内分泌・代謝 平成19年度概説

(獲得)

  2007.6.18 10:0012:00実施

  問題用紙と解答用紙セットでA4プリント23枚。名前書くのがタイヘンでした。

  不合格:?人

 

「総論」担当:高柳

【1】次の文の(  )に適語を記せ。

 1)McCune-Albright症候群は思春期早発症、(  )、皮膚色素斑(Café Aurait Spot)をtrias

する疾患で、種々の内分泌機能亢進症を合併する遺伝性疾患である。病因は(  )遺伝子の突

然変異による細胞内情報伝達系の持続的亢進と考えられている。

 

 2)アンドロゲン受容体のDNA結合ドメインに変異を持つアンドロゲン不応症ではアンドロゲン受

容体に対するアンドロゲンの結合能は(  )で、転写活性化能は(  )している。

 

 答:1)多骨性線維性骨異形成、Gsα 2)正常、低下

 

 

【2】下図のCRH負荷試験についてa,b,c,dに対応する視床下部、下垂体・副腎皮質疾患を(  )

に1つ記せ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 答:a)下垂体機能低下症、ACTH単独欠損症など  b)視床下部性下垂体機能低下症

   c)クッシング症候群  d)異所性ACTH症候群

   ちなみに、一番目の○はアジソン病、四番目の●はクッシング病

 

 

「副腎」

【1】64歳男性、会社の検診で糖尿病を発見され、来院。理学所見で中心性肥満、満月様顔貌、水牛様

肩を認める。検査所見では白血球15,000/mm3、好中球80%、血清コルチゾール値は測定感度以下

であった。鑑別診断としてもっとも適切なものを一つ選んで○をつけよ。

  1)下垂体腫瘍によるクッシング病  2)異所性ACTH産生腫瘍  3)コルチゾール抵抗性

  4)副腎腫瘍によるクッシング症候群  5)糖質コルチコイド製剤の服用

 

  答:5

 

 

【2】副腎球状層から分泌される代表的ステロイドホルモンは?

 

  答:アルドステロン

 

 

【3】急性副腎不全の原因を3つ書きなさい。

 

  答:副腎出血、アジソン病の急性増悪、コルチゾール産生腫瘍摘出、ステロイド療法の急激な離脱、

   副腎ステロイド合成阻害薬など

 

 

【4】原発性アルドステロン症の臨床的特徴と診断のための要点を簡潔に述べよ。

 

  答:アルドステロン過剰分泌によりNa+と水の再吸収↑、K+H+の排泄↑をきたし、頭痛、拡張

期高血圧、筋力低下、易疲労感、夜間多尿などの症状を呈する。検査上低レニン、高アルドステ

ロン、低K+、アルカローシスを示す。フロセミドなどの利尿薬の服用を除外する必要がある。

 

 

【5】褐色細胞腫の5Hとは?(日本語でも可)

 

  答:高血圧、高血糖、代謝亢進、頭痛、多汗

 

 

【6】高血圧を呈する先天性副腎過形成症候群の病型を二つあげなさい。

 

  答:11β-ヒドロキシラーゼ欠損症、17α-ヒドロキシラーゼ欠損症

 

 

「性腺・下垂体1」

【1】性腺機能低下症、性分化異常症に属する以下の説明に該当する疾患名を挙げてください。

1)性染色体が47XXY、女性化乳房や無精子症を呈する原発性性腺機能低下症。

2)嗅覚脱失ないし低下を伴う続発性(低ゴナドトロピン性)性腺機能低下症。

3)その完全型欠損は精巣性女性化症候群と呼ばれ、外見は女性型、腟が盲端、子宮はなく、思春期

以降に原発性無月経を主訴に病院を受診し初めて診断される。

 

 答:1)クラインフェルター症候群 2)カルマン症候群 3)アンドロゲン受容体異常症

 

 

【2】性分化異常、性腺機能低下症に関する以下の文で正しいものに○、間違っているものに×をつけ

てください。

1)男性性腺機能低下症を見た場合、hCG試験、LH-RH負荷試験などにより、障害部位が中枢性か

末梢性かと鑑別することが治療の選択の上で不可欠である。

 2)3β-hydroxydehydrogenase欠損症、11β-hydroxylase欠損症、21-hydroxylase欠損症などは総

称して、先天性副腎過形成と呼ばれる。

3)胎生期に副腎アンドロゲンの高値を呈する21-hydroxylase欠損症は、女児の男性化を来す女性

仮性半陰陽の原因の一つである。

4)高プロラクチン血症は女児では無月経、男児ではインポテンツなどの続発性性腺機能低下症の原

因となる。

 

 答:1)○ 2)○ 3)○ 4)○

 

 

【3】先端巨大症に関する以下の文で正しいものに○、間違っているものに×をつけてください。

 1)先端肥大症は成長ホルモン(GH)の過剰分泌が骨端線閉鎖後に生じた場合に見られ、その99

は下垂体のGH産生腫瘍が原因であり、多くはmacroadenoma(>10mm)として発見される

 2)先端肥大症では、TRHあるいはLH-RH負荷試験でしばしば奇異性反応を認め、GHの増加をみ

る。

 3)先端肥大症の薬物療法として、ブロモクリプチン(パーロデル)、オクトレオチド(サンドスタ

チン)が用いられる。

 4)先端巨大症患者の死因の第一位は心血管合併症である。

 5)治療目標はソマトメジンCの正常化ならびに75g経口ブドウ糖負荷試験でGHの頂値が1ng/ml

以下である。

 6)McCune-Albright症候群やCarney complexに合併することがある。

 

 答:1)○ 2)○ 3)○ 4)○

 5)× 底値(レジュメが間違っているので注意してください) 6)○

 

 

「副甲状腺・Ca代謝」

【1】正しいものを選びなさい。

検診で血中Ca13.5mg/dlを指摘され来院。intactPTH高値であれば、(@)が考えられたが、

intactPTHは低値で、PTHrPが上昇していたため、(A)が考えられ、全身検査が必要であった。

1)下垂体腫瘍  2)膵ラ氏島腫瘍  3)尿路結石症  4)骨粗鬆症

5)副甲状腺機能亢進症  6)腫瘍随伴性高カルシウム血症

 

 答:@ 5 A

 

 

【2】正しい組み合わせを選びなさい。

  意識障害の患者さんが、悪心、嘔吐にて救急外来を受診した。血中Ca18.5mg/dl。治療は?

1)生理食塩水を1L点滴後フロセミドを20mg静注  2)ビスフォスフォネート製剤点滴

3)ドーパミン製剤点滴  4)ステロイド  5)ビタミンD内服

 a)すべて b)345 c)123 d)124 e)125

 

 答:d

 

 

【3】カルシウム代謝調節の3主役は?

 

 答:副甲状腺ホルモン、活性化ビタミンD、カルシウム感受性受容体

 

 

「間脳・下垂体」担当:岡部

【1】以下の( )内をうめなさい。

1)下垂体腺腫により成長ホルモン(GH)が過剰に分泌される病態は、骨端線閉鎖前は(@)、骨端

線閉鎖後は(A)と呼ばれる。GHが過剰に産生される結果、肝臓からの(B)の産生が増加する。

下垂体のGH産生腺腫による症状として、GH分泌過剰による症状以外に、(C)、(D)などが認

められる。

 

2)血症浸透圧が高いにもかかわらず抗利尿ホルモンの産生が認められない疾患(病態)は(E)と

よばれ、一方、血症浸透圧が低いにもかかわらず抗利尿ホルモンの分泌が過剰になる疾患(病態)

は(F)とよばれる。

 

 答:@ 下垂体性巨人症  A 先端巨大症  B IGF-1  C 腫瘍による圧迫症状、(頭痛、視野障害)

   D 腫瘍増大による他の下垂体前葉ホルモン分泌障害に伴う症状、(無月経、乳汁分泌、性欲低下)

   E 中枢性尿崩症  F SIADH

 

 

【2】高プロラクチン血症をきたす疾患、病態を列記せよ。

 

 答:下垂体腺腫、異所性プロラクチン産生腫瘍、機能性視床下部障害、

鞍上部腫瘍・肉芽腫・感染症・血栓・骨折・手術による視床下部障害、

ドパミン受容体拮抗剤、脳内ドパミンを減少させる薬物、エストロゲン製剤、

原発性甲状腺機能低下症、胸壁疾患、腎不全、肝硬変など

 

 

「糖尿病」

【1】  以下の文章のうち正しいものには○を、誤っているものには×をつけなさい。(各1点)

1)2型糖尿病の多くは単一遺伝子の異常で発症する。

2)グリコアルブミンは2〜3週間の平均血糖を反映する。

3)スルホニルウレア薬は肥満2型糖尿病の第1選択薬である。

4)ビグアナイド薬は肝臓でのブドウ糖新生を抑制する。

5)チアゾリジン系薬物は膵β細胞からのインスリン分泌を促進する。

 

6)α-グルコシダーゼ阻害薬はフルクトースの吸収を選択的に抑制する。

7)インスリンは胎盤を通過し、巨大児の原因となる。

8)糖尿病昏睡に陥った場合はインスリン療法の絶対的適応である。

9)糖尿病神経障害は、非対称性末梢感覚神経異常が特徴である。

10)網膜症の増悪を認める糖尿病患者に対しては、インスリン療法によりできるだけ急速な血糖コン

トロールの改善をめざす。

 

11)糖尿病患者では無症候性心筋虚血が多くみられ、冠動脈造影では多枝病変であることが多い。

 12)糖尿病患者は中小動脈の多発閉塞(ラクナ梗塞)がよくみられる。

 13)糖尿病腎症によるネフローゼ症候群にはステロイドを使用する。

 

 答:1)× 2)○ 3)○ 血糖値によるが、SU剤が標準的 4)○

 5)× インスリン抵抗性改善薬 6)× 7)× 8)○

 9)× 四肢末端の対称性神経障害 10)× 急激なコントロールは網膜症を悪化させることあり

 11)○ 12)○ 13)× 降圧、血糖コントロール、蛋白制限。ステロイド投与は悪化する。

 

 

【2】メタボリックシンドロームについて知るところを記せ。(3点)

 

 解答例:生活習慣の悪化により内臓肥満の状態になると、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカ

インの産生調節異常が起こり、インスリン抵抗性、糖代謝異常、高血圧、動脈硬化、高脂血症

を引き起こし、心血管系疾患の危険因子となる。このため、このような状態をメタボリックシ

ンドロームと命名し、ライフスタイルの改善などで疾患発症前に予防する目的で導入されたも

のである。

 

     診断基準は、腹囲85cm以上(女性は90cm以上)が必須項目で、

@ トリグリセリド150mg/dlまたはHDL40mg/dl

A 収縮期血圧≧130mmHgまたは拡張期血圧≧85mmHg

B 空腹時血糖≧110mg/dl

のうち2つ以上を満たすもの。

 

 

「脂質」担当:遠城寺宗近

【1】誤っている組み合わせを選べ。

 a)アポ蛋白とは、コレステロールと中性脂肪をリン脂質で取り囲んでいる粒子のことで、その膜に

存在する蛋白をリポ蛋白という。

 b)中性脂肪とはグリセロールと3つの脂肪酸が結合したものである。

 c)食物中のコレステロール・中性脂肪(主にモノグリセリド)は小腸上皮で吸収され、再合成され

カイロミクロン(粒子)となり血中、リンパ液中に放出される。

 d)粒子の大きい順に並べると、カイロミクロン、VLDLIDLLDLHDLとなる。

 e)比重の軽い順に並べると、HDLLDLIDLVLDL、カイロミクロンとなる。

 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

 

 答:2

 

 

【2】誤っている組み合わせを選べ。

 a)カイロミクロンはLPL(リポプロテインリパーゼ)により中性脂肪を放出し、ややサイズの小さ

なカイロミクロンレムナントとなり、肝臓にレセプターを介して取り込まれる。

 b)VLDLは肝で合成され、血管内皮上に存在するLPL(リポプロテインリパーゼ)によって中性

脂肪を引き抜かれ、IDLへと変化する。

 c)IDLHepatic Lipaseにより中性脂肪を除かれ、cholesterol-richLDLとなり、各組織に存

在するLDLレセプターより取り込まれる。

 d)LDLLDLレセプターの結合にはapoEが必要である。

 e)高脂血症の血清を放置した場合、カイロミクロン↑↑ならクリーム層が検出でき、LDL↑↑なら

血清は混濁する。

 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

 

 答:5

 d)× apoB100

 

 

【3】正しい組み合わせを選べ。

 a)家族性高コレステロール血症は、WHOの高脂血症分類ではUa型(場合によってはUb型)に

分類される。

 b)家族性高コレステロール血症はLDLレセプターの異常であり、そのヘテロ型は500人に1人と

決してまれな病気ではない。

 c)家族性高コレステロール血症では、診察所見としてアキレス腱の肥厚を認めることがある。

 d)家族性高コレステロール血症では主にVLDLが蓄積し、その血清は白濁する。

 e)WHO分類V型高脂血症では、アポEの表現形がE2/E2のため、VLDLがその受容体で取り込

みにくくなり血中に蓄積され、電気泳動ではbroadβのバンドとなる。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:1

 d)× LDLが蓄積 e)× IDL

 

 

【4】正しい組み合わせを選べ。

 a)WHO分類T型の家族性リポ蛋白リパーゼ欠損症(familial LPL deficiency)ではカイロミクロ

ンが上昇し、中性脂肪の著明な上昇がみられ、膵炎を合併する恐れがある。

 b)高コレステロール血症の治療には主にフィブラート系薬剤が用いられるが、この薬剤はコレステ

ロール合成の律速段階を阻害する。

 c)高中性脂肪血症には主としてHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)が使用される。

 d)オメガ(ω)3系脂肪酸は魚油に多く含まれ、抗炎症作用、抗動脈硬化作用を有している。

 e)重篤な副作用として横紋筋融解症が懸念されるため、スタチン系薬剤とフィブラート系薬剤の併

用は原則禁忌である。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:3

 b)× フィブラート系ではなくスタチン類 c)× フィブラート系

 

 

「甲状腺」担当:岡村

【1】次の( )の中に最も適切と考えられる語句を記入してください。

 甲状腺疾患があるかどうかについて、最も簡便・有用で経済的な見つけ方は(1)である。

甲状腺疾患はA(2)・B(3)・C(4)の三つの視点から考える必要がある。

 

Aの視点から考えるとき血中の遊離T4TSHがともに基準範囲以下であれば(5)の可能性を考え、

ともに基準範囲以上であれば(6)(7)のような疾患を考える。

Bの視点からは(8)(9)(10)を測定するとよい。

Cの視点からは(11)検査と穿刺吸引細胞診が有用で、スリガラス様核、核内封入体、核のしわ、な

どの所見があれば、まず(12)を考える。

 

Thyrotoxicosis without hyperthyroidismと呼ばれる病態の中で最も頻度が多いのは(13)であり、

頚部に著明な圧痛を認めれば(14)を考える。バセドウ病との鑑別には血中の(15)の測定が有用であ

り、確定診断には(16)を測定する。バセドウ病のとき、一版生化学検査では(17)高値、(18)低値

が特徴的で、(19)などの不整脈、男性の場合は(20)麻痺を合併することがある。

 

甲状腺ホルモン合成には4個の(21)が必要であり、それが欠乏した地域に生まれた子どもたちは(22

をきたす危険がある。

バセドウ病の治療法としては抗甲状腺剤・手術・(23)の三つがあり、抗甲状腺剤の最も怖い副作用

は(24)である。

オタマジャクシを入れた水槽に抗甲状腺剤を含ませると、(25)が起こらない。

 

 答:1)触診 2)機能 3)免疫 4)形態 5)下垂体不全 6)TSH産生腫瘍

   7)甲状腺ホルモン不応症 8)抗Tg抗体 9)抗TPO抗体 10)抗TSH受容体抗体

   11)超音波 12)乳頭癌 13)無痛性甲状腺炎 14)亜急性甲状腺炎 15)抗TSH受容体抗体

   16)放射性ヨード摂取率 17ALP 18)コレステロール 19)心房細動 20)周期性四肢

   21)ヨード 22)地方性甲状腺腫 23)アイソトープ131I療法 24)無顆粒球症 25)変態

 

 

「乳腺外科」

【1】乳癌に関して下記の記述の中で、正しいものを選びなさい。

 a)視触診のみによる乳癌検診では乳癌患者の予後を改善できない。

 b)40歳以上の全ての女性に2年に一回のマンモグラフィー検診が推奨される。

 c)マンモグラフィーで区域性分布の線状・分枝状微細石灰化は乳癌の確定的所見である。

 d)穿刺吸引細胞診のみでは乳癌の診断は困難であり、確定診断には切除生検が必要である。

 e)超音波検査では腫瘤の存在診断は可能であるが、良悪性の鑑別は困難である。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:2

 a)○ マンモグラフィーによるスクリーニングが予後を改善できる

 b)○ 九大でも行われているそうです c)×     乳がんを疑う所見

 d)× 細胞診で基本的には診断できる。困難なときに針生検、外科的生検を行う

 e)○ 悪性を疑う所見はあるが、エコーのみで鑑別するのは困難である

 

 

【2】日本における乳癌の疫学として、正しいものを選びなさい。

 a)2000年の統計によると、悪性新生物による死者は約300万人である。

 b)2004年の統計によると、癌の部位別死亡率は乳房が第1位である。

 c)2004年の統計によると、癌の部位別罹患率は乳房が第1位である。

 d)乳癌の年齢別罹患率は40歳代後半にピークがある。

 e)2004年の統計によると、乳癌による死亡率は上昇し続けている。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:5

 a)× 30万人/年 b)× 5位(1998年統計) c)○ 女性では1位 d)○ e)○

 

 

【3】乳癌の治療に関して下記の記述の中で、正しいものを選びなさい。

 a)ほとんどの乳癌はホルモン受容体を持つため、術後補助療法は内分泌療法が第一選択となる。

 b)Tamoxifenでエストロゲンを遮断する治療は閉経前より閉経後に有効である。

 c)アロマターゼ阻害剤は閉経前乳癌の治療には無効である。

 d)閉経前・ホルモン受容体陽性乳癌に対するLH-RHアゴニストは抗癌剤治療に匹敵する効果を持

つ。

 e)腋窩リンパ節転移が陰性であれば、抗癌剤治療は不要である。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:1

 a)○ エストロゲンとプロゲステロン受容体の両方とも発現していないのは10%であり、副作用の

少ない内分泌療法を行うことが多い b)○ c)○

d)× 化学療法の方が奏功率は高い e)×

 

 

【4】乳癌の手術治療に関して下記の記述の中で、誤ったものを選びなさい。

 a)乳房温存術は増加しているが、乳房切除術は未だ最も多い術式である。

 b)乳癌は液窩リンパ節に高率に転移をきたすため、腋窩郭清は必須である。

 c)腫瘍型3cm以上の乳癌の多くは乳房切除術の適応である。

 d)乳房温存療法(乳腺部分切除+術後放射線治療)と乳房切除術の予後はほぼ同等である。

 e)腋窩・鎖骨下のみならず鎖骨上・胸骨傍リンパ節を郭清することにより予後が改善する。

 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

 

 答:2

 a)× 2003年に乳房温存術が上回った b)× c)○ d)○ e)×

 

 

「甲状腺・副甲状腺外科」担当:臨床・腫瘍外科 小島雅之

【1】甲状腺悪性腫瘍について正しいものを選びなさい。

1)濾胞癌は最も頻度の高い甲状腺悪性腫瘍である。

 2)乳頭癌は一般に予後が悪く、手術適応となることが少ない。

 3)乳頭癌はリンパ節転移が多い。 4)家族性の髄様癌には甲状腺全摘術を行う。

 a)12 b)23 c)34 d)134 e)14の全て

 

 答:c

 1)× 乳頭癌が最も多い 2)× 予後良好 3)○ 4)○

 

 

【2】副甲状腺機能亢進症について正しいものを選びなさい。

 1)長期腎透析患者に好発する。 2)多発内分泌腺腫症を考慮する必要がある。

 3)MIBIシンチは腫大腺の局在診断に有用である。

 4)続発性では全摘と一腺の自家移植、原発性では腫大腺切除を行う。

 a)1 b)12 c)23 d)234 e)14の全て

 

 答:e

 

 

1型糖尿病」担当:長淵 正法、医学部保健学科

【1】以下の説明で正しいものには○、誤っているものには×をつけよ。(8点)

 1)1型糖尿病の膵島関連抗体の代表は抗GAD抗体である。

 2)空腹時血中CPR0.5ng/ml以下を絶対的インスリン分泌不全とする。

 3)1型糖尿病の患者のインスリン自己注射は、できるだけ12回以下の回数にすることを目標と

する。

 4)低血糖昏睡のとき血糖上昇の目的で、ステロイドを注射する。

 5)糖尿病性ケトアシドーシスの急性期治療には、輸液、インスリンの投与のみならず、グルコース、

カリウムの補充が必要となる。

 6)食品交換表の表1で2単位は、米飯100gに相当する。

 7)1型糖尿病では、血糖コントロールの目標はHbA1c<9%である。

 8)1型糖尿病に経口剤であるα-GIを使用しても良い。

 

 答:1)○ 2)○ 3)× 4)× グルカゴン 5)○ 6)○ 7)× 6.5%未満 8)○

 

 

担当:下田 慎治

ウィルソン病とヘモクロマトーシスでの銅と鉄の代謝についての質問です。

上昇する場合は↑、低下する場合は↓を記入してください。

 

1)血中タンパク

   ウィルソン病     セルロプラスミン(  )

   ヘモクロマトーシス  トランスフェリン(変化なし)

 

 2)金属の血中レベル

   ウィルソン病     銅(  )

   ヘモクロマトーシス  鉄(  )

 

 3)金属の尿中レベル

   ウィルソン病     銅(  )

   ヘモクロマトーシス  鉄(変化なし)

 

 答:1)↓ 2)↓、↑ 3)↑

 

 

 

「核酸代謝」

【1】プリン体とピリミジン体についての記載で正しいものの組み合わせを選びなさい。

1)プリン、ピリミジン体は、核酸の構成成分として遺伝情報を伝達する媒体である。

プリン体は6員環を、ピリミジン体は5員環を有している。

2)DNARNAを作り出す原料となるリボヌクレオシドは、プリン体合成系では種々のアミノ酸か

ら作り出されるde novo合成系と、既に合成され、代謝された産物から再利用を図るsalvage

成系から供給される。

3)アデニン・グアニンはピリミジン塩基である。

4)カフェインは体を直接興奮させるのではなく、アデノシンの受容体に結合してアデノシンの鎮痛

作用を阻害して興奮作用を惹起する。

a)12 b)34 c)13 d)24 e)4のみ

 

 答:d

 1)× 2)○ 3)× プリン 4)○

 

 

【2】核酸の代謝異常についての記載で正しいものの組み合わせを選びなさい。

 1)ピリミジン代謝異常症であるUMP合成酵素欠損症では、オロット酸が代謝されずに蓄積し、オ

ロット酸尿症を呈する。

 2)salvage pathwayの酵素であるhypoxanthine phosphoribosyl transferase(HPRT)欠損症では、

高尿酸血症、中枢神経症状を呈する。

3)hypoxanthine phosphoribosyl transferase(HPRT)欠損症は、Lesch-Nyhan症候群とよばれ、常

染色体劣性遺伝であり、近親婚のある家系に認められることが多い。

4)アデノシンからイノシンへの反応を媒介する酵素adenosine deaminase欠損症では、細胞性免疫

の低下は著明であるが、液性免疫の低下は見られない。

a)12 b)34 c)13 d)24 e)4のみ

 

 答:a

 1)○ 2)○ 3)× 伴性劣性遺伝 4)× ともに低下

 

 

【3】痛風・高尿酸血症についての記載で正しいものの組み合わせを選びなさい。

 1)痛風は、関節リウマチが女性に多いことに比して、中年以降の男性・女性に同じくらいの頻度で

見られる。

2)急性痛風性関節炎は、第一足趾其関節に疼痛、発赤、腫脹することが最も多く、大部分が両側性

である。

3)痛風結節は、耳介部軟骨に好発し、ピロリン酸カルシウムの結晶を含んでいる。

4)産生過剰型の高尿酸血症に対して、排泄促進薬であるベンズブロマロンを用いると、尿中に尿酸

が多量に排泄されて、尿酸結石ができやすい。

a)12 b)34 c)13 d)24 e)4のみ

 

 答:e

 1)× 男に多い(圧倒的) 2)× 片側性 3)× 尿酸ナトリウム塩 4)○

 

 

【4】痛風・高尿酸血症についての記載で正しいものの組み合わせを選びなさい。

 1)痛風患者の20%に尿路結石症をみとめ、結石成分は大部分が尿酸塩であり、カルシウム結石が少

ないのが特徴である。

 2)コルヒチンは、発作後にはほとんど効果がない。前兆があったときに服用すると予防効果がある

とされている。

 3)痛風発作時は、高尿酸血症の改善なくして発作消失は難しいので、尿酸合成阻害剤アロプリノー

ルや尿酸排泄促進薬ベンズブロマロンを用いて、尿酸値を下げることが必要である。

 4)サイアザイド系降圧利尿薬や利尿剤フロセミドは、尿酸の再吸収を亢進させ、高尿酸血症を惹起

する。

a)12 b)34 c)13 d)24 e)4のみ

 

 答:d

 1)× 半数以上にカルシウム結石 2)○

 3)× 発作時はNSAID、ステロイド。尿酸値を下げると悪化する 4)○

 

 

「ビタミン」

【1】以下の文で正しくないものはどれか?

 1)ビタミンDは腸内細菌叢から内因性に合成される。

 2)骨粗鬆症の治療としてビタミンK投与が行われることがある。

 3)湿性脚気の症状として浮腫が出現することがある。

 4)ビタミンAは小児における風疹への免疫能との関与がある。

 5)ビタミンEは水溶性ビタミンである。

 a)124 b)135 c)145 d)234 e)235

 

 答:c

 4)× 麻疹

 

 

【2】次の組み合わせのうちで正しいものはどれか?

 1)ビタミンB6 Wernicke脳症  2)葉酸 シリング検査

 3)ナイアシン トリプトファン  4)ビタミンC - コラーゲン生合成

 5)ビタミンA欠乏 先天性胆道閉鎖症

 a)123 b)145 c)234 d)235 e)345

 

 答:e

 1)× B1 2)× ビタミンB12

 

 

【3】次の組み合わせのうちで正しいものはどれか?

 1)ビタミンB2 口角炎  2)腎臓 α1水酸化酵素

 3)ビタミンD欠乏 骨軟化症  4)血中PTH増加 血中P増加

 5)パントテン酸 ペラグラ

 a)123 b)124 c)234 d)235 e)345

 

 答:a

 4)× P低下 5)× ナイアシン欠乏でペラグラ

 

 

【4】以下の文で正しくないものはどれか?

 1)メチルマロン酸尿症はビタミンB12欠乏と関連がある。

 2)葉酸欠乏により血中ホモシステインが欠乏する。

 3)ビタミンA欠乏による眼球乾燥によりBitot斑が出現する。

 4)ビタミンDの作用として、腎臓の近位尿細管からのカルシウム再吸収促進がある。

 5)ビタミンK欠乏症では、原発性肝癌とは逆に血中PIVKAが減少する。

 a)123 b)124 c)234 d)245 e)345

 

 答:d

 2)× 血中ホモシステイン過剰となる 4)× 遠位尿細管 5)× どちらもPIVKA上昇

 

 

「下垂体」

【1】下垂体卒中の治療として適切な治療法は以下のどれか。

 1)経過観察  2)ブロモクリプチンによる薬物治療

 3)経蝶形骨洞手術による減圧術  4)開頭手術による減圧術

 

 答:3

 

 

【2】下垂体腺腫についての文章で誤っているのはどれか。

 1)下垂体後葉から発生することがほとんどである。

 2)機能性腺腫と非機能性腺腫に分けられる。

 3)ほとんどが生物学的に良性の腫瘍であるが、硬膜や骨に浸潤性の発育をすることがある。

 4)非機能性腺腫は鞍上部進展を示し、視力視野障害をきたして発見されることが多い。

 

 答:1

 1)× 前葉

 

 

【3】下垂体腺腫の治療について正しいのはどれか。

 1)トルコ鞍内に限局する1cm大の非機能性下垂体腺腫は絶対的手術適応である。

 2)成長ホルモン産生腫瘍に対する第一選択は手術療法である。

 3)プロラクチン産生腫瘍に対する第一選択は手術療法である。

 4)再発性の非機能性性下垂体腺腫には薬物療法が有効である。

 

 答:2

 

 

【4】経蝶形骨洞手術の利点を一つ選べ。

 1)術野が広い。 2)鞍上部の外側、後方に進展している症例にも有効である。

 3)患者への侵襲が開頭手術に比べて少ない。

 4)トルコ鞍上部の構造を直視下に収めながら手術を行うことが可能である。

 

 答:3

 

 

「骨粗鬆症」担当:整形外科/リハビリテーション部 高杉 紳一郎

【1】高齢者の転倒骨折の好発部位として誤っているものを一つ選べ。

 a)橈骨  b)上腕骨  c)脊椎  d)大腿骨  e)脛骨

 

 答:e

 

 

【2】転倒骨折の予防対策として誤っているものを一つ選べ。

 a)履物の指導  b)下肢筋力の強化  c)住居のバリアフリー化

 d)ベッド上での安静  e)白内障の治療

 

 答:d

 

 

「骨粗鬆症」担当:整形外科 神宮寺 誠也

【1】骨粗鬆症の危険因子として誤っているのはどれか。

 a)高齢  b)肥満  c)多量の飲酒  d)多量の喫煙  e)過度のコーヒー飲用

 

 答:b

 

 

【2】骨粗鬆症に対する薬剤として総合評価Aとされているのはどれか。2つ選べ。

 a)カルシウム  b)ビタミンK2製剤  c)カルシトニン  d)ビスフォスフォネイト

 e)選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM塩酸ラロキシフェン)

 

 答:d,e

 

 

「乳腺外科」

【1】乳腺腫瘍の説明として正しいのはどれか。

 a)乳腺腫瘍で上皮細胞と筋上皮細胞の二相性が保たれた増殖は良性腫瘍の特徴とされる。

 b)乳管内乳頭腫は間質への浸潤性発育を特徴としている。

 c)線維腺腫は20代、30代に多く見られる。

 d)日本人の乳癌は50代に発生のピークが見られる。

 1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)adのすべて

 

 答:1

 

 

【2】乳癌の説明として正しいのはどれか。

 a)乳腺粘液癌は若年者に多く見られる組織型である。

 b)乳腺粘液癌は手術後の予後の極めて良好な組織型である。

 c)乳腺髄様癌は間質へのリンパ球浸潤を特徴としている。

 d)乳腺髄様癌は腫瘍細胞の異形の程度が軽いことを特徴としている。

 1)acdのみ 2)abのみ 3)bcのみ 4)dのみ 5)adのすべて

 

 答:3

 a)× 閉経後の女性に多い b)○ 手術すれば10生率90%以上 c)○

 d)× 退形成が高度にも関わらず、術後の予後は良い

 

 

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