平成17年度 「臨床検査・放射線医学」 卒業試験
平成17年11月29日実施
概要:101問+画像18問
臨床検査の答えがよくわかりません。わかった人は教えてください。お願いします。
【1】胃粘膜腫瘍(bridging foldを認めるもの)として正しい組み合わせを選べ。 a過形成ポリープ b平滑筋肉腫 c脂肪腫 dカルチノイド e腺腫 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde |
解答)4
胃粘膜下腫瘍では粘膜ひだをまたぎ(bridging fold)、時に粘膜頂上が虚血状態となり中心壊死を伴う(delle)。平滑筋肉腫、脂肪腫、カルチノイドは粘膜下腫瘍の形態をとる。
【2】注腸造影検査について、正しいものはどれか。 a.前処置が必要である。 b.バリウムを肛門から注入する。 c.空気を肛門から注入する。 d.胃透視で使用するよりも高濃度のバリウムを使用する。 e.鎮痙剤は使用しない。 1)a.b.c 2)a.b.e 3)a.d.e 4)b.c.d 5)c.d.e |
解答)1
a) 前処置として前日より低残渣食・下剤。胃透視の前処置は当日朝絶食のみ。下剤は前もって用いずにバリウムの中に水溶性下剤を用いる(バリウム貯留による腸閉鎖防止)。
b) c) 空気、バリウムを経肛門的逆行性に注入する。
d) 注腸造影70-80W/V%、胃透視120-230 W/V%(禁忌:消化管穿孔、腸閉塞疑われる際は水溶性造影剤を使用すること)。 e) 鎮痙剤(抗コリン剤)を筋注する。
【3】炎症性腸疾患について正しいもの a.潰瘍性大腸炎の病変は直腸から連続することが多い。 b.小腸の縦走潰瘍はクローン病に特異的である。 c.ろう孔形成はクローン病より潰瘍性大腸炎に多く見られる。 d.腸結核は直腸が好発部位である。 e.虚血性大腸炎は縦走潰瘍を認める。 1abc 2abe 3 ade 4 bcd 5 cde |
解答)2
a) これに対してクローン病は口腔から肛門までのskip lesion(回腸末端多い)。
b) ○ c) クローン病は全層性炎症のため瘻孔を生じやすい。
d) 腸結核は回盲部に好発し、全層性炎症、輪状・帯状潰瘍と萎縮性瘢痕帯。
e) 縦走潰瘍はクローン病、虚血性大腸炎で認める。
【4】上部消化管造影X線検査の前処置について正しいものを選べ。 a.鎮静剤を使用する。 b.前もって下剤を投与しておく。 c.咽頭麻酔を行う。d.直前の食事は絶食とする。 1(a,c,d) 2(a,b) 3(b,c) 4(d) 5(a~d全て) |
解答)4
設問【2】解説参照。 a)鎮痙剤用いる。 c)咽頭麻酔は行わない。
【5】抗コリン薬の禁忌はどれか? a)気管支喘息 b)心疾患 c)前立腺肥大 d)白内障 1. acd 2. ab 3. cd 4. d 5. abcd |
解答)? 抗コリン薬禁忌:緑内障・心疾患・前立腺肥大
a) 気管支喘息では抗コリン薬を治療で用いる。
【6】上部消化管X線検査について正しいものを選べ。 a.充満法は胃角を含む、胃の辺縁の評価に有用である。 b.圧迫法では陥凹性病変ではバリウムがたまり、隆起性病変ではバリウムをはじく。 c.二重造影法は陽性と陰性の造影剤によるコントラストを利用する。 d.二重造影法は粘膜の微細構造の評価に適している。 1.acd 2.ad 3.bc 4.d 5.すべて |
解答)5
充満法:辺縁特に胃角の評価に有効。硬化像の評価にも有効である。
圧迫法:凸凹のある病変の描出に最も有効だが、圧迫出来ない部位がある。
二重造影:陽性(バリウム)、陰性(空気)の造影剤を用いる。撮影の主流であり、全体の構造や微細粘膜構造が描出可能である。
【7】胃癌の透視所見で正しいものを選べ。 a.襞の急峻な先細り b.襞の途絶 c.襞の肥大 d.襞の癒合 1.(a,c,d) 2.(a,b) 3.(b,c) 4.(d) 5.全て |
解答)5 良性潰瘍との鑑別に重要。
【8】回盲部に好発する疾患はどれか。 a.クローン病 b.腸管ベーチェット病 c.虚血性大腸炎 d.潰瘍性大腸炎 1.acd 2.ab 3.bc 4.d 5.a~dのすべて |
解答)2
a) クローン病は口腔から肛門までのskip lesion(回腸末端多い)。
b) 回盲部に好発し、多発性の潰瘍形成。虫垂炎類似の腹痛訴え、時に腸穿孔起こす。
c) 左半結腸(脾彎曲部~S状結腸)に好発。注腸造影でthumb printingや鋸歯状陰影。
d) 直腸からの連続性病変。ハウストラの消失・鉛管状腸管、偽ポリポーシス認める。
【9】スキルス胃癌について正しいものを選べ。 a)高年齢層に好発しやすい。 b)内視鏡検査により早期発見されることが多い。 c)腫大したひだから蛋白漏出が生じやすい。 d)間質成分の増加を伴い、壁が著明に肥厚する。 1)acd 2)ab 3)cd 4)d 5)a~dすべて |
解答)3
a) 若年女性に好発。 b)しばしば見落とされる。c)○
d)胃壁は肥厚と供に収縮し進展性が失われる。メネトリエ病とは進展性の有無で鑑別。
【10】食道癌について正しいものはどれか。 a.高齢者に多い。 b.男性に多い。 c.ルゴール染色で染まらない。 d.Barrett食道は腺癌の発生母地となる。 1.a,c,d 2.a,b 3.b,c 4.d 5.a-dすべて |
解答)5
a) b) 50歳以上男性、喫煙者と大量飲酒者、頭頚部癌患者、Barrett食道・腐食性食道炎・食道アカラシアがhigh risk groupである。男女比4:1
c) 癌病変はヨードで不染帯(正常粘膜は茶褐色)、トルイジンブルーで青く染まる。
d) 逆流性食道炎で円柱上皮化生を起こし異所性胃粘膜が出現し、食道癌発生母地となる。
【11】Peutz-Jegher 症候群について正しいものを選べ。 a 胃から大腸までポリープを生じる。 b 家族性大腸腺腫症と比較して大腸のポリープの数が少ない。 c 小腸のポリープは腸重積の原因となる。 d 過誤腫であるが、ポリープに癌を伴うことがある。 1. a,c,d 2. a,b 3. b,c 4 a~dすべて |
解答)4
Peutz-Jegher 症候群(常優遺伝)は食道以外のあらゆる消化管(小腸に最も多い)に過誤腫性ポリポーシスを生じる。100個を下回ることもありポリポーシスの定義からはずれることもある。径5cmを超える大きなものはこれが先進部位となり腸重積を引き起こしうる。
過誤腫ではあるが本症では一部腺種性ポリープも含まれているため、10%で癌化する。
また本症では口唇、口腔粘膜、手掌、足底などにメレニン色素沈着が認められる。
【13】胃の隆起性病変について正しい組み合わせはどれか。 a)胃の隆起性病変では胃癌が一番多い。 b)腺種はなだらかな隆起性病変を形成する。 c)過形成ポリープは出血しやすく、びらんをきたしやすい。 d)胃底腺ポリープは有茎性のものが多い。 1 a、c、d 2 a、b 3 b、c 4 d 5 すべて |
解答)
a) ×ポリープが多い。b) × 粘膜下腫瘍のこと? c)○ d)×山田1、2型多い。
【14】骨X線写真上、陰影の増強を来たす疾患として誤っているものを選べ。 (a)大理石骨病 (b)前立腺癌の骨転移 (c)骨島 (d)フッ素中毒症 (e)くる病 1.(a) 2.(b) 3.(c) 4.(d) 5.(e) |
解答)5
骨陰影増強を来たす疾患は多い。
骨陰影減弱を来たす疾患:骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、白血病、多発性骨髄腫、骨髄線維症、Gaucher病
【16】マンモグラフィーの所見について正しいものは? a.腫瘍の辺縁が分葉傾向を示すものは癌である。 b.halo signは癌の所見である。 c.spiculationは癌を強く疑う所見である。 d.腫瘍陰影内の微細石灰化は癌を疑わせる。 e.dense breastは若い女性や授乳期の女性にみられる。 選択肢:1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
乳癌:辺縁不整、濃度不均一、微細石灰化 specula 。C領域(上外側)に多い。
繊維腫:辺縁平滑、分葉状の腫瘤、粗大石灰化、halo sign
e) dense breastは乳腺の発達している若い女性や授乳期の女性に見られる正常所見。
【17】正しいものを選べ。 1.豊胸術後ではマンモグラフィーよりMRIの方が感度が高い。 2.腋下リンパ節転移の評価には胸部CTが優れる 3.乳腺MRIでは造影しなくても情報量は変わらない。 4.線維線種は表面平滑明瞭で扁平形を示すものが多い。 5.dense brestの評価には超音波検査よりマンモグラフィーが優れる。 a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5) |
解答)? (1、2が正解だと思われる)
a) ○通常はX線(mammograpy)や超音波が診断に用いられるが、シリコンなどの異物による病変、手術や生検後のscar部の評価にはMRIの適応となる。
b) ○ c)× MRIではGd-DTPAで造影する。 d) × 設問【16】解説参照。
e) × dense breastはmammograpyで評価困難であり、USを用いる。
【18】正しいものはどれか。 a.Air bronchogramは、主として間質性病変に見られる所見である。 b.Kerley's B lineは、肺門部より放射状に見られる線陰影である。 c.extrapleural signとは、病変が肺内か肺外かの区別に有用である。 d.境界不明瞭な淡い陰影は、肺胞性陰影の特徴の一つである。 e.シルエットサインは、病変の部位を推定するのに有用なサインである。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
a) 肺胞性病変に見られる。b) 側胸部胸膜面に向かって走る線状陰影、小葉間隔壁肥厚像。
c) 胸腔内肺外病変では辺縁明瞭でスムーズ、付け根はなだらかな弧を描く。
d)肺胞性陰影では境界部では病変肺胞と空気の残った正常細胞が入り乱れるため不明瞭になる。また肺胞間はKohn孔があるため癒合傾向が大きい。 e) ○
【19】乳幼児の胸部単純X線写真正面像にて、正常胸腺を示すものはどれか。 a.シルエットサイン b.エアブロンコグラム c.葉間胸水 d.セイルサイン e.横隔膜の挙上 |
解答)d
a) シルエットサイン陽性ならば病変がそこに接している。 b) Air bronchogramは肺胞性陰影に特徴的である。 c)左心不全の際などに見られる。 d) 小児は胸腺が発達しているため正面像で舟の帆のごとく見える。 e) 横隔神経麻痺、無気肺、麻痺性イレウス、横隔膜下膿瘍、Chilaiditi症候群など。
【20】前縦隔に好発するものはどれか。 a.奇形腫 b.神経線維腫 c.気管支嚢胞 d.胸腺腫 e.胸郭内甲状腺腫 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答) 3
前縦隔に好発する腫瘍 4T Thoratic goiter(胸郭内甲状腺腫), thymoma(胸腺腫), Teratoma(奇形腫), The Lymphoma(悪性リンパ腫)
【22】正しいものを選べ。 a腹背方向の正面胸部X線像は背腹方向に比べ縦隔陰影が大きくみえる。 b横隔膜は右が高い。 c肺門は右が高い。 d縦隔は前縦隔と後縦隔に大別される。 e通常、立位胸部正面X線撮影は腹背方向で撮影する。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答1
a) ○ b)右には肝臓があるため○。
c)右肺門は低い。左肺動脈は右肺動脈より高いところから降り始める。 d) 上・前・中・後 e)背腹方向。
【24】間違っているものを選べ。 a.終末気管支1本が形成する肺組織を細葉という。 b.3~5本の終末細気管支で形成される肺領域を二次小葉という。 c.小葉の中心から辺縁までは0.5cmである。 d.細気管支と肺動脈は二次小葉の辺縁を走る。 e.リンパ管は小葉中心と辺縁の両方の結合織に存在する。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
答 e?
a) ○ b)○ 肺末梢の正常解剖は末梢側から1次小葉、細葉、2次小葉という。1次小葉は3次呼吸細気管支より末梢の肺胞管以下の最小単位を、細葉は終末細気管支以下を、2次小葉は小葉中隔によって境された部分をいい、最低3~5個、最高30個の細葉からなる。
c) ? d)×中心を走る。辺縁(小葉中隔)走るのは肺静脈である。 e) 辺縁のみでは?
【25】肺腫瘤のCT所見について、正しいのはどれか。 a. 器質化肺炎は、粗大石灰化を伴うことが多い。 b. 硬化性血管腫は、辺縁不整あるいは分葉状であることが多い。 c. 腺癌は辺縁にspiculation、血管収束、胸膜陥入を伴うことが多い。 d. 円形無気肺では、気管支や血管が腫瘤の辺縁に円弧状に収束するのが特徴である。 e. 結核腫では、均一に強く増強されることが多い。 |
解答)cde
a)そのようなことはない b)円形陰影を呈する。c)○ d)○ e)○
【27】脳血管障害のCTについて正しい組み合わせを選べ a 脳梗塞は発症後6時間経過すればほぼ100%診断可能である。 b 脳出血は発症直後よりほぼ100%診断可能である。 c 新鮮な出血巣は高吸収域として同定される。 d くも膜下出血では通常脳底部の脳槽が高吸収を示す。 e 脳梗塞で造影剤による増強をみるのは稀である。 (1)abc (2)abe (3)ade (4)bcd (5)cde |
解答)4
a) 梗塞は12~24時間経過しないと低吸収域は明らかにならない。24~72時間では低吸収域は明らかになり、脳室、脳溝を圧迫する。数日から数週間では正常に見え(fogging effect)、この時期の造影CTで病変は増強される(BBB破綻しているため)。4週以降再び低吸収域となる。
b)発症直後診断可能。慢性期には脳梗塞との鑑別が難しい。
c)○ d)○その後脳表のくも膜下腔や脳室系へと広がる。2週間後には等吸収値となり、消失。
e) aの解説参照。また、脳出血では発症数日から数週間に出血部位の周辺が輪状に増強。
【28】脳腫瘍のCT所見について正しい組み合わせを選べ。 a.下垂体腺腫は造影剤投与によりほとんど増強されない。 b.聴神経腫瘍は通常病側の内耳道の拡大を伴う。 c.髄芽腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収域を示すことが多い。 d.髄膜腫は造影剤投与前のCTで脳実質より高吸収域を示すことが多い。 e.膠芽腫は造影剤投与により通常均一に増強される。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)1
a) 正常下垂体は造影でenhanceされるが腺腫は少ししか染まらない。
b) ○ これに対して、同じくCP angleにできる髄膜腫は内耳道の左右差なし。
c)○ d)○ e)リング状に増強されるのは膠芽腫、転移性脳腫瘍、脳膿瘍。
【29】正しいものを選ぶ。 a.中高年のクモ膜下出血の原因としてはAVMが最も多い。 b.髄芽腫は高率に石灰化する。 c.脳梗塞はCTにて低吸収域を示すことが多い。 d.TSではCTにて脳室周辺の結節性石灰化を示す。 e.脊髄腫瘍の硬膜内髄外腫瘍では神経鞘腫が最も多い。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
a) 脳動脈瘤の破裂が多い。AVMは若年者。
b) 石灰化伴う脳腫瘍:乏突起膠腫(40-80%)、頭蓋咽頭腫(小児75%・大人10-20%)、髄膜腫(10%)
c) 設問【27】解説参照
d)結節性硬化症(tuberous sclerosis):常優遺伝。CTで側脳室壁の多発性石灰化。
Trias :脂肪腫・てんかん発作・精神発達遅滞 e) ○ 次いで髄膜腫多い。
【30】頭部CTについて正しいのはどれか a 脳梗塞には造影効果は見られない b 新鮮な血腫は脳実質より高吸収を示す c 脳梗塞が発症直後から明瞭なことは少ない d 後頭蓋窩は骨のartifactが多いため、小さい梗塞は診断しにくい e くも膜下出血の分布で破裂動脈瘤の部位は高頻度で特定可能である 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4
a) × b)○ c)○ それぞれ【27】解説参照。d)○ e) 高頻度ではない。
【31】正しいものを選びなさい。 a 頭蓋冠の線状骨折では急性硬膜下血腫を伴うことが多い。 b 頭蓋底の吹き抜け骨折では冠状断CTが有用である。 c 急性硬膜下血腫の急性期ではCT上低吸収を呈する。 d 頭蓋骨骨折ではCTのwindowを狭くして撮影する。 e 側頭骨骨折ではCTよりMRIのほうが有用である。 1(a) 2(b) 3(c) 4(d) 5(e) |
解答?
a)×中硬膜動脈の血管溝を線上骨折が横切ると硬膜外血腫をつくりやすい。
b)×眼窩吹き抜け骨折には冠状断CTが有用である。 c)×三日月型の高吸収域。
d)× window幅を広げる。骨 WL200 WW2000(骨皮質・髄質の識別良好) e) ×CTの方が有用。
【33】血管内ステント留置の適応となる血管はどれか? a.上腸間膜動脈 b.腸骨動脈 c.鎖骨下動脈 d.中大脳動脈 e.膝窩動脈 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e |
解答)2
動くところはだめ→ace 小さすぎてもだめ→d
【34】脳実質内腫瘍で頻度の高いものを2つ a悪性リンパ腫 b胚芽腫 c血管芽腫 d転移性脳腫瘍 e神経膠腫 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)5
原発性脳腫瘍で多いもの:神経膠腫33%、髄膜腫23%、下垂体腺腫16%、神経鞘腫9%、頭蓋咽頭腫4%、胚細胞腫3%、血管芽腫2%
転移性脳腫瘍(原発巣:肺癌50%、乳癌12%、大腸癌11%)・・・全脳腫瘍の15%
【35】脳実質外の脳腫瘍として正しい組み合わせはどれか。 a血管腫 b頭蓋咽頭腫 c髄膜腫 d神経鞘腫 e悪性黒色腫 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)4 髄膜腫や神経鞘腫は硬膜内髄外腫瘍である。
【36】硬膜内髄外腫瘍はどれか a 上衣腫 b 神経鞘腫 c 髄膜腫 d 星細胞腫 e 血管芽腫 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)3 設問【35】と同様。
【38】石灰化を伴うことの多い腫瘍はどれか a. 悪性リンパ腫 b. 髄膜腫 c. 頭蓋咽頭腫 d. 乏突起膠腫 e. 血管芽腫 1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e |
解答)4 設問【29】参照。
【39】脳動脈瘤が見つかる頻度の高い血管を二つ選べ a後大脳動脈 b中大脳動脈 c前交通動脈 d内頚動脈 e脳底動脈 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)3
動脈瘤頻度:内頚動脈―後交通動脈分岐部(IC-PC分岐部)30%、前交通動脈30%、中大脳動脈分岐部30% 約20%は多発性である。
【40】腹部CTで正しいのは a.造影剤を使う頻度は高く、それにより得られる情報は多い b.間膜は高吸収な臓器として描出されることが多い c.造影剤の主成分は金属の一種である d.腹腔内臓器は必ず後腹膜臓器より腹側にある e.健常者で肝鎌状間膜内に血流が描出されることは稀である 1ab 2ae 3bc 4cd 5be |
解答)2
a) ○ b) 間膜は脂肪を多く含み、低吸収域として描出される。c) ヨードは金属ではなくハロゲン。
d) 必ずしもそうとは限らない。後腹膜臓器の膵臓の後ろに小腸が入ることもある。
e) 臍静脈が見えることがある。
【41】肝臓の解剖について正しいのはどれか。 a. 右葉と左葉の境界は、外科学的境界線も解剖学的境界線もともに、CT上で推測可能である。 b. 肝臓を固定する最大の間膜は肝鎌状間膜である。 c. 門脈臍部とは、門脈本管の中央をさす。 d. 肝右葉は一部後腹膜に接する。 e. 肝臓の血行動態上の特徴は、流入路が二系統、流出路も二系統存在することである。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde |
解答)4?
a) 外科的境界線(下大静脈―胆嚢窩Cantlie線)はCT上ではわからないことが多い。
b) おそらく○ 選択肢的にも○
c) ○ 門脈本幹は上腸間膜静脈と脾静脈が合流して形成され、肝門部にて右枝と左枝に分岐する。左枝は水平部から立ち上がって臍部となり区域枝へと分岐していく。肝左葉は内側区域と外側区域に分けられるが、両者の境界には門脈臍部が存在する。
d) おそらく○ e) ×流入路(門脈・肝動脈)、流出路(肝静脈)。
【42】腹部のMR検査について正しいものはどれか aいかなる金属もMR検査上禁忌である。 b体内の水素原子は、その大部分が画像化されている。 c造影剤の主成分は金属の一種である。 d T1強調画像では水は低信号に描出される。 eT2強調画像で膀胱内の尿に低信号の混在があれば血尿を意味する。 1ab 2be 3ad 4cd 5ce |
解答)5
a) 非磁性体なら可。 b)×水と中性脂肪の1H原子核を画像化している。主に水の画像化。
c) Gdは金属。d)水はT1 low ,T2 high e)○ 古い出血はT2でlow
【44】腹部単純X線写真で間違っているものを選べ。 a.double bubble sign-輪状膵 b.step ladder sign-小腸閉鎖 c.coffee bean sign-S状結腸軸捻転 d.colon cut off sign-大腸癌 e.crow-foot sign(Mercedes‐Benz sign)-腎石 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.d,e 5.a,e |
解答)4
a) 上腸間膜動脈症候群・先天性十二指腸閉鎖・輪状膵などで見られる。
b) 下部小腸閉塞で小腸のあちこちで二ボーを形成しstep ladder sign。上部小腸閉塞で胃、十二指腸、空腸に二ボーでtriple bubble signや輪状ひだ伸びてherring bone appearance。
c) ○ d)急性膵炎による横行結腸圧迫による中央ガス像中断。同じく急性膵炎でのsentinel loop signは上腹部の限局性麻痺性イレウスによる空腸ガス充満像。大腸癌はapple core sign。 e) 胆石
【45】正しいものをえらべ 1 double wall sign…小腸閉塞 2 frank stripe sign…消化管穿孔 3 colon cut off…急性膵炎 4 dog ear sign…腹水 5 string of beads…麻痺性イレウス 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)4
a) 腹部遊離ガス所見。消化管穿孔などで消化管壁全層が解像されてみえること。
b) 腹水あるときに、側腹線条flank stripe(側腹部壁側腹膜と腹横筋の間の脂肪層の線条)と結腸の間の結腸傍溝に水濃度陰影が認められること。 c) 設問【44】解説参照。
d) 腹水所見。腹膜内外分ける腹膜外脂肪層(膀胱と腹膜の間)の上方にある水濃度陰影。
e) 小腸機械性イレウス所見。イレウス腸管中の僅かなガスが壁辺縁斜めに配列する。
【46】超音波検査にて内部echo freeと、後方に音響増強を来すものはどれか? a 肝嚢胞 b 限局性結節性過形成 c 肝血管腫 d Caroli's disease e 膵仮性嚢胞 |
解答)a
鑑別)古典的肝細胞癌:内部モザイク、周囲低エコーhalo、側方エコー、後部エコー増強
肝血管腫:高エコー
【47】CTについて正しいものはどれか? a.腹部CTでは経口造影剤として比較的高濃度のバリウムを用いる。 b.単純CTは質的診断能が高いので経静脈性の造影剤投与を行う機会は少ない。 c.腫瘍や臓器の造影効果を正確に知るには急速静注が優れる。 d.腫瘍の造影効果を経時的に観察する方法としてdynamic scanがある。 e.高速CT撮影では1スライス0.1秒以下なので呼吸停止は不要である。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)4
a)比較的低濃度のバリウムまたはガストログラフィン(水溶性ヨード造影剤)
b) 多い。 c)○ d)○ e) 必要
【49】肝腫瘤性病変の中で、MR-T2画像において著しい高信号を呈するのは次のうちどれか。 a.肝細胞癌 b.肝血管腫 c.肝嚢胞 d.限局性結節性過形成 e.石灰化肉芽腫 1.a.b 2.a.e 3.b.c 4.c.d 5.d.e |
解答)3 T2画像において著しい高信号を呈する→水っぽい病変
【50】肝細胞癌について正しい組合せを選べ(すみません、忘れました) a. b.造影剤のpoolingが見られる c. d. e.血管造影にてAPシャントが見られる 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde |
解答)b) × 海綿状血管腫で見られる。 e) ○
【51】肝細胞癌の治療について正しいのはどれか。 a.動脈塞栓術は手術不能の肝細胞癌に対する有効な治療法である。 b.動脈塞栓術の適応を判定する場合には、肝機能の評価を充分にすべきである。 c.肝細胞癌に対する動脈塞栓術では永久塞栓物質を用いることが多い。 d.肝細胞癌破裂による腹啌内出血に対して動脈塞栓術は無効である。 e.動脈塞栓術が無効な症例には腫瘍内エタノール局所注入療法も無効である。 1) a,b 2) a,e 3) b,c 4) c,d 5) d,e |
解答)1
a) ○ TAEは再発率が外科的切除やPEITより高く根治性に劣り、侵襲も伴うため第一選択となることはない。また門脈本幹や一次分枝に腫瘍塞栓ある場合は禁忌。b) ○
c) 一時的塞栓(リピオドール、スポンゼル) d)有効 e) ×さらにPEITは繰り返しできる。
【52】膵臓の正常解剖について正しいのはどれか。 a.膵臓は後腹膜臓器だが、膵尾部のみは一部腹腔内にある。 b.膵臓は脾静脈の背側に存在する。 c.一般に膵尾部が最も大きい前後径を有する。 d.膵鈎部は上腸間膜動静脈の背側に存在する。 e.胎生期には、ventral pancreasとdorsal pancreaに分かれている。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)3
a) ○ b)×脾静脈は膵臓の背側に接している。c)×膵頭部が最も大きい。
d)○大部分の膵は腸間膜動静脈より腹側。膵鈎部は巻き込むように背側。 e) ○
【53】腎の腫大をきたす可能性のある疾患はどれか? a.白血病 b.糖原病 c.慢性腎盂腎炎 d.腎アミロイドーシス後期 e.腎梗塞 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de |
解答)1
腫大:水腎症、腫瘤(腫瘍・膿瘍)、嚢胞腎、急性腎盂腎炎、糖原病、代償製肥大
縮小:慢性腎盂腎炎、腎虚血、先天性低形成、腎アミロイドーシス、閉塞性尿路疾患
【54】動脈塞栓術の良い適応とならない疾患はどれか。 A) 腎動静脈奇形 B) 上部消化管出血 C) 気管支拡張症による大量喀血 D) 脳出血 E) 肝細胞癌 1) A 2) B 3) C 4) D 5) E |
解答)4 脳は虚血に弱く(3~5分が限界)、脳梗塞おこしてしまう。
【55】CT値について正しいのはどれか? a hounsfield unitは機種によって異なる。 b CT値の微小な差を強調するにはwindow幅を大きくする。 c 肺野を観察するにはwindow幅を大きくし、window levelを下げる。 d 正常脂肪のCT値は通常-20以下である。 e 骨組織は非常にCT値が高く、どのように条件を変化させても観察できない。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)4?
a) hounsfield unitとはCT値の別名。水0、緻密骨1000、空気-1000
b)× c)○ d)△ 脂肪-100 e) 骨条件で撮る。
Window機能による画像階調変換 『標準放射線医学第5版』p17参照
肝臓WL50, WW200(肝臓内部構造) 腹部軟部組織WL50, WW500
(全体が識別可能)
肺 WL-700, WW1000 骨 WL200 WW2000(骨皮質・髄質の識別良好)
【59】67Ga-citrateシンチグラフィーで高集積を認めるものを選べ。 a)胃癌 b)悪性リンパ腫 c)サルコイドーシス d)悪性黒色腫 e)乳癌 1.a,b,c 2.a,b,e 3.a,d,e 4.b,c,d 5.c,d,e |
解答)4
悪性リンパ腫、肺小細胞癌、甲状腺未分化癌、悪性黒色腫、上顎癌、精巣腫瘍に集積。
炎症、サルコイドーシスにも集積。正常でも肝臓、分泌腺、骨、関節、鼻腔、大腸に集積。
胃癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌、尿管癌、子宮癌では集積が低い。
集積消失は必ずしも腫瘍の消失を意味しない。放射線化学療法で耳下腺.肺.腎の集積亢進。
【60】骨シンチグラフィーについて正しいものを選べ。 a.99mTc-HMDPは腎から排泄される。 b.関節炎では異常を検出するのは困難である。 c.忘れました。 d.全身骨を検索できるのが大きな特徴である。 e.多発性???は前立腺癌や乳癌で見られる。 (1) a b c (2) a b e (3) a d e (4) b c d (5) c d e |
解答)?
a) ○ 前処置として排尿し、正常なら腎・膀胱に集積。その後6時間内に70%排尿。
b) ○ 関節炎、外傷、変形性脊椎症、副鼻腔炎、歯周囲炎では異常集積する。
d)○ 転移巣検出の特徴:全身が容易に検索可能・X線より早期に検出・非特異的
e) 前立腺癌や乳癌では全身に強く集積しsuper scan(beautiful bone scan)
その他、骨軟化症、副甲状腺機能亢進症、Paget病、腎性骨異栄養症などでも呈する。
【62】201Tlを用いた心筋血流シンチグラフィーについて正しい組み合わせを選べ。 a.再分布現象がある。 b.初回循環で約30%が心筋に取り込まれる。 c.受動拡散によって心筋に取り込まれる。 d.131I‐MIBG(123I‐MIBG?)シンチと同様の集積機序で心筋に取り込まれる。 e.薬物負荷や運動負荷で虚血心筋の診断率を上げる。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)2
a) 狭心症で運動又は薬剤(ジピリダモール・ATP)負荷で虚血部欠損し、安静時に再分布。
b) c) Na-Kポンプを介する。1回の循環で85%取り込まれる。
時間とともに分布は変化する。早期像は血流を反映、後期像は細胞の活性を反映する。
d) 123I‐MIBGは心筋交感神経機能反映。123I‐BMIPPは心筋脂肪酸代謝反映。 e)○
【63】脳血流シンチについて正しいものを選べ a.99mTcECDはBBBを通過する b.痴呆性疾患の鑑別に有効である c.てんかん発作の間歇期は脳血流は増加する d.CO2負荷により血管は収縮する e.ダイアモックス負荷により脳循環予備能を検査できる 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)2
a) BBB通過後、脂溶性から水溶性に変化し脳組織に補足される。腫瘍や急性期~亜急性期梗塞では必ずしも血流を表さない。
b) 脳血管障害評価・痴呆鑑別・てんかん焦点診断。Alzheimer病:側頭葉,頭頂葉血流↓
c) 間欠期には焦点部位で血流↓、発作時及び直後では血流↑
d) e) CO2 ・Diamox 負荷で血管拡張し、循環予備脳評価する。
【64】甲状腺シンチグラフィについて正しいものを1つ選びなさい。 a.亜急性甲状腺炎ではびまん性の高集積が認められる。 b.99mTcO4-は甲状腺内に取り込まれ、有機化される。 c.Plummer病ではいわゆる「cold nodule」が認められる。 d.123Iを用いる場合、前処置としてヨード制限が必要である。 e.甲状腺機能亢進症では全例において集積亢進が認められる。 |
解答)d
a) e) 甲状腺機能亢進で集積↑、破壊性甲状腺炎・亜急性甲状腺炎ではヨード摂取率低下。
b) 99mTcO4-は甲状腺の機能に応じて甲状腺に摂取されるが、有機化はされない。
c) hot nodule。一方癌は甲状腺の10%以下の取り込みでcold noduleとなる。未分化癌、悪性リンパ腫は67Ga-citrateが集積。
d) 123I(正常10~40%)はヨード制限必要(わかめ・海苔・昆布・ヨウ素剤・甲状腺剤・抗甲状腺剤)。99mTcO4-(正常0.5~3%)はヨード制限不要。判定は123Iの方がしやすい。
【65】正しい文章の組み合わせを選べ a.99mTc-DTPAは糸球体で濾過される。b.99mTc-MAG3は尿細管上皮でとりこまれる。 c.99mTc-DMSAは糸球体で濾過される。d.99mTc-DTPAはERPFを反映する。 e.99mTc-MAG3はGFRを反映する。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)?
a)○ b)× c)? d) × e) ×
(レノグラム・腎動態シンチ) 99mTc-DTPA→糸球体濾過。糸球体濾過量GFR算出。
99mTc-MAG3・123I-OIH(hippuran)→尿細管排泄。有効腎血漿量ERPF算出。
(腎静態シンチ)99mTc-DMSA尿細管上皮細胞に取り込まれ排泄が少なく、皮質形態評価
【67】ヨード治療について正しいもの。 a.123I-NaIを用いる b.未分化癌はよい適応である。 c.治療前にヨード制限が必要である。 d.バセドウ病の治療は放素病棟に入院せずに可能である。 e.バセドウ病の治療後に機能低下をきたすことがある。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
a) b) 123I:γ線・半減期13時間 131I:β線&γ線・半減期8日。
非密封小線源RI内服療法。131Iを経口投与後、131Iは甲状腺濾胞に取り込まれる。β線はα線につぎ細胞障害が強く治療効果大で、2mmしか飛ばないので副甲状腺や気管は大丈夫。適応は甲状腺癌(濾胞癌、乳頭癌)、甲状腺機能亢進症(適応:30歳以上、抗甲状腺剤の効かない例、禁忌:妊娠中・授乳中)
c) ○お腹を空かせておく必要あり。d) 少量なら可 e) やりすぎたら機能低下してしまう。
【68】Tc(テクネシウム、99mTcのこと?)について、正しいものをえらべ。 a.γ線を放出する。 b.核異性体転移により崩壊する。 c.親核種は99Tcである。 d.半減期は12時間である。 e.ジェネレーターシステムにより供給される。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)2
99Mo(T1/2=66時間)→99mTc(T1/2=6時間)→核異性体転移→99Tc
a) ○ b)○ c)99Mo d) 6時間 e) ↑はカウ(RIジェネレーター)で行われる。
【69】99mTc-MAAと81mKrガスによる肺シンチグラフィーについて正しいものを選べ。 a.99mTc-MAAは毛細血管に微小塞栓をつくる。 b.肺塞栓症では81mKrガスシンチで肺野欠損像を呈する。 c.99mTc-MAAシンチは大動脈炎症候群で欠損を示すことは稀である。 d.慢性閉塞性肺疾患では99mTc-MAAシンチで欠損像を示さない。 e.99mTc-MAAシンチで腎に集積像が見られれば右→左シャントがある。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)?
99mTc-MAA:肺血流シンチ、81mKrガス・133Xeガス:肺換気シンチ。
a) ○MAA(大凝集アルブミン)は肺毛細血管に詰まって集積する。
b)×c)×肺梗塞や大動脈炎症候群では血流欠損・換気で欠損なし。(perfusion-ventilation mismatch)
d) ×慢性閉塞性肺疾患や肺癌では血流換気共に欠損する。
e) ○肺動静脈奇形などの右左シャントを検出できる。
【71】正しいものの組み合わせを選べ。 a.131I-アドステロールは正常副腎に集積する。 b.131I-MIBGは褐色細胞腫に集積する。 c.原発性アルドステロン症の診断にデキサメタゾン抑制試験が有用である。 d.腺腫によるクッシング症候群では131I-アドステロールは有用でない。 e.131I-アドステロールは患者にとって被曝が少ない。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)1
131I-アドステロール:副腎皮質シンチ 131I-MIBG:副腎髄質シンチ
a) 正常でも組織のコルチゾル濃度依存性に集積。右が濃い(肝との重なり、検査器に近い)。
b) 褐色細胞腫、神経芽細胞腫に集積。
c) デキサタメタゾン内服後にシンチ行うと腺腫では集積したまま。正常組織は抑制。
コントラストがはっきりし、腺腫が小さく判断つかないときに有用。
d) 131I-アドステロールはクッシング症候群、原発性アルドステロン症の診断に有用。
e) × 131Iはβ線、γ線を出す。被曝線量8.8mGy/37MBq。
【72】腫瘍マーカーの組み合わせで正しいものを選べ a転移性肝臓癌CA125 b大腸癌CEA c甲状腺髄様癌カルシトニン d前立腺癌PSA e卵巣癌NSE 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4
転移性肝臓癌:CEAなど 卵巣癌:CA125、CEA 肺小細胞癌:NSE
【73】in vitro検査について正しいのを選べ。 a.生体から得られた試料から微量物質を測定する検査である。 b.RIAは抗体を標識する。 c.IRMAは抗原を標識する。 d.RIAは抗体は必要であるが、抗原は必要でない。 e.IRMAは生物学的活性でなく、免疫学的活性を測定するのが問題である。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de |
解答)2
a) ○放射免疫測定法(RIA:radioimmunoassay)、放射免疫定量測定法(IRMA:immunoradiometricassay)を行う。一方in vivoは生体内にRIを投与し体内分布を測定。シンチグラフィ、機能検査、ポジトロンCT。
b)d)RIAは検体中の抗原が抗体への結合においてRI標識抗原と競合するのを利用して微量物質を定量する。
・RIA成立の条件:純粋な抗原が入手できること・抗体作成できること・抗原をRI標識できること・標識抗原と非標識抗原が競合して抗体と反応すること
・RIAの特徴:感度高い・精度高い・特異性高い・簡便
c) e) IRMAは検体中の抗原を固相化抗体に結合させ、放射性標識抗体と結合させ、微量物質を定量する。非競合反応である。
・IRMAの特徴:広い測定範囲・優れた再現性・容易な標識抗体の作成・感度高い・簡便
・IRMAの問題点:生物学的活性でなく免疫学的活性を測定・交差反応・反応阻害物質・RIを使用する。抗体が大量に必要・・・モノクローナル抗体利用
【74】放射線治療の適応について正しいのはどれか a、脳腫瘍のなかでもgerminoma、medulloblastomaはとくに奏効しにくい。 b、甲状腺癌は一般に放射線治療のみで制御しうる。 c、喉頭声門癌は早期であれば放射線治療のみで治癒しうる。 d、舌癌、子宮頚癌は密封小線源による治療のよい対象である。 e、悪性リンパ腫は比較的少ない線量で局所制御しうる。 1、abc 2、abe 3、ade 4、bcd 5、cde |
解答)5
a)胚細胞腫、髄芽腫、上衣腫効く。全中枢神経照射(全神経系30Gy局所50~60Gy) b) ×
c) 声門癌はT1(1領域)T2(隣接に進展で運動正常)で60Gy左右対向2門照射で予後良好。
d) ○前立腺癌も e) ○ stage1,2で40Gyの全リンパ節照射(マントル+逆Y字)
【75】密封小線源治療について正しいのはどれか。 a.線源としては137Cs、198Au、192Irがよく用いられる。 b.舌癌、子宮頚癌はその最もよい適応である。 c.現在、用いられているのは早期の舌癌と早期の子宮頚癌が主である。 d.線源のβ線を利用する治療法である。 e.医療従事者の被曝を考えねばならない。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)2
a) ○ b)○ c) 子宮頸癌stage 3abで外部照射+膣内照射 d)γ線
e)○ 子宮頸癌では RALS(remote afterloading system)で離れたところから術者が操作。
【76】頭頸部の放射線治療について、正しいものを選べ。 a.上顎癌は原体照射、密封小線源腔内照射などを組み合わせると、放射線療法のみで高い治癒率が期待できる。 b.舌癌のうち原発巣の大きなもの、頚部リンパ節転移のあるものは集学的治療を行う。 c.多発頚部転移をともなう喉頭癌は手術を行う。 d.上咽頭癌は頭蓋内進展もあるので放射線療法が行われる。 e.甲状腺癌は未分化癌でも放射線感受性は低く、手術が第一義的に行われる。 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde |
解答) 4
a) ×5年生存率50~60%であり、高い治癒率とは言い難い。治療は放射線が第一選択。
b) ○T1(~2cm) T2(2~4cm)では226Ra針による組織内照射。
c) 声門癌はリンパ節転移少ないが、声門上下癌は多く、進行例では術前照射+Ope。
d) 頭部リンパ節転移多く脳神経(Ⅴ.Ⅵ.Ⅸ.Ⅹ)侵し、解剖学的位置から放射線第一。e)○
【77】乳癌について正しいものを選べ。 a.最も多く見られ、臨床上問題になるのは肝臓への転移である。 b.根治的乳房切除の後、胸壁、腋窩、傍鎖骨領域に放射線の大量照射を行えば治療成績は向上する。 c.経過の長い例が多いので、治療成績は五年生存率ではなく十年生存率で評価する。 d.腫瘤摘出術など最小限の手術侵襲に放射線照射を加えることで、根治的乳房切除術と同等の成績を残せる。 e.胸壁への放射線照射を接線照射で行うのは、肺への線量を減らすためである。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)5
a) 肺転移が最も多い。骨転移も多い。
b) ×中量。また腋窩に行うと上肢の浮腫が起きるので注意。 c)○ d)○ e)○
【78】乳房温存療法に関して正しいものはどれか。 a. SLEを合併する患者の乳房温存術後の放射線照射は禁忌である。 b. 多発性、又はdiffuseな砂粒体を有するものはよい適応となる。 c. 照射線量は少なくとも60Gy必要である。 d. 照射は接線照射で、患側乳房全体を十分含める。 e. 術中にリンパ節転移の認められなかった場合、旁鎖骨リンパ節には照射する必要はない。 1. abc 2. abe 3. ade 4. bcd 5. cde |
解答)3
a) 妊婦と膠原病罹患者は放射線照射してはだめ。
b) 乳房温存療法は3~4cm以下の腫瘍で腋窩リンパ節転移ないもの。 c) 50Gy d)○
e) 照射によるリンパ管線維化でリンパのうっ滞がおき上肢の浮腫がおき、程度の差はあれ半永久的に残るのでしなくて良いときはしない。
【79】肺癌の外照射治療について正しいのはどれか? a.肺癌の脳転移は放射線治療のよい適応である b.肺の小細胞性肺癌の総線量は60Gy以上必要である。 c.腔内照射を併用することはない。 d.T1N0M0、T2N0M0は定位放射線治療で治療されることがある。 e.小細胞癌は放射線感受性が高いが、化学療法を併用したほうがよい。 1)a,b,c 2)a,b,e 3)a,d,e 4)b,c,d 5)c,d,e |
解答)3
a) ○20%に脳転移。予防的全脳照射については意見の分かれるところ。
b)50Gy c)×一般にないが気管腔内などにすることはある。d)△手術が第一選択だが・・・
e) ○ LDでは化学療法+胸部照射、EDでは化学療法
【80】子宮頸癌の放射線治療について正しい組み合わせはどれか? (a)子宮腔内に挿入するアプリケーターをその形からオボイドという。 (b)日本では腔内照射に低線量率照射を用いるのが一般的である。 (c)子宮頸癌には腔内照射と外照射を併用する。 (d)A点は膣円蓋部を基準として子宮長軸に2cm、外側直角に2cmの点である。 (e)A点は骨盤腔の線量の評価点であり、治癒率と関連しない。 1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e |
解答)4
a) タンデム。オポイドは膣円蓋に2本挿入。 b)高線量率照射
c) ○ 膣内照射:密封小線源で子宮腔内 外部照射:骨盤リンパ節
d) ○ マンチェスター法にて照射線量決定
B点は膣円蓋部を基準として子宮長軸に2cm、外側水平に5cmの点
e) A点:治療率、膀胱直腸障害の指標、B点:リンパ節転移、骨盤壁浸潤治療の指標
【81】正しい組み合わせを選べ a.早期の前立腺癌は、手術の方が放射線治療より成績がよい。 b.局所進行前立腺癌に対しては放射線治療と内分泌療法が行われる。 c.前立腺癌に対する小線源療法が最近日本でも始まった。 d.木村氏病に放射線治療を行うことがある。 e.加齢黄斑変性症に放射線治療を行うことがあるが、総線量は50Gy程度を目標とする。 1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,d,e) 4(b,c,d) 5(c,d,e) |
解答)4
a)同じくらい b)○ c)○ d)○木村病=軟部好酸球性肉芽腫。 e)×20Gyくらいを目安にする。
【82】放射線治療の人体への影響について正しいものを選べ。 a.放射線の人体への影響として確定的影響と確率的影響があるが、放射線治療による脱毛は確定的影響のひとつである。 b.人の倍加線量は10Gyである。 c.放射線治療による有害事象は早期と晩期に分けられるが、放射線脊髄炎は早期に起こりやすい。 d.下腹部への放射線照射では下痢を起こしやすい。 e.放射線治療によって、白血球と血小板が低下することがある。 1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,d,e) 4(b,c,d) 5(c,d,e) |
解答)3
a) 確定的影響:骨髄抑制・不妊・白内障・放射線肺炎・皮膚炎(脱毛)etc
確率的影響:遺伝的影響・発癌
b) 倍加線量:自然突然変異率を倍にするのに必要な放射線量 ヒト0.1~1Sv
c) 晩期。脊髄の耐容線量(5年後に障害が5%発生する線量)は50Gy d)○
e) 造血障害は早期におき、リンパ球→顆粒球→血小板→赤血球の順に障害
早期障害:(全身被爆) 急性放射線死・放射線宿酔・造血障害
(局所被爆) 皮膚炎・脳浮腫・放射線肺炎・粘膜炎症・生殖器障害
晩期障害:発癌・白内障・慢性皮膚潰瘍・肺線維症・腎不全・脊髄症・胎児への影響(発育遅延、精神発達遅滞)・遺伝的影響
【84】正しいものの組み合わせを選べ。 a. X線ではそのエネルギーが高いほどbuild upが浅くなる。 b. 炭素線はブラッグピークを持つ。 c. 電子線はある深さに来ると急速に減弱する。 d. 陽子線はブラッグピークを持つ。 e. γ線はある深さになると急速に減弱する。 1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,d,e) 4(b,c,d) 5(c,d,e) |
解説:4
※Bragg peak:粒子線(炭素線、電子線、陽子線)が生じさせる電離イオン対の数は、粒子の速度が遅いほど大きくなる。このため、深さ方向の線量分布を表す深部線量曲線において、粒子の飛跡の最後にピークができる。これをブラッグピークと呼ぶ。ブラッグピークの直後で粒子線は急速に減弱します。電荷を持たない中性子線やX線やγ線はブラッグピークを形成しない。
※Build up:X線のエネルギーが高くなると、2次電子のエネルギーも高くなり、入射した物体の表面で発生した2次電子はより深い部分まで到達して吸収される。その結果、吸収線量は表面よりも少し深い部位でピークに達し、これをビルドアップと呼ぶ。ビルドアップ後は、ブラッグピークとは違い吸収線量が次第に低下します。これはX線が電磁波であり、電荷を持たないからである。
a)× X線ではそのエネルギーが高いほどbuild upが深くなる。
e)× γ線はX線と同じく光子であり、build up後、徐々に減弱する。
【85】甲状腺癌に対する放射線ヨード治療について正しい組み合わせを選べ。 a. 分化癌より未分化癌の方がよい適応である。 b. 3.7GBq以上を使う場合は、ヨウ素病棟の個室隔離が必要である。 c. 治療をはじめた直後に、甲状腺機能亢進状態になることもある。 d. 治療を行う前に甲状腺機能を廃絶しておく。 e. 脳転移症例はよい適応である。 1. abc 2. abe 3. ade 4. bcd 5. cde |
解答)4 設問【67】解説参照
a) 未分化癌は123Iuptake↓のため分化癌(乳頭癌、濾胞癌)がより良い適応
b) ○ c)機能低下 d) 正常甲状腺に集まらないで病変部に集まるようにする。
e) ×?遠隔転移例は適応になるが、脳転移は少なく一般的には肺転移の治療に使う。「非適応である」とはいいにくいが、脳転移にはガンマーナイフなどが一般的。
【86】遠隔転移を伴わない場合、手術よりも放射線治療が行われることが多いものを選べ。 a.前立腺癌 b.肺癌 c.子宮頚癌 d.大腸癌 e.肝癌 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde |
解答)1
【87】正しいのはどれか。 a.通常の骨転移では、60Gy/30回の線量が用いられる。 b.骨転移に対する放射線治療の除痛効果は、ほぼ100%に認められる。 c.溶骨性の骨転移に対して放射線療法を行うと、化骨が促進されることがある。 d.骨転移に対する放射線治療は、放射線抵抗性の腫瘍にも除痛効果がある。 e.放射線治療は、硬化性の骨転移にも除痛効果が認められる。 1)a,b,c 2)a,b,e 3)a,d,e 4)b,c,d 5)c,d,e |
解答)5
a) 予後不良のため30Gy/10回 b) ほぼ100%は言い過ぎ。20Gy 2week以内に少なくとも90%以上軽快。
c) 石灰化が促進され化骨が促進される。 d) ○ e)○
【88】正しいのはどれか。 a.骨転移による脊髄麻痺が疑われるときは、多少時間がかかってもかまわないので、MRIやシンチなどで慎重に検査を進めるべきである。 b.悪性腫瘍患者に下肢麻痺がみられたときは、疼痛なくても骨転移による脊髄圧迫を考えるべきである。 c.骨転移による脊髄麻痺にはステロイドが有効である。 d.骨転移による骨折予防には放射線治療が用いられることがある。 e.骨転移の疼痛に対しては、モルヒネなどの効果がなくなってから、放射線治療を開始する。 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde |
解答)5
a) oncology emergency。麻痺が完成したら回復はしない。慎重でなければならないが、手持ちのデータのみで照射開始する。oncology emergency他にSVC症候群、一側無気肺、脳転移による脳浮腫、骨転移による激痛、その他内科的にはDICなど。
b) 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの鑑別を必要とする。
c) 転移局所の浮腫をとるためステロイドやグリセオールなどの浸透圧利尿剤を使う。
d)○ e) 今は一般的には経口麻薬の効かなくなってから照射。
【90】放射線治療について正しいのはどれか a. 組織の一酸化炭素分圧が高いほど、放射線感受性が高い。 b. 脳神経細胞より皮膚基底細胞のほうが放射線感受性が高い。 c. 一般に扁平上皮癌のほうが腺癌より放射線感受性が高い。 d. 細胞周期のM期のほうがG1期より放射線感受性が高い。 e. 放射線照射は治療期間が長いほど治療効果が得られる。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e |
解答)4
a) 酸素分圧。放射線効果の修飾:酸素効果・放射線増感剤・温度効果(42℃以上S期にも効果あり。腫瘍のうちで血流が不足している中心部は温熱療法が効果的)
b) ○放射線感受性の高い組織:生殖腺・骨髄・リンパ組織・皮膚・粘膜・水晶体
c) ○ d)M>G2は感受性高い。S期(DNA合成期)は低感受性だが温熱療法に弱い。
e) × 小線量で分割照射すれば、総線量が大きくなっても正常組織の晩期障害を抑えることができる。これは正常細胞の方が1回照射後の回復が早いので徐々に差がつき治療可能比が上がるためである。
【91】食道癌について正しい組み合わせを選べ。 a.食道癌の化学療法にはアドリアマイシンがよく用いられる。 b.粘膜下層まで浸潤した食道癌は内視鏡的切除と化学療法で治癒可能である。 c.局所浸潤した食道癌には手術療法と化学放射線療法が行われる。 d.局所浸潤した食道癌に化学放射線療法を行った場合、放射線肺炎が起こることがある。 e.粘膜にとどまる早期癌の場合、内視鏡的切除が行われる。 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde |
解答)5
a) ×シスプラチン(CDDP)と5-FU b) ×手術
c) ○ d) ○ e) m1,m2は絶対適応。m3,sm1(10%でリンパ節転移伴う)リンパ節転移ないものが適応。
【92】正しいものを選べ。臨床検査は、 a.代謝疾患やホルモン疾患の診断にのみ有効である。 b.治療方針の有効性の判定にも使用される。 c.病気の兆候が全くなくても検査結果によってはその人に病気が潜んでいる場合がある。 d.何の病気か診断ができない場合でも検査データの変化でその患者の管理方法の善し悪しはわかる。 e.ある患者のデータが状況に応じて変化しても、それがいわゆる正常範囲内であれば病状を反映しているわけではない。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde |
解答)4
a) 電解質とかも測れる??よって×。 b)○ c) ○ d)○
e) 正常範囲っていってもマスキングしあう病態と見るなら、こうは言えないのでは??
【94】正しいのを一つ選べ。正確な検査法とは、 A 少しの変化を確実に感知できる検査法のことである。 B 真の値に出来るだけ近い結果を出す検査法のことである。 C 少量のサンプルで測定できる検査法である。 D 簡便な検査法である。 |
解答)B?
【95】正しい選択肢を選びなさい。検査結果が正規分布に従うとすれば a. 95 %の人々は検査結果は平均値±2 S.D.の範囲内に入る。 b. 平均値+3 S.D.を越える値を示すものはない。 c. その検査法は精密(precise)でしかも正確(accurate)であることを示している。 d. ほぼ半分の人々の結果が平均値を越えている。 e. 分布図は平均値を挟んで対称になる。 1.(a,b,c) 2.(a,b,e) 3.(a,d,e) 4.(b,c,d) 5(c,d,e) |
解答) 3?
a)○→M(平均値)±2S.D.には全体の約95.45%が含まれる。
b)×→平均値±3S.D.にあるのは全体の99.7%。c)? d)○ e)○
【96】臨床検査について、診断と検査結果が違う時どう考える? 1、検査が誤りと考える 2、検体を採取しなおして、やり直す 3、検査方法が正しくないと考える 4、診断を考え直す 5、検査の結果を無視する 1.ab 2.ac 3.bd 4.cd 5.de |
解答)3?
【98】正しいものを選べ。 一見健康だが重大な病気を持っていそうな患者に対して a.病気の有無によって結果が大きく異なる検査をする。 b.陰性の結果を明確に指摘できる検査を行う。 c.偽陽性の少ない検査をする。 d.分析結果のばらつきの少ない検査をする。 e.偽陰性の少ない検査をする。 1.a,c,e 2.a,b,d 3.a,c,d,e 4.b,c,d,e 5.a,b,c,d,e |
解答)5? 2004年卒試98、2003年卒試97と同じ
|
疾患(+) |
疾患(-) |
所見陽性 |
a |
b |
所見陰性 |
c |
d |
aからcは人数を表す。
感度=陽性率=a/(a + c) 特異度=d/(b + d) 偽陽性率=b/(b + d) 偽陰性率=c/(a + c)
陽性尤度比Likelihood ratio for a positive finding(LR+)=陽性率/偽陽性率=[a/(a
+ c)]/[b/(b + d)]
陰性尤度比 Likelihood ratio for a negative finding (LR-)=偽陰性率/特異度=[c/(a +
c)]/[d/(b + d)]
【99】次の物質の中で血漿浸透圧が最も高いのはどれか。 1.重炭酸イオン 2.グルコース 3.カリウム 4.蛋白質 5.ナトリウム |
解答)5 2004年卒試99番と、2003年98番と同じ 生理学テキスト第3版p3参照
細胞内液がKの浸透圧が最も高いのに対して細胞外液はNa、Clが高い。
血漿での浸透圧 Na:152mEq/lH2O Cl:113 mEq/lH2O
【101】成人男子について正しいものを選べ a.体重の60%は水分である。 b.新生児より体重あたりに占める水分の割合が大きい c.一日の最小排泄量は1500mlである d. 全水分量の8%が血漿量である。 選択肢忘れましたが、不規則な2、3個選ぶものでした。 |
解答? 生理学テキスト第3版p2参照
a) ○ 細胞内液40%、細胞外液20%(間質液15%・血漿5%) b) × 乳幼児は65%
c)×?通常尿量は一日0.5~2Lなので1500mlが最小とは考えにくいが・・・
d) ○?5%とあったが正確には8%?
画像問題(図は適当に用意しました。)
【1】次のうち聴神経が写っているものはどれか? 1. 2. 3. 4. 5. |
(MRIのT1強調像が5枚、1.延髄・外耳道レベル、2.橋レベル、3.中脳レベル、4.大脳基底核や視床を通るレベル、5.側脳室体部を通るレベル、のがならんでいました。)
聴神経は橋から出ている。
【2】T1強調画像を選べ a. b. c. d. e. |
解答a
解説:a. T1 (髄液黒い<低信号>。白質が白い<高信号>。軟部組織・頭蓋骨部分は骨髄が写っている) b.plain CT(骨が写っているのがミソ→錐体骨を見る!)
c.FLAIR(T2の水成分を黒くしたもの) d.T2(髄液が白い。白質が黒い。目玉が白い)
e.diffusion(粗い。脳梗塞の早期診断に有用)
【3】図は頭部の単純CTである。 考えられる疾患は? 1.下垂体腫瘍 2.クモ膜下出血 3.梗塞 4.急性硬膜外血腫 5.化膿性髄膜炎 |
解答 2(頭部CTにてダビデの像→クモ膜下出血)
【4】頭部外傷後の単純CTを示す。正しいものを選びなさい。 a.右頭頂葉に低吸収域を認め、脳梗塞が考えられる。 b.左側に高吸収域を認め、急性硬膜外血腫が考えられる。 c.頭蓋骨骨折による中硬膜動脈の破綻が原因。 d.左側に高吸収域を認め、SAHが考えられる。 e.側脳室の圧排は全く見られない。 1.ab 2.ac 3.bd 4.cd 5.de |
解答)3(レンズ状の血腫。明らかに急性硬膜外血腫)
【5】40歳女性。進行胃癌の患者に注腸造影を行った。正しいものを選びなさい。 a.大腸に病変が多発している。 b. 大腸癌を合併している。 c.腹膜播種を認める。 d. Schnitzler転移を認める。 1. a,c,d 2. a,b 3.b,c 4.d 5.a~d 画像:注腸造影正面 上行~横行結腸に多発するapple coreがあり、a,bは誰も間違えない。 注腸造影側面 直腸に硬い感じの狭小化所見があったと思う…S状結腸には病変なし。 |
2か5で悩んだ人が多かったようだ。
【6】60歳女性。上部消化管造影検査を行った。正しいものを選びなさい。 a.腹臥位で撮影されている。b.前壁側に病変がある。 c.陥凹性病変であるが、中心部は隆起性病変を伴う。 d.ひだの集中を伴っている。 1. a,c,d 2. a,b 3.b,c 4.d 5.a~d 速攻で書いたので下手な図ですが、上のようになっていました。すなわち画像では→右の方に幽門があると。すなわち、背部から撮影された、前壁の写真 ヒダの融合・先細りがあり癌は一目瞭然。周囲に造影剤のたまりはあったのですが、中心部ははじいていました。 |
解答:5
【18】腰部に放射線治療の既往がある患者に骨シンチを行った。考えられるのは? 1骨転移 2不全骨折 3副甲状腺機能亢進症 4関節炎 5 仙腰骨関節に集積が認められた。 |
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