平成16年度 「受胎・成長・発達」 卒業試験
【産科】
1.誤っているものを一つ選べ。 A.尿による妊娠反応検査(hCG25~50IU/1陽性)は、妊娠4~5週で陽性となる。 B.超音波断層法により、胎児心拍は妊娠6~7週で確認できるようになる。 C.超音波断層法による胎児発育の評価には児頭大横径や大腿骨長計測が用いられる。 D.早産とは、妊娠が36週未満で終結する事を言う。E.過期妊娠とは、妊娠42週0日以降の妊娠を言う。 |
解答: D.× 36週未満 → 37週未満 正期産は37週0日~41週6日
2.妊娠に伴う母体の生理的変化に関して正しいものを一つ選べ。 A.ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は妊娠後期に高値となる。 B.ヒト胎盤性ラクトーゲン(hPL)は妊娠後期に高値となる。 C.プロゲステロンは妊娠中を通じて黄体から分泌される。 D.プロゲステロンはプロラクチン分泌を刺激する。 E.エストリオールは胎児肝機能評価の指標である。 |
解答: B.
解説: |
A. hCGは妊娠8~10週にピークとなる。 B. hPLは妊娠の経過に伴って単調増加。 C. 10~12週を境に、分泌の中心が黄体から胎盤へ移る。 D. プロゲステロン→エストロゲンなら○。 E. 母体尿中エストリオールは胎児肝・副腎機能評価のみならず、胎盤の機能評価にも用いる。 胎児副腎DHA-S-(胎児肝)→ 16-α-OH-DHA-S -(胎盤)→ エストリオール(E3) |
3. 妊娠に伴う母体の生理的変化に関して正しいものを一つ選べ。 A. 妊娠中期に血圧が上昇する事が多い。 B. 妊娠中期に心胸郭比(CTR)が低下する事が多い。 C. 妊娠初期に拡張期雑音を聴取することが多い。 D. 妊娠中期に血中酸素分圧が低下する事が多い。 E. 妊娠後期に血中二酸化炭素分圧が低下する事が多い。 |
解答: E
解説: |
A.血圧は正常もしくは軽度低下←エストロゲンに血管拡張作用があるため。 B.CTRは増加。 C.収縮期雑音が多い。 D.酸素分圧は低下しない。 E.呼吸数、肺胞換気量が増加するため。 |
4. 正しいものを一つ選べ。 A. 子宮外妊娠と子宮内妊娠は同時に成立しうる。 B. 子宮外妊娠の部位は卵管間質部が最も多い。 C. 卵管流産は卵管峡部妊娠に多い。 D. 卵管破裂は卵管膨大部妊娠に多い。 E. 子宮頚管妊娠は子宮外妊娠ではない。 |
解答: A
解説: |
A. 1/30000。 B. 卵管膨大部(71%)が最多。間質部は3%で、受精卵の滞在時間と相関。C. 膨大部。 D. 峡部。 E. 子宮外妊娠に含める。 |
5.28歳の経産婦。最終月経は平成16年6月18日から5日間。平成16年8月12日に当科を受診し、妊娠7週6日と診断した。平成16年11月4日(妊娠19週6日)に性器出血を訴えて来院した。来院時、膣鏡診で少量の不正性器出血と膣内への胎胞の突出を認めた。内診所見は、外子宮口の開大度3㎝、展退度60%、先進部は臀部で下降度-3、子宮口位置は中央、硬度軟であった。胎児心拍数陣痛図では、胎児心拍数基線140bpmで、子宮収縮の頻度は1回/60分、持続時間は20秒であった。子宮の圧痛は無く、一般末梢血検査では、白血球数8300/μl、ヘモグロビン値12.6g/dl、ヘマトクリット値35%、血小板数21.8×10^4/μl、血液生化学検査では、CRP0.2mg/dlであった。次の処置のうち正しいものを一つ選べ。 A. インドメタシンの投与 B. β2刺激剤の投与 C. 抗生物質の投与 D. 頚管縫縮術 E. 帝王切開術 |
解答: B
解説: |
切迫早産の所見であり、子宮収縮抑制剤としてβ2刺激剤(塩酸リトドリン)を投与する。 |
6. 次の組み合わせで正しいものを一つ選べ。 A. TORCH症候群-asymmetrical IUGR B. 胎盤機能不全-symmetrical IUGR C. 染色体異常-asymmetrical IUGR D. 母体糖尿病-symmetrical IUGR E. 妊娠中毒症-symmetrical IUGR |
解答: D
解説: |
児の側に問題があるときsymmetricalを、児をとりまく環境側に問題があるときはasymmetrical(頭が大きく体が小さい)を呈する。きわめて重篤な母体合併症では、早期より発育遅延が認められるためsymmetricalの体型を呈する。糖尿病合併妊娠であればsymmetricalもありうる。ただし糖尿病で多いのはむしろ巨大児である。 |
7.次の文を読み、(1)~(3)の問いに答えよ。 25歳の初産婦。既往歴・家族歴に特記すべきことはない。妊娠7週より近医にて妊婦検診を受けていた。妊娠28週より浮腫と蛋白尿が出現し、塩分制限の指導を受けていた。妊娠31週5日、午前二時より頭痛及び心窩部痛が出現し軽快しない為、同日午前八時に当科を紹介され受診した。来院時所見は、身長158cm、体重62kg(非妊時48kg)、呼吸数18/分、子宮底長24cm、腹囲82cm、血圧186/120mmHg、尿蛋白3+、全身に浮腫を認めた。理学所見では心窩部の圧痛及び深部腱反射の亢進を認めた。膣鏡診で羊水流出は認めなかった。内診所見は、外子宮口開大度1cm、展退度40%、先進部は児頭小泉門で下降度-2、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。胎児心拍数陣痛図では心拍数基線140bpm、reactive patternで、子宮収縮の頻度は4回/60分、持続時間は20秒であった。一般末梢血検査では、白血球数6300/μl、Hb値13.6g/dl、Ht値40%、血小板数14.8×10^4/μl、血液生化学検査では、総蛋白5.9g/dl、Alb3.3g/dl、BUN18mg/dl、Cr1.2mg/dl、T.Bil0.4mg/dl、AST25IU/l、ALT26IU/l、LDH352IU/lであった。 (1) まず行うべき処置として正しいものを一つ選べ。 A. アンギオテンシン変換酵素阻害剤の投与 B. フェノバルビタールの投与 C. 利尿剤の投与 D. β2刺激剤の投与 E. 硫酸マグネシウムの投与 上記処置を行ったところ血圧160/100mmHg前後を推移し、頭痛及び心窩部痛は消失した。 同日午後3時より少量の不正性器出血と持続性の腹痛が出現した。意識は清明、血圧166/112mmHg、脈拍数100/分、呼吸数16/分であった。理学所見では腹部は板状硬で、深部腱反射は軽度亢進であった。膣鏡診では少量の性器出血を認めた。内診所見は、外子宮口開大度1cm、展退度40%、先進部は児頭小泉門で下降度-2、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。胎児心拍数陣痛図では、基線細変動の消失及び反復する遅発一過性徐脈を認め、子宮収縮の頻度は2分毎であった。 (2) この症例の合併症として最も疑う疾患を一つ選べ。 A. 切迫早産 B. 前置胎盤 C. 常位胎盤早期剥離 D. HELLP症候群 E. 子癇 (3) この時点で行うべき処置を一つ選べ。 A. β2刺激剤の点滴静注 B. フェノバルビタールの投与 C. 硫酸マグネシウムの投与 D. 吸引分娩 E. 帝王切開分娩 |
解答: (1)E (2)C (3)E
解説: |
(1)高血圧、蛋白尿、浮腫→妊娠中毒症。(「妊娠高血圧症候群」と改名の動き。診断基準から浮腫が外れるらしい) 頭痛、心窩部痛、腱反射の亢進は子癇前症を示唆するため、子癇を予防する目的で硫酸マグネシウムを投与する。なおACEIは妊婦には禁忌。利尿剤も胎児血流を低下させ血管攣縮を増悪させるため禁忌。フェノバルビタールは子癇発作時に使用。β2刺激薬(塩酸リトドリン)は子癇は子癇でも子宮筋弛緩薬で切迫早産の治療に使われる。 (2)持続性の腹痛、腹部板状硬、性器出血、胎児ジストレス(仮死)から常位胎盤早期剥離が示唆される。切迫早産ならば腹痛は陣痛様(間歇的)。前置胎盤なら腹痛はない。HELLP症候群は溶血、肝酵素上昇、血小板低下がみられる。 (3)胎児ジストレスがあるため、可及的速やかに児を娩出しなければならない。 |
8. 25歳、G1P0の妊婦。分娩予定日は平成17年2月10日である。本日(12月1日)、午前6時に腹痛と少量の性器出血を自覚し午前9時に来院した。来院時、子宮収縮は持続性で、内診所見は外子宮口開大度1 cm、展退度80%、先進部は児頭で位置SP-2小泉門を二時方向に触知し、胎胞及び赤色持続性の出血を認める。胎児心拍数は90bpm、超音波断層法で胎盤の厚さは8cm。 検査所見として考えにくいものを一つ選べ。 A. 赤沈値の亢進 B. 血小板数の減少 C. APTTの延長 D. FDPの上昇 E. 凝固時間の延長 |
解答: A
解説: 明らかに胎盤の肥厚があり(正常1~2cm)、常位胎盤早期剥離の徴候である。常位胎盤早期剥離ではDICを合併しやすく、選択肢B,C,D,EはいずれもDICの所見である。
9. 糖尿病合併妊娠について正しいものをひとつ選べ。 A. 妊娠中は経口糖尿病薬を使用する。 B. インスリンの需要量は妊娠期間を通じて一定である。 C. 1型(インスリン依存型)糖尿病では巨大児出生の頻度が高い。 D. 形態異常児の発症頻度は一般頻度と差異はない。 E. 児に呼吸窮迫症候群の合併する頻度が高い。 |
解答: E
解説: 糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病、GDM)では胎児の肺成熟が遅れるためRDSを合併しやすい。A. GDMの治療はインスリンで行うのが鉄則。経口糖尿病薬は催奇性があるので禁忌。 B. 妊娠週数が進むに従って耐糖能が低下。 C. 2型糖尿病でも起こる。 D. 種々の奇形を合併する頻度は上昇する。
※ 厳密には、妊娠後に耐糖能の低下する妊娠糖尿病と、DM患者が妊娠する糖尿病合併妊娠とが区別されているが、妊娠中の管理は変わらない。
10.Rh不適合妊娠に関する記述で、正しいものを一つ選べ。 A. Rh(E)不適合妊娠は、Rh(D)不適合妊娠よりも症状・所見が軽い。 B. 父親がRh陰性であれば本症を生じる事は無い。 C. 子宮内で、既に児には核黄疸を生じる危険性がある。 D. 本症の診断には、羊水⊿OD650の測定が有用である。 E. 胎児血中には赤芽球が増加する。 |
解答: B
解説: 母親がRh陰性のときに問題となる。D. ΔOD450なら正しい。ビリルビンが含まれると450nm付近の吸光度が上がることから。
11.胎児水腫の原因となりにくいものを一つ選べ。
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解答: A
解説: A 横隔膜ヘルニアの程度が激しくて心臓を圧迫するほどなら話は別だが……
B 胎児貧血→心不全→水腫。
12.子宮筋の収縮について正しいものを一つ選べ。 A. ヒト子宮筋は内側の輪状筋と外側の縦走筋に分類される。 B. 子宮筋の収縮は自律神経により制御されており、子宮の一部のみが自発的に収縮する事はない。 C. 妊娠10週には子宮筋のオキシトシン感受性は亢進している。 D. プロゲステロンは子宮筋の収縮を引き起こす。 E. マグネシウム製剤は子宮筋の収縮を抑制する。 |
解答: E
解説: A 外縦中輪内縦の3層構造 C 妊娠週数とともに感受性↑。 D 収縮を抑制する。
13.内診所見で、頚管開大度2㎝、展退度50%、児頭位置-1、子宮口の位置 中央、硬さ 中等度 のとき、ビショップスコアは何点か。
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解答: D <参考>Bishopスコアのつけ方
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0 |
1 |
2 |
3 |
頚管開大度(cm) |
0 |
1~2 |
3~4 |
5~6 |
展退度(%) |
0~30 |
40~50 |
60~70 |
80~100 |
児頭位置(cm) |
-3 |
-2 |
-1~0 |
+1~ |
頚部硬度 |
硬 |
中 |
軟 |
|
子宮口位置 |
後方 |
中央 |
前方 |
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9点以上を成熟とする。8~10点は分娩誘導にて24時間以内に90%が分娩に至る。4点以下ではまず分娩に至ることはない。
14. 図1は、妊娠39週0日の午前8時に、10分ごとの規則的な有痛性子宮収縮を訴えて入院した初産婦のパルトグラムである。分娩経過に関する記述について、正しいものを一つ選べ。 A. 児頭下降が遅延しており、児頭骨盤不均衡を考えるべきである。 B. 分娩経過は順調であり、このまま経過を観察すべきである。 C. 子宮頚管開大が遅延しており、微弱陣痛などを考えるべきである。 D. 低在横定位を考えるべきである。 E. 前期破水を生じているので、抗生物質の投与などを考えるべきである。 |
15.続発性微弱陣痛の際に起こり易い疾患を一つ選べ。
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解答: E ?
解説: 続発性微弱陣痛は、分娩開始時に強かった陣痛が弱くなることで、児頭骨盤不均衡(CPD)、胎位・回旋異常、多胎、巨大児、羊水過多などが原因で母体や子宮筋が疲労するために起こる。このため遷延分娩(初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上を言う)となることはあるが、過期妊娠となることはない。回旋異常は続発性微弱陣痛の原因ではあるが、結果ではない。前期破水も続発性微弱陣痛の原因となる。前期は水の結果、先進部が肩甲部となるのが肩甲難産で、全例帝王切開となる。遷延分娩になった際に、分娩終了前に胎盤が先に剥がれてしまうことは、可能性としてはありうる。
16.31歳の初産婦。妊娠経過は順調で、胎児発育は当該妊娠週数相当、妊娠39週0日の触診、超音波断層法での推定体重は共に3000gであった。本日(妊娠39週3日)、自然陣痛発来し午前8時に入院した。入院時所見は身長160㎝、体重63㎏(非妊娠時53㎏)で、内診所見は、外子宮口開大度4㎝、展退度80%、先進部は児頭小泉門で下降度±0、子宮口位置は前方、硬度軟であった。午前11時に自然破水し、午後1時の内診所見は、外子宮口全開大、先進部は児頭小泉門で下降度+1、小泉門を9時方向に触れた。午後1時より怒責を開始、午後2時の内診所見は、外子宮口全開大、先進部は児頭小泉門で下降度+2、小泉門を9時方向に触れ、産瘤の形成が見られた。胎児心拍陣痛図では、胎児心拍数基線は130bpm、基線細変動は10-15bpmで、早発一過性徐脈が認められた。子宮収縮は3分周期、持続は40-50秒であった。 診断として正しいものを一つ選べ。
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解答: C
解説: |
午後2時の時点(外子宮口全開大、下降度+2)で小泉門を9時方向に触れることから、第2回旋が起こっていないと考えられる。 |
17.図2は、妊娠37週で胎児の健常性悪化(non-reassuring fetal status)と診断されて帝王切開分娩を行った症例の胎児心拍陣痛図である。所見の記述で正しいものを一つ選べ。 A. 基線細変動の消失が見られる。 B. 遅発一過性徐脈が見られる。 C. 早発一過性徐脈が見られる。 D. 変動一過性徐脈が見られる。 E. sinusoidal patternが見られる。 |
解答: 図がないのでわからないが、BかEあたりでは?
解説: |
C以外はすべて胎児ジストレス(いわゆる胎児仮死)を疑わせる所見。 |
18.30歳の一回経産婦。前回分娩は前置胎盤の診断で帝王切開分娩であった。今回は妊娠39週2日に自然陣痛発来し、入院となった。陣痛発来から約6時間後の内診所見は、外子宮口開大度10 cm、展退度100%、先進部は児頭小泉門で下降度+2であった。胎児心拍数陣痛図で胎児の健常性悪化(non-reassuring fetal status)の徴候が発現した為吸引分娩を行った。娩出直後から凝血を含む鮮紅色の出血が持続している。この症例で最も疑う疾患を一つ選べ。 A. 弛緩出血 B. 癒着胎盤 C. 子宮内反症 D. 子宮破裂 E. 胎盤遺残 |
解答: ?
解説: |
鮮紅色は動脈からの出血を意味し、頚管裂傷で見られることが多い。 A 弛緩出血は静脈からの出血であり、凝血塊を含む暗赤色の出血。子宮を圧すと出血量が増えるのが特徴。本問のようなケースで起こりやすい。 B 子宮の筋層深く食い込んで剥離困難な胎盤。無理に剥がすと大出血を起こす。 D 鉗子・吸引分娩は禁忌で、全例帝王切開となる。 |
19.次の文を読み、1)~2)の問いに答えよ。 28歳の一回経産婦。妊娠経過は順調であった。妊娠39週2日に自然陣痛発来し、入院となった。陣痛発来から約10時間後に2970gの男児を頭位経膣分娩した。分娩時の出血量は100mlであった。児娩出後30分経過しても胎盤の剥離徴候を認めなかったため、臍帯を軽く牽引したところ胎盤が膣外に娩出された。また胎盤に引き続いてテニスボール大の暗赤色の塊が膣口に突出し、患者は強い痛みを訴えた。 (1) 診断として正しいものを一つ選べ。 A. 頚管裂傷 B. 子宮破裂 C. 弛緩出血 D. 筋腫分娩 E. 子宮内反症 (2) この患者に対してまず行うべき処置として正しいものを一つ選べ。
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解答: (1) E (2) D
20.妊産褥婦の精神障害について、正しいものを一つ選べ。 A. マタニティブルーズは妊娠後期に起こり易い。 B. 産後うつ病は、産褥2週間以内に発症することが多い。 C. 重症の産褥期精神障害を有する症例では、母児隔離による症状増悪を避けるため母児同室を奨励する。 D. 産褥期精神障害の中で最も多いものは、うつ状態である。 E. マタニティブルーズの治療には、母児隔離が重要である。 |
解答: B
解説: |
産後うつ病の発症は産後4~10日が最も多い。 |
21.30歳の初産婦。妊娠38週0日に自然陣痛発来し、入院となった。外子宮口開大度6㎝の時点で、胎児心拍数陣痛図で胎児仮死の徴候が発現した為帝王切開分娩を行った。児は2560gの男児であった。娩出1分後の新生児は弱々しく啼泣、筋緊張は不良で、カテーテルによる口腔内吸引で顔をしかめる。四肢にチアノーゼを認め、心拍数は120/分であった。この児にまず行うべき処置について正しいものを一つ選べ。
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解答: B
解説: |
弱々しく啼泣(1点)、筋緊張不良(0~1点)、刺激で顔をしかめる(1点)、チアノーゼ(1点)、心拍数120 BPM(2点)より、Apgar Scoreは5~6点と計算される。 |
22.30歳、G1P1の褥婦。経膣分娩後に一旦退院したが、産褥15日目から39.0℃の発熱が2日にわたって続く為に来院した。考えにくい疾患を一つ選べ。 A. 乳腺炎 B. 産褥子宮内膜炎 C. 子宮内膜ポリープ D. 気管支肺炎 E. 尿路感染 |
解答: C
解説: |
子宮内膜ポリープは不妊・不育の原因となる。 Dは、免疫不全状態でもない若い人に起こる肺炎としてマイコプラズマ肺炎を考えることができ、矛盾しない。 |
【小児科】
問3. 免疫グロブリンについて正しいのはどれか。 (1) 母乳中のIgAは分泌型である。 (2)
IgAが最も補体活性作用が強い。 (3) ABO式血液型の自然抗体は主にIgGである。 (4) IgMは胎盤を通過する。 (5) 病原体に特異的なIgM抗体の存在は最近の感染を示唆する。 a. (1)(2) b. (1)(5) c. (2)(3) d. (3)(4) e. (4)(5) |
解答: b
解説: |
(1)○ (2)× 補体活性機能が強いのはIgG。 (3)? (4)×胎盤を通過できるのはIgG。 (5)○ IgMは感染に際して最初に作られる。 |
問4. 次の文章のうち、正しいものを2つ選べ。 a. 臍帯動脈は1本、臍帯静脈は2本である。 b. 低出生体重児が出生した際には、濡れたタオルで胎脂をよくふき取る。 c. 低出生体重児は、環境温が高いほど酸素消費量が少なくなる。 d. 呻吟呼吸は、呼気時に声帯を閉じ、肺胞の虚脱を防ごうとする防御反応である。 e. 新生児期に50~60回/分の早い呼吸の後、10~15秒の無呼吸をきたしてもチアノーゼや徐脈を伴わない呼吸は生理的でな呼吸である。 |
解答: d,e
解説: |
a.× 臍静脈は1本、臍帯動脈は2本。 b.× 胎脂には皮膚保護作用、殺菌作用がある。 c.× d.○ e.○ 二周期性呼吸 |
問5. 次のうち正しいものを2つ選べ a. 新生児黄疸は直接型優位なものが多くその治療の第一選択は光線療法である b. 光線療法により遊離型ビリルビンが抱合型ビリルビンに変換され胆汁中に速やかに排泄される c. 急性ビリルビン脳症の初期症状として嗜眠・筋緊張低下・吸啜減弱がある d. 低体重・低体温・感染症・低アルブミン血症は核黄疸の危険因子である e. 核黄疸の後遺症には痙性型脳性麻痺・難聴・知能障害がある |
解答: c,d
解説: |
a.× 間接型優位。 b.× 光エネルギー→立体異性体→構造異性体→水溶性→肝、腎で排泄 c.○ d.○ e.× 痙性型→アテトーゼ型(不随運動優位) |
問6.正しいものを二つ選びなさい。 a. TORCH症候群などの先天感染症では出生時のIgAが高値である。 b. 新生児のクラミジア感染症はChlamydia
psittaciによるものが多い。 c. 新生児早発敗血症の起炎菌としてはインフルエンザ菌、肺炎球菌が多い。 d. 重症敗血症の治療としては抗生剤、血漿交換、GCSF投与が有効である。 e. 新生児の感染症の症状は、無呼吸、低体温、not doing wellなど非特異的なものが多い。 |
解答: d,e
解説: |
a.× IgA→IgM b.× C.trachomatis c.× E.Coli、GBS(B群溶連菌)、Listeria
monocytogenes d.○ e.○ |
問7 川崎病について誤っているのはどれか (1) 女児よりも男児の発症頻度が高い (2) 日本における発症数は年々減少している (3) 化膿性頚部リンパ節腫脹は主要症状の一つである (4) 膜様落屑は急性期の所見として重要である (5) 急性期に好中球を主体とした白血球増多が認められる a (1)(2)(3) b (1)(2)(5) c (1)(4)(5) d (2)(3)(4) e (3)(4)(5) |
解答: d
解説: |
(1)○ 男児が1.3倍多い。 (2)× 近年増加傾向(年間5000~6000件→8000件)。(3)× 化膿性→非化膿性。 (4)× 膜様落屑は慢性期の所見。 (5)○病理所見 汎血管炎。←内膜・外膜からのMφ/リンパ球の浸潤。外膜からの細胞浸潤はvaso vasorumから起こる。 |
問8.次のうちから正しいものを選べ。 (1) HbFの酸素親和性はHbAに比べ低い。 (2) 未熟児早期貧血は鉄剤を投与しても改善しないことが多い。 (3) 離乳食の開始が遅れた場合、人工栄養児に比べ母乳栄養児の方が貧血傾向が強くなる。 (4) 健常な1歳児では好中球のほうがリンパ球より多い。 (5) ダウン症候群の患児では健常児に比べ白血病罹患率が有意に低い。 |
解答: (2)(3)(4)
解説: |
(1)× HbFの方が酸素親和性が高い。 (2)○ 早期(2~3ヶ月)の貧血は造血能低下および急速な体重増加が原因であり鉄剤では改善しない。 (3)○ 人工栄養(調整粉乳)の方が鉄分は豊富。 (4)○ 生後5日~5歳まではリンパ球優位。(5)× 優位に高い。AMLの特にM7。 |
問9.けいれん重積のときの第一選択薬はどれか。 a. ジアゼパムの静脈内投与
b. ビタミンB6の大量静脈内投与 c. フェノバルビタールの坐剤投与 d. フェニトインの静脈内投与 e. プレドニゾロンの静脈内投与 |
解答:a
解説: |
第一選択薬はジアゼパム→無効→フェニトイン、フェノバルビタール→無効→全身麻酔薬投与 |
問11.次のうち誤っているのはどれか。二つ選びなさい。 a. 単純性熱けいれんの好発年齢は6生月−2歳で、持続も比較的短い。 b. 脳性麻痺は脳に生じた非進行性病変による運動、姿勢の異常である。 c. 脳性麻痺の中ではアテトーゼ型が最も多い。 d. 副腎白質ジストロフィーは乳児期後半に痙攣で発症する。 e. ミトコンドリアDNAは細胞質遺伝(母系遺伝)する。 |
解答:c,d
解説: |
a.○ b.○ 非進行性がポイント。 c.× 未熟児のparaventricular leukomaracia(PVL)→痙直型 d.× 5~10歳に多い。 e.○ |
問12.低身長をきたすが骨年齢の遅れをみないものはどれか? (1) 成長ホルモン欠損症 (2) Turner症候群 (3) 体質性思春期遅発 (4) 原発性小人症 (5) 上記全て |
解答:(4)
解説:(1)GH欠乏により骨年齢が遅延。
(2)出生時、軽度のIUGR。二次性徴が遅れ、思春期の成長スパートもなく骨端線の閉鎖も遅れる。
(3)要するにslow starterであり、身長の伸びや思春期発来が遅れる。身長年齢に等しい骨年齢。
問13.クレチン症の臨床像として誤っているのはどれか a. 低体温 b. 下痢 c. 皮膚乾燥 d. 遷延性黄疸 e. 骨発育遅延 |
解答:b
解説: |
クレチン症の頻度は1/5000程度。病態は、甲状腺機能低下によって引き起こされる代謝の低下である。 b以外はすべて、代謝の低下で説明がつく。代謝の低下によって起こる消化管症状は便秘。下痢は逆に、甲状腺機能亢進症などの代謝の亢進が見られる疾患で起こる。 GHの産生促進にも甲状腺ホルモンが必要なために低身長や骨年齢遅延をきたす。 |
問17.5歳の男児。3ヶ月前頃から中耳炎、化膿性リンパ節炎、肺炎を繰り返した。起炎菌は黄色ブドウ球菌とグラム陰性腸球菌。今日も、頚部、鼡径リンパ節、腋窩リンパ節腫脹を来し入院。兄も同じ症状で3歳で膿胸で死亡。 赤血球450万/μl, Hb 13.5g/dl, 白血球12000/μl(杆状17%, 分葉49%, 単球1%, リンパ球33%)、顆粒球の形態異常なし。血沈52mm/1時間 CRP 2+、 血清蛋白8.6(Alb 48.5%, α-1グロブリン 3.7%, α-2 グロブリン 16.4, β-グロブリン 8.5%, γ-グロブリン22.2%)、血清免疫グロブリンはいずれも正常。補体価正常。正しいものの組み合わせを選べ。 1. アスペルギルス肺炎の合併が多い 2. レンサ球菌に対する殺菌能の低下 3. 接着分子の欠損 4. NBT還元能試験は診断に役立つ 5. ST合剤が感染予防に用いられる a) 123
b) 125 c) 145 d) 234 e) 345 |
解答: c
解説: |
慢性肉芽腫症(CGD)。好中球などが活性酸素を作れないため細胞内殺菌能が低下または欠如し、カタラーゼ陽性菌(黄ブ、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌、緑膿菌、セラチア、カンジダ、アスペルギルスなど)を殺菌できない。キーワードは、繰り返す化膿性リンパ節炎、肺炎、兄も罹患(X連鎖劣性型と常劣型とがある)。 2. 連鎖球菌はカタラーゼ陰性菌であり、殺菌できる。 3. 白血球粘着不全症(LAD)。CGDに似た臨床症状を示すが、白血球数は正常の5~10倍にも達する。 4. ○ 活性酸素産生能を調べる試験。 5. ○ |
問21 (問題文は2003卒試の問7と同じ。ALLの問題です。) 1) 小児の悪性腫瘍の中では、最も頻度が高い。 2) アウエル小体がみられる。 3) 染色体検査は行うべき。 4) 寛解導入後に同種幹細胞骨髄移植を行う。 5) 5年無病生存率は30%以下である。 ※忠実には再現できませんでした。同じ文章が出れば、問題自体ははこれで解けるかと思います。何個選ぶんだったっけ。選択肢問題ではなかった。 |
正しいもの: 1, 3, 4?
解説: |
1) 悪性リンパ腫を含めると50%、とある。 2) アウエル小体はAML。 3) 予後予測のために重要。 4) 寛解に至らずとも移植に踏み切るケースもある。 5) 50(ハイリスク群)~80%(標準リスク群)。 |
問24. 15歳の男児。2ヶ月前より多飲、多尿をみとめた。昏睡状態で自宅で倒れているところを発見され、救急車にて運ばれてきた。血糖540mg/dl, 尿ケトン陽性、クスマウル呼吸を認めた。 現在の状態を適切に説明するものの組み合わせはどれか。 1. ケトアシドーシス 2. 抗GAD抗体陽性 3. 血液ガス分析 pH 7.40 4. 空腹時血中インスリン50μU/L(正常3-15) 5. 随時血糖(静脈血漿) 660mg/dl a) 123 b) 125 c) 145 d) 234 e) 345 |
解答: b
解説: |
1型糖尿病。 |
問25 1生月の乳児。心雑音と哺乳不良主訴で来院。呼吸数60/分、脈拍155/分、整。上下肢差無し。血圧76/45mmHg,皮膚は湿潤で末梢冷感認め、チアノーゼ無し。聴診にて、II音の固定性の狭い分裂。肺動脈成分亢進。胸骨左縁第3肋間に2/6度の駆出性収縮期雑音と胸骨左縁第4肋間と心尖部に拡張期ランブルを認めた。呼吸音正常でラ音は認めず、高度の陥没呼吸を認めた。肝は表面平滑でやや硬く、右肋骨弓下に3cm触知した。(胸写にて左室肥大、心電図にて左軸偏位がありました。) この症例の診断はどれか。 a.総肺静脈還流異常症 b.心房中隔欠損症 c.大動脈縮窄症 d.完全型心内膜症欠損症 e.心室中隔欠損症 |
解答: d
解説: |
左→右短絡があると陥没呼吸が現れる。チアノーゼがないことからaが否定される。ASDは通常幼児期には無症状なのでbは否定的。上下肢の血圧差がないことからcが否定される。 |
問24.次の文章を読んで問いに答えなさい。 生後30日の乳児。心雑音、哺乳不良及び体重増加不良を主訴として来院した。呼吸数60/分。脈拍155/分、整、上下差なし。血圧76/45mmHg。皮膚は浸潤で末梢冷感を認め、チアノーゼはない。胸部の聴診で、Ⅱ音はわずかに固定性に分裂し肺動脈成分が亢進している。胸骨左縁第3肋間に2/6度の駆出性収縮期雑音を認める。胸骨左縁第4肋間及び心尖部に2/6度の拡張中期ランブルとを認める。呼吸音は正常で、ラ音は認めない。肝は表面平滑でやや硬く、右肋骨弓下に3cm触知する。胸部X線写真(A)と心電図(B)を別に示す。この症例の診断として考えられるものは次のどれか。 (1) 総肺静脈還流異常症 (2) 心房中隔欠損症 (3) 大動脈縮窄症 (4) 完全型心内膜症欠損症 (5) 心室中隔欠損症 |
解答:(4)
【解説】チアノーゼがなく上下肢で血圧差がないことから(1)、(3)は否定的。右肋骨弓下に肝を3センチ触知するのは正常である。Ⅱ音の肺動脈成分の亢進、胸骨左縁第3肋間の駆出性収縮期雑音、胸骨左縁第4肋間及び心尖部の拡張中期ランブルより、完全型心内膜症欠損症が最も疑われる。
胸写:心臓陰影の拡大が見られる。心電図:左軸変異、若干のPR延長が認められる。
【病理】
1.新生児肺疾患、肺生理について以下の記述で誤りはどれか。 (1) 胎児水腫の発生要因として高度貧血や心・大血管系奇形が重要である。 (2) 肺拡張不全と硝子膜形成はRDSの主な病理所見である。 (3) 肺サーファクタントの主成分は極性リン脂質、とくに飽和レシチンである。 (4) CCAMは肺胞の分岐異常により発生する。 (5) 羊水過多症は、胎児肺低形成を合併しやすい。 a. (1)(2)
b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5) |
解答: d
解説:(4)区域・細気管支への分化の停止が原因。 (5)羊水過多と肺低形成との関連はないと思われる。
2.新生児脳疾患についての以下の記述で正しいのは、 1.低酸素性脳症の発生は、児の成熟度にはあまり関係しない。 2.脳室周囲白質軟化は、動脈皮質枝と中心枝の境界領域の白質に発生しやすい。 3.脳出血の好発部位は、脳室上衣下胚芽層と側脳室周囲白質である。 4.核黄疸は終脳皮質神経細胞に発生しやすい。 5.脳出血の主な発生原因は高血圧である。 a. 1, 2 b. 2, 3 c. 3, 4 d. 4, 5 e. 1, 2, 3 |
解答: b
解説: |
1 未熟児に多い。 4 海馬、歯状核、視床、視床下部、淡蒼球、脳幹オリーブ核などに発生する。 5 分娩。 |
4.正しいものを選べ a.新生児仮死は一過性で予後良好である b.肺胞拡張不全と肺硝子膜形成は新生児呼吸窮迫症候群に特徴的な病理所見である. c.胎児赤芽球症の原因として最も多いのはABO不適合である. d.臍帯動脈血の酸素濃度分圧は臍帯静脈のそれより高い. e.II型肺胞上皮細胞の分化発生はクララ細胞のそれに先行する. |
すみません,選択肢を忘れてしまいましたが,おそらく解答は以下ではないでしょうか?
解答・解説: a.× b.○ c.○(STEP小児科などにもRh不適合より多い記載あります(日本では)d.×(確実) e.×(これも授業プリントより確実です)
5.新生児感染症について以下の記述で正しいのは (1) 新生児HSV-1感染は経胎盤性に、HSV-2は経腟性に発生しやすい。 (2)
palvo-B19の胎児感染症は、胎児水腫の原因の一つである。 (3) 胎児トキソプラズマ感染症は、肝、副腎、肺、脳の壊死性炎症を起こしやすい。 (4) サイトメガロ感染は肺に好発し、特徴的な多核感染細胞として認められる。 (5) 先天性風疹症候群は妊娠初期の風疹感染で招来される。 a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(4) c. (1)(2)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5) |
解答: c(2003年卒試・病理3と同一問題)
解説: |
(1)○ (2)○ 高度の貧血により心不全となる。 (3)× 本症の4主徴は脈絡網膜炎、水頭症、脳内石灰沈着、精神運動発達障害。 (4)× 免疫抑制状態での感染と異なり肺炎は少ない。 (5)○ |
【整形外科】
1.骨形成不全症について誤りを選べ。 (1)
type I collagen の遺伝子変異といわれている。 (2) 骨折頻度は、脊椎>上腕>前腕である。 (3) 赤色強膜が特徴的である。 (4) 知能は正常なことが多い。 (5) 成長終了後に骨折の頻度は減少する。 a. (1)(2)
b. (2)(3) c.
(3)(4) d.
(4)(5) e.
(1)(5) |
解答: b?
解説: (1)○(2)大腿>下腿>脊椎>上腕>前腕とされているので、誤りではないと思うが?(3)赤色→青色 (4)○(5)○
【小児外科】
1.新生児外科疾患について正しい組み合わせを選べ。 (1) 新生児では体重の80%が水分である。 (2) 手術が必要な新生児は、術前に必ずVitaminK2を投与する。 (3) 腹満をきたす疾患は呼吸困難の原因にはならない。 (4) IVPは腎の検査として新生児期によく行われる。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: b
解説: |
(1)○ (2)○ (3)× 神経芽腫などの腹部腫瘤が肺を圧迫して呼吸困難をきたすことがある。(4)× 胎児期には腎機能のほとんどを胎盤に依存しているため、糸球体機能や尿細管機能は未発達のまま出生し、出生後急激に発達する。したがって腎に負担の大きいIVPは避けるべき。 |
2.出生前に診断され易い小児外科疾患を選べ。 (1) 水腎症 (2) 直腸肛門奇形 (3) 卵巣嚢腫 (4) 胎便性腹膜炎 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: a
解説: (2)× 出生直後には気付かれず、新生児期の腹部膨満・嘔吐で発症し肛門部の異常が見つかることが多い。
3.先天性横隔膜ヘルニアについて正しい組み合わせを選べ。 (1) 出生前診断例の救命率は90%以上である。 (2) 肺の大きさを超音波で評価する方法としてLT比やLH比がある。 (3) 羊水過多をきたす例は重症例が多い。 (4) 胎児治療として胎児鏡による気管閉塞が行われ結果は極めて良好である。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: c
解説: |
(1)× 生後24時間未満発症例。 (4)× 出生前診断例は重症例で予後不良。 (2)○ LT比(lung-thorax ratio)肺断面積 / 胸郭断面積 LH比(lung-head ratio)肺断面積 / 頭位 |
4.先天性横隔膜ヘルニアについて正しい組み合わせを選べ。 (1) 左に発生するものは有嚢性が多い。 (2) 胎児麻酔は消化管に空気を入れない方法として有用である。 (3) 心エコー検査は手術時期を決定するのに重要である。 (4) 人工肺(ECMO)は低形成肺の成熟に有効である。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: c
解説: |
(1)× 横隔膜ヘルニアは右に比べ左側が5倍多い。80~90%がヘルニア嚢を欠損する。したがって左に発生するものは無嚢性が多い。 (2)○ 胎児麻酔はNo fighting=気胸のリスク↓、No crying=腸管内ガスが入らない、No stress=PPNH軽減 と有効性がある。 (3)○ (4)× ECMOはアシドーシスを矯正し、低酸素症の改善を図る。 |
5.先天性食道閉鎖症について正しい組み合わせを選べ。 (1) GrossC型は最も多く、約60%である。 (2) GrossA型はgapが小さいものが多い。 (3) 腸管ガスがない場合はGrossA型またはGrossD型である。 (4) 術後合併症として、GERの頻度は高い。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: e
解説: |
(1)× Gross C型は最も多く85%を占める。 (2)× Gross A型はgapが長い。 (3)× 腸管ガスがない場合はGross A、まれにGross Bである。 |
6.小児生体肝臓移植について正しい組み合わせを選べ。 (1) 小児例のほうが成人例よりも成績が良い。 (2) 適応疾患としてはWilson病が最も多い。 (3) 拒絶反応の診断には肝生検が必要である。 (4) PTLDはEBVの感染によって起こる。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: a
解説: (1)○ (2)× 胆道閉鎖症が多い。 (3)(4)○
7.小腸移植について正しい組み合わせを選べ。 (1) 適応としては中心静脈栄養法の維持が困難になった場合があげられる。 (2) 生体小腸移植ではグラフトは回腸を用いる。 (3) 世界全体では術式として小腸単独移植と小腸+肝移植とほぼ同数である。 (4) 拒絶反応の診断には内視鏡検査が必須である。 a) (1)(3)(4) b) (1)(2) c) (2)(3) d) (1)~(4)のすべて e) (4)のみ |
解答: b
解説: |
(1)○ (2)○ (3)× 小児は小腸肝臓同時移植が多い。 (4)× |
8.先天性空腸・回腸閉鎖について正しい組み合わせを選べ。 (1) 無胆汁性嘔吐で発症する。 (2) 腹部単純レ線ではladder step signがみられる。 (3) 遅延性黄疸を合併する事は稀である。 (4) 注腸造影ではmicrocolonを呈する。 (5) apple peel型はLouwの分類のⅢ型の一つである。 a) (1)(3)(4) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (2)(4)(5) e) (1)(3)(5) |
解答: d
解説: |
(1)胆汁性嘔吐 (5)○ IIIb型 |
9.正しい組み合わせを選べ。 (1) 腸重積症は離乳期前後の小児に多い。 (2) 腸重積症の注腸造影では蟹爪様サインが特徴的である。 (3) 壊死性腸炎は成熟児に多い。 (4) 壊死性腸炎では腸管壁内ガス、門脈内ガス像が診断に重要である。 (5) メッケル憩室は結腸に多い。 a) (1)(3)(4) b) (1)(4)(5) c) (1)(2)(4) d) (2)(4)(5) e) (2)(3)(5) |
解答: c
解説: |
(3)低出生体重児に発生する。 (5)回腸に多い。 |
10.正しい組み合わせを選べ。 (1) 腸回転異常症では中腸軸捻転を発症し易い。 (2) 生理的に胎児腸管は180度回転しながら腹腔内に収まる。 (3) Peutz-Jeghers症候群では腸管のポリープが癌化する事はない。 (4) Peutz-Jeghers症候群は遺伝性疾患で、口唇、手足に色素沈着が見られる。 (5) 小児の虫垂炎は穿孔しやすい。 a) (1)(2)(3) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (2)(4)(5) e) (1)(3)(5) |
解答: b
解説: |
(2)反時計方向に270度。 (3)約10%の症例で癌化が報告されている。。 |
11.ヒルシュスプルング病について正しい組み合わせを選べ。 (1) 狭小部では腸管壁内のAuerbach神経叢、Meissner神経叢が欠如している。 (2) 大部分は児の成長と共に保存的に治癒する。 (3) 注腸造影ではcaliber changeがある。 (4) 直腸肛門内圧検査で直腸肛門反射は陽性である。 (5) 腸炎を合併し易い。 a)(1)(3)(5) b)(1)(4)(5) c)(2)(3)(4) d)(1)(4)(5) e)(2)(4)(5) |
解答: a
解説: |
(1)○ (2)× 3~6ヶ月以降に根治術 (3)○ caliber change=腸管の口径差。narrow segmentも重要な所見。 (4)× 欠如する。 (5)○ |
12.直腸肛門奇形(鎖肛)について正しい組み合わせを選べ。 (1) 倒立位X線撮影は術前の病型診断に有効である。 (2) 中間位・高位型では新生児期に人工肛門を造設することが多い。 (3) 女児のcloacaタイプの鎖肛では会陰部に尿道と膣が開口している。 (4) 術後排便機能に重要な筋肉は恥骨直腸筋と外肛門括約筋である。 (5) 合併奇形は高位型より低位型に多い。 a)(1)(2)(3) b)(1)(2)(4) c)(2)(3)(4) d)(3)(4)(5) e)(1)(2)(5) |
解答: b
解説: |
(1)○ (2)○ 生後3ヶ月または体重6 kg以上で根治術。 (3)× cloacaは外陰部に1孔しか開口しない。 (4)○ (5)× 高位型が多い。 |
13.小児の泌尿器疾患について正しい組み合わせを選べ。 (1) 先天性水腎症の成因として腎盂尿管移行部狭窄が最も多い。 (2) 多嚢胞性異形性腎は両側性に発症し易い。 (3) 重複尿管はWeigert-Meyerの法則により上下が交差している事が多い。 (4) 膀胱尿管逆流症の手術法では粘膜下トンネルの作成が重要である。 (5) 停留精巣は思春期までに半数は自然下降する。 a)(1)(2)(3) b)(1)(3)(4) c)(2)(3)(4) d)(3)(4)(5) e)(1)(4)(5) |
解答・解説: b (2)×? (5)× 1歳までに手術を行う。
14.小児固形悪性腫瘍の腫瘍マーカーの組み合わせで正しいものを選べ。 (1) 横紋筋肉腫 - βhCG (2) 神経芽腫 - NSE (3) ウィルムス腫瘍 - 尿中VMA・HVA (4) 卵黄嚢癌 - AFP a) (1)(2) b) (1)(3) c) (1)(4) d) (2)(3) e) (2)(4) |
解答: e
解説: |
(1)× βhCGは絨毛癌のマーカー。 (2)○ NSEは神経組織特異的に存在する酵素。尿中VMA、HVAも診断に役立つ。 (3)× 特異的なものはない。 (4)○ |
15.抗がん剤の特異的な副作用の組み合わせで正しいものを選べ。 (1) サイクロフォスファミド - 聴力障害 (2) アドリアマイシン - 心筋障害 (3) ビンクリスチン - 末梢神経炎 (4) シスプラチン - 出血性膀胱炎 a) (1)(2) b) (1)(3) c) (1)(4) d) (2)(3) e) (2)(4) |
解答: d
解説: (1)× 骨髄抑制、不妊、出血性膀胱炎、二次性発癌。 (2)○ 他に骨髄抑制、悪心、嘔吐。(3)○ 他にSIADH。 (4)× 低Mg血症、内耳障害、腎障害。
16.神経芽腫に関する正しい記述の組み合わせを、以下より選べ。 (1) 神経芽腫の好発部位で最も多いのは副腎であり、次に後腹膜である。 (2) 神経芽腫には、自然に退縮するものが存在する。 (3) 神経芽腫のstageⅣsは、転移巣は肝、骨、皮下に限る。 (4) 神経芽腫の全ての症例で尿中VMA・HVAが高値を示す。 (5) 乳児神経芽腫マススクリーニングにおける発見例の生存率は95%以上であった。 a) (1)(2)(3) b) (1)(2)(5) c) (1)(4)(5) d) (2)(3)(4) e) (3)(4)(5) |
解答: b
解説: |
(3)×?骨髄 (4)× 感度は70%程度。 (5)○ 1400例は5年生存率98%。 |
17.神経芽腫の予後因子に関する正しい記述の組み合わせを、以下より選べ。 (1) aneuploidはdiploidを示す神経芽腫に対して予後良好である。 (2) MYCN遺伝子は二番染色体短腕に存在している。 (3) 神経成長因子の受容体をコードしているTrkAの高発現症例の予後は良好である。 (4) Shimada分類とは、神経芽腫の病期の分類である。 (5) MYCN増幅症例には1番染色体短腕が欠失している症例が少ない。 a) (1)(2)(3) b) (1)(2)(5) c) (1)(4)(5) d) (2)(3)(4) e) (3)(4)(5) |
解答: a
解説: |
(1)○ (2)○ この遺伝子の増幅のある症例は予後不良。 (3)○ (4)× 予後でfavorable / unfavorableに分類。 (5)? 1pの欠失は予後不良。 |
18.適切な語句の組み合わせを選べ。 (1)臍帯ヘルニア-Allen Wrenn法-人工布 (2)卵黄腸管-メッケル憩室-異所性胃粘膜 (3)Prune-belly症候群-尿路感染-停留精巣 (4)腹壁破裂-腸管浮腫-合併奇形が多い (5)Cantrell症候群-臍下部型臍帯ヘルニア-膀胱腸裂 a)(1)(2)(3) b)(1)(2)(5) c)(1)(4)(5) d)(2)(3)(4) e)(3)(4)(5) |
解答: a
解説: |
(1)○ (2)○ 卵黄腸管の腸側にだけ開放するとメッケル憩室。メッケル憩室の20%に胃粘膜の迷入がある。 (3)○ 腹壁欠損+閉塞性尿路疾患+両側停留精巣 (4)× 合併奇形は臍帯ヘルニアよりも少ない。 (5)× Cantrellは臍上部型。 |
19.正しい記述の組み合わせを選べ。 (1)臍ヘルニアは嵌頓を起こす事が多い (2)臍ヘルニアは二歳までに約60%が自然治癒する。 (3)小児の鼡径ヘルニアは低出生体重児に多い。 (4)小児の鼡径ヘルニアの手術法の原則は高位結紮である。 (5)陰嚢水腫は穿刺吸引しても内溶液の再貯留が起こる事がある。 a) (1)(2)(3) b) (1)(2)(5) c) (1)(4)(5) d) (2)(3)(4) e) (3)(4)(5) |
解答・解説: e (1)× 起こりにくい。 (2)× 約90%。
20.小児の代謝的特徴に関して、誤った文章を一つ選べ。 (1) 小児は水分出納が大きく、脱水や水分過剰になり易い。 (2) 新生児・乳児の腎機能に於いて、希釈能は比較的発達している。 (3) 新生児における炭水化物の分解は、膵アミラーゼが主に行っている。 (4) 小児、特に新生児では窒素負荷は、腎への負担となる。 (5) 小児は脂肪の蓄積が低く、必須脂肪酸欠乏を起こしやすい。 |
解答・解説: (3)膵アミラーゼの活性は低い。
21.次の文章の中で、誤ったものを一つ選べ。 (1) 小児の栄養アセスメントとして、身長の測定は有用である。 (2) 亜鉛欠乏症では、好中球減少が生じる事がある。 (3) 栄養管理を行う場合、腸管が使用可能であれば、経腸栄養が第一に選択される。 (4) 中心静脈カテーテル挿入時の合併症として、気胸や血胸がある。 (5) 新生児における、最も理想的な経腸栄養剤は母乳である。 |
解答・解説: (1)身長だけでなく体重も測り、Kaup-Davenport指数(乳幼児)やRohrer指数(学童期)を算出。
22.次の文章の中で、誤ったものを一つ選べ。 (1) CCAMの病変部位は1葉である事が多い。 (2) CCAMの病理学的分類として、Stocker分類が広く用いられている。 (3) CCAMに胎児水腫を合併する場合、予後は不良である。 (4) 肺葉外肺分画症では、検診などで偶然発見されることがある。 (5) 肺葉性肺気腫の好発部位は下葉である。 |
解答・解説: (5)左右とも上葉、右中葉が多い。
23.次の文章の中で、誤ったものを一つ選べ。 (1) 気管狭窄症では、病変部は気管の膜様部がなく、軟骨で覆われている。 (2) 気管狭窄症では、気管内チューブの挿入が必要となる事がある。 (3) 気管軟化症では、吸気時に喘鳴が強くなる。 (4) 気管軟化症では、その診断に気管支鏡が有用である。 (5) 気管軟化症の外科的治療として、大動脈吊り上げ術がある。 |
解答・解説: (2)挿入困難。
24.先天性胆道拡張症についての次の記述のうち正しい組み合わせを選べ。 (1) 三主徴は腹痛、黄疸、嘔吐である。 (2) 三主徴は90%以上の症例に見られる。 (3) 根治手術は肝門部空腸吻合術が一般的である。 (4) 殆どが新生児期に発見される。 (5) 出生前診断される症例がある。 a) (1)(2)(5) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (4)(5) e) (5)のみ |
解答: e
解説: |
(1)腹痛、黄疸、腹部腫瘤。 (2)20~30%程度。 (3)肝管空腸吻合術。肝門部空腸吻合術は胆道閉鎖症に対して行われる術式。 (4)小児期、成人になって見つかる例も少なくない。 (5)胎児期にエコーで発見されることがある。 |
25.胆道閉鎖症についての次の記述のうち正しい組み合わせを選べ。 (1)根治手術を生後4ヶ月頃行ったものが最も予後が良い。 (2)血清ビリルビン、特に直接型ビリルビンが上昇する。 (3)頭蓋内出血をきたす症例がある。 (4)術後晩期合併症として、胆肝炎や食道静脈瘤がある。 (5)三主徴は黄疸、腹部腫瘤、灰白色便である。 a) (1)(2)(5) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (4)(5) e) (5)のみ |
解答: c?
解説: |
(1)生後60日以内に手術すべきといわれている。 (3)低プロトロンビン血症を来すため。(4)上行性胆管炎を起こしやすい。 (5)微妙だが、腹部腫瘤というより肝腫大。 |
26.以下の記述のうち正しい組み合わせを選べ。 (1) 肥厚性幽門狭窄症では生直後から噴水状嘔吐が見られることが多い。 (2) 肥厚性幽門狭窄症では診断時に超音波検査が有効であり、幽門筋層の厚さが10㎜以上を診断基準としている。 (3)胃食道逆流現象(GER)を伴う食道裂孔ヘルニアにはRamstedt手術が根治手術として行われる。 (4)胃食道逆流防止機構として、鋭的なHis角や、下部食道括約筋部(LES)の作用などが働いている。 (5)新生児胃破裂では腹部X線検査でfoot ball sign やsaddle bag signがみられる。 a) (1)(2)(5) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (4)(5) e) (5)のみ |
解答: b
解説: |
(2)幽門筋層の厚さが4 mm以上、幽門管の長さが16 mm以上としている。 (3)Ramstedt手術(幽門筋層切開)ではなくNissen法。 (5)saddle bag signは立位で、football signは仰臥位で現れる。 |
27.十二指腸閉鎖症に関する以下の記述のうち正しい組み合わせを選べ。 (1) 多発型が最も多い。 (2) 腹部X線検査ではmutiple bubble signを認める。 (3) 全ての消化管閉鎖症のうち、最も合併奇形の少ない型である。 (4) 出生前診断される事が多い。 (5) 離断型では十二指腸・十二指腸吻合(ダイヤモンド吻合)が行われる。 a) (1)(2)(5) b) (1)(4)(5) c) (2)(3)(4) d) (4)(5) e) (5)のみ |
解答: d
解説: |
(1)離断型、膜様型、索状型、多発型の順。 (2)double bubble sign (3)合併奇形が60%に見られる。 |
28.正しい組み合わせを選べ。 (1) Wilms腫瘍の遠隔転移の好発部位は骨である。 (2) Wilms腫瘍では、泌尿器系奇形、骨格系奇形、無虹彩症などの合併奇形が多く見られる。 (3) Wilms腫瘍は、腹部腫瘤または、腹部膨隆で気付かれる事が多い。 (4) 両側Wilms腫瘍はstageⅤである。 (5) 腎横門筋肉腫様腫瘍(MRTK)の予後は良好である。 a)(1)(2)(3) b)(2)(3)(4) c)(3)(4)(5) d)(1)(4)(5) e)(1)(2)(5) |
解説: |
(1)成人の腎腫瘍と異なり骨転移は少ない。最も多いのは肺。 (2)Wilms腫瘍を合併する関連症候群としては、WAGR症候群で虹彩欠損・泌尿器系奇形、Beckwith-Wiedemann症候群で骨格系異常(過成長、臓器肥大、巨舌など)、Denys-Drash症候群で泌尿器系奇形がある。 (3)○ (4)○ (5)腎明細胞肉腫型(CCSK)、退形成型(anaplastic)とともに予後不良群に含まれる。 |
29.正しい組み合わせを選べ。 (1) 肝芽腫の遠隔転移の好発部位は肺である。 (2) 肝芽腫では、殆どの症例で血清AFPが異常高値を示す。 (3) 肝芽腫は家族性腺腫性大腸ポリポーシス(FAP)の家系に好発する。 (4) 肝芽腫では、肝硬変を合併する事が多い。 (5) 小児の成人型肝細胞癌の予後は良好である。 a)(1)(2)(3) b)(2)(3)(4) c)(3)(4)(5) d)(1)(4)(5) e)(1)(2)(5) |
解答: a
解説: |
(1)○ (2)○ (3)○ (4)一般に、小児の肝腫瘍に肝硬変の合併は極めて少ない。 (5)肝芽腫に比べ、肝細胞癌の予後は極めて悪い。 |
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