平成16年度 「臨床検査・放射線医学」 概説試験

 

参考文献:「標準放射線医学 第6版」→以下、略して「標放」

1.消化管X線検査にいついて正しいものの組み合わせを選べ。
1)二重造影法は微細粘膜病変の診断に有効である。  2)充満法は粘膜面の描出が容易である。
3)胃の半立位第二斜位の二重造影法は体下部病変の診断に有用である。
4)小腸の機能検査にはゾンデ法より経口法が適する。
5)大腸X線検査における前処置にはBrown変法が用いられている。
 A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C   撮影方:充満像、圧迫像、二重造影像の三つが基本
2)×→充満法(充盈法)は全体の輪郭が描出でき、辺縁(胃角など)の評価に有効。中心部が描出できないのが欠点。  3)×→半立位第二斜位は体上部病変の診断に有用

 

2.胃病変について正しいものの組み合わせを選べ。
1)胃角の線状潰瘍で見られる変形をのう状胃という。

2)Bridging foldは粘膜下腫瘍で見られるX線所見の一つである。
3)胃憩室は噴門穹窿部に最も多く見られる。

4)早期胃癌の型は潰瘍底の下に癌が存在するものである。
5)山田分類の型は明らかな茎を有する隆起性病変のことである。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A (→平成14年概説の2番を参照)
1)、2)○→その通り。(のう状胃~小弯が著しく短縮し、大弯が嚢状に拡張した状態)
3)○→噴門穹窿部がほとんど(7590%)、他は前庭部、体部の順です。
4)×→型は陥凹の下ではなく、淵の部分に癌があるものです。
5)×→これは型の説明です。Ⅰ型は隆起の起始部が滑らかなもの(粘膜下腫瘍が多い)

 

3.腸のX線検査について誤っているものの組み合わせを選べ。
1)注腸X線検査法で用いるバリウムの濃度は130150W/V%がよく用いられる。
2)注腸X線検査法は本邦では充満法を主体にし、時に二重造影法も用いている。
3)Fine Network PatternはX線で描出される大腸粘膜模上皮の最小単位である。
4)小腸ゾンデ法では一般にゾンデをTreitz靭帯付近まで挿入して行う。
5)小腸ゾンデ法はルーチンの胃透視後に引き続き行う検査法である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E                     
1)×→大腸は6780W/V%、小腸は6080W/V%、胃は160200W/V% (→標放p,394
2)×→二重造影法は最も幅広く全消化管で用いられる像です。(→標放p,393

 

4.大腸の注腸X線検査法について正しいものの組み合わせを選べ。
1)本邦では前処置として鎮痙剤は通常使用しない。

2)前処置において微温湯による腸洗浄は用いられない。  3)二重造影法が最適である。
4)生殖腺が直接X線束に入るのでX線被曝に十分注意する必要である。
5)バリウムの濃度は通常胃X線検査と同濃度のものを用いる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D

1)×→当日には鎮痙剤を用いて腸の蠕動を止めます。
2)○→食事制限と塩類・接触性下剤の投与を行います。(Brown変法)
5)×→胃のバリウム濃度は160200W/V%、大腸は6780W/V%です。

5.大腸X線診断について誤っているものの組み合わせを選べ。
1)Skip Lesionはクローン病にのみにみられる特異的所見である。
2)潰瘍性大腸炎では直腸はほとんど侵されない。  3)腸結核の好発部位は回盲部である。
4)潰瘍性大腸炎以外の炎症性疾患でも炎症性ポリープをみることがある。
5)有茎性のポリープでは大きさに関係なく悪性の可能性は少ない。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)B
1)×→Crohn病と腸結核で見られる所見です。
2)×→直腸から連続した病変が全体に渡って見られます。
3)○→その通り。(→標放p,436)4)○→Crohn病と腸結核にも見られます。
5)×→ある程度の大きさになると、X線所見と内視鏡所見を合わせても癌との鑑別は難しい

 

6.大腸癌について正しいのはどれか。
1)早期癌のほとんどは陥凹性病変の形態をとる。  2)びまん浸潤型癌は非常にまれである。
3)家族性大腸腺腫症ではしばしば癌化が見られる。  4)進行癌では限局潰瘍型が最も多い。
5)進行癌の好発部位は右側結腸である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D
1)×→ほとんどが隆起型です。最も多いのは有茎性の1p型(→標放p,437
5)×→大腸癌の好発部位は、直腸・S状結腸で、全体の70%をしめます。(→標放p.437

 

7.食道造影について正しいのはどれか。
1)通常バリウムを造影剤として使用する。

2)立位で嚥下し、流れてゆくバリウムで食道を観察する。
3)第1斜位で観察すると胸椎と食道が重ならずに観察できる。
4)食道は二重造影での撮影はできない。  5)バリウムは誤嚥しても肺に障害は生じない。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A
4)×→できます。 5)×→バリウムを誤嚥した際、肺水腫は生じないが、肺炎が生じる。また、ガストログラフィンを誤嚥した場合は肺水腫が生じます(浸透圧が高いため)。

 

8.嚥下障害を生じる疾患について正しいものはどれか。
1)進行型食道癌では病変が全周性の場合は高度な嚥下障害を生じることが多い。
2)表在型食道癌では病変が全周性の場合は嚥下障害を生じることが多い。
3)食道アカラシアでは、食道は拡張するが狭窄は生じないため嚥下障害は生じにくい。
4)食道アカラシアでは、食道下部から噴門にかけて持続的に通過障害を生じている。
5)食道カンジダ症は、高度になると嚥下時痛を伴うことが多い。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C
2)×→表在型では狭窄は生じません。嚥下障害は稀です。
3)×→アカラシアでは、嚥下障害が通常生じます。

 

9.胃の隆起性病変について正しいものはどれか。
1)胃のポリープで最も頻度が高いのは、早期胃癌である。  2)胃底腺ポリープは多発する。
3)過形成性ポリープは出血の原因となりやすい。  4)胃腺腫は、低い隆起であることが多い。
5)胃腺腫では発赤が見られることが多い。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D
1)×→胃のポリープ性病変で最も頻度が高いのは、胃底腺ポリープ(過形成性)です。
5)×→胃腺種は発赤が少なく、低い隆起が多いのが特徴です。

 

10.胃のひだ集中について正しいものはどれか。
1)隆起性病変にひだ集中が見られることは稀である。

2)良性の胃潰瘍にひだ集中が見られることは稀である。
3)bridging foldは粘膜下腫瘍の際に見られるひだ集中である。
4)集中するひだ先端の途絶は癌を疑わせる。  5)集中するひだ先端の癒合は進行癌を疑わせる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C
2)×→非常に多いです。
3)×→粘膜下腫瘍の際に見られるのは確かですが、bridging foldはヒダ集中像ではありません。

 

11.門脈へ還流するのはどれか。
1)肝静脈  2)上腸間膜静脈  3)左胃静脈  4)脾静脈   5)卵巣静脈
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 肝静脈は下大静脈に還流する。

 

12.後腹膜臓器でないものを選べ。
A.上行・下行結腸   B.腎臓   C.膵臓   D.脾臓   E.十二指腸

解答)D

 

13.膵臓の正常解剖について、正しいものはどれか。
1)膵臓は前腎臓傍腔に存在し、一般に右上から左下に斜に走行している。
2)膵頭部は十二指腸窓内に存在し、尾部は左腎門部に向かう。
3)膵臓の背側に接して脾静脈が横走している。

4)膵頭部・鈎部は上腸間膜静脈を取り囲むように存在する。
5)膵臓と胃後壁の間には小網(lesser sac)とよばれる腹膜腔が存在する。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D (2003年度卒試の84番と同じです。)
1)×→前腎傍腔は正しいが、右下から左上に向かって走行しています。
5)×→膵臓と胃の間の腹膜腔は網嚢です。 先輩が作られた平成15年卒試の解答には、2)の「尾部は左腎門部に向かう」という記述が「尾部はもっと上、胃の近くまで上がるので誤り」としてありましたが、それでは答えがなくなります。図によっては尾部が左腎門部に向かうように描いてあるものもありましたので、ここでは2)は正しいとします。

 

14.腎臓の正常解剖について誤っているものを選べ。
A.腎臓は腎臓周囲腔(perirenal space)に存在する。

B.腎門部は両腎ともに内側前方を向いている。 C.右腎動脈は下大静脈の背側を走行する。
D.左腎静脈は腹大動脈の腹側を走行する。 E.単純CTで腎皮質と髄質が分離される。

解答)E → 造影CTではないと分からない(平成14年の35番と同じです。)

 

 

 

 

15.腹部静脈系の正常解剖について誤っているものを選べ。
A.脾静脈と上腸間膜静脈が合流して門脈となる。

B.下腸間膜静脈は脾静脈と合流するものが最も多い。 C.奇静脈は胸・腹大動脈の左側を走行する。
D.右卵巣静脈は下大静脈と、左卵巣静脈は左腎静脈と合流する。
E.左右の総腸骨静脈の合流部は、腹部大静脈が左右総腸骨動脈に分岐する位置より尾側である。

解答)C) → 奇静脈は胸・腹大動脈の右側を走行します。

 

16.誤っているものを一つ選べ。
A.膵臓は大部分が後腹膜臓器である。

B.網嚢とは各種間膜、肝の一部、後腹膜前壁で囲まれた空間である。
C.間膜と靭帯とはしばしば同義語として使われる。

D.間膜はCT上、高吸収の索状物として描出される。
E.間膜には血管、神経、リンパ組織の他、脂肪組織が含まれる。

解答)D → 間膜は多く脂肪を含むので、おそらくCTは低吸収値になるのではないかと思われる。また、間膜にある血管などが描出されることがあるので、間膜としてCT上に認識される。

 

17.超音波検査にて内部echo free、後方に音響増強(posterior echo enhancement)を示す可能性が高いものはどれか。
1)肝嚢胞  2)限局性結節性過形成  3)肝血管腫  4)Caroli's disease  5)膵仮性嚢胞
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C → 内部echo free、後方に音響増強を示すのは、漿液性の液体が貯留している(serous fluid content)病変です)。したがって、1)と5)ではこのような所見が見られます。また、Caroli病は肝内胆管が限局性に拡張する病気ですので、このような所見が見えると考えられます。

 

18.腎臓癌と孤立性腎嚢胞との鑑別上、有用性の高い検査法はどれか。
1)逆行性尿路造影 2)腹部CT 3)超音波断層法 4)レノグラム 5)腎シンチグラフィ
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)C → 嚢胞の画像所見としてUSCTMRIのいずれでもserous fluid contentが見られる。腎細胞癌は充実性の内容を示す代表的腫瘤である。1)は腎盂、尿管の腫瘍の診断に使用。

 

19.誤っているものを一つ選べ。
A.肝血管腫は肝細胞癌と同様多血性であるため、造影ダイナミックCTでは鑑別が困難である。
B.膵癌は造影ダイナミックCT早期相では濃染しない。
C.肝嚢胞は造影ダイナミックCT遅延相では濃染しない。
D.肝細胞癌は造影ダイナミックCT早期相ではよく濃染する。 E.肝細胞癌は乏血性のものもある。

解答)A → 肝血管腫は造影CTの動脈相でperipheral enhancementが見られ、門脈相で病変全体の濃染が長期に持続する。肝細胞癌は動脈相でhigh、門脈相でlow。よって、dynamic CTが有用

 

20.慢性膵炎の特徴として誤っているものを一つ選べ。
A.実質の萎縮   B.石灰化   C.実質の局所的腫大
D.造影ダイナミックCT早期相での強い濃染   E.膵管の拡張

解答)D → 増強不良です。

 

 

21.両側腎腫大を来す可能性のある疾患はどれか。
1)糸球体腎炎  2)腎細胞癌  3)腎梗塞  4)ループス腎炎  5)悪性リンパ腫
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C → 2)3)は通常片側だけ。両側の場合は全身的疾患が多い

 

22.次の記述の中で正しいものはどれか。
A.子宮が腫大する原因として筋腫と腺筋症が挙げられるが、両者の鑑別は放射線学的にも困難である。
B.正常子宮体部は、MR T1強調画像において特徴的な3層構造を呈する。
C.子宮の正常筋収縮が、病変様に見えることもある。
D.子宮頚癌は内診で十分観察でき、生検で病理診断までできるので、画像診断の果たす役割は少ない。
E.子宮の観察にはMRよりCTの方が優れる。

解答)C 

A) ×→筋腫は周囲の筋層から明瞭に境界される腫瘤となる。腺筋症は子宮筋層のび漫性肥厚。 B) ×→MR T1強調画像において子宮全体がisoT2強調なら特徴的な3層構造を呈する。    D) ×→頸癌のstagingMRIが大事。T2強調では比較的高信号のmassとなり、周囲は低信号。

 

23.関係の深い組み合わせを選べ。
1)アスペルギローマ-Meniscus sign  2)過誤腫-リング状濃染
3)結核腫-Spiculation  4)肺癌-ポップコーン状石灰化  5)円形無気肺-Comet tail sign
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)B 
2)×→過誤腫はポップコーン状の粗大石灰化が典型。境界明瞭で辺縁がやや分葉している。
3)×→結核腫はリング状濃染が特徴。
4)×→肺癌(腺癌)は、辺縁にspiculationnotching、血管収束、胸膜嵌入を伴うのが特徴。扁平上皮癌なら暑く不整な壁を有する空洞を伴うことが多いです。細気管支肺胞上皮癌は正常構造を壊さずに発育し、スリガラス影が見られたり、consolidationの中に正常血管が走行している像(CT angiogram sign)が見られたりする。

 

24.胸水について正しいのはどれか。
1)少量の胸水は側臥位より立位での撮像の方が、異常を指摘しやすい。
2)右側肺下胸水では横隔膜の頂部が内側に偏位する。
3)左側肺下胸水では胃泡と肺下縁との距離が短くなる。

4)葉間胸水は治療により速やかに縮小する。

5)立位での少量胸水は肋骨横隔膜角の鈍化として認める。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E 
1)×→逆です。 2)×→外側に偏位します。  3)×→長くなります。

 

25.無気肺について正しいのはどれか。
1)右上葉ではminor fissureが下方に凸となる。
2)左上葉では正面像で横隔膜とのシルエットサイン陽性となる。
3)右中葉では正面像で心陰影とシルエットサイン陽性となる。
4)右中下葉では正面像で心陰影・横隔膜ともにシルエットサイン陽性となる。
5)肺門の偏位は無気肺の直接所見である。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)D  (2003年度概説試験の26番に詳しい表を載せてます。)

26.腫瘤影の良悪性の鑑別点について正しいものの組み合わせを選べ。
1)周囲に散布影を伴う場合は、良性を疑う。  2)spiculationは悪性を疑う所見である。
3)中心部の石灰化は悪性を疑う所見である。  4)空洞壁が厚い場合、良性を疑う。
5)notchingは良性を疑う所見である。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)A 
周囲に散布影の場合、特に肺結核症で見られる。3)、4)、5)は良性と悪性が逆になっている。

 

27.正しいものの組み合わせを選べ。
1)肺門陰影が拡大した縦隔影の内側2cm以上に重なって見える場合、心拡大を考える。
2)cervico-thoracic signは鎖骨より上方の陰影が前縦隔か後縦隔かの鑑別に有用である。
3)臥位での気胸では肋骨、横隔膜角が明るくなる。
4)胸腹部にまたがる病変では全長にわたり辺縁が認められる。
5)緊張性気胸では患側の肋間腔は狭小化する。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)C 
1)×→この場合は縦隔腫瘤を考えます。  2)→標放p251へ  4)×→肺と接する部分のみ辺縁が認められます。  5)×→縦隔の対側への偏位、患側横隔膜の下方偏位、肋間腔開大が特徴です。

 

28.正しいものの組み合わせを選べ。
1)高分解能CTと通常のCTのスライス厚は同じである。
2)高分解能CTでは片肺をターゲットにして画像を再構成する。
3)粟粒結核では結節はランダム分布を示す。  4)塵肺では結節はランダム分布を示す。
5)サルコイドーシスでは結節は小葉中心性分布を示す。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)C 
1)×→高分解能CTでは1~3mm、通常のCTでは10mmです。最新型は0.5mmまで
4)×→小葉中心性の分布を示します。  5)×→小葉中心+小葉辺縁の分布を示します。

 

29.骨の単純撮影がMRIより診断的有用性が高いものを選べ。
A.肩回旋腱板損傷   B.膝半月板損傷   C.慢性関節リウマチのパンヌス描出
D.骨腫瘍の鑑別診断   E.大腿骨頭壊死の早期診断

解答)D
A
)×→脂肪や腱板・軟骨などの軟部組織、および骨髄の描出にはMRIが優れている(標放p597
B
)×→Aと同じ。
C
)×→いろんなサイトを見ましたがやっぱりMRIが有利なようです。
D
)○→悪性と良性(辺縁硬化像、骨皮質破壊、骨膜反応)を鑑別できる。
E
)×→骨髄の描出はMRIの方が優れています。よって、大腿骨頭壊死症、Perthes病、Kienbock病などの虚血性骨病変にはMRIが有用です。(→標放p,619

 

30.骨腫瘍に関して正しいものの組み合わせを選べ。
1)ほとんどの骨腫瘍は骨端部より発生する。  2)骨膜反応は良性の骨腫瘍の特徴である。
3)硬化縁を示す骨腫瘍は悪性であることが多い。

4)骨腫瘍の鑑別診断では内部石灰化の性状は重要である。
5)骨腫瘍の診断では患者年齢を考慮する必要がある。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E (平成15年概説の31番と同じ)

31.骨の成長に関し、膜内骨化である骨はどれか。
1)長管骨   2)脊椎骨   3)肋骨   4)頭蓋冠   5)下顎骨
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E (平成15年概説の29番と同じ)1)の横方向、2)、3)は軟骨内骨化。

 

32.前縦隔に好発する病変はどれか。
1)奇形腫  2)神経線維腫  3)気管支嚢胞  4)胸腺腫  5)縦隔内甲状腺腫

A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C 前縦隔に好発する腫瘍は4Tteratoma, thymoma, thyroid, The lymphoma
1)○→全ての縦隔腫瘍のうち20%を占めます。

2)×→後縦隔に好発します。  3)×→気管は中縦隔です。

 

33.画像所見上、脂肪を認める縦隔腫瘍はどれか。
A.神経鞘腫  B.胸腺腫  C.成熟奇形腫  D.神経芽腫  E.心膜嚢胞

解答)C 

 

34.胸腺腫に合併する可能性のある疾患はどれか。二つ選べ。
1)筋無力症  2)嚢胞腎  3)慢性骨髄性白血病  4)骨髄腫  5)赤芽球癆
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)B 

 

35.内頸動脈から分岐する血管を選べ。
1)前大脳動脈  2)中大脳動脈  3)後大脳動脈  4)前交通動脈  5)後交通動脈

A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)B → 3)×→椎骨動脈の枝である脳底動脈から  4)×→左右の前大脳動脈をつなぐ

 

36.CTで高吸収を示すものはどれか。

1)脳出血(急性期)  2)脳梗塞(急性期)  3)脂肪  4)石灰化  5)高蛋白嚢胞
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C (類:平成15年概説の39番)2)×→急性期異常なし、1224時間後に低吸収

 

37.MRIにおいて、通常造影剤増強を示すものを選べ。
1)下垂体前葉  2)松果体  3)血流の速い動脈  4)硬膜  5)脈絡膜
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)B  →3)×→流速の速い血管ではflow voidがおこり無信号になります。

 

38.脳実質外腫瘍で見られる所見を選べ。
1)病変周囲を脳実質が取り囲む。  2)病変は硬膜側に広い底面を持つ。
3)脳実質を腫瘍が圧排する。  4)脳実質と腫瘍の間に隙間がある。
5)病変周囲のくも膜下腔の狭小化。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D
1)×→脳実質内腫瘍の所見です。  4)○→血管とかクモ膜下腔とかがあります。
5)×→拡大します。

39.脳実質内に石灰化をきたす疾患を選べ。
1)Sturge-Weber症候群   2)頭蓋咽頭腫   3)副甲状腺機能低下症
4)結節性硬化症   5)TORCH症候群
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E →1)と2)は脳実質外腫瘍の所見です。3)は対称性、4)と5)は脳室壁に石灰化

 

40.MRIのT2強調画像で低信号なものはどれか。
1)神経膠腫   2)脳梗塞   3)密な石灰化   4)鉄   5)線維化
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E (平成15年概説の40番参照)

 

41.脳梗塞について正しいものを選びなさい。
1)亜急性期にCTで病巣が不明瞭である。  2)超急性期にCTで病巣が不明瞭である。
3)慢性期にMRI T1強調画像で高信号を呈する。

4)急性期にMRI T2強調画像で低信号を呈する。  5)慢性期にCTで低吸収である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)B 
2)○→低吸収域として描出は可能ですが、分かりにくいです。

3)、4)×→高信号と低信号が逆です。

 

42.硬膜外血腫のCT像について正しいものを選びなさい。
1)凸レンズ状を示す。  2)高吸収を示す。  3)中硬膜動脈の損傷で生じる。
4)等~低吸収域の混在を示す。   5)三日月状を示す。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A 
4)×→これは慢性硬膜下血腫の所見です。  5)×→これは硬膜下血腫の特徴です。

 

43.男性に多い脳腫瘍を選びなさい。
1)下垂体腺腫   2)胚芽腫   3)髄芽腫   4)脂肪腫   5)髄膜腫
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D →1)と5)は女性に多いです。

 

44.Wilson病のMRIで異常信号が描出される部位を選びなさい。
1)基底核   2)視床   3)中脳   4)小脳   5)松果体
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A →T2強調で左右対称性の高信号を呈する。

 

45.モヤモヤ病に一致する所見を選びなさい。
1)MRIで脳底部に微細なflow voidを形成する。  2)椎骨・脳底動脈から狭窄が始まる。
3)脳出血は生じない。  4)内頚動脈から狭窄が始まる。  5)大脳に脳梗塞を生じる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C 
1)○→血管の断面が点状無信号域(flow void)として認められる。
2)×→内頚動脈、ウィリス動脈輪より始まります。

3)×→成人に達した場合基底核部や脳室内に出血を生じます。

46.脊髄髄内腫瘍であるものを選べ。
1)神経鞘腫  2)髄膜腫  3)上衣腫  4)星細胞腫  5)血管芽腫
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E 
1)×→軸索(axon)を取り巻くミエリン鞘の腫瘍です。      2)×→硬膜外です。

 

47.正しいのはどれか。
1)舌癌の小線源療法では、現在でもRa針が用いられる。
2)舌癌の小線源療法では、局所効果は良好だが、後発頸部リンパ節転移が予後を左右する。
3)口腔底癌には、198Auを用いることがある。
4)頭頸部癌に放射線治療が多用されるのは、機能温存をはかるためである。
5)早期舌癌に対する小線源療法の治療成績は、外科的切除に劣る。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 
1)×→137Cs192Ir198Arなどです。
5)×→N+やT3T4は基本的に手術、T1N0M0T2N0M0は小線源療法です。

 

48.正しいのはどれか。
1)頭頸部癌に対する放射線治療の主な副作用は口内炎、味覚障害などであり、唾液腺細胞はあまり分裂しないため、口渇は通常起きない。
2)上咽頭癌で頸部リンパ節転移がある場合は予後不良で、5年生存率は10%以下である。
3)下咽頭癌は頭頸部癌の中では予後不良な疾患の一つである。
4)喉頭癌の期では、頸部リンパ節転移を来すことは稀である。
5)喉頭癌の期では、発声の機能温存のため放射線治療が第一選択となる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E 

2)×→頚部リンパ節転移がある場合はStageⅢで5年生存率は30%である。   

) ○→5年生存率は上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌それぞれ45%、50%、25%である。

 

49.正しいのはどれか。
1)髄芽腫は小児に見られ、周囲に浸潤する傾向はあるが、髄膜播種は少なく、全脊髄照射は必要ない。
2)胚細胞腫は化学療法によく反応するが、放射線感受性は通常低い。
3)神経膠芽腫は比較的放射線感受性が高く、放射線治療が第一選択となる。
4)単発の脳転移でサイズの小さなものはガンマナイフによる治療が行われる。
5)小児白血病では、予防的に全脳照射が行われることがある。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E
1)×→髄膜播種が多く、全脳+全脊髄照射を行います。
2)×→高いです。脳腫瘍のうちに放射線感受性が高いものは髄芽腫、上衣腫と胚腫である。
3)×→放射線感受性が低いです。

 

 

 

 

 

 

50.正しいのはどれか。
1)小細胞性肺癌が予後不良であるのは、放射線感受性が低いためである。
2)肺癌の放射線治療では副作用として食道炎が見られる。
3)肺癌T1N0M0では、体幹部定位放射線照射により高い局所コントロールを得ることができる。
4)通常非小細胞性肺癌に対しては、原発巣と所属リンパ節に4046Gy照射した後、病巣のみに縮小して合計6070Gy程度照射する。
5)体幹部定位放射線照射では、一回2Gy程度で6070Gyまで照射することが多い。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 
1)×→小細胞癌は放射線感受性は比較的高いですが、予後は不良です。
2)3)4)○→プリントにありました。  5)×→選択肢より。

 

51.正しいのはどれか。
1)早期前立腺癌では手術とほぼ同じ治療成績と考えられる。
2)早期前立腺癌に対する手術の副作用は尿失禁だが、放射線治療の副作用は直腸障害である。
3)近年、我が国でも早期前立腺癌に対してヨード125による小線源療法が行われるようになっている。
4)前立腺癌の内分泌療法では、男性ホルモンを投与する。
5)前立腺癌に対する手術と放射線治療ではQOLでは手術が優れているとされている。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A 
2)3)○→プリント参照。
4)×→男性ホルモンを抑えるためLHRHの女性ホルモンを投与します。
5)×→放射線治療のほうが優れています。

 

52.正常組織の耐容量(大きいまたは小さいと表現する)について正しいのはどれか。
1)水晶体は大きい。  2)幼児でも骨、軟骨は大きい。  3)肝全体を照射した場合には小さい。

4)腎全体を照射した場合には小さい。  5)小腸は小さい。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E (平成15年概説の4849番あたりを参照してください)

 

54.X線やγ線に抵抗性なのはどれか。
1)肺小細胞癌  2)セミノーマ  3)悪性リンパ腫  4)骨肉腫  5)子宮体癌
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E (平成15年概説の50番と同じです。)

 

55.正しいのはどれか。
1)レントゲンがラジウムを発見し、放射線が医学に利用されるようになった。
2)放射線治療での照射線量は吸収線量で表し、通常R(レントゲン)が用いられる。
3)人は、医療被ばくだけでなく、自然界からも被ばくしている。
4)一般的に細胞分裂の盛んな細胞は放射線感受性が高い。
5)放射線によるDNA損傷はかなりの部分が回復することが知られている。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E (平成15年概説の51番と同じです。)

 

 

56.正しいのはどれか。
1)分割してX線を照射すると効果が減弱するのは、亜致死障害の回復が起こるためである。
2)放射線の生物作用は照射中の酸素分圧に依存して増強され、酸素がまったくない状態に比べて感受性は約2倍になる。
3)分割照射をすると、再酸素化の影響を受けるため、放射線治療には不利になる。
4)細胞の放射線感受性はG2,M期で高く、S期で低い。
5)照射期間が長くかかると、腫瘍細胞の再増殖が問題となる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C (平成15年概説の52番と同じです。)

 

57.放射線治療が第一選択となる腫瘍はどれか。
1)子宮頚癌(B期)  2)喉頭癌(期)  3)肝癌  4)直腸癌  5)胃癌
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)A (平成15年概説の54番と同じです。)

 

58.医療用リニアックについて正しいのはどれか。
1)電子を加速する装置である。  2)X線を加速する装置である。
3)磁場により回転しながら電子を加速する。  4)中性子治療を目的としている。
5)一般にコバルト60γ線のエネルギーよりも高いエネルギーの放射線を発生する
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)B
1)○→線形加速器で加速した電子を金属にぶつけてX線を取り出します。
2)×→加速するのは電子です。つーかX線は電磁波なのでもともと光速です。
3)×→線形加速器です。 4)×→X線です。

 

59.正しいのはどれか。
1)リニアックではX線または電子線を発生させることができる。

2)陽子線はブラッグピークを持つ。  3)炭素線はX線に比べて生物学的効果が高い。

4)電子線の方がX線に比べて透過力が高い。  5)ガンマ線は放射線治療に用いることはない。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A (平成15年概説の56番と同じです。)

 

60.Therapeutic Ratioについて正しいのはどれか。
1)5年生存率のことである。  2)正常組織耐容量対腫瘍組織致死量の比である。
3)非常に高いということは放射線治療に適することを意味する。
4)悪性リンパ腫ではTherapeutic Ratioは高い。  5)小細胞肺癌ではTherapeutic Ratioは低い。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D (平成15年概説の59番と同じです。)

 

 

 

 

 

 

 

61.正しいのはどれか。
1)一般に密封小線源の周囲の線量分布は距離の二乗に反比例して減弱するので線源近傍の病巣の線量は極めて高くなり、病巣の完全な制御が可能となることが多い。
2)密封小線量には60Co137Cs198Au192Ir等がありほとんどはX線を放射治療に利用している。
3)高線量率による小線源では医療従事者への被爆を考えなくてはならない。
4)密封小線源には腹腔内照射と組織内照射がある。
5)遠隔操作でサイズが極めて小さい192Ir線源を挿入するRemote after loading systemRALS)が開発され、小線源療法の適応が広がった。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)C 
2)×→γ線です。 3)×→低線量率線源では長時間使用しなければならないので、患者への大きな負担と医療従事者の被曝が問題でした。高線量率線源を遠隔操作で挿入するシステム(RALS)が導入された。

 

62.脳血流シンチについて正しいのはどれか。
1)99mTc-HMPAOはBBBを通過し、脂溶性物質に代謝され、脳に留まる。
2)脳梗塞の機能予後の推定に有用である。  3)Diamoxは脳血管を拡張させる。
4)ピック病では前頭葉優位に血流が低下する。  5)てんかん焦点は発作間歇期には高血流である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 
1)×→脂溶性から水溶性に代謝されます。

4)○→それに対し、Alzheimer病は側頭葉、頭頂葉の血流低下を認める。
5)×→発作間歇期には低血流で、発作期には高血流です。

 

63.123I-NaIシンチグラムによる甲状腺シンチグラムについて誤っているものを選べ。
1)亜急性甲状腺炎では取り込みは低下する。  2)破壊性甲状腺炎では取り込みは亢進する。
3)慢性甲状腺炎では、普通びまん性腫大と集積の亢進が見られる。
4)甲状腺癌ではふつう正常組織と比べて取り込みが低い。  5)異所性甲状腺の診断に有効である。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)C   2)×→低下します。 3)×→選択肢より。

 

64.肺換気血流シンチグラフィについて正しいものを選べ。
1)99mTcMAAは静脈投与すると、肺毛細血管に捕捉される。

2)81mKrの物理的半減期は13秒である。

3)肺塞栓症では血流に欠損が見られるが、換気は正常である。
4)肺血流シンチにより左右シャントを診断できる。
5)大動脈炎症候群では肺血流に異常が見られることは稀である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A
4)×→右左シャントがあると、投与したMAAの一部が肺に集まらずに素通りしてしまいます。

 

65.201Tl心筋シンチフラフィについて正しいものはどれか。
1)負荷後3時間の遅延像は安静時像に代用される。
2)ジピリダモールの冠血管拡張作用はネオフィリンで拮抗される。
3)運動負荷はO2需要を増やし、冠血流を増加させる。

4)201Tlは心筋脂肪代謝の測定に用いられる。
5)労作性狭心症では負荷時・安静時ともに欠損が見られる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)A 
4)×→201Tlは心筋血流を見るために用います。脂肪酸代謝を見るのは123BMIPPです。
5)×→安静時には欠損がありません。欠損像が見られるのは心筋梗塞である。

 

66.肝シンチグラフィについて正しいものはどれか。
1)99mTc -PMTは、肝細胞に取り込まれ、細胞に長時間留まる。
2)99mTc -GSAは、アシアロ糖蛋白受容体と結合する。

3)99mTc -GSAは、肝予備能の評価に用いられる。
4)99mTc -phytateは、肝網内系のKupffer細胞に集積する。
5)99mTc -phytateは、肝細胞癌の診断に有用である。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 
1)×→肝細胞に取り込まれ、胆管から腸管に排泄されます。

5)×→肝障害・肝硬変の評価に用いられます。

 

67.骨シンチグラフィについて正しいのはどれか。
1)撮像は99mTc-HMDP投与後20分に行う。

2)転移巣への集積は腫瘍周囲の骨反応を反映したものである。
3)前立腺癌や乳癌などの造骨性転移で陽性率が高い。

4)疲労骨折ではX線検査に比べて検出率が高い。
5)悪性腫瘍での肋骨の異常集積はまず骨転移と考えてよい。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D 
1)×→投与後2~4時間後に行います。前処置として排尿を行います。
5)×→プリントに「しばしば見られる転移以外の異常集積」として「外傷-肋骨」が挙げられる。

 

68.67Ga-citrateシンチグラフィについて正しいものはどれか。
1)撮像は67Ga-citrate投与後2~4時間に行う。  2)検査のための前処置は不要である。
3)悪性リンパ腫や悪性黒色腫で陽性率が高い。  4)炎症やサルコイドーシスにも集積する。
5)治療後の集積消失は腫瘍の消失を必ずしも意味しない。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E  1)×→3日後。  2)×→必要です。前処置は下剤。

 

69.18FDGPETについて正しいものはどれか。
1)18Fの物理的半減期は12時間程度である。   2)ブドウ糖代謝を反映した画像が得られる。
3)てんかん焦点の検出に有用である。  4)腫瘍の転移や再発診断に有用である。
5)保険は適用されていない。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D
1)×→110分です。  5)×→プリントにFDG PETの保険適用について詳しく載っています。

 

70.シンチグラフィ用放射性核種として適当な崩壊形式はどれか。
1)α崩壊   2)β-崩壊   3)β+崩壊   4)電子捕獲(EC)   5)核異性体転移(IT)
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

 

 

解答)E 
γ線を用いるので、一応2)3)4)5)は全て適当と言えます。しかしβ-やβ+は出てくるガンマ線のエネルギーが高すぎるので、シンチにはあまり使われないようです。よって4)と5)が答えです。ITについては、99mTcが全シンチグラフィの75%を占めているそうです。また、ECについては、201Tl67Ga123In111In標識トレーサが日常診療に多く使用されているそうです。

 

71.甲状腺癌の放射線ヨード治療について正しいのはどれか。
1)未分化癌や髄様癌が主な適用となる。  2)高齢者の方が若年者より効果が期待できる。
3)肺転移に比べると、骨転移の方がコントロールしやすい。
4)あらかじめ、正常甲状腺を全摘する。  5)腫瘤の大きなものでは効果が少ない。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E 
1)×→分化型腺癌(乳頭癌、濾胞癌)がターゲットです。
2)×→若い方がIの集積能が高いので、治療効果は40歳以下で良好、40歳以上では不良です。
3)×→10年生存率は肺転移が87%、骨転移が44%です。
4)○→外科的切除または131I-NaIによるablation(機能排絶)を行います。

 

72.IRMA法(イムノラジオメトリックアッセイ)について、RIA法(ラジオイムノアッセイ)と比較して正しいのはどれか。
1)競合反応である。  2)抗体は少量でよい。  3)抗体を認識する。

4)測定感度が良い。  5)測定時間が短い。
 
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E 
1)×→RIAは競合反応、IRMAは非競合反応で、反応時間(測定時間)が短い。
2)×→抗体は多量に必要です。モノクロナル抗体の利用。

 

73.次の腫瘍マーカーと悪性腫瘍との組み合わせで、誤っているのはどれか。
1)AFP-原発性肝癌   2)SCC-食道癌   3)CEA-肺癌(腺癌)
4)サイログロブリン-大腸癌   5)hCG-胃癌
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)E     (詳しくはhttp://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/diagnosis/010601.html
4)×→サイログロブリンは甲状腺癌のマーカーです。大腸癌はCEACA199が用いられます。
5)×→hCGは胚細胞系の腫瘍に用いられる。胃癌はCEACA199CA724STNが用いられる。

 

74.核医学検査の副作用に関して、正しいものはどれか。
1)ヨードアレルギー患者にヨードシンチは行うべきでない。
2)急性放射線障害が約1%程度の頻度で生じる。

3)骨シンチグラム1回の被曝線量は5mSv程度である。
4)放射性医薬品に含まれる溶媒によって副作用が起こることがある。
5)ヨード系造影剤を用いたCTよりも副作用の頻度は低い。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)E 
1)×→核医学検査の利点は「化合物としては微量のため、薬理作用を起こさない」事です。アレルギーが起こる可能性はほとんど0%です。
2)×→急性の放射線影響のしきい線量を超えることはないので、脱毛、白血球の減少や胃腸管障害などの急性放射線影響が生じることない。

75.核医学に関し正しいものを選べ。
1)放射性同位元素を用いた治療は含まない。  2)「核」とは原子核である。
3)シンチグラフィはin vivo検査である。  4)核医学検査は生体の機能を反映する検査である。
5)甲状腺機能亢進症の治療には99mTcを用いる。
A.1,2,3  B.1,2,5  C.1,4,5  D.2,3,4  E.3,4,5

解答)D
1)×→非密封性の放射性同位元素を用いるのが核医学です。  5)×→131I-NaIを用います。

 

76.シンチグラフィに関し正しいものを選べ。
1)β+壊変を起こす核種を用いる。  2)シンチレーションカメラを用いる。
3)断層画像をSPECTという。  4)β-を検出し画像を作成する。
5)シンチレーションカメラはγ線は検出できるがX線は検出できない。
A.1,2  B.1,5  C.2,3  D.3,4  E.4,5

解答)C 

1)4)×→検出するのはγ線。使うのは主に核異性体転移と電子捕獲です。

 

77~81.臨床検査に関する次の文章で正しいものを選べ。(正解は一つとは限らない)
77.検体採取のタイミングの守るべきルールについて
A.食後12時間経過していれば採血する時間はいつでも構わない。
B.出来れば、診断行為や治療行為が行われる前に検体採取を行う。
C.検体採取の正確な時間を常にカルテや指示簿に記録しておく。
D.いつ検体を採取するかは、検査測定値には影響はない。

解答)BC (7881番は全て講義ノートより解答を作成しました。)

 

78.検査結果に及ぼす因子について
A.様々な検査結果は生理的変化がある。
B.血清中のヘモグロビン、カリウム、乳酸などは輸血の影響を受ける。
C.採血は輸血をしている反体側の腕から採血しなければならない。
D.検査の種類によっては年齢で検査結果が変化する。

解答)ACD

 

79.
A.早く搬送し、保存時間を短くすると検査結果の信頼性が高くなる。
B.検体の保存は例外なく冷却して保存するとよい。
C.原則として全血では保存しない。  D.全血は冷蔵庫で保存する。

解答)A
B
)×→全血は冷却してはいけません。
C
D)×→授業では、「冷やすと赤血球が壊れるので、全血は冷蔵庫では保存しない。仕方なく半日くらい保存する場合は必ず室温で置く事。」とおっしゃっていましたので×でしょう。

 

80.検体の保存について
A.解凍した検体はそのまま測定する。混和などしないように注意する。
B.直射日光に当てるとビリルビン、ビタミンC、ポルフィリンなどが低下する。
C.全血で保存していると乳酸は低下し、pHは上昇する。
D.できるだけ検体が空気に触れるのをさける。

解答)BD (平成14年の56番と全く同じです。)

81.検体の保存について
A.使い捨ての検体採取セットを利用すると保存で起こる問題は減少する。
B.全血検体は振ったり揺すったりして検体の混和に注意する。
C.感染性のある検体はラベルを貼り、特に取り扱いに注意する。
D.採血容器をいつも立てておくと凝固反応が促進される。

解答)AC(D) (Dについては不明)
B
)×→振ったり揺すったりし過ぎると、細胞が壊れ、値が変わってくる。  D)?→

 

写真問題 (原本が入手できなかったので似た図を教科書から持ってきました。あまり似た図がなかったものもありますが。)試験直前の講義で、先生が試験問題と全く同じ写真を見せながら講義をされました。写真は確保できませんでしたがここの答えは間違いないと思います。

1.症例1から最も考えられ易いものはどれか。


A.髄膜腫

B.硬膜下血腫

C.硬膜外血腫

D.動静脈奇形

E.モヤモヤ病

解答)D

 

2.症例2から最も考えられ易いものはどれか。(それぞれ「血流シンチ」、「換気シンチ」)

A.肺塞栓症

B.肺癌

C.肺結核

D.肺炎

E.肺線維症

解答)A

 

3.症例3から最も考えられ易いものはどれか。

A.肺塞栓症

B.肺癌

C.肺結核

D.肺炎

E.肺線維症

解答)B

 

4.症例4から最も考えられ易いものはどれか。(Dynamic MRIの造影前、動脈相、門脈相の3つです。下の図には薄く矢印がありますが、原本にはなし。

A.肝血管腫   B.転移性肝癌   C.胆管細胞癌   D.肝腺腫   E.肝細胞癌

解答)E

 

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