平成20年度 神経 卒業試験
【1】 62歳男性。5年前から左手のふるえに気付く。その後徐々に姿勢が前傾となり、歩幅が狭くなってきた。動作も遅くなり、表情は硬く、また1年前より姿勢バランスが悪くなり、しばしば転ぶようになった。幻覚や認知症はない。このような疾患に対して正しいのはどれか。
a 一般にふるえは静止時に目立つ。
b バランス障害は小脳萎縮が原因である。
c T2強調MRIで脳幹に十字サインが見られる。
d ドパミンアゴニストが有効である
e 一般に筋強剛は歯車様である
1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde
【2】 50歳、男性。半年前から左手の脱力に気付いていた。両手の母指球筋と小指球筋、骨間筋および舌の委縮と繊維束収縮を認めた。四肢腱反射は亢進し、両側病的反射が出現していた。予想される所見はどれか。
a)針筋電図で四肢遠位の筋原性異常
b)時にMRIで錐体路(内包後脚)にT2で高信号
c)舌の針筋電図で陽性鋭波、繊維束収縮
d)末梢神経伝導検査で複合活動電位(CMAP)の低下
e)体性感覚誘発脳波(SEP)で中枢潜時の延長
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
【3】舞踏病をきたすのはどれか選びなさい
(a)筋萎縮性側索硬化症 (b)変形性筋ジストニー (c)リウマチ熱(d)ハンチントン病 (e)メージュ症候群
1(a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e)
解答4 リウマチ熱は小舞踏病の原因となる
【4】正しい組み合わせを選べ。
a.Alzheimer病:意味記憶障害
b.Lewy小体型痴呆:進行性失語
c.Creutzfeldt-Jakob病:視空間失認
d.進行性核上性麻痺:垂直性眼球運動障害
e.?
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
【5】劣位半球障害で認められないものは?
a 超皮質性障害
b Gerstmann症候群
c 半側空間無視
d 構成失行(あやふや?)
e 観念運動失行
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
【7】一般に髄膜炎においてみられない症状はどれか。
a.レルミット徴候
b.ケルニッヒ徴候
c.髄液中の細胞数増加
d.スパーリング徴候
e.バビンスキー反射
1ab 2ae 3bc 4cd 5de
【9】62歳女性。物が見えにくいと訴えた1週間後より歩行時にふらつくようになった。
次第に口数が少なくなり、話のつじつまが合わなくなり意思疎通ができなくなった。1ヶ月後には寝たきりとなり、四肢が時々不随意にピクッと動くのが観察された。以下のうち、正しいものを選べ。
(a)拡散強調MRIで大脳皮質の高信号化がみられる。
(b)脳波検査で周期性同期性高振幅鋭波(PSD)が認められる。
(c)遺伝性ではIT15の変異が見られる。
(d)不随意運動は舞踏病が見られる。
(e)髄液検査で著名なNSEの上昇と14-3-3蛋白の上昇が認められる。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
【10】以下の反射レベルで正しいものは。
a.腕橈骨筋反射 - C5〜C6
b.上腕三頭筋反射 – C6〜C8
c.アキレス腱反射 – L5〜S2
d.膝蓋腱反射 – L1〜L2
e.肛門反射 – L5〜S1
1.a,b,c 2.a,b,e 3.a,d,e 4.b,c,d 5.c,d,e
【11】
a. アーガイル・ロバートソン瞳孔を認める
b. ロンベルグ徴候が陰性である
c. 深部腱反射が亢進する
d. 治療はテトラサイクリンを用いる
e. シャルコー関節を認める
1.ab 2.bc 3.cd 4.de 5.ae
【12】.髄液検査について正しいものを選べ。
a)キサントクロミーは脳炎、髄膜炎で認められる。
b)髄液オリゴクローナルバンドはギランバレー症候群に高頻度に認められる。
c)細胞蛋白解離は蛋白上昇はあるが、細胞数は正常範囲のことである。
d)血糖が120mg/dlのとき、髄液糖が70mg/dlなのは正常範囲である。
e)髄液の正常細胞数のカットオフ値は5個/μlである。
1.abc, 2.abe 3.ade, 4.bcd, 5.cde
【14】. 36歳の男性。5-6年前から月に数回、右手が痙攣したあと、30秒間ほど口をもぐもぐさせたり興奮するなどの発作が起こる。本人は発作時のことは覚えていない。発作時以外は正常に生活できる。この症例に関して正しいものの組み合わせを選べ。
a.脳波所見で3Hzの棘徐波結合を認める。
b.時に小児期に熱性痙攣の既往がある。
c.時にMRIにて海馬硬化を認める。
d.初回治療の場合はカルバマゼピンから開始する。
e.遺伝性疾患である。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
H19卒試14に類似。側頭葉てんかん?c、eが新選択肢。b、dがあってそうなので4か?
【15】. 48歳女性。数週前より腰部両大腿部、両上腕部に痛みを感じ始めた。次第に、起立、歩行、両上肢挙上困難となった。両眼瞼部、体幹部に発赤を認める。次のうち正しいのはどれか。
a.血清CPKが著名に増加する。
b.針筋電図検査にて、巨大神経運動単位(MUP)を認める。
c.治療として、積極的筋力訓練を行う。
d.抗Jo-1抗体陽性である。
e.悪性腫瘍を合併しやすい。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 3
【17】.35歳男性。33歳時に筋力低下と運動障害が出現したが、1ヶ月程度で自然治癒。2週間ほど前から風邪気味だったが、今朝起床時より、複視が出現したため来院。眼球運動を図に示す。最も考えられる原因はどれか。
【図】眼球運動の図。H19卒試17と同じ写真。正面視、右方視、左方視、輻輳時の眼球の写真。右方視で左眼の内転障害が認められ、「右目に水平性眼振」とのコメント。
a.多発性硬化症
b.重症筋無力症
c.Fisher症候群
d.内頚-後交通動脈瘤
e.橋梗塞
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
【18】.52才男性。2ヵ月前から午後になると右眼瞼下垂と複視が起こるため来院。正中神経反復刺激試験(3Hz)を行い、母指内転筋表面筋電図を記録したところ、図aのような結果が得られた。胸部造影CTスキャンの結果を図bに示す。この時点で患者について誤っているのはどれか。
a.誘発筋電図にて漸増現象(waxing)が認められる。
b.血漿交換療法が有効である。
c.甲状腺疾患を合併する。
d.拡大胸腺摘出術を行なう。
e.抗VGCC抗体陽性がみられる。
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
解答.2
【20】.両側性の顔面神経麻痺を呈する疾患を選べ
aラムゼイハント症候群
bベル麻痺
cギランバレー症候群
dサルコイドーシス
e橋下部梗塞
1ab 2ae 3bc 4cd 5de
22. 18歳女性。幼小児期に問題なし。半年前より字を書こうとすると手が震えてうまく書けない、体の動きが悪く、転びやすくなったなどの症状で来院。軽度の知能低下を認め、性格は多幸的。頸部と四肢に筋固縮、寡動、右手のジストニーあり。病的反射なし。感覚障害、小脳症状、骨格の変形などはない。眼球の写真と頭部MRIを図に示す。この疾患に関して正しいものはどれか。
(a)羽ばたき振戦がみられる。
(b)一日尿中銅排泄量は増加している。
(c)血清セルロプラスミン値は低下している。
(d)血清銅は増加する。
(e)治療的に銅含有食品を与える。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
23. 23歳の女性。生来健康であったが、2年前急に左目が見えにくくなった。2,3ヶ月で視力は徐々に回復した。1ヶ月前から左を見ると物が二重に見えるようになった。2週間前から両下肢の脱力をきたし、3日前から歩行不能、尿閉となった。左方視で右眼の内転が不十分であり、外転している左目に眼振がみられた。輻輳は正常。両下肢の脱力は著名で腱反射の亢進とバビンスキー反射が陽性であった。乳房付近に帯状に絞扼感(girdle sensation)を認め、それより下の温痛覚、振動覚の低下を認めた。この疾患について正しいものを選べ。
a)MRIで大脳白質や脊髄にT2高信号病変がある
b)髄液IgG indexは増加する。
c)末梢神経障害を伴うことが多い
d)痙攣を起こすことはない
e)インターフェロンβ療法が再発防止に有効である
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
回答:2
25. 45歳女性。5~6年ほど前から上・下肢の脱力と筋萎縮が徐々に進行し、最近階段の昇降が困難になり、杖歩行となった。3ヶ月前に突然右片麻痺と右同名半盲が出現。血液検査で代謝性アシドーシスを呈しており、血清乳酸、ピルビン酸軽度上昇、血清CK180U/l(正常45~163U/l)。針筋電図所見で筋原生変化を認めた。症状は徐々に軽快し、発症1ヶ月で右片麻痺も半盲も消失した。発症3日目のT2強調MRI像と、発症3ヶ月目のT1強調画像を示す。ゴモリトリクロム変法染色(200倍)での筋生検像を示す。正しいものはどれか。
a.中大脳動脈の主幹部に梗塞を認める。
b.急性期には血漿交換療法が有効である。
c.MERRF(myoclonus epilepsy associated with ragged-red fibers)が疑われる。
d.ミトコンドリアtRNA遺伝子の点変異による。
e.髄液中の乳酸、ピルビン酸も増加している。
1ab 2ae 3bc 4cd 5de
解答
T1WIで左側頭葉~後頭葉に脳回に沿った高信号域、ゴモリトリクロム染色でragged-red fiberを認める
26. 26歳女性。小学校の頃より、体育が苦手で、競争ではいつも最下位であった。20歳ころより歩行時に足が垂れスリッパが脱げ易くなり、階段を登るのが困難になった。父と妹にも同様の症状が見られた。この疾患で見られない症状はどれか。
a.前傾姿勢
b.逆シャンパンボトル
c.ロンベルグ徴候
d.バビンスキー反射
e.ガワーズ徴候
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
28. 正しい組み合わせを選べ。
a 皮質基底核変性症−視空間失認
b ボツリヌス−舞踏病
c 破傷風−開口障害
d ビタミンB1−wernicke脳症
e ビタミンB12−亜急性連合性変性症
1 abc 2 abe 3 ade 4 bcd 5 cde
29. 25歳男性。10日前より毎日夜間就眠中に左目の奥に突然刺すような痛みを感じるが数分から二時間で消失する。頭痛がないときの全身所見・神経学的検査に異常はない。頭部CTスキャンも正常であった。正しいものをえらべ。
a 鼻汁・顔面紅潮・流涙を伴う。
b 筋緊張弛緩薬は有効である。
c アルコールは発作予防に良い。
d 頭位変換により頭痛が増強する。
e トリプタン系薬剤の点鼻を行う。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
解答2?3?
少なくとも4年以上出題されています。(ずっと29番)ただし選択肢の変化あり。
a○ c× e○ ですが、b.dが?です。
30.精神発達障害の可能性があるのはどれか。
a.(6生月、女)首が座らない。
b.(2歳、男)二語文の復唱ができない。
c.(12生月、女)一人で歩けない。
d.(4歳、女)自分の姓名が言えない。
e.(5歳、男)赤、青、黄、緑の弁別ができない。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
【31】7か月男児が、十秒おきに2~3分間くり返して全身に一瞬力を入れ、不機嫌に泣くようになった。同じくり返しが1日に何時もあり、あやし笑いもなくなった。症状や検査所見について正しいものはどれか。
a.発症様式はスパスムである。
b.精神発達遅滞や退行が見られる。
c.高振幅徐波が背景をなし、時間的空間的にバラバラな棘波が見られる。
d.ACTH療法は副作用が強いので早期の使用は控える。
e.80%は知的予後は良好である。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
【32】
【33】間違っている組み合わせはどれか。
a.Sturge-Weber症候群---顔面ポートワイン様母斑
b.結節性硬化症---躯幹の線状・渦状白斑
c.Hypomelanosis of Ito---木の葉様白斑
d.色素失調症---線状紅斑性水疱
e.神経線維腫症(Type1)---カフェオレ斑
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
解答 3
結節性硬化症が木の葉用白斑で、hypomelanosis of Itoが躯幹の線状・渦状白斑。H19年33番の解説が詳しいです。
【34】Reye症候群について正しいものはどれか。
a.血清アンモニア高値
b.低血糖
c.髄液細胞数増多
d.血清アミノ酸高値
e.肝脂肪変性
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答2
Reye症候群とは、主として15歳以下の小児にみられる肝障害をともなう急性脳症のことである。発病初期には高アンモニア血症、低血糖症がみられ、引き続いて血清高AST、ALT、プロトロンビン値低下などの肝機能障害がみとめられる。微小脂肪滴が肝小葉全体に沈着した状態の脂肪肝を伴う。アスピリンが誘因となる。
H19卒試34の選択肢dのみ変化
【35】福山型筋ジストロフィーによく認められるものはどれか。
a.常染色体劣性遺伝の家族歴
b.小多脳回
c.関節拘縮
d.軽度の知能障害
e.筋緊張の亢進
1 abc 2 abe 3 ade 4 bcd 5 cde
解答 1
【36】生来健康な6歳女児。知能低下と頻発する痙攣がある。肝脾腫、ガーゴイリズムは認めない。正しいものは以下のどれか。
a.病変は白質にある
b.脳波で視神経の委縮が認められる
c.SSPEの可能性も考えられるので麻疹抗体価をはかる
d.女児なのでadrenoleukodystropyは考えにくい
e.ムコ多糖症の可能性は低い
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 5
【37】元来健康な7歳女児。突然立ち止まって動かなくなる発作が出現。発作は10秒位でおさまり、何事もなかったように再び話し出す。本人は発作中の意識がないという。このような発作が日に何回も出現したため病院を受診した。風車を吹かせると発作を誘発できた。
この疾患に関して誤った記述を選びなさい。
a.短い強直性発作を伴う
b.確定診断はMRAで行う
c.脳の全般に3Hzの棘徐波を伴う
d.治療はバルプロ酸から開始する。
e. 徐々に知能低下を伴う。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 2
欠神発作である。
【38】5歳の男児が精神運動発達の退行と痙性四肢麻痺の緩徐な進行を呈し、肝脾腫・ガーゴイル様顔貌なく、頭部MRI(T2W1)での両側基底核と白質の広範な高吸収域を認めた。次の検査で必要性の高いものはどれか。
a.クラッペ病を疑い白血球ガラクトセレブロシダーゼ活性
b.髄液の乳酸とピルビン酸
c.髄液の麻疹抗体値
d.尿中有機酸
e.全身骨X線
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 不明 1 or 3を支持する声が多い。
以下に同級生のつぶやきをコピペしておく。次年度解答作成の段階で要再検討。
5歳で退行→代謝性疾患(異常代謝物の蓄積による)or感染症を考えました。肝脾腫無し、ガーゴイル無し、MRIからクラッベ病、異染性白質ジストロフィー
、副腎白質ジストロフィーを、痙性麻痺、進行が緩徐、選択肢から、若年型クラッベにしました。(乳児型は進行が早いが、若年型、成人型は緩徐進行。)骨病変は無いはずなので違うかも。。
【39】脳卒中の疫学として正しいのを選べ
a.脳卒中はいまや死因は3位、寝たきりの原因でも1位となっている。
b.脳卒中の病型別頻度では虚血性(脳梗塞)が70%を占める。
c.ラクナ梗塞の割合は経年的に増加している。
d.脳梗塞の発症頻度は70歳代がピークで、80歳以上では減少する。
e.糖尿病治療の進歩により、脳出血の発症は激減した。
【40】66歳男性、高血圧の既往あり。朝突然右の上下肢に力が入りにくいことを自覚し、翌日になっても回復しないため来院した。
血圧166/94、脈拍76/分、整、右の不全片麻痺を認める。CT所見を示す(なんとかレベル、大きさ、色合いのそっくりな画像をGET
したので添付しときます)。正しいのはどれか。
a.左共同偏倚(偏視)を認める。
b.降圧療法を開始する。
c.抗血小板薬を投与する
d.脳ヘルニアを起こす危険性は少ない。
e.抗凝固療法を開始する。
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
解答 4 診断:ラクナ梗塞 Pure motor hemiparesisタイプ
脳梗塞の急性期では基本的に虚血域拡大が懸念されるため降圧療法は行いません。慢性期では↓参照。
以下[日本脳卒中学会 脳卒中治療ガイドライン2004]よりペタペタ。
1-4. 抗凝固療法
1. 発症48時間以内の脳梗塞ではへパリンを使用することを考慮してもよいが、十分な科学的根拠はない(グレードC1)。
2. 脳梗塞急性期に低分子ヘパリン(保険適応外)、ヘパリノイド(保険適応外)は使用することを考慮してもよいが、十分な科学的
根拠はない(グレードC1)。
3. 発症48時間以内で病変最大径が1.5cmを超すような脳梗塞(心原生脳塞栓症を除く)には、選択的トロンビン阻害薬のアルガト
ロバンが推奨される(グレードB)。
1-5.抗血小板療法
1.オザグレルナトリウム160mg/日の点滴投与は、急性期(発症5 日以内)の脳血
栓症(心原性脳塞栓症を除く脳梗塞)患者の治療法として推奨される(グレードB)。
2.アスピリン160〜300mg/日の経口投与は、発症早期(48時間以内)の脳梗塞
患者の治療法として推奨される(グレードA)。
2-1. 危険因子の管理と再発予防 高血圧
脳梗塞の再発予防では、高圧療法が推奨される(グレードA)。
(附記)至適降圧レベルは、日本高血圧学会ガイドライン2000年版にて最終目標140〜150/90mmHg未満が推奨されている。
また2006.2月にセロトニン2型受容体(5-HT2受容体)拮抗薬の脳梗塞再発予防効果をアスピリンと比較無作為化試験S-ACCESSの
結果が出てアスピリンと同程度の効果が示されるなど他にも試験があってるので今後ガイドラインの改定があれば、標準治療も
変わるかもです。
41. 症例は61歳男性。20年前より糖尿病と高血圧に対して、近医で治療している。半年前より起立時や歩行時に10分以内でおさまる右上下肢の脱力が出現するようになったため来院した。来院時の所見は、血圧148/82mmHg、脈拍78/min、空腹時血糖144mg/dl、明らかな感覚障害や麻痺は認められなかった。頭部MRIのT2強調画像を図に示す(所見は左の大脳基底核付近に小さなhigh intensity)。正しいものを選べ。
a) 起立性低血圧の存在が疑われる。
b) 左中大脳動脈の病変が疑われる。
c) 早急に降圧治療を開始すべきである。
d) MRIでラクナ梗塞がみられる。
e) 血行力学性の一過性脳虚血発作が疑われる。
1)a,b,c、2)a,b,e、3)a,d,e、4)b,c,d、5)c,d,e
解答:4
a) ×:糖尿病がある高齢者なので鑑別にはあがるが、症状は倦怠感やめまい、頭
痛などであって脱力ではない。
b) ○?:画像より病変部は中大脳動脈支配域にある。ただ、ラクナ梗塞は穿通枝
病変なので、中大脳動脈と言っていいのかが不明。
c) ○?:JSH2004で収縮期高血圧と言える。糖尿病もあるため、厳しい血圧コン
トロールが求められる。ただ、高血圧の治療を20年前よりしているため、早急
に降圧治療を始めるという表現が引っかかる。
d) ○:T2でhigh intensity。長径が1.5cm以下だったかは定かではないが、大き
な梗塞巣ではなかった。意識障害などもない。
e) ×?:症状は内頸動脈系TIAと合致するので、半年前から始まったものはTIAで
あった可能性が高いが、画像よりすでに脳梗塞に移行していると考える。「半年
前より始まった脱力発作はTIAであった疑いがある」なら○か?
42.65歳男性、今朝起きるといつもと様子が違うので家族が救急要請。受診時、血圧?、脈拍?、意識20/JCS。全失語、左片麻痺あり。来院時CTを示す。正しいのはどれか。(CTは高吸収域等なく、ほとんど正常でした。)
a. 急性期梗塞である。
b. 出血性病変を認める。
c. ラクナ梗塞である。
d. 原因として多いのは、非弁膜症性心房細動である。
e. 優位半球は右である。
1 ab 2 ae 3 bc 4 cd 5 de
43.症例は72歳女性。近医にて糖尿病の治療中であった。歩いてるときに左上下肢の脱力を認めたため当院来院。脱力は20分程度で治まり、頭部CTにて明らかな局在病変を認めなかった。頚部MRA、頚動脈エコーにて下記の所見を得た。治療として正しいものはどれか。
a.血栓溶解療法を行う。
b.神経症状は消失しており治療の必要性はない。
c.右内頚動脈の一過性虚血である。
d.頚動脈内膜剥離術の適応である。
e.冠動脈を含め全身の動脈硬化の評価が必要である。
(1)a.b.c (2)a.b.e (3)a.d.e (4)b.c.d (5)c.d.e
44.68歳、女性。高血圧があったが、コントロール不良。頭痛と右上下肢の脱力を自覚し、発症後2時間で当院に救急車で搬送された。血圧210/106 脈拍86/分 整。右不全片麻痺を認めた。頭部CTを示す。(視床部に境界明瞭な高吸収の血腫を認めた。)正しいのはどれか?
a.超急性期の脳梗塞の可能性がある。
b.著名な縮瞳とpin point pupilを認める。
c.感覚の麻痺が強く、慢性期では頑固な痛みを伴う。
d.発症後数日で脳浮腫を認め、1〜2週間でピークに達する。
e.アミロイド血管症を強く疑わせる。
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
視床出血を疑って4.cdにしました。
46. (2007卒試46番と同じ)2歳女児。嘔吐を繰り返しており、不機嫌、傾眠傾向である。Gd造影MRIを示す。髄液路の閉鎖部位と考えられるのはどこか。
(1) モンロー孔 (2) 中脳水道 (3) 第三脳室 (4) 第四脳室 (5) マジェンディー孔
解答 2
第三脳室が拡大していますが、これは松果体腫瘍の画像です。実際の問題もこのような画像だったはずです。
47.57歳女性。交通事故で頭部を打撲した。意識は清明であったが頭痛が強く、約1時間後から傾眠となり、CT撮影時にはJCS-100となった。頭部単純CTを示す。出血源と考えられる動脈はどれか。
1.中硬膜動脈 2.前大脳動脈 3.中大脳動脈 4.内頚動脈 5.浅側頭動脈
(CTは2枚。1枚は脳実質条件で右側頭部に凸レンズ上の血腫。2枚目は骨条件で右側頭骨に骨折あり。)
48.図のような視野異常を示す障害部位を選べ。
(図は両耳側半盲を示していました)
1.視神経管 2.視交叉 3.外側膝状体 4.視放線 5.後頭葉
答え 2 H19卒試48と同じです
49. 左動眼神経の障害に伴う神経学的所見として正しいものの組み合わせはどれか。
a.左眼瞼下垂がみられる。
b.左眼の瞳孔は縮小している。
c.右眼の間接対光反射は消失している。
d.左眼の間接対光反射は消失している。
e.左眼の直接対光反射は消失している。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 3(19年卒試49番と選択肢の配置のみ変更)
50.各筋肉を支配する神経の組み合わせで正しいものを選べ。
(a)口輪筋-三叉神経運動核
(b)舌筋−舌咽神経
(c)上眼瞼挙筋-顔面神経
(d)上直筋−動眼神経
(e)上斜筋-滑車神経
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de
51.
34歳女性。ガドリニウム造影MRIを示す。異常が予想される検査として正しい
組み合わせを選べ。
a,体性誘発電位(SEP)
b,視覚誘発電位(VEP)
c,聴性脳幹反応(ABR)
d,カロリックテスト
e,腫瘍マーカー
1ab 2ae 3bc 4cd 5de
52.
上記51番問題の腫瘍が最も高率に発生するのはどれか?
1.三叉神経 2.顔面神経 3.前庭神経 4.蝸牛神経 5.迷走神経
53.
52歳男性、6年前より顔貌の変化が出現した。Gd造影MRIを示す(下垂体線種の所見)この症例に合併しやすいものを三つ選べ。
1. heel padの増大 2. 視野欠損 3. 下顎突出 4. 中心性肥満 5. 満月様顔貌
56番
19才男性 吐き気頭痛で来院
CTを示す(松果体に腫瘍がありました。)
正しいの二つ選べ
1、hCG上がる事がある。
2、小脳失調を来たす。
3、下垂体腫瘍である。
4、放射線は効かない。
5、化学療法が効く。
57番
70歳男性。MRIにて図のような像が得られた。鑑別として挙げられる診断はどれか
。
所謂ringenhanceの像でした。
a)髄芽腫
b)脳膿瘍
c)転移性脳腫瘍
d)膠芽腫
e)髄膜腫
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
解答4
ring enhanceは脳膿瘍、転移性脳腫瘍、膠芽腫の三つが挙げられる。頻出。
59.
67歳女性。記憶障害で発症した。入院時、髄液中のβ2ミクログロブリンと可溶性IL-2受容体が上昇していた。
診断はどれか。
1.上衣腫 2.悪性リンパ腫 3.髄膜腫 4.髄芽腫 5.神経鞘腫
60. 73歳男性。2年前より徐徐に進行する痙性対麻痺、知覚鈍麻、膀胱直腸障害が認められた。単純頚椎写真側面像、第3頸椎CT像を示す。
病名はなにか。
単純頚椎写真は特に所見は認められませんでした。
頚椎CTにて脊髄内に高吸収域をみとめました。
a頚椎ヘルニア b頚椎黄靭帯骨化症 c頚椎脊髄空洞症 d脊髄硬膜外腫瘍 e頚椎後縦靭帯骨化症
62
59歳女性。夜間安静中に突然頭痛を自覚し嘔吐した。入院時、意識清明で、神経学的に異常を認めない。血圧180/110mmHg。入院時のCTスキャンを示す。この疾患について正しいものはどれか。
1)急性硬膜下血腫である。
2)Hunt&KosnikのGrade4である。
3)次に行うべき検査は腰椎穿刺である。
4)早急に降圧薬を投与するべきである。
5)原因として脳動脈瘤破裂によるものが80%を占める。
5
H19の62番とほぼ同じであった。
63 52歳男性。脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血で、開頭動脈瘤クリッピング後10日目に意識障害をきたした。検査として適当なものを選べ。
a.腰椎穿刺
b.脳波
c.頭部CT
d.脳血管造影
e.脳磁図
1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e
67. 8歳女児。号泣した後、意識消失。両側内頸動脈造影初見を示す。この疾患で正しいものを選べ。
a過呼吸で誘発される
b家族性がある
c小児は出血が多い
d欧米人に多く日本人に少ない
eSTA-MCA動脈直接吻合術は行われない
69
頭部外傷患者の頭部単純CTを示す。正しい組み合わせはどれか。
1、a急性硬膜下血腫b急性硬膜外血腫c脳挫傷
2、a急性硬膜下血腫b脳挫傷c急性硬膜外血腫
3、a急性硬膜外血腫b急性硬膜下血腫c脳挫傷
4、a急性硬膜外血腫b脳挫傷c急性硬膜下血腫
5、a脳挫傷b急性硬膜下血腫c急性硬膜外血腫
ちなみに写真は2
神経 (71〜80番まで)
71.誤りを二つ選べ。
a.前頭蓋底骨折では髄液鼻漏の頻度が高い。
b.側頭骨骨折では難聴や顔面神経麻痺をきたしやすい。
c.耳介後部出血班や耳出血は中頭蓋底骨折を示唆する所見である。
d.瀰漫性軸索損傷は転落で多く交通外傷で少ない。
e.急性硬膜外血腫と頭蓋底骨折で頭部外傷による死因の2/3を占める。
73. 4歳くらいから眼前に光りが見えた後、意識消失を伴う全身けいれん発作を認めるようになった。
難治性となったため外科的治療希望で受診した。左三叉神経第1枝領域に血管腫を認める。CT。診断はどれか?
a.Sturge-Weber病 b.von Recklinghausen病 c.結節性硬化症 d.von Hippel Lindau病 e.先天性toxoplasma症
解答 a
(H19年卒試験73の画像と同じ問題でした。
74.23歳男性。熱性痙攣重責状態の既往がある。
12歳頃より意識減損し、口をもぐもぐさせ、両手で自分の衣服をまさぐり、その後全身けいれんとなる発作を起こすようになった。種々の薬物療法でも発作のコントロールが不良であるため来院した。発作焦点となる部位に最も近い脳室はどれか。
1.側脳室前角 2.側脳室後角 3.側脳室下角 4.第3脳室 5.第4脳室
解答 H19の74番とまったく同じ問題。
3(H18卒試74と同じ)
年齢や自動症があることから、精神運動発作(複雑部分発作)が考えられる。EEGでは側頭葉を中心にspike&waveが見られる。側頭葉に最も近いのは側脳室下角である。
75.64歳女性。5年前から右手の振るえが出現し、動作が緩慢になった。Lドパ服用30分以内には軽い舞踏様運動の不随意運動を認めるが、2時間以内には薬効が消失し、四肢振戦とすくみ足が著明になる。この症例に有効な外科治療はどれか。
A 脳軟膜下皮質多切除
B 脳りょう離断術
C 海馬破壊術
D 視床下核刺激療法
E ・・・
76.24歳女性。5-6年前から月に数回、何か妙な感じがした後、それまでの動作が止まり、30秒くらい口をもぐもぐさせたり、手指を動かしたりする発作が起こる。患者は発作中のことは全然覚えていない。発作のとき以外は正常に生活している。この症例の臨床病型はどれか。
a.欠伸発作 b.単純部分発作 c.複雑部分発作 d.ミオトニー発作 e.間代強直発作
77.上記の患者で脳波を検査したところ以下の所見を得た。正しい所見はどれか。
1.左半球性棘徐派
2.左側頭部棘徐派
3.全般性棘徐派
4.右半球性棘徐派
5.右側頭部棘徐派
解答 5 右側頭葉てんかんでした。(プリントのまま。48才もそのままでした。)
79.50歳女性。四肢遠位筋の萎縮が半年前より出現し少しずつ進行してきた。最近、
構音障害、嚥下困難も見られるようになったため入院となった。明らかな感覚障害
や膀胱直腸障害は認められないが、病的反射は見られる。次のうち認められる検査
所見は何か。
a.針筋電図でgiant potentialが認められる。
b.運動誘発電位(MEP)で中枢運動伝導速度が低下する。
c.脳脊髄液で蛋白細胞乖離が見られる。
d.末梢伝導速度が低下する。
e.針筋電図で運動単位が減少する。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde
神経80番
29歳女性。感冒症状あり。10日後四肢に運動麻痺が出現した。感覚麻痺はない。ただしいものをえらべ。
a電位の持続の短い振幅の小さい運動単位を認める
b安静時に陽性鋭波をみとめる
cミオトミー放電(急降下爆撃音)を認める
d末梢神経電導速度の低下を認める
eF波出現率の低下をみとめる
1,ab 2,bc 3,cd 4,de 5,ea
【81】26歳女性、5日前より両下肢の脱力とTh8以下の全感覚脱失を認める。診断に必要な電気生理学的検査はどれか?
a) 脳波
b) 末梢神経伝導検査
c) 視覚誘発電位(VEP)
d) 感覚誘発電位(SEP)
e) 運動誘発電位(MEP)
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【82】前記患者で多発性硬化症が疑われた場合の追加検査を選べ。(1つ)
1,脳波
2,末梢神経伝導速度
3,視覚誘発検査(VEP)
4,体性感覚誘発検査(SEP)
5,運動誘発検査(MEP)
【83】症例は65歳女性。40歳より高血圧を指摘されていたが放置していた。10日前の昼頃突然左上下肢を投げ出すような荒い運動が出現したが、自分では制御できなかった。運動は次第に小さくなり現在は左肩をすくめたり、左手指を素早くくねらせる程度である。本例の診断に必要な検査を下から選べ。
(a) 頭部CT
(b) 表面筋電図
(c) 髄液検査
(d) 脳波
(e) 遺伝子検査
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【84】
【85】末梢神経障害について誤っているのはどれか。
(a) 手根管症候群は正中神経の障害である。
(b) 尺骨神経麻痺では鷲手が出現する。
(c) 前骨間神経麻痺では、環指・小指の屈曲が不能となる。
(d) 腕神経叢麻痺引き抜き損傷では、神経縫合の適応となる。
(e) 上位型腕神経叢麻痺では肩関節の挙上が不能となる。
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【86】尺骨神経低位麻痺について正しいものを選べ。
(a) 骨間筋の委縮
(b) MP関節伸展障害
(c) 母指・示指の屈曲障害
(d) Froment sign陽性
(e) 指の内・外転障害
1.abc 2. abe 3.ade 4.bcd 5.cde
解答 3
環・小指の鷲爪変形、尺側2分の1の手掌面の知覚脱失、Froment陽性、母子内転不能、他の指の内・外転不能、小指球筋・骨間筋の委縮
【87】65歳男性、後方に転倒した後、四肢にしびれと脱力を生じ来院した。現在歩行不能だが足趾運動は可能である。正しい組み合わせはどれか。
(a) 現在の麻痺状態はFrankel A である。
(b) 一般に頸椎後屈位で脊柱管は狭くなりやすい。
(c) 脊髄損傷では肛門周囲の知覚や運動は最後まで温存される。
(d) 脊髄ショックの時期には下肢腱反射が著名に亢進される。
(e) 椎体圧迫骨折と破裂骨折の違いは、椎体前壁の損傷の有無である。
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【88】頚椎X線で靭帯骨化が認められた。正しいものを選べ。
(a) 頚椎骨化では黄色靭帯骨化が最も多い。
(b) 脊髄保護のため、最低1週間ステロイドの点滴をする。
(c) 頚髄中心性損傷では、上肢麻痺が主体となる。
(d) 早期のリハビリが重要。
(e) 脊柱骨化症では無症状でも予防的に手術を行うべき。
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【89】39歳女性。側頭葉てんかんの患者の脳血流シンチグラフィ(IMP)とFDG-PETを示す。正しいものはどれか。
(a) てんかん非発作時は血流・糖代謝ともに低下している。
(b) てんかん焦点の検索にはMIBG-SPECTも有効である。
(c) てんかんの焦点は右側頭葉である。
(d) てんかん非発作時は血流・糖代謝ともに亢進している。
(e) てんかんの焦点は左側頭葉にある。
1) a, b 2) a, e 3) b, c 4) c, d 5) d, e
【90】59歳女性。激しい頭痛を訴え救急搬送された。単純CT(p23)を示す。考えられる疾患を選べ。(ダビデの星が見られました)(H19卒90類似)
1.硬膜下血腫 2.被殻出血 3.皮質下出血 4.脳室内出血 5.くも膜下出血
93 死亡時46歳の男性。26歳時より発熱、複視、構音障害、歩行障害を認め
ていた。その後口腔内アフタ、陰部潰瘍、関節痛が出現した。そして眼振、感情
失禁を伴うようになり、髄液の細胞数増加や髄膜刺激兆候を認めるようになった
。死亡後の剖検では脳幹中心に小静脈周囲にリンパ球やマクロファージの炎症細
胞浸潤を認め、それが基底核、小脳、延髄にまで広がっている所見であった。
この疾患について正しい組み合わせを選べ
a.単純ヘルペスウイルスの感染が関与している
b.陰部潰瘍は無痛性である
c.関節炎は変形、硬直をきたす
d.副睾丸炎は頻度は低いが、この疾患に特異性の高い症状である
e.HLA-B51の陽性率が高い
1.ab
2.ae
3.bc
4.cd
5.ea
94
57歳の男性。異常行動が生じ、対人関係に問題が生じるようになった。2年前から
認
知症を発症、異常行動が激しくなり、嚥下障害とるいそうをきたし6年後に死亡し
た。剖件脳の前額断と病理所見をしめす(p24)。なおBodian染色では軸索は保
た
れていた。また嗜銀性封入体が認められた。診断はどれか。
a.大脳皮質基底核変性症 b.アルツハイマー病 c.Pick病 d.Creutzfelt
−Jakob病 e.認知症をともなう運動ニューロン疾患
95.橋の髄鞘染色を示す。白く抜けている所が病変。
Bodian染色にて、軸索に異常なし。正しい組み合わせを選びなさい。
a) 黒人に少ない。
b) 眼振、複視が見られる。
c) 痙攣で発症する。
d) 無緊張性膀胱をきたす。
e) 脊髄に異常なし。
1)ab 2)bc 3)cd 4)de 5)ea
99. 60歳男性。4ヶ月前より物忘れと左同名半盲が出現した。画像診断にて、右頭頂後頭葉にリング状に濃染される腫瘤がみられ、脳梁を介して右大脳にも浸潤していた。摘出した腫瘍の標本(HE染色)を示す。正しいものを選べ。
a. 出血を繰り返す。
b. 偽柵状配列を伴う壊死層が特徴的である。
c. 10番染色体の広範な欠失が見られる。
d. 肺への血行転移をしやすい。
e. 放射線治療で根治しうる。
1(a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e)
97. 82歳女性。突然昏睡に陥り3日後に死亡。剖検にて大脳皮質下に多発する出
血を認めた。
病理組織の画像あり(HE染色とβタンパク染色。いずれも脳血管が写っており、
βタンパク染色で血管壁は一様に茶色に染まっていた)。この疾患について正しい
組み合わせを選べ。
(a) 遺伝性を伴うことが多い
(b) アルツハイマー病では認められない
(c) 巨舌を認める
(d) 脳血管にアミロイドタンパクの沈着を認める
(e) 血管にdouble barrelの所見を認める
1(a)(b) 2(a)(e) 3(b)(c) 4(c)(d) 5(d)(e)
解答:4(c)(d)
アミロイドアンギオパチーによる脳出血と思われます。
(a)× 遺伝性の場合は脳にはアミロイドは沈着しないようです(YN2007 D122,J158
)
(b)× 約40%に痴呆を伴う(標準脳神経外科学 第10版 p224)
(c)○?
(d)○ 画像より
(e)×? double barrel(偽腔)はないように思えました
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