平成16年度 「内分泌・代謝」 概説試験

 

 

 

※※ 1ページ : 総論  名和田先生 ※※

 

1.(1)ネガティブフィードバック(negative feedback)調節と(2)パラクライン(paracrine)調節と(3)イントラクライン(intracrine)調節について具体的な例をあげて説明しなさい。

 

 

【解答】

(1) 視床下部からCRHが分泌されると、脳下垂体でACTH分泌が促進され、ACTHの作用で副腎からコルチゾールの分泌が促進される。この際、コルチゾールの血中濃度が高ければCRHACTHの分泌を抑制して、コルチゾールの血中濃度を調節する。このように下位のホルモンの血中濃度によって上位ホルモンの分泌を制御し、ホルモンバランスを保つ機構をネガティブフィードバック調節という。

 

(2) 血管内皮細胞からエンドセリンが分泌されると、血管平滑筋の受容体と結合し、血管が収縮する。このように、分泌されるホルモンが拡散して隣接する細胞に作用する分泌様式をパラクライン調節という。

 

(3) 性ステロイド依存性腫瘍である乳癌や子宮内膜癌や卵巣癌組織においては、これらの血中のandrogensをアロマターゼや17β-水酸化ステロイド脱水素酵素などによりエストロゲンに転換することによって、腫瘍組織局所においてのエストロゲン濃度を高めて、腫瘍細胞の増殖を促進している。このように血中の濃度に関係なく、前駆体に相当するホルモンを生物学的活性の高いホルモンにその作用部位で転換したり、その逆の代謝を行うことによりそのホルモンの作用を調節することをイントラクライン調節という。

 

※※ 2ページ : 副腎  柳瀬先生 ※※

 

次の中から正しいものには番号に丸をつけよ。

 

1. ステロイド合成は基質のコレステロールのミトコンドリアヘの供給から始まる。

2. 副腎最外層の束状層からアルドステロンが合成分泌される。

3. コルチゾールの下垂体レベルでの刺激ホルモンはCRFである。

4. 副腎皮質機能不全症の患者さんの尿中17-OHCS値は通常、低値である。

5.  Addison病患者さんでは、血中の好酸球は減少する。

6. 副腎ステロイドの副作用として、骨粗鬆症をしばしば認める。

7. クッシング症候群の患者さんでは糖質コルチコイドの過剰のため、耐糖能異常をしばしば認める。

8. ステロイドホルモン受容体は転写因子として作用する。

9. クッシング症候群副腎腺腫の定型的患者さんでは、少量(1mg)dexamethasoneを投与しても、血中コルチゾールの抑制がかからない。

10.  Addison病における副腎クリーゼの誘発要因としては感染症がもっとも多い。

11. アルドステロンの生理作用として腎からのNa排泄とK再吸収機能がある。

12.  腋毛、恥毛の女性における脱落は副腎皮質機能不全症の存在を示唆する。

 

 

【解答】

1.

2.×:副腎皮質は外側より球状層、束状層、網状層。球状層から電解質コルチコイド(アルドステロン)、束状層から糖質コルチコイド(コルチゾル、コルチコステロン)、網状層からDHEADHEA-S、副腎アンドロゲンなどが分泌される

3.          4.          5.×:増加

6.:他、消化性潰瘍、感染症増悪、糖尿病、うつ症状など

7.          8.

9.:大量デキサメサゾン抑制試験で血中コルチゾールが抑制されればCushing病、抑制されなければ副腎性Cushing症候群または異所性ACTH産生腫瘍の可能性が高い

10.         11.×:Naの再吸収とKの排泄        12.

 

 

 

 

 

 

※※ 3-1ページ(3-2は解答用紙) : 副甲状腺・Ca代謝  後藤先生 ※※

 

正しい記載と思われる文章の番号を選びなさい。

 

1) 副甲状腺ホルモンは、腸管からのCaとリンの吸収を促進するが、これには活性型vitamin Dの作用が必須である。

2) 植物にもvitamin Dが存在し、食物として摂取することが可能である。

3) 骨代謝マーカーのうち、骨形成を反映するものは、血中オステオカルシン、血中ALP、および血中NTXである。

4) 骨塩(Bone Mineral Density)定量で重要なのは、平均的日本人の最大骨塩量(YAM)に対して各人が何パーセントの骨塩量を有しているかである。

5) Ca血症を呈する疾患のうち、副甲状腺ホルモンが抑制されないのは、原発性副甲状腺機能亢進症と家族性低Ca尿性高Ca血症のみである。

6) 副甲状腺ホルモン過剰による症状には特異的なものが少なくなく、Albright徴候が代表的である。

7) 腫大した副甲状腺の部位診断に現在よく用いられる検査のひとつとして、MIBGシンチグラムがあるが、保険適応がまだである。

8) 当初、受容体たんぱく質それ自体の異常が想定されていた偽性副甲状腺機能低下症は、遺伝子検索の結果、現在では代表的な「受容体病(receptor disease)」として知られている。

9) 悪性腫瘍随伴性高Ca血症は大きく2種類に分類されるが、このうちPTHrPが関与するのはHumoral Hypercalcemia of malignancy(HHM)である。

10) 緊急の高Ca血症(Ca血症クリーゼ)の治療で現在最も繁用されるのはbisphosphonate製剤の点滴である。

 

 

【解答】1)×:小腸でのCaおよびリンの吸収促進作用を示すのはビタミンDPTHはビタミンDの活性化を亢進させる         2)

   3)×:骨形成マーカーとして骨型ALP、オステオカルシン、骨吸収マーカーとしてデオキシピリジノリン(DPD)N末端テロペプチド(NTx)などがある

4)       5)×:他に家族性副甲状腺機能亢進症、異所性PTH産生腫瘍など

6)×:Albright体型(低身長、円形顔貌、肥満など)は偽性副甲状腺機能低下症で見られる。(AHO:Albright遺伝性骨異栄養症)

7)×: 99mTc-MIBIシンチグラム。MIBGシンチグラムは褐色細胞腫の診断に用いる

8)       9):もうひとつは腫瘍の骨転移による局所性骨融解性高Ca血症(LOH)

10):他の治療法としては、脱水状態の是正、利尿剤によるCa排泄促進

 

※※ 4ページ : 副腎・性腺  野村先生 ※※

 

(1) 性腺機能低下症に属する以下の説明に該当する疾患名を挙げて下さい。

 

1) 性染色体構成が47XXYを示し、女性化乳房や無精子症を呈する。

2) 嗅覚脱失ないし低下を伴う低ゴナドトロピン性性腺機能低下症。発生初期の嗅原基にみられるにLH-RH発現細胞の視床下部への遊走の異常が原因と考えられる。

3) その完全型欠損は精巣性女性化症候群と呼ばれ、外見は女性型、膣が盲端、子宮はなく、思春期以降に原発性無月経を主訴に病院を受診し始めて診断される。

 

 

【解答】1) Klinefelter症候群  2)Kallmann症候群  3)アンドロゲン受容体異常症

 

 

(2) 性分化異常に関する以下の文中の(  )内に適当な語句を入れて下さい。

 

1) 男性性腺機能低下症をみた場合、( 1 )試験、LH-RH負荷試験、( 2 )試験などにより、障害部位が中枢性か末梢性かを鑑別することが治療の選択のうえで重要である。

2) 3β-hydroxydehydrogenase欠損症、11β-hydroxylase欠損症、21-hydroxylase欠損症などの(3:疾患名)は胎生期に副腎アンドロゲンの高値を呈し、女児の男性化を来す( 4 )仮性半陰陽の一つである。

 

 

【解答】(1)(2)クロミフェン、HCG(順不同)   (3)先天性副腎過形成   (4)女性

 

 

 

 

(3) 原発性アルドステロン症(PA)に関する以下の文中の(  )内に適当な語句を入れて下さい。

 

1) アルドステロン産生腫瘍(腺腫)がその原因の約80%を占め、(  1  )アルドステロン症や(  2  )アルドステロン症がその他の原因として挙げられる。

2) 副腎皮質球状層でのアルドステロンの過剰産生が生じ、遠位尿細管に作用してNa・水再吸収、K及びHの排泄を促進、(  3  )を伴う高血圧を来した状態。

3) 高血圧(程度は様々)、夜間多尿、(  4  )などの症状がみられる。(  5  )摂取制限は低K血症を改善し、摂取の増加は低K血症を助長し症状の悪化をみる。

 

 

【解答】(1)(2)特発性、糖質コルチコイド奏効性(順不同)    (3)低カリウム性アルカローシス

(4)四肢麻痺    (5)食塩

 

 

(4). 褐色細胞腫に関する以下の文中の(  )内に適当な語句を入れて下さい。

 

1) (  1  )や傍神経節交感神経細胞などのクロム親和性細胞から発生する腫瘍。10%病と称され、副腎外、両側性、家族性、(  2  )がそれぞれ約10%存在する。

2) 診断には尿中カテコラミン5分画、すなわちアドレナリン、ノルアドレナリンとその代謝産物の(  3  )(  4  )、最終産物(  5  )の測定が有用である。

 

 

【解答】(1)副腎髄質   (2)悪性   (3)(4)メタネフリン、ノルメタネフリン  (5)バニリルマンデル酸

 

 

(5) 褐色細胞腫の臨床症状ならびに高血圧の治療、禁忌薬剤に関し知るところを述べて下さい。

 

 

【解答】[臨床症状] 主要症候(5H)として高血圧(Hypertension)、頭痛(Headache)、代謝亢進(Hyper- metabolism)、高血糖(Hyperglycemia)、多汗(Hyperhidrosis)。他に交感神経刺激症状により、頭痛、動悸、蒼白、発汗過多、手指振戦、胸部苦悶感、めまい感、不安感、口渇、排尿障害、便秘など。

(補足:症状は腫瘍細胞によるカテコラミン過剰産生・分泌が交感神経刺激および各臓器のアドレナリン受容体に作用することにより起こる)

[高血圧の治療、禁忌薬剤] 主としてα遮断薬(α1-blocker)により血圧の低下および循環血漿量の増加をはかり、その後、頻脈、不整脈がみられる場合にはβ遮断薬が併用される。β遮断薬の単独投与は血圧上昇を招くので禁忌である。降圧にはCa拮抗薬も有用である。

 

※※ 5ページ : 間脳・下垂体  岡部先生 ※※

 

1. 先端巨大症における成長ホルモンの奇異反応について、箇条書きで簡単に述べなさい。

 

 

【解答】 75gブドウ糖負荷試験においてブドウ糖負荷はGHの分泌を抑制するはずだが、腫瘍性増殖した細胞が勝手にGHを分泌している本症では抑制が認められず、かえってブドウ糖負荷によって分泌が亢進することがある。これをGHの奇異反応という。これはTRH負荷試験、LH-RH負荷試験、bromocriptine負荷試験においても見られる。

 

 

2. 高プロラクチン血症をきたす疾患、病態を列記しなさい。

 

 

【解答】1. 下垂体腺腫(プロラクチノーマ) 下垂体の腫瘍細胞によるプロラクチン産生により高プロラクチン血症をきたす。

 

2. 器質性の視床下部障害(頭蓋咽頭腫、胚腫などの脳腫瘍、結核、梅毒、サルコイドーシスなどの肉芽腫性病変、外傷など) 視床下部からはプロラクチンの分泌を促すPRHと分泌を抑制するPIHの両方が分泌されている。プロラクチンの分泌調節においては後者の方が強力であるため、視床下部障害によって下垂体からのプロラクチン分泌が亢進し高プロラクチン血症をきたす。

 

3. 機能性の視床下部障害 何らかの理由で、プロラクチンの分泌が高いレベルにセットされたままになることがあり、これにより高プロラクチン血症をきたすことがある。その理由として分娩があり、それに引き続いて生じる高プロラクチン血症はChiari-Frommel症候群と呼ばれる。

 

4. 原発性甲状腺機能低下症 feedbackによってTRHが高値となる為に高プロラクチン血症をきたすことがある。

 

5. 薬剤性高プロラクチン血症 プロラクチンはドパミンによって抑制されるので、ドパミン受容体を遮断する抗精神病薬やαメチルドーパなどの投与によって高プロラクチン血症をきたす。

 

3. のグラフは血漿浸透圧と血漿AVP(抗利尿ホルモン)濃度との関係を示したものである。図のABの領域に相当する病態は何か?

 

 

【解答】A:SIADH(ADH不適合分泌症候群)    B:中枢性尿崩症

 

※※ 6ページ : 糖尿病 ※※

 

.54歳の男性。勤務先の健康診断で以下のような異常を指摘され精査・加療目的で紹介来院した。

 

主訴:口渇、多飲

身長171cm、体重88kg、血圧154/98mmHg

尿所見:尿糖(+)、尿蛋白(-)、尿ケトン体(-)

血清生化学所見:空腹時血糖116mg/dl(正常値70-110)、食後血糖230mg/dlHbA1c  7.2%(正常値4.3-5.8)、空腹時インスリン10.6μU/ml、尿中C-ペプチド120μg/

 

(1) 本症例が糖尿病と診断できる理由を診断基準に基づいて述べよ(2)

(2) HbA1c(12週間・12ヶ月間・45ヶ月間)の平均血糖を示す(1)

(3) (インスリン抵抗性インスリン分泌障害)が主体の2型糖尿病と考えられる(1)

(4) 本症例は摂取エネルギー何kcal/日が適当と考えられるか。その理由も述べよ(2)

(5) 本症例に対するスルフォニルウレア薬の投与は適当かどうか。また理由を述べよ(2)

 

 

 

【解答】(1) 随時血糖値が230mg/dlと基準値である200mg/dlを超え糖尿病型を示しており、かつHbA1c 7.2%で基準値である6.5%を超えており、糖尿病の典型的症状(口渇、多飲)が認められるため。

(2) 12ヶ月間

(3) インスリン抵抗性 インスリン抵抗性の評価指標としてHOMA-Rがある。(空腹時血糖(mg/dl)×空腹時インスリン値(μU/ml)÷405) 2.5以上でインスリン抵抗性があると考えられるが、基準値は文献によりまちまち。本症例では3.04

(4) 症例患者の標準体重は1.71×1.71×22=64.3kg。年齢を考慮して身体活動量を30 kcal/kgとすると、摂取エネルギーは64.3×301930kcal/日となる。(入院しているので身体活動量を25kcal/kgとしてもいいかも。その場合は約1600kcal/)

(5) 現段階ではスルフォニルウレア薬の投与は適当ではない。理由としては、1.生活習慣の改善(食事療法・運動療法および患者教育)を行い、それでも血糖のコントロールがうまくいかない場合に経口血糖降下薬の投与を検討すべき 2.尿中C-ペプチド120μg/日とインスリン分泌能はある程度保たれており、インスリン抵抗性であることからSU剤よりもビグアナイド、チアゾリジン誘導体、αグルコシダーゼ阻害薬など非SU剤を投与すべき、の2点があげられる。

 

 

II.以下の文章について正しいものには○、誤っているものには×を(  )にいれよ。

 

1.(  )脳はぶどう糖を唯一のエネルギー源として使い、絶食状態においてもケトン体を利用することができない。

2.(  )クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫では糖尿病の合併が多い。

3.(  )α-グルコシダーゼ阻害薬は単糖類の分解を抑制することにより食後の血糖上昇をゆるやかにする。

4.(  )ビグアナイド薬は膵β細胞からのインスリン分泌促進作用が主たる作用である。

5.(  )妊婦には催奇形性や巨大児の可能性があるインスリンは極力使わない。

6.(  )網膜症の進展を阻止するために単純網膜症の段階から積極的に光凝固療法を行う。

7.(  )糖尿病腎症によるネフローゼ症候群にはインスリンとステロイドの併用療法が行われる。

8.(  )糖尿病性自律神経障害では心電図R-R間隔変動が増加する。

 

 

【解答】1.×:絶食時においてケトン体は重要なエネルギー源となる       2.

   3.×:二糖類をブドウ糖に分解する酵素を阻害         4.×:肝での糖新生抑制作用

5.×:インスリン療法の絶対的適応として糖尿病合併妊婦がある。経口血糖降下薬は催奇形性が否定されていないため原則禁忌

6.×:単純網膜症の段階では血糖コントロールにより症状の進行を遅らせる。光凝固療法は前増殖網膜症以降の段階で行われる

7.×:ステロイドの副作用に糖尿病の増悪がある

8.×:副交感神経障害により心電図R-R間隔変動は減少する

 

※※ 7ページ : 脂質代謝  中牟田先生 - 中牟田先生のプリントより ※※

 

1. 正しいものを選びなさい。

 

a. リポ蛋白とはコレステロール(エステル型)と中性脂肪(トリグリセライド)をリン脂質で取り囲んでいる粒子のことで、その膜に存在する蛋白をアポ蛋白という。

b. 中性脂肪とはグリセロールと3つの脂肪酸が結合したものである。

c. コレステロールは体内では主に副腎で合成され、ステロイドホルモンなどの材料となる

d. 脂肪酸のオメガ(ω)6系とはメチル基側から6番目の炭素間の2重結合(C=C)があるもので、飽和脂肪酸である。

e. オメガ(ω)3系脂肪酸は魚油に多く含まれ、抗炎症作用、抗動脈硬化作用があるとされている。

 

1. abc       2. bcd       3. cde       4. abe       5. ade

 

 

【解答】4      c.×:コレステロールは主に肝細胞の小胞体や細胞質で作られるが、他に小腸、副腎皮質、皮膚、精巣においても合成される          d.×:飽和→不飽和

 

 

2. 正しいものを選びなさい。

 

a. 食物中のコレステロール、中性脂肪(主にモノグリセリド)は小腸上皮で吸収され、再合成されカイロミクロン(粒子)となり血中、リンパ液中に放出される。

b. カイロミクロンはLPL(リポプロテインライペース)により中性脂肪を放出し、ややサイズの小さなカイロミクロンレムナントとなり肝臓にレセプターを介して吸収される。

c. 肝でVLDLは合成され血管内皮上に存在するLPL(リポプロテインライペース)で中性脂肪を引き抜かれ、IDLと変化する。

d. IDLHepatic Lipaseにより中性脂肪をのぞかれ、HDLとしてコレステロールの豊富なリポ蛋白となり、各組織に存在するHDLレセプターにより取り込まれる。

e. 比重の軽い順に並べると、カイロミクロン、HDLVLDLIDLLDLとなる。

 

1. abc       2. bcd       3. cde       4. abe       5. ade

 

 

【解答】1    d.×: HDLLDL    e.×:比重はカイロミクロン<VLDL<IDL<LDL<HDL

 

 

 

 

 

3. 間違ったものをえらびなさい。

 

a. 家族性高コレステロール血症はWHO分類IIa(場合によってはIIb)に分類される。

b. 家族性高コレステロール血症はLDLレセプターの異常であり、そのヘテロ型は500人に1人と決してまれな病気ではない。

c. 家族性高コレステロール血症(IIa)では、患者血清を放置しておくとその血清は透明であるがクリーム層が形成される。主にLDLが蓄積し診察所見としてはアキレス腱の肥厚を認めることがある。

d. 家族性III型高脂血症(WHO分類III)ではアポE3/E3の為、IDLがその受容体に取り込みにくくなり、IDLが血中に蓄積され、電気泳動ではbroadβのバンドとなる。

e. WHO分類I型の家族性リポ蛋白リパーゼ欠損症では(familial LPL deficiency)ではカイロミクロンが上昇し中性脂肪の著明な上昇がみられ膵炎を合併することがある。

 

1. abc       2. bcd       3. cde       4. abe       5. ade

 

 

【解答】4     c.×:WHO分類IIa型での血清外観は透明。クリーム層ができるのはWHO分類I型および型。クリーム層=カイロミクロン     d.×:E3/E3E2/E2

 

 

4. 正しいものをえらびなさい。

 

a. 高コレステロール血症には主にHMG-CoA還元酵素阻害薬が用いられるが、この薬剤はコレステロール合成の律速段階であるHMG-CoAよりメバロン酸の段階を阻害する。重篤な副作用としては特に横紋筋融解症がある。

b. 高トリグリセライド血症には主としてフィブラート系(ベザフィブラート)薬剤が使用される。HMG-CoA還元酵素阻害薬とは異なり横紋筋融解症の副作用はない。

c. 甲状腺機能亢進症、糖尿病、ネフローゼ症候群、クッシング症候群、閉塞性胆汁うっ滞は2次性高脂血症をおこしうる。

d. ループ利尿薬、ステロイド剤、β遮断薬、は2次性高脂血症をおこしうる。

e. 死のトライアングル(Syndrome X)とは高インスリン血症(耐糖能異常)、高脂血症、高血圧を示す状態に対する概念で、おのおのが軽度であっても虚血性心疾患のリスクを高める。

 

1. abc       2. bcd       3. cde       4. abe       5. ade

 

 

【解答】5   b.×:横紋筋融解症を起こす可能性あり  c.×:亢進症→甲状腺機能低下症

 

※※ 8ページ : 甲状腺  岡村先生 ※※

 

次の(   )の中に最も適切と考えられる語句を記入して下さい。

 

甲状腺疾患があるかどうかについて、最も簡便・有用で経済的な見つけ方は(  1  )である。

甲状腺疾患はA(  2  )B(  3  )C(  4  )の三つの視点から考える必要がある。Aの視点から考えるとき体重や脈拍の変化、および(  5  )腱反射の状況が参考になり、確定診断には(  6  ) (  7  )を測定するとよい。Bの視点からは(  8  )(  9  )(  10  )を測定するとよい。Cの視点からは(  11  )(  12  )の検査が有用で、CTMRIなどの検査まで必要な症例は限られる。

Thyrotoxicosis without hyperthyroidismと呼ばれる病態の中で最も頻度が多いのは(  13  )であり、頚部に著明な圧痛を認めれば(  14  )を考える。バセドウ病との鑑別には血中の(  15  )の測定が有用であり、確定診断には(  16  )を測定する。

甲状腺ホルモン合成には4個の(  17  )が必要であり、それが欠乏した地域に生まれた子どもたちは(  18  )を来たす危険がある。

バセドウ病の治療法としては抗甲状腺剤・手術・(  19  )の三つがあり、抗甲状腺剤の最も怖い副作用は(  20  )である。

 

 

【解答】1.触診   2.機能   3.免疫   4.形態   5.アキレス   6.甲状腺刺激ホルモン(TSH)  7.FT4(free T4)     8.TSH受容体抗体     9.Tg抗体     10.TPO抗体     11.超音波検査     12.細胞診

   13.無痛性甲状腺炎    14.亜急性甲状腺炎    15. TSH受容体抗体    16.放射性ヨード(123I)摂取率

   17.無機ヨード    18.地方性甲状腺腫    19.アイソトープ療法     20.無顆粒球症

 

 

※※ 9ページ : 乳腺外科  黒木先生 ※※

 

1) 乳癌に関して下記の記述の中で、正しいものを選びなさい

 

1. 乳腺症と乳癌は超音波検査でほとんど鑑別できる。

2. 血性乳頭分泌の鑑別診断には乳癌・乳腺症・線維腺腫があげられる。

3. 触診上、腫瘤の境界は比較的明瞭である。

4. マンモグラフィーで線状・折れ釘状石灰化は乳癌の確定的所見である。

5. 皮膚をたるませると皮膚が陥凹するDelleCooper靭帯への浸潤所見である。

 

       (a) 1,2,3       (b) 1,2,4       (c) 1,2,5       (d) 1,3,4       (e) 1,3,5

       (f) 1,4,5        (g) 2,3,4       (h) 2,3,5       (i) 2,4,5        (j) 3,4,5

 

 

【解答】d

1.:乳癌―辺縁不規則、内部構造不均一、後方エコー減弱or消失。乳腺症―大小の嚢胞が混在

2.×:線維腺腫は血性乳頭分泌(-)     3.?:境界不整とも   4.:壊死性石灰化(悪性を示唆)の一種

   5.×:たるませると陥凹→dimpling、何もしなくても陥凹→Delle

 

 

2) 乳癌(特に硬癌)の超音波所見として、正しいものを選びなさい

 

1. 縦横比が1以上となる。                           2. 内部エコーは不均一である。

3. 点状の高輝度エコーが認められることが多い。

4. 腫瘤エコーは低エコーとなり後方エコーは減弱する。  5. 境界エコーは認められない。

 

       (a) 1,2,3       (b) 1,2,4       (c) 1,2,5       (d) 1,3,4       (e) 1,3,5

       (f) 1,4,5        (g) 2,3,4       (h) 2,3,5       (i) 2,4,5        (j) 3,4,5

 

 

【解答】g   1.×:1以上が多いが必ずではない。    5.×:帯状の境界エコーを認める。

 

 

3) 乳癌の治療に関して下記の記述の中で、正しいものを選びなさい

 

1. Tamoxifenでエストロゲンを遮断する治療は閉経前より閉経後に有効である。

2. ほとんどの乳癌はホルモン受容体を持つため、術後補助療法は内分泌療法が第一選択となる。

3. 乳癌術後再発には抗癌剤が第一選択となる。

4. 閉経前・ホルモン受容体陽性乳癌に対するLH-RHアゴニストは抗癌剤治療に匹敵する効果を持つ。

5. アロマターゼ阻害剤は閉経前乳癌の治療には無効である。

 

       (a) 1,2,3       (b) 1,2,4       (c) 1,2,5       (d) 1,3,4       (e) 1,3,5

       (f) 1,4,5        (g) 2,3,4       (h) 2,3,5       (i) 2,4,5        (j) 3,4,5

 

 

【解答】f         1.:閉経前は化学療法、閉経後はホルモン療法が中心

2.×:化学療法          3.×:ホルモン療法         4.

5.:癌細胞は、閉経前はaromataseの関与しない卵巣由来のestrogenに強く依存しているため

 

 

4) 乳癌の治療に関して下記の記述の中で、誤ったものを選びなさい

 

1. 乳房温存療法は原発性乳癌治療の約4割を占める。

2. 乳癌は腋窩リンパ節に高率に転移をきたすので、腋窩郭清は必須である。

3. 腋窩リンパ節転移が陰性であれば、抗癌剤治療は不要である。

4. 内視鏡補助下乳腺部分切除は乳癌の治療として認められている。

5. Stage II以上の乳癌は乳房切除術の適応である。

 

       (a) 1,2,3       (b) 1,2,4       (c) 1,2,5       (d) 1,3,4       (e) 1,3,5

       (f) 1,4,5        (g) 2,3,4       (h) 2,3,5       (i) 2,4,5        (j) 3,4,5

 

 

【解答】???    1.?    2.    3.×:陰性であっても抗癌剤治療を行う    4.

5.×:乳房切除術または乳房温存術(部分切除+放射線)が行われる

 

 

※※ 10-1ページ(10-2は解答用紙) : 甲状腺疾患の外科治療  竹田先生 ※※

 

1) 甲状腺悪性腫瘍について正しいものを選びなさい。

 

1. 乳頭癌は最も頻度の高い甲状腺悪性腫瘍である。

2. 乳頭癌はリンパ節より血行性転移が多く、一般に予後が悪い。

3. 浸潤型濾胞癌はリンパ節転移の頻度が高い。

4. 遠隔転移のある濾胞癌は甲状腺全摘を行う。

 

A. 1       B. 1,2       C. 2,3       D. 1,3,4       E. 14の全て

 

 

【解答】A        1.: 80-90%が乳頭癌>濾胞癌5-10%>未分化癌、髄様癌、悪性リンパ腫

2.×:リンパ節転移が多く一般に予後はよい        3.×:血行性転移が多い

4.×:遠隔転移例には131I大量療法

 

 

2) 甲状腺癌手術の合併症について正しいものを選びなさい。

 

1. 反回神経麻痺は、神経を切離しなくても起こることがある。

2. 術後出血で気道閉塞を起こすことがあり、緊急手術が必要となる。

3. テタニーは起こりえない。

4. 喉頭浮腫がおこっても呼吸困難にはならない。

 

A. 1       B. 1,2       C. 2,3       D. 1,3,4       E. 14の全て

 

 

【解答】B     3.×:上皮小体が残せなかった場合    4.×

 

 

3) 甲状腺腫瘍の治療について正しいものを選びなさい.

 

1. 甲状腺悪性リンパ腫は手術よりも化学療法や放射線治療を選択することが多い。

2. 甲状腺腫瘍は癌との鑑別が困難で、ほとんどが手術適応となる。

3. 甲状腺乳頭癌は予後が良いためできるだけリンパ節郭清を省略するべきである。

4. 甲状腺未分化癌は積極的な拡大手術によって治癒できる場合が多い。

 

A. 1       B. 1,2       C. 2,3       D. 1,3,4       E. 14の全て

 

 

【解答】A      1.:未分化癌と悪性リンパ腫は浸潤性が高いため手術で腫瘤摘出できる症例は少ない      2.×:多くは外科的適応はない     3.×:リンパ節転移が多い為、甲状腺亜全摘とリンパ節郭清が基本      4.×:予後は絶望的

 

 

4) 副甲状腺機能亢進症の外科治療について正しいものを選びなさい。

 

1. 症状がなくとも手術適応となることがある。

2. 多発内分泌腺腫症を考慮する必要がある。       3. 原発性では治療法は手術しかない。

4. 原発性では腫大腺切除、二次性では全摘と一腺の自家移植を行う。

 

A. 1     B. 1,2     C. 2,3     D. 1,3,4     E. 14の全て

 

 

【解答】E     1.:病型としてなんら症状のないものが最多であり、手術適応の中で血清Ca12mg/dl以上という項目があるので考えられると思います。

2.:MEN12A型では副甲状腺腺腫、過形成がみられる   3.     4.○ 

 

※※ 11ページ : 肥満  永淵先生 ※※

 

問題1. 以下の説明で正しいものには○、誤っているものには×をつけよ。(8)

 

1. 肥満者におけるインスリン抵抗性の主因は、脂肪細胞からPAIの産生である。(  )

2. 肥満者では血中レプチン濃度は高値を示す。(  )

3. I型高脂血症の治療の中心は、一日総カロリーの制限である。(  )

 

 

4. II型高脂血症の治療薬として、HMG-CoA還元酵素阻害剤が使用される。(  )

5. 経口糖負荷試験で境界型を示す人も、動脈硬化症のハイリスク群である。(  )

6. 食品交換表の表11単位は、米飯50gに相当する。(  )

7. PCOSでは男性ホルモン、女性ホルモン両方の過剰状態が存在する。(  )

8. 低血糖昏睡のとき血糖上昇の目的で、グルカゴンを注射する。(  )

 

 

【解答】1.×:PAITNFα     2.:脂肪細胞から分泌される     3.:食事制限が基本

4.:コレステロール合成↓     5.×?     6.     7.×:アンドロゲン過剰(男性ホルモン)のみ

8.:グルコースの静注とグルカゴンの皮下注を行う

 

※※ 12-1ページ(12-2ページは解答用紙) : 蛋白質・アミノ酸の異常  下田先生 ※※

 

(A) 次の質問で正しいものの組み合わせを書いてください。

 

(1) タンパク質の一日あたりの所要量は平均成人男子70g、女子60gである。

(2) 窒素平衡が負に傾く原因として、栄養不良や体内タンパク質の喪失、組織タンパク質の崩壊などがあげられる。

(3) 原発性のアミロイドーシスでは、組織を過マンガン酸カリウムで処理することで、コンゴ-レッドでの染色性が失われる。

(4) ポルフィリンの合成を活発に行う肝臓や腎臓の疾患でポルフィリン症が見られる。

(5) ウィルソン病の本態はセルロプラスミンの合成障害である。

 

(a) (1)(2)(3)    (b) (1)(2)(5)    (c) (1)(4)(5)    (d) (3)(4)(5)   (e) (2)(3)(4)

 

 

【解答】(b)      (1)    (2):窒素平衡=摂取したN-排出されたN    (3)×:選択肢より

   (4)×:合成を活発に行う臓器は骨髄中の赤血球系幼若細胞と肝臓細胞である

(5):銅を運搬する蛋白であるCpの合成障害により肝臓、脳、角膜などに銅が沈着

 

 

(B) 以下に示す免疫電気泳導により検出される血清タンパク異常症のうち肝硬変でみられる電気泳導は(a)(b) (c)(d)(e)のうちどれですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】(b)   ちなみに(a)はネフローゼ症候群、(c)は関節リウマチ、(d)が多発性骨髄腫、(e)が低γ-グロブリン血症でみられる

 

※※ 13ページ : 尿酸・ビタミン代謝  大塚先生 ※※

 

(1) ビタミンAとビタミンDについて作用機序を示し、両者の治療薬としての有用性について記せ。

 

 

【解答】ビタミンA<作用機序>ビタミンA(レチノールretinol)とその類縁化合物であるレチノイドretinoidは、生体内では形態形成制御作用、細胞の分化増殖制御などの作用を持っている。それにより視覚(暗順応)、成長促進、生殖に関与する。

<治療薬としての有用性> 視紅形成に関与、上皮組織の維持に必要で、粘膜の変性・角化・損傷を防止するため、夜盲症、結膜乾燥症、角膜乾燥症、角膜軟化症などに有用。

 

ビタミンD<作用機序>ビタミンD3は肝臓で25OH-D3となり、さらに腎臓で1α,25-(OH)-D3となって本来の生理活性を示す。1α-水酸化は副甲状腺ホルモンにより促進され、高P血症、高Ca血症により抑制される。1α,25-(OH)-D3は腸管に作用してCaPの吸収を促進、腎に作用してCaPの再吸収を促進する。

<治療薬としての有用性> 骨粗鬆症の治療薬として有用である。骨塩量を増やし骨折率を低下させることが証明されている。小腸からのカルシウム吸収促進作用、骨芽細胞に対する作用、破骨細胞の機能を促進して骨代謝を盛んにすることなどの総合的な結果と考えられる。

 

 

(2) ビタミンが欠乏する際に出現する症状の一般的特徴について記せ。

 

 

【解答】ビタミン欠乏症といえば、「脚気」「ウェルニッケ脳症」「くる病」などがありますが、こういった臨床的に明らかな欠乏症(顕在性ビタミン欠乏症)が起こるのは、食生活がゆたかな現代ではあまり多くありません。しかし、そこまで至らなくても「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」「めまいがする」などの不定愁訴も、ビタミン欠乏によるものです。こういった場合を「潜在性ビタミン欠乏症」といいます。

(一般的にということなのでこういう解答にしましたが各々のビタミン欠乏症についての症状は授業プリントや参考書に載っていると思われるので参考にしてみて下さい。)

 

 

(3) 30歳男性。175cm、体重90kg。飲酒:ビール大瓶3/日。200467日午後になり右足第1趾の付け根が急に腫脹し、激しい痛みに襲われた。会社の健康診断で高尿酸血症を指摘されていたので痛風関節炎の初発と考えられた。この患者に対する治療方針を述べよ。

 

 

【解答】 発作時には尿酸値を下げる薬剤を用いてはならない。消炎鎮痛剤(NSAID、副腎皮質ステロイド)を用いる。予兆がある人にはコルヒチンを携帯させる。

 

※※ 14ページ : 下垂体疾患の外科治療  横山先生 ※※

 

下垂体腫瘍の外科治療についての記載で間違っているものを一つ選べ(2)

 

1. 経蝶形骨洞手術では、手術視野が深くて狭いのが欠点である。

2. 腫瘍がトルコ鞍内に限局する場合には経蝶形骨洞手術の絶対適応である。

3. 開頭手術では手術野に現れる脳や神経を損傷する危険性がある。

4. 鞍上部に進展する腫瘍では開頭手術の絶対適応である。

5. 蝶形骨洞の発達が悪い症例でも経蝶形骨洞手術を行うことができる。

 

 

【解答】5

 

 

下垂体腫瘍の患者にホルモン負荷試験を行っていたところ、突然の頭痛、吐き気、目が見えにくくなったと訴えた。その対応について間違っているものを一つ選べ。(2)

 

1. 緊急CTMRIを行うべきである。

2. 腫瘍内出血、梗塞などが引き起こされた可能性がある。

3. 鎮痛剤を投与し、経過観察するのみでよい。

4. 副腎皮質ステロイドの補充が必要である。

5. 視力視野障害が急速に進行する場合、緊急腫瘍摘出手術の適応となる。

 

 

【解答】3     下垂体卒中をおこしたものと考えられる。緊急手術の適用。

 

※※ 15ページ : 骨粗鬆症  高杉先生 ※※

 

1. 骨粗鬆症について誤っているものを一つ選べ

 

a) 原発性骨粗鬆症は、続発性骨粗鬆症よりも頻度が高い

b) 飲酒や喫煙は、骨粗鬆症のリスクファクターである

c) 授乳(母乳栄養)は、骨粗鬆症のリスクファクターである

d) わが国の授乳婦のカルシウム所要量は、1600mgである

e) 転倒予防は、寝たきり予防に重要である

 

 

【解答】d     c):授乳で400-500mg/日失う  d)×:妊婦900mg、授乳婦1100mg

 

 

2. 骨粗鬆症に関連する骨折の好発部位として誤っているものを一つ選べ

 

a) 大腿骨頸部     b) 脊椎     c) 上腕骨外科頸     d) 橈骨末端     e) 脛骨末端

 

 

【解答】e

 

※※ 16ページ : 骨粗鬆症  神宮司先生 ※※

 

1. 骨粗鬆症について正しいのはどれか。

 

a. 骨のモデリングの異常である。

b. 原発性と続発性がある。

c. 退行期骨粗鬆症には閉経後骨粗鬆症と特発性骨粗鬆症がある。

d. 閉経後骨粗鬆症では皮質骨の骨量減少が特徴である。

e. 椎体圧迫骨折で神経症状を起こすことはない。

 

 

【解答】b       a.×:リモデリング     b.     c.×:閉経後骨粗鬆症と老人性骨粗鬆症

d.×:閉経後(I型)…エストロゲン↓→海綿骨がやられる→脊椎、橈骨遠位端。老人性(II)…加齢、Ca不足→海綿骨+皮質骨やられる→大腿骨頸部、長管骨           e.×

 

 

2. 誤っているのはどれか。

 

(1) 骨芽細胞は破骨細胞の分化に働く。

(2) ビスフォスフォネイトは骨芽細胞のアポトーシスを誘導する。

(3) 骨型アルカリフォスファターゼは骨吸収マーカーである。

(4) 骨形成は主に骨芽細胞によって行われる。

(5) 骨のリモデリングでは骨の形態は変わらない。

 

a. 12       b. 15       c. 23       d. 34       e. 45

 

 

【解答】c       (2)×:破骨細胞のアポトーシスを誘導       (3)×:骨形成マーカー

 

※※ 17ページ : 乳腺病理  豊島先生 ※※

 

日本の乳癌取り扱い規約の組織分類では乳癌を非浸潤癌、浸潤癌および(  1  )に大別し、浸潤癌を浸潤性乳管癌と特殊型に分けている。浸潤性乳管癌はさらに(  2  )、充実腺管癌、(  3  )の三つに分けられている。この三つの型ではこの順に手術後の患者予後は(  4  )なる。

 

 

【解答】(1)Paget     (2)乳頭腺管癌     (3)硬癌     (4)悪く

(http://www.kit.hi-ho.ne.jp/dr-study-group/naiyou/26.pdfより)

 

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