平成17年度 「心身医学」 概説試験
1-1)心身医学の成立背景について5つあげよ |
解答 :人間の心や行動に対する理解、精神生理学の進歩、身体偏重、器官重視の医学に対する批判、疾病構造の変化、ストレス耐性の低下
1-2)Alexithymiaについて記述せよ。 |
解答:AlexithymiaとはアメリカのSifneos(シフネス)という精神科医によって提唱された概念で、心身症患者にはAlexithymia(=失感情症)の傾向があるとしている。以後、Alexithymiaは心身症の病態の重要な一つの要素と考えられている。Alexithymiaの特徴は、
・自分の感情や、身体の感覚に気づくことが困難である。
・感情を表現することが難しい。
・自己の内面への気付きに乏しい。
感情の気付きや表現に乏しいと、徐々に内面に抑圧された感情がたまりやすくなり、身体症状化することになる。(授業でどういう風に説明があったかは知りませんが)
1-3)治療的自我について記述せよ。 |
解答:治療者自身の態度や考え方が、患者の状態に影響すること。 治療者自身が精神的に安定しており、患者との信頼関係を築くことができ、患者を受け入れ、患者の自己理解を助ける能力。
2-1)ストレスと神経-免疫-内分泌系に関する次の記述のうち正しいものをあげよ。 1.インターロイキン5は発熱に深く関与している。 2.免疫系組織に分布している自律神経は交感神経のみである。 3.脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能は必ず低下する。 4.種々の心理社会的ストレスで免疫機能が影響される。 5.インターロイキン1には視床下部-下垂体-副腎軸を活性化させる作用がある。 a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5) |
解答:d
解説:1…IL5→IL1・TNF・IFN-α、2…副交感神経も、3…亢進、低下いずれもありうる
2-2)正しいものをえらべ。 1.ストレス刺激は、主として副交感神経および視床下部-下垂体-副腎系を活性化させる。 2.ベルナールによって提唱された「内部環境」の概念は、キャノンによってさらに発展し「ホメオスタシス」として集大成された。 3.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質および受容体機構を持っている。 4.過労とストレッサーは無関係である。 5.身体的ストレスのほうが心理的ストレスよりも免疫系に強く影響を与える。 a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5) |
解答:b
解説:1副交感神経と交感神経も。2○ 3○ 4過労は生理的ストレッサーの一つ。5 どちらが強いと言うのは無いと思います
2-4) 1.コーピング -- キャノン 2.火傷 -- 物理化学的ストレッサー 3.うつ病 -- NK細胞活性低下 4.IL5 -- 視床下部下垂体副腎系活性化 5.軸策反射 -- マクロファージ a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5) |
解答:b
解説:1? 2○ 3○ 4IL5→IL1 5肥満細胞
2-5)正しい 1.液性免疫 -- NK細胞活性低下 2.肥満細胞 -- 高親和性IgGR 3.カテコラミン -- Th2石灰増強 4.グルココルチコイド -- Th2石灰増強 5.インターロイキン10 -- 視床下部-下垂体-副腎の活性化 a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5) |
解答:c(?)
解説:1NK細胞は細胞性免疫 2肥満細胞はIgEレセプター 5IL10→IL-1、IL-6、TNF
3.4は石灰増強の意味が分かりません。とりあえず、カテコラミンもグルココルチコイドもTh1反応は低下させるようです。
3-5)セリエの汎適応症候群(general adaptation syndrome)でみられる状態の順序で正しいのはどれか。 a.抵抗期-疲はい期-ショック相-反ショック相 b.抵抗期-反ショック相-ショック相-疲はい期 c.ショック-相抵抗期-反ショック相-疲はい期 d.ショック相-反ショック相-抵抗期-疲はい期 |
解答:d
3-5)イヌにブザーの音のみを聞かせても通常は唾液の分泌は生じない。 しかしブザーのすぐ後に餌を与えるようにすることを繰り返すと、やがてブザーの音のみで唾液を分泌するようになる。このことについて正しいのはどれか。 1.イヌに餌を与えたとき、唾液が出るのは無条件反射である。 2.ブザーを鳴らしたときに唾液が出るのは条件反射である。 3.この一連の過程を無条件づけという。 4.ブザーの音は無条件刺激である。 a.(1,2) b.(1,4) c.(2,3) d.(3,4) |
解答:a
解説:1○ 2○ 3無条件付け→条件付け 4無条件刺激→条件刺激
4-2)神経性食欲不振症について特徴的なものを2つ a.徐脈 b.乳房の萎縮 c.耳下腺腫脹 d.低体温 |
解答:a、d
解説:他には、胸腺の萎縮、顎下腺の腫脹、産毛密生などがある
4-7)神経性食欲不振症の治療について正しい組み合わせはどれか。 1.入院治療では通常目標体重を決める。 2.経鼻経管栄養は望ましくない。 3.著しい低体重(BMI<12)では中心静脈栄養(IVH)が必須である。 4.患者が退院を希望すれば外来治療に移行するのがよい。 a.1のみ正しい b.1,2 c.1,3 d.1,4 e.4のみ誤り |
解答:a(?)
解説:2×、行うそうです。嫌悪刺激の目的もあるらしいです 3×、必須ではないと思われます 4、コントロールがつくまでは入院治療が原則
4-8)神経性大食症について正しい組み合わせはどれか。 1.ダイエット食品の普及で発生が減少した。 2.DSM-IVによる診断基準ではむちゃ食いおよび不適切な代謝行動はともに平均して少なくとも3ヶ月にわたって週1回起こっている。 3.過食行動の抑制には心理療法に加え、抗うつ剤が有効であると言われている。 4.過度の食事制限が過食を誘発すると考えられている。 a)1のみ正しい b)1,2 c)1,3 d)3,4 e)4のみ誤り |
解答:d
解説:1× 2週二回(http://ed.cutie.cx/about1.html参照) 3○ 4○
4-10)心因性多飲症について正しい記述の組み合わせを選べ。 1.水制限試験で尿浸透圧/血清浸透圧<1ならば心因性多飲症と言える。 2.摂食障害の患者にも見られる。 3.ADHに対する感受性が低下している。 4.デスモプレシン投与は臨床上鑑別に有用である。 a)1のみ b)2のみ c)3のみ d)全て誤り e)全て正しい |
解答:b(?)
解説:1心因性多飲症ならば水制限試験で尿浸透圧>血清浸透圧となる 2?
3低下していない 4デスモプレッシン投与は水制限試験などで尿崩症と診断されてから、中枢性と腎性の鑑別に有効。心因性多飲症は水制限試験や高張食塩水負荷試験で鑑別する。
5 代謝系の心身症(10点)(瀧井先生)
5-7) a.糖尿病の若い女性患者において、血糖コントロール不良の最も大きな要因の一つは摂食障害の合併である。 b.糖尿病合併症が出現した場合の患者の反応には、いろいろな種類がある。 c.糖尿病のコントロールの善し悪しと、患者の心理面とは関係がない。 d.糖尿病患者はやせていなければならない。 1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd |
解答:1
5-8)正しい組み合わせを選べ a.糖尿病はストレスの多い病気だ。 b.治療がうまくいくためには患者が医師の指導に従順であるべきだ。 c.糖尿病という病気を受け入れるのは簡単なことではない。 d.糖尿病教育は発症時にしっかり行われれば、その後は必要無い。 1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd |
解答:5
5-9)正しい組み合わせを選べ a.若い1型糖尿病の場合、血糖コントロールを大切に思っているので、過食をする人は普通人に比べてすくない。 b.糖尿病の治療結果に個々の患者の性格が強く影響する。 c.1型糖尿病においても、食事療法は血糖コントロールのために最も重要なポイントである。 d.中年の男性の糖尿病治療を行う場合、患者の人生の社会的側面に対し特に配慮して、治療の仕方を考える必要がある。 1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd |
解答:6
5-10) a.糖尿病に摂食障害を合併すると、血糖値のコントロールが著しく悪化することがある。 b.膵臓移植や膵島移植によりインスリン注射が必要なくなると、患者の糖尿病や心理社会的な問題はほとんど解決する。 c.I型糖尿病もII型糖尿病も治療においてほとんどかわりない。 d.I型糖尿病の若い女性患者の中には、体重を減らそうとしてインスリン注射を省略したり減量したりすることがある。 1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd |
解答: 4
6.アレルギー・呼吸器心身症
6-1)過換気症候群について正しいものを選べ。 a.過換気症候群を診断する時は過呼吸テストが大事である。 b.発作の時はPaCO2の著名な低下と呼吸性アルカローシスがみとめられる。 c.過換気症候群はまれな疾患で、日常臨床で遭遇することはほとんどない。 d.発作の時に意識障害があることはない。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a) |
解答:1
解説:a○ b○ c× d× 意識障害も認められる
6-5)アレルギー疾患の心身医学的観念について正しいものを選べ。 a.喘息治療とはパートナーシップよりも治療的な支持を与えることが大事である。 b.心身医学的治療には薬物療法などの身体面からのアプローチは含まない。 c.喘息があることによって二次的に起こる障害も心身医学の対象である。 d.Psychodermatologyの代表的な疾患はアトピー性皮膚炎である。 1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) |
解答:4
解説:a× どちらが大切ということは無いと思います。もし問題文の支持→指示なら明らかに×です
b含まれる c○ d○
7-2)正しいものは? a.消化器心身症は消化管の運動異常のみで説明できる。 b.消化器心身症と機能性消化管障害は同義である。 c.消化器心身症の治療の目標は症状の消失より、症状のコントロールが主である。 d.消化器心身症の多くにヘリコバクターピロリが関与している。 1.a 2.b 3.c 4.d |
解答:3
解説:a運動異常+粘膜知覚異常 b機能性消化管障害はIBSを除く d×
7-5)functional dyspepsiaについて正しい組み合わせを1つ選べ。 a.functional dyspepsiaは胃・十二指腸潰瘍を含む。 b.functional dyspepsiaは逆流性食道炎を含む。 c.functional dyspepsiaのRome II診断基準の分類では胃・食道逆流型はない。 d.functional dyspepsiaの診断には上部消化管の内視鏡検査は重要である。 e.functional dyspepsiaは排便によって腹痛が軽快することが多い。 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.d,e 5.a,e |
解答:3
解説:Functional DyspepsiaのRome II 診断基準「過去12か月の間に、少なくとも12週間にわたり(連続していなくてもよい)、1.持続するあるいは再発性のDyspepsia(上腹部の痛みまたは不快感)があり、2.症状を説明できる器質性の疾患(上部消化管内視鏡検査の結果も含め)がない、3.Dyspepsiaの症状は排便により軽快することがない、あるいは、便通の頻度の変化や便の性状の変化のはじまりと症状が関連していない(すなわち過敏性腸症IBSではない)。」
7-6)過敏性腸症候群について正しい組み合わせを選べ。 a.一般人口の20%程度で男性に多い。 b.過敏性腸症候群では、血便が見られることが多い。 c.過敏性腸症候群では、便秘と下痢が繰り返される事はない。 d.過敏性腸症候群は小腸の機能異常も含める。 e.過敏性腸症候群様症状は炎症性腸疾患ではみられることがある。 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.d,e 5.a,e |
解答:4
解説:a女性に多い b少ない(通常は水様便、泥状便、軟便) c繰り返す d ○IBSは小腸と大腸全体の機能異常 e○
7-8)胆道機能異常(胆道ジスキネジー)について正しい組み合わせを選べ。 a.胆道機能異常は症状が持続し、慢性疾患になることはない。 b.胆道機能異常は胆嚢摘出後は見られない。 c.胆道機能異常は胆嚢またはOddi括約筋の機能異常から生じ、胆石様の症状を示す。 d.胆道機能異常と胃・十二指腸の機能異常が合併することも少なくない。 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.a,d |
解答:3
解説:胆道ジスキネジーは、胆嚢が収縮して胆汁を総胆管に送り込むと同時に十二指腸乳頭括約筋(Oddi括約筋)が弛緩して十二指腸への流出を促進するという合目的協調運動が機能異常(協調運動失調)を起こし、胆汁流出障害をきたすことにより胆道痛を生じる。
b× 胆摘後もOddi括約筋の機能異常は起こりうる。
7-9)胆道機能異常(胆道ジスキネジー)の診断と治療について正しいものを選べ。 a.肝機能検査、膵酵素の血液検査は必須ではない。 b.上部消化管内視鏡検査、腹部エコーは必須である。 c.胆道収縮試験は胆道機能異常の診断に有効ではない。 d.抗うつ薬・抗不安薬や心理療法が有効な場合は少ない。 1.a 2.b 3.c 4.d |
解答:2
解説:2は器質的疾患を除外するために必要
7-10)正しい組み合わせを選べ。 a.機能性消化器症状の診察では患者の訴えを受容し、保証し、証明することが重要である。 b.SMAはやせた人でも起こりうる。 c.SMAでは上腸間膜動脈と大網動脈で十二指腸水平部がはさまれて通過障害が起こる。 d.消化器症状では原因だけでなくその症状の意味も考えることが消化器心身症の治療において重要である。 1.a 2.b,c 3.a,c,d 4.全て正しい |
解答:?
解説:SMAは上腸間膜動脈症候群のこと。「十二指腸の水平部位(第3部位)は、前方から上腸間膜動脈に、後方から腹部大動脈と腰部脊椎に挟まれた位置にある。この部位は、通常は、脂肪組織や リンパ組織のクッションによって守られているが、急激な体重減少に伴って、上腸間膜動脈周辺の脂肪組織のクッションがなくなり、十二指腸の第3部位が前後方から締めつけられることによって、十二指腸閉塞を生じる。」
c×大網動脈→腹大動脈 a,b,dは○のような気がします。 bは急激にやせた人だから×なのかも。d 消化管障害の診断および治療は消化管運動異常、知覚異常、心理社会的因子の3つの相互の関連性 を考えることが必要とあり、症状の意味が治療に重要かどうかは分かりません。
8-1)近年痛みの研究が盛んになり、大脳皮質の体性感覚野以外に前部帯状回や島皮質といった(a)に関与する(b)系が侵害刺激によって活性化されていることがわかった。 1.代謝 2.末梢神経 3.情動 4.脳下垂体 5.運動 6.大脳辺縁系 |
解答:(a)=3、(b)=6
8-2)慢性疼痛に対しての治療として有効性が知られている行動療法では治療の対象を<痛みの存在を周囲の人に示す行動>である(a)として考え、(a)の持続によって得られていた、擁護反応、現実回避、葛藤回避および(b)といった個々の患者にとっての社会生活での報酬を(c)によって獲得できるよう援助していくことが重要である。 1.家族システムの維持 2.適応行動 3.疼痛行動 4.疼痛 5.逃避行動 6.心因性顕示行動 |
解答:(a)=3、(b)=1、 (c)=2 解説:認知行動療法の観点から考えると、慢性の痛みにより、
1重要な人物からの注目、関心、擁護的なかかわり(擁護反応)2家庭または社会生活への再適応の回避(現実逃避)3怒り、不満、罪悪感といった心理的苦痛の抑圧(葛藤逃避) 4他の家族成員間の葛藤の回避(家族システムの維持)、などが維持されていたといえる。
8-3)抗うつ薬が痛みに奏功する機序は、シナプス間隙での(a)やノルアドレナリンといった神経伝達物質の(b)という作用により、(c)の機能を賦活することで、脊髄後角での侵害受容ニューロンを抑制することが知られている。 (1)再取り込み促進 (2)セロトニン (3)アセチルコリン (4)グルタミン酸 (5)逃避行動 (6)再取り込み阻害 (7)下行性疼痛抑制系 (8)脊髄視床路 |
解答:(a)=2、(b)=6、(c)=7
8-5)疼痛の治療法について正しいものを全てあげよ。 a.痛みを客観的に分析して理学的所見がなければ、<痛みがあるはずがない>と患者の訴えを拒否することが重要である。 b.患者の痛みに対しては患者の訴えや理学的所見が重要で患者の行動やその背景となる環境に目を向けるべきではない。 c.患者が痛がっているときだけ注目し、患者が痛みを訴えないときは受容しないことが重要である。 d.病態解明のための客観的分析は重要であるが、患者の情動や患者の困っている問題解決への援助や配慮が重要である。 (1)ab (2)abc (3)全て (4)d |
解答:4
9-1)正しい組み合わせはどれか a.自律訓練法は筋弛緩をもたらすので緊張性頭痛には適応があるが、偏頭痛には無効である。 b.偏頭痛の治療で、β-ブロッカーやCaブロッカーは発作時に有効である。 c.ベンゾジアゼピン系抗不安薬や抗うつ薬が有効なのは抑うつ状態としての頭痛のみである。 d.心理的ストレスによる頭痛は、心拍数の増加による末梢循環血流量の増加によるものが多い。 (1)全て誤り (2)a (3)b (4)c (5)d (6)a,d |
解答:1?
解説:a?頭痛のある人は第6公式の適応外だから×かな、b × 間欠期の予防に使われる、c × 緊張性頭痛には適応。おそらく偏頭痛にも有効なケースがある、d × 末梢血液量の低下と阻血性筋収縮により緊張性頭痛が起こる 。
9-3)ジストニア症候群(痙性斜頸、書痙、眼瞼痙攣)について正しいものは a.器質的に発症した場合でも、増悪・持続に心因的要因が関与していることは多い。 b.書痙でペンを持って書こうとしたときだけにあらわれるときは詐病・ヒステリック要素が強い。 c.特定筋緊張亢進がみられるが、肉眼的にも筋の肥大がみられることが多い。 d.心因性痙性斜頸ではボツリヌス毒素局注は無効である。 (1)a,d (2)a,b (3)b,c (4)a,c (5)c,d (6)a,c,d |
解答:1?
解説:a○ b? c × 筋肥大に関しては記述がありませんでした。 d ×有効
9-4)正しいものの組み合わせを選べ。 a.心因性めまいと違ってメニエル病は内耳に器質的異常があるので心因的な要素は薄い。 b.心因性のめまいであっても患者は心理的葛藤などの心因的な側面がその成因になっていることを自覚していないことがある。 c.本態性振戦の治療ではβブロッカーやベンゾジアゼピン系抗不安薬がしばしば有効である。 d.学童期のチックは素因の他に家庭・環境に問題があることもあるので親へのカウンセリングが重要。 (1)a,b,c (2)a,b,d (3)a,c,d
(4)b,c,d (5)c,d (6)a~dの全部 |
解答:4 解説:a×原因不明、b○、c○、d○
9-5)傾性斜頸について正しいものを選べ。 a.転換性障害のメカニズムで発症することもある。 b.治療には心理社会的背景の聴取が重要である。 c.バイオフィードバックと薬物療法の併用は禁忌である。 d.心理的な緊張場面で増悪する。 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.a,d 5.a,b,d 6.a,c,d |
解答:5
解説:c併用して治療を効果的に行う。薬物は抗コリン薬や抗痙攣薬、ボツリヌス毒素の局注やエタノール局注も行われる。
9-6)バイオフィードバック療法について正しいものを選べ a.無意識の情報を、機器を用いて音・視覚情報にして自己制御を可能にする。 b.心因性疾患には効果が期待できるが、気質的疾患にはあまりよい適応でない。 c.バイオフィードバックをかけているときにのみ効果がある。 d.検出される情報は、筋電位、皮膚温、血圧、脳波などである。 1.(a,b) 2.(a,c) 3.(a,d) 4.(b,c) 5.(b,d) 6.(c,d) |
解答:3
解説:b器質的疾患も治療対象となる。 c最終的には患者がごく自然の環境の中で、生理学的反応をフィードバック信号なしに制御できるようになることが目標である。
9-7)バイオフィードバック療法について正しいものを選べ a.自律神経は不随意であり自己コントロールすることはできない。 b.本態性高血圧は適応にならない。 c.排便障害の治療に用いられる。 d.呼吸のコントロールにより迷走神経の働きを活性化することが可能である。 |
解答:c
解説:c過敏性腸症候群に対して腸蠕動音のフィードバックをしたり、便失禁に対して消化管内圧のフィードバックによる括約筋制御の試みがある。dは喘息に対する気道抵抗および呼吸音のコントロールは行われるが、迷走神経の働きに関しては分かりません。
9-8)心電図R-R間隔変動(CVR-R)について正しいものを選べ a.主に呼吸性洞性不整脈(RSA)を反映するため、心臓迷走神経活動の評価に用いられる。 b.CVR-R(%)=SD/m×100(SD:標準偏差,m:平均値)で計算する。 c.アトロピン投与で増強する。 d.糖尿病性神経障害の評価に用いる。 1)a,b,c 2)b,c,d
3)a,c,d 4)a,b,d
5)すべて正しい |
解答:4
解説:CVR-Rは自律神経機能の評価方法であり、高齢者や糖尿病性自律神経障害を合併している場合にはその変動が小さくなる。 a○、b○、c×アトロピン投与で減少する、d○
9-9)次のうちで、自律神経機能を検査するのはどれか。 a)起立試験 b)Valsalva試験 c)脳波 d)瞳孔試験(pupillogram) 1)a,b 2)a,b,d
3)b,c,d 4)a,c,d
5)a,b,c 6)全て |
解答:1?
解説:c×?、dの瞳孔試験は何なのか分かりません。
10-3)正しいものを一つ選べ。 a.「そうなんですか」などのあいづちは相手の話の要所で使う。 b.ただ黙ってあいずちなどは一切はさまず相手の話を聞く。 c.あまり相手を見ると緊張してしまうので、相手の方はみずに話を聞くことに集中する。 d.相手の話を聞く一方で、聞き手も同じくらい話しをする。 |
解答:a
10-5) a.インテーク面接とはいわゆる医療面接のことである。 b.インテーク面接は受理面接とも呼ばれる。 c.インテーク面接では感情の移入が最も重要である。 d.心理学的情報の収集を行う。 1.ab 2.bc 3.bd 4.ad |
解答:3
解説:インテーク面接とは、患者に対して最初に行う心理・社会的観点からの面接のことで、主治医が治療を行う際の必要な資料としての心理・社会的な問題に関する情報収集および評価の側面と初回面接としての側面の2つがある。
b○、c×、d○、aに関しては”いわゆる医療面接”というのがどうなのか分かりません。
10-8)a.患者の話にあいづちをうつと患者と治療者の良好な関係がえられる b.患者に要点をかえすと患者と治療者の良好な関係がえられる c.患者をありのままうけいれると診断病態仮説がえられない d.共感では治療者が自分と患者との感情体験を区別しない 1.ab 2.bc 3.bd 4.ad |
解答:1
解説:a○、b○、c?、d ×
10-10)a.受容とは否定や批判の反対概念である。 b.心身医学における面接では診断に関する情報は考慮しなくてよい。 c.患者を受容する際には、常識的評価を患者に伝える必要がある。 d.面接で患者の訴えをうまく要約できれば患者は理解されたと感じる。 1.ab 2.ad 3.bd 4.cd |
解答:2
解説:a○、b ×、c ×、d○ (10-5の解説も参照してください)
11-3)心理テストについて誤っているものを選べ。 a.得点が正規分布するような心理テストでは-1SD~+1SDの範囲に約50%の被験者が含まれる。 b.テストの素点60点が、50パーセンタイルと換算されると心理テストで60点であった場合、60点以下の被験者は全体の50%を占める。 c.テストの結果を偏差値に換算して示すことで、結果が高値であるのか平均的であるのかを把握することができる。 d.繰り返し実施した心理テストで、同一の被験者が近似値を取ることが示された。そのため、この心理テストは信頼性が高いテストであると言える。 |
解答:a
解説:正規分布では、1SD~+1SDの範囲に約70%の被験者が含まれる。
12.交流分析
12-1)交流分析について、正しいものを1つ選びなさい。 1.交流分析では、人間関係において、相手を変えることで問題を解決していく。 2.交流分析でいう自我状態とは、思考・感情・行動を包括したものである。 3.交流分析では、常に1つの自我状態を機能させることが健康な状態であるとされる。 4.交流分析でいう自我状態には、それぞれ肯定的側面と否定的側面がある。 a.(1)と(3) b.(1)と(4) c.(2)と(3) d.(2)と(4) |
解答:d
解説:2.4○、構造分析を参照して下さい。1 × 交流分析とは、人々がお互いどのように作用しあうかを簡潔な形で分析し、明確にするもの。相手を変えることで目標を達成することはない。
12-2)構造分析について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。 1.CPとは、責任感が強く批判的な自我状態のことである。 2.Aとは、思いやりがあり世話好きな自我状態のことである。 3.FCとは、客観的に現状がみられないことをあらわす。 4.ACとは、相手に合わせ遠慮している自我状態のことである。 a.(1)と(3) b.(2)と(3) c.(1)と(4) d.(2)と(4) |
解答:c
解説:1○ CP(=you are not OK.)。2 × AはAdultの部分。思いやりがあり世話好きはNP。3 × FC(=I am OK.)は自由な子供の自我を表す。4○ AC(=I am not OK.)は順応した子供の自我を現す。
12-3)基本的構えについて、正しい組み合わせになっているものを1つ選びなさい。 a.あなたはOKである、私はOKである-劣等感・ひがみ b.あなたはOKでない、私はOKである-共存・協調 c.あなたはOKでない、私はOKでない-孤立・絶望 d.あなたはOKである、私はOKでない-独善・排他 |
解答:c
解説:a NP+FC-共存・協調、b CP+FC-独善・排他、c CP+AC-孤立・絶望、d NP+AC-劣等感・ひがみ
12-4)交流パターン分析について、正しいものを1つ選びなさい。 a.相補的交流を示すのは、下図のb.である。 b.交叉的交流を示すのは、下図のa.とc.である。 c.裏面的交流とは、予想外の反応が起こって、行き違いになっている交流のことである。 d.交叉的交流では、交流はスムーズにすすむ。 |
解答:a
解説:b 図のacdは全て、交叉的交流。 c 問題の説明は交叉的交流の説明。裏面交流は一見合理的なメッセージを発信しているように見えて、その裏に異なった動機や目的を隠し持っている交流のこと。 d 交叉的交流では相手が予想外の反応を示すので交流はスムーズに進まない。
12-5)ゲーム分析と脚本分析について、正しい組み合わせを1つ選びなさい 1.ゲームとは、予測可能で定型化し、幸福な結末で終わるものである。 2.ゲームは繰り返される。 3.脚本では、幼少期に与えられた禁止令は重視されない。 4.脚本から脱却するための方法として、再決断療法がある。 a.(1)と(3) b.(2)と(4) c.(1)と(4) d.(2)と(3) |
解答:b
解説:1 × 最終的に不快感と非生産的な結末をもたらす。 2○ 3 × 脚本分析では幼少時の禁止令が脚本の基になっていると考える。 4○ 他には、自分の発育歴を系統的に調べ、親からの禁止令を許可証に書き直す脱却方法がある。
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