平成17年度 「侵襲医学」 卒業試験

 

平成17年11月30日実施

1麻酔の安全を確保するために必要なモニターを列記し簡潔に説明せよ。

 ()・パルスオキシメータ:動脈血を反映する拍動性の吸光変化のみを取り出すことにより、動脈血の酸素飽和度を測定する。

     ・カプノグラム:患者の呼気中の二酸化炭素濃度を測定する。

・心電図モニター:心臓の電気運動を波形で表示する。

その他に、血圧、体温、場合によっては脳波や筋弛緩モニターなどを用いる。

 

2局所麻酔の方法を3つ以上挙げ、その適応と合併症について記せ。

(答)

表面麻酔:粘膜または皮膚表面に局所麻酔薬の噴霧ないし塗布によりその局所の無痛を得る麻酔法。

 <適応> 気管挿管、気管支鏡検査、内視鏡検査、尿道カテーテルや鼻内カテーテル挿入時など。

 

局所浸潤麻酔:手術部位を含む周囲組織に局所麻酔薬を注入して末梢神経をブロックする麻酔法。

 <適応> 体表面の小手術や硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔時の穿刺部位の麻酔や、伝達麻酔が不十分な時。

 <合併症> 術野が広がったりすると局所麻酔薬の使用量が多くなり、局所麻酔薬中毒が起こりやすい。

 

 伝達麻酔:末梢神経()特定の部位に局所麻酔薬を注入し、その部位より末梢部の無痛を得る麻酔法。

<合併症> 循環抑制、呼吸抑制、神経系の合併症、局所麻酔薬中毒など。

・脊髄くも膜下麻酔

 <適応> 主に下腹部以下(会陰部、下肢など)の手術に用いる。

・硬膜外麻酔

  <適応> 分節麻酔が可能なことから、脊髄神経支配領域の手術に用いる。

  ・神経ブロック 

 <適応> 悪性腫瘍による疼痛や神経痛、カウザルギー、幻肢痛など様々。

 

静脈内局所麻酔:ターニケットを用いて駆血を施行し、その末梢の静脈内に局所麻酔薬を注入し駆血帯より末梢側の無痛を得る麻酔法。

  <適応> 四肢の手術において行う。     <合併症> 局所麻酔中毒。

 

3以下の各小問に対し、AEから適当なものを選んで解答欄に記せ。

1】本邦における酸素ボンベの色はどれか。

(A)白  (B)灰色  (C)黒  (D)緑  (E)

 (答)C

手術場に置いてあるので確認してみてください。酸素はボンベの色と、つなぐチューブの色が異なるのがポイントだと麻酔科の先生が言ってました。

 

2】気道に関して誤っているのはどれか。

(A)小児では、声門よりも輪状軟骨部が狭い。  (B)成人の気管分岐部は第7胸椎の高さにある。

(C)輪状甲状間膜穿刺は、緊急時の気道確保のために行われることがある。

(D)成人の右上葉への気管支は、気管分岐部から約2.5cmのところから分岐する。

(E)声帯から気管支にかけての知覚は反回神経に支配されている。

(答)B   A:○小児では輪状軟骨部が気道最狭部 B:×45胸椎の高さで分岐 

 

3】正しいのはどれか。

(A)大腿静脈は大腿動脈の外側を併走する。  (B)胸管は右鎖骨下静脈に合流する。

(C)内頸静脈は総頸動脈の前内側を併走する。 (D)内頸静脈は皮膚と胸鎖乳突筋の間を走行する。

(E)鎖骨下静脈は鎖骨と第1肋骨の間を走行する。

 () E

  A.×:外側内側 C.×:前内側前外側 D.×:胸鎖乳突筋の後方を走行する。

  B.×:左頚静脈と左鎖骨下静脈との接合部に合流する。

 

4】インスリン依存性糖尿病を合併する55歳、女性。閉塞性動脈硬化症も合併しており、間歇性跛行がある。閉経後の性器出血に対して、経膣的子宮摘出術が予定された。本症例のASA-PS (American Society of Anesthesiologists-Physical Status)として正しいのはどれか。

(A)I  (B)II  (C)III  (D)IIIE  (E)IV

(答)C

ASA - PS分類
 手術対象となる疾患は局在的であり,全身的な障害を認めない
 軽度ないし中等度の全身的障害がある
   例)軽度糖尿病,軽度本態性高血圧,貧血,新生児及び80歳以上,高度の肥満,慢性気管支炎
 中・高度の全身疾患を有し,日常生活が制限されている
   例)重症糖尿病,中・高度肺障害,コントロールされた虚血性心疾患
 生命を脅かすほどの全身疾患がある    例)多臓器不全
 手術施行の有無にかかわらず,24時間以内に死亡すると思われる瀕死の患者
    例)心筋梗塞によるショック,大動脈瘤破裂,重症肺塞栓
E:緊急手術の場合

 

5】急性腎不全患者で心電図にT波の先鋭化、次いでPR間隔の延長、P波の消失およびQRS幅の拡大がみられた。最も即効性のある治療法はどれか。

(A)イソプロテレノール静注  (B)ジゴキシン静注  (C)陽イオン交換樹脂注腸

(D)重炭酸ナトリウム液点滴静注  (E)グルコン酸カルシウム液静注

(答)E  授業プリント(体液・代謝,P10,11)参照。

 高K血症では心電図において、上記のような波形や期外収縮、房室ブロック、心室細動、心停止などの所見が見られる。高K血症の治療としては、カルシウム投与による細胞膜安定化や、アルカリ治療やグルコース・インスリン療法によりKを細胞膜に移行させたり、ループ利尿薬やイオン交換樹脂、透析により体外に強制的に排出する方法があるが、治療効果が発現するまで、アルカリ療法では10分、グルコース・インスリン療法では30分、イオン交換樹脂では12時間かかる。緊急時の第1選択としては、グルコン酸カルシウム静注が行われる。

 

6】健常人における血漿アルブミンの半減期はどれか。

(A)12時間  (B)2日  (C)7日  (D)21日  (E)90

 () D          アルブミンの半減期は1420日。

 

7】アドレナリン受容体について不適当なのはどれか。

(A)β受容体刺激薬は、刺激性G蛋白質(Gs)を活性化してアデニル酸シクラーゼを刺激する。

(B)一酸化窒素(NO)は、アデニル酸シクラーゼに直接作用して血管拡張を起こす。

(C)クロニジンは、α2受容体のアゴニストである。  (D)β1受容体刺激により心拍数が増加する。

(E)β遮断薬を投与されている患者では、β受容体数は増加している。

 

(答)B

A.○β1,2ともにアデニル酸シクラーゼ刺激。 B.×:グアニル酸シクラーゼに直接作用し血管拡張。

D.○:主にα1が血管収縮、α2NE分泌抑制、β1が心機能亢進、β2が平滑筋弛緩 

 

8】散瞳をきたす薬剤として誤っているのはどれか。

(A)スコポラミン  (B)エフェドリン  (C)モルヒネ  (D)ニトログリセリン  (E)硫酸アトロピン

(答)C C.×:モルヒネは動眼神経核の刺激で縮瞳を起こす。

 

9】気管支拡張作用を有しない薬剤はどれか。

(A)セボフルラン  (B)エピネフリン  (C)テルブタリン  (D)ネオスチグミン  (E)ケタミン

(答)D   D.×ネオスチグミンはChE阻害薬。Achのムスカリン様作用で気管支は収縮する。

 

10】薬剤とその禁忌となる病態の組み合わせとして不適当なのはどれか。

(A)チアミラール-急性間欠性ポルフィリン症   (B)スキサメトニウム-悪性高熱 

(C)ドパミン-褐色細胞腫  (D)ケタミン-頭蓋内圧亢進  (E)キシロカイン-心室性期外収縮

 () E

 A.○:チアミラールなどのバルビツール系薬剤は急性間欠性ポルフィリン症、喘息を悪化させる。

 B.○:スキサメトニウム(脱分極性神経筋遮断薬)は悪性高熱の引き金となる。

 C.○:褐色細胞腫はカテコラミン産生腫瘍なので、病態が悪化する。

 D.○:ケタミンにより脳代謝率、脳血流量増加と、頭蓋内圧上昇が起こる。

  E.×:キシロカインは心室性期外収縮の治療薬。

 

11】喫煙患者で発生しにくいのはどれか。

(A)一酸化炭素ヘモグロビンの増加(B)虚血性心疾患(C)クロージングキャパシティと機能的残気量の逆転

(D)肺コンプライアンスの増加   (E)気道の被刺激性亢進

 () D

 closing capacityclosing volumeと残気量をあわせたものであるが、closing volumeの異常は末梢気道の異常を反映しており、closing capacityが機能的残気量より大きいという状態では、安静的気位でもすでに一部の気道が閉塞していて、正常なガス交換が行われていない状態と考えられる。また喫煙患者では、肺コンプライアンスは低下する。

 

12】麻酔中に死腔換気が増加する原因として不適切なのはどれか。

(A)肺塞栓  (B)浅い頻呼吸  (C)無気肺  (D)低血圧麻酔  (E)出血性ショック

(答)C

 死腔とは解剖学的死腔+肺胞死腔のこと。肺胞死腔は肺胞レベルでの換気血流不均衡で生じる。つまり、空気はあるものの血流が少ないためにおこる不均衡のこと。具体的には、加齢、肺気腫、低血圧、肺塞栓など。速い浅呼吸では、換気は血流の乏しいコンプライアンスの高い領域に偏りがちになりその結果、死腔は増加する。また低血圧麻酔、出血性ショックでは、肺血流減少による肺胞死腔の増加が起きる。

 

1367歳、男性。160本、30年の喫煙歴がある。全身麻酔下での膀胱全摘術が予定された。主治医による禁煙指導が不十分で、術前1日だけの禁煙となった。短期間の禁煙によって改善が期待される項目として正しいのはどれか。

(A)線毛運動の改善  (B)喀痰の減少  (C)気道抵抗の低下

(D)手術部位感染発生率の低下  (E)P50の回復

 

(答)E

 P50は、血液中ヘモグロビン酸素飽和度が50%になる時の酸素分圧。喫煙によりCOがヘモグロビンに結合するが、血液中のCO-Hbの半減期は34時間であるため、P50は改善すると思われる。また術前に1週間以上の禁煙によって肺分泌物は減少し、線毛運動は改善する。

 

14】次のうち、心筋虚血の診断の感度が最も高いのはどれか。

(A)心電図上のST下降  (B)肺毛細管楔入圧上昇  (C)体血圧低下

(D)心室局所壁運動異常  (E)III音の聴取

 () D

  心筋虚血の診断はECG、ホルター、負荷シンチ、負荷エコー、CAGなどが一般的だが、心臓の壁運動の異常を察知することで心筋虚血を早期に発見できる。

 

15】ニトログリセリンの抗狭心症作用について誤っているのはどれか。

(A)ニトログリセリンは血管内皮で一酸化窒素(NO)合成の基質として働く。

(B)冠動脈拡張作用により冠血流量が増加する。  (C)前負荷は減少しない。

(D)血圧が低下し、心筋酸素消費量は低下する。

(E)低酸素性肺血管収縮の抑制が、血液の酸素化悪化の原因である。

 () C

  静脈の容量を増加させて静脈還流を減少させる結果、心室の拡張末期容量が減少する(=前負荷の軽減)

 また心室内圧が低下により心室の張力が低下するため、心筋の酸素消費量が減少する。

 

16】頭蓋内圧を下げるための処置とその作用機序の組み合わせとして誤っているのはどれか。

(A)ステロイド-腫瘍の圧迫による浮腫軽減  (B)マンニトール-血清浸透圧上昇、脳実質容積減少

(C)フロセミド-脳脊髄液産生抑制、脳実質容積減少 (D)チアミラール-脳代謝率低下、脳血流量減少

(E)過換気-動脈血酸素分圧増加

() E

 A.○:血管性脳浮腫の軽減。 B.○:脳実質から血液への水分の移動による脳実質容量の減少。

 C.○:血管内から水分の排出を促進し、脳実質と血液の浸透圧差の増大促進+髄液産生抑制。

 D.○:脳血管抵抗を増加させることで、脳血液量を減少させる。

E.×Hyperventilationによる低CO2 血症で脳圧が機序。最も迅速かつ有効な治療とyear note

 

17】プロトロンビン時間が延長するのはどれか。

(A)血友病B   (B)von Willebrand病  (C)血栓性血小板減少性紫斑病

(D)抗リン脂質抗体症候群  (E)播種性血管内凝固症候群(DIC)

(答)E  E.○PTAPTTの延長が見られる。

 

18】発作性上室性頻脈の既往がある僧帽弁前尖逸脱の患者が胆嚢摘出術を受けることになった。予防的処置として正しいのはどれか。

(A)抗凝固薬 (B)経静脈的に心臓ペースメーカーを挿入 (C)抗不整脈薬 (D)抗生物質 (E)硫酸アトロピン

(答)D

  弁膜症では外科あるいは歯科処置後の一時的な菌血症により、細菌性心内膜炎を起こすことがあるため、僧帽弁逸脱症で逆流を伴う患者では、亜急性細菌性心内膜炎予防を行うべきである、と「MGHの麻酔手引き」に書いてあります。

 

 

1927歳、女性。腹腔鏡下卵巣嚢腫切除術が予定された。プロポフォール、ベクロニウムで導入後、酸素-空気-イソフルラン麻酔が開始された。トロッカー挿入後、30度のTrendelenburg体位とし、二酸化炭素による気腹を開始したところ、急速に低血圧が進行した。原因として不適当なのはどれか。

(A)体位  (B)イソフルラン  (C)二酸化炭素塞栓症  (D)出血  (E)下大静脈圧迫

(答)A

Trendelenburg 体位はショック状態のときに血圧上げる目的で行うhead-down position。静脈還流量が増加する。イソフルランは短所として血管拡張作用による降圧、それによる脈拍増加がある。

 

2026歳、男性が胸部、顔面、上腕に各々1度、2度、3度の熱傷で救急外来に搬入された。意識清明で、激痛を訴えていた。呼吸は浅く、32/分であった。空気吸入下での動脈血液ガスデータはpH:7.48PCO2:30mmHgPO2:78mmHgであった。

(1)検査所見の解釈として適切なのはどれか。

(A)呼吸性アシドーシス  (B)呼吸性アルカローシス  (C)代謝性アルカローシス

(D)代謝性アシドーシス  (E)酸素分圧は正常である。

(答)B

 動脈血液ガスデータの正常pH7.357.45、正常PCO23545mmHg、正常PO280100mmHgである。過換気による呼吸性アルカローシスが考えられる。

 

(2)呼吸状態に関して誤っているのはどれか

(A)上気道の浮腫をきたしうる。 (B)最低24時間の集中看視を要する。 (C)気道熱傷の可能性がある。

(D)気管切開が必要である。   (E)気管支ファイバーを準備する。

(答)D    気管切開の適応:1.長期の人工呼吸 2.喀痰排出力低下 3.意識障害 4.両側反回神経麻痺

 

(3)浅くて早い呼吸について正しいのはどれか。

(A)空気の効率的な動きを可能にする。      (B)コンプライアンスが高いためである。

(C)最小限の呼吸努力で酸素化を保っている。   (D)一回換気量に対する死腔の影響を増大している。

(E)分時換気量を増加させる効果はない。

(答)D

 A.×:効率的ではない。  B.×:低いと思われる。 C.×:酸素化は保てていないと思われる。

 D.○:浅い呼吸では一回換気量が減少しているので。  E.×:増加させる効果がある。

 

(4)COHb20%を占めていた。正しいのはどれか。

(A)チアノーゼとして現れる。

(B)パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)は実際よりも高く表示される。

(C)吸入気酸素濃度はSpO2100%になるように調節する必要がある。

(D)この値は致死的濃度を超えている。  (E)高圧酸素療法の適応がある。

(答)B

チアノーゼは還元Hb5g/dl以上で生じるので、COHbが増加してもチアノーゼは出現しない。また一酸化炭素中毒の致死的濃度は、COHb80%以上のときである。20%では稀に頭痛があるくらいで、普段活動による息切れのほかに表面的症状は出現しない。高圧酸素療法の適応は意識障害などのある重症例で、軽症ではO2の積極的な投与が行われる。パルスオキシメーターではHbO2の割合を求めるのに、metHbCOHbのような他のヘモグロビンの全ヘモグロビンプールに占める割合が、無視できるほど小さいと仮定して吸光度より計算しているため、COHbの増加した状態やmetHbの増加した状態(ニトログリセリン大量投与など)では、これらのヘモグロビンの存在によりHbO2の値を高く見積もりすぎることになる。そのため一酸化炭素中毒の治療では、SpO2の値ではなくCOHbの値を見ながら治療すべきである。

 

21】小児の幽門狭窄に関して誤っているのはどれか。

(A)代謝性アルカローシス   (B)二酸化炭素蓄積   (C)高ナトリウム血症 

(D)低カリウム血症      (E)低クロール血症

(答)C

胃液の嘔吐によりHKClを大量に喪失するため、重炭酸イオンの緩衝系によりHCO3-が増加して代謝性アルカローシスとなり、また呼吸性の代償作用として次第にPCO2が上昇する。

 

22】心疾患合併妊娠の分娩で注意すべき事項として誤っているのはどれか。

(A)血圧低下には輸液負荷で対処する。

(B)大動脈弁狭窄症例の帝王切開術には硬膜外麻酔は不適切である。

(C)大動脈弁閉鎖不全症例の分娩には硬膜外麻酔は適切である。

(D)僧帽弁狭窄症例では分娩にともなう心拍出量増加を最小限に抑える。

(E)分娩後の循環血液量増加は心不全の原因となる。

(答)A

 A.×:エフェドリンで対処する。

B.○:ショックや脱水により循環血液量が減少しているときは、硬膜外麻酔は禁忌である。

 C.○ D.○ E.○:分娩直後は心拍出量、静脈還流が急速に増加する。

 

2340歳、女性。右手の灼熱痛を主訴としてペインクリニックに来院した。痛みは患部をちょっと触っただけでも増悪し、時々青く変色することもあるという。診断のためのブロックとして適当なのはどれか。

(A)星状神経節ブロック  (B)腕神経叢ブロック  (C)腋窩神経ブロック

(D)静脈内局所麻酔  (E)腰部交感神経ブロック

 () A

 複雑局所疼痛症候群(CRPSComplex Regional Pain Syndrome)を疑う。交感神経の過緊張が関係する。

 交感神経緊張が疑われる上肢の疼痛に対しては星状神経節ブロックで、下肢の疼痛に対しては腰部交感神経節ブロックで交感神経をブロックする。

 

24】帯状疱疹について誤っているのはどれか。

(A)水痘と共通の病原体による。  (B)主として成人が侵される。  (C)悪性リンパ腫に合併しやすい。  (D)病変は両側性に生じる。    (E)膝神経節が侵されるとRamsay Hunt症候群を呈する。

 () D

 A.○:水痘・帯状疱疹ウイルス。 B.○:小児のころは水痘として発症。 C.○:免疫障害により。

 D.×:片側性のことが多い。 E.○:顔面神経膝神経節でのウイルスの再活性化で生じる。

 

25】後天性免疫不全症候群患者からの採血後、針刺し事故をおこしてしまった。ヒト免疫不全ウイルスに感染する確率として正しいのはどれか

(A)0.01%  (B)0.05%  (C)0.2%  (D)2%  (E)10

 () C

  インターネットに、針刺し事故によるHIV感染の危険は0.3%、飛沫などによる粘膜への暴露では0.1%、皮膚への暴露では0.1%以下と報告されているとありました。

 

 

 

 

26】手術の際の説明と同意のあり方について誤っているのはどれか。

(A)患者は統合失調症で判断能力がないため、父親の同意を得て手術を行った。

(B)患者は外傷性硬膜下血腫による脳ヘルニアの状態にあり緊急手術が必要であるが、家族に連絡することができないため、本人・家族の同意なしに手術を開始した。

(C)手術を行うことは医学的に不適切と判断したが、家族の強い要望で手術に踏み切った。

(D)血液型がAB型の患者における全身麻酔下の手術中に予期せぬ大量出血が発生した。血液センターからのAB型赤血球濃厚液の追加供給は不可能であることが判明したので、家族の同意を得て院内にあったO型赤血球濃厚液を輸血した。

(E)全身麻酔下での子宮筋腫核出術中に卵巣癌が発見されたが、卵巣癌に関する説明をしていなかったので、そのまま手術を終了した。

(答)C

  医学的に不適切であれば、手術は行うべきではないと思います。

 

27】異状死体の届出義務に関する条文が記載してあるのはどれか。

(A)憲法25条 (B)民法415条 (C)民法709条 (D)医師法21条 (E)刑法211条前段

 () D

 A.×:生存権、国の生存権保障義務。 B.×:損害賠償の範囲に関して。 

C.×:財産以外の損害の賠償に関して。D.○:異状死体届出義務。E.×:業務上過失致死傷に関して。

 

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