法医学 平成19年度本試験
(獲得)
○ 2008.2.13 13:00〜15:00実施
○ 問題用紙はA4×1で持ち帰り可。解答用紙はB4×2。
○ 不合格:2人
○ 総括:一番最後の授業で、『去年の先輩に試験問題をよく聞いておいてください』と言われました。
【1】日本における解剖の種類について記載し、それぞれの内容を説明せよ(15点)。
解答例:
@ 系統解剖 → 教育・研究上、身体の正常構造を学ぶことを主目的とする。
A 病理解剖 → 病死者の病変を明らかにし、教育・研究に役立てる。
B 法医解剖 → 死因の不明なもの、内因と外因の因果関係が不明なもの、労災や犯罪
に関係がある場合などに法医学教室などで行われる。以下の3つに分けられる。
a)行政解剖 → 検疫法に基づくもの(海外からの伝染病侵入を防止)
食品衛生法に基づくもの(食中毒の原因究明のため)
死体解剖保存法に基づくもの(異状死体の死因究明のため)
b)司法解剖 → 犯罪捜査のために行われ、刑事訴訟法に基づく。
裁判官の鑑定処分許可状が必要となる。
c)承諾解剖 → 死体解剖保存法に基づく。
遺族の承諾を得て死因究明のため行う。
【2】性欲の質的異常を分類し、それぞれの内容を説明せよ(15点)。
解答例:
ICD-10による性欲の質的異常の分類に基づき説明する。
F65 性嗜好の障害
F65.0 フェティシズム
→ 異性の毛髪やその他の身体の部分、ハンカチや下着などの持ち物によっ
て性的満足を得るもの。
F65.1 フェティシズム的服装倒錯症
→ 女性の下着を身に着けたりすることによって性的満足を得るもの。
F65.2 露出症
→ 自分の裸体、性器を露出したり、性交を見せることによって性的満足を
得るもの。
F65.3 窃視症
→ 相手の裸体、性器あるいは他人の性交を見ることによって性的満足を得
るもの。
F65.4 小児性愛
→ 性対象として成人よりも小児を求めるもの。
F65.5 サドマゾヒズム
→ 性的満足を得るための行為異常の一種で、主として異性の相手に肉体
的・精神的苦痛を与えることによって性的満足を得るサディズムと、主
として異性の相手から肉体的・精神的苦痛を与えられることによって性
的満足を得るマゾヒズムがある。
F65.6 性嗜好の多重障害
(F65.7は同性愛であったが病気ではないとして削られた)
F65.8 その他の性嗜好の障害
→ 動物を性行為の対象とする獣姦、屍体が対象となる屍姦、老人が対象と
なる老人性愛などがある。
F65.9 性嗜好の障害、詳細不明
【3】アルコールの吸収、分解、排泄について記載せよ(15点)。
解答例:
アルコールは、胃で20%、小腸で80%が吸収される。
吸収された95%のアルコールは肝臓で処理され、5%は呼気・尿・汗とともに体外へ排泄
される。肝臓の処理能力には限界があるため、一部は肝臓を素通りして血液に混じって体
内をくまなく巡り、また肝臓に戻って代謝・処理を繰り返される。
アルコールは肝臓において、まずアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒ
ドとなる。その後、アセトアルデヒド脱水素酵素により酢酸となり、最終的には炭酸ガス
と水に分解される。
第一段階: CH3CH2OH → CH3CHO
ADH
第二段階: CH3CHO → CH3COOH
ALDH
【4】講義中最も印象に残った画像1枚を図示し、理由を述べよ(30点)。
(なお出席25点)
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