平成15年度 「臨床検査・放射線医学」 卒業試験

 

2. 上部消化管造影について正しいものを選べ。

A胃内に残渣等が残っていればバリウムの付着が悪くなる。

B立位造影では胃角を含めて胃のヘンエンまで造影される。C圧迫造影では隆起病変が映し出される。

D二重造影法では粒子の大きさの違う二種類のバリウムを用いた造影法である。

E二重造影法では病変部を描出しやすいよう、前壁は腹臥位、後壁は背臥位で行う。

1ABC 2ABE 3ADE 4BCD 5CDE

解答2

解説 C・×隆起性病変では丸く抜け、陥没性病変では変化なし。

   D・×二重とは陽性造影剤のバリウムと陰性造影剤の空気のこと

 

3.正しいのはどれか?

1.咽頭食道移行部の後壁にできる憩室はMeckel憩室である

2、食道表在癌の診断には内視鏡のほうが透視よりすぐれている 3、アカラシアは食道拡張をきたす

4、Barret食道は腺癌の発生母地となる  5、食道表在癌はリンパ節転移をともなわない

a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5)

解答d

解説1.Meckel憩室は回盲部より60cm口側の腸間膜付着部の反対側にある。

  2.○ 3.○4.?  5.×表在癌のうちリンパ節転移を伴わないものを早期癌という。

 

5胃透視でbridging foldを示すものを3つえらべ

1、過形成性ポリープ   2、平滑筋腫   3、脂肪腫   4、腺腫   5、癌

解答2,3、?

解説bridging foldとは粘膜ひだが隆起性病変をまたぐように見えるもの

 

7注腸造影検査について正しいものはどれか。

a.大腸内の便や残渣を少なくするため前処置が必要である  b.バリウムを肛門から注入する

c.空気を肛門から注入する  d.胃透視で使用するよりも高濃度のバリウムを使用

e.鎮痙剤は使用しない

1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde

解答1.

 

8.虚血性大腸炎について正しいもの。

a.拇指圧痕像を認める。    b.全周性に及ぶとapple core signを認める。  c.輪状潰瘍を認める。

d.すみません、忘れてしまいました。(明らかに違う内容でした)  e.著明な浮腫を認める。

1ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

解答1.?2?

解説 a.○注腸造影でみられる b.?大腸癌の所見  c.×腸結核でみられる

   e.?内視鏡検査では粘膜下組織の浮腫がみられる

 

9.大腸憩室について正しいものえらべ

(1)バリウムを用いた造影はきんきである   (2)多発するのはまれである

(3)がんの合併が多い   (4)上向結腸とS状結腸に多い   (5)出血の原因となる

1ab 2ae 3bc 4cd 5de

解答(5)

解説1.×バリウム貯留によりtear dropを呈する 4.○本邦では3/4が右側結腸に発生。

 

10.メッケル憩室について正しいのはどれか。

a小児の腹痛、下血の原因となる。   b小腸の粘膜に胃粘膜組織か見られることがある。

c憩室は腸間膜付着部に存在する。  d小腸造影では憩室は描出されない。

eメッケルシンチではほぼ前例が陽性となる。

ab  ae  bc  cd  de

解答1

解説 a.○乳児期に多い     b.○  c.×腸間膜付着部対側に存在    d.×

   e.×60%の症例でメッケル憩室に異所性迷入胃粘膜を伴い99mTCO4-シンチでhot spot

 

13.大腸早期癌について正しいもの。

a 陥凹型が多い。  b 忘れました。 c 有茎性腫瘍は粘膜下層に浸潤すると、茎が太く短くなる。

d 進達度診断には超音波内視鏡検査が有用である。

e 進達度診断には造影X線で側面の評価が有用である。

1 abc 2abe 3ade 4bcd 5cde

解答c?

解説a.×早期癌ではⅢ型の陥没型はほとんどなく、この時点で筋層まで浸潤しているため、進行癌分類される。   c.? d.e.

 

15.胸部X線写真について正しいものを選べ。

a.Air bronchogramは主として間質性病変に見られる所見である。

b.kerley B lineは肺門部より放射状に見られる線状影である。

c.Extrapleural signとは病変が肺内か肺外かの区別に有用なサインである。

d.境界が明瞭な斑状の水濃度を示す陰影は、肺胞性陰影の特徴のひとつである。

e.シルエットサインは病変の部位を推定するのに有用なサインである。

A.a b c    B.a b e    C.a d e    D.b c d    E.c d e

解答E

a.×.間質性病変でもみられるが主として固質化のときにみられる b.×BlineAline  c.○d?e.

 

16.無気肺について正しいものはどれか。

 a 右下葉では側面像で肺底後部にシャープな三角形の陰影として認められる。

 b 左下葉では側面増では認めがたい。 c 中葉では正面像で心陰影とシルエットサインをつくる。

 d 左下葉では下行大動脈とシルエットサインをつくる。

 e 右上葉では正面像で辺縁が不鮮明である。

1 ab  2 ae  3 bc  4 cd  5 de

解答3

解説a.×三角形→四角形b.×?c.d.○下行大動脈の下半分とシルエットサインをつくるe.×?

 

17.肺胞陰影を呈するものはどれか。

 a 塵肺  b 癌性リンパ管症  c サルコイドーシス  d 肺炎  e 肺水腫

1 ab  2 ae  3 bc  4 cd  5 de

解答5

解説a.?b.×間質性陰影c.×間質性陰影d.e.

 

18.関係の深い組み合わせを選べ。

 a 縦隔腫瘍-extrapleural sign  b 肺胞性陰影-air bronchogram

 c 粟粒結核-silouer sign  d 肺癌-Kerley's B line  e 間質性陰影-vanishing lung

1 ab  2 ae  3 bc  4 cd  5 de

解答1

解説a.b.c.×おそらくsilhoette signのことd.肺水腫の所見e.×肺のう胞症の所見

 

19 前縦隔に好発するもの

a奇形腫  b神経線維腫  c気管支のう胞  d胸腺腫  e胸郭内甲状腺腫 で普通の三択

解答a.d.e

解説 神経線維腫は後縦隔、気管支のう胞は中縦隔に好発する。

 

20.次のうち胸腺腫に合併するものを二つ選べ。

a.重症筋無力症   b.嚢胞腎   c.慢性骨髄性白血病   d.骨髄腫   e.赤芽球癆

1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e

解答2a,e

解説:胸腺腫の約30%が重症筋無力症、約5%に赤芽球ろうが合併

 

21.正しい組合せはどれか。

a.偽副甲状腺機能低下症-brown tumor   b.糖尿病-neurotrophic osteoarthritis

c.進行性全身性硬化症-皮下組織の石灰化   d.くる病-軟骨関節の狭小化

e.副甲状腺機能亢進症-Looser's zone

1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

解答3?

解説a.×brown tumorは副甲状腺機能亢進症の骨症状の一つ  b.c.

d.×?肋骨軟骨接合部の拡大  e.×骨軟化症、くる病でみられる骨改変層

 

23.マンモグラフィーの所見について正しいものはどれか?

a)腫瘍の辺縁が分葉傾向を示すものは癌である。  bhalo sign は癌の所見である。

cspiculation は癌を強く疑う所見である。  d)腫瘍陰影内の微細石灰化は癌を疑わせる。

e)dense breast は若い女性や授乳期の女性に見られる。

1.abc   2.abe   3.ade   4.bcd   5.cde

解答5?

解説a.葉状腫瘍の所見b.×線維腺腫の所見c.d.e.

 

24.乳腺の超音波について正しいものはどれか。

1、大小の嚢胞が多発する病変は乳腺症の特徴である。

2、腫瘤の縦隔比が1以上のものは癌の可能性が高い。

3、エコーでは石灰化の描出は困難である。  4、通常、癌は周辺の乳腺組織より高エコーを示す。

5、腫瘤の辺縁に厚い境界エコーを有するものは癌を疑う。

 a,123 b,125 c,142 d,234 e,345

解答a

解説1.2.3.○マンモグラフィーの方が石灰化は見つけやすい4.×低エコーを示す5.×境界は不整

 

25.乳腺について正しいのはどれか。

 a 乳癌は内側上部に好発する。  b わが国の女性においては乳癌訂正罹患率は第1位である。

 c 未婚女性は乳癌のハイリスク群である。

d マンモグラフィーは通常乳腺を圧迫して撮影する。  e 乳癌は乳腺内にとどまることが多い。

1 abc  2 abe  3 ade  4 bcd  5 cde

解答4

解説a.×外側上部に最多b.c.○未婚、未産、高齢出産、早い初潮、遅い閉経、家族歴などが危険因子

d.e.×乳管内にとどまる非浸潤癌は約5~8%

 

27 脳血管障害のCTについて正しい組み合わせを選べ

a 脳梗塞は発症後6時間経過すればほぼ100%診断可能である

b 脳出血は発症直後よりほぼ100%診断可能である  c 新鮮な出血巣は高吸収域として同定される

d くも膜下出血では通常脳底部の脳槽が高吸収を示す

e 脳梗塞で造影剤による増強をみるのは稀である

  (1)abc (2)abe (3)ade (4)bcd (5)cde

(解答)4?

a→×脳梗塞は1224時間経過しないと低吸収域は明らかにならない。2472時間では低吸収域は明らかになり、脳室、脳溝を圧迫する。数日から数週間では正常に見え(fogging effect)、この時期の造影CTで病変は増強される。

b→○発症直後は診断可能。慢性期には脳梗塞との鑑別が難しい。  c→正しい。

d→正しい。その後、脳表のくも膜下腔や脳室系へと広がる。2週間後には等吸収値となり、消失する。その後、髄液循環障害による水頭症が見られることがある。

e→×aの解説を参照して下さい。また、脳出血では発症数日から数週間に出血部位の周辺が輪状に増強される。

 

28 正しいのはどれか

a 頭蓋内動静脈奇形にはmicrocoilによる栄養動脈の塞栓術を行う

b 外傷性動静脈ろうの治療にはmicrocoilを用いる。

c 大量の鼻出血は外頚動脈の塞栓術の適応である。

d 膠芽腫では手術中の出血の減少を目的に術前に塞栓術を行うことが多い

e もやもや病における内頚動脈終末部の狭窄はPTAの適応である

1 ab 2 ae 3 bc 4 cd 5 de

(解答)3

(解説)a→×microcoilではなく、液体塞栓物質を使用する

   b→○  c→○  d→×?  e→×?内頚動脈終末部の狭窄はPTAしにくい?

 

29.脳腫瘍のCT所見について正しいのはどれか。

a 下垂体線腫は造影剤投与によりほとんど増強されない。

b 聴神経鞘腫は通常病変側の内耳道の拡大を伴う。

c 髄芽腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収域を示すことが多い。

d 髄膜腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収域を示すことが多い。

e 髄芽腫は造影剤投与により通常均一に増強される。

1 abc 2 abe 3 ade 4 bcd 5 cde

(解答)4

(解説)a→×増強される。ただし正常の下垂体より弱い。

   b→○内耳道の漏斗状の拡大を認める。  c→○正しい  d→○等~やや高吸収域を示す

   e→×?増強の程度・性状は様々。(yaer noteでは均一に増強と書いてあります。)

 

CT

MRI

造影所見

星細胞腫

等~高吸収

T1lowisoT2isohigh

均一に増強

膠芽腫

高~低吸収の混在。内部構造が不均一。

T1lowisoT2isohigh

強度かつ不整

髄芽腫

均質でやや高吸収

T1lowisoT2isohigh

増強の程度・性状は様々

乏突起細胞腫

低吸収+石灰化

T1lowisoT2isohigh

比較的均一

脳室上衣腫

等~高吸収

T1lowisoT2isohigh

増強はあるが程度は様々

聴神経鞘腫

等吸収が多い

T1low T2high

増強は強い

下垂体腺腫

等~高吸収。トルコ鞍の拡大

T1lowisoT2isohigh

正常の下垂体に比べて増強は弱い

血管芽腫

実質は等~高吸収。嚢胞は低吸収

T1lowisoT2isohigh

腫瘍内にflow void

嚢胞壁の結節が増強される

頭蓋咽頭腫

低~高吸収の混在。

実質はT1lowisoT2isohigh 。のう胞はT1low T2high

実質は増強される

転移性脳腫瘍

等~高吸収。中心の壊死部は低吸収。

T1lowisoT2isohigh

リング状の強い増強効果。

髄膜腫

等~高吸収

T1lowisoT2isohigh

腫瘍内にflow void

均一に強く増強。周辺硬膜の肥厚(dural tail)

 

31.血管造影上、一般に血管に富む腫瘤として描出されるのはどれか。

a.髄膜腫   b.乏突起膠腫   c.頭蓋咽頭腫   d.多形成膠芽腫   e.腎癌脳転移

1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde

(解答)3

(解説)a→○硬膜動脈が主栄養動脈であり、腫瘍付着部からsunburst appearanceが認められる。腫瘍濃染は濃く、静脈相まで続く。

b→×CT上低吸収と石灰化。新生血管は見られない。  c→×

d→○径不整な腫瘍血管。動脈相~毛細血管相の不均一な濃染。

e→○毛細血管相で染まり、早期静脈がときに出現

 

32.頭部CTについて正しいのはどれか。

(a)脳梗塞には造影剤増強効果は見られない。  (b)新鮮な血腫は脳実質より高吸収を示す。

(c)脳梗塞が発症直後から明瞭なことは少ない。

(d)後頭蓋窩は骨のartifactが多いため,小さい梗塞は診断しにくい。

(e)くも膜下出血の分布で破裂動脈瘤の部位は高頻度で特定可能である。

  (1)a,b,c  (2)a,b,e  (3)a,d,e  (4)b,c,d  (5)c,d,e

<解答>4

(a)× 脳梗塞では,発症時にはCT上ではっきりと低吸収域として認められた部位が,その後の血流の再潅流のため等吸収となり,病変部がはっきりしない場合がある(fogging effect)。

(b)○ 脳出血においては発症直後の方が,出血巣がCT上明瞭な高吸収域となるため,診断は容易である。

(c)○ 早期診断にはMRIが有効。CTではlow intensityになるまでに2~3日かかる

(d)  (e)× 原因や出欠部位の如何を問わずくも膜下腔に血液が広がるので特定は難しい。 

 

34.硬膜下血腫と硬膜外血腫について正しい選択肢を選べ。

a.CT上で硬膜外血腫は凹レンズ状の高吸収域を呈する。

b.CT上で硬膜下血腫は凸レンズ状の高吸収域を呈する。

c.CT上で硬膜外血腫は三日月状の高吸収域を呈する。

d.CT上で硬膜下血腫は三日月状の高吸収域を呈する。

e.CT上で硬膜外血腫は凸レンズ状の高吸収域を呈する。

  1ab 2ae 3bc 4cd 5de

(解答)5

(解説)a c e→凸レンズ状の高吸収域を呈する  b d→三日月状の高吸収域を呈する

 

35.血管内ステント留置の適応になる血管はどれか

a.上腸間膜動脈   b.腸骨動脈   c.鎖骨下動脈   d.中大脳動脈   e.膝窩動脈

  1ab 2ae 3bc 4cd 5de

(解答)3

(解説)ab→○c→○?de

 

36.脳実質内腫瘍で頻度が高いものはどれか?

a悪性リンパ腫   b胚芽腫   c血管芽腫   d転移性脳腫瘍   e神経膠腫

  1ab 2ae 3bc 4cd 5de

(解答)5

(解説)a→まれb34c→まれd→ e3040(脳腫瘍のうちでの%)

 

37.脳実質外の脳腫瘍で頻度の多いものを選べ。

a血管腫   b頭蓋咽頭腫   c髄膜腫   d神経鞘腫   e悪性黒色腫

  1ab 2ae 3bc 4cd 5de

(解答)4

(解説)a→ b→数%c23d10e→肺癌、乳癌の方が頻度大(脳腫瘍のうちでの%)

 

39治療可能比について正しいのはどれか?

a.腫瘍の酸素分圧が高いと、治療比は高くなると考えられる。

b.未分化な組織ほど放射線感受性が高いことを治療可能比は高いという。

c.治療可能比の改善は線量分布の改善で得られる。

d.放射線治療成績の向上には治療可能比改善を考えねばならない。

e.seminomadysgerminomaは治療可能比が高い。

1 abc  2 abe  3 ade  4 bcd  5 cde

(解答)3

(解説)a→○一般に酸素分圧が高いほど効果大。

酸素分圧1020mmHgまで比例。2.無酸素状態の2.53倍の感受性。

b→×治療可能比(TR)=腫瘍致死線量(9095%致死線量)/正常組織の耐容線量(障害の発生が5%以上)。これが1より低いと放射線治療は見合せる。

c→×制癌剤の併用や、時間線量配分を変えること(分割照射)で治療可能比は改善される。d→○ e→○

 

 

 

 

40.放射線治療の適応について正しいものはどれか。

1.脳腫瘍の中でもpinealomamedulloblastomaは特に奏功しにくい。

2.甲状腺は一般に放射線治療のみで制御しうるが、未分化癌は手術が優先する。

3.喉頭癌、上咽頭癌は早期であれば放射線治療のみで制御しうる。

4.舌癌、子宮頸癌は密封小線源による治療のよい対象である。

5.悪性リンパ腫の早期のものは、比較的少ない線量で局所制御しうる。 

 a123 b125 c145 d234 e345

(解答)e

(解説)1→×medulloblastomaは放射線に感受性大、pinealomaもよい適応

   2→×甲状腺癌は一般に手術。ただし未分化癌は手術適応なし

   3→正しい。   4→正しい。  5→正しい。進行すると化学療法を追加。

 

41.放射線治療について正しいのはどれか。

a 悪性リンパ腫は術前の照射の上、手術を行う。

b 甲状腺癌の未分化癌は一般に放射線治療が第一選択となる。

c 食道癌ではしばしば放射線化学療法が行われ、手術に匹敵する成績が得られている。

d 脳腫瘍は感受性が低いので、一般に放射線治療の適応にならない。

e 転移性骨腫瘍は第一に手術の適応となる。

  1 ab  2 ae  3 bc  4 cd  5 de

(解答)3?

(解説)a→×悪性リンパ腫は放射線、化学療法がメイン。手術は消化管などのときに限る。

b→○   c→基本的に手術だが、早期の食道癌では放射線化学療法が行われ、手術に匹敵する成績が得られている。  d→×ガンマナイフなどが有名  e→×転移がなければ手術

 

42 非進展例の場合、外科手術とほぼ同じ放射線治療成績が得られるのはどれか?

a 舌癌   b 喉頭声門癌   c 子宮頚癌   d 胆管癌   e 胃癌

 1abc  2abe  3ade  4bcd  5cde

(解答)1

(解説)a→○b→○c→○d→×手術がメイン。e→×手術がメイン。

 

43.設問(例:強く増強を示す部位が,ほぼ全例に認められる脳腫瘍はどれか。

a.星細胞腫   b.類上皮腫   c.微小下垂体腺腫   d.転移性脳腫瘍   e.髄膜腫

 1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e 

(解答)5?

(解説)a.→大脳のastocytomaではenhance()であり、小脳ではよくenhanceされる。

     分化度により様々。良性では異常血管は少なく、悪性では異常血管は多い。

b.→増強されない。  c.Gdで増強される。  d.→円形もしくはリング状の増強。

e.→血流豊富であるためよく増強される。

 

44.密封小線源治療について正しいのはどれか。

a 線源としては137Cs198Au192Irがよく使われる。

b 舌癌、子宮頸癌はその最も良い適応である。

c 現在、用いられているのは早期の舌癌と早期の子宮頸癌が主である。

d 線源のβ線を利用する治療法である。 e 医療従事者の被爆を考えねばならない。

1 abc  2 abe  3 ade  4 bcd  5 cde

(解答)?すべて正しい

(解説) 外部照射と異なり、線源を体内において治療する技法を密封小線源治療という。また非密封小線源治療とは甲状腺腫瘍の131I治療のように、腫瘍に親和性のあるラジオアイソトープを体内に投与する方法。

 a→○198Auを舌癌(永久刺入用シード)に使用192Irヘアピン→舌癌ワイヤー→胆管癌に使用

b→○c→○d→○?β線だけでなくγ線も使用する。

e→○遠隔操作するなどして医療従事者の被爆を考えねばならない。

 

46.口腔内腫瘍の放射線治療について正しいのはどれか。

a 早期舌癌は放射線治療の適応ではない。

b 局所が早期舌癌であれば、頚部リンパ節転移も根治的放射線治療の適応となる。

c 早期口腔底癌は放射線治療の適応である。 d 頭頸部癌は消化管、呼吸器の腫瘍を伴うことが多い。

e 舌癌はT4であっても放射線治療のみで完治する。

1 ab  2 ae  3 bc  4 cd  5 de

(解答)4

(解説)a→×機能温存を考え、よい適応。

b→?頚部リンパ節転移は郭清する。原則的にT2までの早期例の場合は放射線治療を行い、T3以上の進行例の場合は手術、あるいは手術と放射線治療あるいは化学療法(抗癌剤)を併用する。また、リンパ節転移がある場合、T2以下でもリンパ節を手術で切除することがある。T2以下の症例の放射線治療は、原則的に患部に放射線源を直接刺入する組織内(小線源)照射を行う。また、頸部リンパ節転移を認める場合や、原発巣の性状から必要と認められる場合は外部照射を加えることがある。

c→○T1T2は放射線治療のみで制御される。

d→○食道癌、胃癌、結腸癌など消化器癌や肺癌の併発がある。e→×切除する

 

47.喉頭癌の放射線治療について正しいものを選べ。

a 成績は下咽頭癌のそれに劣る。

b 機能保全のためにまず放射線照射し、効果が少なければ手術に切りかえるのがよい。

c すでに軟骨に浸潤しているような進行癌では手術を前提とした術前照射が行われる。

d glotticの方がsubglotticより発見されやすく、成績もよい。

e 見えやすいsupraglotticの方がglotticより反応がよく分かり、成績もよい。

1 abc  2 abe  3 ade  4 bcd  5 cde

(解答)4

(解説)a→×下咽頭癌が頭頸部の中でもっとも予後不良   b→○   c→○   

d→○声門癌が最も予後良好   e→×声門上癌はリンパ節転移が多く予後不良

 

48.頭頸部腫瘍について正しいものはどれか。

a 上顎癌の放射線治療では左右対向二門照射が一般的である。

b 舌腫瘍は早期であれば、原発巣は組織内照射、頸部リンパ節転移は手術が一般的である

c 上咽頭癌では放射線化学療法を行うのが普通である。

d 喉頭腫瘍のうち、声門上部癌は、まず部分切除が行われ、その後照射が行われる。

e 下咽頭癌では嚥下障害が発生するので、早期例が多く、よい放射線治療の適応である。

  1 a,b   2 a,e   3 b,c   4 c,d   5 d,e

(解答)3

(解説)a→×直交2門   b→○  c→○解剖学的に手術が困難

   d→×まず放射線が第一選択   e→×早期には痛み。嚥下困難は来しにくい。

 

 

 

49. 頭頸部腫瘍の放射線治療について正しいのはどれか。

(a)上顎洞癌は原体照射,密封小線源腔内照射等を組み合わせると,放射線治療のみで高い治癒率が期待できる。

(b)舌癌のうち原発巣の小さなものは組織内照射でcontrolできるが,原発巣の大きなもの,頸部転移のあるものはmultimodal treatment集学的治療を要する。

(c)喉頭癌の早期例は放射線治療で治癒させ得るが,頸部転移巣は手術がよい。

(d)上咽頭癌は頭蓋内進展もあるので,放射線治療が行われる。

(e)甲状腺癌は未分化癌であっても放射線感受性が低く,手術が第一選択となる

(1)a,b,c  (2)a,b,e  (3)a,d,e  (4)b,c,d  (5)c,d,e

<解答>4

(a)×上顎洞癌は広範な切除と40~50Gyの放射線治療と化学療法三者併用療法となる。

(b)○癌に対する放射線と手術での治療成績はほとんど変わらないので機能保存の面からは放射線治療が行われる。放射線治療はRa針による組織内照射のほか、198Auグレイン組織内照射や電子線腔内照射も有用である。頚部リンパ節転移では手術が行われる。

(c)○喉頭癌は扁平上皮癌でT1,T2であればほとんど転移がなく、6070Gy/67週で根治的照射が行われる。機能保存の点で放射線治療が第一選択となる。

(d)○上咽頭癌の悪性腫瘍は未分化の扁平上皮癌、悪性リンパ腫が多く、また解剖学的な位置関係から手術は難しいので一般に放射線治療が選ばれる。

(e)×手術適応はなく、放射線と化学療法を行う。予後は発病後6ヶ月以内に大部分の症例が死亡する。

 

50.乳癌について正しいものを選べ。

a.最も多く見られ、臨床上問題になるのは肝臓への転移である。

b.根治的乳房切除の後、胸壁、腋窩、傍鎖骨領域に放射線の大量照射を行えば治療成績は向上する。

c.経過の長い例が多いので、治療成績は五年生存率ではなく十年生存率で評価する。

d.腫瘤摘出術など最小限の手術侵襲に放射線照射を加えることで、根治的乳房切除術と同等の成績を残せる。

e.胸壁への放射線照射を接線照射で行うのは、肺への線量を減らすためである。

   1.abc   2.abe   3.ade   4.bcd   5.cde

(解答)45

(解説)a→×肺転移が最も多い b→×根治的乳房切除の後は放射線照射は行わない。c→○ d→○ e→○

 

55.正しい組み合わせを選べ。

 a.早期の前立腺癌は、手術の方が放射線治療より成績が良い。 

b.局所進行前立腺癌に対しては、放射線治療と内分泌療法が

 c.前立腺癌に対する小線源療法が最近日本でも始まった。

 d.木村氏病に放射線治療を行うことがある。

 e.加齢性黄斑変性症に放射線治療を行うことがあるが、総線量は50Gy程度を目標とする。 

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)4.or5.

(解説)a. ×以前は手術のほうがよいとされてきたが、最近では同等と考えられている。

  b.?。 問題文不明。併用療法を行う。  c.

  d.○。木村病=軟部好酸球性肉芽腫。 e.?。 前半部は○。後半部に関しては?。

 

 

 

 

56.正しいのはどれか。

a.放射線の影響は、確率的影響と確定的影響に分かれ、放射線による脱毛は確定的影響に属する。

b.人の倍加線量は10Gyである。

c.放射線治療に伴う有害事象は早期と晩期に出現するものがあり、放射線脊髄炎は早期有害事象のひとつである。

 d.下腹部を照射すると下痢が起こりやすい。   e.全身照射により白血球、血小板などが低下する。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)3.

(解説)a.○。確定的→不妊・脱毛  確率的→白血病・悪性腫瘍   b.×。1Gy

      c.×。50Gy以上の照射で約20ヶ月で発症する晩期有害現象。  d.  e.

 

57.99mTcO4が正常でも集積する部位はどれか

  a.脳   b.唾液腺   c.甲状腺   d.胃   e.大腸

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

 (解答)4.

 

58.脳血流シンチグラフィについて正しいのはどれか。

     a.99mTc-HM-PAOは脳組織で代謝され長時間脳に留まる。

     b.大脳半球での広範な梗塞により対側小脳の血流が低下する。

     c.脳梗塞での血流低下域はしばしばCTの低吸収域よりも広い。

     d.側頭葉てんかんの発作間歇期では海馬の血流が増加する。

     e.アルツハイマー病では欠損が見られない。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)1.

(解説)a.?。脳組織で代謝されるのかどうかは不明だが、脳内に長時間とどまるのは本当。

      b.?。  c.○。   d.×。発作時に増加する。 e.×。

 

59.脳血流シンチグラフィについて正しいのはどれか。

 a.99mTc-ECDは白質に比べ灰白質で高い集積を示す。

 b.123I-IMPは脳血流の定量測定に適している。   c.アセタゾラミド(Diamox)は脳血管を拡張させる。

 d.一側内頚動脈閉塞で安静時脳血流が正常であればアセタゾラミド負荷の適応はない。

 e.アセタゾラミド負荷は塞栓性脳梗塞の予測に有用である。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

 (解答)1.

(解説) a.?。 b.○。  c.○。利尿薬として用いられる炭酸脱水酵素阻害剤だが、脳血流増加作用もある。

d.×。   e.×。脳血管を拡張させることによって、auto regulationの予備能を見る試験。

 

61. 99mTc-MAA及び81mKrガスによる肺シンチグラフィについて正しいのはどれか。

a)      99mTc-MAAは肺血流に従って肺内に分布する。

b)      99mTc-MAAは微小血栓を作るので肺梗塞では禁忌。

c)       大動脈炎症候群では99mTc-MAAより81mKrガス像で欠損を示すことが多い。

d)      99mTc-MAA検査により心の右左シャントを診断しうる。

e)      肺癌による気管支の閉塞の場合、81mKrガス像で欠損を示す。

1)abc, 2)abe, 3)ade, 4)bcd, 5)cde

(解答)3)

(解説)99mTc-MAAは、肺血流シンチで用いられる。99mTc-MAAの粒子を静注すると、粒子は肺動脈経由で肺に到達し、微小塞栓をつくる。この塞栓が放射線を放つので、これを測定する。微小塞栓であり、速やかに溶解するため、症状の悪化はない。血流があればそこで塞栓をつくるので、正常肺は全体的にhotに描出され、肺塞栓などで血流が途絶えていると、coldに描出される。また、心臓での右左シャントでは、正常ではup takeの認められない脳、肝臓、腎臓でもhotに描出される。この他にも、大動脈症候群では肺動脈病変の診断、肺門型肺癌、肺静脈高血圧の診断にも有用である。

    81mKrは、血液に溶けにくい希ガスで吸入量の95%は血液中に移行せず呼出され、肺内のRI分布が分かり、肺換気シンチで用いられる。ガス交換の行われた部位は放射線を放つので、hotに描出され(正常肺はhot)、換気が不十分な場合はcoldに描出される。慢性閉塞性肺疾患や気管支異物の診断に利用される。

 

63.肝シンチグラフィーについて正しいのは?

     a.99Tcphytateは肝細胞に取り込まれ、胆管を経由して腸管に排泄される。

     b.99TcPMTは血中でコロイドとなりクッパ-細胞に取り込まれる。

     c.99TcGSAは肝細胞表面の糖蛋白受容体に結合して取り込まれる。

     d.99TcPMTは先天性胆道閉鎖症の術後評価に有用である。

     e.99TcGSAは肝予備能の評価に有用である。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)5.

(解説)a.×。phytatePMTにかえれば○。99mTc-phytate(フチン酸)は肝シンチに用いる。ほかにスズコロイドも用いられる。

b.×。PMTをフチン酸もしくはスズにかえれば○。99mTc-PMTは肝胆道シンチに用いる。

c.○。アシアロ糖蛋白受容体(ASGPr) d.○。閉鎖していたら腸管への集積が見られない。

e.○。それを見るためのシンチグラフィ。

 

64.副腎シンチグラフィーについて正しいのはどれか。

     a.131I-アドステロールは正常副腎に集積する。     b.131I-MIBGは褐色細胞腫に集積する。

     c.原発性アルドステロン症ではデキサメサゾン抑制試験が有用である。

     d.腺腫によるCushing症候群では131I-アドステロールで両側副腎が描出されない。

     e.131I-アドステロールはシンチグラフィーの中では患者の被曝が少ない検査である。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)5.

(解説)a.○。コルチゾルを分泌する組織にコルチゾル濃度依存性に集積する。  b.○。

c.×。Cushing症候群。 d.×。hot noduleとして描出される。  e.?。被曝線量8.8Gy/37MBq。

 

65.腎シンチグラフィーについて正しいものはどれか。

   a.レノグラム検査と腎シンチグラフィーは同一の薬剤を用いて同時に検査できる。

   b.腎移植後の血管閉塞や急性尿細管壊死の評価に有用である。

   c.左右の腎機能を別々に評価することはできない。

   d.99mTc-MAG3は尿細管上皮に取り込まれ尿からは排出されない。

   e.99mTc-DTPAは糸球体で濾過される。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)

(解説)a.?。腎シンチ→99mTc-DMSA、レノグラム→99mTc-DTPA   c.×。

 

 

66. 正しいものを選ぶのでしょうか?問題文は不明

 a.99TcHMDP投与後、3時間で撮像する。     b.小児では関節部の集積が高い。

 c.高齢者における腰椎の異常集積はまず骨転移である。

 d.肋骨骨折では高度の異常集積がみられることはない。     e.軟部組織の石灰化巣にも集積する。

(解答)(選択肢があるなら2.)

(解説)a.○。静注後3時間以降。b.○。骨端線に集積。 c.×。骨折。 d.×。放射線科で見た。 e.

 

67.Ga-citrateによるシンチグラフィーにおいて正しい組み合わせはどれか。

  a炎症には集積しないので膿瘍と腫瘍との鑑別に有用である。

  b正常でも肝臓や消化管に集積する。   c悪性リンパ腫の経過観察に有用である。

  d消化管と泌尿器系腫瘍の鑑別に有用ではない。

  e癌患者の化学療法後に肺にびまん性集積を認めた時は再発をまず疑う。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答) 5.?

(解説)a.×。良性腫瘍や炎症・骨折にも集積する。  b.×。正常の集積部位は骨と腎。  c.○。

 

69.甲状腺癌の放射線ヨード治療について正しいものを選べ。

     a.若年者の方が高齢者にくらべ治療効果が期待できる。

     b.甲状腺癌のリンパ節、肺、骨転移より治療に有効である。

     c.治療を開始するのに甲状腺全摘、甲状腺ホルモンの中止が必要である。

     d.肺転移は骨転移より治療成績がよくない。      e.転移巣の根治がのぞめない。

     1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde

(解答)1.?

(解説)a.○。若年者では腫瘍組織へのヨードの取り込みがよい。  b.?。文意不明。

     c.?。全摘のかわりにI131を服用することでも代用できるとの記述もあり。

     d.×。甲状腺癌の肺転移は成績がよい。  e.?。×かと思うが。

 

70.甲状腺機能亢進症の放射線ヨード治療で正しいものはどれか

    a.抗甲状腺機能亢進薬に対して治療抵抗性のときよい適応となる

    b.治療直前に機能亢進状態の増悪が見られることがあり注意を要する

    c.(忘れましたが、明らかに間違いの選択肢でした)    d.治療は必ずRI病棟に入院して行う

    e.治療後は、機能低下症が見られることがあり、甲状腺ホルモン投与で管理できる

    1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

 (解答)2.?

(解説)a.○。   b.?。  c.×。  d.×。外来にて3~4時間でできる。 e.○。

 

71.18FDG PETについて誤っているものはどれか。

     a.18Fから放出される陽電子そのものを検出して断層画像を得る。

     b.18FDGはブドウ糖を18Fで標識したものである。

     c.正常では脳、肝、尿路系に高い集積が見られる。

     d.米粒大の腫瘍であればほぼ検出可能である。     e.保険診療で認められていない。

     1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)3.

(解説)a.×。陽子と電子が結合して消滅する際に生ずるγ線を検出。 

b.○。        c.○。従って、尿路系の悪性腫瘍は検出しにくい。

d.×。1cm以上なら検出可能とされている。          e.×。

72.15O-PETについて正しいものを選べ。

  a 15Oの物理的半減期は20分である。  b 15O-CO2は脳血流測定に用いられる。

  c OEFは、酸素摂取率のことで正常脳では約40%である。

  d 正常では、脳血流とO2代謝はほぼ同じ分布である。  e 保険診療は認められていない。

 1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)4.

(解説)a.× 2分。因みにF-18110 b. c. Oxygen Extraction Fractionの略。  d.?。

      e.×。PETで最初に保険が適用された検査。局所脳血流量・脳酸素消費量・脳酸素摂取率がわかる。

 

78.CTについて正しいのはどれか。

a 得られた断層面は、一定の厚さの情報を含んでいる。

b X線吸収の程度が強い組織ほど画像上高濃度に(白く)描出される。

c 経静脈性造影剤はとりこまれた組織のCT値を上昇させる。

d 各部位のCT値はwindow levelwindow widthの設定によって変化する。

e 矢状断、冠状断など任意の断面撮像が可能である。

1 a,b  2 a,c  3 b,c  4 c,d  5 d,e

答え:1.

解説:CT(Computed Tomography)についての問題。

C×:血管が染まるんでは??シンチとかとは違うと思う。d×:CT値自体は変わらない。

Window level:表示するCT値の中央値,Window width:表示するCT値の範囲。

e×:撮り方は輪切りで作り出す像は矢状断など任意の断面像を作り出せる。

 

81.肝硬変に特徴的なCT所見について誤っているのはどれか。

 a脾腫  b肝辺縁の凸凹不整  c肝左葉の腫大  d尾状葉の萎縮  e発達した側副血行路

1 a  2 b  3 c  4 d  5 e

答え:4.

解説:a.b.e.が正解なのは言うまでもない。d:肝硬変では右葉を中心とした萎縮が見られ、左葉は代償性に腫大する。

 

82. 肝の区域診断基準について正しいものを選べ。

a) 肝の頭側では左肝静脈が左葉と右葉とを分ける。

b) 肝の尾側ではCantlie線が左葉と右葉とを分ける。

c) 右肝静脈本幹は右葉の前区域と後区域とを分ける。

d) 左葉の内側区域と外側区域をの境は門脈左枝や臍部、肝円索などが指標である。

e) Cantlie線は尾状葉と左門脈本幹とを結ぶ線である。

1. a), b), c)  2. a), b), e)  3. a), d), e)  4. b), c), d)  5. c), d), e)

答え:4.

解説:臨床的に肝臓はCantlie線で右葉と左葉に分けられる。すなわち、頭側は下大静脈、足側は胆嚢窩を結んだ線である。つまりa,eは×。肝臓は右葉、左葉、尾状葉に分けられるが。

これをさらにGlisson鞘樹(血行支配)による分類で8つの亜区域に分ける。つまり亜区域の真ん中には門脈、動脈が走ってることを考えると、cは推測できる。

肝臓は5つの区域にわけられる。すなわち、尾状葉(S1)、左葉内側区域(S4)、外側区域(s23)、右葉前区域(s5s8)、後区域(s6s7)である。

 

 

 

84  a 膵は前腎傍腔にあり、右上から左下に斜めに走行している。

b  膵頭部は十二指窓内に存在し、尾部は左腎門部に向かう。

c 膵の背側に接して脾静脈が横走している。

d 膵頭部、鉤部は上腸間膜静脈を取り囲むように存在する。

e 膵と胃後壁の間には、小網と呼ばれる腹膜腔が存在する。 

答え:c..?

解説:a.右下から左斜め上。b.尾部はもっと上、胃の近くまで。

e.網嚢と呼ばれる腹膜腔:解剖実習の手引きp151

 

87. 肝細胞癌 apshuntあと忘れてしまいました。ごめんなさい

 

89.CT値について正しいのはどれか?

1.hounsfield unitは機種により異なる。 2.CT値の微小な差を強調するにはwindow幅を大きくする。

3.肺野を観察するにはwindow幅を大きくし、window levelを下げる。

4.正常脂肪のCT値は通常ー20以下である。

5.骨組織は非常にCT値が高く、どのように条件を変化させても観察できない。

  a:1,2  b:1,5  c:2,3  d:3,4  e:4,5

答え:d.

解説:hounsfield unitとはX線吸収値のこと、つまりCT値のこと。水を0、緻密骨を1000

空気を-1000とする。凝固血液が4060、脳灰白質が36、脳白質が24、血液12、脂肪が-100くらいである。1は×。4は脂肪組織を考えると○と考えてよいのではないだろうか??2は×。狭くしなければならない。3は○。肺条件ではWL500くらいに下げ、WW1000くらいに広げる。

5は×。骨条件でとればいい。

 

90 24,MRとその他の画像診断との比較で誤っているのはどれか。

1.任意の断層面の撮像が可能な点でCTよりすぐれている。

2.コントラスト(濃度)分解能においてCT、超音波検査よりすぐれている。

3.造影剤を用いず血流情報が得られる点でCTよりすぐれている。

4.心臓や大血管の動きによるアーチファクトがない点で超音波検査よりすぐれている。

5.骨からのアーチファクトがない点でCT、超音波検査よりすぐれている。

<解答>4  02年卒試 24番と同じ

 

91.臨床検査は

a 代謝産物やホルモンのみ測定できる。  b あまり有効性がない。

c 兆候が無くても病気が潜んでいることがある。  d 診断が無くても管理の良悪の判断に使える。

e データが変化しても正常範囲なら病状を反映しない。

2つ ab bc cd de ae の組み合わせだったかな

答え:c,d?

解説:a.電解質とかも測れるばい??よって×。b.有用性がないことしたらEBM学者にいじめられる。e.正常範囲っていってもマスキングしあう病態と見るなら、こうは言えないのでは??

 

93.以下の検査法で正しいものを選べ。  正確な検査法とは

1.少しの変化を確実に感知できる検査法 2.真の値に出来るだけ近い結果をだす検査法

3.少量のサンプルで測定出来る検査法 4.簡便な検査法

答え:全部○かいな・・・?

96 一見健康そうに見える人の、ある検査結果が正常値をこえていた。以下のうち正しいのはどれか。一つ選べ。

1.さらに詳しい検査を行って病気がないか調べる。

2.一見健康そうに見えても、その人は病気である。  3.分析方法が間違っている。

4.正常値が間違っている。  5.その検査の特異度(specificity)は低い。

答え:1.

 

97一見健康だが重大な病気を持っていそうな患者に対して

a擬陽性の少ない検査をする b擬陰性の少ない検査をする c分析結果のばらつきの少ない検査をする

d病気の有無によって結果が大きく異なる検査をする  e陰性の検査を明確に指摘できる検査を行う

  答え:たぶん全部

 

疾患(+)

疾患(-)

所見陽性

a

B

所見陰性

c

D

aからcは人数を表す。 

感度 陽性率 a/(a + c)  特異度 d/(b + d) 偽陽性率 = b/(b + d)    偽陰性率 c/(a + c)

陽性尤度比 Likelihood ratio for a positive finding (LR+) = 陽性率/偽陽性率 = [a/(a + c)]/[b/(b + d)]

陰性尤度比 Likelihood ratio for a negative finding (LR-) =偽陰性率/特異度= [c/(a + c)]/[d/(b + d)]

 

98.次の中で血漿浸透圧が最も高いのは次の内のどれかひとつ選びなさい。

1 重炭酸イオン  2 カリウム  3 ブドウ糖  4 蛋白  5 ナトリウム

答え:5Na

解説: 通常はPosm = 2 Na + BS/18 + BUN/2.8と近値される。

 

99.血清[Na]124mmol/lで浸透圧が260mOsmで、血中尿素とグルコース濃度は正常である患者の状態で考えられるのは次のうちどれか。

(a)Ectopic secretion of antiuretic hormone  (b)Intravenous infusion of mannitol

(c)Severe hypertriglycridaemia  (d)Water depletion  (e)Severe sodium depletion

(1)a,b (2)a,e (3)b,c (4)c,d (5)d,e

答え:()

解説:ectopicdeplation:減少、消耗

e○、脱水があったらBUNは上昇するのでd×。

患者の血漿浸透圧は問題98の近値式とほぼ一致する。すなわち、NaBSBUN以外の血漿浸透圧に関与する物質は少ないと考えられる。よってb、cは×。mannitolはない。

aは抗利尿hormone(ADH)の異所性分泌。

 

画像問題 18

画像1番(2001年の7番と画像は同じ。選択肢は変更) 食道造影:進行食道癌

画像2番(画像は2002年の11番と同じ。選択肢は変更) 注腸造影:進行大腸癌 apple core sign

画像3番 胃透視:Borrmann4型胃癌

画像4番 胃透視:巨大潰瘍?

画像5番(2002年の7番と同じ) 胸部CT:原発性肺腺癌

画像6番 マンモグラフィ-:乳癌?

画像7番(2002年の6番と同じ) 胸部CT:解離性大動脈瘤

画像8番(2002年の8番と似てるけど違う) 胸部単純正面:シルエットサイン

画像9番(2002年の12番と同じ) 頭部造影CT:下垂体部の腫瘍

画像10番(2002年の13番と同じ) 頭部CT:クモ膜下出血

画像11番(2001年6番と同じ) 頭部CT:硬膜外血腫

画像12番(2002年の14番と同じ) 頭部MRI:脳梁欠損

画像13番 脳血流SPECT:右大脳半球び慢性低下。右中大脳動脈閉塞?もやもや?

画像14番 肺血流シンチ:右肺ほとんど欠損、左肺にも楔状の欠損あり。 肺塞栓?換気シンチだせよ。

画像15番(2002年の4番と同じ) 骨シンチ:び慢性骨転移

画像16番 腹部CT:脾静脈拡張像か?5つのうち考えられないものを1つえらぶ問題。

      選択肢は膵癌、肝硬変、胃癌、脾静脈血栓、急性膵炎

 

画像17番(2000年の10番と同じ) 腹部CTFNH FNHは過形成で腫瘍じゃありません。

 

2000-画像10

図を見て,以下の記述の中で正しいものを選べ。

 

(a)この腫瘤は乏血性である。

(b)基礎疾患として肝硬変を合併することが多い。

(c)肝シンチで完全欠損となることはない。

(d)本疾患は腫瘍性疾患ではない。

 (e)治療法としては、塞栓術が選択される。

 

(1)a,b   (2)a,e   (3)b,c   (4)c,d   (5)d,e

解答>(3)

肝右葉に巨大病変が認められる。

(a)× 腫瘤は早期層で濃染されておりhypervascularである。

(b)○ 造影CTにて動脈相で濃染、静脈相でwash-outされており、肝細胞癌が最も疑われる。肝細胞癌の基礎疾患として肝硬変が多い。

(c)○ 肝細胞癌では、肝シンチで濃染する。 (d)× 肝細胞癌は腫瘍性疾患である。

(e)× 切除可能なので塞栓術を行うべきではない。

 

画像18番(2000年の11番と同じ) 

腹部CT:造影早期染まらず、

晩期にかけて徐々にそまる病変。

 

2000-11 

図を見て可能性の低いものを選べ。

(a)肝嚢胞  (b)肝臓癌  (c)肝血管腫  

(d)胆管細胞癌  (e)転移性肝癌

 

(1)a,b   (2)a,e   (3)b,c   (4)c,d   (5)d,e

<解答>(1)

病変は、肝左葉(S6)に存在し、plainlow density(早期相の像より)、造影でlowisoとなっている。血管腫が最も疑われるが、その他、胆管細胞癌、転移性肝癌などが考えられる。肝嚢胞は、造影しても低濃度のままで変化しないし、肝臓癌は、(2外科に)highlow patternを呈するので考えにくい

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