平成18年度 免疫・移植の臨床 本試験

○ 実施日: 2006.11.1 10:0012:00

○ 試験時間: 120

○ 不合格: ?人

○ コメント: 5割過去問通りかなという感じでした。精神の久保先生、骨髄移植の原田先生、小児の原先生、生殖と免疫の加藤先生は、ほぼ同じ問題を出してくれました。

 

 

【Ⅰ】(  )に適切な語句を記入しなさい。(原田先生)

1.造血幹細胞移植は、造血幹細胞の採取源や( )の違いによって多様化しているが、最も多く実施されているのは( )である。
2.
急性GVHDはドナー由来の( )によって引き起こされ、主な標的臓器は( ),( ),( )である。
3.
同種骨髄移植によって、成人の急性白血病は第1寛解期の移植で少なくとも( )%以上、成人の重症再生不良性貧血は少なくとも( )%以上に治癒が得られる。
4.
同種造血幹細胞移植による免疫学的抗白血病効果は( )と呼ばれ、一種の養子免疫療法として注目されている。固形腫瘍に関する同様の効果は( )と呼ばれる。

 

解答 ※前年と全く同じ

1.ドナー、自己PBSCT
2.
T細胞、皮膚、肝臓、腸管。
3.
50~60%、70%。
4.
GVL(Graft vs leukemia)、GVT(Graft vs tumor)

 

 

【Ⅱ】次の文章について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。(原田先生)

(  )HLA遺伝子型の一致する同胞間の骨髄移植こおいてもGVHDが発症するのは、HLA以外の組織適合性が異なるからである。
(
 )同種骨髄移植は、白血病や再生不良性貧血以外にも先天性免疫異常や代謝異常の根治療法として利用される。
(
 )同種骨髄移植後は、免疫系もドナー免疫担当細胞によって再構築されるので、他の臓器移植のように免疫抑制療法は生涯続ける必要は無い。
(
  )ドナーとレシピエントのABO不適合は移植成績を大きく左右するので、出来るだけABO一致ドナーを選択する。
(
 )日本骨髄バンク(JMDP)に依頼して見いだされるHLA一致非血縁ドナーからの骨髄移植の成績は、血縁ドナーからの骨髄移植に比べて明らかに劣る。

 

解答 ※前年と全く同じ

1. 2. 3. 4.× 5.×

 

 

【Ⅲ】脳死について間違っているのどれか?(副島先生)

1脳の機能が不可逆的に失われているが心臓がまだ動いている状態である

2自発呼吸の停止は必須条件ではない

3平坦脳波は必須条件である

4脳死状態から1週間で70~80%は心停止となる

5本邦でも脳死ドナーからの臓器提供は法的に可能である

 

【Ⅳ】肝臓移植後の急性拒絶反応につき間違いはどれか?(副島先生)

1移植後1週間から1ヵ月までが好発時期である

2肝生けんで確定診断する

3もんみゃくいくな混合性細胞しんじゅん、たんかん障害、血管内皮炎が認められる

4治療の第一選択はステロイドである

5免疫抑制剤は1年程度で中止可能である

 

解答

 1) 5~30日

 2)(?) 病理所見が大事らしい

 3)

 4) ステロイドパルス療法

 5)× 

 

【Ⅴ】生殖と免疫について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。(加藤先生)

( )胎児および胎盤は半同種移植片と考えることができる。
( )
絨毛細胞は母体子宮内膜細胞から分化し、母体一胎児境界を形成する。
( )
正常妊娠ではTh1細胞がTh2細胞に対し優位となる。
( )
不妊症のもっとも大きな原因は抗精子抗体による精子アレルギーである。
( )
習慣流産では抗リン脂質抗体の関与を考慮することが重要である。

 

解答: ※前年と全く同じ

順に、○、×、×、○、○。

 

 

【Ⅵ】AIDSに関するマルチョイ(新問題・林先生)

1、AIDS罹患者は北アフリカに多い。

 

【Ⅶ】AIDSに関するマルチョイ(新問題・林先生)

1、抗HIV抗体は中和抗体である。

3、CD8陽性T細胞は、治療方針決定のマーカーとして重要である。

4、HIVRNAは、治療方針決定のマーカーとして重要である。

 

【Ⅷ】次の文章について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。(片野先生・癌と免疫)

1、死滅腫瘍細胞を貪食した未熟な樹状細胞は局所のリンパ管への侵入能が亢進し、成熟樹状細胞に比べ所属リンパ節へ移動する細胞数が多く、腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞を効率よく誘導する。

2、未熟樹状細胞は貪食能が高く大量に抗原を処理し、成熟樹状細胞に比べ、抗原提示能が高い。

3、死滅腫瘍細胞を貪食した未熟樹状細胞では、TGF-βやIL-10といった樹状細胞の成熟化を誘導する炎症性サイトカインを自身で多量に産生する。

4、癌性腹水中の腫瘍細胞はTGF-βやIL-10などの抗炎症性サイトカインを産生し、これに対抗してくる反応として、炎症性サイトカイン産生能の高いリンパ球が腹水中に集積してくる。

5、腫瘍細胞は複数の遺伝子変異を伴っているため、一般的に細菌などより高い抗原性を有しているが、細菌と比べ、細胞分裂スピードが非常に遅いので生体免疫系は認識が困難となる。

7、腫瘍細胞はしばしばTGFやIL10などのTh2サイトカインを産生し腫瘍局所の細胞免疫誘導を妨げている

8、瘍局所は細菌感染局所に比べ自然免疫系の活性化レベルが低くその結果逆に獲得免疫系の活性化レベルが高くなる

9、樹状細胞は抗原提示能が高く特異的細胞傷害性T細胞を誘導する能力が強いために腫瘍に対する免疫・細胞療法に利用される

 

 

【Ⅸ】次の文章について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。(原先生)

( )新生児では補体の中でとくにC3が低い。
( )
新生児の単球機能は著明に低下している。
( )IgM
は胎盤移行しない。
( )
出生時のIgGが高いと胎内感染を意味する。
( )
新生児のIgGは生後46か月で最低になる。
( )
麻疹は生後6か月までかからないかかかっても軽症である。
( )
百日咳は新生児ではかからない。
( )
水痘は新生児でもかかる。
( )
新生児ではインターフェロンγの産生は正常である。
( )
新生児ではインターロイキン2の産生は低下している。

 

解答: ※前年と全く同じ

1. ×: C3は成人とほとんど変わらない。低いのはC8,C9
2. ×:
新生児の血中単球数は成人と同等で、単球の増殖能・殺菌能は正期産児では正常。
3. ×:
胎盤移行性があるのはIgG
4. ×:
母体由来IgGがあるので必ずしも胎内感染とはいえない。IgMなら当てはまる。
5.
: 出生後は出生児由来IgGが産生されるが、母体由来IgGが減少するので、生後46か月までIgGは減少する。
6.
: 麻疹は生後3か月までは母子免疫がきわめて有効。生後46か月の間はまれに罹患することがあるが軽症(修飾麻疹)。生後8か月以降は普通に罹患する。
7. ×:
百日咳の母子免疫は期待できない。
8.
: 水痘の母子免疫は生後1ヶ月ぐらいまで有効であるが、軽症化させる程度なので新生児でもかかると考えられる。
9. ×: IFN-γ
の産生は正期産児においてきわめて不良であり、早産児やIUGR児ではさらに不良となる。
10. ×: IL-2
の産生は早産児においても良好なので新生児でも良好。

 

 

【Ⅹ】次の文章について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。(久保先生)

( ) 短期間のストレスでは免疫機能が上昇することがある。
( )
ストレスの期間と風邪罹患率は相関する。
( )
ストレスにより血糖値とコレステロールが上昇する。
( )
リウマチ患者に落語をきかせることによってIL-6の上昇がみられる。
( )
うつ病ではPHA反応が低下する。
( )
発熱を誘導する代表的サイトカインとしてIL-3がある。
( )
内分泌系・神経系と免疫系は共通の情報伝達物質としてサイトカイン、プロスタグランディンなどがある。
( )
β-エンドルフィンやエンケファリンは免疫機能を低下する。
( )
グルココルチコイドとカテコールアミンは免疫機能を上昇する。
( )
ストレスによって、ヘルペスウイルスやEBウイルスの抗体価が上昇する。

     去年と一昨年のストレス分野を混ぜたような問題。

 

 

 

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