平成20年度 消化管・腹膜 卒業試験

 

【1】 53歳男性。本日朝より黒色便の排泄とふらつきを自覚した。特記すべき既往歴はなし。眼瞼結膜に貧血を認める。最も適切な対応はなにか。

1上部消化管出血を疑い、上部内視鏡検査を施行する

2下部消化管出血を疑い、大腸内視鏡検査を施行する

3小腸出血を疑い、カプセル内視鏡検査を施行する

4上部消化管出血を疑い、グアセック法便潜血検査を施行する

5下部消化管出血を疑い、ヒトヘモグロビン法便潜血検査を施行する

 

【2】 壁の構造や壁外の情報を得るのに最も良いものはどれか。

a.色素内視鏡

b.拡大内視鏡

c.ナローバンド内視鏡

d.カプセル内視鏡

e.超音波内視鏡

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

【3】クローン病の特徴として正しいものを選べ

a 本邦では有病率が減少している 

b 小腸、大腸に輪状潰瘍が見られる 

c 胃、十二指腸が罹患する事は無い

d 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が見られる

e 口腔内アフタを伴う

1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e

解答 5

毎年10%増加している

輪状潰瘍は腸結核で見られる

クローン病は口腔から肛門までの消化管全部に起こりうる

 

【4】小腸腫瘍について正しいものを選べ。

a.悪性腫瘍の大部分は癌である。

b.良性腫瘍の大部分は腺腫である。

c.癌は回腸より空腸に好発する。

d.GISTは粘膜下腫瘍である。

e.良性ならば症状は来たさない。

1.ab 2:ae 3:bc 4:cd 5:de

 

【5】潰瘍性大腸炎に対する以下の記載のうち正しい組み合わせを選べ

a)本邦ではクローン病より罹患率が高い
b
)一般に深部大腸から発生し肛門側へ進展を見せる
c
)中毒性巨大結腸症はクローン病よりも少ない
d
)第一選択は栄養療法である
e
)長期罹患例では大腸癌の高危険群である

1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de

答えは2かな?

 

【7】進行大腸癌の定義はどれか。

a.粘膜下層に浸潤した癌。

b.リンパ節転移を伴う癌。

c.固有筋層に浸潤した癌。

d.脈管浸潤を認める癌。

e.遠隔転移を伴う癌。

 

【8】大腸ポリープについて正しいものを選べ

a.腺腫の30%が癌化する

b.非上皮性腫瘍としては脂肪腫が多い

c.胃カルチノイドはカルチノイド症候群を起こしやすい

d.家族性大腸腺腫では骨腫を合併する。

e.ポイツエィガース症候群は粘膜筋板の樹枝状増生を特徴とする。

 

【9】上部消化管X線検査について正しいのはどれよ。

a.圧迫法では、圧迫することで隆起性病変はバリウムをはじく。

b.充満法は粘膜の微細構造を評価するのに適する。

c.二重造影法での陰影の造影剤は空気である。

.圧迫法、充満法、二重造影法において、二重造影法がもっとも有用である。

1.acd 2.ab 3.bc 4.d 5.a~dすべて

 

10】胃癌でみられるひだの集中の所見で正しいものを選べ

a.ひだの急峻な先細り

b.ひだの途絶

c.ひだの癒合

.ひだの先端の太まり

1.acd 2.ab 3.bc 4.d 5.a~dすべて

 

 

11】 胃液分泌について正しいものを選べ
 1. 胃酸は壁細胞より分泌される
 2. ペプシノーゲンはpH5程度の酸性化で活性型のペプシンになる
 3. 内因子は主細胞より分泌される
 4. セクレチンはD細胞よりソマトスタチンの分泌を促進する
 5. ガストリンはG細胞より分泌され、食後の胃酸分泌を促進する
a.123 b.125 c.145 d.234 e.345

【12】.胃食道逆流症について正しいものの組み合わせを選べ
a)
非びらん性逆流性食道炎では胸やけは生じない
b)LosAngels
分類のGrade Aでは5mm以下の粘膜損傷を認める
c)
治療にはプロトンポンプインヒビターを用いる
d)
ヘリコバクターピロリ除菌後に約5%生じる
e)
食道裂溝ヘルニアでは生じない
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

【13】食道癌について
1粘膜に留まるものを早期食道癌とする。
2粘膜筋板までのものは内視鏡的切除術の適応となる。
3組織では扁平上皮癌が多い
4内視鏡検査において病変部はヨード染色で不染体となる
5狭帯域偏光観察NBIでは褐色に観察される

【14】.胃の疾患について正しいものを選べ。
a.
胃カルチノイドはカルチノイド症候群を来しやすい。
b.
胃MALTリンパ腫の治療として、H.pyloriの除菌療法がある。
c.GIST
gastrointestinal stromal tumor)は、内視鏡超音波検査にて第4層と連続する病変として見られる。
d.GIST
の治療薬として、メシル酸イマチニブがある。
e
平滑筋腫瘍は、内視鏡超音波検査にて第3層の低吸収性腫瘤として見られる。
1)abc
 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde
解答 b d より恐らく答えは4)。ほかの選択肢はよくわかりません。
 

15.胃がんに関して正しいものを選べ。

a.大きさ1cm0-Uaの分化型粘膜癌はEMRの良い適応である。

b.胃がんは同時性、異時性に多発する。

c.胃腺腫は癌化することがある。

d.0-Uc病変でひだの集中、ひだの萎縮は平滑に細まる。

e.大きさ1cmのUc+Vの低分化型粘膜癌はEMRのよい適応である。

1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde


16.胃の疾患について正しいものを選べ
a.
家族性大腸腺腫症は胃底腺ポリポーシスを認める
b.

c.GIST
には放射線化学療法が有効である
d.
過形成性ポリポーシスはほとんど癌化しない
e.
胃原発の悪性リンパ腫は多くがB細胞性である
1. abc 2. abe 3. ade 4. bcd 5.cde

【17】.舌の運動を支配する神経はどれか
a.
顔面神経
b.
舌神経
c.
舌下神経
d.
迷走神経
e.
鼓索神経
.a 2.b 3.c 4.d 5.e

【18】.正しい組み合わせを選べ。
a
.流行性耳下腺炎は細菌性によるものである。
b
.唾石症は顎下腺に好発する。
c
.がま腫は舌下腺に多い。(?あんま自信ないです)
d
.耳下腺腫瘍は悪性のものが70%を占める
1.acd  2.ab 3.bc 4.d 5.
すべて
解答. 3?

20】組織に筋上皮細胞が含まれるものを選べ。
A
多形腺腫
B
腺様のう胞癌
C
粘上皮癌
D
腺房細胞癌
選択肢:AB AE BC CD DE

 

22 誤っているものを一つ
a
食道裂孔ヘルニアに逆流性食道炎は起きやすい

bバレット食道は30~40代に好発する
c
バレット食道は下部食道まで円柱上皮に覆われる
d
アカラシアは下部食道の弛緩不全である
e
アカラシアの標準的な手術はhellerdorである

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

 

23胸部食道癌について正しいものを答えろ

a胸部中部食道癌の根治手術には左開胸による手術を行う

b術前化学放射線療法は術後の合併症を増加させるため行わない

c再建経路は後縦隔経路のほうが胸骨前経路よりも縫合不全の頻度が低い

d食道ステントは気管食道に有用である

e化学療法としてシクロフォスファミドとメトトレキサートを主に使用する

 

24. 食道の手術について正しいものを選べ。

1覚えてません。

2術後2〜3日に肺水腫を起こす。

3再建臓器に結腸を用いた方が、胃を用いるよりも縫合不全を起こす可能性は高い。

4縫合不全はほとんどが術後3日以内に起こる。

 

 

25 消化性潰瘍について正しいのはどれか

a.胃潰瘍は十二指腸潰瘍に比べ穿孔が多い
b.
十二指腸潰瘍の穿孔は前壁に多い
c.
高齢者の胃潰瘍は高位に多い
d.
手術適応は穿孔、出血、狭窄である
e.
十二指腸潰瘍に比べ胃潰瘍では高酸が多い

1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde

解答 4

a×: 十二指腸潰瘍の頻度は胃潰瘍の10倍。
b
c d
e
×: 下部になるほど高酸になります。

 

 

 

27急性胃炎について正しいものを選べ。

a ヘリコバクターピロリ感染が原因となる

b H2受容体阻害薬が治療薬として用いられる

c 消炎鎮痛薬内服は急性胃炎の原因とならない

d 出血性ショックをきたしやすい

e ストレスは急性胃炎の原因となる
1)abc  2)abe  3)ade  4)bcd  5)cde
答え2(2007卒試49とほぼ同じ)

 

28胃癌の定型手術について誤っているものを1つ選べ。

a.定型手術は他臓器に浸潤がなく(T3以下)D3郭清にて、根治度A,Bが得られるとき施行する。
b.
術中に腹膜播種が疑われるときは腹水洗浄細胞診を施行し遊離癌細胞を確認するのが望ましい。
c.
切除線と腫瘍縁との距離は肉眼的所見にて設定する。進行癌で、浸潤型または中間型に対しては5cm以上、限局型には3cm以上にするのが望ましい。
d.
上部(U)進行胃癌では、脾動脈幹リンパ節(No.10)郭清のため脾合併切除が望ましい。
e.
噴門部リンパ節(No1,2)に転移が疑われるときは、胃全摘を検討する。

1)a  2)b  3)c  4)d  5)e

 

29 胃十二指腸潰瘍について誤っているものを選べ。

a 胃潰瘍にはH2ブロッカーが第一選択である。

b H.pylori菌は、胃炎・胃潰瘍・胃癌のリスクファクターなので、若年者のピロリ陽性者の場合には除菌を行う。

c 胃潰瘍の好発年齢は4050代であるのに対して、十二指腸潰瘍が好発するのは2030代の男性である。

d 穿孔をおこしたときは癌との鑑別が重要となる。

e 十二指腸潰瘍穿孔後24時間以上経過しており、高齢・重要臓器障害などのリスクがある場合は保存的治療を行う。

1)ab  2)ae  3)bc  4)cd  5)de

解答2

H19卒試8と同じ。

 

 

3026歳男性。昼食に青魚の刺身を食べ、1時間後、突然急激な心窩部痛を自覚し、午後2時頃救急外来を受診した。来院時、体温37.5℃、脈拍95/min、血圧120/96mmHg。救急外来で行うべき検査を選べ。
a.
血液検査(CBC)
b.
胸部立位X線検査
c.
上部内視鏡検査
d.
腹部超音波検査
e.
上部消化管造影CT検査
 
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde

 

 

 

3131.67歳男性。胃癌(pT2 N1 M0 stageU)に対し、幽門側胃切除術を施行し、Roux-Y  で再建を行った。
術後4日目に経口摂取を開始した。術後7日目に嘔吐をし、37度 の発熱を認めた。腹部ドレーンの性状は漿液性。考えられる原因は。
 
(a)膵液瘻・膵炎
(b)腸閉塞
(c)急性胃拡張
(d)便秘
(e)縫合不全    

1.a  2.ab  3.bc  4.cde  5.すべて

 

32】胃切除後障害について誤っているものを選べ。

a.消化吸収障害により術前より術後の体重減少をきたしやすい。

b.胃全摘症例では生理的噴門括約機構が脱落し逆流性食道炎をきたしやすい。

c.食直後のダンピング症状は食後の一過性過血糖に反応したインスリン過分泌により反動的に低血糖をきたしたものである。

d.鉄欠性貧血は術後1~2年からみられる。

e.骨代謝異常により骨粗ショウ症、骨軟化症がみられる。

 

 

33】胃癌の転移について正しい組み合わせを選べ。

 

(a) Virchow転移がある時は、縦隔内リンパ節転移がある時が多い。

(b) 早期胃癌でも腹膜播種再発をきたすことがある。

(c) 高分化型腺癌は血行性転移が多い。

(d) 胃癌手術後再発で一番多いのはリンパ節再発である。

(e) Krukenberg tumorは閉経後婦人に多い。

1.abc  2. abe  3.ade  4.bcd  5.cde

 

34】術後再発・進行大腸癌について、正しい組み合わせを選べ。

 

(a) 化学療法を行わずにBest Supportive Careを行った場合、患者の予後は約3ヶ月である。

(b) 大腸癌の標準治療は、Leucovorin/5-FU,Oxaliplatin,Irinotecanである。

(c) 5-FUの副作用にhand-foot syndromeがある。

(d) Oxaliplatinの副作用に腎毒性がある。

(e) Irinotecanの副作用に心毒性がある。

1.ab  2.bc  3.cd  4.de  5.ae

 

解答 2

H19卒試【12】と同じ。

(a)× 大腸癌治療ガイドラインによると約8ヶ月。http://www.jsccr.jp/guideline02.html

(b) Folate(Leucovorin)5-FUOxaliplatinを加えたレジメンをFOLFOXIrinotecanだとFOLFIRIと呼び、どちらも大腸癌の代表的な化学療法。

(c)

(d)× 腎毒性はプラチナ製剤のなかでは弱い。末梢神経障害が必発。

(e)× 心毒性はない。代表的な副作用は、消化器症状や骨髄抑制。

 

3553歳の男性。肛門下部(肛門縁より2cm)に2/3周の type 2 tumor を認めた。消化管通過障害は無い。同時に右肺上葉に2個の転移性腫瘍を認めた。この疾患に対する治療で正しいのはどれか?

 

(a) 原発巣に対して、直腸切断術(Miles' operation)を行い、その後化学療法を行う。

(b) 原発巣に対して、直腸切断術(Miles' operation)を行い、その後右肺上葉切除術を行う。

(c) 原発巣に対して、直腸切断術(Miles' operation)を行い、同時に右肺上葉切断術を行う。

(d) 全身化学療法を第一選択とする。

(e) 緩和療法を行う。

 1.a   2.b   3.c   4.d   5.e

 

36】日本において胃がんに対して用いられない抗癌剤はどれか?

 

(a) 塩酸イリノテカン(CPT-11)

(b) 5-FU(フルオロウラシル)

(c) シスプラチン(CDDP)

(d) オキザリプラチン(L-OHP)

1.acd   2.ab   3. bc   4. dのみ 5.すべて

 

解答 4

 

37】胃癌化学療法について正しいもの選択肢を選びなさい。

 

(a)化学療法の目的のひとつは症状の緩和である。

(b)術後補助化学療法はStageU−Vに効果がある。

(c)進行胃癌に対してほぼ全例に術前化学療法を行う。

(d)分子標的役は胃癌化学療法でよく用いる。

1.acd  2.ab  3.bc  4.d  5.すべて

 

38】以下の文章のうち正しい組み合わせを選択せよ。

 

(a)癌は遺伝子異常によって発生する。

(b)プロト癌遺伝子はウイルスによって組み込まれた外来癌遺伝子である。

(c)家族性大腸腺腫症は第5染色体長腕のAPCの異常によって発生する

(d)ヒトの遺伝子の数は約32000個である。

1.acd   2.ab   3. bc   4. dのみ 5.すべて

 

解答 1  H1936】を一部改変。

(a)

(b)× もともとヒトのゲノムのなかにあるものです。

(c) YN A-66

(d)○ 諸説あり22000個くらいから32000個くらいなら正解とする。イネの遺伝子数もなんと32000個だそうです。

 

39】遺伝子に関する記述について正しいものはどれか

 

(a)RNAの塩基配列に基づいてアミノ酸を繋げることを転写という。

(b)DNA1本のポリヌクレオチド鎖である。

(c)DNAの遺伝子情報に基づきmRNAを作ることを翻訳という。

(d)DNAには発現を調整する部分がある。

1.acd   2.ab   3. bc   4. dのみ 5.すべて

 

解答 4

 

40】次のうち正しいものを1つ選べ

(1)子宮頸癌では約40%にパピローマウィルスを検出する。
(2)APC
遺伝子は大腸癌多段階発癌において初期に作用する。
(3)
ヒト遺伝子の数は3260個である。
(4)
ハイブリダイゼーションとは伸長反応のことである。
(5)EGFR
を標的とした分子標的薬は多くの副作用のため臨床では使われない。
 
解答解説案
(1)
× 80~100%、子宮頸癌のリスクファクターは全てHPV感染の機会の増加と関係する。細胞診+HPV検査でほぼ100%発見可能な癌。
(2)
○ 大腸癌の場合、APCCOX-2遺伝子異常で小さな大腸ポリープ(良性腺腫)ができ、これにp53rasの遺伝子異常が加わるとポリープは癌化し、さらに未だ不明の何らかの遺伝子の異常がさらに加わって浸潤したり転移したりするようになると考えられる。
(3)
× 日米英など6か国の国際研究チームにより1990年に開始され、2001年に32千個、20041022千個と発表された。
(4)
× ハイブリダイゼーションは分子交雑、核酸雑種分子形成のこと。遺伝子の検出、分離、濃縮に用いられる。RIまたはnonRIにて標識したプローブをDNAにハイブリダイズすればサザンブロッド、RNAならノーザンブロッド法、組織標本にnonRIブローブを用いるのがFISH法。
伸長反応は核酸ポリメラーゼによりプライマーに塩基をつなげていく反応。PCRなど。
(5)
× EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor上皮成長因子受容体)のこと。EGFRチロシンキナーゼ阻害剤としてゲフィチニブ、エルロチニブが肺小細胞癌に、抗EGFR抗体としてセツキシマブ(Cetuximab商品名Erbitux)が大腸癌に使用され、マツツマブ(Matuzumab)が治験中。

 

41.分子生物学は「分子クローン化技術に基づい生物学」と定義することができる。分子クローン化を可能にする上で、その基礎となった基本技術はどれか。正しいものを選べ。

a) 制限酵素

b) PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)

c) ベクター、宿主系

d) DNAリガーゼ

1)a, 2)cd, 3)abd, 4)acd, 5)ad

 

<解答> 4

織田信弥先生の授業で「私ならこういう問題を出す」と言ったうちの一つ。クローン化には制限酵素(切る)、ベクター(運ぶ)、DNAリガーゼ(つける)の3つが必要だった。

b)× PCR80年代後半から90年代にかけて確立した技術で、クローン化はそれよ

り以前からあった。

 

 

47.次の肛門疾患の治療に関する事項で正しいものはどれか。

a. 痔核は肛門のクッションが伸びたためである

b. 痔瘻は肛門腺の炎症により発生する

c. クローン病に合併する痔瘻の治療にはシートン法が選択される

d. 裂肛は歯状線より外側で、肛門の後方か前方に発生する

1.abc  2.bcd  3.acd  4.abd  5.adすべて

 

 

48.正しい組み合わせを選べ。

a.重複腸管に異所性胃粘膜ができる事がある。

b.Meckel憩室は胎生期の卵黄管の遺残したものである。

c.Meckel憩室は大腸に発生することがある。

d.Hirschspring病の原因は大腸の固有筋層の欠損である。

e.Hirschspring病は後天性の巨大結腸症である。

1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

 

答え 1 H18卒試16と同じです

 

 

49. 鼡径ヘルニアについて正しいものを選べ。

a. 男性の方が女性より多い。

b. 外鼡径ヘルニアの方が内鼡径ヘルニアよりも頻度が高い。

c. 内鼡径ヘルニアは嵌頓しやすい。

d. Bassini法は外鼡径ヘルニアの標準術式である。

e. Mesh plug法は創部に緊張がかかりにくく、術後の疼痛が軽い。

1. abc  2. abe  3. ade  4. bcd  5. cde

解答 2

 

 

50. 65歳男性。基礎疾患に心房細動があり、抗凝固療法を施行中。今朝より右キ肋部痛が出現し、増強するため来院。来院時悪寒あり、体温38.5度、黄疸あり。CTにて総胆管結石と総胆管拡張を認め、急性胆管炎と診断。ただちにすべき処置として最適なものを選べ。

1.経皮経肝胆嚢ドレナージ

2.腹腔鏡下胆嚢摘出術

3.内視鏡的胆道ドレナージ

4.腹腔ドレナージ

5.胆管空腸吻合術

 

51

40歳男性。空腹時の心か部痛を主訴に来院。上部消化管内視鏡を施行したと

ころ、図のような所見が得られた。病変の存在部位はどこか。

(明らかに胃角部小彎でした。)

a,幽門前庭部大彎

b,胃角部小彎

c,胃角部大彎

d,胃体上部前壁

e,胃噴門部小彎

1a  2b  3c  4d 5e

 

53.

70歳代女性。細菌性肺炎で呼吸器内科に入院、抗菌薬開始し呼吸器症状は改善したが、37℃の発熱と下痢が出現し、持続するため下部消化管内視鏡を施行した。当症例のS状結腸部位の図を示す(図はQBより転用、偽膜性大腸炎だと思います。)適切な処置を選べ。

 

a.                 抗菌薬中止、止痢剤を投与

b.                 バンコマイシンの静注

c.                 ステロイド内服

d.                 バンコマイシン経口投与

e.                 メトロニダゾール経口投与

f.                  1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e

 

選択肢から偽膜性大腸炎で間違いないだろうと思いました。

偽膜性大腸炎の治療では、バンコマイシンの経口投与とメトロニダゾールの経口投与です。バンコマイシンは腸管から吸収されないため、経口投与による除菌効果があります。

 

55.

注腸造影画像について正しいものはどれか。

(注腸造影画像では明らかに直腸にapple core signがあり、直腸〜下行結腸の途中まで描出されていた)

a4型進行癌である。

b横行結腸が描出されている。

cバリウムを前日の夜に服用させている。

d空気を経肛門的に注入している。

 

選択肢1acd,2ab,3bc,4d,5adのすべて

 
56.
52才男性 症状は胸やけのみ。
既往歴、家族歴特記事項なし。
内視鏡写真を示す。
(胃食道接合部、その口側、さらにその口側の3枚の写真。所見は1番上の写真に薄く白くなっているところと赤みがかったところがありました。よくわかりません。)
診断はどれか。
1 食道癌
2 食道静脈瘤
3 逆流性食道炎
4 バレット食道
5 食道カンジダ
 
周りは3と5が多かったですが、逆食かと思いました。
アトラスやクエバンで確認してて下さい。

 

57

50代男性。タバコ一日30本、焼酎コップ二杯を飲んでいた。

治療法はどれか。

図は内視鏡、ルゴール染色(?)、超音波内視鏡でした。

やや陥凹していました。

 

a 内視鏡的粘膜剥離術

b 化学療法

c 放射線化学療法

d 手術

e (すみません、忘れました)

 

 

 

58.
75才男性、特に症状なし。上部消化管内視鏡にて胃角部小湾後壁に辺縁滑らかな
軽度の隆起病変あり。 行う治療は何か?
画像は内視鏡が二枚、超音波内視鏡が一枚。
1)PPI投与
2)H.P除菌
3)内視鏡的粘膜切除
4)幽門部胃亜全摘
5)抗癌剤を用いた化学療法

 

62

同一胃癌の肉眼所見、病理所見を示す。正しいものを選べ。

肉眼標本2枚、組織標本1枚ありました。

a.潰瘍限局型ー高分化型

b.潰瘍浸潤型ー高分化型

c.潰瘍浸潤型ー低分化型

d.びまん浸潤型ー低分化型

1.a 2.b 3.c 4.d

 

問題文自体はH18の54番と同じでしたが、画像が一緒かどうかはわかりません。

潰瘍浸潤型までは簡単に見分けがつきました。おそらく、低分化で答えは3かと。

 

 

6358歳、男性。飲酒後、酩酊状態となり嘔吐を繰り返していた。そのうちに苦悶様となり、近医に搬送された。8時間後、低血圧状態になったため当院に転院。来院時、呼吸数118/分、血圧76/44mmHgであった。CTを示す。誤っているものはどれか。(縦隔条件:食道から内容物が漏れていて左肺が占拠されていた。肺野条件:左肺は真っ白で右肺の背側にも胸水?と軽い炎症?みたいなのがあった。)
a.
縦隔気腫を伴っている可能性が高い。
b.
膿胸を伴っている可能性が高い。
c.
確定診断のためにバリウムによる食道造影を行う。
d.
早急に左胸腔ドレーンを挿入して、ドレナジを行う。
e.
バイタルが落ち着き次第、早急に手術を行う。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

 

59歳男性の上部消化管内視鏡画像を示す。診断は何か?
 
a.
十二指腸潰瘍瘢痕
b.
出血性胃潰瘍
c.
胃癌
d.
出血性十二指腸潰瘍
e.
マロリーワイス症候群
 
答え:恐らくa
 
十二指腸乳頭に一致して白苔があったんじゃないかと。出血は全くありませんでした。

 

6942歳の男性。心窩部不快感を主訴に来院。透視画像と内視鏡画像を示す。

腹部CTにて胃小彎No.13にリンパ節腫大を認め、転移を疑う。

この症例に対する最も適切な治療は何か?
a
、幽門保存胃切除術+D2リンパ節郭清
b
、幽門側胃切除術+D2リンパ節郭清
c
、幽門側胃切除術+D3リンパ節郭清
d
、小彎全切胃亜全摘術+D2リンパ節郭清
e
、胃全摘術+D2リンパ節郭清
@aAbBcCdDe

 

71.43歳女性食欲不振。胃癌と診断された。胃透視とCTを撮った(明らかな肝転移があると思いますが)。正しいのは?
A.第一選択は放射線・化学療法
B.根治術は手術
C.FAMは第一選択
D.肝転移を認める。

1.ACD 2.AB  3.BC 4.D 5.全部

 

72(画像問題)
これはある疾患の大腸病理組織である。この疾患について正しいものを選べ。
a
.乾酪壊死を伴う類上皮性肉芽腫の出現が特徴的所見である。
b
.裂溝(fissuring ulcer)という特徴的な潰瘍をもつ。
c.
立ち枯れ壊死(ghost crypts)が特徴的な所見である。
d.
著名な好中球浸潤による陰窩膿瘍を粘膜深部に認める。
e.
アミロイド蛋白の沈着が原因である。

画像は、粘膜上皮の杯細胞の減少、及び陰窩膿瘍が複数みられる写真だった。

答えd
杯細胞の減少と、腺管内に好中球が多数浸潤している陰窩膿瘍がみられるため、潰
瘍性大腸炎の病理組織像とわかる。

似てる画像があったんで、載せときます。
(http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/patho1.dir/practice/Gintes2/ulcera-co.htm

らいただきました)

 

73.(組織の画像有)

この組織の大腸ポリポーシスにあてはまるものを選びなさい。

a. 遺伝性のもので、ほとんどの症例に大腸がんを合併する。

b. 若年性ポリポーシスの所見がある。

c. 口唇・手・足に色素沈着が認められる。

d. 過誤腫性ポリポーシスである。

e. 常染色体劣性遺伝である。

1. ab   2. ae   3. bc   4. cd   5. de

回答: 3 (peutz-jegers)

組織像は粘膜の水分が蒸発して枯れ枝のような組織でした。医学的には粘膜筋板が樹枝状に分布し、その上に正常ないし過形成の胃粘液腺や腸線が覆っている。上皮の異型はない、という所見です。

ネットにはありませんでしたが、現代病理学体系12(中山書店)のp.175の白黒の画像に似ていました。(試験ではカラー写真でしたが)

 

74.下記の正しい選択肢はどれ?
画像は胃バリウム造影で食道と噴門部のところで一部滑脱型ヘルニアの所見を認める。内視鏡も同じく、噴門部の一部が横隔膜より出ている様子。

若年発生しやすい。
B
自然軽快する。
C
制酸剤が有効。
D
安静臥床が有効。
E Morgani
法が有効。

1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

 

 

75
78
才男 三年前に腹痛があった 今回は下痢腹痛が続き3日前より気尿が出現したため来院した
注腸造影をしめす
実線の二本の矢印が病変を、破線の矢印は造影剤が漏れた場所を示す
a
狭窄のところは癌の可能性も良性の可能性もある
b
右結腸に憩室を認める
c
瘻こうは膀胱につながっていると考えられる
d
病変は上直腸からS状結腸にある
1a
2ab
3abc
4d
5a
d全て

 

 

 

 

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