老年病学 平成19年度本試験

(獲得)

  2007.12.12 10:0012:00実施

  問題用紙は解答用紙とセットでA3×13

  不合格:?人

 

【1】次の文の(  )に適語を記せ。

1)高齢者の糖尿病では腎症がないにも関わらず、高K血症、さらに低血圧を認めること

がある。原因の1つとして(  )症があり、加齢と糖尿病性自律神経機能低下のた

め(  )系の反応が低下ないし不応となっているためである。

 

2)高齢者で低Na血症をみた場合、体液喪失やSIADH以外に(  )という病態がある。

  これは、加齢による腎機能低下のためNa保持能力が低下、相対的AVP分泌の維持の

ため生じる。治療はSIADHと異なり、(  )は禁忌で(  )を投与する。

 

3)血中のリン濃度が上昇すると(  )が骨組織や肝臓から分泌され、腎の(  )酵

素を抑制し、活性型ビタミンD3の合成が低下する。

 

4)老化遺伝子と見出された(  )は細胞外Ca値が低下すると(  )を細胞膜表面に

動員し、そのNa勾配によりCaを細胞外(血中)へ移動させる。

 

5)ステロイド性骨粗鬆症では、ステロイド投与開始後(  )ヶ月に骨折リスクが増加

するので、ステロイド投与開始前の治療が望ましい。ステロイド性骨粗鬆症による骨

折の予防には、現在、(  )投与が最も効果的である。

 

6)(  )とは、老年病を医学的側面ばかりでなく、身体・精神機能評価、社会的評価を

加味して治療を行うものである。

 

7)片側副腎腺腫による原発性アルドステロン症にアドステロールシンチグラフィーを行

う際は(  )を事前投与する必要があるが、片側微小副腎腺腫では、事前投与する

と(  )という結果になる。

 

8)加齢により臓器の機能は一般に低下するが、特に(  )と(  )の機能の低下が

著明となるので、投薬・治療の際には注意が必要である。

 

9)遺伝性早老症であるウェルナー症候群は(  )人に多く、(  )容貌を呈し、白髪、

白内障、また癌を好発する。原因遺伝子は(  )である。

 

10)副腎から分泌される(  )は思春期に上昇し、2030代以後、加齢と共に血中濃度

が低下する。心房性利尿ホルモンは加齢によりその血中濃度は(  )する。

 

1165歳以上を統計学的に高齢者として扱うが、特に(  )歳以上は老化の徴候が強く

現れるため後期高齢者として分類する。

 

 答:

 

 

 

 

 

【2】下記の設問に答えよ。

1)老年者の心疾患の特徴として正しいものを選べ。

 1)心不全では貧血を合併する例が多い。

 2)降圧薬投与時は、起立性低血圧の有無と腎機能の悪化には注意を要する。

 3)高齢者高血圧患者では血管の弾性が低下しているため拡張期血圧は高いことが多い。

 4)ジギタリス製剤は通常投与量をきちんと投与する必要がある。

 5)左室収縮機能が正常であれば心不全は除外できる。

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

2)老年者の虚血性心疾患について正しいものを選べ。

 1)病歴聴取が困難な場合があり、症状も非典型的なことが多い。

 2)高齢者には冠動脈インターベンションより冠動脈バイパス手術のほうが安全である。

 3)無症候性心筋虚血は少ない。

 4)薬物治療にさいして肝・腎機能に注意しておけば、通常投与量を使用すべきである。

 5)陳旧性心筋梗塞があり、心房細動を合併していればワーファリンの投与を考慮する。

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

【3】設問に答えなさい。

1)次の文章の(  )に当てはまる語句を下の中から選び、その記号を記入しなさい。

 1)加齢に伴い肝の薬物代謝の(  )は低下する。

 2)高齢者に睡眠薬を用いる場合、筋弛緩作用の弱いもの、すなわちベンゾジアゼピン

受容体の(  )受容体に選択性の高い薬剤のほうがよい。

 3)(  )は、加齢に伴って薬剤感受性が低下する薬物として知られている。

 4)加齢に伴いベンゾジアゼピンなどの(  )薬剤は蓄積作用が出やすくなる。

 5)米国において高齢者への処方が不適切であるとした薬剤のリストを(  )のリス

トという。

 

 a)第2相  b)β遮断薬  c)α1  d)Davis  e)中枢性  f)脂溶性

 g)α2  h)β2  i)第1相  j)Beers  k)ω1  l)Ca拮抗薬

 m)水溶性  n)ACE阻害薬  o)Huntington  p)第3相  q)Young

 r)β1  s)抗コリン薬  t)ω2

 

 答:

 

 

2)「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2005(日本老年医学会編)」において、「高齢者

に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト」に記載されている下記の薬物に関し、

その薬物が慎重投与とされる主たる理由や副作用を下の中からそれぞれひとつ選びなさ

い。

 6)トリアゾラム  7)スルピリド  8)チクロピジン

 9)アミトリプチリン  10)インドメタシン

 

 a)抗コリン作用  b)徐脈  c)陰性変力作用  d)前立腺肥大  e)過降圧

 f)錐体外路症状  g)中毒  h)乳酸アシドーシス  i)心刺激作用

 j)低血糖  k)起立性低血圧  l)うつ  m)インポテンツ  n)鎮静

 o)QT短縮  p)血小板減少  q)下痢  r)消化性潰瘍  s)健忘

 t)高血糖

 

 答:

 

 

【4】次の設問に答えよ。

1)アルツハイマー病で、初期よりしばしば見られる症状はどれか。

 1)短期記憶障害  2)長期記憶障害  3)失語・失行・失認

 4)常同症  5)性格変化

 a)13 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

2)日本における現在の認知症の推定患者数は概ねどれくらいか。

 a)5万人  b)50万人  c)200万人  d)500万人  e)1000万人

 

 答:

 

 

3)次の認知症のうち舞踏病(不随意運動)を呈することが多いのはどれか。

 a)三山病  b)レビー小体型認知症  c)ハンチントン病

 d)CADASIL  e)前頭側頭型認知症(FTD

 

 答:

 

 

4)アルツハイマー病とピック病の鑑別に役立つ検査はどれか。

 1)脳波  2)血液生化学検査  3)脳血流シンチグラフィー(SPECT

 4)頭部MRI  5)脳脊髄液検査

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

5)アルツハイマー病脳で普通は見られない病理所見はどれか。

 1)クル斑  2)Pick小体  3)海馬神経細胞脱落  4)老人斑

 5)海綿状変化

 a)123 b)125 c)145 d)134 e)345

 

 答:

 

 

6)アルツハイマー病の中核症状の治療薬はどれか。

 a)向精神薬  b)MAO-B阻害薬  c)コリンエステラーゼ阻害薬

 d)抗コリン薬  e)選択的セロトニン再取り込み阻害薬

 

 答:

 

 

7)血管性認知症に当てはまるものはどれか。

 1)幻覚・妄想が多い  2)階段状悪化  3)腱反射の左右差

 4)高血圧症が多い  5)失行・失語・失認がしばしば見られる

 a)123 b)125 c)145 d)234 e)345

 

 答:

 

 

8)感染性ではない認知症疾患はどれか。

 1)進行麻痺  2)進行性多巣性白質脳症(PML) 3)神経ベーチェット病

 4)ウェルニッケ・コルサコフ症候群  5)クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

9)初期からパーキンソニズム(筋硬直、振戦、無動)が目立つ疾患はどれか。

 1)アルツハイマー病  2)ピック病  3)皮質基底核変性症(CBD

 4)進行性核上性麻痺(PSP) 5)レビー小体型認知症(DLB

 a)123 b)125 c)145 d)234 e)345

 

 答:

 

 

10)せん妄に当てはまるものはどれか。

 1)発症は緩徐  2)うつ症状がある  3)錯覚・幻覚を伴う

 4)精神・興奮症状は動揺性  5)昼夜逆転現象

 a)123 b)125 c)145 d)234 e)345

 

 答:

 

 

【5】設問に答えよ。

1)日本における最近の人口問題で正しいのはどれか。

 1)65歳以上の高齢者は50年後には2人に1人になる。

 2)2005年に初めて総人口が減少し始めた。

 3)男女合わせた平均寿命は86歳である。

 4)最新の出生率は2.0に留まっている。

 5)高齢者の比率は世界第2位となった。

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

2)老年者の病気の特徴で正しいのはどれか。

 1)単一疾患は少ない  2)症候が定型的でない  3)妄想錯乱は呈しにくい

 4)検査場、個人差小さい  5)電解質異常はまれである

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

3)老年者の最近の疫学について誤りはどれか。

 1)男性健康寿命はおよそ73歳  2)女性健康寿命はおよそ78

 3)脳卒中死亡内訳では脳出血が多い  4)寝たきり原因疾患のトップは骨折

 5)老年期痴呆(認知症)の数は年々増加

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

4)高齢者における脳血管障害について正しいのはどれか。

 1)脳梗塞の発症率自体は急増する。

 2)脳梗塞に占める脳塞栓症の比率は減少する。

 3)くも膜下出血は女性に比し男性に多く見られる。

 4)アミロイドアンギオパチーに伴う脳卒中は減少する。

 5)高齢者の脳梗塞は生活習慣改善とともに脱水にも充分気をつける。

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

5)脳梗塞について誤りはどれか。

 1)閉経以降の女性では急峻に増加  2)脳塞栓症では皮質の病変が多い

 3)前大脳動脈の閉塞では上肢の麻痺が強い

 4)超急性期においてはFLAIR画像が有用である

 5)後大脳動脈の閉塞では同名半盲を生じやすい

 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45

 

 答:

 

 

6)脳梗塞について正しいのはどれか。

 a)脳卒中は疾病別死因の第3位で、その1/2弱が脳梗塞である

 b)アテローム血栓性の脳梗塞や全身血管病変は都市部で減少中

 c)我が国の脳梗塞で最も多いタイプは心原性脳塞栓症になった

 d)心原性脳塞栓症では数時間かけて緩やかに進行増悪する例が多い

 e)発症3時間以内であればt-PAの血栓溶解静注療法の適応の可能性がある

 

 答:

 

 

7)アテローム血栓性脳梗塞について誤りはどれか

 a)冠動脈疾患や閉塞性動脈硬化症の合併が多い

 b)メタボリックシンドロームの関与が大きい

 c)数日かけて徐々に進行する例が多い

 d)抗血小板薬よりも抗凝固薬の使用が増えつつある

 e)主幹脳動脈病変に脱水や急激な降圧を引き金に起こりやすい

 

 答:

 

 

8)心原性脳塞栓症について誤りはどれか。

 a)心房細動、心筋梗塞、心筋症などが基礎疾患に多い

 b)高齢者では弁膜症性心房細動(valvular AF)が断然多い

 c)突発完成型の重症例が多く、予後も不良である

 d)皮質枝領域の病変が多く、意識障害をきたしやすい

 e)再発予防には抗凝固薬を用いるのが一般的である

 

 答:

 

 

9)ラクナ梗塞について誤りはどれか。

 a)比較的、軽症例が多い  b)高血圧が最重要危険因子である

 c)一般的に長径30mm未満の脳梗塞をいう

 d)無症候性脳梗塞や微小出血の合併も少なくない

 e)多発することで認知症の原因になりやすい

 

 答:

 

 

10)一過性脳虚血発作について正しいのはどれか。

 1)アテローム血栓性脳梗塞の前駆症状である

 2)意識消失やめまいの発作だけではいわない

 3)再発予防には主として抗血小板薬を用いる

 4)症状の持続では1時間前後がもっとも多い

 5)大動脈弓部の病変がきわめて重要とされている

 a)123 b)135 c)234 d)245 e)345

 

 答:

 

【6】老年者の骨・関節疾患に関する以下の設問に答えよ。

1)腰部脊柱管狭窄症について、正しい記載2つに○を付けよ。

 1)前縦靭帯の肥厚が、発症の原因になる。

 2)変形性脊椎症によるものは、女性に多い。

 3)腰椎変性すべり症によるものは、男性に多い。

 4)腰椎の前屈により、症状が軽減する。

 5)間欠性跛行を呈する。

 

 答:

 

 

2)股関節病変について、正しい記載2つに○を付けよ。

 1)我が国における変形性股関節症は、臼蓋形成不全によるものが多い。

 2)変形性股関節症は、多くの場合自然に治癒する。

 3)初期変形性股関節症に対して、人工股関節置換術を行う。

 4)大腿骨頭壊死症の発生は、ビスフォスフォネート投与で予防できる。

 5)壊死範囲が広い大腿骨頭壊死症には、人工骨頭置換術を行う。

 

 答:

 

 

3)膝関節疾患について、正しい記載2つに○を付けよ。

 1)緩徐な発症で、歩き始めに膝が痛い症例では、変形性膝関節症を疑う。

 2)化膿性膝関節炎には、ヒアルロン酸の関節内注入が有効である。

 3)我が国の変形性膝関節症では、外側関節裂隙に圧痛がある症例が多い。

 4)膝関節外側と膝蓋大腿関節に骨棘がある変形性膝関節症には、高位脛骨骨切り術が

行われる。

 5)人工膝関節置換術は、変形性膝関節症だけでなく関節リウマチに対しても行われる。

 

 答:

 

 

4)骨粗鬆症関連骨折について、正しい記載2つに○を付けよ。

 1)大腿骨頚部外側骨折の手術では、人工骨頭置換術を用いる。

 2)大腿骨頚部骨折は、屋内における転倒で発生することが多い。

 3)脊椎圧迫骨折では、手術の対象となる症例が多い。

 4)大腿骨頚部骨折の発症年齢は、橈骨遠位端骨折の発症年齢より若い。

 5)一箇所椎体骨折を起こせば、数年以内に他の椎体に骨折をきたす。

 

 答:

 

 

5)骨粗鬆症について、正しい記載2つに○を付けよ。

 1)骨塩量値がYAM62%であれば、薬物療法の適応である。

 2)骨折予防効果が証明されている薬剤は、ビスフォスフォネート、蛋白同化ステロイ

ド、イプリフラボンの3剤である。

 3)カルシウムの摂取量は、1600mg以上が望ましい。

 4)ステロイドパルス療法は、大腿骨頚部骨折の発生頻度を減少させる。

 5)悪性腫瘍の脊椎転移は、骨粗鬆症同様、骨量減少や圧迫骨折の原因となる。

 

 答:

 

 

【7】設問に答えよ。

1)加齢に伴い増加するものはどれか?

 a)肺弾性  b)1秒量(FEV1) c)肺拡散能(DLco

 d)肺活量(VC) e)胸壁の硬度

 

 答:

 

 

2)市中肺炎の重症度を決定する根拠として正しくないものはどれか?

 a)年齢  b)脱水  c)意識障害  d)CRP  e)低酸素血症

 

 答:

 

 

3)高齢者肺がんに関する記載で誤りはどれか?

 a)若年者に比べ高齢者での発生がより増えている。

 b)高齢者には積極的治療の適応がない。

 c)高齢者の治療エビデンスは少ない。

 d)高齢者でも化学療法の効果が期待できる。

 e)高齢者では化学療法の副作用が出やすい。

 

 答:

 

 

4)高齢者結核の特徴で誤りはどれか?

 a)排菌患者が増加傾向にある。 b)臨床症状に乏しい。

 c)喀痰検査が重要である。 d)感染性に乏しい。 e)免疫能の低下がみられる。

 

 答:

 

 

5)COPDX線所見について誤りはどれか。

 a)横隔膜平低下  b)滴状心  c)胸骨後腔拡大  d)透過性亢進

 e)網状粒状影

 

 答:

 

 

【8】更年期障害について、正しいものを2つ選べ。

1)黄体ホルモンの低下により起こる。

2)幻覚をよく訴える。

3)閉経後骨粗鬆症は肥満の女性に多い。

4)治療薬のひとつに、漢方薬がある。

5)子宮摘出後の患者に起こることが多い。

6)ホルモン補充療法は、閉経後の尿失禁にも効果がある。

 

答:

 

 

【9】以下の設問に答えよ。

1)動脈硬化の発生・進展機序に関する「沈着反応説(response to retention hypothesis)」

について説明せよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

2)「粥腫破綻(plaque rapture)」の発生機序とその病理学的意義について説明せよ。

 

 

 

 

 

 

 

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