平成20年度 血液 卒業問題
【1】 造血幹(前駆)細胞に関する以下の記述のうち、正しいものには〇を誤っているものには×をつけなさい。
1、1個の造血幹細胞からすべての種類の血液細胞を産み出すことは、理論的に不可能である。
2、ほとんどの造血幹細胞は、細胞周期の静止期に留まっている。
3、造血幹細胞が細胞死(apoptosis)に陥ることはない。
4、造血幹細胞は自己複製することによって、生涯にわたって造血を維持する能力を持っている。
5、ヒトの造血幹細胞は骨髄細胞のCD34陰性分画に存在する。
6、試験管内で造血幹細胞を無限に増殖する技術が開発された。
7、造血幹細胞がその機能を維持するために、骨髄の微小環境(niche)が重要な役割を果たしている。
8、顆粒球コロニー刺激因子(GーCSF)は造血幹細胞の自己複製を刺激することによって、末梢血中の造血幹細胞を増加させる。
9、造血幹細胞の分化方向を規定する要素として、転写因子の発現パターンが重要である。
10、種種のサイトカインはそれぞれに対応するレセプターを発現する造血幹細胞に作用し、その生存や増殖を支持する。
【2】 造血細胞移植療法に関する以下の記述のうち,正しいものには○を,誤っているものには×をつけなさい.
(1) 同種造血幹細胞移植後は,移植患者の血液型はドナー型に移行していく.
(2) 骨髄移植に比べ,末梢血幹細胞移植の方が移植後造血回復は早い.
(3) 同種末梢血幹細胞移植ドナーの方が,全身麻酔を必要としない分,同種骨髄移植ドナーよりも安全である.
(4) 臍帯血移植はドナーコーディネートに期間を要するため,緊急の移植には適さない.
(5) 自家造血幹細胞移植では骨髄より末梢血を移植ソースとして用いることが多い.
(6) HLA一致血縁ドナーが存在する慢性骨髄性白血病慢性期症例では,同種造血幹細胞移植が第一選択となる.
(7) 同種造血幹細胞移植において,HLAが完全一致であれば急性GVHDは発症しない.
(8) 新規免疫抑制剤の開発により,HLA一致血縁同胞間とHLA一座不一致非血縁ドナー間の造血幹細胞移植においても,急性GVHDの発症率には有意差を認めない.
(9) 急性GVHDから慢性GVHDには移行しない.
(10) 移植患者を無菌室( 移植病室 )で管理することにより,真菌感染症の発症頻度を低下させることが可能である.
【3】次のうちで正しいものを選びなさい
a 再生不良性貧血では網状赤血球が増加する
b 白血球の大きさは血小板より大きく赤血球より小さい
c 骨髄異形性症候群と再生不良性貧血の鑑別のためには必ず骨髄検査を行う
d 骨髄検査はリスクの無い検査なので貧血の有る患者さんにはルーチンで行う
解答 c
【4】誤りを選べ。
1.フローサイトメトリでは短時間に多くの細胞を調べることができる。
2.FISH法の方がG-band法より未知の異常を検知しやすい。
3.PCRで微小病変を検知することができる。
4.悪性貧血でMCV120は矛盾しない。
【5】以下の記述のうち,正しいものを選べ。
a. 白血球数が正常の場合,白血病は否定できる。
b. 血小板数が5 万 /μl の場合は,末梢血の塗沫標本での確認が必要である。
c. 血小板数が20 万 /μl の場合に,出血傾向を認めることはない。
d. 悪性リンパ腫を疑ってリンパ節生検を行う場合,採取リンパ節全部を固定する。
【7】止血機構で誤っているのはどれか?
a.血小板には粘着能がある。
b.プロトロンビンは肝臓で産生される。
c.プラスミンはフィブリンを分解する。
d.血管内皮細胞は抗血栓性物質を産生する。
e.ホロンボモジュリンには血小板凝集能を増強する。
【8】ヘモグロビンについて正しいものを二つ選べ
a.酸化されるとヘモジデリンになる
b.赤血球の成分の3分の2を占める
c.メトヘモグロビンは酸素結合能を持たない
d.成人ではHbFが95%である
e.還元ヘモグロビンは動脈血より静脈血の方が多い
【9】網赤血球について正しいものを選べ。
1) 自動分析装置では網赤血球中のDNAにより赤血球と区別している。
2) 4℃冷蔵で3日程度保存できる。
3) 鉄欠乏性貧血では網赤血球は増加する。
4) 再生不良性貧血では網赤血球は増加する。
5) 骨髄での造血機能の指標になる。
【10】貧血の有無を調べる検査として適当でないものはどれか。
a. ヘモグロビン濃度
b. ヘマトクリット
c. 赤血球数
d. 赤血球抵抗
e. 血清鉄
(1) a,b (2) a,c (3)b,e (4)c,e (5)d,e
【11】 抗凝固剤に関して正しい組み合わせはどれか.
a. EDTA ― 偽性血小板減少症
b. EDTA ― カルシウムイオンキレート剤
c. クエン酸ナトリウム ― 凝固検査
d. フッ化ナトリウム ― 血液ガス測定
e. ヘパリン ― 血糖値測定
(1) a, b, c (2) a, b, e (3) a, d, e
(4) b, c, d (5) c, d, e
概説の11と同じ
【12】.貧血に関して正しい記述のものを全て選べ
1.再生不良性貧血では白血球数も血小板数も正常である。
2.発作性夜間血色素尿症は再生不良性貧血の経過中にしばしば認められる。
3.球状赤血球症は胆石、脾腫、ビリルビン(直接ビリルビン優位)の上昇を認め、しばしば肝疾患と誤診される。
4.温式自己免疫性溶血性貧血は膠原病やリンパ腫と合併することがある。
5.鉄過剰症の診断には血清フェリチンが有用である。
【13】.鉄欠乏性貧血の過去問どおりでした。
【15】.40歳男性。重症再生不良性貧血と診断。血清ドナーなし。治療法を選べ。
1.非血縁者間骨髄移植
2.ATG+シクロスポリン
3.ステロイドパルス
【17】.発作性夜間血色素尿症は(A.先天性、B.後天性)の溶血性貧血で、細胞表面の補体制御蛋白の発現(C.亢進、D.低下)により、溶血が起きる。
1 A−C,2 A−D,3 B−C,4 B−D
【18】.AMLのFABに関して正しい組み合わせを選べ。
1.骨髄単球性では歯肉腫脹がみられる。
2.骨髄芽球性分化型ではAuer小体はみられない。
3.赤白血病ではfaggot cellがみられる。
4.前骨髄性ではDIC起こしやすい。
5.巨核芽球性は骨髄線維症を合併しやすい。
a1,2,3 b1,2,5 c1,4,5 d2,3,4 e 3,4,5
解答. c
【20】.急性白血病の分類について正しいものを選べ
1、骨髄中の芽球のペルオキシダーゼ染色陽性率が10%未満の場合は急性リンパ性白血病に、それ以上では急性骨髄性白血病に亜分類される
2、骨髄中の芽球の比率が20%以上を急性白血病とし、それ未満のものは骨髄異型性症候群に分類される。
3、急性リンパ性白血病は小児に多く、急性骨髄性白血病は成人に多い。
4、巨核芽球性白血病の診断にはCD20養成であることが必要である。
5、急性前骨髄球性白血病では8:12転座が多く認められる。
a 1,3,4 b1,2 c2,3 d 4 e全て
【21】.急性白血病について正しい組み合わせを選べ。
a. 急性白血病の分類には形態学を主体とするFAB分類と、染色体・遺伝子レベルでの解析を加味したWHO分類がある。
b. 急性骨髄性白血病のFAB分類では、骨髄中芽球が20%以上を占める場合を白血病とし、WHO分類では芽球が30%以上としている。
c. 急性白血病は長期予後が不良なため、第一寛解期でも同種造血幹細胞移植を行う。
d. 急性白血病の治療においては適切な支持療法(感染対策・輸血など)が不可欠である。
e. 毎年造血幹細胞移植を受ける症例数は増加している。
(1) a.b.c (2) a.b.e (3) a.d.e (4) b.c.d (5) c.d.e
答) (3) H17年卒試16.と同じ
b.%が逆
22 急性白血病の染色体異常のうち予後不良なものを次の中から選べ。
a. t(15;17) b. t(9;22) c. -5 d. inv(16) e. t(8;21)
(1)a,b (2)b,c (3)c,d (4)d,e (5)a,e
解答 2
23. 骨髄異形成症候群(MDS)について正しいものを5つ選べ。
(1)芽球比率はWHO分類では20%未満である。それ以上は白血病とされる。
(2)染色体異常としてはt(9;22)が多い。
(3)鉄芽球性不応性貧血では大球性貧血のことが多い。
(4)巨赤芽球様変化、好中球の偽pelger-huet核異常、微小巨核球などが認められることが多い
(5)G-CSFの長期投与は造血能全般を改善させるのに有効である。
(6)無症状でも末梢血血小板が2万個/μl以下になると血小板輸血による補充が望ましい
(7)低リスクで血球減少が少ないものは経過観察にとどめる。
(8)同種造血幹細胞移植は、現在根治を期待できる唯一の治療法である。
(9)免疫抑制療法は高リスクMDSの治療法として期待される。
(10)5q-症候群ではサリドマイドあるいはその誘導体が有効なことが多い。
回答:1 4 7 8 10
25. 悪性リンパ腫に関して,正しいものをすべて選べ.
(1) ホジキンリンパ腫はリンパ節に発症し,連続性に進展することが多い.
(2) Reed-Sternberg細胞は反応性の巨細胞であり腫瘍細胞ではない.
(3) ホジキンリンパ腫の病期分類はTNM分類が主体である.
(4) ホジキンリンパ腫の混合細胞型は,EBウイルスとの関連が深い.
(5) ホジキンリンパ腫は放射線感受性が高いので,放射線照射が治療の第一選択となる.
(6) 濾胞性リンパ腫はB細胞由来であり,大部分が低悪性群に含まれる.
(7) 中・高悪性度非ホジキンリンパ腫において,血清可溶性IL-2値は,IPI ( International Prognostic Index
)の項目の1つとして重要である.
(8) 成人T細胞性白血病の原因ウイルスはHTLV-1ウイルスであり,主に輸血を介して感染し発症する.
(9) 胃のMALTリンパ腫は限局していることが多いため,まず手術を検討する.
(10) びまん性大細胞型リンパ腫は化学療法に反応良好であり,5年生存率は80 % 以上である.
26.35歳、男性。右頚部腫瘤を主訴に受診。生検にて、ホジキンリンパ腫と診断された。病変の広がりは、右頚部、縦隔、大動脈周囲リンパ節腫脹が見られた。Ann Arbor分類では、病期はどれか。
1.T期 2.U期 3.V期 4.W期
27.正しい組み合わせを選べ。
ホジキンリンパ腫の組織型で、EBウイルスと関連が高いのは(Aリンパ球増加型、B混合細胞型)で、若年女性の縦隔に好発するのは(Cリンパ球減少型、D結節硬化型)である。
1.A-C 2.A-D 3.B-C 4.B-D
28. 中・悪性度非ホジキンリンパ腫のIPIに含まれないものはどれか。
1 LDH値
2 可溶性IL-2受容体
3 病期
4 Performance status
29. 多発性骨髄腫について正しいものをすべて選べ。
(1) Tリンパ球の腫瘍で細胞表面に免疫グロブリンを発現している。
(2) IL-7が腫瘍細胞の増殖に関与している。
(3) ほとんどの症例で肝脾腫をみとめる。
(4) 高Ca血症や腎障害が合併する例もみとめる。
(5) 偏在する車軸様核をもつ細胞が骨髄内で増加する。
(6) 赤血球連銭形成をみとめ、ESRが低下する症例がある。
(7) 若年性多発性骨髄腫で自己末梢血幹細胞移植の有効性が示されている。
(8) アミロイドーシスをみとめることがある。
(9) プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)が有効である。
30. 慢性リンパ性白血病について当てはまるものをすべて選べ。
1.日本、特に九州では30%を占めるが、欧米では2〜3%である。
2.眼底にソーセージ様静脈怒張を認めることがある。
3.細胞表面にCD9を表現していることが多い。
4.自己免疫性溶血性貧血を併発することがある。
5.末梢血にを形成することが多い。
6.若年者には稀で、高齢者に好発する。
7.抗CD20抗体(リツキシマブ)は無効である。
【31】マクログロブリン血症に関して正しいものを全て選べ。
(1)IgG産生細胞が単クローン性に増殖した疾患である。
(2)急性白血病に比べたら進行は緩やかである。
(3)赤血球連銭形成を認めるが、多発骨髄腫に比べたら頻度は低い。
(4)レイノー症状や出血傾向をきたす。
【32】骨髄増殖性疾患に関して以下にしめす単語は各々1及び2のいずれと関連が深いと考えられますか.答えは番号で示して下さい.
(1) フィラデルフィア染色体: 1. 慢性骨髄性白血病, 2. 骨髄線維症
(2) 慢性骨髄性白血病 ( 慢性期 ):
1. NAP低下, 2. NAP上昇
(3) 慢性骨髄性白血病の治療: 1. イマチニブ, 2. ハイドロキシウレア
(4) JAK2遺伝子変異: 1. 真性多血症, 2. 慢性好酸球性白血病
(5) 骨髄線維症: 1. 涙滴状赤血球, 2. 楕円状赤血球
【33】55歳男性。健康診断で白血球の著しい増加(56000)を指摘された。特に自覚症状は無い。
血液所見:Hb 12g/dl 、 Plt 14.2万、白血球 56000(前骨髄球1%、骨髄球 22%、後骨髄球 7%、分葉核好中球 43%、好酸球 2%、好塩基球 4%、単球 4%、リンパ球 9%)。フィラデルフィア染色体陽性。
治療の第一選択はどれか。
(a) ヒドロキシウレア
(b) インターフェロンα
(c) イマチニブ
(d) 他剤併用療法
(e) 骨髄移植
【34】骨髄増殖性疾患について正しい記述に○,誤った記述に×をつけよ.
(1) 慢性骨髄性白血病では,末梢好塩基球数の増加を認めることがある.
(2) 慢性骨髄性白血病の原因遺伝子であるBCR / ABLキメラ遺伝子は9番染色体と22番染色体の相互転座の結果生じる.
(3) 慢性骨髄性白血病では,好中球機能の亢進を反映してNAP活性が増加する.
(4) 真性多血症の診断にはEPOの測定が有用であり,血清EPO値は増加する.
(5) 真性多血症ではJAK2遺伝子の変異によりJAK2が恒常的にリン酸化され,赤芽球前駆細胞が自律増殖する.
(6) 本態性血小板血症では,合併症として血栓症をきたすこともあれば出血をきたすこともある.
(7) 慢性特発性骨髄線維症では,末梢血所見として白赤芽球症やtear drop cell ( 涙滴状赤芽球 )を認める.
(8) 重症感染症や粟粒結核では,末梢白血球数の増加や幼若な白血球の出現がみられ,白血病に類似することがある.
解答 H20概説【26】と同一問題
(1) ○好中球の増殖が主体だが好塩基球↑(50/mm^3)・好酸球↑を伴う。
(2) ○
(3) ×
慢性期はNAP低値。急性転化ではNAP高値が特徴的。
(4) ×
フィードバックがかかって、血清EPOは正常もしくは減少する。
(5) ○97〜100%に認められる。2008年に[WHOによる真性多血症診断基準]が改定され新しく大基準に入ったことからの出題か?
他に骨髄増殖性疾患から骨髄増殖性腫瘍に名称が変更となった、などの変更点あり。
(6) ○ Plt>100万にもなるが、形態や機能に異常があるため、出血傾向をきたす。
(7) ○
(8) ○
【35】播種性血管内凝固症候群にみられる検査異常はどれか。2つ選べ。
(a) 骨髄巨核球数の低下
(b) Dダイマーの増加
(c) フィブリノゲンの増加
(d) 血小板機能の低下
(e) トロンビン・アンチトロンビン複合体の増加
解答 b.e H20年概説27と同一
【36】プロトロンビン時間(PT)について正しいのはどれか?
(a) ヘパリン使用時に延長する。
(b) 凝固因子[欠乏で延長する。
(c) ビタミンK欠乏で延長する。
(d) フォンヴィレブラント病で延長する。
(e) DICにて短縮する。
解答 c
【37】特発性血小板減少性紫斑病について正しいのはどれか.
a. (a)キャンピロバクタ除菌が有効である.
(b)第1選択はガンマグロブリン大量療法である.
(c)インターフェロンαが有効である.
(d)血小板数5万であれば摘脾を行う.
(e)治療は血小板数が2万以下で出血傾向があるときに積極的に行う
解答:e H20年概説29番と同じ
a.×ヘリコバクター・ピロリ陽性例では、標準的な除菌療法を行うことにより、半数近くの症例で血小板数の増加がみられる。
b.×副腎皮質ステロイドが第1選択薬。
c.×機序は明らかではないが臨床的に例えば、インターフェロンにより血小板減少が認められる。
d.×血小板が5万以上、あるいは2万〜3万でも出血傾向がない場合は経過観察。
e.○
【38】次のうち正しい組み合わせであるものを選べ
(1) 血栓性血小板減少性紫斑病 ― FDP増加
(2) 深部静脈血栓症 ― アスピリン
(3) 抗リン脂質抗体症候群 ― プロテインC欠乏
(4) シェーンラインヘノッホ紫斑病 ― 血小板減少
(5) 後天性血友病A ― 活性化VII因子製剤
解答 (1) H20概説【30】を一部改変
(1) ○ TTPでは初期には凝固線溶系は正常だが、進行するとDICを合併しFDPが上昇する。
(2) ×
深部静脈血栓にはヘパリン、ワルファリンなどの抗凝固薬。抗血小板薬も全く無効ではないが、比較すると劣る。
(3) ×
(4) ×
主座は毛細血管内皮の透過性亢進であり、凝固系、血小板はすべて正常。XIII(13)因子のみ時に低下する。
(5) ×
【39】血栓性血小板減少性紫斑病において正しいのを二つ選べ
(1)ADAMTS13に対する自己抗体が本態である。
(2)PAIgGが本態である。
(3)血小板輸血による出血防止が重要である。
(4)FDPは上昇する。
(5)破砕赤血球が見られる。
解答 1,5
1:○von
Willebrandfactorを切断する肝臓由来酵素の活性ADAMTS13が無いために起こるという説がある.
ADAMST13活性著減の原因として1)ADAMTS13活性の先天性欠損、2)後天性にADAMTS13に対する自己抗体の産生;原因不明、薬物、妊娠、HIV感染、悪性腫瘍などが考えられている。
2:×PAIgGが上昇する疾患;感染症、癌、急性白血病、全身性エリテマトーデス(SLE)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、薬物性血小板減少症。。。らしい
3:×血小板輸血は禁忌!! 治療は血漿交換療法が第一選択で血栓を防ぐため抗血小板薬、ステロイドが併用される。
4:×血液凝固系の異常は少なく、ときにPT時間の延長、フィブリノゲンの減少、FDPの増加などを認めるが顕著でない。
5:○末梢血液像における網赤血球の増加、赤芽球、各種の破砕赤血球の出現が特徴
【40】正しいものを選べ。
(1)GPTbはfibrinogenと結合し、血小板凝固する。
(2)組織因子は血管内皮細胞から産生され、凝固に働く。
(3)血小板が活性化するとインテグリンを発現し、凝固に働く。
(4)血管内皮下のコラーゲンを白血球の蛋白分解酵素が分解し、凝固に働く。
(5)vWFは血小板の粘着能に関与し、肝で産生、放出される。
解答解説案 2,(3) (凝固系はよく問題が変わるので少し詳しく解説)
1.血小板表面に存在しvWFと結合。
2.凝固因子のうち、V(組織因子)は血管内皮下組織、[は肝脾のマクロファージ、残りは全部肝と覚える。
通常血管内皮細胞には組織因子のmRNAは存在しないがLPSやTNF、IL−1で刺激すると組織因子をつくるようになるので、内皮細胞が障害され中膜などが露出された場合や、炎症局所などで内皮細胞が刺激された場合に凝固が開始される.
3.インテグリンは様々な形で細胞の接着に関与。血小板上のインテグリンは低親和性状態にあり、損傷血管に接触すると高親和性状態へと移行する。これの欠損に血小板無力症がある。
4.vWFとコラーゲンが結合して凝固が始まるので分解されちゃまずいでしょう。
5.VWF は血管内皮細胞や骨髄巨核球で最終的に産生,放出された後に VWF 分解酵素(VWF cleaving protease : VWF–CP)による分解を受け,流血中では単一サブユニットが種々の程度に重合したマルチマー構造をとるが、一般に高分子量のものほどより非活性が高い。
41. 白血病に対する造血幹細胞移植のうち、移植片対白血病効果(GVL効果)を発揮
するものをすべて選べ。
(1) 自己骨髄移植
(2) 自己末梢血幹細胞移植
(3) 同系末梢血幹細胞移植
(4) 同種骨髄移植
(5) 同種末梢血幹細胞移植
解答: 4,5
○GVL効果:移植されたドナーの免疫担当細胞が白血病細胞を攻撃すること。
1,2) 自家移植:健常な自己の造血幹細胞を採取し保存して戻す。GVHDがなく免疫
回復は早いが、GVL効果がないため再発が多い。
3) 同系移植:一卵性双生児の幹細胞を移植すること。GVL効果はない。
4,5) 同種移植:ドナーから幹細胞を提供してもらい行う。GVHDに対して免疫抑制
剤を使う。GVL効果が期待でき、再発が少ない。
・末梢血幹細胞移植(PBSCT)は骨髄移植(BMT)に比べ、移植する幹細胞の数が多く
移植後の造血機能の回復が早い。PBSCTは慢性GVHDは多い一方でGVL効果も強いと
いわれる。
42 同種造血幹細胞移植について,正しいものを全て選べ.
a. 慢性骨髄性白血病に対して現在も第一選択の治療である.
b. 悪性腫瘍に対しては,移植後の免疫学的な治療効果が期待できる.
c. 最も重要な合併症の1つは,移植片対宿主病である.
d. ドナーと患者( レシペント )のHLA一致度が移植成績に影響する.
e. 臍帯血移植は,成人では一般に行われない.
43.急性白血病の化学療法において、下記の治療法を行う順に並び替えよ。
(1)維持療法
(2)強化(地固め)療法
(3)寛解導入療法
44.輸血療法について正しい組み合わせはどれか。
1 56歳、女性。末期子宮ガンのため、るいそうがひどく、栄養状態を改善するためにアルブミンを投与した。
2 40歳、女性。貧血のため来院。診断の結果、鉄欠乏性貧血と診断された。Hb5.0g/dlと高度の貧血を認めたため、貧血症状は軽度だったが、鉄剤投与の上、緊急赤血球輸血を行なった。
3 39歳、女性。21歳のときに再生不良性貧血を発症した。本日の採血でPlt1.0万だったが、出血症状は認めなかったため輸血は行なわなかった。
4 24歳、男性。交通外傷で搬送され、緊急を要したので、O型赤血球輸血を行なった。
5 手術前は、輸血予定でなくとも不規則抗体のスクリーニングをすべきである。
(a)1,2,3 (b)1,2,4 (c)2,3,4 (d)2,3,5 (e)3,4,5
46. 小児急性リンパ性白血病( ALL )に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
a. 小児白血病の約40 % が急性リンパ性白血病である。
b. 小児急性リンパ性白血病の発症のピークは、2〜4 歳にある。
c. 小児急性リンパ性白血病のFAB 分類を行うと、最も頻度の高い型はL1 である。
d. 小児急性リンパ性白血病の表面マーカーを検索すると、約10 % の症例でCD10 が陽性となる。
(1) a, b (2) a, d (3) b, c (4) c, d
解答 (3)
a. ×小児白血病では約95%が急性型で、そのうち約80%がALL。
b. ○
c. ○L1は小児型。成人ではL2が多い。
d. ×CD10陽性の白血病はcommon ALLと呼ばれ80%を占める。
47.小児急性リンパ性白血病(ALL)で予後不良が予測される因子はどれか?
a. 初診時白血球数が1200/μlであった
b. 初診時年齢が15歳であった
c. 白血病細胞の染色体検査でt(9;22)が検出された
d. 初診時に肝臓や脾臓の腫大を認めなかった
1) a,b 2) b,c 3) c,d 4) d,e
48.小児ALLについて
a.シタラビンが最も有効
b.80%が移植を行う
c.精巣腫大がみられる
d.低身長になることがある
50.小児がんの治療、予後について正しい組み合わせを選べ。
a. ホジキン病の生命予後は小児がんの中では良好である。
b. 小児の化学療法は多剤併用より単剤で行うことが多い。
c. 小児では標的分子治療薬は効果がなく、使用しない。
d. 悪性リンパ腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫はアジュバント療法が有効である。
1.ab
2.ad 3.bc 4.cd
解答 2
51,
小児がんの治療および晩期合併症についての記述のうち、正しいものを選べ。
a,予後が極めて不良と考えられる染色体転座を認める小児白血病は同種造血幹細胞移植の適応とならない。
b,小児がん治療後の晩期障害として、成長障害・発達障害・内分泌障害・臓器機能障害・脱毛・二次がんなどが挙げられる。
c,臍帯血移植では、骨髄移植に比べ必要とされる輸注有核細胞数は少ない。
d,臍帯血移植後の血小板の回復は、一般に骨髄移植や末梢血幹細胞移植に比べ早い。
1,ab 2,ad 3,bc 4,cd
52.
小児再生不良性貧血について、正しいものを選べ。
1.重症例は中等症より、免疫抑制剤の反応性が良い
2.免疫抑制剤投与後、再発しない
3.HLA一致骨髄移植後の二次がんは白血病が多い
4.Fanconi貧血は骨髄破壊的移植前処置が有効である。
5.Diamond-Blackfan貧血はリボソームS19(RP19)遺伝子変異が一因である。
53.
小児急性ITPについて誤りを三つ選べ
1. 巨核芽球が減少し、血小板関連IgG上昇する。
2. 血小板減少が6ヶ月以上遷延することは少ない。
3. 鑑別するべきWiskott-Aldrich症候群とBernard-Soulier症候群では血小板の体積が小さい。
4. γグロブリン療法後に無菌性髄膜炎になる。
5. 摘脾後に溶連菌感染が起こりやすい。
ごめんなさい。何個選ぶのかと、その答えの組み合わせを忘れてしまったのです。
55.
以下の記述で正しい組み合わせはどれか。
aリンパ節の胚中心は主にT細胞で構成されている。
b組織球性壊死性リンパ節炎では好中球浸潤と凝固壊死が特徴的である。
cバーキットリンパ腫は小児に好発し顎骨に腫瘤を形成する。
d多発性骨髄腫では形質細胞の増殖がみられる。
e再生不良性貧血では骨髄の過形成が見られる。
1ab,2ae,3bc,4cd,5de
56.
正しいものを二つ選べ
1、悪性貧血は骨髄に大型の細胞を見る事はなく、白血病との鑑別は不要である。
2、多発性骨髄腫はポリクローナルな抗体を産生する。
3、リンパ節の胚中心では分裂像は見られない。
4、M3ではPML/RARαを高頻度に発現する。
5、MDSでは骨髄の低形成を認める事は稀。
45?
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