AFP

    a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)2, 4

[解答]e 授業プリント小児固型悪性腫瘍参照

[解説](1)× 特異的なマーカーなし。βHCGは絨毛癌でよく見られる。

(2)○ 尿中VMA,HVA、血清NSE,ferritin,LDHなど

(3)× 特異的なマーカーなし(4)

 

15.抗ガン剤の特異的な副作用の組み合わせで正しいものを選べ。

1)サイクロフォスファミド − 聴力障害  2)アドリアマイシン − 心筋障害

3)ビンクリスチン − 末梢神経炎  4)シスプラチン − 出血性膀胱炎

    a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)2, 4

[解答]e
[解説](1)× 骨髄抑制、易感染性、脱毛、無精子症、無月経(2)○ 骨髄抑制、脱毛、心臓毒性(3)× 白血球減少、消化器症状(4)○ 腎毒性、悪心、嘔吐

 

16.神経芽腫の分子生物学的予後不良因子の組み合わせを選べ。

1)MYCN遺伝子増幅  2)aneuploid  3)TrkAの高発現  4)1番染色体短腕の欠失

      a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)2, 4

[解答]c

[解説](1)○(2)× 染色体の数がdiploid(46本くらい)とtetraploid(92本くらい)の間くらいのこと。成人の癌では予後不良因子であるが、神経芽腫では予後良好となる。(3)× この遺伝子に対応する蛋白質が作られていると予後良好。(4)○

 

 

17.3歳女児の骨転移を伴う副腎神経芽腫の初期治療方針について最も適切なものを選べ。

1) 原発腫瘍の生検後に腫瘍の特性に基づいた抗癌剤および放射線療法を行う。

2) まず、浸潤している臓器を含め、原発層の拡大手術を行う。

3) 5年生存率が5%未満のため積極的な治療は行わない。

    a)1    b)2    c)3

[解答]a

[解説]3歳で骨転移があるため予後不良と考えられる。したがって強力な化学療法を行うのが適当と考えられる。

 

 

18.小児の栄養・代謝・輸液に関して正しい組み合わせを選べ。

1) 新生児の栄養・代謝の特徴には、基礎代謝が大きく、腎の濃縮能が低いことがあげられる。

2) 新生児における静脈栄養の代謝合併症として高頻度に腎障害があげられる。

3) 亜鉛欠乏を生じた場合、皮膚病変や脱毛などの所見を認める。

4) 成分栄養剤投与に伴う合併症として、高浸透圧性下痢や腹部膨満がある。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]a

[解説](1)○ 濃縮能は成人の半分。

(2)× カテーテル敗血症、静脈血栓症、必須脂肪酸欠乏症、微量元素欠乏症、肝障害、胆石症、骨障害。(3)○ 皮膚病変、脱毛、慢性下痢、脂肪便など。(4)○

 

 

19.栄養評価について正しい組み合わせを選べ。

1) 上腕三頭筋肥厚は貯蔵されている脂肪の指標となる。

2) 尿中の3-メチルヒスチジンは筋タンパク崩壊の指標である。

3) 短期間の栄養状態の変化を評価するには、血中アルブミン測定が有用である。

4) 肝障害のある患者では、水溶性ビタミン評価が必要である。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]b

[解説](1)○     (2)○(3)× Albの半減期は20日と長いため急性の変化には反応しにくい。短期間の蛋白代謝の指標にはRTP(rapid  turnover protein)turnover protein)PA,TF,RBPを用いる。 (4)×?

 

20.小児の肺疾患に関して正しい組み合わせを選べ。

1)小児の膿胸の原因菌として真菌が多い。  2)肺内型肺分画症では還流静脈は肺静脈である。

3)胎児水腫を合併したCCAMは予後が悪い。

4)CCAMの予後に関する分類としてStocker分類が用いられる。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]?

[解説](1)× ブドウ球菌、インフルエンザ菌、A群溶連菌、グラム陰性菌、嫌気性菌が起炎菌となる。(2)× 肺葉内肺分画症は胸部下行大動脈の支配をうける。

(3)○ その他は予後良好。     (4)× Stocker分類は病理学的分類。

 

21.気管軟化症に関して正しい組み合わせを選べ。

1) 気管軟化症の原因は、内因性のものとして気管軟骨の形成不全があげられる。

2) 症状として、吸気時に気道閉塞症状が増強する。

3) 診断には気道の高圧撮影や内視鏡検査が有用である。

4) 治療として重症例では大動脈弓の胸骨への固定が行われることがある。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]d

[解説](1)○ その他の原因としては大血管などの圧迫がある。

(2)○ 吸気時には胸腔内の陰圧が上昇して気管がつぶれる。

(3)○? 高圧撮影がよくわかりませんでした。通常気管支鏡で診断は確定する。

(4)○ 大動脈を前方に牽引し胸骨に固定することで、気管支前壁も前方へ引っ張られ内腔が拡大する。

 

22.小児の熱傷および腹部外傷に関して正しい組み合わせを選べ。

1) 熱傷後の合併症として、受傷後1週間で胃や十二指腸の潰瘍が生じることがある。

2) 小児の熱傷の原因として熱湯によるものが多い。

3) 腹部のハンドル外傷では膵損傷や十二指腸損傷が生じることがある。

4) 明らかな消化管の穿孔が認められる場合、緊急手術の適応である。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]d

[解説](1)○ Curling潰瘍のこと。(2)○(3)○(4)○

 

23.小児の消化管異物、気道異物に関して正しい組み合わせを選べ。

1) 食道に停滞する異物は、摘出するか胃内へ落下させる必要がある。

2) ボタン型アルカリ電池が胃内にある場合、排泄されるまで経過観察する。

3) 気道異物の原因としてピーナッツなどの豆類が多い。

4) 気道内異物では小児においてもHeimlich法が有効なことがある。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]a

[解説](1)○(2)× ボタン電池、先の鋭いものは潰瘍、穿孔を起こす危険性があるので摘出する。

 

24.新生児の腹壁異常に関して正しい組み合わせを選べ。

1) 巨大臍帯ヘルニアでは肝臓が脱出していることが多い。

2) 在胎12週以前に臍帯ヘルニアは診断できない。

3) Cantrell症候群では、臍下部型の臍帯ヘルニアを合併する。

4) Gross法とは人工布を腹直筋にかけ、サイロ様に釣り上げ臓器を徐々に完納し最後に腹壁閉鎖する方法である。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]b

[解説]1)○:臍帯ヘルニアのヘルニア内容は消化管の他、肝臓や脾臓を含むことがある。(STEP消化器外科・小児外科p438

2)○:近年ほとんどが超音波検査により胎児診断されるが、在胎12週以降である。

3)×:臍下部型ではなく臍上部型。胎児の腹壁は上下左右の4つの皺襞が中央に集まって臍輪を形成するが、この皺襞の形成が障害されるのが臍帯ヘルニアである。この時障害される皺襞の部位によって臍上部型、臍部型、臍下部型の3つに分類される。臍上型の臍帯ヘルニアに胸骨形成異常、横隔膜前部欠損、横隔膜部心嚢欠損、心奇形を合併した病態をCantrell症候群という。(STEP消化器外科・小児外科p438

4)×:問題文は多期的腹壁閉鎖術のAllen-Wrenn法の説明である。Gross法は二期腹壁閉鎖術である。臍帯ヘルニアの治療は、手術で脱出臓器を腹腔内に還納することだが、術式は手術の回数によって分類できる。

・一期的腹壁閉鎖術:脱出臓器の少ない症例に対し行われる。一度の手術でヘルニア嚢を切除し、脱出臓器を腹腔内に還納させて、腹壁を層々縫合する。患児の腹壁は発育が悪い(腹腔が小さい)ため、脱出臓器が大量の症例でこの術式を行うと横隔膜挙上による呼吸困難、下大静注や肝静脈圧迫による還流不全などをおこす。

・二期的腹壁閉鎖術:脱出臓器の多い症例に行われる。まず欠損部位周囲の皮膚、皮下組織を剥離して皮膚弁を作成、とりあえず皮膚弁で脱出臓器を覆い縫合する。腹腔の発育する6ヶ月から1年後に再手術を行い、脱出臓器を腹腔内に還納して腹壁を層々縫合する。皮膚弁形成の際、ヘルニア嚢を残す方法(Gross法)と残さない方法(Ladd法)がある。最近は多期的腹壁閉鎖術に取って代わられている。

・多期的腹壁閉鎖術:脱出臓器の多い症例に行われる。とりあえず人工布を用いて欠損部位を覆い、円筒状のまま縫合し、その後に少しずつ人工布を縫縮していく。縫縮による腹腔内圧の上昇によって腹壁発育を助長する。最終的に人工布を除去して腹壁を層々縫合する。Schuster法、Allen-Wrenn法、中條法がある。

 

25.小児の鼠径ヘルニア、精索水腫、陰嚢水腫について正しい組み合わせを選べ。

1) 小児の鼠径ヘルニアは直接型のヘルニアが多い。

2) 小児の鼠径ヘルニアは鼠径管後壁の脆弱化が原因である。

3) 片側鼠径ヘルニア術後に反対側のヘルニアが発生する頻度は約50%である。

4) 新生児の精索水腫や陰嚢水腫は自然治癒することがある。

    a)1, 3, 4  b)1, 2  c)2, 3  d)14のすべて  e)4のみ

[解答]e

[解説]1)×:直接型は内鼠径ヘルニアのことで、中高年に多い。小児に多いのは間接型(外鼠径ヘルニア)である。

・外鼠径ヘルニア:腹部内臓が外側鼠径窩から鼠径管を経て、浅鼠径輪に脱出するヘルニア。鼠径管という元々存在していたトンネルをはみ出すため(直接腹壁を貫通しないので)間接ヘルニアと呼ばれる。

・内鼠径ヘルニア:腹腔内臓が内側鼠径窩から直接腹壁を貫通して腹部内臓がはみ出す。直接ヘルニアとも呼ばれる。内側鼠径窩は横筋筋膜だけで裏打ちされたHasselbach三角の中でも特に薄く、筋肉萎縮や肥満などが原因で本症を引き起こす。よって中高年に起こりやすい。(STEP消化器外科・小児外科p217218

2)×:鼠径管後壁の脆弱化によって起こるのは中高年に多い内鼠径ヘルニア。成人に生じる外鼠径ヘルニアも深鼠径輪周囲の組織の脆弱化によって起こる。設問の小児の鼠径ヘルニア(外鼠径ヘルニア)は腹膜鞘状突起の開存が原因。精巣は胎生2ヶ月までは後腹壁に張り付いているが、胎生3ヶ月になると、精巣導帯に引っ張られて下降していく。他方、腹壁前壁では腹膜鞘状突起が発生し、陰嚢に向かって突出し鼠径管を形成する。精巣は鼠径管を通って陰嚢内へと下降していく。そして生下時には精巣固有鞘膜腔だけを残して腹膜鞘状突起は閉鎖する。これが閉鎖しないと、鼠径管から腹部内臓がはみ出して外鼠径ヘルニアが起こる。

3)×?:内鼠径ヘルニアでは、筋膜の脆弱化の原因となる筋肉萎縮や肥満が対称性に起こるため両側性に発生することが多いが、小児の外鼠径ヘルニアは胎生期の異常に起因する先天性疾患であるため、両側性に発生することは稀である。

4)○:精索水腫は固有鞘膜腔に漿液が貯留したもので、先天性と続発性のものがある。先天性のものは腹膜鞘状突起の閉鎖不全のため腹腔内の漿液が鞘状突起内へ流入して起こる。続発性のものは陰嚢内の炎症、腫瘍、外傷等による刺激から滲出液が分泌貯留することで起こる。小児期に発見されたものは自然消滅するものもあるがそれ以外は根治手術を行う。

 

 

26.以下のうち正しい記述を選べ。

1) 肥厚性幽門狭窄症の特徴的な症状として胆汁性嘔吐がある。

2) 先天性十二指腸閉鎖症診断に最も重要なレントゲン上の所見はdouble bubble signである。

3) 肥厚性幽門狭窄症に対する手術はHutchinson手術である。

4) 新生児胃破裂の腹部立位レントゲン写真における重要な所見はsaddle bag signである。

   a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)2,4

[解答]e

[解説]1)×:肥厚性幽門狭窄症は生後2~3週ころに発症し、生直後は無症状である。徐々に噴水状の嘔吐projectile vomitingが出現するが、本症は幽門が狭窄しているので吐物に胆汁は含まれない。(STEP消化器外科・小児外科p404

2)○:十二指腸閉鎖症では立位単純X線撮影で胃と十二指腸にそれぞれ充満したガス像(double bobble sign)を認め、下方に貯まった液体と鏡面像をなす。下部消化管ではガスは見られないが、閉鎖症ではなく狭窄症であれば少量のガスを認めることがある。

3)×:Hutchinson手術は腸重積に対して行う術式。腸重積は原則として非観血的整復(腸管内に留置したカテーテルから高圧浣腸)を行うが、全身状態が不良で一刻を争う場合や腹膜炎を合併している(穿孔が疑われる)場合、発症から1日以上経過している場合、非観血的整復法が効かない場合などは、開腹してHutchinson法(手で重積部を押し戻す)を行う。肥厚性幽門狭窄症に対する手術は幽門筋切開術pyloromyotomyRamstedt手術)である。

4)○:新生児胃破裂を疑った場合ただちに腹部単純X線撮影を行う。立位では横隔膜下面の大量の遊離ガスが肝臓を挟むように写るsaddle bag signsaddle bagは馬の鞍の両側に垂らした袋。ハーレーとかの後輪辺りにかかっているのをよく見ます)を呈する。仰臥位では腹壁下に集まった遊離ガスがフットボールのように見えるfootball signを呈する。

 

 

27.先天性胆管拡張症についての次の記述のうち正しいものを選べ。

1)三主徴は腹痛、黄疸、腹部腫瘤である。  2)三主徴は80%以上の症例に見られる。

3)90%は1才以下で発見される。  4)出生前診断される症例がある。

    a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)2,4

[解答]c

[解説]1)○その通りであるが、同時に3つ揃うことはあまりない。本症の多くは乳幼児期に発症するが、なかには無症状で経過し、成人になってから(30歳以前に)発症することもある。乳幼児期の場合は腹部腫瘤が主訴となる。拡張部に膵液が流入して胆道穿孔を来すと激しい腹痛と嘔吐を呈することもある。成人では腹痛や黄疸が中心症状となる。

2)×同時に3つ揃うことはあまりない。  3)×発症は小児から成人まで幅広い。

4)○幼児から学童期にかけて診断されることが多い疾患だが、最近では胎児超音波検査により出生前に診断されることもある。

 

28.胆道閉鎖症についての次の記述のうち正しいものを選べ。

1) 頭蓋内出血を発症する症例も認められ、これはビタミンD欠乏のために起こる。

2) 血清ビリルビン、特に直接型ビリルビンが上昇する。

3) 肝門部の閉塞がある症例に対し、肝門部と消化管をつなぐKasai手術が行われる。

4) 外科治療成績は、手術時日齢が100-120日に行ったものが最も良好である。

    a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)3, 4

[解答]d

[解説]1)×:ビタミン欠乏によって頭蓋内出血を来すのはビタミンKである。乳児期のビタミンK欠乏を起こす原因は、特発性(ビタミンK摂取不足)と続発性に分けられる。続発性には胆道閉鎖症、抗生剤の長期投与(腸内細菌叢の増殖により腸管内でビタミンKが消費される)、肝でのビタミンK作用拮抗(ワーファリンなど)が挙げられる。胆道閉鎖症などでは、胆汁が腸管内に排泄されず脂肪の吸収が阻害されるため、脂溶性ビタミンの吸収も滞る。ビタミンDも脂溶性ビタミンなので胆道閉鎖症で欠乏するが、ビタミンD欠乏でみられる症状は骨障害(いわゆる‘くる病’)、筋緊張低下(floppy infantなど)、蛙腹、肝脾腫、精神状態不穏などである。(STEP小児科p5051

2)○:胆汁うっ滞を起こすので、直接型ビリルビン優位となる。新生児期の黄疸で直接型ビリルビンが優位に上昇する疾患は感染症、胆道閉鎖症と新生児肝炎である。また、新生児黄疸で間接型ビリルビン優位の高ビリルビン血症で代表的なものは生理的黄疸、母乳黄疸、血液型不適合、核黄疸などである。(STEP消化器外科・小児外科p435STEP消化器・膠原病p169

3)○:本症は閉塞パターンによって、日本胆道閉鎖研究会が病型分類を行っている。まず、閉塞部位に関して、総胆管閉塞のⅠ型、肝管閉塞のⅡ型、肝門部閉塞のⅢ型の3つの基本型で、さらに下部胆管の閉塞パターンによってa, b, cの3型に、肝門部胆管の閉塞パターンによってα、β、γ、μ、ν、οの6型に分けられる。この分類とは別に、腸管との直接吻合が可能か否かで分ける分類もある。吻合不能型には3型全部とⅠ型、Ⅱ型の一部が含まれる。問題文にある「肝門部の閉塞がある症例」はⅢ型にあたり、吻合不能型ということになる。吻合不能型の胆道閉鎖症に対しては、肝門部腸吻合術hepatic porto-enterostomy(葛西法)を用いる。一方、吻合可能型の場合は肝管腸吻合術hepaticoenterostomyを行う。(STEP消化器外科・小児外科p432

4)×:本症では胆汁性肝硬変が日増しに進行するため、できるだけ早期に持続的な胆汁排泄経路を設けなければならない。経験的には2ヶ月以上経過すると肝不全に陥る確率が高くなる。

胆道閉鎖は生後60日以内に手術をする必要があるため、1ヶ月健診が早期発見に重要で、母子手帳にも生後1ヶ月で便の色調を尋ねる項目がある。(病態生理できった小児科学p157

 

 

29.膵島細胞症(nesidioblastosis)について誤っているものを選べ。

1)外科的手術適応となる低血糖症である。  2)本態はislet cell adenomaである。

3)学童期、思春期に多い。  4)外科的治療は80-90%の膵体尾部切除が行われることが多い。

    a)1, 2  b)1, 3  c)1, 4  d)2, 3  e)3. 4

[解答]c?資料があまりなかったので自信ないです。

1)○:平成1472日の小児外科講義「膵・脾・門脈」のプリントによると膵島細胞症は外科的手術適応になるそうです。

2)×:islet cell adenomaは腫瘤形成性の増殖だが、膵島細胞症はびまん性増殖であり、膵島以外の外分細胞間に分布する。

3)×:膵島細胞症で最も問題になる高インシュリン血症は生後2~3時間から72時間に発症。その他の症状は、新生児ではチアノーゼ、無呼吸、筋緊張低下、痙攣、昏睡など。乳児期以降は全身痙攣。年長者についての記述もプリントにはありましたが、重篤な症状は新生児期によくみられるということで×にしました。

4)?:膵島細胞腫では85%程度の膵亜全摘を行うようですが…。

 

<整形> 復元  2問

1 軟骨無形成症候群について誤っているものを選べ。

 1 躯幹短縮型の小人症である。  2 成長後に見つかることが多い。

 3 知能は正常であることが多い。  4 成長終了後は身長は約120cmである。

 5 成長ホルモンを投与することがある。

選択肢忘れましたが、2つ選ぶことになっていました

[解答]1,2

[解説]四肢短縮型小人症で生下時に判明することが多い。

 

 

2.骨形成不全症について誤っているものを選べ。(2003年度概説整形2問目)

(1) type collagenの遺伝子変異と言われている。 

(2)  骨折の頻度は 大腿>下腿>前腕である。   (3) 青色強膜が特徴的である。 

 (4) 知能は正常なことが多い。   (5)  成長終了後に骨折の頻度は増加する。

   a.(1)(2) b.(2)(3) c.(3)(4) d.(4)(5) e.(1)(5)

 

 

<病理> 復元  4問 (内容。過去問にあったものが多かった)

1.新生児肺疾患についての以下の記述で誤りは。

1)肺硝子膜症は、呼吸窮迫症候群の主な病理所見のひとつである。

2)呼吸窮迫症候群の主な原因は、肺サーファクタントの欠乏である。

3)肺サーファクタントの主成分は極性リン脂質、特に飽和レシチンである。

4)肺分離症は、気管支との交通は無いが肺循環系で灌流されている。

5)肺低形成症例の殆どに免疫異常が認められる。

a)1,2  b)2,3  c)3,4  d)4,5  e)1,5

【解答】d

【解説】3)YN.によると、主成分はDPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)30%で、他に、DPG、コレステロールなど。4)体循環から供給を受ける。5)そういう記述はなかったです。

 

 

2 新生児中枢神経疾患について

 

 

3.新生児感染症について以下の記述で正しいのは。

 (1) 新生児HSV-1感染は経胎盤性に、HSV-2は経腟性に発生しやすい。

 (2)  palvo-B19の胎児感染症は、胎児水腫の原因の一つである。 

  (3) 胎児トキソプラズマ感染症は、肝、副腎、肺、脳の壊死性炎症を起こしやすい。 

  (4) サイトメガロ感染は肺に好発し、特徴的な多核感染細胞として認められる。

  (5)  先天性風疹症候群は妊娠初期の風疹感染で招来される。

   a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(4) c.(1)(2)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

【解答】3)死産・奇形の原因。4)owl‘s eye 核内封入体を有する巨細胞。答えはc)

 

 

4         

a新生児仮死は一過性で、予後良好である。

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送