平成17年度 「感染症・中毒」 概説試験

不合格者2人。   実施日:2005.05.27()

 

※参考資料(両方とも年度によりページ数、内容が異なる可能性あり)

平成16年度4年次概説講義「感染症・中毒」講義資料…「○月○日○○先生○枚目」など

イヤーノート2004…「H15」など「アルファベットとページ数」の形。

 

12枚目 細菌・真菌感染症 担当:下野信行

1)深在性真菌症の中でカンジダ血症は増加しつつある。

どのような疾患、病態でどのような治療や処置をした時にカンジダ血症を疑うのか、またどのような検査を行うべきか知るところを述べなさい。(5)

(解答)H50参照

 カンジダ症は日和見感染として重要であり、AIDSなどの細胞性免疫低下時、白血病など好中球不全時に発症する。ステロイド、IVH、抗生物質などが誘因となってカンジダ血症を来たすため、注意が必要である。検査としては分離・培養が最も確定的な診断法であり、培養はSabouraud(サブロー)培地で行う。検出される成分としては、抗原のβ-Dグルカン、カンジダ易熱性糖蛋白、マンナンや代謝産物のDアラビニトールである。また、カンジダ血症の合併症として眼内炎は注意が必要で、症状として飛蚊症、霧視などの出現を早期発見しなければならない。

 

2)次の文章の中で正しいものには( )に○、間違ったものには( )に×をつけよ。(15)

1.肺炎を疑う患者において、喀痰培養と同時に血液培養を行うのは重要である。その際インフルエンザ菌についで肺炎球菌の検出率が高い。

2.細菌感染の際の起因菌の分離にあたって、血液、髄液などの穿刺液は汚染しないように無菌的に採取することが重要で、喀痰はうがいをした後、喀出してもらうことが大事である。

3.膿汁をグラム染色してグラム陰性の桿菌を多数みとめたにもかかわらず、培養検査が陰性の時には偏性嫌気性菌の関与を考える必要がある。

4.肺炎球菌が健常者の咽頭から分離されることは非常に少ないため、喀痰から肺炎球菌が分離された場合には起因菌の可能性が高い。

5.院内では薬剤耐性菌が増加しているが、市中肺炎の起因菌である肺炎球菌の耐性菌は幸いあまり認められていない。

6.A群溶血連鎖球菌は溶血連鎖球菌の中では最も病原性が高く、人食いバクテリアと呼ばれる劇症型を呈することがある。

7.連鎖球菌感染症による丹毒は比較的境界不明瞭な浮腫性の紅斑である。

8.黄色ブドウ球菌はコアグラーゼが陰性で、'病原性が強く、化膿性疾患を始めとして、骨髄炎などをひき起こす。

9.メチシリンというペニシリン系抗菌薬に耐性の黄色ブドウ球菌をMRSAと呼ぶが、ペニシリンには耐性でもセフェムやカルバペネム系薬は有効であることが多い。

10.腸球菌は腸内の常在菌の一つであるが、抗菌薬に対する自然耐性の強い細菌であり、最近ではバンコマイシンに耐性であるVREが問題となっている。

11.グラム陽性菌の一つであるClostridium difficileは嫌気性菌の一つで、抗生物質の投与が引き金となることが多い。治療としては輸液とまずは抗生物質の中止であるが、改善しない時にはバンコマイシンの点滴投与が必要となる。

12.病原大腸菌の中には、腸管毒素性大腸菌、腸管出血性大腸菌などがある。特に腸管毒素性大腸菌はVT1,VT2などの毒素を産生することによって、血便、溶血性尿毒症性症候群を呈する。

13.赤痢菌はAD群に分類されるが、わが国で最も患者数の多いのはA群で比較的症状は軽いものが多い。

14.腸チフスの潜伏期間は約2週間で、国内発生は少ない。便培養に引き続き、後期には血液培養から菌が生えることも多いので、血液培養は重要である。

15.サルモネラ感染症は胃腸炎を生じるものが多いが、なかには菌血症を呈するものもあり、腸管感染症としては比較的重症である。排菌期間も他の腸管病原菌に比べると比較的長い。

16.腸チフスの主な症状は、発熱、比較的徐脈、下痢などであるが、好酸球が消失するのも特徴である。

17.セラチア感染症は院内感染、目和見感染として発症することが多いが、尿路感染症、敗血症、腹膜炎などをひき起こす。留置カテーテル、血管カテーテルなどの器具が汚染するのに気をつけなければならない。

18.コレラの症状は水様性下痢、嘔吐などに伴う脱水が主症状であり、治療としてはペニシリン系の抗生物質投与が重要である。

19.緑膿菌をはじめとするブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌は環境に広く分布し、弱毒菌であるが薬剤に耐性であるのが特徴である。

20.レジオネラ菌はクーリングタワーの水の中や24時間風呂の中での繁殖により感染することで知られ、細胞内寄生菌でペニシリン薬が第一選択薬である。

21.侵襲性肺アスペルギルス症は易感染宿主に発症し、進行が早く致死的である。確定診断するのは難しく、その前に治療を優先しなければならないことが多い。

22.クリプトコッカス症は外来性真菌であり、親和性の強い臓器は肺と肝臓であり、中枢神経系や腎臓には少ない。

23.カリニ肺炎は日和見感染症の一つで急速に進行する呼吸困難、著明な低酸素血症、両側肺門から肺野に広がるスリガラス様陰影が特徴とされる。

(解答・解説) 下野先生講義プリント参照

1)×…肺炎球菌が最多。前半は正しい。 2)○…うがいは常在菌の混入を防ぐため。 3)○ 4)○?

5)×…PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)が有名。経口セフェムは無効の場合あり。ペニシリン、セフェムに対しても5060%で耐性。カルバペネム系を使用。 6)○ 7)×…境界明瞭。

8)×…黄色ブドウ球菌はコアグラーゼ陽性。コアグラーゼ陰性ブドウ球菌で主なものは表皮ブドウ球菌。

9)×…セフェムの多用で耐性誘導。バンコマイシン静注がfirst choiceMRSA腸炎には内服)。

10)○?…自然耐性が強いかは分かりませんが、それ以外は正しい。

11)×…点滴でなく経口。それ以外は正しい。 12)×…腸管毒素性でなく腸管出血性。

13)×…D群が80%。 14)○ 15)○ 16)○ 17)

18)×…ペニシリンでなくニューキノロン、テトラサイクリン、ST合剤。

19)○…βラクタマーゼを産生するので。 20)×…βラクタマーゼ産生株でペニシリンは無効。 21)

22)×…肝臓ではなく、肺に次いで中枢神経系、皮膚が多い。23)

 

3枚目 小児科

: 病原体名、病名は、日本語、英語どちらでも可。

1 次の( )に入る適切な語句を解答欄に記入せよ。

同じ番号が複数ある場合があるので注意すること

a)出産時の母子感染は主に(1)でおこる。(1)感染をおこす病原体の多くは、性行為感染症(STD)の病原体と共通している。

b)先天性風疹症候群のリスクが高いのは妊婦が第(2)三半期に風疹に罹患した場合である。本症の3大臨床症状のうち最も頻度が高いのは(3)である。

c)periodic latera1ized epileptiform discharges(PLEDs)は、(4)ウイルスによる脳炎を疑う上で参考となる脳波所見である。本症の早期診断には、PCR法による髄液中の(4)ウイルスDNAの検出が有用であり、治療の第一選択薬は(5)である。

d)ウイルス性髄膜炎と結核性髄膜炎の髄液所見を比較すると、(6)球優位の細胞数増多は両方にみられるが、(7)の値は前者では正常であるのに対して、後者では低下している。

e)免疫グロブリンのうちIg(8)は分子量が比較的大きく、母体から胎児に移行しないため、新生児が20mg/dl以上の値を示すときは、(9)感染の可能性を考えて検索を進める必要がある。

f)(10)(11)の早期診断に役立つ粘膜疹である。6か月未満の乳児は(12)抗体が防御的に作用するため(11)に罹患することは稀であるが、罹患した場合は亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発症リスクが高くなる。(11)の曝露後予防には(11)ワクチンや(13)が有効である。

g)遅発性の(14)でみられるHutchinson3徴は、歯牙異常、実質性角膜炎、(15)である。(14)の治療の第一選択薬は(16)である。

h)水痘帯状疱疹ウイルスの感染経路は、空気・飛沫による経気道感染と(17)感染である。このため、学校保健法施行規則では、罹患した児童に対して、全ての発疹が(18)化するまでの出席停止が定められている。

i)(19)(20)による急性発疹症である。(20)は赤芽球系の前駆細胞に好んで感染し、これらの細胞を破壊する。溶血性貧血など赤血球の寿命が短縮している患者が(20)に感染すると、急激に貧血が進行し、しばしば輸血が必要な状態となる。これを(21)と呼ぶ。

j)ヒト免疫不全ウイルスの母子感染を予防するために行われている主な対策は、妊婦および生まれた児への抗HIV薬使用、出生時における児の洗浄、選択的(22)(23)遮断である。

k)(24)ウイルス感染症は主に冬季に流行し、白色調の下痢、嘔吐、発熱などをきたす。一般に乳幼児ほど症状が強い。

l)RS(respiratory syncytial)ウイルスは(25)の原因微生物として最も頻度が高く、2歳未満の小児に対し重篤な呼吸困難をきたしうる。

m)クループ症候群は、(26)性喘鳴、犬吠様咳嗽、嗄声など喉頭の狭窄症状を呈し、原因微生物としては(27)ウイルスが最も多い。(28)撮影により声門下狭窄が認められ、診断に有用である。

n)百日咳において、典型的な咳嗽(whoop,staccato)が見られる病期は(29)期であるが、乳児では咳嗽が出現せず無呼吸をきたすこともある。検査所見としては白血球のうち(30)球の増多がみられる点が特徴的である。百日咳の予防としてわが国では乳児期から(31)の接種が行われている。

o)乳幼児でインフルエンザに罹患してまもなくけいれん・意識障害が出現したときには(32)の合併を疑う。

p)結核のワクチンは(33)である。わが国では管針法により接種されるが、20054月より定期接種対象者が6か月未満となった。

q)細菌性腸炎の原因菌のうち、ギラン・バレー症候群との関連が指摘されているのは(34)である。

r)腸管出血性大腸菌感染症の治療で小児に推奨されている抗菌薬は(35)、ノルフロキサシン、カナマイシンである。乳酸菌製剤は併用するが、止痢剤は使用してはならない。

(解答・解説) 小児科講義プリント参照

(1)産道 (2)一?…416週の罹患で可能性がある。14週が第一、第二三半期の境界。

(3)白内障…ほかの2つは先天性心疾患、難聴。 (4)単純ヘルペス (5)アシクロビル (6)多核 (7)

(8)M (9)子宮内 (10)コプリック斑 (11)麻疹 (12)移行…IgGが移行。 (13)γ-グロブリン製剤

(14)先天梅毒 (15)内耳性難聴 (16)ペニシリンG (17)接触 (18)痂皮 (19)伝染性紅斑

(20)パルボウイルスB19 (21)貧血発作 (22)帝王切開 (23)母乳 (24)ロタ (25)細気管支炎 (26)吸気

(27)パラインフルエンザ (28)喉頭高圧X線…声門下の浮腫を見る。 (29)カタル (30)リンパ

(31)DPTワクチン (32)インフルエンザ関連脳症 (33)BCG (34)カンピロバクター

(35)ホスホマイシン

 

2 新生児敗血症/髄膜炎の産科的リスクファクターを2つ列挙せよ。

(解答) 楠原先生「中枢神経感染症」講義プリント参照

分娩前…母体の発熱(38℃以上)、母体の炎症反応陽性(CRP2mg/dlWBC12000/mm^3)、

    胎児モニタリング異常(180bpm以上の胎児頻脈)

分娩時…早期産、前期破水、遷延分娩、胎児切迫仮死、羊水の悪臭と混濁、新生児仮死、絨毛羊膜炎

 

 

3、本邦において、下記の年齢または状況に生じた細菌性髄膜炎の起炎菌として最も頻度の高いものを記せ。

新生児期~3か月までの乳児(  )6歳以上の年長児(  )VPシャント感染(  )

(解答)順にB群溶連菌・大腸菌・リステリア菌、黄色ブドウ球菌・髄膜炎菌、?

 

45枚目 抗菌薬・抗ウイルス薬試験問題 担当:村田昌之

以下の設問について、解答群より選びなさい。

(解答群)a.()()が正しい  b.()()()が正しい  C.()()()が正しい

d.()()()が正しい  e.全て正しい               →つまり()は必ず正しい。

1.抗菌薬の特徴について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()ペニシリンやセフェム系薬であるβ-ラクタム薬は細胞壁を持つ細菌に有効である。

()β-ラクタム薬は、細胞内寄生菌や細胞壁を持たない細菌(非定型菌)にも有効である。

()マクロライド系、テトラサイクリン系そしてフルオロキノロン系抗菌薬は、 細胞内寄生菌や細胞壁を持たない紬菌(非定型菌)にも有効である。

()マクロライド系、テトラサイクリン系そしてフルオロキノロン系抗菌薬には、薬物相互作用をきたす薬剤がある。

(解答)d

(ア)○ (イ)×…βラクタム薬は細胞壁合成阻害。

(ウ)○…マクロライド、TCは蛋白合成阻害、フルオロキノロンはDNA合成阻害。

(エ)○…フルオロキノロンとテオフィリンなど。

 

2.β-ラクタム薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()ペニシリン系、セフェム系、モノバクタム系、カルバペネム系薬が含まれる。

()殺菌的抗菌薬である。  ()比較的安全性が高い。

()β-ラクタム薬耐性化の原因の一つとして、細菌のβ-ラクタマーゼ産生がある。

(解答)e

(ア)○ (イ)○ (ウ)○…作用点が細胞壁なので選択性が高い。 (エ)○

 

3.抗菌薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()ペニシリン系抗菌薬は、グラム陽性球菌に高い抗菌活性を持つ。

()セフェム系抗菌薬は、妊婦にも比較的安全に使用できる。

()広い抗菌スペクトラムをもつ第3,4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬を乱用しても、耐性菌や真菌の出現、菌交代現象にはつながらない。

()アミノグリコシド系抗菌薬の副作用には、腎毒性、聴神経障害がある。

(解答)c

(ア)   ○ (イ)○…妊婦に避けるべきなのはTC、クロラムフェニコール、アミノグリコシド、

ニューキノロン、ST合剤。抗生剤以外ではワーファリン、ACE阻害薬、Ca拮抗薬など。

(ウ)×…セフェムの濫用による耐性誘導は有名。 (エ)○

 

4.抗菌薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()赤痢アメーバの治療には、メトロニダゾールが使用される。

()カリニ肺炎の治療には、β-ラクタム薬を使用する。

()アンフオテリシンBは抗真菌薬の一つである。

()アンフォテリシンBの副作用には、腎毒性がある。

(解答)d

(ア)○ (イ)×…葉酸代謝阻害のST合剤を用いる。 (ウ)○ (エ)○

5.グリコペプチド系抗菌薬(バンコマイシン、テイコプラニン)について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()MRSAに有効である。

()表皮ブドウ球菌などのメチシリン耐性コアグラーゼ陰性黄色ブドウ球菌や腸球菌には効果を認めない。

()偽膜性大腸炎(Clostridium difficle関連腸炎)にバンコマイシンの点滴治療は行わない。

()腎毒性などの副作用を起こさないため、そして薬剤の十分な効果を得るためにも薬物血中モニタリング(TDM; Therapeutic Drug Monitoring)をすべき薬剤である。

(解答)d

(ア)○ (イ)×…メチシリン耐性コアグラーゼ陰性黄色ブドウ球菌=MRSAでは?

(ウ)○…点滴でなく内服。 (エ)○

 

6.薬物血中モニタリング(TDM; Therapeutic Drug Monitoring)が必要な抗菌薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()グリコペプチド系抗菌薬(バンコマイシン、テイコプラニン)

()アミノグリコシド系抗菌薬  ()ペニシリン系抗菌薬  ()セフェム系抗菌薬

(解答)a

(ア)○ (イ)○ (ウ)× (エ)×

 

7.適切な抗菌薬使用について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()本当に細菌感染症を来しているか判断して使用すべきである。

()抗菌薬使用前に適切な培養検査を行うべきである。

()可能な限り原因菌の推定を行うべきである。

()使用する際は、投与量、投与回数、投与期間を検討すべきである。

(解答)e

(ア)○ (イ)○…血液培養など非常に大事。 (ウ)○ (エ)○

 

8.抗ウイルス薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()単純ヘルペスウイルス感染症である口唇ヘルペスや、水痘帯状疱疹ウイルス感染症である帯状疱疹には、アシクロビルが使用される。

()サイトメガロウイルス感染症には、ガンシクロビルが使用される。

()抗インフルエンザウイルス薬であるノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル、ザナミビル)は、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ共に有効である。

()抗インフルエンザウイルス薬は、インフルエンザ発症48時問以内に開始することで有熱期間の短縮が期待できる。

(解答)c

(ア)○ (イ)○ (ウ)×…Bは無効。 (エ)○

 

9.抗ウイルス薬について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()B型肝炎の治療には、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素を阻害するラミブジンが使用されている。

()ラミブジン使用中のB型肝炎患者において、ラミブジンの耐性化は認められない。

()難治性C型肝炎の治療には、インターフェロンにリバビリンを併用することが多い。

()C型肝炎の治療として、リバビリン単独療法は効果が期待できない。

(解答)d

(ア)○ (イ)× (ウ)○ (エ)○

 

10.後天性免不全ウイルス(HIV)感染症の治療について、正しい記述の組み合わせを選びなさい。

()CD4陽性リンパ球数が200/mm3以下となれば抗HIV療法を開始する。

()HIV療法の目標は、血中ウイルス量を最大限かつ長期にわたって検出限界以下に抑え続けること、免疫能を回復・維持すること、生活の質を改善すること、HIV関連疾患及び死亡を減らすこと、である。

()現在多剤併用によるHAART(ハート:Highly Active Anti-Retroviral Therapy)HIV感染症治療の基本である。

()服薬状況が悪い場合でも、薬剤耐性化の心配はない。

(解答)b

(ア)○ (イ)○? (ウ)○ (エ)×…1ヶ月に12日でも服薬を守らないと耐性化する。

 

5枚目 呼吸器感染症試験 総合診療部 鍋島茂樹

1)文章内の( )に適切な記号を入れよ。

細胞内寄生菌は主として( )内で増殖する菌のことであり、殺菌の免疫担当細胞となるのは( )である。代表的な菌種は( )である。

A.結核菌 B.肺炎球菌 C.Tリンパ球 D.食細胞 E.インフルエンザ菌 F.Bリンパ球

(解答)順にD.食細胞、C.Tリンパ球、A.結核菌

(解説)H16卒試1。液性免疫を担う抗体や補体は細胞内に入り込めないので主に有効なのは細胞性免疫。結核菌の他に代表的なものはブルセラ菌、らい菌、チフス菌、細胞侵入性大腸菌など。

 

呼吸器においては鼻腔から肺胞に至るまで( )なバリアがあり、病原微生物に対応している。最終的に( )ミクロン以下の大きさの物質が肺胞に侵入できるといわれている。細胞内には( )が常在しており侵入微生物に反応して( )などのシグナルを出し、炎症細胞を誘導する。

A.2 B.10 C.好中球 D.マクロファージ E.サイトカイン F.細菌 G.間歇的 H.連続的

I.アドレナリン J.リンパ球

(解答)順にH.連続的、B.10D.マクロファージ、E.サイトカイン

(解説)H16卒試1。肺胞に存在する細胞の大半がマクロファージで、貪食と共にIL-1産生を行う。

 

2)関係が深いと思われるものを線で結べ(右は1つあまる)

浸潤影・                    ・舌区

初感染結核・                ・結節影

肺癌・                      ・肺尖

心とのシルエットサイン陽性・・びまん性小粒状影

成人型肺結核症・            ・気管支肺炎

                            ・胸水

(解答)浸潤影-気管支肺炎、初感染結核-びまん性小粒状影、肺癌-結節影、

心とのシルエットサイン陽性-舌区、成人型肺結核症-肺尖

(解説)H16卒試2H16概説1

初感染結核…I60。初感染では粟粒結核が多い。また、サルコイドーシスでも小粒状影。

心とのシルエットサイン陽性…I17。左舌区=S4S5の病変で心陰影左縁の消失。

 

3)( )内の適切な語句を1つ、または2つ○でかこめ。

代表的な市中肺炎の原因菌として(肺炎球菌・溶連菌・緑膿菌)があげられる。また、最近は(肺炎クラミジア・嫌気性菌・結核菌・非定型抗酸菌)による非定型肺炎が増加しており注意が必要である。肺炎の抗生剤治療を開始するにあたり最も重要なことは(喀痰グラム染色・末梢血白血球数・CRP)である。PRSPによる肺炎の抗生剤治療は(セフェム系・ペニシリン系・カルバペネム系・ニューキノロン系)が有効である。移植後の肺炎は(細胞壁・バイオフィルム・きょう膜)をもつ菌によるものが多い。

順に肺炎球菌、肺炎クラミジア、喀痰グラム染色、セフェム系・カルバペネム系・ニューキノロン系、

細胞壁

 

 

6枚目 ウイルス感染症総論、輸入感染症 担当:林純

以下の設問について、回答群より選びなさい。

回答群  a.()のみ正しい  b.()のみ正しい  c.()()()が正しい

d.全て正しい  e.全て誤っている

 

1.コレラについて、正しい記述の組合せを選びなさい。

()コレラに感染すると米のとぎ汁様下痢をきたす。

()胃切除者ではコレラに感染すると重症化する。

()ペストはノミにより感染するが、空気感染もある。

()ベストはペスト菌の内毒素による出血傾向が症状としてみられる。

(解答)c?   681枚目

(ア)○…脱水になるので輸液が必要。発熱、腹痛はない。 (イ)○

(ウ)○…原発性肺ペストでは空気感染(飛沫感染)あり。 (エ)×?…出血傾向が分かりません。

 

2.マラリアについて、正しい記述の組合せを選びなさい。

()四日熱マラリアは感染期間が数年におよぶことがある。

()熱帯熟マラリアの赤血球感染率は12%もある。 ()熱帯熟マラリアでは悪寒・戦慄が激しい。

()メスのコガタアカイエカの媒介により感染する。

(解答)c    681、3枚目、H16卒試2に類似

(ア)○…熱帯熱は2ヶ月~1年、三日熱は2年、卵型は5年。

(イ)○…熱帯熱は1040%、三日熱は2%>、卵型は1%>。

(ウ)○…戦慄はない。

(エ)×…マラリアはメスのハマダラカ。コガタアカイエカは日本脳炎。

 

3.インフルエンザについて、正しい記述の組合せを選びなさい。

()ノイラミニターゼ作用はウイルスの脱殻を促進する。

()すべてのインフルエンザウイルスのreservoirはブタと考えられている。

()インフルエンザB型に抗原変異が著明である。

()インフルエンザB型はA型に比較して重症化する。

(解答)c    I53

(ア)○…もう一つの表面抗原はノイラミニダーゼでタミフルはこちらを阻害。

(イ)○…BCでは稀。 (ウ)○ (エ)×…Aが最も重症化し流行する。スペイン風邪など。

 

4.デング出血熱について、正しい記述の組合せを選びなさい。

()フィロウイルスによる感染症である。 ()コガタアカイエカから感染する。

()ヒトからヒトの感染もある。 ()デング・ショック症候群ではヘマクリットの上昇がみられる。

(解答)c    682枚目

(ア)○ (イ)○  

(ウ)○…血漿漏出が進むと起こる。他に血小板減少、tourniquet試験陽性、渡航歴で診断。

(エ)×…Flavivirusによる。Filovirusは線状のウィルスでマールブルグ病の原因ウィルス。

 

 

5.新興感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。

()西ナイル熱は蚊とトリによってウイルスが媒介され、蚊から感染する。

()ニパ脳炎はコウモリとブタによってウイルスが媒介されブタから感染する。

()クリミア・コンゴ出血熱はマダニからウイルスに感染する。 ()SARSは空気感染のみで拡大した

(解答)d   682枚目

(ア)○…蚊とトリによって維持され、主にイエカの吸血によって感染する。

(イ)○ (ウ)○ (エ)○…院内感染が問題になっている。

 

6.持続感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。

()EBVは主として経口感染である。

()肝細胞癌の大部分はHPV及びHCVの持続感染者から発生する。

()ヘリコバクター・ピロリ感染は胃癌と関連している。

()HTLV-1CD8陽性細胞に感染し、白血病を起す。

(解答)a   524

(ア)○ (イ)×…唾液感染。kissing diseaseと呼ばれるくらいなので。

(ウ)×…胃・十二指腸潰瘍や胃癌と関連。感染経路は不明。 (エ)×…CD4陽性。

 

7.院内感染対策について正しい記述の組合せを選びなさい。

()空気予防策が必要な感染症は、流行性耳下腺炎、風疹、結核である。

()飛沫予防策では病室は周囲の区域に対して陰圧に設定する。

()接触予防策では病室内のスリッパは専用とする。

()標準予防策は血中ウイルス感染や感染力の強い病原微生物に応用される。

(解答)d   H15概説234年次「院内感染」講義資料・試験

(ア)○…他にVZV。 (イ)○…他にジフテリア、マイコプラズマ、百日咳、インフルエンザなど。

(ウ)○…手袋、手洗いの他に聴診器や血圧計を患者専用にする。

(エ)○…感染が疑われなくても全ての血液などを潜在的感染媒体とみなして取り扱う。

 

8.院内感染について正しい記述の組合せを選びなさい。

()手掌での細菌の増殖は20分で2倍である。

()手洗い方法としては、最初に石鹸を手にぬり、次に水で洗い流すのがよい。

()手掌の常在菌としてはレンサ球菌がある。

()院内感染対策上重要な細菌は、MRSAVREなどの多剤耐性菌のみである。

(解答)e   自信ありません

(ア)× (イ)×…最初は流水じゃないでしょうか。

(ウ)×…レンサ球菌は口腔・鼻咽頭常在菌 (エ)×…それはないでしょう。

 

9.院内感染について正しい記述の組合せを選びなさい。

()針刺し事故で本邦で最も多い医療行為としては注射時である。

()院内感染対策は医療経済的に負担が大きい。

()HBV,HCV,HIV,HTLV-1の中でHIVが最も感染力が強い血液由来ウイルスである。

()院内感染の対策をたてる上で、サーベイランスは重要である。

(解答)? 

(ア)? (イ)○ (ウ)×…HBVHCVの方が強い。HTLV-1は分かりません。 

(エ)○…サーベイランスとは疾患監視システムと翻訳される。院内感染発生が報告され、分析され、その結果がフィードバックされること。

 

10.人獣共通感染症について正しい記述の組合せを選びなさい。

()出血性黄疸レストスピラ病はネズミの排泄物からの感染が多い。

(イ)慢性蕁麻疹の原因の1つに犬回虫がある。

()生のモクズガニを摂取すると気胸を起すことがある。

()マスの刺身の接触で体重減少をきたすことがある。

(ア)○…H55。ネズミの尿で汚染された水・土から。

(イ)×…H87。ヒトにかかった場合の症状は肝腫大などの内蔵型と眼型。

(ウ)×…H90。自然気胸を起こすのは宮崎肺吸虫でサワガニが第2中間宿主。

(エ)×…H91。サケ、マスの生食による日本海裂頭条虫症は症状は軽い。

 

78枚目 神経病理 岩城先生

1.孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見として正しいものはどれか。

(a)発症時には脳の高度な萎縮はみられない (b)長期生存した症例ほど、脳萎縮が軽い

(c)脳梗塞を合併することが多い (d)大脳の萎縮は左右差が著しい

(e)MRIの拡散強調画像で大脳皮質や線条体に高信号領域をみとめる

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)2  5123枚目、H16概説1

a)○…萎縮は進行して(3期)から急速に進む。 (b)× (c)× (d)×

e)○…基底核にも高信号域が認められることが多い。

 

2.英国で多発した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。

(a)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は高齢者に多い

(b)ミオクローヌスや舞踏運動などの不随運動で発症する

(c)脳波で周期性同期性放電がほとんどの症例にみられる

(d)MRIの拡散強調画像で両側の視床枕に高信号領域をみとめる

(e)虫垂や扁桃などの末梢リンパ組織に異常プリオン蛋白が蓄積する

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)5  51245枚目、H16概説2

a)× (b)×…症状としてはあるが、初発は精神症状、感覚障害。

c)×…周期性同期性放電=PSD孤発性ではほぼ100%見られる。 (d)○

e)○…血液を介して伝播する可能性がある。

 

3.プリオン(伝達性海綿状脳症の感染因子)として正しいものはどれか。

(a)ホルマリン液で失活する  (b)ガス滅菌が有効である

(c)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)による煮沸が不活性化に有効である

(d)通常のオートクレーブでは失活しない  (e)紫外線照射で失活する

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)4  5122枚目、H16概説3

a)× (b)× (c)○…3%液で5分煮沸。 (d)○…1321時間で失活。 (e)×

 

4.孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。

(a)反応性アストロサイトに乏しい  (b)脳に老人斑が多数みられる

(c)平均発症年齢は約40歳である

(d)マウスに接種することにより病気を伝達させることが可能である

(e)数カ月で無動性無言状態におちいる

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)5  51225枚目

a)×…富む。 (b)×…老人斑はアルツハイマー。 (c)×…63歳。変異性は29歳。

d)○ (e)○

 

5.ヒトの感染性プリオン病の原因となったものはどれか。

(a)スクレイピーに罹患した羊の肉  (b)角膜移植  (c)脳外科手術におけるヒト乾燥硬膜の移植

(d)組換え遺伝子技術により作製された成長ホルモン  (e)腎臓移植

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)3?  H16概説5

a)×…羊からは直接感染しない。牛を介して感染。 (b)○? (c)○ (d)×? (e)×

 

6.梅毒が原因でないものはどれか。

1.脳ゴム腫 2.進行麻痺 3.ギラン・バレー症候群 4.Argyll Robertson徴候 5.脊髄癆

(解答)3  J127

a)○ (b)○ (c)×…カンピロバクター、マイコプラズマなど上気道感染が原因。 

d)○…対光反射消失、輻輳反射保持。 e)○…後索、後根の変性。

 

7.正しいものはどれか。

(a)プリオン蛋白のノックアウトマウスは感染材料を接種してもプリオン病を発症しない

(b)Kuruは食人の儀式によって広がったプリオン病である (c)日本では羊のスクレイピーの発症はない

(d)日本では変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者発生はない

(e)英国における牛海綿状脳症は撲滅された

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)3  51215枚目、H16概説7

 

8.正しいものはどれか。

(a)クリプトコッカス症は肺についで中枢神経系に多い

(b)ムコール症は糖尿病性ケトアシドーシス患者に生じやすい

(c)ヒト免疫不全ウイルスは脳に侵入しない  (d)進行性多巣性白質脳症は麻疹ウイルスによる

(e)成人T細胞性白血病ウイルスによるミエロパチーではウイルス抗体価は低い

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)1  3年次「神経」講義資料P1516H16概説8

a)○ (b)○ (c)×

d)×…進行性多巣性白質脳症=PMLJCウイルス。麻疹ウイルスはSSPE

e)×…患者脳脊髄液及び血清中からしばしば高値のHTLV-1抗体が検出される。

 

9.正しいものはどれか。

(a)トキソプラズマはネコが固有宿主である

(b)HIV脳症では多核細胞が大脳白質に出現する (c)癩菌はZiel-Neelsen法では染まらない

(d)結核菌は乾燥に弱い (e)単純ヘルペス脳炎の好発部位は小脳である

1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

(解答)1  「神経」講義資料P1516H16概説9

a)○…H84。 (b)○ (c)×…結核菌、癩(らい)菌はZiel-Neelsen法などの抗酸菌染色で見る。

d)×…むしろ強い。 (e)×…側頭葉に多い。

 

10.ウエストナイルウイルス感染症について正しいものはどれか。

(a)アメリカ合衆国における発生は昨年、終息した  (b)主に蚊により媒介される

(c)ウイルス系統樹では日本脳炎ウイルスに近い  (d)カラスは感染しても死亡することは稀である

(e)脳炎患者は筋力低下を示すことは稀である

1(a)(b)2(a)(e)3(b)(c)4(c)(d)5(d)(e)

(解答)3  H17概説10H16概説10

 

8枚目 中毒 担当:平方秀樹

設問1 次の物質による中毒例の治療で用いる拮抗薬を下の選択肢の中から選んで、その番号を記入せよ.

1)一酸化炭素  2)有機リン  3)エチレングリコール  4)水銀  5)

【選択肢】(1)エタノール (2)D-ペニシラミン (3)BAL (4)酸素 (5)アトロピン

(解答・解説)

1)一酸化炭素-(4)酸素  2)有機リン-(5)アトロピン…PAMも用いる。

3)エチレングリコール-(1)エタノール…メタノール中毒に対しても。

4)水銀-(3)BAL…ヒ素、クロム中毒に対しても。 5)銅-(2)D-ペニシラミン

 

設問2 縮瞳が認められる中毒はどれか.

1.コカイン  2.三環系抗うつ薬  3.シアン  4.有機リン

a)1,3,4   b)1,2   c)2,3   d)4のみ  e)14のすべて

(解答)d  K14

1×…散瞳する。 2×…散瞳する。 3×…選択肢から。 4

縮瞳:麻薬(モルヒネ)、有機リン、トリクロロエタノール

散瞳:低酸素血症、低体温、コカイン、アンフェタミン、三環系抗うつ薬、フェノチアジン、

抗コリン薬、交感神経作動薬

 

設問3 急性中毒症例における血液浄化法について、以下の記述で正しい組み合わせはどれか.

1)中毒物質のVd(分布容積)が大きいほど血液浄化法の効率が低い.

2)血液浄化法の種類によって効率に差はない.

3)メタノール中毒における血液浄化法の第一選択法は血液透析療法である.

4)睡眠薬中毒では血液浄化法の適応はない.  5)意識がない患者における血液浄化法は禁忌である.

a)(1,2)  b)(1,3)  c)(1,4)  d)(2,3)  e)(4,5)

(解答)?

1)○ 2)? 3)? 4)? 5)×…選択肢から。

 

9枚目(1~5:消化器感染症[4,5は復元できていなかったので予想] 6~9:血中ウイルス感染症) 担当:古庄

1.細菌性食中毒について正しいものを2つ選べ

1.細菌性食中毒は、発症様式の違いによって、感染症、毒素型、混合型(中間型)に分類される。

2.食中毒の3大起炎菌は、腸炎ビブリオ、キャンピロバクター、サルモネラである。

3.初診時は原因菌が不明であるため、抗生物質にニューキノロン系薬やホスホマイシンが使用されることはない。

4.毒素型食中毒は、食品の加熱処理により多くは予防可能である。

(解答)1,2

1)○…K2

2)○…K3。腸炎ビブリオ(4060%)、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌の順。

3)×…K7。腸管出血性大腸菌の感染が疑われる場合は最初からでも使うのではないでしょうか。

4)×…K3。腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌の毒素には無効。自然毒は大部分が無効。

 

2.ヘリコバクター・ピロリについて正しいもの3つ。

1.本菌は胃、十二指腸潰瘍との関連が報告されるが生検組織から検出されることはない。

2.本菌感染の有無の診断は尿素呼気テスト、血清抗体測定などの非侵襲的方法がある。

3.一般に加齢とともに感染率は低下する。

4.胃癌において疫学的な研究から本菌感染により慢性萎縮性胃炎が前庭部に発生し、長い年月にわたって炎症が続くことが胃癌発生の危険因子になる。

5.本菌陽性消化潰瘍については制酸薬と抗菌薬の併用療法が薦められている。

(解答)2,4,5

1)×…A31。慢性胃炎で75%、胃潰瘍で7080%、十二指腸潰瘍で90100%検出される。

2)○ (3)×…30代から急増し、50代では70%を超える。

4)○…A30。尿素呼気テストは放射性同位元素を用いる。他に胃液のウレアーゼテストなど。

5)○…A30。抗菌薬2剤(クラリスロマイシン、アモキシシリン)とPPIを併用。

 

3.胃アニサキス症について正しいもの3つ

1.すし、ばってら、しめサバ、生食数日後に胃痛、悪心、悪嘔を伴って発症する。

2.胃アニサキス症が疑われたら胃透視で虫体の存在を確認する。

3.粘膜には、浮腫を伴う紅班部に虫体が侵入するのが確認される。

4.鑑別診断には消化管穿孔、急性虫垂炎、イレウスなどの急性腹症がある。

5.治療には内視鏡による病変部摘出が望ましい。

(解答)3,4,5   H8689

1)×…生食後48時間後。腸は数時間~数日。 (2)×…胃透視ではなく上部消化管内視鏡で。

3)○ (4)○…誤診により開腹される事もある。 (5)○…腸の場合は保存的療法。

 

4.腸管出血性大腸菌について誤っているものを1つ選びなさい。

1)腸管出血性大腸菌感染症は、Vero細胞に致死的に働くVero毒素を産出する。

2)腸管出血性大腸菌感染症の主症状は、血便と激しい腹痛である。

3)血便を訴えて数日後に溶血性尿毒症症候群や脳症を続発することがある。

4)感染初期は補液のみの対症療法に徹し、決して抗生物質の投与は行わない。

(解答)4  K6

1)○ (2)○…最初は腹痛+頻回の水様下痢、12日で激しい血便に。 (3)○…約10%に合併。

4)×…13)参照。3ヶ月以内の投与でHUS予防。毒素原性大腸菌では必ずしも抗生剤は投与しない。

 

5.ウイルス性肝炎について誤っているものを1つ選びなさい。

1)A型肝炎は高率に慢性化する。 2)B型肝炎において性行為は重要な感染経路である。

3)C型肝炎は高率に慢性化し、原発性肝臓癌の主因である。

4)Epstein-Barr virus(EBV)感染は成人の場合、一過性の肝障害やリンパ節腫脹を来す。

(解答)1  B20

1)×…C型以外は高率な慢性化はない。 (2)○…B型は血液と性行為、C型は血液。

3)○…慢性肝炎の70%はC型、20%がB型。肝硬変、HCCでは80%がC型、15%がB型。

4)○…H66。本邦では3歳までに80%が初感染を受け、成人ではほとんど潜伏感染状態。

 

8.正しいものを3

1.HIVBリンパ球に… 2.帯状疱疹… 3.カポジ… 4.非定型好酸菌 5.サイトメガロ…

復元不十分

 

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