平成20年度 循環器 卒業試験

 

 

【1】心筋と血管平滑筋の収縮調節に関して正しい記述の組み合わせをaeより選択せよ。

1.ミオシン軽鎖リン酸化酵素は心筋にも平滑筋にも発現する。

2.トロポニンは心筋、平滑筋いずれの収縮にも関与する。

3.イノシトール3リン酸IP3受容体はカルシウム流入チャネルとして心筋、平滑筋いずれの収縮にも関与する。

4.βアドレナリン受容体を刺激すると心筋でも平滑筋でも弛緩反応が増強する。

5.カルシウムチャネル阻害薬は心筋平滑筋いずれの収縮にも抑制作用を発揮する

 a123 b125 c145 d234 e345

 

【2】次のうち正しい組み合わせはどれか。

1.正常な心臓では、ジギタリスは心筋の酸素需要を増加させる。

2.ニトログリセリンは心筋の酸素需要を低下させる。

3.βアドレナリン受容体拮抗薬は、心筋の酸素需要を増加させる。

4.心拍数が増加すると、酸素供給量は変わらずに心筋の酸素需要を増加させる。

5.安静時、冠静脈洞の酸素分圧は上大静脈の酸素分圧よりも低い。

a)123  b)125  c)145  d)234  e)345

                                                            

【3】以下の心筋について正しくないのをaeから一つ選びなさい

a心筋は横紋筋類似の骨格筋で構築されている

b心筋は@筋細胞間で興奮を伝達し合うA収縮を繰り返しても疲労しないなどの性質をもつ

c心筋は体外に摘出されても拍動しつづける事は心臓自体に拍動を司る機構が備わっている事を意味する

d心筋には刺激伝導系が存在し@興奮伝達速度が速いA自ら周期的に興奮するなど特殊心筋と呼ばれる

e刺激伝導系が脱分極と再分極を周期的に繰り返す性質を自動能という

解答 a

 

【4】リエントリに起因しない不整脈を2つ選べ。

a.WPWに合併したPSVT

b.WPWに合併したAf

c.房室性回帰性頻拍

d.通常型AF

e.TdP

 

【5】誤っているものを選べって問題でした。

5)カテーテルで圧測定したときに、右心室圧>肺動脈圧なら、肺動脈狭窄である。

という選択肢しか覚えていません。すいません。

 

【7】20年間高血圧の治療歴のある72歳女性。背部から腰に移動する激しい痛みで救急外来に来院した。血圧180/50mmHg。胸部X線を示す(心拡大が著明で、左第12弓が拡大←動脈が曲がっているような感じ)。行うべき検査で適切なものはどれか。

1.胸腹部CT

2.心電図

3.冠動脈造影

4.心筋シンチ

5.超音波検査

a123 b125 c145 d234 e345

 

【8】48歳男性。胸部X線写真を示す。この患者に認められる身体所見を選べ。

A.遅脈

B.Kussmaul徴候

C.心膜ノック音

D.腹水

E.Austin-Flint雑音

(心膜石灰化像を認める収縮性心膜炎の画像)

 

【9】38歳の女性、小学校の教師。食事、運動、姿勢、不安と関係なく5~10分続く右乳房下の胸部不快感。症状は数か月前からで、心配になり受診。

診察、心電図は正常であった。トレッドミルはstage 4を疲労と息切れのため1分で中止。最大心拍数は162/min、血圧は170/80mmHgであり、最大運動負荷でJ点の60msの部位で水平型、下降型のST低下。回復期は4分間かけてゆっくり治った。運動負荷初期と回復期に単発の心室性期外収縮がみられた。
正しいものを選べ。
1)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)前の確率は15%以下である。
2)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)前の確率は15~50%である。
3)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)前の確率は50~85%である。
4)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)前の確率は85%以上である。

解答  1

迷惑な問題です。気にしないでおきましょう。

 

10】(9番の連問)この症例について、正しいものを選べ。

1) この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)後の確率は25%以下である。
2)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)後の確率は25~50%である。
3)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)後の確率は50~75%である。
4)
この症例が冠動脈疾患を有する検査(トレッドミル等)後の確率は75%以上である。

この時、トレッドミルテストの感度は68%、特異度は73%である。

検査後の的中率は

検査前の確率×検査の陽性率/{検査前の確率×偽陰性+(1−検査前の確率)×偽陽性}で求められる。

※おおまかに上記のような内容でした。

 

11. 次のうち拍動を触知しないものを選べ
a.
頸動脈
b.
腕頭動脈
c.
腋窩動脈
d.
膝窩動脈
e.
後脛骨動脈

12.聴診において
U音の病的な分裂が見られないものを選べ。
a)
心房中隔欠損症
b)
大動脈弁狭窄症
c)
完全左脚ブロック
d)1
度房室ブロック
e)
肺動脈弁狭窄症

【13】.心拍出ポンプについて正しいものを3つ選べ。
1
成人の平均EFは約65%である。
2
成人の安静時における平均拍出量は約8Lである。
3
循環器系平均充満圧が一定のとき、心拍出量が上がると左房圧は上昇する。
4
運動時に心拍出量は最大で安静時の5倍まで上昇する。
5
心拍出ポンプはEmaxで評価する。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

14.心臓の拍出機能についで正しい組み合わせを選べ。
1.
循環血液量の正常値は約80ml/kgである。
2.
血管の調節は副交感神経が主な役割を果たす。
3.
循環中枢は視床に存在する。
4.
交感神経の緊張は静脈系の圧容積関係を左方に偏位させる。
5.
運動中の血圧維持は圧受容器反射系の機能が維持がされていることが必須である。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)
解答:c?
(1)○
(2)×が明らかなので。

15. 50歳男性、血圧180/90mmHgの患者の心電図(別紙)所見の組み合わせで正しいものを選べ。
1.
下壁心筋梗塞が認められる。
2.V1.2
で異常Q派を認め、前壁心筋梗塞が疑われる。
3.
左房負荷が疑われる。
4.V4~6
ST-T変化で左室肥大によるストレイン型が認められる。
5.V1.2
S波の振幅とV5.6R波の振幅から左室肥大が疑われる。
a)123 b)125 c)145 d)234 e)345

 

【17】.下記心電図の患者は39歳男性で、主訴は動悸である。心電図の所見で正しいものはどれか。
【図】H18年卒試41番と同じ心電図
.QRS幅は幅広く?心室伝導の以上である。
.V1〜V3で高いR波や、陰性T波を認め、右室肥大の所見である。
.
UVaVfV1V6でST低下や陰性T波があり、心筋虚血の合併も疑われる。
.PQ間隔は短い。
.
UVaVfV1V6δ(デルタ)波を認める。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

18.54才女性の下記心電図(H18.42参照)において正しい心電図診断の組み合わせを1つ選べ。
1.
左室肥大である。
2.QRS
幅は0.12秒以上ある。
3.
完全左脚ブロックである。
4.
平均電気軸はこの例では右軸である。
5.v1-4
QSパターンが見られST上昇もあるので前壁心筋梗塞の急性期である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答 c(H18卒試問42と同じ)

【20】.22歳男性、二日間の持続する胸痛で受信し、左が入院時、右が15日後の症状軽快時の心電図である。臨床経過も考えて正しい心電図解釈の組み合わせを選べ。
1、川崎病に伴う広範囲(左室前壁、下壁)の急性心筋梗塞の心電図である。
2、若年者にも多い冠攣縮による異型狭心症の心電図である
3、心外膜炎である
4、入院時心電図ではaVRaVLV1を除いたほかの誘導でST上昇とT波の先鋭化が見られる
5、15日後の心電図は左室肥大の心電図である。
A
12 b23 c34 d45 e15
2006卒業試験44番と同じ問題)

【21】.心電図について正しい組合わせを選べ。 
1.側壁の心筋梗塞である。 
2.下壁の虚血も認める。
3.右軸変異が見られ、V1V6にいくに従い次第にRS波の減高が見られる。
4.左右の手首の電極を入れ替え、胸部誘導を右胸部に対称的にV1V6に相当するように取り付けると正常心電図波形を得ることができる。
5.内臓逆位を伴うことがある。
a) 1.2.3  b) 1.2.5  c) 1.4.5  d) 2.3,4  e) 3.4.5
解答 eだと思います。 H18 卒試45に類似したものでした。

 

22. 65歳男性。数年前、検診にて高血圧の既往あり。階段を上っていたところ、胸背部
痛が生じたため来院。来院時、心拍数90/分、血圧140/90であった。
エコーが三枚。おそらく、大動脈解離。
1.
拡張期雑音が聞こえるかもしれない
2.
カテーテルが治療方針の決定に有用。
3.
血圧がそれほど高くないので、降圧療法の必要はない。
4.
βブロッカーは無効である。
5.
緊急手術の適応かもしれない。
a12 b15 c23 d34 e45

 

23. 35歳男性、検診で心電図異常を指摘され2次検診にて、当科外来を受診。外来時の心エコー検査は次のようであった。

1、心電図で不完全型右脚ブロックを呈することが多い

2、2音の固定性分裂が聞こえることが多い

3、肺高血圧をきたすことが多い

4、チアノーゼを伴うことが多い

5、左心不全を伴うことが多い

 a12 b15 c23 d34 e45

 回答aだと思いました。

画像は

ASDだと思います。

 

25wide QRS tachycardiaを来たす不整脈の組み合わせは?

1.心室頻拍症

2.変行伝導を伴う上室性心室頻拍

3WPW症候群に伴う偽性心室頻拍症

4.脚ブロックを伴う頻脈性心房細動

 a.123  b.13  c.24  d.4  e.14のすべて

 

26. 52歳、女性。統合失調症のため精神科でクロメプロマジン(フェノチアジン系向精神病薬)80mg、ハロペリドール18mgを内服していた。夕食後、嘔吐やふらつきが出現し、数時間後、突然痙攣と意識消失発作を頻回に認めたため紹介入院となった。

【現症】身長:152cm、体重:58kg、血圧:100/60mmHg、脈拍:72/分、体温:38℃、顔面軽度浮腫、四肢末梢に一部チアノーゼ、病的反射(−)

【検査】(詳しく覚えてませんが)生化:正常、肝.腎機能:正常、電解質:正常、尿所見:蛋白(−)、糖(±)

【胸部X線】軽度心拡大と左肺上野の肺紋理増強

【心電図】入院時と翌日の心電図を示す。(入院時はtorsades de pointes、翌日はQT延長)

正しいものを選べ。

a.  QT時間の短縮が見られる。

b.  意識消失の原因は多形性心室頻拍(torsades de pointes)である。

c.  発作性上室性頻拍なので、ATP製剤を投与する。

d. カテーテルアブレーションが有効な治療法である。 

e. 電解質異常が今回の不整脈の増悪因子である。

 

 

27. 正しいものを選べ。
.収縮末期容量より拡張末期容量のほうが心機能を反映する
.正常日本人(170cm.65kg)の心拍出量は8リットル/分である。

.心不全の心拍出量は前負荷より後負荷に依存する。
.すみません忘れました
.心房圧と心拍出量との関係は、心臓の収縮特性を反映するだけでなく、拡張特性も反映する。
a123   b125   c145   d234   e
すべて

 

28. 正しいものを選べ。

1 左心不全では心拍出量は低下するが一般的に血圧も低下する。

2 慢性心不全では交感神経系やレニンアルドステロン系が亢進するが、これは臓器障害を防ぐ。

3 心房細動は頻脈による動悸が出現するが左心機能障害は来さない。

4 高血圧心疾患による心不全は拡張障害よりも収縮障害を来しやすい。

5 拡張型心筋症は拡張障害により心不全を来す。

a 124   b 145   c 235   d 345   e いずれでもない

 

 

29. (文章長すぎて復元が不完全です。内容が不足してるトコがあります。悪しからず。)

56歳男性、主訴は呼吸困難と浮腫。本態性高血圧および家族性高コレステロール血症。

LDL cholesterolアフェレーシスの施行が開始された。2000年ころから胸痛をみとめ動脈造影の結果から冠動脈バイパス術を施行された。肥満・高血圧があり薬物治療中であったが服薬コンプライアンスは不良であった。2008年に呼吸困難と浮腫が増悪したため(・・・)を受けたが症状が改善されなかったため入院となった。入院時現症は身長165cm、体重約100s、収縮期血圧160mmHg、U音減弱、V音(+)、W音(+)、心尖部に向かうLevineU度の収縮期雑音。(拡張期雑音もあったかも・・・)肺野で湿性ラ音、両下肢pitting edema

(以下の所見も書かれていたものです。画像は添付されていませんでした。)

心電図:陰性T、胸部誘導減弱

胸写:胸水あり、心拡大

生化:尿酸値高値、LDLは正常範囲かそれに近い値でした、HDL 26mg/dlTG 80BNP 220pg/ml、他は正常値だったと思います。

冠動脈造影で、seg1完全閉塞、回旋枝のseg?に狭窄あり、肺動脈楔入圧20mmHg以上でした。

下のうち正しいものを選べ。

(1)うっ血を改善させるためcarperitide(human atrial natriuretic peptide)を使用する

(2)僧帽弁閉鎖不全があると考えられる。

(3)コレステロールのコントロール状態は不良であると考えられる。

(4)BNPは正常範囲内である。

(5)心不全・左室肥大・高血圧性心肥大が合併しているのでレニン・アンジオテンシン系阻害薬を使用する。

a(1)(2)(3)   b(1)(2)(5)   c(1)(4)(5)   d(2)(3)(4)   e(3)(4)(5)

 

30. 次のうち正しい組み合わせを選べ。

66歳男性。広範前壁梗塞とショックのため、当院救急外来へ搬送。緊急冠動脈造影を行い、冠動脈形成術を施行、ドパミン、ドブタミン大量投与し、大動脈バルーンポンピング(IABP)を行った。治療後もショックは持続し、頻脈性不整脈、肺水腫も認めた。今後の方針について正しい組み合わせはどれか。

1.IABPを中止する。

2.PCPSを開始する。

3.ドパミン、ドブタミンを減量できれば、milrinoneの静注を考慮する。

4.冠動脈バイパス術を施行する。

5.緊急にβ遮断薬を投与する。

a(1,2)  b(1,5)  c(2,3)  d(3,4)  e(4,5)

 

31】冠循環の特徴を述べた以下の記述のうち、正しい組み合わせはどれか。(ニュアンス復元)

 

(1) 安静時の冠血流量は、心拍出量の約20%である。

(2) 冠血流量は冠還流量に依存しており、冠還流量が2倍になると冠血流量も2倍になる。

(3) 運動時など心筋の酸素消費量が大きくなった時は、冠血流を増やすことで酸素需要を補う。

(4) 心筋の代謝は、ブドウ糖ではなく主に脂肪酸を消費する。

(5) 心外膜の冠動脈が50%狭窄を認めても、重篤な症状を呈さないことが多い。

 

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

32】心筋虚血に関する以下の記述のうち、正しい記述の組み合わせはどれか。

(1)心筋虚血は、心筋酸素需要量と酸素供給量の不均衡により生じる。

(2)心筋血流量を減少させる因子として、冠動脈硬化による器質的狭窄と冠動脈攣縮による機能的狭窄がある。

(3)心筋が壊死に陥っていなくても心筋収縮力が低下している病態があり、「気絶心筋(stunned myocardium)」や「冬眠心筋(hibematimg myocardium)」などの病態がよく知られている。

(4)病態の重症度と症状は相関しないことがある。その例が、「無症候性心筋虚血」である。すなわち、心筋虚血が生じていても患者がそれを自覚しない「無症候性心筋虚血」は、高齢者・糖尿病患者・心筋梗塞の既往のある患者・冠動脈バイパス術を受けた患者などに生じやすい。

a.(1)(3)(4)のみ b.(1)(2)のみ c.(2)(3)のみ d.(4)のみ e.(1)~(4)の全て

 

33次のうち、狭心症発作としては否定的と考えられるものを選べ。

 

(1) 胸部の圧痛を伴う。

(2) 胸痛はないが、歯・胃の痛みを訴える。

(3) 運動とは全く関係なく胸痛が生じる。

(4) 呼吸性に痛みが変動する。
(5)
 飲水が著効する。

 

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5) 

解答   c

 

34狭心症の診断について、正しいものを選べ

 

(1) 運動負荷中に血圧が低下したが、症状は全くなかったため、そのまま運動負荷を続行した。

(2) 胸痛発作のある患者に冠動脈造影を行ったところ、器質的狭窄は存在しなかったため、狭心症は否定した。

(3) 安静時に胸痛発作が生じた。しかしこの時、心電図ではST上昇なく、低下を認めたため冠攣縮性狭心症は否定的と判断した。

(4) 病歴上、不安定狭心症が疑われた場合は運動負荷や発作の誘発は避けるべきである。

(5) 糖尿病罹患者や高齢者の場合、狭心症があっても無症候性のことが多いので、積極的にHolter心電図や運動負荷試験を行うべきである。

 

a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

解答  e

 

35】狭心症に対する内科的治療について、次のうちから正しいものを選べ。

 

(1) 発作の寛解にはニトログリセリンの舌下が有効であるが、出来るだけ坐位もしくは臥位での使用を勧めるべきである。

(2) 労作性狭心症の発作予防薬として最も有効性が認められているのはβ遮断薬である。

(3) 塞栓症の疑いがなければ、アスピリンは積極的に投与する必要はない。

(4) 高脂血症がなければ、コレステロール低下薬はその副作用を考慮して、投与すべきではない。

(5)  冠攣縮性狭心症に対する第1選択薬は Ca 拮抗剤である。

 

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

36】胸心痛をきたした患者に対する対応として正しいのはどれか?

 

a.糖尿病患者が定期検診で来院した。検脈を行ったところ不整脈を認めたため、ECG施行したところ、心壁の広範なST低下と、肺にラ音を聴取した。が、自覚症状がなかったため、経過観察とし帰宅させた。

b.胸痛を訴えて80歳の老人が来院した。心電図検査上ST変化は見られなかったが、胸痛が続いており、状態の悪化が見られたので入院とした。

c.70歳の女性が突然の胸痛と呼吸困難を訴えて来院した。心電図上明らかなST変化、胸部Xpにて肺野に異常を認めなかったので、肺塞栓症を疑い胸部造影CTを行うことにした。

d.65歳の男性が移動性の胸痛を訴えて来院した。不安定狭心症と考え冠動脈造影検査を行うことにした。

 

1.ab  2.ad  3.bc  4.cd

解答 3

 

37】正しい組み合わせを選びなさい。(ニュアンス復元。いずれの選択肢も説得力のある長文でした。)

 

a.わすれました・・・すみません。正しい選択肢でした。

b.LDLの高値が動脈硬化のリスクファクターであることが立証された。よってHMG-CoAによってLDLをコントロールすることで動脈硬化を予防することができる。

c.日本人においてもLDLを低いレベルでコントロールした場合に優位に動脈硬化を予防できることが立証された。

d.動脈硬化は血管の炎症が病態であるため高感度CRPによってその程度を知ることが可能となった。よって生活習慣病においても生活の改善によって高感度CRPの低値を示す。

e.動脈硬化によって様々な生活活性物質が産生されるが、それらの物質が直接虚血性心疾患の病態に影響することはない。

 

1.abc  2. abe  3.ade  4.bcd  5.cde

解答 1

 

38】急性心筋梗塞について、誤った組み合わせを選べ。

 

(1) 閉塞性血栓は大部分動脈硬化部位の破綻raptureにより起こる。

(2) 破綻部位の病理組織学的特徴としては、炎症、脂質沈着、脆弱な皮膜などが挙げられる。このような病変の質的異常をプラーク不安定化(動的動脈硬化)という。

(3) 閉塞性血栓が起きやすい不安定化部位の動脈硬化性狭窄の程度は、75%以上の狭窄である場合が多い。狭窄が軽度〜中程度の場合は少ない。

(4) 不安定化を安定化させるのが、最も効率的な方法である。最近、冠動脈インターベンションによるステント拡張術が用いられ、その有効性が示されつつある。

(5) 不安定化動脈硬化部位の破綻の原因として冠動脈攣縮、ストレスや交感神経緊張などが挙げられる。

 

a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

解答 d  平成19年概説38と表裏。

 

39】急性心筋梗塞の鑑別について正しい記述の組み合わせはどれか。

 

1)不安定狭心症との鑑別には心電図と心筋逸脱酵素の経時的変化が役立つ。

2)異型心筋梗塞との鑑別には症状と心電図が重要である。

3)心電図でもっとも初期の変化は冠性T波である。

4)心筋壊死は心外膜側から始まり心内膜側へ進展する。

5)急性心膜炎との鑑別にはエコー検査が重要である。

 

a.(1)(2)(3)  b.(1)(2)(5)  c.(1)(4)(5)  d.(2)(3)(4)  e.(3)(4)(5)

 

40

 

 

41. 薬剤溶出性ステント(drug eluting stentDES)について正しいものを選べ。

(1) 薬剤溶出性ステントとは、免疫抑制剤(ラパマイシン)または抗癌剤(パクリタキセル)をコーティングしたストントで、再狭窄に対して有効である。

(2) ステント内再狭窄症(新生内膜形成による狭窄)の成因は、ステント拡張に起因する血管傷害後の炎症や平滑筋増殖などであり、DESはその病的プロセスを抑制することで再狭窄率を減少させる。

(3) 海外の臨床試験で、急性心筋梗塞の責任病変(不安定性プラーク)に対する治療効果があることが示されており、その有用性の範囲が拡大することが予想される。

(4) DESはステント内再狭窄のみならず、心血管イベントの発生抑制にも効果的である。

(5) 晩期ステント内血栓症の細胞生物学的機序はまだ明らかにされていないが、剖検の結果より内皮細胞の再生抑制が関係していると考えられている。

a 1,2,3b 1,2,5c 1,4,5d 2,3,4e 3,4,5

 

解答:b

(1)○:シロリムス(=ラパマイシン)をコーディングしたのがCypher、パクリタキセル(商品名タキソール)をコーティングしたのがTaxus

(2)○:内皮細胞の増殖を抑える薬剤により再狭窄率を下げる。

(3)×:急性心筋梗塞(AMI)の症例に関して「DESを使うべきでない」との意見(AMIの場合には血栓傾向が強く長期的にもステント血栓症を起こす可能性が高い)がある一方で、臨床試験ではAMIへのDESは安全だという考えもある(大規模試験HORIZON-AMIによる)。しかし、そもそも不安定プラークに対してステント留置するのは危険であるし、スタチン投与によるプラーク退縮のほうが効果的か。

(4)×Cypherステントが再狭窄率0%とのデータを出したRAVEL trial5年間フォローアップで、Cypherと非薬剤溶出ステントを比較すると、Cypherはその後のインターベンションは減らすが、死亡や心筋梗塞は逆に増やす可能性が示された。また、インターベンションを薬剤溶出ステントと非薬剤溶出ステントにランドム化したBASKET18ヶ月間フォローアップのデータでも同様の結果となった。他の臨床試験でも、長期的な心筋梗塞の発症や死亡では有意さがないというデータが多い。

(5)○:非薬剤溶出ステント(bare metal stentBMS)は留置後よりステント内腔に内皮細胞が増生してくるが、DESでは金属がむき出しの状態が続くため、慢性期には血栓形成が起こりやすい。そのため、DESでは長期的な抗凝固療法が必要となる(一生続けるべきとの考え方もある)。しかも、DESBMSよりも高額であり、適応は慎重に判断すべきである。

 

 

42.誤っているものを選ぶ。

1Allen testはとう骨動脈と尺骨動脈の機能をみる検査である。

2.TIMIでTIMI 1は遠位部ランオフ正常である。

3.R〜 test は側副血行路に関する検査である。

4.DCAは薬剤溶出ステントの登場で使用が減少した。

5Rotarbladorは石灰化があると使用できない。

 

 

43.以下の記述のうち、誤っている記述を2つ選べ。

a.拡張用バルーンによる冠動脈形成術後の再狭窄は新生内膜増殖と冠動脈のリコイルとリモデリングにより生じる。

b.ステントを用いても冠動脈リモデリングを現象させることは出来なかった。

c.薬剤溶出性ステントは内膜増殖を抑制するために開発された。その薬剤の一つパナマイシンはTissue Facter発現を減少させる。

d.薬剤溶出性ステントは内膜増殖を抑制するが通常ステントBare Metal Stentより血栓を生じやすい。

e.薬剤溶出性ステントは血管内皮細胞の再生を抑制する可能性が指摘されている。

 

 

44.77歳、女性。胸痛を主訴として来院。緊急心臓カテーテル検査を施行した(図表)。最も適切な診断はどれか。

a.急性心筋梗塞 b.冠攣縮性狭心症 c.心尖部肥大型心筋症 d.たこつぼ心筋障害 e.急性心筋炎

 

図は全部で4枚。

左冠動脈造影の(たぶん)右前斜位と左前斜位。ぱっと見、狭窄はありませんでした。

残る2枚は左室造影の拡張期と収縮期。たこつぼ心筋障害の様に見えました。

たこつぼ心筋障害について 

http://rockymuku.sakura.ne.jp/zyunnkannkinaika/takotubosinnkinnsyou.pdf

 

 

45.上記の患者様の検査結果について適当でないと考えられるのはどれか?

1.WBC(正常)

2.CK(軽度上昇)

3.巨大陰性T

4.トロポニンT上昇

5.心エコーでASH

 

(正常)(軽度上昇)と書いてるのは実際の値と正常値がかいてありました。数値は忘れてしまいました。スミマセン。

 

 

46. 次の図表はある患者の胸部X線写真である。

このペースメーカーが作動した場合ABのどちらの心電図になるか。

また、このペースメーカーのコードをcdeから選びそれぞれ一つずつ答えよ。

a. 心電図A b. 心電図B c. DDD d. VVI e. VDD

胸部X線写真

心電図A(試験に出た心電図は講義テキストに載っているものと同じ)

心電図B

 

解答 ac

胸写でペースメーカーのリードが右心耳と右心尖部に挿入されているのでDual Chamberである。よってDDD

Bの心電図では決まってP波の後に心室のペーシングが行われているのでAセンス、Vセンス、Vペースを認める。

だが、PP間隔は一定ではないのでAペースは認めない。したがって、VDDの波形と考えられる。

一方、Aの心電図ではP波の後に心室ペーシングが認められるほか、P波が遅延したとき心房ペーシングが認められる。

よって、Aセンス、Aペース、Vセンス、VペースのDDDと考えられる。

 

 

47.ある患者の胸部X線写真を示す(図表)。左前上胸部に埋め込まれた器械が適正に作動した。この場合、作動直前の心電図はABのいずれか、また埋め込み器械の名称はcdeのいずれか、それぞれ1つ選択せよ。

a. 心電図A b. 心電図B c. CRT d. ICD e. Maze

 

(胸写は循環器講義テキスト p.117 ICDのものと同じ。心電図AVTで問4849にも同じものがあった。心電図Bは平成18年卒業試験51と同じもの。)

 

 

48.ある重症心不全患者の胸部X線写真と透視を示す。

この患者で見られる心電図と透視上の矢印でリードの通っている場所をそれぞれ答えよ。

a.心電図A b.心電図B c.鎖骨下静脈 d.上大静脈 e.冠静脈

 

答え 分かりませんでした……

 

 

49. 補助循環について正しいものはどれか。

(1)ワーファリンを用いる。

(2)温度は関与しない。

(3)気泡型の方が膜様型より優れている。

(4)完全体外循環とは大動脈弁が完全に閉じていて血液が心臓から駆出されない状態である。

すいません選択肢忘れました。

 

 

50.正常の心血管系の正しい組み合わせを選べ。

a.肺動脈弁と三尖弁の間には繊維性連続がなく、大動脈弁と僧帽弁の間には繊維性連続がある。

b.triangle of Kochとは crista terminalis、三尖弁中隔尖、冠静脈洞でできる三角で、その頂点に房室結節がある。

c.右心室に連結する肺動脈弁は、左心室に連結する大動脈弁の右側に位置する。

d.右心室の内部の肉柱は荒く、左心室のそれは繊細である。

1.acd 2.bc 3.cd 4.d 5.ad

 

51,以下の記述で誤っているのはどれか。

1Starling曲線はafterload(後負荷)と心拍出量の関係を表している。

2,低拍出症候群では静脈酸素飽和度が高くなる。

3

4IABPは収縮期に拡張させて、冠動脈の血流を増加させる。

a134 b12 c23 d4のみ e14すべて

 

 

53

心移植の適応ではないものはどれか。二つ選べ。

1.     活動性の感染症

2.     糖尿病腎症の患者

3.     根治した悪性腫瘍

4.     サイトメガロウイルスの既往

5.     CABGの既往

 

 

55

50歳男性。突然の胸腹部痛を主訴に救急外来に搬送された。意識清明、四肢麻痺なし、心雑音なし、呼吸数正常、血圧163/83(左右差なし)、腹部平坦、圧痛著明、四肢動脈触知良好、心電図は正常洞調律で、ST変化は認められなかった。緊急造影CTを図示する。正しい診断はどれか。
図は胸部一枚、腹部一枚。胸部は上行、下行大動脈両方に解離が見られ、腹部は左腎と肝臓が見られる高さで、なんらかの血管が解離のある大動脈から分岐しているところが見られました。
 
a胸部下行大動脈瘤、b腹部大動脈瘤、c大動脈解離De BakeyT型、d大動脈解離De BakeyU型、e大動脈解離De BakeyVb

 

 

循環器56番
(55番の続き)上記患者で見られると思われるもの一つ
 
大動脈弁逆流症
心タンポナーデ
腸管壊死
脳梗塞
急性心筋梗塞

 

 

循環器57
この症例で正しいものはどれか
1)Ca拮抗薬による降圧療法を
2)鎮痛剤を用いる
3)心筋虚血に対して血管内治療を行う
4)腫大が無ければ手術はしない
5)緊急手術をする
 
解答 1.5
55番を持っていないので分かりません。
要確認。

 

 

58.

MSについて正しいのを選べ。
1後天性MSSLEや老化でも起こる
2重症例ほどopening snapがはっきりする
3リウマチ熱の減少でOMC可能例は減った
4弁の変性や硬化のみならず弁輪の石灰化をきたすこともある
 
a134 b2 c12 d23 e1234

 

 

59.

僧帽弁閉鎖不全症について正しい組み合わせを選べ
1.
全てのタイプのMRに対して人工腱索は有効である
2.
慢性病変では弁輪が拡大する
3.
腱索の延長のみでMRが生じていても手術適応である
4.
全身性結合組織異常では生じない
a.1,3,4  b.2  c.1,2  d.2,3  e.1
4全て

 

62

CABGの成績、手術・手技について正しいものを選べ。

1)3枝病変を伴う狭心症で、糖尿病合併はDESによるPCIの方がCABGに比べ遠隔成績が優れる。

2)バイパスグラフトとしては内胸動脈、とう骨動脈、右胃大網動脈、大伏在静脈などが用いられる。

3)内胸グラフトが早期および長期開存性に最も優れる。

4)人工心肺を併用しないオフポンプバイパスは高齢者には禁忌である。

a.134のみ b.12のみ c.23のみ d.4のみ e.1〜4のすべて

 

60. 僧帽弁置換術の合併症として正しいのはどれか。
1
脳血栓
2
僧帽弁閉鎖不全
3
左室破裂
4
溶血性貧血
 
 
a 134  b 12  c 23  d 4  e 1-4
のすべて

 

63 急性心筋梗塞の合併症について正しいものを選べ。

1.
自由壁破裂の救命率は良い。
2.
乳頭筋完全断裂に伴う僧帽弁閉鎖不全には弁形成術を行う。
3,
心室中隔穿孔による右左短絡で心不全をおこす。
4.
左室の拡大により僧帽弁輪が拡大し、僧帽弁閉鎖不全をおこす。

a)1,3,4  b)1,2  c)2,3  d)4  e)1~4
のすべて

 

66.次のうち正しいものの組み合わせを選べ。
1.新生児期の肺血管抵抗は3歳児のそれよりも高い。
2.心室中隔欠損症は自然閉鎖がありえるので乳児早期の小さなものは経過観察する。
3.大動脈弓離断症で動脈管開存を合併している場合、動脈管が閉じることで心不全軽減が期待できるので少しでも早く閉じることが望ましい。
4.心房中隔欠損ではEisenmenger化後も欠損閉鎖を完全に行えば手術可能である。
5.姑息手術というのは根治手術が不可能な症例に行うもので、延命が目的である。
 
a. 1,2  b. 2,3  c 3,4  d. 4,5  e. 1, 5
 
答:a
1.
2.
3.×動脈管依存性の疾患の一つです。
4.×Eisenmenger化した症例に原疾患の手術適応は無くなる。
5.×

循環
 
69,Rastelli
型手術の適応となることがある疾患を二つ選べ。
aEbstein
奇形
b
ファロー四徴
c
完全大血管転移症
d
心室中隔欠損症
e
総肺静脈還流異常症

 

循環器(7180)

 

71.IEについて正しいものを選べ
1.抗生剤で1週間治療で済む
2.術後の再感染はきわめてまれ
3.脳梗塞の場合緊急手術の適応
4.弁輪部膿瘍は手術の適応
5.感染のコントロールが不良場合は手術の適応
a123 b125 c145 d234 e345

 

 

73. 次の先天性疾患のうち、プロスタグランジンE1を投与するものはどれか。

1.総肺動脈還流異常症

2.大動脈縮窄症

3.完全大血管転移症T型

4.左室低形成症候群

5.未熟児動脈管開存症

a. 123 b. 125 c. 145 d. 234 e. 345

 

 

75.生後1ヶ月で左→右シャントを疑う所見はどれか?
a
多呼吸
b
チアノーゼ
c
痙攣
d
発汗
e
哺乳力低下
1abc
 2bcd 3cde 4abe 5ade

 

76.次の先天性心疾患のうち、チアノーゼをきたし、肺血流が増加しているのはどれか。

 a.心内膜床欠損症
 b.
左心低形成症候群
 c.
完全大血管転位症
T
 d.Ebstein
奇形
 e.
動脈管開存症

 1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de

 

 

77.生後5日男児。元気が無いのでICUに入院した。心拍数160 呼吸数70 spO2 95%であった。
足背動脈は触れなかった。聴診にて、U音の亢進が見られ、奔馬調律があった。胸部X線にてCTR 60%、肺うっ血を認めた。胸骨上窩左縁のエコーを別紙に示す。
この患者に対しておこなう治療はどれか、適切な組み合わせを選べ。
1
)バルーン心房中隔裂開術(BAS
2)
プラスタグランディンE1
3)
カテコラミン
4)
インドメタシン
5)
大動脈肺動脈血管転移術(Janten手術)
a) 1,2 b)1,5 c)2,3 d)3,4 e)4,5

解答 c)2,3
大動脈縮窄症です。短い文章ですが、乳児期早期から見られる呼吸困難、U音の亢進、下肢脈の触知不能、心肥大、肺うっ血症状を示しています。
大動脈縮窄症の本体は大動脈峡部、または下行大動脈に局所的な狭窄をきたした先天性奇形。
下肢への循環不全が見られることから心房中隔欠損をきたしていると考えられます。
治療は体循環が動脈管に依存しているため、プラスタグランディンE1を投与します。
また肺うっ血が見られるため心不全症状があるとみられ、この場合人工呼吸器管理にてカテコラミン投与を行います。(循環器テキスト 「小児期特有の心不全」 石川司郎)
1),5)
×完全大血管転移症(TGA)に用いられる。肺動脈と大動脈が入れ替わる先天性奇形。
TGA
ではシャントを積極的に形成することで、チアノーゼの軽減を図ります。
T型、U型TGAではBASは姑息的手術として、Jateneは根治手術としておこなう。
3)
×投与したらだめです。

 

 

786ヶ月の男児、チアノーゼと心雑音を認める。心拍数90、呼吸数24spo2 85%Up↓、3lsb 2/4の収縮期雑音が認められた。(画像が3枚あり、胸写で木靴心に見えなくもなく、また、造影してないのでgooseneckかどうか判別できず。エコーにはvsdありとは書いてありました。)
この疾患について正しいものを2つ選べ。
1.木靴心
2.βブロッカー投与が有効
3.心不全を合併することが多い
4.肺高血圧を来す
5goosenecksignが見られる
12  15  23  34  45
 

 

79.6歳女児。生来健康。学校心臓検査で異常を指摘され当科に紹介された。II音の
幅広い固定性分裂を認めた。また、2LSBLevineII/IVの収縮期雑音、4LSB
LevineII/IV
の拡張期中期ランブルを聴取した。心電図とカテーテル検査の結果を示
す。この疾患について正しいものを選べ。
<心カテ>
酸素飽和度
肺動脈 90
左心室 90
左心房 87
上大静脈 70
下大静脈 76
左心房 98
左心室 98
1.ほとんどがDown症候群である。
2.大動脈逸脱を合併することが多い。
3.未治療でも肺高血圧症を呈することは少ない。
4.将来的に心房細動を起こすことがある。
5.外科的治療が一般的だが、カテーテル閉鎖術も行われる。
a.
1、2 b.1、5 c.2、3 d.3、4 e.4、5 

 

80.急性動脈閉塞症について正しいものを2つえらべ

a安静時疼痛が高度であったため四肢切断術の適応と判断した

b急性動脈塞栓症は急性動脈血栓症より予後は良好である

c間歇性跛行は急性動脈閉塞症に特徴的な症状のひとつである

d下腿筋の硬直はみられたが血栓除去術を試みることとした

e急性動脈閉塞症の患者はしばしば心房細動の合併がみられる

 

81】バージャー病について、誤っているものを選べ(一択)。

(a) 国内では近年増加している。

(b) しばしば静脈に病変を伴う。

(c) 喫煙する若年男性に多い。

(d) コークスクリュー型の側副血行路が特徴的である。

(e) 生命予後は良好である。

 

8270歳、男性。約200mの歩行で両側の下腿部に疼痛が生じる。短時間休憩することで再び、約200m歩くことができる。この症例について正しいものを選択せよ。
(1)
閉塞性動脈硬化症であれば、Fontane分類では2度に相当する。
(2)
症状が大腿部にあれば、病変部位は腸骨動脈領域である可能性が高い。
(3)
殿筋跛行の合併は腰動脈の血管閉塞の合併を示唆する。
(4)
治療の第一選択はバルーンカテーテルによる血管内治療である。
(5)
間欠性跛行の原因としては、腰部脊柱管狭窄症の頻度は閉塞性動脈硬化症に比べてはるかに少ない。
a,(1)(2) b,(1)(5) c,(2)(3) d,(3)(4) e,(4)(5)

 

83腹部大動脈瘤について、正しいものを2つ選べ。

(1) 男女比は2:1で男性に多い。

(2) 約30%で虚血性心疾患の合併がみられる。

(3) 喫煙は大動脈瘤破裂のリスクを高める。

(4) ステントグラフトの周術期死亡率は開腹手術と同等である。

(5) 今日、わが国では、腹部大動脈瘤の手術において半数以上の症例でステントグラフトを用いる。

 

84

 

85】虚血性心疾患について正しいものを選べ。

(1) 関連する疾患として、急性心筋梗塞、狭心症、急性心臓死、リウマチ性心臓病がある。

(2) 急性冠動脈症候群の発生要因には、冠動脈硬化性内腔狭窄が重要である。

(3) 粥状破綻の機序は不明であるが、粥腫の不安定性と冠動脈のトーヌスや血流異常、白血球遊走が関与していると考えられる。(←関与しているものはもうちょい羅列されていた気がします)

(4) 川崎病は小児や若年者の心筋梗塞の原因となる。

(5) 血栓塞栓による梗塞は左心室の心内膜下に好発する。

a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

 

86】次の動脈硬化についての記述で誤っているものはどれか。

(a) 粥腫が破綻すると血栓が形成され動脈内腔を閉塞しやすい。

(b) 動脈硬化の発生、進展には血管壁での酸化ストレスによる炎症反応が重要であ
る。

(c) 悪性高血圧症には肥厚性細動脈硬化が関与する。

(d) 冠動脈硬化はびまん性内膜肥厚を基礎として発生する。

(e) 粥腫の形成には、中膜における平滑筋細胞の増殖や膠原繊維の増加が重要な役割
を果たす。

 

解答 e  中膜ではなく内膜。中膜から内膜に平滑筋細胞が遊走(びまん性内膜肥厚)して増殖する。

 

87心内膜炎、心筋炎について以下の記述でただしいのはどれか。

(1) ループス心内膜炎の疣贅は、閉鎖縁に沿って均一に形成されるのが特徴的である。

(2) 心筋炎の原因としては、毒血症の間質性心筋炎がもっとも重要である。

(3) 細菌性心内膜炎は、しばしば弁の破壊、同部の血栓形成を伴い、高度な弁膜の機能障害の原因となる。

(4) 非細菌性心内膜炎は、過凝固状態の患者に多発し血栓塞栓症の原因となる。

(5) リウマチ性心疾患は、Ashoff結節を伴う汎心臓炎が特徴的である。

a. (1)(2)(3) b. (2)(3)(4) c. (3)(4)(5) d. (1)(2)(5) e. (1)(4)(5)

 

88】次の血管炎のうち、主として大動脈に発生するのはどれか。

(1) 閉塞性血栓性動脈炎

(2) アレルギー性肉芽腫性血管炎

(3) 高安動脈炎

(4) 梅毒性血管炎

(5) 過敏性血管炎

a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

 

89Monckeberg型動脈硬化に見られる特徴的な血管病変は以下のどれか?

(a) 中膜石灰沈着硬化

(b) 閉塞性動脈硬化

(c) 硝子化細動脈硬化

(d) 閉塞性血栓性動脈炎

(e) 細動脈壊死

 

 

 

93】正しい文章を選べ
1.
コホート研究はバイアスが少なく、リスクの同定法においてRCTより優れている
2.NNT
は小さいほど治療効果が優れている
3.
観察対象が個人の場合の疫学研究方法は観察研究と介入研究の2つに大別でき

4.
交絡バイアスは研究のために集められた患者群それぞれが研究に関する因子以
外の点で異なっているときに起こる
5.SAVE
研究は、コホート研究である

a.12
b.15
c.23
d.34
e.45

 

(少し記憶があやふやですが…)
問題94
正しい組み合わせを選べ。
1.循環器疾患の代表的なコホート研究としてFramingham studyや久山町研究が
あげられる。
2.コホート研究は、要因暴露の情報を調査開始時点で取る“後向き研究”と、
過去の記録や資料をもとにとる“前向き研究”とに分類される。
3.縦断研究は比較する2群の調査集団の設定を暴露の有無で行う“患者対照研
究”と、疾病の有無で行う“コホ―ト研究”に大きく分類される。
4.観察研究では要因の左右する時期と疾病が発生する時期に時間的なずれがあ
る。この時間経過を考慮した方法を“横断的研究”と呼び、考慮しない方法を“
縦断研究”と呼ぶ。
5.患者対象研究と異なり、コホート研究は罹患率を直接測定できる。
解答
a.12 b.15 c.23 d.34 e.45


 95.正しい組み合わせを選びなさい。
1) PROGRESS
研究では〜
2)
高齢高血圧者でも降圧治療による脳卒中予防効果が証明されている。
3) ALLHAT
研究では〜
4) RALES
研究では〜
5)
ループ利尿薬は〜
復元が完全でなく申し訳ないです。

 


 96
.正しいものを一つ選べ。
 
a)高安動脈炎では感染性心内膜炎を合併することが多い。
b)高安動脈炎は細小動脈に限局した中・外膜病変を基盤とする。
c
)川崎病はリンパ節腫脹を来たし、リンパ節生検が確定診断となる。
d)アレルギー性肉芽腫性血管炎は・・・・?
e
)ベーチェット病は腎不全を合併することが多い


 97
・正しい組み合わせを選べ。
(1)
側頭動脈炎の治療方針の決定には頭痛の有無が重要である
(2) C-ANCA
はアレルギー性肉芽腫性血管炎で上昇する
(3) Wegener
肉芽腫症では上気道、下気道、腎に壊死性血管炎が生じる
(4)
ヘノッホ・シェーンレイン紫斑病は小児に好発し、腹痛を認めることも多い
(5)
顕微鏡的多発血管炎では毛細血管に肉芽腫が多発する

a(1)(2) b(1)(5) c(2)(3) d(3)(4) e(4)(5)
解答:d
2
× C-ANCAWegener肉芽腫症
5
× 血管の壊死、血管周囲の炎症細胞浸潤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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