平成15年度 「心身医学」 卒業試験
1.総論
1)ストレス状況でみられるものはどれか。 1副腎皮質の萎縮 2胃・十二指腸潰瘍の発生 3胸腺の萎縮 4リンパ節の腫脹 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>c セリエのtriasは、胸腺の萎縮・副腎の肥大・胃の出血性病変。
2)Cannon,W.の緊急反応でみられる症状はどれか。 1血圧の上昇 2心拍出量の増加 3胃腸運動の亢進 4消化液分泌の亢進 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>a
キャノンは、ネコをイヌに対峙させたときの血液に腸管の運動を抑制する物質が含まれていることを実験で確かめた(ノルアドレナリンの分泌の状態を見た)。緊急反応で見られる症状とは、交感神経刺激による症状。
3)イヌにブザーの音のみを聞かせても通常は唾液の分泌は生じない。しかしブザーのすぐ後に餌を与えるようにすることを繰り返すと、やがてブザーの音のみで唾液を分泌するようになる。このことについて正しいのはどれか。 1餌で唾液が出るのが条件反射である。2ブザーの音で唾液が出るのが無条件反射である。 3ブザーの音は条件刺激である。 4この一連の過程が条件づけと呼ばれる。 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>d
1× 餌(=無条件刺激)により唾液分泌(=無条件反応)が生じるのは無条件反射。
2× これが条件反射。 3○ 4○
4)ベンゾジアゼピン系の睡眠薬について正しいのはどれか。 1身体依存は起こすが精神依存は起こさない。 2レム(REM)睡眠を増加させる。 3薬物を急激に中止して出現する反跳不眠は長時間作用型より短時間作用型のものでみられる。 4作用発現が早く持続の短いものは熟眠障害より入眠障害の治療に適している。 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>d
1× 身体的依存・精神的依存ともに起こりうる。 2× REM睡眠およびstage3,4は短くなる。
5)神経伝達物質について正しいのはどれか。 1アセチルコリンは副交感神経終末部における重要な神経伝達物質であるが脳では神経伝達物質として作用していない。 2ノルアドレナリンやドーパミンはカテコールアミンと総称される。 3不安や抑うつの発現にはセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の関与が示唆されている。 4抗不安薬の抗不安作用発現のためにはγ-アミノ酪酸(GABA)に拮抗することが重要である。 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>c 1× 脳でも神経伝達物質として作用している。 2○ 3○
4× GABAAレセプターのBZD結合部位に結合する。拮抗ではない。
6)精神生理機能について誤っているものを一つ選べ。 a 瞳孔の大きさと感情との間には関連性がある。 b 自律神経系の反応はオペラント条件づけできない。 c 夢はREM睡眠と関連がある。 d 精神性発汗は手掌・足底に認められる。 |
<解答>b
自律神経系にオペラント条件付けを行うことから発展してきたのがバイオフィードバック療法である。
7)三環系抗うつ薬でよく見られる副作用はどれか。 1腹痛 2口渇 3排尿困難 4呼吸困難 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>c 副作用としては、抗コリン作用がよく見られる。
8)ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用で正しいのはどれか。 1遅発性ジスキネジア 2健忘 3眠気 4錐体外路症状 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>c
眠気、ふらつき、一過性の記憶障害、身体的および精神的依存性などが副作用である。
9)セリエの汎適応症候群(general adaptation syndrome)で見られる状態の順序で正しいのはどれか。 a抵抗期–ショック相–反ショック相–疲はい期 bショック相–反ショック相–抵抗期–疲はい期 c抵抗期–反ショック相–ショック相–疲はい期 dショック相–反ショック相–疲はい期–抵抗期 |
<解答>b 2002卒試の1.を参照。
「警告反応期」この時期は外的刺激に曝されて生体ショックを受けるショック相と、それに対して生体が防御機構を働かせ始める反ショック相に分けられる。 「抵抗期」引き続き同じストレッサーに曝され続けると、そのストレッサーに対する抵抗力も増大し適応状態に入る。 「疲はい期」さらにストレッサーが持続すると抵抗力にも限界があるために生体は疲はいしていく。最後には生物の死をもたらす。
10)精神的緊張によって最も起こりやすい症状を一つ選べ。 a 多尿 b 頻尿 c 尿閉 d 無尿 |
<解答>b 2002卒試の2.を参照。
ストレスにより、視床下部からADH分泌が亢進され無尿になることが、最も多いとされる。
2.循環器
1)タイプA行動について適切な文章はどれか。 1心筋梗塞や心筋症の危険因子である。 2遺伝や素因に基づくため修正不能である。 3交感神経機能が亢進した状態になりやすい。 4精力的、競争的、野心的である。 a 12 b 23 c 34 d 14 |
<解答>c
1× 心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクファクターと言われてきたが、心筋症との関連は見られていない。
2)本態性高血圧について適切な文章はどれか。 1遺伝因子と環境因子が主要因である。 2神経質で内向的な人によく見られる。 3不安やうつ状態は高血圧の発症や経過に関与しない。 4高血圧領域と診断されながら、家庭で測った血圧は正常な人も多い。 a 12 b 23 c 34 d 14 |
<解答>d
2×? 抑圧された攻撃心(慢性の怒り)、依頼心の強い性格とそれに相反する攻撃性との間の葛藤、などが性格として指摘されている。 4○ 高血圧と診断する際には、白衣高血圧にも注意する必要がある。
3)心臓神経症の治療について適切なものはどれか。 1抗不安薬 2抗うつ薬 3抗コリン薬 4強心薬 a 12 b 23 c 34 d 14 |
<解答>a
BZD系抗不安薬、三環系抗うつ薬、SSRI、系統的脱感作療法などが心臓神経症の治療である。
4)自律神経機能検査について適切な文章はどれか。 1CVR-R(心拍変動係数)は、糖尿病性神経障害をもつ患者では上昇してくる。 2リラックスすると指先温度は上昇してくる。 3心拍数は吸気時上昇してくる。 4心拍変動スペクトル解析法においては、HF(高周波数)成分が交感神経機能を示す。 a 12 b 23 c 34 d 14 |
<解答>b
1× 糖尿病患者では、安静時でも迷走神経遮断(=交感神経優位)の状態になっており、心電図R-R間隔のばらつきは著明に小さい。そのため、心拍変動係数は健常者に比べて小さくなる。
2○ 3○? 4?
5)パニック(恐慌性)障害について正しいのはどれか。 1空間恐怖のため外出が困難になることがある。 2薬物治療では抗うつ薬が効果的なことがある。 3特発性心筋症との合併が少なくない。 4恐怖発作時のことは覚えていないことが多い。 a 12 b 14 c 23 d 34 |
<解答>a
1○ 2○ 抗うつ薬、抗不安薬が用いられる。また、動悸・頻脈に対してはβ遮断薬が有効。
3.呼吸器系心身症
1)気管支喘息の治療のなかで誤っているものはどれか。一つ選べ。 a 最近の気道炎症論に基づき、β2刺激剤の使用が多くなった。 b 吸入ステロイド剤は副作用が多く長期には使用しないほうがよい。 c 薬物は喘息の重傷度によらず、ほぼ一定量の薬物を使用する。 d ピークフローメーターでの測定は喘息状態の良い指標となるが、測定方法が複雑なので一年に数回すればよい。 1(a,b,c) 2(b,c,d) 3(a,c,d) 4(a,b,d) 5(全て) |
<解答>5
a β2刺激剤→吸入ステロイド剤 b 長期管理においても吸入ステロイド剤を用いる。
c 重傷度に合わせて薬物の量を変える。 d ピークフローメーターは客観的な肺機能の指標となり、しかも測定が簡単なので、毎日数回測って自己管理の指標とする。
2)アレルギー疾患の心身医学的観点について正しいものを選べ。 a 思春期喘息患者の治療に関しては、親子関係に配慮することが大切である。 b 心身医学的治療には、薬物療法などの身体面からアプローチは含まない。 c 気管支喘息があることによって、二次的に起こる障害も心身医学的治療の対象である。 d アトピー性皮膚炎の状態にストレスが関与することがある。 1(a,b,c) 2(b,c,d) 3(a,c,d) 4(a,b,d) |
<解答>3
3)気管支喘息を診断する上で重要な項目はどれか。 a 胸部レントゲン撮影 b 動脈血ガスの分析 c 発作性の呼吸困難、喘鳴、咳 d 気道過敏性の存在 e 気道炎症の存在 1(a,b,c) 2(b,c,e) 3(c,d,e) 4(a,c,e) 5(a,d,e) |
<解答>3
気管支喘息の診断には、1発作性の呼吸困難、咳、喘鳴(夜間、早朝に出現しやすい)の反復 2可逆性の気道収縮 3気道過敏性(気道反応性の亢進) 4アトピー素因の存在 5喘息様症状が実質的心肺疾患によらないこと 6気道炎症の存在 などが重要である。
4)気管支喘息について正しいのはどれか。一つ選べ。 a 成人気管支喘息の罹患率はわが国では低下傾向にある。 b 最近の喘息患者の喘息死は年間約3万人である。 c 喘息治療薬は大きく分けて、コントローラーとレリーバーに分かれる。 d 喘息治療の目的には「正常に近い肺機能を維持できること」は入らない。 e 小児喘息患者の寛解率はほぼ100%に近い。 |
<解答>c
a × 増加傾向。現在の成人有症率は3-4%。ライフスタイルや生活環境の変化と無関係ではない。 b × 喘息氏は年間約5000人。 c ○ コントローラー=長期管理薬、レリーバー=発作治療薬
d × 健常人と変わらない生活ができる、正常に近い肺機能を維持できる、などが含まれる。
e × 3歳までに約2/3が発症し、その約半数が思春期までに寛解する(らしい)。
以下の症例に対して次の問いに答えなさい。 症例:46歳男性、会社員 主訴:咳嗽 現病歴:約4ヶ月前に感冒罹患し、発熱、鼻汁などの症状は消失したが、乾性咳嗽のみが症状として残った。以後、近医で鎮咳薬を処方され内服したが改善しないため、約2ヶ月前に当院に来院した。この時に気管支拡張剤を処方され服用したところ症状は改善し、一時内服を中止していた。しかし、約1ヶ月前から再び同様の咳嗽が出現したため来院した。この間に喘鳴は認めず、咳嗽は冷気吸入や運動で誘発される。喫煙なし。 既往歴:気管支喘息やアトピー性疾患の既往なし。 家族歴:弟がアレルギー性鼻炎 現症:胸部の打聴診で異常所見なし。腹部に異常所見なし。神経学的に異常を認めない。血圧135/86mmHg。脈拍数84/分、整。呼吸数18/分。体温36.4℃。 検査所見:白血球6700/μl(好中球56%、リンパ球31%、好酸球8%)、CRP(-)、IgE 480U/ml(<240)、RAST
ヤケヒョウダニ(2+) 呼吸機能検査:%FVC 93%、FEV1.0% 85% 動脈血ガス分析:pH 7.43、PaO2 95.0Torr、PaCO2
37.6Torr メサコリン吸入試験で気道過敏性あり。 胸部レントゲン写真は異常なし。 5)今後どのようなことをしなければいけないか。 a 耳鼻科に受診させ、後鼻漏の鑑別を行う。 b 高血圧の薬を服用していないか確かめる。 c 心理社会的背景について聴取する。 d 逆流性食道炎がないかどうか確認する。 1(a,b,c) 2(b,c,d) 3(a,b,d) 4(全て) 6)最も考えられる疾患はどれか、次の中から一つ選べ。 (a)気管支喘息 (b)気管支拡張症 (c)cough variant asthma (d)Churg-Strauss症候群 (e)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 |
5) <解答>4
慢性乾性咳嗽の鑑別診断には、胃-食道逆流現象によるもの、ACE阻害薬の副作用、cough variant athma、後鼻漏によるもの、などがある。
6) <解答>c
CVAの診断基準として、18週間以上持続する乾性咳嗽、喘鳴を伴わない 2原則として聴診上ラ音は認めない 3気道過敏性の亢進 4肺機能検査は一般に正常 5気管支拡張剤やステロイド剤が有効 などがあり、参考項目としては、1咳嗽は夜間に多く冷気吸入や運動で誘発される 2アレルギー疾患の既往歴や家族歴を認めることが多い 3末梢血好酸球の増加やIgE高値を認めることが多い 4一般の鎮咳薬は麻薬性・非麻薬性ともに無効なことが多い 5発症前にストレスフルな心理社会的背景を持つことがある などが挙げられる。
7)アスピリン喘息について正しいものを選べ。 a アスピリン喘息は喘息患者全体のおよそ8割を占める。 b アスピリン喘息患者は軽症例が多い。 c アスピリン喘息患者はごく少数の非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)にのみ反応し、大部分のNSAIDsは安全である。 d アスピリン喘息患者ではステロイド剤による発作誘発もある。 |
<解答>d
a × 成人喘息の約10%程度。 b × 薬剤使用後、数分~数時間で発作を起こし、しばしば重症となる。死亡することもある。 c × 酸性非ステロイド性抗炎症剤ならどれでも起こりうる。(塩基性では起こらない。) d ○ 治療のためにステロイドを投与すると悪化することもあるので注意が必要である。
8)気管支喘息の大発作で来院した患者の治療として適切でないものはどれか。 a 輸液 b
アミノフィリン点滴 c β遮断剤吸入 d 抗ヒスタミン薬皮下注射 e 副腎皮質ホルモン剤点滴 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,e) 5(a,e) |
<解答>3
a ○ ルート確保。 b ○
c × β遮断剤→β刺激剤
d ×? ふつうしないようだ。(→啖が粘稠化して呼吸不全に。禁忌) e
○
9)過換気症候群について誤っているものを選べ。 a 発作時には空気飢餓感が認められる。 b 発作時は動脈血では呼吸性アシドーシスが見られる。 c 治療としてpaper bag rebreathingが最近では用いられない。 d 発作時動脈血ではCO2分画が下がる。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) |
<解答>4
a ○ b × CO2が過剰に排出されるため、呼吸性アルカローシスとなる。
c × 安心感を与える、paper bag rebreathing、ジアゼパム静注or筋注、などが発作時の治療。 d ○
10)過換気症候群について正しいものを選べ。 a 発作がひどくなると全身の痙攣、後弓反張が認められることがある。 b 診断には過呼吸テストが用いられる。 c 鑑別診断には、褐色細胞腫や甲状腺機能亢進症などが含まれる。 d 病態としては、発作時の脳血管の攣縮も関係してくる。 1(a,b,c) 2(b,c,d) 3(a,b,d) 4(全て) |
<解答>4
a ○ しびれ感、四肢の硬直などを呈し、さらには全身の痙攣、後弓反張にいたることもある。
b ○? 意識的に過呼吸させることによっても同様の症状が出現する。
c ○ 他に、ポルフィリア、脳腫瘍、てんかん、低血糖、狭心症、副甲状腺機能亢進症なども鑑別診断。
4.摂食障害
次の症例を読み、1~5の問いにふさわしい答えをa)~e)から選び、その記号を解答欄に記入しなさい。 39歳女性。高校生のとき、体重50kg(150cm)でダイエットを開始し、過食嘔吐も始まった。その後は38-9kgで推移していたが、34歳以降は33-4kg。36歳時28kgになり、総合病院内科に入院。摂食障害および偽バーター症候群の診断にて、当科を紹介された。当科受診時、体重25.0kg、血清カリウム2.2mEq/Lのため、緊急入院となった。 |
1)低カリウム血症の原因として正しいものを選びなさい。 (1) 最も考えられるのは、自己誘発性嘔吐である。 (2) 最も考えられるのは、下剤の嘔吐である。 (3) 最も考えられるのは、利尿剤の使用である。 (4) 自己誘発性嘔吐、下剤の乱用、利尿剤の使用のいずれも考えられる。 (5) 自己誘発性嘔吐、利尿剤の乱用は考えられるが、下剤の乱用は考えにくい。 a) (1) b)(2) c)(3) d)(4) e)(5) |
<解答>d
低カリウム血症の原因としては、嘔吐、下剤の乱用、時には利尿剤の乱用も考えられる。
2)DSM-IVによる診断について正しいものを選びなさい。 (1) Anorexia nervosa restricting type (2) Anorexia nervosa vomiting type (3) Anorexia nervosa binge eating/purging type (4) Eating disorder not otherwise specified (5) Eating disorder laxative abuse type a) (1) b)(2) c)(3) d)(4) e)(5) |
<解答>c
摂食障害Eating Disordersは、神経性無食欲症Anorexia nervosaと神経性大食症BulimiaNervosaおよび特定不能の摂食障害Eating Disorder Not Otherwise Specifiedに分けられる。また、Anorexia nervosaは、制限型restricting typeと、むちゃ食い/排出型binge eating/purging typeに分類し、むちゃ食いまたは排出行動(自己誘発性嘔吐、または下剤、利尿剤または浣腸の誤った使用)を行ったことがあるのは後者にあてはまる。
3)摂食障害に合併する偽バーター症候群について正しい組み合わせを選びなさい。 (1) 尿中クロールは低値であることが多い。 (2) 血中レニン、アルドステロン値がバーター症候群との鑑別に役立つ。 (3) 直ちにカリウム製剤を補給すべきである。 (4) 低マグネシウム血症を合併していることが多い。 (5) 腎機能が低下する例もある。 a) (1)(2) b)(2)(3) c)(3)(4) d)(4)(5) e)(1)(5) |
<解答>e 2002年卒試の13.を参照。
(1)○嘔吐を伴うと尿中クロールが著明に減少する。 (4)×合併は40%程度。Gitelmannは100%低マグネシウム。 (5)○低カリウムのために濃縮力が低下する。
4)一般に摂食障害が遷延する理由として考えられる組み合わせを選びなさい。 (1) 肥満恐怖が強い。 (2) 親子関係に問題がある。 (3) 社会適応が悪い。 (4) 気分障害の合併がある。 (5) 人格障害の合併がある。 a) (1)(2)(3) b)(2)(3)(4) c)(1)(4)(5) d)(2)(3)(5) e)すべて |
<解答>a
(1)○ 肥満恐怖が強いというのは診断基準にも含まれている。 (2)○ 家族関係や親子関係に問題があるという説は、病因より持続・強化因子として考えられてきている。 (3)○ 対人関係では過剰適応型が多いといわれている。 (4)×? 家族歴に感情障害がある場合は多い(らしい)。
(5)×?
2002卒試の14.も参照。
5)入院後血清カリウム値の改善が見られたので、患者と改めて摂食障害の入院治療について契約した。治療について正しい組み合わせを選びなさい。 (1) 目標体重は設定する必要はない。 (2) 行動制限は必要ではない。 (3) 摂食カロリーは全量摂取できるカロリーから始めるのがよい。 (4) 摂取量が少ない場合は、経鼻経管栄養を併用したほうがよい。 (5) 全量摂取できない場合は、経口摂取カロリーをさげたほうがよい。 a) (1)(2)(3) b)(2)(3)(4) c)(3)(4)(5) d)(1)(4)(5) e)(1)(3)(4) |
<解答>c
(1)× (2)× 原則として入院治療とし、行動制限を行う。
(3)○
(4)○ 全量摂取できるカロリーがあまりにも少ないと、現状の体重の維持すら困難である。(5)○
5.代謝系の心身症
1) a. 若い1型糖尿病患者の場合、血糖コントロールを大切と思っているので、過食をする人は普通人に比べて少ない。 b. 1型糖尿病の若い女性患者において、血糖コントロール不良の最も大きな要因の一つは摂食障害の合併である。 c. 糖尿病患者に対する、就職や結婚の差別はない。 d. 糖尿病の治療経過に、個々の患者の性格が強く影響する。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>6 a × 特に女性では摂食障害の合併が多い。
b ○
c × 社会的な無知、偏見、差別が依然として存在する。
d ○
2) a. 1型糖尿病の場合、インスリン注射をする以外に、食事療法や運動療法も2型糖尿病以上にしっかりやらなければならない。 b. 糖尿病患者は、人生の他の仕事よりも、常に糖尿病治療を優先するべきである。
c. 2型糖尿病の罹患率は、第2次世界大戦時に比べ、大幅に上昇している。
d. 糖尿病治療において、家族、友人、医療スタッフは重要な支援者である。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>3 a ? b ×? c ○ この数十年で30倍以上に増えている。 d
○
3) a. 糖尿病は生活習慣病であり、糖尿病患者は他の人たちよりも悪い生活習慣を持っていたから発症したといえる。 b. 患者と治療者の間で、同意できる治療目標を確立することが、糖尿病治療において重要である。 c.
家族内の葛藤は、患者が糖尿病の治療指針を守れなくなる一つの原因である。 d.
糖尿病教育は、発症時にしっかり行っておけば、その後は必要のないものである。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>2
a × 発症には遺伝的要因・生活習慣・外部環境要因(ストレスなど)などが関与しているといわれている。 b
○ c ○ d ×
4) a. 糖尿病の食事療法がうまくいくためには、発症後間もない時期に徹底した食事制限をして、少ないカロリーに慣れてもらうことが重要である。 b. 糖尿病のコントロールの善し悪しと、患者の心理面とは関係はない。 c.
1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の破壊により生じる。 d.
食事制限は、糖尿病患者が感じるストレスの最も大きいものの一つである。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>3
a ×? b × c ○ 多くは自己免疫機序による。 d
○?
5) a. 糖尿病であることで、患者はしばしば大きな引け目を感じるものである。 b. 糖尿病合併症が出現した場合の患者の反応には、いろいろな種類がある。 c. 2型糖尿病では、インスリン注射の使用は避けるようにするべきである。 d. 1型糖尿病も2型糖尿病も、食べ過ぎや運動不足が発症の主な原因である。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>1
a○ b○ 治療に対し無気力になったり、逆に意欲的になったり、死を恐れて脅迫的になったりする c
×? 早めにインスリンを導入したほうがβ細胞のインスリン分泌能が温存される? d
×?
6) a. 合併症を発症すると、血糖コントロールは無意味であると考えて、自己管理がいい加減になってしまう患者がいる。 b. 糖尿病患者はやせていなければならない。 c. 糖尿病であることで、患者はしばしば大きな引け目を感じるものである。 d.
2型糖尿病は成人病であり、小児の2型糖尿病は1型糖尿病に比べて少ない。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>5? a ○ 5)bを参照。 b × c ○ d ? 2002卒試の16.も参照。
7) a. 糖尿病患者の中には、糖尿病のことで悩んでいる人が少なくない。 b.
1型糖尿病は若年者にのみ生じ、中高年では発症しない。 c. 子供が糖尿病になった場合、親によっては、過保護、甘やかし、または拒否といった行動に出てしまうことがある。 d.
糖尿病になったら、甘い食べ物は食べてはいけない。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>5
a ○ b × 発症が緩徐な場合もあり、中高年での発症もありうる。
c ○ 両親が子供に対して情緒的にうまく対応できない結果、このような行動に出てしまうことがしばしばある。 d
×
8) a. 1型糖尿病への摂食障害の合併は、男女でほぼ同率である。 b.
糖尿病患者におけるうつ病の合併率は高い。 c.
医師や栄養士のいうことを忠実に守る患者が、いい糖尿病患者である。 d. 糖尿病についての悩みは糖尿病患者にしか理解できないと思っている糖尿病患者は少なくない。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>6
a × 女性で多い。 b
○ 特に2型DMにおいては男女とも高い。 c
×? d ○?
9) a. 糖尿病患者に合併する摂食障害は、拒食症よりも過食症のほうが多い。 b.
個々の患者の違いを理解することによって、初めて思慮深い治療計画が立てられる。 c. 患者が糖尿病を受け入れ良好なセルフケアをしていくためには、発症時において、糖尿病の恐ろしさにできるだけ直面させる必要がある。 d. 糖尿病患者が自己管理がうまくいかない最大の理由は、糖尿病についての知識の不足である。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>1
a ○ b ○ c ×? 糖尿病への適応を悪化させそうなことは避けるべきなのでは? d
×?
10) a. 摂食障害を合併した患者は、大変困って、治療者にすすんで相談するものである。 b. 合併症発症により、急に糖尿病の自己管理に張り切りだすタイプの患者がいる。 c. 1型糖尿病の若い女性の中には、インスリン注射は太ると思って、勝手に注射をさぼったり減量したりする者がいる。 d. 2型糖尿病の最も大きな病因は、健常人と比べて内因性インスリンの分泌量が減少していることである。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d) |
<解答>2
a×? b○ 5)bを参照。 c○ d×? より本質的な病因はインスリン抵抗性の増大と思われる。
6.消化器心身症
1)次の各々の記述のうち正しい組み合わせ1つを選べ。 a. 患者中心の医療という考えから、ナラティブ ベイスド メディスン(NBM)という医療が生まれた。 b. 医療経済的な面からも、エビデンス ベイスド メディスン(EBM)という医療が注目されている。 c. ナラティブ ベイスド メディスン(NBM)はエビデンス ベイスド メディスン(EBM)と相反する医療であり、両立することはありえない。 d. EBM、NBMを相補的に全人的医療の中で活用していくのが望ましい。 1a,b,c 2b,c 3a,b,d |
<解答>?
2)次の各々の質問を読み、以下の項目のうち正しいもの1つを選べ。 a. 消化器心身症は消化管機能異常をともなうことが少ない。 b. 消化器心身症の治療の目標は、症状の消失より、症状のコントロールが主である。 c. 炎症性腸疾患には心身症的治療は必要ない。 d. 消化器心身症の多くにヘリコバクターピロリが関与している。 1 a 2 b 3 c 4 d |
<解答>2
a × b
○ c
×
d ×? ピロリ菌感染はFDに関連する因子の一つであるとは考えられているが、「多く」に関与しているかどうかは・・・?
3)次の各々の質問を読み、正しい組み合わせを1つ選べ。 a. 消化器心身症とは腹部不定愁訴と同義である。 b. 消化器内科を受診する患者の中でfunctional dyspepsia患者が胃十二指腸患者よりかなり多い。 c. 高齢者のdyspepsia症状は器質的疾患を疑うべきである。 d. 非心臓性胸痛は食道由来のものは少ない。 1a,b 2b,c 3c,d 4a,d |
<解答>2
a ×? 確かにFDはかつて上腹部不定愁訴、胃神経症などとよばれていたが、消化器心身症と腹部不定愁訴は同義とはいえないのでは?
b ○? c ○? d × 逆流性食道炎、食道機能異常などが胸痛の原因になりうる。
4)functional
dyspepsiaのRome II診断基準の症状の記述のうち正しいもの1つを選べ。 a. 過去12ヶ月に連続する12週以上、上腹部中央に腹痛または腹部不快感が持続的または間歇的にみられる。 b. 過去12ヶ月に必ずしも連続しない12週以上、上腹部中央に腹痛または腹部不快感が持続的または間歇的にみられる。 c. 過去12ヶ月に連続する12週以上、上腹部中央に腹痛かつ腹部不快感が持続的または間歇的にみられる。 d. 過去12ヶ月に必ずしも連続しない12週以上、上腹部中央に腹痛かつ腹部不快感が持続的または間歇的にみられる。 1 a 2 b 3 c 4 d |
<解答>4
ROME IIによるFDの診断基準とは、「先行する12ヶ月のうち、少なくも12週以上(連続している必要はない)、1持続あるいは再発するdyspepsia症状(上腹部を中心とした腹痛と不快感)が存在し、2その症状を説明し得る器質的疾患を認めず、3排便によって症状が著明に改善したり、便の性情や頻度の変化と関連していないこと」である。
5) functional
dyspepsiaについて正しい組み合わせを1つ選べ。 a. functional dyspepsiaは胃十二指腸潰瘍を含む。 b. functional dyspepsiaは逆流性食道炎を含む。 c. functional dyspepsiaは排便によって腹痛が軽快することが多い。 d. functional dyspepsiaの診断には上部消化管の内視鏡検査は重要である。 e functional dyspepsiaのRome
II診断基準の分類では、胃・食道逆流型はない。 1a,b 2b,c 3c,d 4d,e 5a,e |
<解答>?
a × 器質的疾患は含まれない。 b
○ c × 排便との関連が認められないことが条件。4)を参照。
d ○? 器質的疾患の除外という点では重要だと思われる。
e ×?
6)過敏性腸症候群について正しい組み合わせを選べ。 a. 一般人口の20%程度で女性に多い。 b. 過敏性腸症候群では、血便が見られることが多い。 c. 過敏性腸症候群様症状は炎症性腸疾患ではみられない。 d. 過敏性腸症候群では、便秘と下痢が繰り返されることはない。 e. 過敏性腸症候群は小腸の機能異常も含める。 1a,b 2b,c 3c,d 4d,e 5a,e |
<解答>5
a ○? 人口の20%程度、というのは正しい。女性に多いかどうかは・・・?
b × c × 便回数の増加、軟便化などは炎症性腸疾患にも見られる。
d × 繰り返されることもある。
e ○ 腸管のみならず全身の平滑筋の機能異常として捉えると、病態が理解しやすい。
7) 過敏性腸症候群の病態整理について正しい組み合わせを選べ。 a. 過敏性腸症候群の機能異常は運動異常と知覚異常が関与しており、脳との関連性も大きい。 b. 過敏性腸症候群患者は下部消化管の知覚(痛覚)閾値が低いことが多い。 c. 過敏性腸症候群の消化器症状は不安・緊張やうつ症状と相関することも多い。 d. 過敏性腸症候群の治療では、生活指導・食事療法など規則正しい生活習慣をつけさせることも重要である。 1 a 2b,c 3a,c,d 4すべて |
<解答>4
a ○ b ○ 食道・胃・小腸・胆嚢など大腸以外の平滑筋においても過敏性を示す。 cd ○
8)胆道機能異常(胆道ジスキネジー)について正しい組み合わせを選べ。 a. 胆道機能異常は症状が持続し、慢性疾患になることはない。 b. 胆道機能異常は胆嚢摘出後は見られない。 c. 胆道機能異常は胆嚢またはOddi括約筋の機能異常から生じ、胆石様の症状を示す。 d. 胆道機能異常と胃・十二指腸の機能異常が合併することも少なくない。 1a,b 2b,c 3c,d 4a,d |
<解答>3 a
× 半年以上の症状の持続が条件である。 b ×? c ○ d ○
9) 胆道機能異常(胆道ジスキネジー)の初期診断と治療について正しい組み合わせを選べ。 a. 肝機能検査、膵酵素の血液検査は必須である。 b. 上部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査は必須である。 c. MRCPで胆道に器質的異常がないことが確認されても、ERCPは必須である。 d. 抗コリン薬や消化管運動調節薬による対症療法が中心である。 e 抗うつ薬、抗不安薬や心理療法が有効な場合は少ない。 1a,b 2b,c 3c,d 4d,e |
<解答>?
a ×? 必須なのかどうかは・・?
b ○ 胆石や十二指腸乳頭炎などの除外などのためには必要と思われるが・・?
c ×? d ○ e × 抗うつ薬の有効なことが多い。
10)次の質問から正しい組み合わせを選べ。 a. 機能性消化管障害の診断および治療において、消化管運動異常、知覚異常、心理社会的因子の3つの相互の関連性を考える必要がある。 b. 慢性膵炎の治療に心身医学的治療は有効でない。 c. 糖尿病患者において胃の運動機能異常がみられることも少なくない。 d. アルコール性肝障害の治療において、アルコール依存症との鑑別は重要であり精神科の専門医での治療の必要性も考慮しなければならない。 1 a 2b,c 3a,c,d 4すべて |
<解答>3 a ○
c ○ d ○
b × 慢性疼痛に対する抗不安薬・抗うつ薬・バイオフィードバック療法・心理療法などが有効。
7.慢性疼痛
1)痛みの定義について正しいものをすべてあげよ。 (a)痛みは主観的な体験だから、患者が「痛い」と言えば痛みが存在すると考える。 (b)痛みには不快な感覚・情動が伴う。 (c)痛みとは実質的な組織損傷と結びつくものだけをいう。 (d)侵害刺激が存在しなければ痛みは存在しない。 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>1
a ○ 不快な情動体験や、侵害刺激の存在しない身体感覚でも、患者が痛みと知覚し「痛い」と表現すればそれは痛みである。
b ○ c ×
d × 自律神経系の機能異常による末梢血管や消化管、胆道系の不安定な収縮や拡張、骨格筋の緊張によっても末梢性の疼痛が生じる。
2)痛みのゲートコントロール理論に関して正しいものをすべてあげよ。 (a)痛みを感じる以前に、入力を修飾できる機構が存在する。 (b)ゲートの開閉は中枢の管理下にある。 (c)ゲートを通過する痛み刺激は、情緒、認知などには関与しない。 (d)知覚される痛みは刺激の量に比例する。 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>1
a ○ b ○ c × 間接的に情緒、動機付け、思考(認知)、状況判断などによって左右される。
d × これは痛みの特異性理論の考え方
3)痛みのゲートコントロール理論に関して正しいものをすべてあげよ。 (a)オハンロンにより提唱された痛みに関する理論である。 (b)過去の経験や情動はゲートに影響を与えない。 (c)感覚入力はすべて正確に脳に伝達される。 (d)慢性疼痛患者では、ゲートが開いていると考える。 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>4 a
× Melzack&Wallにより提唱された。 b
× c × d ○?
4)次の中から痛みの特異性理論では説明できない現象をすべてあげよ。 (a)前頭葉ロボトミー (b)パブロフの犬の実験 (c)幻肢痛 (d)側索切開術 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>3
a ○ 「痛みを感じても気にならない」と言う。認知や情動の痛みへの影響には解剖学的裏づけがあることを示している。 b ○ 痛み刺激が餌の合図と思うようになり、痛そうな素振りをしなくなった。「脳に達した刺激=痛み」ではないことを示している。 c ○
d ○ 脊髄の前外側部分(外側脊髄視床路)を切除し、切断部以下の鎮痛を行おうとすると、鎮痛効果がはっきりせず、再発も多かった。これは痛みの特異性理論では説明できない。
5)c次の中から正しい組み合わせを全てあげよ。 (a)側索切開術 特異性理論の反証 (b)教会の鐘理論 痛みの特異性理論 (c)パブロフの犬の実験 認知や情動が痛みに影響する解剖学的裏づけ (d)前頭葉ロボトミー 学習理論 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>1 パブロフの犬の実験→学習理論、前頭葉ロボトミー→認知や情動が痛みに影響する解剖学的裏づけ。
6)疼痛性障害の説明に関して正しいものをすべてあげよ。 (a)疼痛は気分障害や不安障害でうまく説明される場合がある。 (b)ほぼ全例で、痛みの器質的原因を特定し除去することが可能である。 (c)抗うつ薬は無効で、抗不安薬が著効する。 (d)DSM-IVでは虚偽性障害は疼痛性障害に含まれない。 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>4
a × DSM-IVにおける診断基準では、「疼痛は気分障害、不安障害、精神病性障害ではうまく説明されないし、 性交疼痛症の基準を満たさない」となっている。 b ×
c × 神経因性疼痛では抗うつ薬が著効する。 d ○ DSM-IVにおける診断基準では、「虚偽性障害や詐病のように意図的に作り出されたり捏造されたりしたものではない」となっている。
7)次の中から正しい組み合わせをすべてあげよ。 (a)精神生理学的疼痛 ストレスによる骨格筋の攣縮や局所の血管収縮が関与 (b)うつ病型疼痛 抗うつ薬を用いて治療 (c)回避学習型疼痛 痛みを伴うと予想される行動を回避 (d)思考障害型疼痛 精神分析の適応 (1)a,b (2)a,b,c (3)すべて (4) d |
<解答>2 or 4
a ○ b
○ c ○痛みを伴うと予想される行動を回避するが、それによって患者の予期不安はさらに強固となり、回避行動が持続する。やがて、筋萎縮・間接拘縮・筋緊張の亢進などをきたし、二次的な痛みの原因となる。Fordyceは、このようなパターンを回避学習による疼痛行動と称した。 d ?
8)現代の痛み理論の三本の柱とは次のうちどれか。 (a)中枢性パターン生成理論 (b)呼び出しベル理論 (c)エンドルフィンの発見 (d)DSM-IVによる多軸判断
(e)学習理論の臨床応用 (1)a,b,c (2)b,c,d (3)c,d,e (4)a,c,e (5)b,c,e |
<解答>4 a ○ ゲートコントロール理論のこと。 b
× 特異性理論のこと。 c
○ d × e ○
9)疼痛性障害の定義で、DSM-IVの中で述べられているものを全て選べ。 (a)少なくても6ヶ月の疼痛へのとらわれ。 (b)疼痛が臨床像の中心を占めている。 (c)心理的要因が、疼痛の発症、重傷度、悪化、持続に重要な役割を果たしている。 (d)社会的、職業的機能の障害を引き起こしている。 (e)疼痛により患者が自分にとって有害な活動を避けることができる。 (1)a,b (2)b,c,d (3)c,d,e (4)dのみ (5)b,d |
<解答>2
a × 持続期間については言及されていない。 b
○ c ○ d ○ e ×
10)急性痛と慢性痛の説明のうち正しいものを全て選べ。 (a)急性痛には心理社会的因子が関与する。 (b)急性痛は慢性痛に比べて抑うつを伴うことが多い。 (c)慢性痛では、痛みの原因がなくなっても痛みが消失しないことがある。 (d)慢性痛は画像診断で疼痛の原因が明確に説明されることが多い。 (e)慢性痛の患者では、一般に思考や行動が貧しくなる。 (1)a,b,c (2)b,c,d (3)c,d,e (4)a,c,e (5)すべて |
<解答>4
a ○ 時間がたつにつれて心理的因子による比重が増すとはいえ、急性痛でも心理社会的因子が関与しないとはいえないだろう。
b × 急性痛は不安、慢性痛は抑うつを伴うことが多い。 c ○ d × e ○
8.神経系心身症
1)圧受容器反射について正しいものを選べ。 1)圧受容器反射は脳血流を維持するための血液循環反射である。 2)圧受容器反射の遠心路は心臓交感神経と末梢への副交感神経である。 3)薬物によってこの反射の異常が生じることはない。 4)起立試験はこの反射の機能を調べるものである。 5)「立ちくらみ」は、圧受容器反射の異常で起こる場合が多い。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>2
1)○ 2)× 遠心路になっているのは、心臓交感神経・心臓迷走神経・末梢血管への交感神経
3)× 4)○ 5)○ 起立すると、下肢に血液が集中し、静脈還流が減って心拍数および血圧が低下する。普通、ここで圧受容器反射が起こって血圧が上がるが、圧受容器反射に異常があると血圧が上昇せず、起立性低血圧となる。
2)呼吸性洞性不整脈(RSA)について正しいものを選べ。 1)加齢によって変動は小さくなる。 2)アトロピンによって遮断されない。 3)交感神経機能を反映している。
4)糖尿病性神経障害の場合には変動は小さくなる。 5)治療への応用が知られている。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>2
1)○ 2)× 3)× 迷走神経機能を反映している。 4)○
5)○ 喘息のトレーニングに使えるのではないかと言われている(らしい)。
3)片頭痛について正しいものを選べ。 1)混合型頭痛は片頭痛の初期に見られることが多い。 2)チョコレートやチーズ、赤ワインなどで誘発されることがある。 3)片頭痛の急性期の治療は、疼痛が起こったら早い時期に行う。 4)片頭痛患者の性格として、怒りを抑圧しているとする報告が多い。 5)女性と比較すると片頭痛は男性に頻度が高い。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>3
1)×? 2)○ 他に、ストレス、疲労、感情の変化、喫煙、生理周期の関連などもいわれている。
3)○ 発作の初期に血管収縮薬を投与すると悪化を防止できる。
4)○ 易怒的だが感情を抑圧する、自尊心が強い、などが性格として指摘されている。
5)× 女性に多く、男性の2-3倍と言われている。
4)頭痛について正しいものを選べ。 1)機能性頭痛の中で頻度の高いものは緊張型頭痛と片頭痛である。 2)緊張型頭痛に伴う肩凝りは、僧帽筋や頭板状筋の緊張による。 3)片頭痛発作は休日のリラックスしているときには起こりにくい。 4)片頭痛の前兆において頭部の血管は拡張している。 5)片頭痛の持続時間は4~72時間程度である。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>4 (or 1)
1)○ 2)○ 3)×? 4)× 前兆のときは血管は収縮している。
5)○? 一般に発作の持続時間は数時間といわれるが、片頭痛の中で最も多い普通型片頭痛(前駆症状をもたない)では、頭痛発作は4-72時間と書かれている。
5)めまいについて正しいものを選べ。 1)椎骨脳底動脈循環不全によってめまいが生じる。 2)起立性低血圧においては前頭葉の循環不全とは関係ない。 3)前庭神経炎によってめまいを生じることはない。 4)圧受容器反射の障害による場合と前庭神経の障害による場合で症状が異なる。 5)不安によってめまいが生じることがある。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>2
1)○? 2)× 3)× 前庭神経炎では、急激発症の回転性めまいを主訴として、悪心・嘔吐を合併する。蝸牛症状のないのが特徴で、普通は先行する上気道感染が見られることが多い。 4)○? 5)○
6)難聴、耳鳴りについて 1)ストレスやうつ病によって低音障害性の感音難聴が生じやすい。 2)ストレスによる難聴でもWeberテストやRinneテストでは異常を認める。 3)メニエール病には、難聴を伴わない。 4)メニエール病の発作は通常1,2分で治まる。 5)耳鳴り患者にはうつ病や不安障害の合併率が高い。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 注:問題文が途切れてますが、「正しいものを選べ」だと判断して解答を書きます。 |
<解答>4
1)○? 2)○? 3)× メニエール病では回転性のめまい発作に難聴・耳鳴りを伴う。
4)× 発作の持続は数時間以内といわれている。 5)○?
7)四肢のしびれについて正しいものを選べ。 1)しびれに有効な治療薬は無いので、必ず心理療法を行う。 2)ビタミンB12の不足でしびれが生じることがある。 3)過換気によってしびれが生じる。 4)糖尿病による末梢神経障害でしびれが生じる。 5)入浴によってしびれが改善することはない。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>3
1)×? 2)○ 3)○ 3.の10)を参照。 4)○ 5)×
8)痙性斜頚について正しいものを選べ。 1)神経学的にはジストニアに分類される。 2)罹患筋の過剰使用が発症に関与することはない。 3)うつ病の合併は10%未満である。 4)うつ病を合併している場合には、その治療によって改善することがまれならずある。 5)性格傾向としては、弱い強迫性を認めることが多い。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>2
1)○ 2)× 15-20%は、職業上常時とる姿勢と関連がある。 3)? 4)○? 5)○?
9)痙性斜頚について正しいものを選べ。 1)脳皮質や大脳基底核、あるいは副神経における機能異常が推定されている。 2)一般社会における有病率は10万人あたり5~10人程度である。 3)多くは10~20歳代に発症する。 4)ボツリヌス毒素によって完治させることができる。 5)うつ病の合併率はパーキンソン病や多発性硬化症と同程度である。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>4 or 1
1)○ 副神経の血管による圧迫が原因になっていることもある。 2)○ 10万人あたり6-7人といわれている。 3)×? 4)× 毒素の効果が切れる数ヵ月後には症状が再発する。また、眼瞼痙攣などに比べて注射する毒素量が多く、嚥下障害などの副作用が起きやすい。 5)○?
10)バイオフィードバック療法について正しいものを選べ。 1)オペラント条件付けの機序では説明できない。 2)外部装置を用いて生理的な生体情報を測定し、自己調節を訓練するものである。 3)歴史的には自律神経の学習可能性が明らかになったことから始まる。 4)クロードベルナールやキャノンの業績が応用されている。 5)薬物療法の併用は禁忌である。 (1)123 (2)145 (3)234 (4)125 (5)345 |
<解答>3
1)× オペラント条件付けを基に発展してきた。 2)○ 3)○ 4)○?
5)× 従来からの医学的療法と併せて、それぞれの利点を活かしながら適用することが大切。
9.自律訓練法
1)自律訓練法の訓練方法について、正しいものの組み合わせを選べ。 a) 訓練者(患者)が一人で行うのは危険である。 b) 毎日行うのが好ましい。 c) 2~3分の短時間の訓練を繰り返し行うと効果が得られやすい。 d) 1度により長時間訓練するほど、効果が得やすい。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>2 a ×
b ○ 一日数回行う。
c ○ 一度にあまり長い時間行うと受動的態度を保つのがそれだけ難しくなる。 d
×
2)自律訓練法の訓練の進め方について、正しいものの組み合わせを選べ。 a) 背景公式は、気持ちが落ち着くまで繰り返す必要はない。 b) 第1公式(重感練習)が終ったら、必ず消去動作を行う。それから第2公式(温感練習)を始める。 c) 第1・2公式は、腕の練習だけでなく、必ず脚まで訓練してから終了する。 d) 第2公式(温感練習)は、第1公式で重たさが感じられてから開始するのが好ましい。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>3
a ×? b × 消去動作は、公式の合間ではなく、訓練を終了するときに行う。 c
○
d ○? 重感練習中に温感がすでに自覚されることが多い。
長期的な話でいくと、訓練を始めて2-3週間たっても重感がわからない場合には、いたずらに第1公式にとどまらずに第2公式に進むのがよいとされている。
3)自律訓練法の訓練の仕方について、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) しばらくの間は一人での練習はせず、必ず治療者の暗示を受けながら行う。 b) 長い時間訓練を行うと集中力が低下してしまうことがあるので、一定の時間で終了するのがよい。 c) 雑念が心に浮かんできたときには、訓練を中断してもよい。 d) 自律訓練法でリラックスした状態では、身体に力が入りにくいので必ず治療者がいるところで訓練を行う。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>2
a ×? 初心者が指導を受けずに練習していく場合には、第2公式までにとどめておくのがよい。(ので、一人でしてはいけないというわけではないと思う。)
b ○ c ○?
d ×? 一人でしてもよいと思う。練習終了後の活動を行いやすくするためには、終了時にちゃんと消去動作を行う。
4)自律訓練法の効果に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ。 a) 腕や脚が重たい感覚は、筋肉の弛緩反応と関係がある。 b) 腕や脚が温かい感覚は、末梢の皮膚温の上昇として確認できる。 c) リラックスすることを目的とした他者暗示法である。 d) 副交感神経優位な状態から交感神経優位な状態へと自律神経を調整する。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>1 a ○ b ○ c × d × 交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態へ。
5)自律訓練法の医学的効果に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ。 a) 身体的な弛緩反応が中心であり、心理的な効果は小さい。 b) 心身症だけでなく神経症にも効果が認められている。 c) 抑うつ状態の強いときには、訓練の効果が現れにくい。 d) 疲労回復効果があるため、夜間行うと入眠が困難となる。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>2 a
× b ○ 不安神経症なども自律訓練法の適応になる。 c
○? d ×?
6)自律訓練法の禁忌症について、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) 心臓疾患のある患者は、心臓の活動に恐怖感を感じることがあるので心臓調整練習を省略する。 b) 過換気症候群は呼吸器に異常が認められる疾患ではないので、積極的に訓練を行い息苦しくなる心配を取り除くのがよい。 c) 糖尿病の患者が腹部温感練習を行うと、血糖値が上がる傾向にあるのでこの練習は行わないほうがよい。 d) 頭痛やてんかんを症状としてもつ患者は、額部涼感練習を行わない。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>4
a ○ b × 過換気症候群の人は、第4公式(呼吸調整練習)は禁忌なので省略する。
c × 血糖値が下がる傾向にあるが、禁忌というわけではなさそう。(「慎重に指導していく必要がある」)
d ○
7)自律訓練法を開始するときの心構えについて、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) 明るい部屋ではカーテンを閉めるなどして、リラックスしやすい状況を整えてもよい。 b) 気がかりなことがあっても、後回しにして訓練を始める。 c) 街中で練習するくらいの度胸がないと効果は期待できない。 d) 訓練に慣れないうちはリラックスしやすい環境を整えて練習を開始する。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>4
環境を整え、練習の邪魔になる刺激は取り除く。空腹や尿意なども練習前に処理しておく。
8)第3公式(心臓調整練習)について、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) 意識を向けるだけでは鼓動が感じられない場合には、掌を胸に当てて訓練してもよい。 b) 強い鼓動を感じるまで公式を繰り返す。 c) 心臓の活動をより安定化するために、「心臓がもっとゆっくり打つ」と唱えるのが効果的である。 d) 心臓の活動に神経質な人は、この公式を省略する。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>4
a ○? 腹部温感練習では上腹部に手をあてても良いので、心臓調整練習でも良いのでは?
b ×?
c × 「静かに規則正しく(自然に)打っている」と唱える。すでに整っている心臓の動きに気づき、それを確かめる。
d ○
9)第4公式(呼吸調整練習)について、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) 腹式呼吸を心がける必要はない。 b) 息を吸うときの感覚に注意を向ける訓練である。 c) なるべくゆっくりと呼吸する。 d) 過換気症候群の患者は、この訓練を省略する。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>3
a ×? b
× すでに整っている呼吸に気づき、それを確かめる。 c
○? d ○
10)第5公式(腹部温感練習)について、正しい記述の組み合わせを選べ。 a) はじめは上腹部に手を当てて練習してもよい。 b) 胃腸の活動に注意を向けながら公式(お腹が温かい)を繰り返す。 c) 糖尿病の患者は、自宅で訓練せず、医療機関受診時にのみ訓練を行う。 d) 胃や十二指腸潰瘍の患者は、医師の管理下で訓練を開始・継続するのが好ましい。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
<解答>4?
a ○ b ×? 「胃腸の活動に注意を向ける」は違うと思う。 c
×? 6)を参照。
d ○? 胃・十二指腸潰瘍の患者は第5公式を避けたほうが無難なのだが・・?
10.交流分析
1)交流分析について、正しいものを1つ選べ。 a. 交流分析では、自分の性格を知ることは重視されない。 b. 交流分析では、他人との人間関係において、相手を変えることで問題を解決していく。 c. 交流分析とは、互いに反応しあっている人々の間で行われるコミュニケーションを分析することである。 d. 交流分析は、心理療法とはいえない。 |
<解答>c
a × 自分の性格の問題点を自己分析によって気づくことは必要。
b × 相手を変えるのではない。 c
○ d ×
2)構造分析について、正しい組み合わせを1つ選べ。 (1)交流分析では、自我状態を全部で5つに分けてとらえている。 (2)親の自我状態のことをアダルトという。 (3)子どもの自我状態のことをチャイルドという。 (4)自我状態を知ることは、自分のことを知ることにはつながらない。 a.(1,3) b.(1,4) c.(2,3) d.(2,4) |
<解答>a
(1)○ CP(Clinical
Parent:批判的な親)、NP(Nuturing Parent:養育的な親)、A(Adult:大人)、FC(Free Child:自由なこども)、AC(Adapted Child:順応するこども)に分ける。
(2)× 親の自我状態はペアレント。 (3)○ (4)×
3)構造分析について、正しい組み合わせを1つ選べ。 (1)批判的な親とは、受容的で保護的な自我状態のことである。 (2)大人の自我状態とは、感情に溺れて現状がみられないことを表す。 (3)自由な子どもとは、のびのびとしていて自由に表現する自我状態のことである。 (4)順応した子どもとは、相手に合わせ遠慮している自我状態のことである。 a.(1,2) b.(3,4) c.(1,3) d.(2,4) |
<解答>b
CP:厳しい教育、命令、批判、義務、~しなさい、だめ!、など。
NP:思いやり、保護、世話、養育、~は大丈夫よ、まかせて、など。
A:考える私、コンピュータ(5W1H)、予測、現状分析、事実中心、打算的、など。
FC:自由な感情表現、本能的、防衛的、直感、独創的、芸術的、など。
AC:親の期待に沿おうとする部分、いい子、遠慮、陰性感情、我慢、など。
4)構造分析について、正しい組み合わせになっているものを1つ選べ。 a. 批判的な親 自由な感情表現 b. 養育的な親 相手に合わせる c. 大人 コンピューターのような部分 d. 自由な子ども 批判、厳しさ |
<解答>c
3)の解答を参照。
5)交流分析において活用される心理テストを、次の中から1つ選べ。 a. YG性格検査 b.
MMPI c. エゴグラム d.
SDS |
<解答>c
a × 12の人格特性を測定する尺度があり、120項目の質問から構成される性格検査。
b × 多面的な人格検査。550項目もの質問から成り、結果は妥当性尺度と臨床尺度の2面から分析される。
c ○ 自分の自我状態の動きについてフィードバックが得られ、それによって自己の行動変容へのヒントも得られる。
d × 抑うつ状態の把握に用いる。身体面にも着目している。
6) 5)の心理テストについて、正しいものを1つ選べ。 a. 他人の性格を変えるために行うものである。 b. 自分の性格を知るためのものではない。 c. 自分の知能を知るためのものである。 d. 自分のどこを変えたらいいのかを考えるきっかけになる。 |
<解答>d 5)の解答を参照。
7)交流パターン分析について、正しいものを1つ選べ。 a. 交流パターンは、全部で3つあるとされる。 b. 相手の期待通りに反応すること(スムーズな触れ合い)を、裏面的交流という。 c. ホンネとタテマエがあること(みせかけの交流)を、相補的交流という。 d. 予想外の反応が起こること(ゆき違いの交流)を、交叉的交流という。 |
<解答>d (1)○ (2)× (3)× (4)○
交流パターンには次の3つがある。
相補的交流(スムーズな触れ合い):ベクトルが平行線で、その話題に関するコミュニケーションが続く。 例)情報の交換(A⇔A)、新婚夫婦(C⇔C)、医師・患者関係(C⇔P)
交叉的交流(ゆき違いの交流):ベクトルが交叉し、その話題に関するコミュニケーションは途絶する。 例)けんか(P→C,P→Cで交叉)、親子の断絶(P→C,A→Aで交叉)、片思い(P→C,C→Cで交叉)
裏面的交流(みせかけの交流):表面のベクトルのほかに裏面のベクトルがある。 例:ホンネとタテマエ(表面:P→C(建前)、裏面:C→C(本音))、夫婦喧嘩(お互いに、表面:P→C(喧嘩・対立)、裏面:C→C(愛情の確認))
8)交流パターンの型と例の組み合わせで、正しいものを1つ選べ。 a. 相補的交流 情報交換 b. 相補的交流 けんか c. 交叉的交流 医者・患者関係 d. 裏面的交流 恋人・新婚夫婦の会話 |
<解答>a 7)の解答を参照。
9) 8)で選択した交流パターンを示す図を、下の中から1つ選べ。 a. b. c. d. P P P P P P P P A A A A A A A A C C C C C C C C |
<解答>b aは「喧嘩」、cは「親子の断絶」、dは「新婚夫婦」の図。7)の解答を参照。
10) 交流パターン分析について、正しいものを1つ選べ。 a. 相補的交流(適応的交流)では、コミュニケーションが途絶えてしまう。 b. 交叉的交流では、コミュニケーションはその後も円滑に続いていく。 c. 裏面的交流では、ホンネとタテマエがある。 d. 交叉的交流は、交流パターンの中で最もよいコミュニケーションである。 |
<解答>c 7)の解答を参照。
11.面接法
面接法について、正しい組み合わせを選べ。 1) (1)患者との面接では、治療上必要な情報の収集が患者との関係作りより優先される。 (2)患者と医師との関係性と薬物療法の効果には相関があるとする研究報告がある。 (3)患者に対する共感は心理療法には必要であるが、薬物療法には不必要である。 (4)良好な患者医師関係を作るためには、患者に共感する技術が必要である。 a.(2,4) b.(1,3) c.(1,2) d.(1,3,4) |
<解答>a
2) (1)患者に共感するためには開かれた質問法や閉じられた質問法を適宜使って、面接することが重要である。 (2)面接中は、患者の話す内容を聞き漏らさないために、患者の動作や表情にとらわれてはならない。 (3)医師自身が患者の立場ならどう感じるかを考えることが患者への共感を促進する。 (4)面接では、患者の仕事あるいは学校の状況、家庭環境、発症のきっかけとなった出来事など患者の生活環境を具体的に知ることで医師は患者に共感しやすくなる。 a.(2,3) b.(1,2) c.(1,2) d.(1,3,4) 注:元々の問題のままの選択肢です。ミスだと思います。 |
<解答>d
(1)○ (2)× 動作や表情などの非言語的表現にも注意を払うことが大切。 (3)○ (4)○
3) (1)心療内科の面接では、開かれた質問法は使うが、閉じられた質問法は使う必要がない。 (2)患者の話す内容はもとより、患者の表情にも注意することが重要である。 (3)患者との関係作りができることと患者が医師の指導を守るかどうかは無関係である。 (4)患者の生活歴情報によって患者の生活が具体的に想像できれば、医師は患者に共感しやすくなる。 a.(1,2) b.(2,3) c.(2,4) d.(2,3,4) |
<解答>c
4) (1)医師が患者の立場で思考できない場合、医師は患者に共感できなくなる。 (2)面接では患者に共感を示すことが重要である。 (3)薬物療法の面接法では、患者との関係作りより情報収集の側面が重要である。 (4)薬物療法の面接法では、傾聴の必要はない。 a.(1,2) b.(2,3) c.(2,4) d.(2,3,4) |
<解答>a
5)(1)閉じられた質問法とは「どうしましたか?」のように自由な答えを患者に求める質問である。 (2)開かれた質問法とは「今も憂うつなのですか?」のようにイエスかノーかで答えられる質問である。 (3)良好な医師患者関係があれば、患者は医師の忠告や指導を守るものである。 (4)良好な医師患者関係とは、通常の生活で経験される良好な人間関係と類似した点がある。 a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(2,3,4) |
<解答>c
(1)× (2)× (3)○ (4)○
閉じられた質問法=イエスかノーかで答えられる、開かれた質問法=自由な答えを求める
6)心理面接法について、正しい組み合わせを1つ選べ。 (1)心理面接では、情報を機械的に得るために尋問のような形で行う。 (2)心理面接は、世間話や議論をする場である。 (3)心理面接には、診断のための面接(インテーク面接)と治療目的の面接がある。 (4)心理面接では、言葉での表現だけでなく、非言語的な表現にも注意を払う。 a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(1,4) |
<解答>c
(1)× (2)× 患者の行動様式、考え方、感情などについて何らかの資料を集めたり、共に考える場としての目的を持つ。世間話や議論の場ではない。 (3)○ (4)○
7)心理面接の場で留意する点について、正しいものを1つ選べ。 a .心理面接では、個人的な問題に関わることが多いが、個室で行う必要はない。 b. 心理面接では、心理的な問題を扱う必要があるので、患者には無理にでも話させるべきである。 c. 心理面接では、患者に自分の問題と直面させることが最も重視される。 d. 心理面接では、患者の気持ちを無視して土足で踏み込むことのないように配慮する。 |
<解答>d (1)× 個室で行うのが原則である。 (2)× (3)× (4)○
8)インテーク面接について、正しいものを1つ選べ。 a .インテーク面接の目的は、面接を通して患者の心理社会的側面の情報を得ることである。 b. インテーク面接では、患者に共感的態度で接することはない。 c. インテーク面接では、情報収集だけが目的となる。 d. インテーク面接では、全ての情報を明らかにしなければならない。 |
<解答>a (1)○ (2)× 患者の悩み、苦しみに共感的態度で接することが大切。 (3)× (4)×
9)インテーク面接について、正しい組み合わせを1つ選べ。 (1)患者の受診行動に関する情報は大切である。 (2)面接での患者の反応は考慮に入れない。 (3)症状に対する対処パターンに関する情報は大切である。 (4)症状そのものに関する情報は収集しない。 a.(2,4) b.(1,2) c.(2,3) d.(1,3) |
<解答>d (1)○ (2)× (3)○ (4)×
10)治療面接について、正しい組み合わせを1つ選べ。 (1)治療面接では心理療法を行うが、心理療法には1つの学派しかない。 (2)治療面接では、患者と治療者との心のつながり(ラポール)が必要である。 (3)治療面接では、治療者側の価値観で患者を批判してよい。 (4)患者に対して秘密は厳守されることを伝えることが大切である。 a.(1,2) b.(3,4) c.(2,4) d.(1,3) |
<解答>c (1)× 精神分析、行動療法、支持的心理療法など多様である。 (2)○ (3)× (4)○
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