平成13年度 統合機能生理学 後期本試験

平成13年12月12日実施、試験時間は120分。問題・解答用紙はB4で4枚。

1枚目
1味覚に関する次の記述で、( )に最も適した語句を解答欄に記入しなさい。
1)舌は部位によって味覚に対し閾値が異なり、また、異なる神経によって支配を受けている。舌の先端は(1:甘味)に対して、舌根部は(2:苦味)に対して鋭敏である。また、舌の前3分の2は(3:顔面)神経によって、後方3分の1は(4:舌咽)神経によって、また、咽喉頭は(5:迷走)神経によって支配されている。
2)味物質が(6:味蕾)にある味細胞の受容体に結合すると(7:受容器)電位が発生し、伝達物質を放出して味神経線維に活動電位を惹起する。その情報は(8:孤束核)を介し大脳皮質に伝えられる。

2意識、脳波および睡眠に関する次の記述で、( )に最も適した語句を解答欄に記入しなさい。
1)意識の維持には(9:脳幹網様体)、前脳基底部領域の核、視床への(10:上行性網様体賦活系)、視床、及び広範な大脳皮質が関与している。(9)には脊髄神経と(11:脳)神経からの入力があり、また、この部位には(12:セロトニン)や(13:ノルアドレナリン)および(14:アセチルコリン)等の神経伝達物質を含む核が存在して、意識のレベルをコントロールしている。
2)視床は大きく(15:特殊)核と(16:非特殊)核に分けられ、(15)核は大脳皮質第一次感覚野に情報を送るが、(16)核は広範囲の皮質に投射している。
3)覚醒時の脳波で、閉眼しているときには(17:α)波が優位であるが、開眼すると(18:β)波に変わる。これを(19:α−ブロッキング)現象という。睡眠が深くなるに従って脳波の波長は(20:徐波)化する。
4)REM睡眠は別名(21:逆説、体、夢のいずれか)睡眠又は(22:21に同じ)睡眠とも呼ばれる。

3学習、記憶に関する次の記述で、( )に最も適した語句または句を解答欄に記入しなさい。
1)非連合学習の一つに「慣れ」があるが、これはシナプス抑圧によって起こる。その抑圧の機序として(23:Ca2+チャネルの不活性化)と(24:放出可能なシナプス小胞の減少)が考えられる。
2)連合学習の代表的なものには(25:古典的条件付け または 条件反射)と(26:オペラント条件付け)があり、(25)はロシアの(27:パブロフ)によって提唱され、複雑な学習に重要な役割を果たしていると考えられている。
3)記憶には(28:非陳述)記憶と陳述記憶があり、陳述記憶はさらに、経験した事実を記憶する(29:エピソード)記憶と内容に関する記憶の(30:意味記憶)に分けられる。一方、(28)は手続き記憶とも言われ、例として(31:自転車乗り、水泳、スキーなど)などが上げられ、すべての動物にあると考えられている。
4)記憶障害には健忘症があるが、その病変部位によって側頭葉性健忘症と(34:間脳性健忘症)に分けられる。両側の海馬が障害されると古い記憶は問題ないが、新しい記憶が出来ない(35:前行性)健忘になる。また、視床などが障害される代表的な疾患として(36:コルサコフ症候群)や慢性アルコール中毒がある。

4大脳皮質の機能に関する次の記述で正しいものには○を、誤ったものには×を解答欄に記入しなさい。
37)(○)皮質損傷では持続的な感覚消失にはなりにくい。
38)(○)6、8野はpremotor areaと呼ばれ運動の統合を行っている。
39)(×)44、45野が障害されると話の意味を理解する事が出来なくなる。
40)(×)大脳皮質には機能的円柱が存在し、一つの円柱には末梢の広範な部位からの入力がある。
41)(×)連合線維は左右の大脳半球の間の線維結合を行う。
42)(×)大脳の複雑な高次機能は主に細胞の数に依存している。
43)(×)17野は視覚連合野で複雑な機能を果たしている。
44)(×)22野には視床からの聴覚情報が直接入力する。
45)(○)側頭葉の障害ではけいれん発作を起こすことが多い。
46)(○)ウェルニッケ野の障害では文法の誤りや話がくどくなるなどの症状が見られる。
47)(○)側頭葉は前庭機能も司っている。
48)(○)大脳皮質の限局した損傷では意識障害は起こりにくい。
49)(○)18、19野は視覚と他の感覚を統合しており、この部位の障害で読字不能となる。
50)(○)中枢性の聴覚系の障害でははっきりした聴力障害は起こらない。


2枚目
B1.次のうち誤りと考えられるのはどれか。記号を、明瞭に、○で囲みなさい。
(1)屈曲反射は多シナプス性の反射で、防御反応のひとつである。
(2)視床下部腹内側核を破壊すると過食肥満が起こる。
(3)触圧点は腓腹部より母指球の方が多い。
(4)視床下部腹内側核を刺激すると著明な威嚇攻撃行動が誘発される。
a:(1) b:(2) c:(3) d:(4) e:なし        答え:d

B2.次のうち誤りはどれか。記号を、明瞭に、○で囲みなさい。
(1)宇宙空間で初期に起こる現象は宇宙酔いと体液の上半身への移行である。
(2)微小重力環境で発生する筋萎縮はヒラメ筋などの抗重力筋に主として現れる。
(3)微小重力環境下の骨の脱灰は、運動訓練で防ぐことができる。
(4)宇宙線障害は金属壁による防御によりほとんど問題にならない。
a:なし b:(1)、(4) c:(2)、(3) d:(2)、(4) e:(3)、(4)  答え:

B3.( )の中に正しい語句を記入しなさい。
1)ストレス時の食欲不振には(CRH、セロトニン、ヒスタミン)などが関与している。
2)ニューロペプチドYは強力な摂食促進物質であり、ノルアドレナリンやグルココルチコイドとともに3大栄養素の中では(炭水化物 または 糖質)の摂取をとくに促進する。
3)内臓や関節の痛みは、血圧や心拍数を(抑制 または 滅少)すると同時に、(オピオイドペプチド または オピオイド受容体)を介する鎮痛機構を賦活化する。
4)ネコの(視床下部外側野)を電気刺激すると、ラットなどに静かに忍び寄りいきなり攻撃する[捕食攻撃をする]。
5)パーキンソン病では黒質の(ドーパミン)ニューロンが変性脱落している。

B4.ブドウ糖受容ニューロンのブドウ糖応答機構を説明しなさい。
満腹中枢である視床下部腹内側核で以下の2つの機構が示されている。
※どちらか一方を詳述してもよいが、両方を下記のキーワードと順番で説明することが望ましい。
1)ブドウ糖→(ブドウ糖受容体→cAMP→Aキナーゼ)→K+チャネルの閉鎖→脱分極
2)ブドウ糖→GLUT2→GK→ATP→KATPチャネルの閉鎖→脱分極
補足)GLUT2(グルコーストランスポーター2)、GK(グルコキナーゼ)、KATPチャネル(ATP感受性K+チャネル)は膵臓β細胞で同様の機構が作動している。

B5.大脳基底核の構造と機能について説明しなさい。
1)部位のキーワードとして尾状核、被殼、淡蒼球外節および内接、視床下核、黒質緻密部および網様部が入っていること。大脳皮質や視床を含めた入出力ネットワークを模式図などを利用して説明する(講義プリント参照)
2)伝達物質のキーワードとして少なくともド一パミンとGABAを説明していることが望ましい。また神経ペプチド(エンケファリンやサブスタンスP)や受容体の局在を説明すれば加点
3)機能のキーワードは不随意運動、錐体外路系、姿勢保持など。パーキンソン病や舞踏病、アテトーゼ、バリスム等の基底核病変で起こる症状をもとに説明してもよい。

B6.恐怖反応の中枢発現機構を説明しなさい。
恐怖感は苦痛を引き起こす刺激自身に対する反応というよりも、苦痛を「予期する」ことによって起きる。苦痛や罰の対象に直面して緊急に行動を起こす場合は逃走または闘争で反応したり、逆に行動停止状態(すくみ反応、種によっては仮死反応)を起こして、危険(自然界では捕食行動)から免れようとする。前者の場合、恐怖だけでなく怒りの感情も含まれる。恐怖を誘発する外界信号は扁桃体外側核に入力し、基底外側核を経て中心核に送られ、以下に述べる領域を介して、行動、自律神経、神経内分泌反応を引き起こす。扁桃体中心核から視床下部外側野に送られた信号は交感神経の活動を亢進させ、心拍や血圧を上昇させる。扁桃体中心核からの出力のひとつは視床下部室傍核にも向かい、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)ニューロンを興奮させ、CRHを正中隆起の下垂体門脈に放出させる。CRHは下垂体に達して、下垂体からACTHの分泌を促し、それが副腎皮質に働き、副腎皮質ホルモンの分泌を促す。視床下部腹内側核の興奮は迷走神経背側運動核や疑核に信号を送り、迷走神経を活動させ、胃潰瘍を起こしたり、失禁、心拍の低下を起こす。脚傍核は呼吸促進を起こし、その下にある青斑核、腹側被蓋野、背側被蓋野はそれぞれノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリンを放出して覚醒レベルをあげる。橋網様体は反射性を亢進して驚愕反射を亢進させ、中心灰白質腹外側部は行動停止に関係して、すくみやオピオイド依存性鎮痛を起こす。

B7.内分泌撹乱物質の影響として考えられているものを3つ列記し、そのうちのひとつについて発生メカニズムを考察しなさい。
1)代表的なものとして下記のなかから選ぶ。
ヒト、動物:精子数↓、性行動↓、生殖器の形態異常(奇形)や機能異常、停留精巣、思春期早発
ヒト   :精巣腫瘍、前立腺ガン、卵巣腫瘍、乳癌の増加
動物:中性化
ヒト、動物:免疫能↓、ストレスに対する過剰反応、否定的な出来事に対する過剰反応
ヒト、動物:育児行動↓
動物:つがい行動↓、なわばり行動↑、攻撃性↑
ヒト   :学習障害、IQ↓、短期記憶障害、注意散漫、多動
2)発生メカニズムについては、主としてエストロゲン受容体を介する機構で、とくに発達期の性分化機構などを用いて説明するとよい。ダイオキシンやPCBについてはアリルハイドロカーボン(Ah)受容体を介する機構を記述するとよい。また細胞、分子レベルで議論してもよい(講義プリント参照)


3枚目
1.成人一日のエネルギー消費量(2,500kcalの大部分は熱として失われる。もし、熱放散が全く行われないとしたら、ヒトの体比熱をO.83として、体重60sの人は一日でどのくらい体温が上昇するか。
2,500÷(0.83×60)≒50℃

2.次の文章のうち、間違っているものに×をつけなさい。正しいものに×をつけると、その分だけ減点になる。
ア(×)体温が一定でも発熱中は、熱産生量が熱放散量を上回っている。
イ( )ふるえ熱産生を行う主な臓器は骨格筋である。
ウ(×)温熱的中性域(thermoneutral zone)では、蒸散性熱放散はほとんどない。
エ(×)褐色脂肪組織による非ふるえ熱産生は、ノルアドレナリンα受容体の刺激によって増加する。
オ( )発汗がなくても蒸散性熱放散はおこっている。
カ( )一般に能動汗腺数は、日本人よりフィリピン人の方が多い。
キ( )非蒸散性熱放散では、皮膚血管の拡張が重要な役割を果たしている。
ク(×)発熱が急激に起こる時は、発汗促進、ふるえ、皮膚血管収縮が起こる事が期待される。
ケ(×)内因性発熱物質は視床下部の温ニューロン活動を増強し、冷ニューロン活動を低下させることによって、発熱を起こす。
コ( )イヌで視索前野・前視床下部を加温するとパンティングが起こる事が期待される。
サ( )炎症性サイトカインには発熱、睡眠、食欲低下、ACTH分泌を起こす作用がある。
シ( )非ステロイド性解熱薬はプロスタグランディン産生を抑制することにより、解熱作用を発揮する。
ス(×)リンパ球は、視床下部ホルモンを分泌しないのに、視床下部ホルモンに対する受容体を持っている。
セ( )脳が免疫系機能を修飾する機序として、自律神経系および神経内分泌系がある。
ソ(×)脳血管の内皮細胞には、サイトカインに対する受容体がない。
タ(×)バゾプレッシン(vasopressin)は、内因性発熱物質の一つである。

3.次の文を読んで以下の問に答えなさい。答えは日本語でもよい。
Water intake occurs in response to infusions of angiotensin U (AU) into the circulation, and to (1)experimentally-induced hypovolemia, which results in an activation of the rennin-angiotensin system. However, because AU does not penetrate (2), the question was raised as to how blood-borne AU could act at a brain site to stimulate water intake. An answer to this problem was provided by Simpson and co-workers, who produced several lines of evidence that indicated that the subfornical organ (SF0), one of (3) that lack (2), was the site of receptors for blood-borne AU to induce drinking in the rat.

(a)(1)"experimentally-induced hypovolemia, which results in an activation of the rennin-angiotensin system"を引き起こす方法を3つ以上書きなさい。
出(脱)血、ノルアドレナリン、βアゴニストの末梢投与、ポリエチレングリコールの皮下投与、下大静脈の結紮(部分的)など

(b)(2)に入る最も適当な語句を書きなさい。[2カ所の(2)は同じ語句が入る。]
血液―脳関門(blood-brain barrier)

(c)(3)に入る最も適当な語句を書きなさい。
脳室周囲器官(circumventricular organ)

4.座骨神経を用いた活動電位の実習について正しいものに○をつけなさい。間違っているものに○をつけると、減点になる。
ア(○)神経の刺激は、矩形波通電によって行った。
イ( )銀線でできた電極の上に、ラットの座骨神経を置いて行った。
ウ( )刺激の持続時間をアイソレータで設定した。
エ( )細胞内活動電位の10回平均加算した波形を記録した。
カ(○)電気刺激装置からオシロスコープヘの直接の接続は、掃引パルス(または、トリガー(引き金)パルス)のためである。
キ( )刺激電極をリンガー液で浸した糸で短絡すると、活動電位の振幅が小さくなった。
ク(○)座骨神経の末梢側を刺激して中枢側で記録すると、振幅が小さくなった。
ケ(○)空間定数が大きいほど伝導速度は速い。
コ( )時定数が大きいほど伝導速度は速い。
サ( )外部抵抗が小さいほど、活動電位が大きく記録できる。
シ( )クロナキシーを求めるため、刺激の持続時間を種々に変えて極大刺激の大きさを測定した。
ス( )クロナキシーと時定数は、反比例関係がある。
セ( )記録電極間をピンセットで挟んで、off responseが陽極で起こることを確認した。
ソ( )off responseの機序の一つとして、Na+イオンチャンネルの活性化の低下がある。
タ(○)off responseの機序の一つとして、K+イオンチャンネルの活性化の低下がある。


4枚目
1.生体リズムを司る外因性リズムと内因性リズムをそれぞれ3つ挙げ、リズム同調が起こる機序を例を挙げて説明せよ。
外因性リズムの例
明期と暗期、気温の変化、週間リズム、職場の勤務形態、等
内因性リズムの例
睡眠覚醒、深部体温、コルチゾール分泌、メラトニン分泌、月経周期、等
リズム同調の機序
内因性リズムは必ずしも24時問周期ではないが、自然環境下では明暗期が24時間ずつ交互に訪れ、内因性リズムがこの24時間周期に同調することをリズム同調という。このような概日リズムを同調させる因子を同調因子と言い、多くの生物にとって光が最も強力な同調因子である。(標準生理学 p831参照)

2.カエル縫工筋の筋紡錘の一次終末と二次終末において、伸張刺激が活動電位に変換される情報変換特性について説明せよ。
カエル縫工筋の筋紡錘には一次終末と二次終末の2種類が存在し、以下のように機能分化している。(標準生理学、第5版p309図5-9参照)
一次終末
伸張受容器の時間的変化(変形度/時間)に応じて活動電位の発火頻度が増加する。x軸を重量負荷の対数、y軸を活動電位の発火頻度の対数でプロットすると正の相関を示す。(スティーブンスの「べき関数の法則」)
二次終末
伸張受容器の変形度に応じて活動電位の発火頻度が増加する。x軸を重量負荷の対数、y軸を活動電位の発火頻度でプロットすると正の相関を示す。(エイドリアンの「対数関数の法則」)

問1.細胞外液中の主なイオン3種類のだいたいの濃度を記し、それぞれの細胞内液中の濃度と比較せよ。
実習で用いたカエルのリンガー液(細胞外液)の組成は、K+:2.5mM、Na+:125mM、Cl-:134.5mMであり、カエル骨格筋の細胞内組成は、K+:124mM、Na+:10mM、Cl-:2.4mMであった。
K+は細胞内に多く、Na+とCl-は細胞外に多いという濃度の不均等分布が存在する。(これは、細胞内に膜不透過の陰イオンが存在してDonnan平衡が成り立っていることと、Na-Kポンプによる能動輸送が存在していることによる。)
(イオン濃度は、動物の種類、細胞の種類などによって絶対値は異なる。細胞内外の濃度比が似ている場合は静止電位も近似する。ちなみに、ヒトの血清電解質濃度はK+:4mM、Na+:140mM、Cl-:100mM前後。)

問2.細胞外液中のK+濃度を120mMにした時、測定された静止電位はOmVであった。これから予想される細胞内K+濃度は何mMか。理由も記せ。
静止電位は、イオンの相対的膜透過性と膜内外の濃度勾配で決定され、最も透過性の高いイオンの平衡電位に最も近くなる。体液の組成イオンのうち膜透過性の最も高いのは、一般的にK+である。特に、120mMという高K+濃度の溶液中では、その他のイオンの透過性はほぼ無視することができる。従って、この時の静止電位はK+の平衡電位で近似できるので、Nemstの式より、
 EK=RT/Flog(細胞外K+濃度)/(細胞内K+濃度)
 0=RT/Flog(120)/(細胞内K+濃度)
 (細胞内K+濃度)=120mM

問3.虚血状態になってエネルギー供給が停止した神経細胞では、細胞内/細胞外のイオン濃度、静止電位、膜の興奮性(活動電位の発生しやすさ)にどのような変化が起こることが予測されるか。理由も記せ。
静止電位はNa-Kポンプによって維持されている。Na-Kポンプは、ATP1分子の加水分解で生じるエネルギーを用いて、濃度勾配に逆らって、3個のNa+を細胞内から細胞外へ運び出し、2個のK+を細胞外から細胞内へ運び入れる。その結果、細胞内のK+は高濃度に、Na+は低濃度に、静止電位は負に維持される。
虚血状態になって、酸素およびグルコースの供給が停止すると、ATP産生が滅少するため、Na-Kポンプの働きが低下する。その結果、細胞内のNa+濃度、細胞外のK+濃度が上昇し、静止電位は浅くなる(脱分極方向に向かう)。静止電位の変化が軽度の場合は、活動電位の発生閾値に近づくことにより、膜興奮性は上昇する。さらに静止電位が浅くなって、閾値を越えて脱分極の状態になると、活動電位は発生しなくなる。いずれにしても、神経細胞は正常の機能を果せなくなる。
(興奮性が高まり、過剰の活動電位の発生が認められる状態は、臨床的にはケイレンに対応すると考えられる。)


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