平成16年度 「臨床検査・放射線医学」 卒業試験
1.上部消化管造影X線検査について正しいのはどれか? a.前もって前処置として下剤を投与しておく。 b.前処置として鎮静剤を投与する。 c.前処置として咽頭弛緩剤を投与する。 d.直前の食事は絶食とする。 1 a,c,d
2 a,b 3 b,c 4 d 5 a~dの全て |
解答) 4
a)b)c)×→前処置としては、検査前日の夕食以後は絶食とし検査当日の絶飲、タバコの喫煙禁止を行う。検査前にコリオパンやブスコパンなどの鎮痙剤(副交感神経遮断剤)の注射をするのは、胃や腸などの消化器の蠕動運動や胃液の内分泌を抑制し診断しやすい写真を撮影するためである。
3.上部消化管造影X線検査について正しいものを選べ a.充満法は胃角を含む、胃の辺縁の評価に有用である b.圧迫法では陥凹性病変ではバリウムがたまり、隆起性病変ではバリウムをはじく c.二重造影法は陽性と陰性の造影剤によるコントラストを利用する d.二重造影法は粘膜の微細構造の評価に適している 1.acd 2.ad 3.bc 4.d 5.すべて正しい |
解答)5 →前年度の概説・卒試を参照する
4.胃癌を示す粘膜ひだ集中の所見として正しいのはどれか。 a. ひだ先端の急峻な先細り b. ひだ先端の途絶 c. ひだ先端の太まり d. ひだ先端の癒合 1) a, c, d 2) a, b 3) b, c 4) d 5) a~dすべて |
解答)5 →良性所見はひだ先端の滑らかに先細り消失する
5.小腸X線造影検査について、正しいものの組み合わせを選べ。 a.
小腸の機能検査および簡便検査は、バリウムを経口で摂取して十二指腸から小腸まで造影する経口造影法である。 b.
小腸の精密検査は、チューブをトライツ靭帯付近まで挿入する小腸ゾンデ法である。 c.
小腸疾患は頻度が少ないため、小腸X線造影検査の件数は胃X線造影検査よりも少ない。 d.
小腸X線造影検査では、胃X線造影検査よりも低濃度のバリウムを使用する。 1.a,c,d 2.a,b 3.b,c 4.d 5.a~d |
解答)5 →小腸造影は60-80W/V%バリウムを使用に対し、上部消化管は160-200W/V%のを使用
6.注腸造影について正しいもの。 a.前処置が必要である b.肛門からバリウムと空気を注入する c.胃透視で使用するよりも高濃度のバリウムを使用 d.鎮痙剤は使用しない (1)a,b(2)b,c(3)c,d (4)d,e (5)a,e |
解答)1
c)×→下部消化管造影は67-80W/V%バリウム300-400ml注入と適量の送気により二重造影を得る。
d)×→ 腸管の蠕動運動と分泌を抑制するために使用。
7.消化管造影X線検査で用いられる用語について正しいのはどれか。 a.ニッシェは癌を示す所見である。 b.ニッシェは陥凹性病変や潰瘍を示す所見である。 c.タッシェは偽憩室と呼ばれる変形像である。 d.タッシェとニッシェが並存することはない。 1)a,c,dのみ 2)a,bのみ 3)b,cのみ 4)dのみ 5)a~dのすべて |
解答)2 → ニッシェは胃壁に生じた組織欠損部にバリウムが入った状態を言う。一般的に欠損の原因が両性潰瘍の時に使う。組織欠損の再発と治癒を反復して瘢痕化すると、タッシェ(衣嚢)を形成する。タッシェが極端になると、十二指腸はクローバ状の変形を来たす。古い病変(タッシェ)に新病変(ニッシェ)を並存することはある。
8.低緊張性十二指腸造影検査について正しいのを選びなさい。 a.経口的にバリウムを流す。 b.腸管内食物を取り除くために前日に下剤を使用する。 c.ゾンデをトライツ靭帯を越えるまで挿入してバリウムを流す。 d.鎮痙剤(ブスコパン)を静脈注射で使用する。 1.a,b,d 2.a,b 3.b,c 4)d 5.a~d全部 |
(選択肢はちょっと自信がありません。定番の選択肢だったと思うので他の問題のを参考にしていただけるとありがたいです。)
a)b)c) ○ d)× →ブスコパンは筋注
9. 胃透視でbridging foldを示すものを3つえらべ 1、過形成性ポリープ
2、平滑筋腫
3、脂肪腫 4、腺腫 5、癌 |
解答2,3、? 2003年度卒試5番と同じでした。
解説bridging foldとは粘膜ひだが隆起性病変をまたぐように見えるもの
10.虚血性大腸炎について正しいのはどれか。 a.拇指圧痕像を呈する。 b.全周性におよぶとapple-core像を呈する。 c.輪状の潰瘍を伴う。 d.非連続性の病変を呈する。 e.著明な浮腫を生じる。 1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e |
解答)2
a)は特徴的な所見。e)も認められる。縦走潰瘍をともない、循環障害がある腸間膜血管の走行にそって連続性病変が見られる。
11.メッケル憩室について正しいのはどれか。 a.小児の腹痛、下血の原因となる。 b.小腸の粘膜に胃粘膜組織がみられることがある。 c.憩室は腸間膜付着部に存在する。 d.小腸造影では憩室は描出されない。 e.メッケルシンチではほぼ前例が陽性となる。 1)ab 2)bc 3)cd 4)de 5)ae |
解答)1
c)×→Meckel憩室は回盲部より口側数十cmの腸間膜付着部対側にできる先天性真性憩室
d)×→描出される e)メッケルシンチ???
12.炎症性腸疾患について正しいものはどれか a.潰瘍性大腸炎の病変は直腸から連続することが多い。 b.小腸の縦走潰瘍はクローン病に特異的である。 c.ろう孔形成はクローン病より潰瘍性大腸炎に多く見られる。 d.腸結核は直腸が好発部位である。 e.虚血性大腸炎は縦走潰瘍を形成する。 1.abc 2.abe 3.ade
4.bcd 5.cde |
解答)2
c)×→ろう孔形成は潰瘍性大腸炎よりクローン病に多く見られる。d)×→腸結核は回盲部に好発する。
13.消化管脂肪腫について正しいのはどれか a.内視鏡にて病変は黄色調を呈する。 b.内視鏡下で生検かん子を用いて病変を圧迫するとクッションサインが陽性である。 c.超音波内視鏡にて高エコーを呈する。 d.CTにて脂肪織と同程度の低吸収域として描出される。 1 a,c,d 2 a,b 3 b,c 4 dのみ 5 a~dの全て |
解答)5
消化管脂肪腫は粘膜下腫瘍の一つである。内視鏡的には腫瘤が鉗子による圧迫で柔軟性に富むこと(cushion sign) が重要であるとされる。超音波上、粘膜下層に局在した高エコ-所見を呈する腫瘤として描出されており、内部均一である。CT値は脂肪組織(-100HU)のとほぼ一緒であるはず。
14.次のうち単純X線写真にて肺胞性陰影を呈するものはどれか。 a.塵肺 b.癌性リンパ管症 c.サルコイドーシス d.肺炎 e.肺水腫 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)5
a)(結節影)、b)(すりガラス)、c)(粒状影)ともに間質性陰影を示す。
15.胸水について正しいのはどれか。 1)少量の胸水は側臥位より立位での撮像の方が、異常を指摘しやすい 2)右側肺下胸水では横隔膜の頂部が内側に偏位する 3)左側肺下胸水では胃泡と肺下縁との距離が短くなる 4)葉間胸水は治療により速やかに縮小する。 5)立位での少量胸水は肋骨横隔膜角の鈍化として認める。 A.1,2 B.1,5 C.2,3 D.3,4 E.4,5 |
解答)E (平成16年度概説24と同じ問題)
1)×→逆 2)×→外側に偏位 3)×→長くなる
16.正しいものを選べ a 腹背方向の胸部X線写真正面像は背腹方向の像よりも縦隔陰影が大きい b 横隔膜は通常右側が高い c 肺門は通常右側がやや高い d 縦隔は前縦隔と後縦隔に大別される e 胸部X線写真正面像は通常腹背方向で撮影する 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)1
c)×→肺門は通常左側がやや高い d)×→縦隔は上縦隔、前縦隔、中縦隔と後縦隔に大別される
e)×→a)のために通常背腹方向で撮影する
17.正しいものはどれか。 1.Air bronchogramは、主として間質性病変に見られる所見である。 2.Kerley's B lineは、肺門部より放射状に見られる線陰影である。 3.extrapleural signとは、病変が肺内か肺外かの区別に有用である。 4.境界不明瞭な淡い陰影は、肺胞性陰影の特徴の一つである。 5.シルエットサインは、病変の部位を推定するのに有用なサインである。 a.123 b.125 c.145 d.234 e.345 |
解答)e
1)×→air bronchogramは肺胞内に滲出物が生じ、連続的に肺胞群を埋めてゆき融合性を陰影が形成されるなか、気管支の空気透亮像が描出され、主として肺胞性病変の所見である。
2)×→Kerley’s B lineは、肺野末梢部の胸膜より放射状の陰影であり、肺水腫の所見。
18.肺腫瘤のCT所見について、正しいのはどれか。 a. 器質化肺炎は、粗大石灰化を伴うことが多い。 b. 硬化性血管腫は、辺縁不整あるいは分葉状であることが多い。 c. 腺癌は辺縁にspiculation、血管収束、胸膜陥入を伴うことが多い。 d. 円形無気肺では、気管支や血管が腫瘤の辺縁に円弧状に収束するのが特徴である。 e. 結核腫では、均一に強く増強されることが多い。 |
解答)c、d
a)×→器質化肺炎(BOOP)は融合性浸潤影/すりガラス様陰影(汎小葉性)を呈することが多い
b)×→硬化性血管腫は辺縁平滑類円形で、徐々に増大する傾向である
e)×→結核腫は辺縁整、境界明瞭、石灰化巣があり、ダイナミックCT上周辺の造影効果を認める
19 びまん性肺疾患(びまん性肺病変だったかも…)の高分解能CTの所見として正しいものを選べ。 a. 血行性転移では結節は小葉中心性分布を示す。 b. びまん性汎細気管支炎では結節は小葉中心性分布を示す。 c. 粟粒結核では結節はランダム分布を示す。 d. 塵肺では結節はランダム分布を示す。 e. サルコイドーシスでは結節は小葉中心性分布を示す。 (1)a,b (2)a,e (3)b,c
(4)c,d (5)d,e |
解答)(3)
a)×→血行性メタでは多発性結節影やびまん性粒状影が多い。
d)×→珪肺は両側対称性上葉優位の粒状影、石綿肺はhoneycombingや胸膜下網状影
e)×→細気管支周囲、小葉間隔壁の微細粒状影や大小の結節影を認める
20.肺癌の画像所見について正しいものは? a、高分解能CTで境界明瞭なスリガラス状の結節影を示すのは高分化型腺癌である。 b、腺癌は中枢より末梢に発生することが多い。 c、小細胞癌は中枢より末梢に発生することが多い。 d、扁平上皮癌は空洞形成することが少ない。 e、肺癌のCTで胸膜に多発する結節をみた場合、胸膜播種を疑う。 1(abc) 2(abe) 3(ade) 4(bcd) 5(cde) |
解答)2
c)×→小細胞癌と扁平上皮癌は中枢の方が多い
d)×→扁平上皮癌は空洞形成が見られる。特に肺野型のSCC
問題21 前縦隔に好発する病変はどれか (1) 奇形種 (2) 神経線維腫 (3) 気管支嚢胞 (4) 胸腺腫 (5) 縦隔内甲状腺腫 (A). (1)(2)(3) (B).
(1)(2)(5) (C). (1)(4)(5) (D).
(2)(3)(4) (E). (3)(4)(5) |
解答 C(平成16年度概説試験問題32と同じ)
(2)×→ 後縦隔 (3)×→ 中縦隔
22.次のうち胸腺腫に合併するものを二つ選べ。 a.筋無力症 b.嚢胞腎 c.白血病 d.骨髄腫 e.赤芽球労 1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e |
解答)2
23 副甲状腺機能亢進症で認められる骨X線病変で正しいものはどれか a
Looser's zone b bone within
bone appearance c
salt and pepper appearance of the skull d disappearance of lamina dura e
subperiosteal bone resorption 1 abc
2 abe 3 ade 4 bcd 5cde |
解答)d
a)×→ Losser’s zone(骨改変層)は偽骨折とも呼ばれ、疲労骨折の病的治癒過程に軟化症(くる病)を始め、変形性骨炎(Paget disease)、線維性骨異形成症、骨形成不全に見られる
b)×→ 骨内骨陰影は大理石病(osteopetrosis)の四肢X線所見である
24 正しいものを選べ a 偽副甲状腺機能亢進症・・・・brown tumor b 糖尿病・・・・neurotrophic osteoarthropathy c 進行性全身性硬化症・・・・皮下組織の石灰化 d くる病・・・・肋骨軟骨の狭小化 e 副甲状腺機能亢進症・・・・looser's zone 1 ab 2 ae 3 bc 4 cd 5 de |
解答)3
a)×→ brown tumorを示すのは原発性副甲状腺機能亢進症
d)×→ くる病は肋骨軟骨の膨大(costal rosary)を来たす
26.正しいものを選択せよ。 a)乳癌は上部外側に好発する。 b)わが国の女性において乳癌の訂正罹患率は第一位である。 c)乳癌は乳管内にとどまることが多い。 d)乳腺腫瘤の鑑別にCTが有効である。 e)dense chestは若い女性や授乳期の女性に見られる。 1.abc 2.abe 3.ade
4.bcd 5.cde |
解答)2
c)×→乳癌には浸潤癌が多いから
d)×→軟部組織の評価はCTが適さない。乳癌検査画像の基本は超音波とマモグラフィー
e)○→若い女性や授乳期の女性の乳腺組織が多いためdense chest(breast)となり画像評価が困難
27.石灰化の多い腫瘍はどれか? a, 頭蓋咽頭腫 b, 膠芽腫 c, 下垂体腫瘍 d, 髄芽腫 e, 乏突起膠腫 1) a,b 2) b,c 3) c,d 4) d,e 5) e,a |
解答)5
b)c)d)×→膠芽腫と下垂体腺腫の石灰化は少なく、髄芽腫はしばしば石灰化が見られる
a)e)○→頭蓋咽頭腫の>90%、乏突起膠腫に石灰化がよく見られる
28.臨床検査・放射線~正しいものを選べ 1脳梗塞は発症6時間後、CTでだいたい100%わかる。 2脳出血は発症6時間後、CTでだいたい100%わかる。 3くも膜下出血は通常脳底部の脳そうが高吸収になる。 4脳梗塞では造影剤でエンハンスされることは稀である。 |
(3択でした。復元不十分ですいません)
1)×→脳梗塞は発症12時間以内、CT上病変が不明か僅かに灰白質の吸収値が低下する
2)3)○→新鮮な出血は高吸収値を示し、CT上は経時的に変化する 4)???
30.脳腫瘍のCT所見について正しいのはどれか a.下垂体腺腫は造影剤投与によりほとんど増強されない b.聴神経鞘腫は通常病変側の内耳道の拡大を伴う c.髄芽腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収を示すことが多い。 d.髄膜腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収を示すことが多い。 e.髄芽腫は造影剤投与により通常均一に増強される 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)わからない
a)×→下垂体腺腫は造影CTにて高吸収域のringed enhancementを示す
b)e)○ c)○→髄芽腫は通常CT上で高吸収域、脳質の対称性拡大を認める
d)×→髄膜腫は通常CT上等~やや高吸収域を示す
32.血管造影上、一般に血管に富む腫瘤として描出されるのはどれか。 a.髄膜腫 b.乏突起膠腫 c.頭蓋咽頭腫 d.多形成膠芽腫 e.腎癌脳転移 1abc 2abe 3ade 4bcd
5cde |
解答) 3
a→○硬膜動脈が主栄養動脈であり、腫瘍付着部からsun-burst appearanceが認められる。腫瘍濃染は濃く、静脈相まで続く(腫瘍濃染像)
b→×CT上低吸収と石灰化。新生血管は見られない。 c→×
d→○径不整な腫瘍血管。動脈相~毛細血管相の不均一な濃染
e→○毛細血管相で染まり、早期静脈がときに出現
34.正しいものを選びなさい。 a.頭蓋冠の線状骨折では急性硬膜下血腫を伴うことが多い。 b.頭蓋底の吹き抜け骨折では冠状断CTが有用である。 c.急性硬膜下血腫の急性期ではCT上低吸収を呈する。 d.頭蓋骨骨折ではCTのwindowを狭くして撮影する。 e.側頭骨骨折ではCTよりMRIのほうが有用である。 1(a) 2(b) 3(c) 4(d)
5(e) |
解答)b、dの両方のどちらか○ ???
a)×→急性硬膜下出血は脳挫傷部の血管や架橋静脈の損傷により発症する
c)×→急性硬膜下出血は三日月型のhigh density areaが認められる
e)×→骨病変はMRIよりCTの方が有用である
35.脳梗塞のCT画像についてについて正しいものを2つ選べ a. 発症直後は梗塞部位は脳実質より低吸収である。 b. 発症直後は梗塞部位は脳実質より等吸収である。 c. 発症2週間後には脳実質と等吸収になる。 d. 発症1ヵ月後には脳実質と等吸収になる。 e. 発症1年後には脳実質と等吸収になる。 |
発症直後(=12時間以内)では病変が不明である
12~24時間後に低吸収域の出現する
1~数週間後に病変が不鮮明になる(fogging effect)
2~3ヶ月以降境界明瞭な低吸収になる よって A.× B.○ C.○ D.× E.×
36.硬膜下血腫と硬膜外血腫について正しい選択肢を選べ。 a.CT上で硬膜外血腫は凹レンズ状の高吸収域を呈する。 b.CT上で硬膜下血腫は凸レンズ状の高吸収域を呈する。 c.CT上で硬膜外血腫は三日月状の高吸収域を呈する。 d.CT上で硬膜下血腫は三日月状の高吸収域を呈する。 e.CT上で硬膜外血腫は凸レンズ状の高吸収域を呈する。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
(解答)5 2003卒試34番と同一問題
(解説)a c e→凸レンズ状の高吸収域を呈する b d→三日月状の高吸収域を呈する
37.脳実質内腫瘍で頻度が高いものはどれか? a.悪性リンパ腫 b.胚芽腫 c.血管芽腫 d.転移性脳腫瘍 e.神経膠腫 1 (a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e) |
解答) 5 15年度卒業試験 38番と同じ
a→まれb→3~4%、c→まれ、d→最多、e→30~40%(脳腫瘍のうちでの%)
38.脳実質外腫瘍の正しい組み合わせはどれか? (a)血管腫 (b)頭蓋咽頭腫 (c)髄膜腫 (d)神経鞘腫 (e)悪性黒色腫 1.(a)(b) 2.(a)(e) 3.(b)(c) 4.(c)(d) 5.(d)(e) |
解答)?? →全部○??
c)d)絶対○でしょう a)中枢神経実質以外由来 b)胎生期遺残物由来 e)脳転移率の高い癌
40.正しいのはどれか。 a.3D conformal
radiation therapyにより、副作用を低減することができる。 b.Intensity modulated
radiation therapy(IMRT)とは、各照射方向のビームの強度を変えることにより、その総和としての線量分布を最適化する方法である。 c.ガンマナイフは約30個のコバルト線をもち、ガンマ線を集中して照射することができる。 d.ガンマナイフは非侵襲的な治療である。 e.ガンマナイフは頸部リンパ節転移の治療はできない。 1.abc
2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)a)b)d)○
c)×→ガンマナイフは約201個のコバルトの線源をもつ
e)×→ガンマナイフは主に脳腫瘍が適応。頚部リンパ節転移を来たした脳腫瘍なら適応あり
41番 正しいのはどれか。 a. X線ではそのエネルギーが高いほどbuild upが浅くなる。 b. 炭素線はブラッグピークを持つ。 c. 電子線はある深さに来ると急速に減弱する。 d. 陽子線はブラッグピークを持つ e. γ線はある深さに来ると急速に減弱する。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4 *粒子線(炭素線、陽子線)はBragg peakを持つ
a)×→X線ではそのエネルギーが高いほどbuild up(立ち上がり)が深くなる
e)×→γ線はX線と同じく光子(photon)でありbuild up後、徐々に減弱する
42.正しいのはどれか? (1)一般に密封小線源の周囲の線量分布は距離の二乗に反比例して減弱するので線源近傍の病巣の線量は極めて高くなり、病巣の完全な制御が可能となることが多い。 (2)密封小線源には60Co、137Cs、198Au、192Ir等がありほとんどはX線を放射線治療に利用している。 (3)高線量率による小線源では医療従事者への被爆を考えなくてはならない。 (4)密封小線源には腔内照射と組織内照射がある。 (5)遠隔操作でサイズが極めて小さい192Ir線源を挿入するRemote after loading systemが開発され、小線源療法の適応が広がった。 A.1,2,3 B.1,2,5 C.1,4,5 D.2,3,4 E.3,4,5 |
解答)c
2)×→密封小線源は主にγ線を放射線治療に利用する
3)×→低線量率の照射時間が長いから医療従事者への被爆を考えるべき
45.非進展例で手術成績が放射線とほぼ同じものを選べ a.舌癌 b.喉頭声門癌 c.子宮頸癌 d.胆管癌 e.胃癌 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)1
d)e)×→治療は手術が基本であり、手術非適応の進行例はRadio
46. 遠隔転移を伴わない局所進展例の場合、手術よりも放射線治療が行われることが多いものを選べ a. 前立腺癌 b. 肺癌 c. 子宮頚癌 d. 大腸癌 e. 肝癌 1. abc 2. abe 3. ade
4. bcd 5. cde |
解答)a
d)×→結腸切除率が高く、近くに放射線感受性の小腸があるため放射線療法を行うことは稀
e)×→HCCの治療は手術、エタノール注入、マイクロ波、塞栓術、動注などがあり、放射線は稀
47.放射線治療の適応とならない疾患はどれか。 a.Basedow病に伴う眼球突出 b.血管腫 c.Keloid d.脂肪腫 e.頚動脈、海綿静脈洞瘻 1) a 2) b 3) c 4) d 5) e |
解答)d →軟部組織は放射線感受性が低い
48. 密封小線源治療について正しいのはどれか。 a 線源としては137Cs、198Au、192Irがよく使われる。 b 舌癌、子宮頚癌はその最もよい適応である。 c 現在、用いられているのは早期の舌癌と早期の子宮頚癌が主である。 d 線源のβ線を利用する治療法である。 e 医療従事者の被爆を考えなくてよい。 1 abc 2 abe 3 ade 4 bcd 5 cde |
解答)1 d ×:β線→γ線 e ×:考慮することが必要である。
51.喉頭癌の放射線治療について正しいものを選べ。 a 成績は下咽頭癌のそれに劣る。 b 機能保全のためにまず放射線照射し、効果が少なければ手術に切りかえるのがよい。 c すでに軟骨に浸潤しているような進行癌では手術を前提とした術前照射が行なわれる。 d glotticの方がsubglotticより発見されやすく、成績もよい。 e 見えやすいsupraglotticの方がglotticより反応がよくわかり、成績も良い。 1(a,b,c) 2(a,b,e)
3(a,d,e) 4(b,c,d) 5(c,d,e) |
解答)4
a:×下咽頭癌が頭頸部のなかで最も予後が悪い
d:○声門癌(glottic)は嗄声などの症状が早期より出るので、早期発見が可能であり、予後は良い
e:×声門上癌(supraglottic)はリンパ節転移が多く予後不良
52.頭頚部腫瘍の治療について正しいものはどれか。 a.上顎洞癌は原体照射、密封小線源腔内照射などを組み合わせると、放射線療法のみで高い治癒率が期待できる。 b.舌癌のうち原発巣の小さなものは組織内照射でコントロールできるが原発巣の大きなもの、頚部リンパ節転移のあるものは集学的治療を必要とする。 c.咽頭癌の早期例は放射線療法にて治癒できるが、頚部リンパ節転移をきたせば、手術を行う。 d.上咽頭癌は頭蓋内進展もあるので放射線療法が行われる。 e.甲状腺癌は未分化癌であっても放射線感受性が低く、手術が第一選択である。 1a,b,c 2a,b,e 3a,d,e
4b,c,d 5c,d,e |
解答)4 (2003卒試 49と同一です)
53.悪性リンパ腫のうちマントル照射が行われるのはどれか。 a.頸部と縦隔のホジキン氏病結節硬化型 b.ワルダイヤー輪と下部頸部の非ホジキンリンパ腫びまん型 c.甲状腺の非ホジキンリンパ腫びまん型 d.胃と縦隔の非ホジキンリンパ腫びまん型 e.傍大動脈リンパ節と脾臓のホジキン氏病リンパ球優位型 1) a 2) b 3) c 4) d 5) e |
解答)a
Hodgkin病と非Hodgkinリンパ腫のいずれも放射線に極めて感受性が高い。Hodgkin病はリンパ節に初発し、連続性に広がるに対し、非Hodgkin型ではリンパ節以外からの初発が半数を占め広がり方は非連続性のことが多い。そのため、Hodgkin病ではマントル照射(頚部胸部にできた時)、逆Y型照射(傍大動脈・脾門部リンパ節)がある。非Hodgkinリンパ腫は広がり方などにより外科的切除、放射線治療、化学療法などの組み合わせを考慮する(case by case)。
54.乳房温存療法に関して正しいものを選べ。 a.SLEを合併する患者に対する放射線照射は禁忌である。 b.広範囲でびまん性病変や砂状陰影をともなった症例は良い適応である。 c.少なくとも全量で60Gy以上の照射が必要である。 d.乳房全体に照射する必要がある。 e.術中にリンパ節転移が認められなかった場合、傍鎖骨リンパに対する照射は行なわない。 |
解答)a
b)×→びまん性石灰化や多発病巣は乳房温存術の非適応
c)×→肺損傷を避けるために、1回2Gy週5回、合計50Gyが基本
e)×→切除標本には4個以上の腋窩リンパ節転移陽性の時鎖骨上・下、胸骨傍リンパ節を照射する
55.肺癌の放射線治療について正しいもの。 a.外科手術との成績の比較。
b.60グレイを目標に照射する。 c.腔内照射をおこなうことはない。 d.T1N0M0、T2N0M0は定位放射線療法の適応である。 e.忘れました。 1)abc, 2)abe, 3)ade, 4)bcd, 5)cde |
解答)復元が不足のため… b)×→目標は40-46Gy c)×→肺門型早期肺癌に対し小線源療法を行う
d)×→TNM分類は放射線療法に使用しない(外科的切除となるごく一部のみに使用)
57.正しい組み合わせを選べ。 a.早期の前立腺癌は、手術のほうが放射線治療より成績がよい。 b.局所進行前立腺癌に対しては、放射線治療と内分泌療法が有効である。 c.前立腺癌に対する小線源療法が最近日本でも始まった。 d.木村氏病に放射線治療を行うことがある。 e.加齢性黄班変性症に放射線治療を行うことがあるが、総線量は50GY程度を目標とする。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4
a)×→あまり変わらないが、放射線療法の方がよりQOLが保てる e)???
58 核医学について正しいものを選べ a)放射性同位元素を用いた治療は含めない b)"RI"とは放射性同位元素をさす c)核医学検査は生体の機能を反映する d)シンチグラフィーはin vivo検査に分類される e)PET検査はin vitro検査に分類される 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde |
解答)4
a)×→含める e)×→in vivo(RIを体内に投与し、体内分布を撮影・測定)
59.原子核の崩壊形式で正しいものはどれか。 (1) α崩壊—226Ra (2)β+崩壊—131I (3)β−崩壊—Tl(質量数を失念致しました) (4)電子捕獲(EC)—15O(酸素) (5)IT—99mTc a.(1)(2) b.(1)(5)
c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5) |
解答)b
61. 甲状腺癌に対する放射線ヨード治療について正しい組み合わせを選べ。 a. 分化癌より未分化癌の方がよい適応である。 b. 3.7GBq以上を使う場合は、ホウ素病棟の個室隔離が必要である。 c. 治療をはじめた直後に、甲状腺機能亢進状態になることもある。 d. 治療を行う前に甲状腺機能を廃絶しておく。 e.
脳転移症例はよい適応である。 1. abc 2. abe 3. ade 4. bcd 5. cde |
解答)選択肢より4
a)×→未分化癌は123Iuptake↓のため分化癌(乳頭癌、濾胞癌)がより良い適応
b)d)○
c)?? e)遠隔転移例は適応になるが、脳転移は少なく…
63.放射性医薬品について正しいものを2つ選べ。 (1)薬理作用はほとんどない。 (2)99mTcはジェネレーターシステムにより供給される。 (3)半減期の長いものがシンチに適する。 (4)β線を放出するものがシンチに適する。 (5)CTに用いられるヨード系造影剤よりも副作用は多い。 |
解答)1と2
3)×→半減期が長いと被曝が大きい、環境への影響も
4)×→ガンマ線を放出する電子捕獲(EC)や核異性体転移(IT)を使用
5)×→薬理作用ほとんどないからヨード系造影剤の副作用がない
64.次のうち正しいものの組み合わせはどれか。 a. シンチレーションとは蛍光のことである b. シンチレーションカメラによりβ線を測定する c. 測定時には、通常コリメーターを装着する d. 光電子増倍管は光を増幅する e. シンレーションカメラを回転させて得られる断層画像をSPECTという。
1(a.b.c)
2(a.b.e)
3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)5
a)×→物質の発光のこと b)×→ガンマ線を測定する
65.脳血流シンチグラフィーについて正しいものを選べ。 (a) 99mTc-ECDは、脳組織で代謝されない。 (b) 広範囲な大脳半球の梗塞で、対側小脳の血流が低下することがある。 (c) 脳梗塞での血流低下の範囲はしばしばCT上での低吸収域より広い。 (d) アルツハイマー病では、側頭葉と頭頂葉に著明な血流低下が見られる。 (e) てんかん発作の間歇期は、脳血流が増加する。 1.(a)(b)(c) 2.(a)(b)(e) 3.(a)(d)(e) 4.(b)(c)(d) 5.(c)(d)(e) |
解答)4
a)×→BBBを通過し脂溶性から水溶性に代謝し脳組織に捕捉される
e)×→発作間歇期には低血流で、発作期には高血流です
67.99mTc-MAAと81mKrガスの肺シンチグラフィーについて誤っているものを選べ。 a.99mTc-MAAは肺血流に従って肺内に分布し、微小血栓を作る。 b.81mKrガスはブラでは欠損を示さない。 c.大動脈炎症候群は81mKrガスで欠損を示す。 d.慢性閉塞性肺疾患では99mTc-MAAで欠損を示さない。 e.99mTc-MAAでは、甲状腺と腎が描出されれば左→右シャントを疑う。 1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,d,e) 4(b,c,d) 5(c,d,e) |
解答)5
c)×→大動脈炎症候群は99mtc-MAAの血流シンチを示す
d)×→慢性閉塞性肺疾患では血流シンチ(99mTc-MAA)と換気シンチ(81mKr)ともに欠損を示す
e)×→右左シャントを疑う
68.心筋シンチグラフィについて正しいのはどれか。 a.201TlClは安静時に正常では左室と右室が描出される。 b.労作性狭心症では安静時に201TlClが集積しない。 c.急性期心筋梗塞巣では99mTc-PYPの集積がみられる。 d.ジピリダモールは心筋の末梢血管を拡張させる。 e.心不全では123I-MIBGの集積が低下する。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde |
解答)5
a)×→201Tl-Clは基本的に左室しか描出されない
b)×→労作時狭心症では安静時に201TlClの再分布(redistribution)を認める
70.腎シンチグラフィについて正しいものはどれか。 a.左右の腎機能を別々に評価できることが特徴である。 b.99mTc-MAG3 は尿細管上皮に取り込まれ、尿から排泄される。 c.99mTc-DTPA はGFRを測定する目的で使用される。 d.検査前には水分をできるだけ制限する。 e.急性尿細管壊死では腎血流は低下するが、排泄は保たれる。 1) a,b,c 2) a,b,e 3) a,d,e 4) b,c,d 5) c,d,e |
解答)1
d)×→十分な尿量を確保するため、静注30分前に排尿後、水300-400mlを飲用させる
e)×→急性尿細管壊死は糸球体病変がなく、尿細管の変性壊死によりNa再吸収が障害され乏尿となる
73)67Ga-citrateシンチグラフィについて正しいものはどれか? a膿瘍と腫瘍の鑑別に有用でない b肝に集積していたら肝臓ガンである c術後肺にびまん性に集積していたら肺癌の再発である。
d泌尿器、消化管疾患には有用でない e悪性リンパ腫や悪性黒色腫で陽性率が高い 1abc 2abe 3ade 4bcd
5cde |
解答)3
b)×→肝臓に代謝されるから
c)×→腫瘍の存在を疑わせるが炎症や遊走細胞の関与もあり、また化学療法後Gaの瀰漫性集積+
74.18FDG PETについて正しいものはどれか。 a.18Fより放出される陽電子そのものを検出して断層画像を得る。 b.18FDGはアミノ酸を18Fで標識したものである。 c.正常では脳、肝、尿路系に高い集積が見られる。 d.早期胃癌の検出は困難である。 e.肺癌や悪性リンパ腫の病期決定に利用される。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
a)×→SPECTはγ線を検出するに対し、PETはX線(正反対方向の一対の消滅線)を検出する
b)×→18FDGは糖代謝を見ろものだから、糖を18Fで標識したもの
75.正しいものの組み合わせを選べ。 a.Colon cutoff signは急性膵炎の所見である b.portal vein内にairを認める疾患に壊死性腸炎がある c.free airは右下側臥位で見つけやすい d.肝鎌状間膜は単純X線写真の正面像でも判別ができる e.coffee beans signはS状結腸捻転症のサインである 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)2
c)×→右側に腸管があるから腸管ガスと間違いやすいため、左下側臥位で見つけやすい
d)×→単純X線で見つけるわけがないでしょう。単純CTなら判別できる
77.急性腹症の患者に対するX線単純写真について誤っているのはどれか。(一つ選ぶ) 1. 胸部単純正面像、腹部単純背臥位像、立位(左側臥位)正面像をまず撮影する。 2. 腹部立位正面像で左横隔膜挙上、左横隔膜縁不明瞭化、左下肺無気肺を認めたため脾損傷を疑った。 3. 腹部単純写真にてpsoas muscle line が消失していたため多量の腹水の存在が疑われた。 4. 腹部単純写真で腸管拡張と肝鎌状靱帯の描出を認めたため消化管穿孔が疑われた。 5. 初回の腹部単純写真にて腸管ガスを認めなかった場合、6~10分左側臥位の姿勢をとったあと、再度左側臥位正面像を撮影する。 |
解答)3 (2002年度卒業試験43番と同じ問題です。)
正常でも30%は腰筋陰影が認められない
78.超音波エコー検査上、高エコーの腫瘤を認める可能性の少ない組み合わせを選べ。 a.肝嚢胞 b.肝血管腫 c.肝細胞癌 d.限局性脂肪肝 e.転移性肝癌 1.a,c 2.b,d 3.b,c
4.c,d 5.d,e |
解答)1
79.CTについて正しいのはどれか? a.得られた断層面は、一定の厚さの情報を含んでいる。 b.X線吸収の程度が強い組織ほど画像上高濃度に(白く)描出される。 c.経静脈性造影剤は取り込まれた組織のCT値を上昇させる。 d.各部位のCT値はwindow level、window widthの設定によって変化する。 e.矢状断、冠状断など任意の断面撮像が可能である。
1(a.b.c)
2(a.b.e)
3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)1?
d)×→各組織のCT値は決まっている。対象臓器と目的疾患のCT値により最適なを選ぶ
e)○→三次元CTにより、複数枚の軸位断層像のデータから任意の断層面を再構築できる
80.正常例における各臓器のCT値(非造影時)について正しいもの選べ。 a.肝臓は腹腔内臓器では最もCT値が高い。 b.血液は液体なのでCT値は0~10H.U.である。 c.腎臓は皮下脂肪より低い値を示す。 d.筋肉と腹腔内臓器のCT値は2倍以上違う。 e.膵臓と脾臓のCT値はほぼ同様である。 1)a.b 2) a.e 3) b.c 4) c.d 5) d.e |
解答)2
b)×→血液のCT値は50-70H.U. (Hounsfield Unit) c)×→腎臓20-40H.U.> 脂肪はマイナス80H.U. d)×→筋肉35-50H.U.=腹腔内臓器20-75H.U.
81.肝硬変に特徴的なCT所見について誤っているのはどれか。 a 脾腫 b 肝辺縁の凸凹不整 c 肝左葉の腫大 d 尾状葉の萎縮 e 側副血行路 1 a,b 2 a, e 3 b, c 4 c, d 5 d, e |
解答)5 ??
d)×→尾状葉の腫大 e)○→門脈副側血行路(臍静脈など)は特に造影CT時に顕著
83.肝の区域診断基準について正しいものを選べ a)肝の頭側では左肝静脈が左葉と右葉とを分ける b)肝の尾側ではCantlie線が左葉と右葉とを分ける c)右肝静脈本幹は右葉の前区域と後区域とを分ける d)左葉の内側区域と外側区域の境は門脈左枝や臍部、肝円索などが指標である e)Cantlie線は尾状葉と左門脈本幹とを結ぶ線である 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4 02年82番と同じ
a)×→頭側では中肝静脈が左葉と右葉とを分ける
e)×→Cantlie線は胆嚢窩と中肝静脈を結ぶ線であり、肝臓を左葉と右葉に分けられる
84, 画像診断上、肝嚢胞性病変と鑑別診断に挙がるもので正しいものを選べ。 a.大腸癌肝転移 b.肝膿瘍 c.coroli(?) d.肝嚢胞性腺腫 e.肝血管腫
1(a.b.c) 2(a.b.e) 3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)2
85.膵臓の正常解剖について正しいものはどれか。(2003年84と同じ) a.膵は前腎傍腔にあり、右上から左下に斜めに走行している。 b.膵頭部は十二指窓内に存在し、尾部は左腎門部に向かう。 c.膵の背側に接して脾静脈が横走している。 d.膵頭部、鉤部は上腸間膜静脈を取り囲むように存在している。 e.膵と胃後壁の間には、小網と呼ばれる腹膜腔が存在する。 選択肢) 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4
a)×→右下から左上に走行している
e)×→小網が作る網嚢と呼ばれる腹膜腔が存在する
86)後腹膜腔の正常解剖について正しいものを選べ。 a.十二指腸、膵臓、上下行結腸は前腎臓傍腔(anterior pararenal space)に存在する。 b.副腎は腎臓周囲腔(perirenal space)に存在する。 c.腹大動脈、下行大静脈は後腎臓傍腔(posterior pararenal space)に存在する。 d.前腎臓傍腔は側腹部の側腹線条と呼ばれる脂肪層(flank stripe)と連続する。 e.後腹膜腔を3腔に分けているのは腎臓筋膜(Gerota's fascia)である。
1(a.b.c)
2(a.b.e)
3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)2
c)×→AortaとIVCは腎臓周囲腔にあり、後腎臓傍腔には臓器がない
d)×→後腎臓傍腔⇒側腹線条⇒脂肪層
87.画像診断における急性膵炎の所見について正しいものをあげよ。 a.出血やガス像などは見られない b.膵管の拡張が見られる c.全体、または一部の腫大が見られる d.膵周囲に液体の貯留が見られる e.膵臓周囲の脂肪組織の濃度が上昇している
1(a.b.c)
2(a.b.e)
3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)5
a)×→消化管穿孔やイレウスがありえる。Sentinel-loop sign, colon cut-off signなど
b)×→膵管の拡張が見られるのは慢性膵炎
88.腹部の血管造影について正しい組み合わせ a.肝細胞癌 AP-shunt b.膵癌 上腸間膜動脈閉塞 c.胆管細胞癌 腫瘍血管 d.転移性肝癌 造影剤のpooling e.腎細胞癌 静脈内腫瘍塞栓
1(a.b.c) 2(a.b.e) 3(b.c.d) 4(a.d.e) 5(c.d.e) |
解答)2
a)○→別名はAV shunt。HCCはhypervascularityを示すため明瞭な腫瘍濃染が見られる
b)○→動脈のtumor encasementにより上腸間膜動脈、門脈あるいは脾静脈の閉塞
c)?→既存肝内動脈の鋸歯状不整や断裂、不整狭窄であり、一般に乏血性で軽度の腫瘍濃染
d)×→hypovascularのためHCCと鑑別できるが、消化管由来なら不鮮明なリング状濃染所見あり
e)◎→多くは血管新生像、腫瘍濃染像、動静脈瘻を認め、腎静脈やIVC内の腫瘍塞栓を伴いやすい
90 .CT画像について正しいものを選べ a.CTを構成する3大要素はコンピューター、X線管球、検出器である。 b.CT値は組織と水のX線吸収値により決定される。 c.CT画像はCT値による黒化度の差を表したものである。 d.CT値ではHounsfield Unitがよく用いられその値は+500~−500の範囲内である e.CT値の幅をwindow width、中心値のことをwindow levelという (1) a.b (2) a.c (3)
b.c (4) c.d (5) a.e |
解答)5
b)×→CT値=(組織の線減弱係数-水の線減弱係数)/水の線減弱係数
c)? d)×→水を0、空気を-1,000とした相対的な値を用いる
91. MRとその他の画像診断との比較で誤っているものの組み合わせを選べ。 a. 任意の断層面の撮像が可能な点でCTより優れている。 b. コントラスト分解能においてCT、超音波検査より優れている。 c. 造影剤を用いずに血流情報が得られる点でCTより優れている。 d. 心臓や大血管の動きによるアーチファクトがない点で超音波検査より優れている。 e. 骨によるアーチファクトがない点でCT、超音波検査より優れている。 1(a,b) 2(a,c) 3(b,c) 4(a,d) 5(c,e) |
解答)?
a)b)c)○ d)×:呼吸性体動がある胸部や上腹部ではアーチファクトの関係で画質が低下することが少なくない。e)○:プリントには骨によるアーチファクとは「少ない」とあるが、○と考えていいのでは
92、正しいものを選べ。臨床検査は、 a.代謝疾患やホルモン疾患の診断にのみ有効である。 b.治療方針の有効性の判定にも使用される。 c.病気の兆候が全くなくても検査結果によってはその人に病気が潜んでいる場合がある。 d.何の病気か診断ができない場合でも検査データの変化でその患者の管理方法の善し悪しはわかる。 e.ある患者のデータが状況に応じて変化しても、それがいわゆる正常範囲内であれば病状を反映しているわけではない。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答) 4 a)× b)○ c)○ d)○ e)×
93.検査で精密(precise)と言えるのはどれか?1つ選べ。 再現性があること。他、4つの選択肢あり。 |
94.検査結果が正規分布に従うとすれば、次のうち正しいのはどれか。 a. 95%の人々の検査結果は平均値 ± 2S.D.の範囲内に入る。 b. 平均値
± 3S.D.を越える値を示すものはない。 c. その検査法は精密でしかも正確であることを意味している。 d. ほぼ半分の人々の結果は平均値を越えている。 e. 分布図は平均値を挟んで対称になる。 1.a, b, c 2.a, b, e 3.a, d, e 4.b, c, d 5.c, d, e |
解答) 3?
a)○→M(平均値)±2S.D.には全体の約95.45%が含まれる。
b)×→平均値±3S.D.にあるのは全体の99.7%。c)? d)○ e)○
95.以下の検査法で正しいものを選べ。
正確な検査法とは a.少しの変化を確実に感知できる検査法
b.真の値にできるだけ近い値を出す検査法 c.少量のサンプルで測定できる検査法 d.簡便な検査法 1.a
2.b 3.c 4.d |
答え 2?
96.以下の記述で正しいものを選べ。 検査結果が臨床症状に一致しない場合は、 a 検査に誤りがある。 b 検体を採取しなおして、もう一度検査を行う。 c その検査法が正しくない。 d 診断をもう一度考え直す e その結果は無視する。 1)
a,b 2)
a,c 3)
b,d 4)
c,d 5) d,e
|
解答) 3? 97.03卒試の問97と同じ
98. 正しいものを選べ。
一見健康だが重大な病気を持っていそうな患者に対して a.病気の有無によって結果が大きく異なる検査をする。 b.陰性の結果を明確に指摘できる検査を行う。 c.偽陽性の少ない検査をする。 d.分析結果のばらつきの少ない検査をする。 e.偽陰性の少ない検査をする。 1.a,c,e 2.a,b,d 3.a,c,d,e 4.b,c,d,e 5.a,b,c,d,e |
解答) 5?
a)○ b)○ c)?e)○:感度の高い検査がこの場合求められるので、偽陽性を少なくするよりも偽陰性を少なくする。しかし、偽陰性、偽陽性ともに少ない検査を目指すのでcも間違いとは言えない。d)○?:ばらつきが少ないほうが基準範囲が狭く取れるので、偽陽性が少なくなり特異度は高くなる。
99.次の物質の中で血漿浸透圧が最も高いのはどれか。(2003年98番と同じ) 1.重炭酸イオン 2.グルコース 3.カリウム 4.蛋白質 5.ナトリウム |
解答)5 → おそらく血漿浸透圧「への寄与」が最も高いものということで。細胞外液浸透圧≒2×血清Na濃度+ブドウ糖(mg/dl)/18+BUN/2.8。この中でNaの寄与が最も高い。
画像 2問目 画像は注腸X線検査。apple core signを認める画像だったが、例年(2003年2番、2002年11番)のものとは違っていた。lead pipeはなかった。 23歳男性、腹痛と下痢を訴えてきた。 (a) 縦走潰瘍を認める (b) 鉛管状腸管を認める (c) この疾患では腸瘻をよく認める
(d) この疾患では痔瘻をよく認める (1)a,b
(2)a, c, d (3)cのみ (4)a,b,c,d |
すみません。選択肢には自信がありません。
噂ではクローン病で、(2)ではないかと。
画像4番 便潜血陽性を指摘された患者の注腸造影。図を見て当てはまるものを選べ。 a.全周性の病変である b.潰瘍を形成している
c.ひだの集中を認める d.瘻孔を形成している e.周堤を形成している 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
図:
典型的なアップルコアの写真でした。瘻孔の形成は無かったと思います。
少なくとも造影剤の漏出を見つけることはできませんでした。 というわけで2を選びました。
画像問題 12 [肝門部、膵頭部造影CT。胃の下後壁がもやもやと不整で、膵管(だったかな?)拡張。脾は大きめ。肝はきれいでした]。もっとも考えにくいのはどれか 1.胃癌 2.膵癌 3.急性膵炎 4.肝硬変 5.脾静脈血栓症 |
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