プライマリー・ケア 平成19年度本試験

(獲得)

  2007.11.27 13:0015:00実施

  問題用紙はA3×4、試験監督の先生がひとりひとり配る感じでした。

  不合格:0人

  総括:飲み会で林先生が、プライマリーケアのテストで林先生が出したところは基本的に何か書いてあれば○をあげたとおっしゃってました。

 

「生活習慣病のプライマリー・ケア」総合診療部 澤山先生

下記の空欄を埋めて文章を完成させなさい。

 

 生活習慣病(life-style related diseases)は、以前は加齢に関連した成人病と呼ばれていたが、平成

8年公衆衛生審議会を経て、発病の原因が日常生活の様々な部分に日常生活の様々な部分にひそんでい

るため、このように呼ばれるようになった。成人病が中高年になってから注意すべきというイメージが

あったのに対して、生活習慣病は子どもも含めて一生にわたって健康的な生活を心がけ、病気になるこ

とを予防すべきものという意味が含まれている。

 生活習慣病とは「(1)、(2)、(3)、(4)、(5)等の生活習慣が、その発症・進行に関与する症候

群」とされ、(6)、肥満、(7)(家族性を除く)、(8)、循環器疾患(先天性を除く)、大腸癌(家族性

を除く)、(9)、肺扁平上皮癌、慢性気管支炎、肺気腫、アルコール性肝障害、歯周病、(10)などが含

まれる。

 

 答:1)食習慣 2)運動習慣 3)休養 4)喫煙 5)飲酒 6)2型糖尿病 7)高脂血症

 8)高尿酸血症 9)高血圧症 10)骨粗鬆症

 

 

「漢方診療のプライマリー・ケア」総合診療部 貝沼先生

【1】東洋医学と西洋医学の考い方の違いについて述べよ。

 

解答例:

 西洋医学は病気の原因を追究し、その原因を排除することを重視するが、東洋医学は個人の体質、特

徴を重視し、病気の原因によって個々の生体が起こす様々な反応に重きを置いて治療する。このため、

同じ症状でも異なった漢方製剤が投与されたり、検査で異常がないような不定愁訴も治療の対象となっ

たりする。

 

 

【2】下記の中から、適切なものを選べ。

 感冒やインフルエンザなどの風邪症候群は、漢方医学的には、(1)の病態に相当すると考えられる。

実証、虚証は(2)の有無によって決められる。(2)のないものは実証、あるものは虚証となる。

実証の代表的な方剤には、(3)と(4)があるが、両者の鑑別には煩燥や口渇の有無によって鑑別す

る。そのほか風邪症候群に用いる漢方薬には(5)(6)(7)などがある。治療原則は、(8)である。

またエキス製剤の効果をより上げるためには、(9)ことが大事である。一方、甘草の副作用として、

血圧上昇、浮腫、(10)などがあり、注意が必要である。

 

a)太陽病 b)小陰病 c)少陽病 d)体力 e)悪寒 f)自然発汗 g)桂枝湯

h)小建中湯 i)小青竜湯 j)八味地黄丸 k)麻黄湯 l)桂枝二越婢一湯 m)大承気湯

n)大青竜湯 o)水で飲む p)白湯で飲む q)清解 r)瀉下 s)発汗 t)低カリウム血症

u)高カリウム血症

 

答:1)a 2)f 3)k 4)n 5)g 6)i 7)l 8)s 9)p 10)t

 

 

「外来診療のプライマリーケア」(総合診療部 金本)

【1】不明熱の定義について( )を埋めなさい。

 有熱期間が(ア)週間以上にもおよび、(イ)℃以上の発熱が経過中に数回認められ、

 かつ(ウ)週間の入院精査でも発熱の原因が不明のもの。

 

 答:ア)3 イ)38 ウ)1

 

 

【2】上腹部痛、胸やけなどの上部消化管に関連した諸症状が4週間以上持続し、局所病変や全身疾患

がみいだされないものと定義されている診断名を応えなさい。

 

 答:functional dyspepsia

 

 

「一般病院におけるプライマリーケア」(新小倉病院 野村)

【1】患者の権利(インフォームドコンセント)について述べよ。(5点)

 

 答:

1)医師がすすめる治療または処置に関する概要の説明

2)すすめる治療・処置の、リスクと便益の説明、とくに死亡や重大な身体障害のリスクについての

説明

3)別の治療法や処置を含め、すすめる治療・処置以外にどんな選択があるかの説明、およびそれら

についてのリスクと便益の説明

4)治療を行わない場合に想定される結果

5)成功する確率、および何をもって成功と考えているのか

6)回復期に予想される主要な問題点と、患者が正常な日常生活を再開できるようになるまでの期間

7)信頼にたる医師たちが同じ状況の場合に通常提供している、上記以外の情報

 

 

【2】病歴のポイントは?4つ述べよ。(2点)

 

 答:

1)どの臓器が関係しているのか?

2)問題点の原因として可能性が一番高いのは何か?

3)どの様な危険因子が問題点に寄与しているのか?

4)問題点によるどんな合併症が考えられるのか?

 

 

【3】身体診察で気をつけることを5つ述べよ。(3点)

 

 答:

1)包括的な身体診察はしないこと

2)患者の症状を基にした焦点を当てた身体診察を行うこと

3)適切に診察手技を行うこと

4)痛みを誘発する診察手技は繰り返さないこと

5)患者の不快感に十分配盧すること

 

 

「プライマリーケア消化器疾患」総合診療部 古庄先生

症例

30才、女性

1週間にわたるインフルエンザ様症候と2日間持続する右上腹部痛を訴え受診した。

最終生理あり、薬物静注歴、不特定多数の性行為歴あり

発症1週間前に友人とバーベキューの集まりに参加した。

近医でセフェム系抗菌薬5目間処方を受けた。

悪心を伴い、軟便もある。痛みは右季肋部に強く、排便時下腹部痛もある。

身長163cm,体重56kg,意識清明

発熱38.3度,脈拍88/分・整,血圧124/74mmHg

 

1)どんな問診をしますか?5つ書きなさい。

 

 答:妊娠の有無、最終月経、最終性交、性交パートナー、職業

   家族歴、生食歴

   悪心、嘔吐、吐血、下血、下痢の有無、痛みの性状、排尿異常

   以上のうち5

 

 

2)何を鑑別にあげますか?5つ書きなさい。

 

 答:性感染症、感染性腸炎、胆道疾患、尿路結石、胸膜炎

 

 

3)何を中心に診察しますか?5つ書きなさい。

 

 答:頭頚部:黄疸・貧血の有無、リンパ節腫大

   腹部:圧痛、腸音、腹部腫瘤

   四肢・皮膚:皮疹

   胸部:心音、呼吸音

   以上のうち5

 

 

4)どんな検査をしますか?5つ書きなさい。

 

 答:血液:血計、生化学、CRP

   腹部X線、腹部エコー、腹部CT

   検尿、胸部X線、心電図

   血液培養、性感染症マーカー(HIV、梅毒、HBV

   以上のうち5

 

 

5)腹痛を主訴とした患者の場合、右季肋部、心窩部、側腹部、下腹部のそれぞれに頻度

の多い鑑別疾患をそれぞれ1つずつ挙げなさい。

 

 答:

右季肋部:FHCSFitz-Hugh-Curtis症候群)←女性の場合

心窩部:胃炎、胃十二指腸潰瘍

側腹部:尿管結石

下腹部:腸炎

 

 

「プライマリー・ケアとは」総合診療部 林先生

【1】プライマリ・ケアについて簡潔に説明してください。

 

解答例:

 初期医療とも言われ、患者の抱えるほとんどの問題に対して総合的な視点から対処でき、信頼感が醸

成される人間関係を築くことで患者が受診しやすい状況を作り、かつ家族や地域という枠組みの中で責

任ある診療を行う医師によって提供されるヘルスケアサービスのこと。全人的医療が行われる。

 

 

【2】プライマリ・ケア(総合診療)医師として接する患者の症状は何が多いか5つ列挙してください。

 

解答:

 発熱、全身倦怠感、腹部症状、咳、腰背痛、頭痛など常識的なものならば何でも良いと思います。

 

 

 

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