平成20年度  アレルギー・膠原病 卒業試験

 

 (08/10/17)

 

【1】   この文章を読んで以下の問いに答えよ。

24歳の女性。妊娠五カ月より、時々微熱、脱毛を認めるようになった。産科では、血圧110/64mmHg、2+のタンパク尿、Hb9.9g/dlWBC3200/μl,Plt6/μlを指摘された。肝機能・腎機能には異常なし。妊娠七か月目に切迫流産となったが軽快した。精査を勧められ当科を紹介された。なお胎児は週数齢に比べて発育の遅延を認める。現症では、軟口蓋に潰瘍形成、腋窩リンパ節の腫大を認めた。

 

1)診断のために有用性の高い病歴、症状の組み合わせを選べ。

(a) 過去の流産歴

(b) 喫煙歴

(c) 全身倦怠感の有無

(d) 関節痛の有無

(e) 皮疹の有無

 

A.    abc  B. abe  C.ade  D.bcd  E.cde

 

C

 

2)確定診断や今後の治療方針に必須である検査項目の組み合わせは何か。

(a) 抗血小板抗体

(b) 抗カルジオピリン抗体

(c)DNA抗体

(d) SS-A抗体

(e) Scl-70抗体

 

A.    abc  B. abe  C.ade  D.bcd  E.cde

 

    D

 

 3)この患者の治療で正しいものを一つ選べ。

 A帝王切開

Bメチル酸ガベキサートの投与

Cγグロブリン投与

D血漿交換と免疫抑制剤の投与

E副腎皮質ステロイド剤の投与

Fワーファリンの投与

 

 E

DFは催奇形性のため禁忌

 

 

【2】   この文章を読んで以下の問いに答えよ。

52歳の女性。10年前からレイノー症状、手指の腫脹、関節痛があった。最近、労作時に軽度の息切れ、咳が出現し、また朝髪がとかしづらくなったため受診した。身体所見では発熱なし。四肢末梢から上腕、顔面の皮膚が硬化し、手指の関節背面にはやや赤くなった局面に落屑を認めた。検査所見では、尿たんぱく、血尿は陰性。赤沈値12mm/hWBC 5800/μl、抗DNA抗体陰性、リウマトイド因子320倍。

 

(1)   さらに知りたい情報として重要なのはAEの組み合わせのうちどれか。

a)     針反応 b)聴診所見 c)筋の把握痛 d)徒手筋力テスト e)脱毛の有無

 

A.    abc  B. abe  C.ade  D.bcd  E.cde

  

D

(2)   診断に有用な検査はどれか。

a)     胸部X線所見 b)筋電図 c)筋生検 d) 甲状腺機能検査 e)腎生検

 

   A.abc  B. abe  C.ade  D.bcd  E.cde

         

         A   

(3)   本疾患で注意するべき合併症は何か。一つ選べ。

a)     脳梗塞 b)悪性腫瘍  c)細菌性肺炎 d)大腿骨頭壊死  e)無菌性髄膜炎

 

         B

 

【3】この文章を読んで以下の問いに答えよ。

  46歳主婦。主訴:発熱・嘔吐

現病歴:10年前に眼球乾燥感、5年前に口腔内乾燥感、4年前にレイノー症状が生じたが放置していた。最近、両手指の関節痛を訴えて某医を受診し、イブプロフェンを処方され内服した。その翌日に頭痛、40度の発熱、悪寒、嘔気、嘔吐が出現したため紹介され入院した。既往歴、家族歴に特記事項なし。

現症:血圧108/72、脈拍108/分、整、耳下腺・顎下腺の腫脹はない。呼吸音、心音に異常なし。腹部に異常なし。両側MPPIP関節の腫脹と熱感を認める。神経学的所見では、意識は軽度障害、項部硬直がある。

検査所見:白血球7400/μl、赤血球 382/μlHb 33.7% 、血小板17.2/μl、血沈 42mm/hr CRP 3.8mg/dl RA 48.5IU/ml IgG2334mg/dl IgA384mg/dl IgM67mg/dl CH50 55U/ml C3 82mg/dl C4 29mg/dl、抗核抗体 X320(speckled pattern)、 電解質正常、BUN11mg/dlCr0.4mg/dl、検尿:タンパク(-) 潜血(-)、 髄液検査:初圧 18cm、終圧 15cm、総細胞数1112/3(好中球1096 、リンパ球16)、タンパク  56mg/dl、 糖67mg/dl

 

1)考えられる疾患はどれか。

  (1)全身性エリデマトーデス(2)抗リン脂質抗体症候群(3)シェーグレン症候群(4)無菌性髄膜炎(5)関節リウマチ

a.12  b.15  c.23  d.34  e.45  f.56  g.26

  

              d

2)診断のために有用な検査所見はどれか。

  (1)抗SS-A抗体(2)髄液培養検査(3)ANCA(抗好中球細胞質抗体)(4)梅毒検査(5)ローズベンガルテスト

  a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

 

          b

3)現時点での治療法として妥当なものを二つ選べ。

  a.抗生物質投与 b.血漿交換療法 c.副腎皮質ステロイド投与 d.免疫抑制剤投与 e.抗凝固療法 f.非ステロイド性抗炎症剤投与

 

            c、f

4】関節リウマチの活動性を評価するために必要な診察・検査について正しい組み合わせはどれか?

(1)抗CCP抗体(2)体重(3)CRP(4)腫脹関節数(5)MMP-3 

     a.123  b.234  c.345  d.125  e.145

 

               e

 

【5】抗好中球細胞質抗体の出現がよく見られる組み合わせはどれか。

 

(1)Churg-Strauss症候群

(2)Wegener症候群

(3)顕微鏡的多発血管炎

(4)結節性多発動脈炎

(5)側頭動脈炎

  a.123  b.234  c.345  d.125  e.145

 

             a

  

 

【6】間接蛍光抗体法における抗核抗体検査について、正しい組み合わせはどれか。

 

(1)全身性エリテマトーデスにおける陽性率はおよそ70%である。

(2)健常人(特に女性)や膠原病以外の患者における陽性率はおよそ5%である。

(3)抗核抗体検査が陰性の場合には膠原病を否定することができる。

(4)ループス腎炎の活動性を評価するための自己抗体検査の中で、最も重要な検査である。

(5)抗dsDNA抗体は、通常、辺縁型(周辺型)rim (peripheral)の染色パターンを示す。

 

a.13  b.14  c.23  d.25  e.45

 

            d

(1) はイヤーノートによると100% 

 

【7】症例1

50歳、男性。2007年より起床時に手のこわばり、両側手関節、両側膝関節、両側肩関節の疼痛と腫脹が出現し近医を受診。採決にて炎症反応を指摘され、プレドニン10mg/日の治療で疼痛・腫脹はいったん改善したが、半年後より関節症状増悪を認め当院受診。両側上腕、大腿部に筋肉痛あり。現在、起床時の手のこわばりは三時間認める。

身長170cm 75kg、体温  36.8度、血圧 146/92mmHg、脈拍  86/分、整。貧血・黄疸なし。表在リンパ節腫脹なし。心音、肺音異常なし。腹部異常なし。四肢では、両側手関節の疼痛腫脹、右第 23中手関節の腫脹、左 123中手関節の疼痛腫脹、両側膝関節および足関節の疼痛腫脹、左第 5指中足関節に疼痛腫脹あり。リウマトイド結節なし。検査所見では、血沈 20mm/HrWBC 5000/ml Hb10.2g/dl、尿所見なし、  TP7.8g/dl  Alb 4.0g/dl  BUN 16.0mg/dl  Cr 0.8mg/dl  Na146mEq/L  K 4.0mEq/L  Cl 108mEq/L  AST 20U/L  ALT  16U/L  LDH 260U/L  g-GTP 20U/L  T.Chol 160mg/dl  IgG 1520mg/dl  IgA 210mg/dl  IgM 88mg/dl  CRP  2.4mg/dl  ANA 40X  RF 110IU/ml  C3 114mg/dl  C4 26mg/dl  CH50 46U/ml  MMP-3  136ng/ml   抗CCP抗体 100U/m l以上  X線上では手関節に骨びらんや萎縮を認めず。 

 

(1)   本症例で最も疑われる疾患について以下より一つだけ選べ。

A)関節症状ならびに検査所見より変形性関節症と診断。

B)関節症状ならびに検査所見より悪性関節リウマチと診断。

C)米国リウマチ学会の診断基準の3項目を満たし関節リウマチと診断。

D)米国リウマチ学会の診断基準の4項目を満たし関節リウマチと診断。

E)米国リウマチ学会の診断基準の5項目を満たし関節リウマチと診断。

 

   E

一時間以上続く朝のこわばり、三ヶ所以上の関節炎、手関節炎、対称性関節炎、リウマトイド因子(リウマトイド結節(-)、X線変化(ー))

 

(2)   本症例の疾患の早期診断に有用な検査を以下より2つ選べ。

A)補体(C3.C4,CH50

B)IgG型リウマトイド因子

C)MMP-3Matrix metalloproteinase-3

D)CCP抗体

E)抗ガラクトース欠損IgG抗体

 

     CD

 

(3)   本症例にまず使用する治療薬として適切でないものを以下より二つ選べ。

 

A)ステロイド増量

B)ブシラミン

C)生物学的製剤

D)サラゾスルファピリジン

E)メトトレキサート

 

       A,C

   (B,D,EDMARD)     

 

(4)   生物学的製剤使用についての禁忌を以下より三つ選べ。

 

A)胃潰瘍

B)うっ血性心不全

C)活動性結核

D)腎不全

E)重症感染症

   

    BCE

 

症例2

関節リウマチにて15年間治療を行ってきた68歳の女性患者にて、最近下痢が目立ってきた。胃生検にて、aのコンゴー・レッド染色を施行。コンゴー・レッド染色で染色され、bの過マンガン酸カリウム処理にて染色性は失われた。

 

(5)本症例で疑われる疾患の初発症状をして下痢のほかに多いものを以下より一つ選べ。

A)手根管症候群

B)不整脈

C)巨舌

D)タンパク尿

E)骨痛

 

        D

 

(6)本症例で(5)の症状が見られた場合、治療方針として適切なものを以下より二つ選べ。

A)メトトレキサートをできるだけ増量する。

B)非ステロイド系抗炎症薬をできるだけ増量する

C)ステロイドの大量投与をする

D)エタネルセプトのような生物学的製剤を考慮する

E)関節リウマチの疾患活動性をできるだけ抑えることが大事である

     

        DE

 

【8】..以下の膠原病類縁疾患の説明の中で、間違っているものの番号を一つ解答欄に記入せよ。
1 )
混合性結合組織病
①Raynaud
現象と「指または手背の腫脹」が永く続くことが特徴であり、手指の腫脹は「ソーセージ様指」と呼ばれる。
U1-RNP抗体が陽性となる。
③ 20
%程度に心電図異常を認め、 10-30%程度に心外膜炎を伴う。
肺病変は25%に認め、また肺高血圧は4%に認められ、肺高血圧は混合性結合組織病の死因の第1位である。
血液学的所見では貧血が最も多いが、クームス陽性例もあり、溶血性貧血が多い。

2)シェーグレン症候群
自己抗原として、臓器特異的抗原にはα-アミラーゼが、臓器非特異的抗原にはRo/SS-A52kD蛋白、 HSP10/60蛋白がある。
自己抗体として、抗Ro/SS-A抗体は2030%の症例に陽性であり、シェーグレン症候群に特異性が高い。また抗La/SS-B抗体は、 5070%の症例で検出される。
③IgG
IgAを中心とした高γグロブリン血症が6080%に認められ、またクリオグロブリン(lgM-IgG)も高率に検出される。
鑑別診断として、ドライマウスをきたす糖尿病、唾液腺萎縮症、薬剤の副作用、高齢に留意する。
合併症として、慢性甲状腺炎(橋本病) 、原発性胆汁性肝硬変、悪性リンパ腫が認められる。

3)成人スティル病
不明熟の原因疾患の5-10%を占める。
発熱は必発であり、毎日夕方から夜にかけて39℃以上のピークを持つ弛張熟を呈することが多い。
定型的な皮疹はリウマトイド疹と呼ばれ、径数ミリ大の掻痒感のない赤桃色の紅班で発熱に伴って一過性に認められることが多い。
リウマトイド因子は陰性で、好中球を主体とした白血球の上昇を認めるが、通常フェリチン値は低下している。
合併症として、続発性アミロイドーシスや播種性血管内凝固がまれに認められ、また約12%にマクロファージ活性化症候群が認められる。

4)リウマチ性多発筋痛症
しばしば側頭動脈炎を合併し、眼底検査で視神経乳頭の虚血性変化、網膜の綿花様白斑、小出血を認める。
主症状である筋痛、筋のこわばりの出現部位は、大腿部、肩甲部、上腕部、頚部、側頭部、骨盤部、下腿部,腰部、背部の順であり、手指等の小関節病変はほとんどみられない。
筋痛、こわばりを訴える部位には把瞳痛がみられ、筋力低下や妬萎縮が通常認められる。
典型的な例では、赤沈値の亢進(40mm以上/時間) CRP、フィブリノーゲンの急性期反応蛋白も上昇し、自己抗体は陰性で、血清補体価は正常であり、またCKその他の骨格筋由来酵素の上昇は伴わないことも特徴である。
腫瘍随伴症候群として発現することがあり、特に悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫などの血液腫瘍との鑑別が必要である。

5)ベーチェット病
再発性口腔内アフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍、眼症状を4大主症状とする。
鑑別診断として特に、ライター症候群、スウィート病、サルコイドーシス、痛風、クローン病、潰瘍性大腸炎、バージャー病、多発性硬化症が挙げられる。
③ HLA-B27
と関連した遺伝的素因と何らかの外因が発症に関与すると考えられている。
皮膚症状は結節性紅斑と毛嚢炎様皮疹が最もよく認められ、眼症状は、前眼部のみに起こる虹彩毛様体炎型と、眼底の病変を伴った網膜ぶどう膜炎型に大別される。
消化器病変では典型的には回盲部に深い潰瘍を形成し、血管病変は95%が静脈系の障害であり、特に下腿深部静脈に血栓性閉塞が発症し、また10%の患者に神経病変が発症する。

6)線維筋痛症
日本人の人口の0.166%、約20万人の患者が存在する。
② 20
60歳代の女性に特に多いといわれている。
結合組織や筋組織の疼痛を主症状とし、広範囲に及ぶ疼痛が3ケ月以上持続し、全身18箇所に存在する圧痛点のうち4kg以下の圧力で11箇所に疼痛が存在することが診断基準とされるが、疼痛の出現部位や疼痛の程度は患者によって多様性に富む。
不眠、疲労感、様々な精神神経症状を伴い、更に口腔内乾燥感やドライアイなどのシェーグレン症候群様の症状や、過敏性大腸炎、膀胱炎などの多彩な症状を呈する。
睡眠障害は90%以上の患者で認められ、疼痛と睡眠障害が悪循環を繰り返し、また疼痛のためうつ状態となることも多い。

  1)e 2)b 3)d 4)c 5)c 6)a

 

【9】血管炎症候群につき正しい組み合わせはどれか。

(1)高安動脈炎では約3分の1の症例で大動脈閉鎖不全を合併する。

(2)気管支喘息患者の約5000例に1例の割合でアレルギー性肉芽腫血管炎を発症する。

(3)顕微鏡的多発血管炎では約半数の症例で間質性肺炎を認める。

(4)古典的結節性多発動脈炎の男女比は1:3で、女性に多い。

(5)膠原病で認められるクリオグロブリン血症は主にⅠ型である。

 

a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

 

   a

  ((4)古典的結節性多発血管炎は男性に多い。   (5)Ⅰ型:多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症  Ⅱ型:HCV,EBV,シェーグレン症候群  Ⅲ型:SLE,感染症、Heonoch-Schonlein紫斑病) 

 

10】血管炎症候群につき正しい組み合わせはどれか。

(1)顕微鏡的多発血管炎では古典的多発血管炎より抗好中球細胞質抗体の陽性率が高い。

(2)抗好中球細胞質抗体は診断に有用だが疾患活動性とは相関しない。

(3)50歳未満で側頭動脈炎を発症することは稀である。

(4)ウェゲナー肉芽腫症に伴う腎病変では糸球体に免疫グロブリンの沈着をほとんど認めない。

 

a.134  b.12  c.23  d.4  e.1-4

 

   a

 

11】非ステロイド抗炎症薬につき正しい組み合わせはどれか。

(1)COX-2選択的阻害薬では胃潰瘍の発生頻度が低い。

(2)ピロキシカムは長時間作用型、イブプロフェンは短時間作用型である。

(3)ロキソプロフェンNaやジクロフェナクNaはプロピオン酸系に分類される。

(4)一般的に抗血栓作用がある。

 

a.134  b.12  c.23  d.4  e.1-4

 

   e

 

12】免疫抑制剤につき正しい組み合わせはどれか。

 

(1) カルシニューリン阻害薬は主にB細胞の機能を抑制する。

(2) タクロリムスはループス腎炎に対し有効である。

(3) メトトレキサートは関節リウマチや多発性筋炎に対し使用される。

(4) 静注シクロフォスファミド500mg//月は同薬の経口50mg/日投与と比較し効果は同等だが副作用が多い。

a.(1)(3)(4)  b.(1)(2)  c.(2)(3)  d.(4)のみ  e(1)(4)

 

139か月の乳児。7日前から3839℃の発熱が持続し、抗生物質を投与されたが解熱しないので来院した。

両眼結膜が充血し、口唇の紅潮、苺舌および口腔粘膜の発赤を認める。右側頸部に2㎝大のリンパ節を触知する。

体幹と四肢末端とに紅斑がみられる。BCG接種部位が発赤している。

この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ。

(1) BCG接種部位の発赤はこの疾患に特異性が高い。

(2) 4歳以上に好発する。

(3) 血小板が高頻度で減少する。

(4) 冠動脈病変を合併する。

(5) 副腎皮質ステロイド薬が第一選択である。

1.a  2.b  3.c  4.d  5.e

 

149歳の女児。持続する発熱を主訴として来院した。
現病歴: 10日前に38
台の発熱があり、同時に紅色、斑状の発疹が主として躯幹に散在性に出現した。

近医にて、蕁麻疹らしいと診断され投薬を受けた。発疹はその後出没していたが、3日ほどで消失した。

しかし、3739の発熱は持続し、膝や足の関節を痛がることがあった。この間、咳や鼻水が出るなどの症状はなかった。

解熱傾向がないので来院した。
既往歴: 5歳頃から気管支喘息の発作が起こるようになり、現在もその都度治療を受けている。
家族歴: 父親にアレルギー性鼻炎がある。
現症: 身長121cm、体重23㎏、体温38.2
。血圧122/68mmHg。脈拍102/分、整。
全身状態は比較的よい。頸部に径5mmほどのリンパ節を左に2個、右に3個触知するが、圧痛はない。

胸部聴診で心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音は正常で、ラ音はない。腹部触診で肝、脾および異常腫瘤を触れない。
検査所見: 赤血球387/μlHb 10.8g/dlHt32%、白血球11800/μl (好中球桿状核32%、好中球分葉核46%、好酸球2%、単球3%、リンパ球17%)

網赤血球10‰、血小板35/μl。赤沈52mm/1時間、CRP 5+

 

1) この時点の症状と所見から可能性がある疾患はどれか。3つ選べ。

(1) 敗血症 (2) リウマチ熱 (3) 若年性関節リウマチ (4) アナフィラクトイド紫斑病 (5) EBウイルス感染症
a.(1)
 b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)

 

2) 3日後、心尖部に3/6度の左方に放散する逆流性収縮期心雑音を聴取するようになり、次の検査所見を得た。

血清IgM 82mg/dl (正常60100)IgG 1380mg/dl (正常9001200),IgA 120mg/dl (正常100250),ASO 500単位(正常166以下)

抗核抗体陰性、リウマトイド因子陰性、血清補体価CH50 36単位(正常3040)。血液培養は陰性であった。

この患児に投与すべき薬剤はどれか。2つ選べ。
(1)
エリスロマイン (2) ぺニシリン (3) 副腎皮質ステロイド薬 (4) アスピリン (5) メソトレキサート
a.(1)
 b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)

 

1511歳の女児。1週間前から発熱、関節痛、食欲不振、顔面の蝶形紅斑を認め来院した。

赤血球345/μlHb 9.6g/dlHt 29.5%、白血球2,000/μl (好中球分葉核26%、好酸球1%、リンパ球73%)、血小板9/μ1

赤沈30mm/1時間、CRP(+)、尿所見: 蛋白(++)、糖(-)、沈渣に赤血球40/1視野、白血球25/1視野を認める。
この症例について、次の問いに答えよ。

 

1) 診断に重要な検査はどれか。

(1) 血清IgA (2) 血清補体価 (3) DNA抗体 (4) 腎生検 (5) ASO,ASK
a.(1)
 b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)

 

2) 想定される疾患について正しいのはどれか。一つ選べ。

(1) 肝炎は主要な合併症である。
(2)
副腎皮質ステロイド薬で完治する。
(3)
発症には先行溶連菌感染がある。
(4)
診断には腎生検が必須である。
(5)
母親がこの疾患の場合、新生児に完全房室ブロックが起こることがある。
a.(1)
 b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)

 

162歳の女児。2週間前から発熱、体幹部に紅色丘疹が出現。

来院時、体温40 ℃、脈榑130/ 分。頸部両側に栂指頭大のリンパ節45 個触知。

心摩擦音を聴取。肝3cm、脾3cm 触知。手指関節が腫脹し、疼痛のため動かさない。

赤血球360 / μl、血色素9.5g/dl、白血球38,000/ μ l ( 好中球70%、リンパ球24%、単球6%)、赤沈80mm/1 時間。

CRP +4、リウマトイド因子陰性、ASO 100 単位、Paul-Bunnell 反応16 倍、抗核抗体陰性、C3 80mg/dl

胸部X 線写真上心胸廓比63%。心電図低電位、ST 上昇あり。この症例について、次の問いに答えよ。

 

問 想定される疾患について正しいのはどれか。一つ選べ。

(1) この患児で鑑別診断のため骨髄穿刺は必要である

(2) この患児には心内膜炎がある

(3) この疾患では補体は低下する

(4) この疾尋では冠動脈にしばしば異常がくる

(5) リウマトイド因子陰性であるので若年性関節リウマチの可能性は低い

a.(1)  b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)

 

17】正しい組み合わせを選べ。

(1) 血管浮腫はC1 inhibitor機能障害によって家族性に出現しることがある。

(2) 蕁麻疹では白色皮膚描記症を伴いやすい。

(3) 重症型顔面アトピー性皮膚炎では白内障を伴うことがある。

(4) 金属皮膚炎は1型アレルギー反応で発症する。

(5) ランゲルハンス細胞は表皮内樹状細胞で抗原提示細胞である。

a.(1)(2)(3)  b.(2)(3)(4)  c.(3)(4)(5)  d.(1)(3)(5)  e.(1)(2)(5)  f.(1)(3)(4)  g.(2)(4)(5)

 

18】皮膚筋炎の皮膚症状として正しいものを選べ。

(1) ゴットロン兆候

(2) 多型皮膚委縮

(3) Mechanic’s hand

(4) じんましん様紅斑

(5) Pulmer erythema

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

19】強皮症の皮膚症状として正しいものを選べ

(1) 光線過敏症

(2) 斑状の毛細血管拡張

(3) 爪上皮の延長

(4) Prayer’s sign

(5) 掻破性皮膚炎

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

20】薬剤アレルギーの組み合わせで正しいものを選べ

(1) 薬剤パッチテスト          最も確実な診断法

(2) 薬剤性過敏性症候群       内服開始から1か月で発症

(3) Stevens-Johnson症候群       医薬品副作用被害救済機構

(4) 手掌・足底の色素沈着      セフェム系抗生物質

(5) 多型紅斑型薬疹          最も多い型

a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

 

21】重症薬疹について正しいものを選べ

(1) 早期診断が最も重要

(2) TEN型にはガンマグロブリン大量静注が有効

(3) TEN型薬疹ではAuspitz現象が認められる

(4) 薬剤過敏性症候群では死に至ることはない

(5) Stevens-Johnson症候群の特徴は口唇の血痂である

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

22関節リウマチの診断に関して正しいものを選べ。

(1) 非対称性多関節炎が特徴的である。

(2) 男女比は2:1 とやや男性に多い。

(3) 血清リウマトイド因子陽性であれば関節リウマチと診断できる。

(4) 関節リウマチは膝や股関節などの大関節に初発しやすい。

(5) 関節の腫脹、窓痛、朝のこわばりが典型的な初発症状である。

a.(1)(2)  b.(2)(3)  c.(3)(4)  d.(4)(5)  e.(1)(5)

 

23関節リウマチの画像診断に関して誤ったものを選べ。

(1) 罹患関節の単純X 線では関節裂隙の狭小化と骨びらんを認める。

(2) 一旦進行した関節破壊は不可逆な変化であることが多い

(3) 関節リウマチにおける関節破壊は発症後10 年以降に始まることが多い。

(4) 関節リウマチにおける関節破壊の特徴は骨棘を含む増殖性変化に富むことである

(5) MRI は脊椎、脊髄病変の診断や評価にきわめて有用である。

a.(1)(2)  b.(2)(3)  c.(3)(4)  d.(4)(5)  e.(1)(5)

 

24関節リウマチの治療について誤ったものを選べ。

(1) 関節リウマチの診断後は積極的に抗リウマチ薬を用いることが奨励されている

(2) 生物学的製剤の副作用として骨髄抑制があげられる

(3) 生物学的製剤は高価な薬剤である

(4) 生物学的製剤(インフリキシマブ、エンブレル)は炎症性サイトカインの働きを助長する

a.(1),(3),(4) のみ b.(1),(2) のみ c.(2),(3) のみ d.(4) のみ e.(1) (4) のすべて

 

25関節リウマチの治療について正しいものを選べ

(1) メトトレキセートは週1回の間欠的投与を原則とする

(2) メトトレキセートの副作用として骨髄抑制がある

(3) メトトレキセートの副作用として間質性肺炎があげられる

(4) リウマチによる荷重関節破壊には、人工関節置換術が有効である。

a.(1),(3),(4) のみ b.(1),(2) のみ c.(2),(3) のみ d.(4) のみ e.(1) (4) のすべて

 

26関節炎、関節症に関して誤ったものを選べ。

(1) 痛風の多くは母趾MTP 関節の急性単関節炎で発症する。

(2) 高尿酸血症の是正は痛風発作が軽快した後に開始する。

(3) 足以外に発症した痛風を偽痛風と呼ぶ

(4) DIP 関節の変形性関節症をブシャール結節、PIP 関節ではヘバーデン結節と呼ばれる。

(5) ヘバーデン結節では、関節裂隙狭小化のほか骨棘形成、軟骨下骨の骨硬化など骨増殖性変化を伴うことが特徴である。

a.(1)(2)  b.(2)(3)  c.(3)(4)  d.(4)(5)  e.(1)(5)

 

27強直性脊椎炎について正しいものを選べ。

(1) 典型的には仙腸関節や脊椎連結部の慢性炎症のため、脊柱の強直が緩徐に進行していく。

(2) 90% 以上の症例でHLA-B27 が陽性である。

(3) 男女比は5:1 と男性に多く、10 20 歳台に発症することが多い。

(4) 仙腸関節の骨びらんや強直、付着部炎などが特徴とされる。

a(1)(3)(4) のみ  b(1)(2) のみ  c(2)(3) のみ  d(4) のみ  e(1) (4) のすべて

 

28】アレルギーに関する以下の問いに答えよ。

1) 気管支喘息の二相性反応について正しいのはどれか。

(1) 細胞性免疫と体液性免疫が関与していることをいう

(2) 遅発型反応は細胞性免疫が関与している

(3) 即時型反応と遅発型反応がある

(4) 即時型反応は吸入誘発試験の15分後ぐらいに生じる

(5) 喘息患者では二相性反応が必ずしもみられない

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

2) 抗アレルギー薬の作用機序として正しいのはどれか

(1) PAF拮抗作用

(2) トロンボキサンA2 受容体拮抗作用

(3) H受容体拮抗作用

(4) シクロオキシゲナーゼ阻害作用

(5) Th1 サイトカイン産生抑制作用

a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

 

3)吸入ステロイド薬連続使用により起こりうる副作用はどれか

(1) 高ナトリウム血症

(2) 女性化乳房

(3) 嗄声

(4) 口腔内カンジタ症

(5) 副腎機能抑制

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

4)ステロイド薬について正しいのはどれか

(1) Tリンパ球のapoptosisを促進する

(2) 重要な副作用として大腿骨頭壊死がある

(3) 内服中の生じた糖尿病では直ちに中止すべきである

(4) 持続的筋注ステロイドを使用してはならない

(5) 長期投与に際しては骨粗鬆症の予防に注意すべきである

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

5) 誤った組み合わせはどれか。
a.
 型アレルギー反応    プリックテスト
b.
 型アレルギー反応    パッチテスト
c.
 型アレルギー反応    血清病
d.
 型アレルギー反応    免疫複合型
e.
 型アレルギー反応    リンパ球幼若化試験

 

6)気管支喘息の原因抗原検索のための検査はどれか
1)
スクラッチテスト
2)RIST (Radioimmunosorbent test)
3)
リンパ球幼若化試験
4)
凝集反応
5)RAST (Radioallergosorbent test)
a.(1)(2)  b.(2)(3)  c.(3)(4)  d.(4)(5)  e.(1)(5)

 

7)喘息について正しいのはどれか
(1)
アトピー型では遅発型瑞息反応はほとんどおこらない
(2)
気管支拡張薬は非アトピー型よりアトピー型の方が有効である
(3)
小児喘息はアトピー型の割合が非アトピー型の割合より少し多い
(4)
アトピー型、非アトピー型で気道の炎症や気道過敏性に差異はみられない
(5)
成人ではアトピー型と非アトピー型がほぼ同じ割合である
a.(1)(2)  b.(2)(3)  c.(3)(4)  d.(4)(5)  e.(1)(5)

 

8)減感作(免疫)療法に関して正しいのはどれか

(1)皮内注射で施行する
(2)
副作用としてアナフィラキシーを起こす
(3)
カンジダによる治療は奨励されない
(4)
注射局所の皮膚反応の大きさを維持量の目安とする
(5)
遮断抗体はIgA抗体に属する
a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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