消化管・腹膜 平成15年度概説試験

平成16年1月5日実施(110分)
1人につき問題冊子1冊と解答用紙1枚。(いずれもA4)マークシート方式。

1.次の文章で正しいものはどれか。
a.テネスムスは遠位大腸の強い炎症によって起こる。
b.浸透圧性下痢では血便は少ない。
c.分泌性下痢は絶食により改善しない。
d.腸管内の水分は大部分大腸で吸収される。
e.滲出性下痢は食事摂取により軽減する。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 1
解説
a.○…プリント10/6。下部大腸の強い炎症の為、排便後少量の内容物によって便意を催す状態。
b.○…脂肪便、水様下痢便
c.○
d.×…レジュメP4。85%が小腸、15%が大腸
e.×…プリント10/6。増強する。

2.以下のうち、関連痛はどれか。
a.Headの知覚過敏帯
b.Boasの点
c.McBuerneyの点
d.筋性防御
e.小野寺の点
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2
解説
a.○…プリント10/6
b.○…プリント10/6
c.×
d.×…ステップP27。体性痛。
e.○…レジュメP77、プリント10/6。小野寺の臀部圧診点…胃・十二指腸潰瘍。

3.以下のうち、便秘を来す疾患はどれか。
a.WDHA症候群
b.バセドウ病
c.糖尿病
d.腸管癒着
e.過敏性腸症候群
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  .b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 プリント10/6
a.×…STEP P323。VIP産生腫瘍。水様性下痢、低K血症、無酸症を主徴。
b.×…甲状腺機能低下症で器質性便秘。

4.クローン病のX線・内視鏡所見として正しいものはどれか。
a.敷石状外観
b.縦走潰瘍
c.拇指圧痕像
d.輪状潰瘍
e.炎症性ポリープ
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2
解説
a.○…ステップP109、レジュメP119,139。クローン病…回腸末端部を好発部位とする原因不明の慢性肉芽腫性炎症性疾患。
b.○…縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が主要所見。
c.×…ステップP117。炎症性ポリープはクローン病でも一部認められる。

5.クローン病の治療法として誤ったものはどれか。
a.成分栄養療法
b.ステロイド
c.5−ASA製剤
d.非ステロイド性消炎鎮痛剤
e.抗TNF−α抗体
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 4
解説
a.○…ステップP113,114、レジュメP120。栄養療法は第1選択。
b.○…薬物療法は補助的 ステロイドは活動期に著効。
c.○…サリチル酸誘導体 抗炎症作用、抗菌作用、粘膜障害の抑制。

6.腸結核に関する以下の記載のうち正しいものはどれか。
a.非乾酪性肉芽腫を認める。
b.左側結腸に好発する。
c.大部分で結核菌培養が陽性となる。
d.治癒期に偽憩室がみられる。
e.狭窄は外科治療の適応となる。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 5
解説
a.×…ステップP101、レジュメP119。腸結核…小腸ないし大腸に到達した結核菌がパイエル板に侵入し、慢性の潰瘍性ないし炎症性病変を形成。パイエル板の発達した回盲部に好発。乾酪性肉芽腫、輪状・帯状潰瘍。
d.○?
e.○…レジュメP140

7.潰瘍性大腸炎の特徴につき正しいものはどれか。
a.本邦ではクローン病よりも有病率が低い。
b.男性よりも女性が多い。
c.本邦における有病率は増加しつつある。
d.一般人口よりも大腸癌発生率が低い。
e.60歳以上の高齢者に好発する。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 3
解説 ステップP103、レジュメP155。
a.×…クローン病の約4倍。
b.×…有意差なし。
c.○…クローン病と同じく増加傾向。(ステップには横ばいとありますがその他の文献から判断して。)
d.×…長期間経過中に癌化。
e.×…20〜35才の若年層。

8.虚血性大腸炎の特徴として正しいものはどれか。
a.盲腸・上行結腸に好発する。
b.治癒期に縦走潰瘍を認める。
c.狭窄型よりも一過性型が多い。
d.高齢者に好発する。
e.再発を繰り返す。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4
解説 ステップP142、レジュメP156。
a.×…左側結腸。下腸管間膜動脈は交通枝がそれほど発達していない。
b.○?…治癒期?急性期にはできる。
e.×…再発は比較的少ない。

9.急性大腸炎の原因として頻度の高い薬剤はどれか。
a.プロトンポンプ阻害剤
b.ペニシリン
c.非ステロイド性消炎鎮痛剤
d.カルシウム拮抗剤
e.ヒスタミン2受容体拮抗剤
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 3
解説 レジュメP156。抗生物質によるものが最多。

10.早期大腸癌の正しい定義はどれか。
a.粘膜内にとどまる癌
b.腺腫を伴う癌
c.リンパ節転移のない癌
d.静脈侵襲とリンパ管侵襲のない癌
e.粘膜下層までにとどまる癌
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 5
解説 ステップP121、レジュメP150
e.○…リンパ節転移の有無は問わない。胃癌と同様の基準。

11.家族性大腸腺腫症の大腸外病変はどれか。
a.結節性紅斑
b.口唇の色素沈着
c.胃底腺ポリープ
d.骨腫瘍
e.デスモイド腫瘍
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 ステップP118、レジュメP153,154
a.×…家族性大腸腺腫症:常染色体優性遺伝。APC癌抑制遺伝子の不活性化により、腺腫性ポリープの多発を経て大腸癌に至る。
c.○…胃、十二指腸、小腸にもポリープ
e.○…類腱腫:腹壁筋膜から発生する線維腫の一種で、本来は良性腫瘍で転移は起こさないが、浸潤性発育、境界不明瞭のため広範囲切除。経産婦の下腹部に多い。

12.65歳、男性。早期大腸癌に対し、内視鏡的粘膜切除をしたところ、終了2時間後より腹痛が出現した。まず行うべき検査はどれか。
a.鎮静剤の投与
b.胸・腹部単純X線撮影
c.大腸内視鏡の再検
d.注腸X線検査
e.試験開腹
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答
解説

13.正しい記述はどれか
a.胃粘液は副細胞、表層上皮細胞より分泌される。
b.ペプシノーゲンは主細胞より分泌される。
c.胃全摘後、長期間を経た患者では悪性貧血を来すことがある。
d.胃液分泌量は1日およそ1〜2リットルである。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,c,d  4.a,b,d  5.全て
解答 5?
解説
a.○…ステップP10、レジュメP2
c.○?

14.正しい記述はどれか
a.オリゴペプチドは小腸吸収上皮細胞の刷子縁膜のアミノペプチダーゼによりアミノ酸に分解される。
b.壁細胞よりH+が分泌されると、同時にK+が細胞内へ流入する。
c.頻回の下痢を来すと高K血症を来す。
d.M cellはパイエル板上皮中に存在する。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,c,d  4.a,b,d  5.全て
解答 4
解説
a.○…レジュメP4。タンパク質の吸収。
b.○…レジュメP2。プロトンポンプ。
c.×…レジュメP5。低K血症。
d.○…レジュメP5。パイエル板のdome area上皮細胞中に存在し、抗原を下部のリンパ組織へと転送する特殊な細胞。

15.正しい記述はどれか
a.腸上皮化生は、内視鏡的検査にて前底部に散在する灰白色調小隆起として観察される。
b.吻合部潰瘍の好発部位は吻合縁から1cm肛門側付近である。
c.アニサキス症に腐食性胃炎を合併することが多い。
d.日本では胃潰瘍に比し、十二指腸潰瘍の有病率が高い。
1.a,b  2.b,c  3.c,d  4.a,d  5.全て
解答 1
解説
a.○…レジュメP81。幽門前庭部に敷石状に散在する灰白調隆起。
b.○…レジュメP77。吻合縁より肛門側1cm以内。
c.×…レジュメP81。
d.×…レジュメP77。胃>十二指腸。

16.正しい記述はどれか
a.Mallory-Weiss syndromeは十二指腸球部後部潰瘍、食道潰瘍を来すことがある。
b.G cellは胃前底部に多く存在する。
c.凝血が付着している胃潰瘍は、内視鏡的ステージ分類A1 stageに分類される。
d.慢性腎不全では高ガストリン血症を来す。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,c,d  4.a,b,d  5.全て
解答 2
解説
a.×…レジュメP63。
b.○…レジュメP2。十二指腸球部にもある。
c.○…レジュメP78。活動期A1、A2。 A1:周辺浮腫。凝血の付着する厚い白苔。
d.○…レジュメP79、ステップP321。Zollinger-Ellison syndrome。

17.正しい記述はどれか
a.迅速ウレアーゼ検査は、内視鏡的検査を必要とする。
b.プロトンポンプ阻害剤はH2受容体拮抗剤に比し、胃酸分泌をより強力に抑制する。
c.Helicobacter pylori除菌療法による十二指腸潰瘍再発率の低下は証明されている。
d.Helicobacter pyloriは便中に排出される。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,c,d  4.a,b,d  5.全て
解答 5
解説
a.○…内視鏡下に採った生検組織を用いる。
b.○…ステップP70,71。PPIはH2-Rだけでなく、M-R、G-Rを介する分泌も抑える。
c.○…ステップP62。
d.○…レジュメP78。便中抗原検査。

18.正しい記述はどれか
a.CCKにより胆嚢収縮、Oddi筋弛緩を来す。
b.ビタミンB12は回腸末端で吸収される。
以下?
解説 a、bは○

19.

20.

21.正しい記述はどれか。正しい組み合わせを選択せよ。
a.Dieulafoy潰瘍は、露出血管を伴う巨大潰瘍のことをいう。
b.Cajal細胞は間質細胞である。
c.分泌型IgAは腸管感染防御機構に関与する。
d.胃酸も腸管感染防御の一翼を担っている。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,b,d  4.a,c,d  5.全て
解答 2
解説
a.×…レジュメP79。小潰瘍と露出血管。
b.○…レジュメP5。消化管運動の内在神経系。ほかにアウエルバッハ、マイスネル。
c.○…レジュメP5。
d.○…レジュメP3。

22.正しい記述はどれか。正しい組み合わせを選択せよ。
a.Menetrier病では低蛋白血症を来すことがある。
b.アニサキス症は内視鏡的治療の適応ではない。
c.脳外科手術は急性胃粘膜病変の誘因になりうる。
d.胃内異物の発生頻度は乳幼児と高齢者で高い。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,b,d  4.a,c,d  5.全て
解答 3
解説
a.○…レジュメP82、ステップP60。胃巨大皺壁。蛋白漏出生胃腸症。
b.×…レジュメP81。内視鏡下に虫体摘出。
c.○…レジュメP81、ステップP57。手術時、中枢神経障害時
d.○…レジュメP83。

23.十二指腸潰瘍について正しい記述はどれか。正しい組み合わせを選択せよ。
a.胃潰瘍に比して胃酸分泌量が多い傾向にある。
b.球部後壁が好発部位である。
c.Helicobacter pylori除菌後の再発率は胃潰瘍に比し低い。
d.穿孔は胃潰瘍より頻度が高い。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.a,b,d  4.a,c,d  5.全て
解答 4?
解説
a.○…ステップP66。病変部が口側に移動するにつれ、胃酸分泌量は低下。
b.×?…レジュメP77。球部前壁、次に後壁。
d.○…レジュメP77、ステップP68。2倍以上。

24.食道に関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.気管分岐部は、食道の生理的狭窄部ではない。
b.ヨード染色法による色素内視鏡検査で、正常食道粘膜は褐色に染まる。
c.ヨード染色法による色素内視鏡検査で、食道癌は不染帯となる。
d.トルイジンブルー染色法による色素内視鏡検査で、正常食道粘膜は染まらない。
e.超音波検査で、正常食道壁は5層に描出され第5層は漿膜を表す。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4?
解説
a.×?…ステップP7。食道入口部、大動脈弓・左主気管支、横隔膜。
b.○…ステップP46。ヨード+グリコーゲン(扁平上皮細胞中)=ヨードグリコーゲン。茶褐色。
c.○…同上。癌は不染帯。
d.○…ステップP46。トルイジンブルーは正常上皮欠損部や壊死物質とよく結合。青色。
e.×…レジュメP10,71。超音波内視鏡診断法(EUS)。腫瘍の壁在性と深達度、重化縦隔内リンパ節腫大の有無を評価。食道は管腔側から粘膜層(高)、粘膜筋板(低)、粘膜下層(高)、固有筋層(低)、外層(高)の5層に描出されるが、そもそも食道に漿膜はなく外膜のみ。

25.食道疾患に関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.Mallory-Weiss症候群では、悪心、嘔吐後に吐血を見ることが多い。
b.Rokitansky憩室は牽引性憩室である。
c.逆流性食道炎で全周性の炎症はLos Angels分類のGrade Aである。
d.食道裂孔ヘルニアは逆流性食道炎になることはない。
e.逆流性食道炎の治療にプロトンポンプ阻害薬を用いる。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2?
解説
a.○…レジュメP63、ステップP48。
b.○…レジュメP66,67、ステップP41。気管支分岐部憩室、牽引性、真性憩室。
c.×…レジュメP69。
d.×…レジュメP62、ステップP36。好発。
e.○…レジュメP63、ステップP34。制酸作用。

26.

27.食道癌に関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.癌の壁深達度が粘膜下層に留まるものを早期食道癌をという。
b.バレット食道は食道腺癌の母地となる。
c.日本において組織学的に扁平上皮癌が多い。
d.喫煙、高濃度のアルコール摂取、熱い飲食物の摂取等が食道癌発生の誘引となる。
e.癌の深達度が粘膜層に留まるものは内視鏡的粘膜切除の適応となる。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4
解説
a.×…レジュメP65。原発巣の壁深達度が粘膜層にとどまり、リンパ節の転移を認めないもの。
b.○…レジュメP63、ステップP35。円柱上皮化生。
c.○…レジュメP66、ステップP42。90%以上。
d.○…レジュメP65。ほかに食道アカラシア、バレット食道。
e.×…レジュメP66,73、ステップP46。絶対適応はm2以下で全周性でないもの。M3-sm1は相対適応。

28.食道疾患に関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.食道静脈瘤に対する治療ではEVLが行われる。
b.食道静脈瘤で発赤所見は出血の可能性が高い。
c.EISは血管内、外に硬化剤を注入する。
d.Vasopressin静注により門脈圧は亢進する。
e.Budd-Chiari症候群では門脈圧は亢進しない。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 1
解説 レジュメP65、ステップP52,53。
a.○…EISのほうが確実。
b.○…発赤所見(ミミズ腫れ、cherry-red spot、血マメ様所見)は破裂の前兆。
c.○…
d.×…腹腔内細小動脈収縮による門脈血流減少→門脈圧低下。
e.×…ステップP190。肝後性門脈圧亢進症。

29.胃腫瘍に関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.胃MALT腫瘍に対する治療の一つにHelicobacter pyloriの除菌がある。
b.胃原発の悪性リンパ腫ではB細胞性が多い。
c.胃肉腫の中で悪性リンパ腫が最も多い。
d.胃カルチノイド腫瘍はカルチノイド症候群を呈する。
e.胃カルチノイド腫瘍は胃粘膜下層より発生するので、粘膜下腫瘍の形態をとる。
解説
a.○…レジュメP93,98、ステップP83。
b.○…ステップP83。ほとんどがnon-HodgkinのB細胞リンパ腫。
c.○…レジュメP93,98。胃非上皮性悪性腫瘍の60%を占める。40%が平滑筋肉腫。
d.○…レジュメP94。カルチノイド症候群=顔面、四肢の紅潮、下痢、気管支喘息。
e.○…レジュメP93,94。胃粘膜層の下1/3。悪性胃粘膜下腫瘍。

30.胃ポリープに関する次の記述のうち正しいのはどれか。
a.過形成ポリープは癌化することが多い。
b.内視鏡下で発赤調ポリープが観察される。
c.山田W型ポリープは有茎性ポリープである。
d.胃腺腫は内視鏡で白色調扁平な隆起として観察される。
e.胃腺腫は放置するとほとんどが癌化する。
解説
a.×…レジュメP93,96、ステップP86。まれ。
b.○…レジュメP96、ステップP86。過形成は発赤を伴う。
c.○…ステップP85。T、Uは無茎、V、Wは有茎。
d.○…レジュメP96、ステップP86。丈は低く、灰白色。
e.×…レジュメP93,96。癌化率約10%。

31.正しいものを選べ
a.肝鎌状間膜は肝を後上方から支える
b.肝十二指腸間膜内には門脈、総肝動脈、リンパ節が存在する
c.肝十二指腸間膜の腹側にはウィンスロー孔が存在する
d.網嚢と腹膜腔はbare areaを通じて交通する
e.小網は肝胃間膜、脾腎間膜からなる
1.a  2.a,c  3.b  4.b,d  5.e
解答 3
解説 レジュメP14,15。
a.×…ステップP154。前方。
b.○…門脈、総肝動脈、リンパ節、神経叢などを含む。
c.×…背側。
d.×…Winslow孔。33参照。
e.×…

32.正しいものを選べ
a.大網は腹膜播種の好発部位である
b.正常の腹膜はCTで指摘が容易である
c.膵ガンは胃結腸間膜を介して横行結腸へ浸潤するのが普通である
d.横行結腸間膜は大湾から下方に伸びる間膜である
e.横行結腸間膜と小腸間膜には連続性はない
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 1
解説 レジュメP14,16。
a.○…
b.×…
c.×…胃癌。
d.×…膵前面より起こり、横行結腸を支える。
e.×…右側で連続。

33.正しいものを選べ
a.網嚢と通常の腹膜腔には交通はない
b.網嚢は膵臓の背側に位置する
c.膵嚢は胃の背側に位置する
d.臍静脈、傍臍静脈は肝鎌状間膜内を走行する
e.大網は二層の腹膜より構成される
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 4
解説 レジュメP14〜16。
a.×…標準外科学P463。肝十二指腸間膜下縁と後腹膜との間を入り口(Winslow孔)として、前側は小網と胃、後側は膵臓。
b.×…頭側は肝下面、尾側は横行結腸間膜などによって囲まれた嚢状胞のこと。
c.×…
d.○…
e.×…胃結腸間膜が尾側に深く垂れ下がった後、反転挙上して横行結腸をくるんで横行結腸間膜に移行するもので、もともとは4枚の腹膜からなる。

34.胸部食道に隣接する臓器はどれか
a.下行大動脈
b.気管
c.上大静脈
d.横隔神経
e.心嚢
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2

35.特発性食道破裂について正しい組み合わせを選べ
a.食道下部1/3に多い
b.胸写で縦隔陰影の拡大、縦隔気腫が観察される
c.原則として保存治療
d.確定診断には食道内視鏡が有用
e.確定診断には水溶性造影剤による食道造影が有用である
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2
解説 レジュメP68、ステップP49。
a.○…食道下部1/3。左壁側に多い。
b.○…食道から漏れた空気。
c.×…
d.×…水溶性造影剤。内視鏡は侵襲的。
e.○…

36.食道良性腫瘍で最も多いものを選べ
a.脂肪腫
b.平滑筋腫
c.神経鞘腫
d.血管腫
e.線維腺腫
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答
解説 bは○。血管腫や脂肪腫もあるらしいですがどれが多いのか…。

37.食道癌について正しいものを選べ
a.胸部上部に好発する
b.50歳代に多い
c.飲酒、喫煙は発癌のrisk factorである
d.男性に多い
e.特定の国や地域に集積する傾向がある
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 レジュメP71、ステップP42。
a.×…胸部中部食道に最も多く、次いで胸部下部食道に多い。
b.△…ピークは60歳代後半。
c.○…
d.○…ステップでは4:1、レジュメでは9:1。どちらにしても男性に多い。
e.○…地域集積性。

38.食道表在癌について正しいものを選べ
a.早期癌は粘膜下層にとどまる癌でリンパ節転移は問わない
b.ルゴール液に対し不染性を示す
c.深達度診断に超音波内視鏡が有用である
d.ほとんどが扁平上皮癌である
e.粘膜下層に留まる癌に対しては内視鏡的切除術適応である
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4
解説 24および27の解説を参照。
d.○…食道癌の90%以上が扁平上皮癌なので、表在癌もこれが多いでしょう。

39.胸部食道癌について正しいものを選べ
a.胸部中部癌は右開胸でアプローチする
b.胸部中部進行癌は腹腔内リンパ節郭清を行う
c.再建臓器には胃を使う
d.再建ルートには胸骨後経術を使う
e.再建臓器には結腸がもっとも血流がよく安全である
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 1?
解説 レジュメP73,74、ステップP43。
a.○…最も一般的なアプローチ。
b.○…頸部+縦隔内+腹部。
c.○…胃、空腸、結腸。
d.○…後縦隔・胸腔内。胸骨後。胸壁前。
e.×…結腸は辺縁動脈が細く、血流を起こしやすい。

40.食道癌の非手術的治療について正しいものを選べ
a.化学療法、放射線療法では進行癌の根治は不可能である
b.放射線療法単独は化学療法合併より予後が良い
c.通過障害改善に食道ステント
d.化学療法の第一選択はFP療法(5−FU+CDDP)
e.他臓器浸潤の高度進行癌に対しては術前治療が施行される
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 レジュメP74,75。
a.×…手術拒否例、非耐術例、頸部食道癌で喉頭摘出が必要な場合。
b.×…ステップP47。放射線単独治療は少なく、単独では治癒はほとんど期待できない。
c.○…姑息治療。
d.○…
e.○…

41.イレウスの初期治療で明らかに誤っているものはどれか。
a.下剤投与
b.輸液
c.絶食
d.経鼻的チューブによる腸内容排除
e.抗生物質
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 1
解説
a.×…経鼻的チューブを用いる。

42.絞扼性イレウスについて正しいものはどれか。
a.下剤を投与する
b.保存的治療を行う
c.エコーは診断に有用である
d.腹水が貯留する
e.腹部単純撮影で無ガスイレウス像が見られる
3つ。選択肢は5つでしたが組み合わせがわかりません。
解説
a.○…腸内容物は排出すべき。
b.×…絶対適応。
c.○…腸管の壊死を見分ける。
d.○…腸管の血行障害→腸壁の毛細血管破裂→腸管内および腹腔内出血など。
e.×…小腸軸捻症でみられる。絞扼性イレウスの一種にすぎない。

43.急性虫垂炎について正しいものを選べ。
a.診断がついてから手術を行う
b.保存的に経過を見る
c.エコーより腹部単純写真が有用である
d.痛みが心窩部から右下腹部に移動する
e.悪心・嘔吐がおこる
3つ。選択肢は5つでしたが組み合わせがわかりません。
解説 ステップP98、レジュメP129。
a.○…他の急性腹症との鑑別。
b.×…緊急手術。
c.×…エコーは不可欠
d.○…心窩部痛、臍周囲の疼痛(内臓痛)、悪心・嘔吐が初期の自発症状
e.○

44.27歳、男性。10日前に腹痛を訴えて診察を受け、十二指腸潰瘍と診断されていた。アルコールを大量摂取後、激しい腹痛のため来院した。早急に行うべき検査として正しいものを1つ選べ。
a.腹部単純写真
b.MRI
c.血管造影
d.注腸X線
e.試験開腹
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 1
解説 穿孔の疑い。free airがないか確認。

45.筋性防御をおこすものとして正しいものはどれか。
a.胃潰瘍穿孔
b.急性腎盂腎炎
c.急性虫垂炎
d.過敏性大腸炎
e.?
3つ。選択肢は5つでしたが組み合わせがわかりません。
解答
解説
a.○…ステップP27。
b.×…筋性防御:腹膜に炎症が及び、腹壁の緊張が著しく高まった状態。
c.○
d.×…ステップP141。器質的病変はない。

46.緊急手術の適応となるものはどれか。
a.急性膵炎
b.虚血性腸炎
c.卵巣嚢腫茎捻転
d.絞扼性イレウス
e.大腸憩室炎
1.a,b  2.b,c  3.c,d  4.d,e  5.a,e
解答 3
解説
a.×
b.×
c.○
d.○
e.×…絶食、抗菌薬、鎮痛薬などによる保存的治療。

47.タール便の原因として正しいものはどれか。
a.食道胃静脈瘤出血
b.MW症候群
c.十二指腸潰瘍出血
d.大腸憩室炎
e.虚血性大腸炎
1.a,b,c  2.b,c,d  3.c,d,e  4.a,b,e  5.a,d,e
解答 1
解説 10/6プリント。タール便:消化管出血が下方に下って腸管内で発生する硫化水素によって硫化ヘモグロビンとなり、黒色を呈する。

48.AGMLの原因となるものはどれか。
a.絶食
b.ストレス
c.NSAIDの投与
d.Ca拮抗薬の投与
e.抗コリン剤の投与
1.a,b  2.b,c  3.c,d  4.d,e  5.a,e
解答 2
解説 レジュメP78,81。AGML:急性胃粘膜病変=急性胃炎+急性胃潰瘍。アルコール、薬剤(NSAIDs、副腎皮質ホルモン)、ストレス、寄生虫、医原性などの原因がある。

49.食道静脈瘤の出血に対する治療として正しいものはどれか。
a.エタノール注入
b.高Na−エピネフリン局所注入
c.硬化療法
d.結紮療法
e.S−B tube
1.a,b,c  2.b,c,d  3.c,d,e  4.a,b,e  5.a,d,e
解答 3
解説 レジュメP65、ステップP67。

50.胃潰瘍出血の治療法として適当でないものはどれか。
a.内視鏡的クリップ
b.内視鏡下エタノール注入
c.プロトンポンプ阻害剤投与
d.輸液
e.NSAID
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 5
解説 レジュメP80。
a.○
b.○
c.○
d.○…出血性ショックの改善。
e.×

51.消化管出血の検査として有用なものはどれか。
a.超音波
b.胃内視鏡
c.血管造影
d.出血シンチ
e.CT
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4
解説 12/19馬場先生のプリント、レジュメP170。内視鏡が第一選択。

52.上部消化管出血によりショックをきたした症例に対する適切な治療法はどれか。
a.昇圧剤投与
b.H2ブロッカーの投与
c.輸血
d.消炎鎮痛剤の投与
e.セミファーラー体位
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 1
解説 12/19馬場先生のプリント、レジュメP170,171。
a.○…ショック進行例で十分な輸血にもかかわらず心拍出量の増大しない場合、昇降剤の投与を行う。
b.○…薬剤による止血治療。
c.○…循環血液量の減少を補う。
d.×…逆効果。
e.×…上部消化管出血時の体位はコーマ体位(頭部伸展、下顎挙上)。

53.胃癌を示す粘膜ひだの所見として正しいのはどれか。
a.ひだの途絶
b.ひだの急峻な先細り
c.ひだ先端の太まり
d.ひだの癒合(融合)
1.a,c,d  2.a,b  3.b,c  4.dのみ  5.全て
解答 5
解説 ステップP79。粘膜ひだの急激な中断、先細り、肥厚、癒合として認められる。

54.注腸造影検査について正しいのはどれか。
a.バリウムを経肛門的に注入する。
b.空気を経肛門的に注入する。
c.いわゆるapple core signは全周性の2型進行大腸癌の所見である。
d.拇指圧痕像は大腸ポリープの所見である。
e.鉛管像は虚血性大腸炎の所見である。
解説 ステップP143、レジュメP12。
a.○…造影剤、空気注入。
b.○
c.○
d.×…拇指圧痕像は虚血性大腸炎、O-157の所見。
e.×…鉛管像(leadpipe)は潰瘍性大腸炎の特徴的所見。

55.次のうち唾液腺腫瘍の説明として正しいものはどれか。
a.腺房細胞癌(acinic cell carcinoma)、粘表皮癌(mucoepidermoid carcinoma)は高悪性度の癌である。
b.多形性腺腫(plemorphic adenoma)は奇形腫に分類される。
c.ワルチン腫瘍(Warthin tumor)はリンパ組織からなる間質とオンコサイト様細胞質を持つ腫瘍細胞からなる。
d.腺様嚢胞腫(adenoid cystic carcinoma)は上皮細胞と筋上皮細胞からなる混合腫瘍である。
1.aのみ  2.a,b  3.cのみ  4.c,d  5.b,d
解答 3
解説 レジュメP24。
a.×…腺房細胞癌、粘表皮癌は低悪性度の癌。
b.×?…選択肢より。
c.○
d.×…
e.×

56.次のうち慢性胃炎の説明として正しいものはどれか。
a.自己免疫性胃炎は幽門腺領域の萎縮を特徴とする。
b.自己免疫性胃炎は逆萎縮性胃炎とも呼ばれる。
c.萎縮性胃炎の原因にはHelicobacter pylori感染が注目されるようになった。
d.腸上皮化生は幽門腺領域だけに見られ、体部腺領域には現れることはない。
1.a,b  2.b,c  3.c,d  4.a,c  5.b,d
解答 4
解説 ステップP58。体部に病変が強いA型と前庭(幽門)部に病変が強いB型に分かれる。A型は自己免疫疾患と考えられ、B型はヘリコバクター・ピロリ感染によって発症。
a.○…
b.×…慢性胃炎≒萎縮性胃炎
c.○…
d.×…体部に現れたものはA型。

57.次のうち胃癌の病理の説明として正しいものはどれか。
a.分化型胃癌は血行性に肝臓転移を起こしやすい。
b.分化型胃癌は腹膜播種による転移を起こしやすい。
c.若年者に起こる胃癌は低分化型癌であることが多い。
d.低分化型胃癌は腸上皮化生で囲まれることが多い。
1.a,c  2.b,d  3.a,d  4.b,c  5.c,d
解答 1
解説 標準外科学P507。
a.○…血行性にまず胃の周囲の静脈より門脈に入り、肝に転移する。
b.×…若年者の女性に多い未分化型の癌は胃固有粘膜を背景として発生し、進行すると腹膜播種を来しやすい。
c.○…
d.×…高年者の男性に多い分化型の癌は胃の腸上皮化生粘膜を背景として発生し、進行すると肝転移を来しやすい。

58.潰瘍性大腸炎の組織像として特徴的なものを選べ。
a.全層性炎症
b.肉芽腫
c.陰窩膿瘍
d.basal plasmacytosis
e.核内封入体
1.a,b  2.a,c  3.c,d  4.d,e  5.b,e
解答 3
解説 ステップP103。
a.×…標準外科学P534。炎症の深さは粘膜および粘膜下まで。全層性炎症はCrohn病、大腸結核。
b.×…ちなみにCrohn病では非乾酪性肉芽腫がみられる。
c.○…
d.○?…選択肢より。
e.×…

59.以下の腸炎についての記述で正しいものの組み合わせを選べ。
a.エルシニア腸炎では、膿瘍を伴う類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。
b.腸結核では乾酪壊死を伴う膿瘍を伴う類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。
c.アメーバ腸炎では融解壊死が特徴的である。
d.虚血性大腸炎では粘膜の立ち枯れ壊死が特徴的である。
e.サイトメガロウイルスによる腸炎は核内封入体が特徴的である。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.d,e  4.全て正しい  5.全て誤り
解答 4
解説 H13概説35参照

60.以下の腸炎についての記述で正しいものの組み合わせを選べ。
a.放射性腸炎では血管内皮細胞下の泡沫細胞出現が特徴的組織所見である。
b.偽膜性腸炎の原因はClostridium difficileの毒素による。
c.病原性大腸菌O−157感染による腸炎の組織像は虚血性腸炎と類似している。
d.腸チフスでは類上皮細胞肉芽腫がしばしば出現する。
e.抗癌剤性腸炎では奇異な核を有する異型細胞が出現する。
1.a,b,c  2.b,c,d  3.d,e  4.全て正しい  5.全て誤り
解答 1か4
解説 レジュメP156。
a.内皮下泡沫細胞と血管硝子化は放射線性腸炎の特徴。

61.間違っているものを一つ選べ。
a.口腔、咽頭の悪性腫瘍では高率に消化器、呼吸器に重複癌が認められる。
b.う歯、喫煙歴、飲酒歴は口腔癌のリスクファクターである。
c.口腔癌で最も部位的に多いのは口腔底癌である。
d.口腔癌の組織型としては扁平上皮癌が多い。
e.初期の口腔癌は切除や放射線治療で治療可能であるが、比較的早期におとがい下、額下部、頸部に転移をきたすと治療成績が低下する。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
61.H13-95、H14-68。R-P36参照。
a.○
b.○
c.× 口腔底癌→舌癌
d.○
e.○
A. 3−[c]

62.間違っているものを一つ選べ。
a.口蓋扁桃に原発する癌は口腔癌に分類される。
b.中咽頭癌の組織は分化度が高い扁平上皮癌が多い。
c.中咽頭癌の原発巣の治療には手術と放射線療法がある。
d.中咽頭癌の切除に伴う組織欠損は前腕皮弁や大胸筋皮弁によって形成される。
e.頸部リンパ節転移に対しては頸部郭清術が行われる。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
62.H13-97、H14-70。R-P50参照。
a.× 口腔癌→中咽頭癌。
b.○
c.○
d.○
e.○
A. 1−[a]

63.間違っているものを一つ選べ。
a.下咽頭癌や喉頭癌で声帯が固定している場合、TNM分類ではT2となる。
b.進行した下咽頭癌症例で放射線療法や化学療法のみで完治が困難な場合は咽頭、喉頭、頸部食道の合併切除が行われる。
c.下咽頭癌は頸部リンパ節転移しやすい。
d.下咽頭癌の頸部リンパ節転移に対しては頸部郭清術が行われる。
e.下咽頭癌で切除された咽頭、頸部食道再建には遊離空腸移植が行われることが多い。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
63.H13-98、H14-71。R-P52参照。
a.× T2→T3以上。
b.○
c.○
d.○
e.○
A. 1−[a]

64.小腸出血と小腸穿孔につき正しいものの組み合わせはどれか。
a.小腸出血は大腸出血より頻度が高い。
b.小腸出血は少量であれば血管造影より出血シンチのほうが診断に適している。
c.小腸穿孔は外傷性が非外傷性より少ない。
d.穿孔時の腹腔内遊離ガス像の出現は回腸では少ない。
1.a,b,c  2.a,b  3.b,d  4.cのみ  5.全て
64.H13-76、H14-75。R-P124参照。
a.× 消化管出血のうちの2〜5%と稀。
b.○ 血管造影は出血が0.5ml/minは必要で、出血シンチは0.1ml/minで十分。
c.× 外傷性の方が多く、その中でも鈍的外傷が鋭的外傷より多い。
d.○ 空腸は多い。
A. 3−[b,d]

65.腸瘻につき正しいものの組み合わせはどれか。
a.消化管手術後の縫合不全により発生するのは管状瘻が多い。
b.小腸が膀胱と瘻孔を形成したものは内腸瘻である。
c.腸瘻の治療ではまず水分電解質の補正を行う。
d.クローン病、腸結核、放線菌症では瘻孔をきたす。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
65.H13-77、H14-76。R-P125参照。
a.○ 管状瘻=関節瘻
b.○ 他の内臓と瘻孔を作ることを内腸瘻という。
c.○ さらに敗血症治療、非経腸栄養を行う。
d.○ 放線菌は膿瘍をつくった後、瘻孔を作る。
A. 5−[全て]

66.腸間膜血管閉塞症と短腸症候群に関して正しいものはどれか。
a.腸管壊死は腸管のischemic injuryのみによって発生する。
b.上腸間膜動脈閉塞症の起始部での閉塞は塞栓によることが多い。
c.短腸症候群は小腸の長さが100cm以下、消化吸収障害により代謝障害が起こるものをいう。
d.経腸栄養で体重減少10%以上が3ヶ月続くと、小腸機能障害の認定が得られる。
1.a,b,c  2.a,b  3.b,d  4.c,d  5.全て
66.H13-78、H14-77。R-P125、126参照。
a.× ischemic injury(虚血)+reperfusion injury(再開血流)の活性酸素による。
b.× 血栓による。
c.○
d.○
A. 4−[c,d]

67.小腸腫瘍に関して正しい組み合わせはどれか。
a.小腸には良性腫瘍より悪性腫瘍が多い。
b.悪性リンパ腫の予後は腺癌、カルチノイドより良い。
c.腫瘍は小腸の中部に発生することが多い。
d.転移性小腸腫瘍は肺癌や乳癌などの腹腔以外からの転移がある。
1.a,b,c  2.a,b  3.b,d  4.dのみ  5.全て
67.H13-80(参考)、H14-79。R-P129参照。
a.× 60%は良性で、その中でもGISTが最多。
b.× 予後はカルチノイド>平滑筋肉腫>悪性リンパ腫>腺癌の順。
c.× 十二指腸、空腸口側、回腸肛門側に多い。
d.○ 他に腎細胞癌やメラノーマからも転移がある。
A. 4−[dのみ]

68.大腸の解剖に関して正しいものはどれか。
a.結腸には3本のtaeniaがあり、縦走筋がtaeniaを形成する。
b.中直腸動脈は内直腸動脈から分枝している。
c.下方向リンパ節とは鼠径部へのリンパ流をいう。
d.上直腸弁が腹膜翻転部で、この部より肛門側がRbの領域となる。
1.a,b,c  2.a,c  3.c,d  4.dのみ  5.全て
68.H13-80、H14-81。R-P132参照。
a.○
b.○ 中・下直腸動脈は内腸骨動脈から分枝。
c.○
d.× 上→中。
A. 1−[a,b,c]

69.大腸の生理に関して正しいものはどれか。
a.下腹神経を損傷すると排尿障害が起こる。
b.大腸では右側結腸より左側結腸で水分を吸収する。
c.大腸では炭水化物や蛋白質は嫌気性菌によりブドウ糖やアミノ酸に変化して、吸収される。
d.大腸では逆蠕動波が発生するので便として出されるのは24から48時間後である。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
69.H13-82、H14-82。R-P133参照。
a.× 下腹神経は蓄尿的に働いている。また、下腹神経損傷で射精障害が起こる。
b.× 右側と左側が逆。
c.× 炭水化物は短鎖脂肪酸に、タンパク質はインドールやスカトールになる。
d.○
A. 4−[dのみ]

70.便秘と下痢に関して正しいものはどれか。
a.大腸では食事摂取と大腸蠕動には関連がない。
b.便を保持しているのは内肛門括約筋の力による。
c.感染性下痢ではまず抗生物質と止痢剤を投与して、下痢を止める。
d.Ogilvie syndromeでは右側結腸拡張により、減圧が生じる。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
70.H13-83(類)、H14-83。R-P133参照。
a.× 食後に大蠕動が起こり、排便促進。
b.○ 内圧の55〜80%は内肛門括約筋による。
c.× 止痢はしない。
d.○ 選択肢から。よく分かりませんでした。
A. 3−[b,d]

71.直腸脱について正しいものをえらべ。
a.直腸脱は同心円状に広がる。
b.直腸脱は直腸壁が薄くなっているのが原因である。
c.直腸脱には便秘・便失禁の合併が多い。
d.手術は経腹的のほうが会陰側からのアプローチよりも再発率は低い。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 ?
解説 レジュメP137、標準外科学P584、H14概説85。
a.○…
b.×…直腸壁が肥厚している。
c.○…
d.○…経腹的が2%、会陰側30%。

72.大腸の損傷について正しいものを選べ。
a.外傷により出血が疑われるときにはperitoneal lavageを行い出血を確認する。
b.大腸損傷と合併するのは腎臓の損傷である。
c.大腸の損傷は小腸損傷より死亡率高い。
d.大腸損傷は近年プライマリ・ケアの率が低下している。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 1
解説 レジュメP138。
a.○…peritoneal lavageは出血の診断。
b.○?…腎障害は循環血液量減少に起因。大腸損傷による出血のため?
c.○…大腸の外傷は便による汚染のために死亡率が高い。
d.×…低下はしていないのでは?

73.炎症性腸疾患について正しいものを選べ。
a.腸結核では活性病変には抗結核療法を行い、狭窄が発生してから手術を行う。
b.腸のベーチェット病は深掘れ潰瘍が形成され穿孔・保存的治療無効例では狭窄形成術を行う。
c.虚血性腸炎は一過性のものが多く手術することは少ない。
d.閉塞性大腸炎は大腸癌の部が穿孔を起こすものを言う。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 5
解説 レジュメP119,120、標準外科学P537,538。
a.○…
b.○?…選択肢より。
c.○…壊疽型は外科的切除の適応。(24時間以内に穿孔を起こすので緊急手術。)
d.○…閉塞性大腸炎は、肛門側に存在する腫瘍による閉塞のために、大腸の口側に非特異性の腸炎を生じるもの。大腸癌の1〜7%に合併。時に穿孔を起こし、緊急手術の対象となる。

74.子宮内膜症・粘膜脱症候群について正しいものを選べ。
a.子宮内膜症は腸管に発生するときにはS状結腸がおおい。
b.子宮内膜症の症状として排卵期の疼痛がある。
c.子宮内膜症には性腺刺激ホルモン抑制剤を用いる。
d.粘膜脱症候群努責の習慣がある場合潰瘍のみができる。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 2
解説 レジュメP141,142。
a.○…腸管に起こるのは5.4%。(S状結腸60%、虫垂20%、直腸10%)
b.×…月経と一致する腹痛。
c.○…性腺刺激ホルモン抑制剤(ダナゾール)。
d.×…潰瘍または隆起病変。

75.大腸癌について正しいものを選べ。
a.粘膜下層にまで浸潤したものはDukes Bに属する。
b.直腸下の癌は進行すると残便感が強くなる。
c.側方リンパ節転移陽性例はRsへの進行がんになる。
d.大腸癌では下層への癌には15%程度のリンパ節転移があるので浸潤の多い時にはリンパ節郭清が必要である。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 3
解説 ステップP121、標準外科学P551。
a.×…Dukes Bは漿膜浸潤を超えたもの。
b.○…直腸癌の症状(下血61.4%、便通異常34.4%)
c.×…
d.○?

76.ストーマに関して正しいものはどれか。
a.ストーマは作製すれば全て直腸機能障害の認定を受けられる。
b.ストーマはskin levelより突出させて作製する必要はない。
c.洗腸排便法は 24 時間排便をしなくてよいので若い患者によいケアの方法である。
d.ストーマの大きさは変化するので装具の穴の大きさは変える必要がある。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 ?
解説 ステップP146、H14概説92。
a.○…H15からは作るとすぐに認められるようになった、とのこと。
b.×…突出させると術後処置が容易になる。
c.○…
d.○?

77.痔裂について。
a.痔裂は肛門腺への感染によりおこる。
b.肛門管は扁平上皮なので扁平上皮がんが多い。
c.毛巣洞は先天性のものなので切除により治癒する。
d.肛門掻痒症は肛門を不潔にしていると発生するので石鹸をしっかり使用して常に清潔にするよう指導する必要がある。
1.a,b,c  2.a,c  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 ?
解説 レジュメP148,149、標準外科学P590。
a.×…痔裂は内肛門括約筋の過緊張によって起こる。肛門腺への感染によって起こるのは痔瘻。
b.×…腺癌が一番多い。次いで扁平上皮癌。
c.×?…治療は病巣の切除。「再発を防ぐ」とあるので治癒はしにくいのでは?
d.×…成人では石けんの使いすぎによって起こるものもある。

78.大腿ヘルニアについて正しい記載はどれか。
a.中年男性に多い。
b.片側性に発生しやすい。
c.大腿動脈の外側に脱出する。
d.嵌頓しやすい。
e.修復はMcVay法による。
解説 レジュメP158、H14概説96、標準外科学P484。
a.×…中年以後の経産婦によく見られる。
b.×?…内側に多い。
c.×…大腿動脈の内側。
d.○…大腿管が短くかつ強固なため、嵌頓の危険が高い(ほかのヘルニアの8〜10倍)。
e.○

79.腹壁瘢痕ヘルニアについて正しいものを選べ。
a.これは先天性の疾患である。
b.触診によりヘルニア門の触知が可能である。
c.嵌頓しやすい。
d.90%以上は感染が原因である。
e.再発防止には腹膜と皮膚を十分に縫合する必要がある。
解説 レジュメP158、新臨床外科学P423、標準外科学P485。
a.×…外傷または手術による腹壁の瘢痕部から脱出するヘルニアをいう。(大部分は手術後)
b.○?…ヘルニア門は明らかだったり、はっきりしなかったり。一応触知は可能なはず。
c.×…嵌頓や絞扼の危険性は高い。
d.?…医原性ヘルニア。結局「感染による瘢痕組織が引き起こしているのが90%」ということ?
e.○

80.癌性腹膜炎について正しいものを選べ。
a.胃の低分化腺癌が原発となることは少ない。
b.直腸視診は有用な検査法である。
c.血性腹水を呈する。
d.腹水細胞診は確定診断になりうる。
e.腹水細胞診は利尿剤によく反応する。
解説 レジュメP158、標準外科学P509。
c.○…標準外科学P473。
d.○…開腹手術か腹腔鏡下で採取された腹水の細胞診を行う。

81.腸間膜を持つものはどれか。
a.上行結腸
b.下行結腸
c.横行結腸
d.S状結腸
e.下部直腸
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 4
解説 標準外科学P525。横行結腸、S状結腸は長い腸間膜を有するため可動性がある。

82.腹水の診断で正しいものはどれか。
a.波動の触知
b.臍の陥凹所見
c.濁音界の体位変換現象
d.叩打痛
e.グル音の亢進
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 ?
解説 標準外科学P463。
a.○…波動が証明されるのは腹水か、腫瘤が嚢腫の場合。
b.×…腹水貯留により著明な腹部膨満がみられるので「陥凹所見」はないと思われる。
c.○…仮性波動(脂肪腫などによる波動感)と腹水の鑑別に利用。
d.×
e.○?…「グル音」はヘルニアの診断に利用される。

83.胃に関する解剖について正しいものを選べ。
a.右胃大網動脈は胃十二指腸動脈から分岐することが多い。
b.胃幽門側胃切除を行うとき、左胃動脈は切離する。
c.胃の神経支配は副交感神経である腹腔神経節からと交感神経である迷走神経からなる。
d.胃後壁の約半分は後腹膜に固定されていることが多い。
e.噴門側リンパ節(No1、2)に明らかに転移が認められても、胃全摘する必要はない。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 1
解説 H14概説36。
c.×…副交感神経=迷走神経。交感神経=腹腔神経節。
d.×…胃の後ろには網嚢がある。

84.幽門側胃切除術で結紮切離するのはどれか。
a.右胃動脈
b.上膵十二指腸動脈
c.胃十二指腸動脈
d.短胃動脈
e.右胃大網動脈
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 2
解説 H14概説37。幽門側医切除で結紮切離するのは右胃動静脈と右胃大網動静脈。

85.55歳の男性。2年前に胃前庭部早期胃癌のため、幽門側胃切除を受けた。最近3ヶ月ほど、午後になると全身倦怠感と疲労感とが強くなり、会社でも食後2時間ぐらいして横になって休むようになった。時々下痢をする。体重も減少気味である。この病態について正しいのはどれか。
a.食後に高血糖になる。
b.低張性脱水を起こす。
c.運動療法により症状は改善する。
d.インスリンの反応性過分泌がある。
e.間食をすると症状は改善する。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 3
解説 H14概説39。

86.胃癌に対する胃全摘術について正しいものを選べ。
a.BillrothT法による再建が一般的である。
b.開胸操作を行うことはない。
c.胃全摘における脾摘の意義は郭清である。
d.術後合併症に逆流性食道炎がある。
e.術後長期間を経ても貧血に注意する。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 H14概説42。

87.胃全摘出術後5日目に体温が38.0度に上昇した。考えられる合併症として正しいものはどれか。
a.創部皮下腫瘍
b.縫合不全
c.急性肺炎
d.急性胆嚢炎
1.a,b  2.b,c  3.a,c,d  4.dのみ  5.全て
解答 5
解説 レジュメP107、H14概説43。
a.○…横隔膜下肝下部膿瘍。
b.○…胃十二指腸断端部か胃空腸縫合部の縫合不全。

88.上部消化管造影で胃癌を示唆する所見はどれか?
a.粘液皺壁のこん棒状変化
b.粘液皺壁の癒合
c.bridging fold
d.瀑状胃
e.島状結節性隆起
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 2
解説 H14概説44。

89.胃癌の転移について正しいものを選べ。
a.右鎖骨上リンパ節への転移もVirchowの転移という。
b.リンパ節転移は粘膜内癌でもみられる。
c.肝転移は高分化腺癌に多い。
d.胃癌手術後再発で最も多いのは後腹膜播種性転移である。
e.Krukenberg tumorは閉経後婦人に多い。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 4
解説 H14概説46。

90.次のうちで正しいものの組み合わせはどれか?
a.固形癌では手術時すでに微小転移が存在している可能性がある。
b.原発巣切除により転移巣が増大することがある。
c.術中操作により腫瘍細胞散布の可能性はない。
d.癌の手術では治癒切除であれば、再発は認められない。
1.a,b  2.b,c  3.a,c,d  4.dのみ  5.全て
解答 1
解説 H14概説49、H13概説45。

91. 以下の記述で正しいものの組み合わせを選べ。
a.腫瘍マーカーの変動は化学療法の効果の目安とはならない。
b.腫瘍マーカーの上昇しない進行癌はない。
c.早期癌のほとんどで腫瘍マーカーの上昇を認める。
d.大腸癌の肝転移ではCEAの上昇を認めることが多い。
1.a,b,c  2.a,d  3.b,d  4.dのみ  5.全て
解答 4
解説 H14概説52、H13概説47。

92.49歳の女性。胃部不快感と体重減少とを主訴として来院。上部消化管透視にてスキルス胃癌と診断された。この疾患について正しいのはどれか。
a.高年齢層に好発する。
b.内視鏡検査により早期発見しやすい。
c.間質成分の増殖が顕著である。
d.腹膜播種転移を起こしやすい。
e.蛋白漏出を起こしやすい。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 4
解説 標準外科学P507
a.×…未分化型癌は比較的若年女性に多い。
b.×…4型(びまん浸潤型)の場合には明らかな潰瘍形成がみられず、壁の伸展不良だけが所見のこともある。見逃しやすい進行癌の一つ。
c.○…スキルスは間質量が豊富なために胃壁が硬化した非充実性の低分化癌をいう。
d.○…未分化癌は胃固有粘膜を背景として発生し、進行すると腹膜播種を来しやすい。
e.×?…選択肢より。

93.高分化腺癌が転移しやすいのはどこか。
a.肺
b.肝
c.リンパ節
d.腹膜
e.骨
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 1?
解説 ステップ外科より。高分化型は血行性肝転移を来しやすいとされている。そのほかには肺、骨。脳などへの血行性転移がしばしば生じる。(ちなみに低分化型は播種性腹膜転移を来しやすい。)
a.○
b.○…肝転移は最も多くみられる。
c.×
d.×…これは低分化型の場合。
e.○

94.65歳の男性。上部消化管透視および内視鏡にて胃体下部前壁に径5cmの粘膜下腫瘍が認められた。この疾患について正しいのはどれか。
a.リンパ節転移をきたしやすい。
b.内視鏡による生検で診断は容易である。
c.c-kit蛋白が陽性であれば分子標的治療薬の効果が期待できる。
d.治療の第一選択は外科的切除である。
e.胃全摘手術の適応である。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
解答 4
解説 レジュメP93,96、ステップP87。
a.×…臨床的にはほとんどが良性疾患。5cm以上の病変では悪性の可能性が大きいので外科手術。
b.×…X線、内視鏡など。生検は困難。
c.○…選択肢より。
d.○…5cm以上なら開腹下胃部分切除術。それ以内なら腹腔鏡下胃部分切除術。
e.×…全摘は必要なし。

95.54歳の男性。胃癌。開腹すると、遠隔臓器への転移は無く、腹膜播種も見られない。癌腫は上胃部にあって小弯から後壁に及び、明らかに漿膜までの浸潤が見られる。隣接他臓器への浸潤は無い。幽門下リンパ節の数個に転移が疑われる。腫瘍の上縁は食道・胃接合部から20mm離れている。この患者の根治的胃切除術として最も適切なものはどれか。
a.開胸・開腹による下部食道・上部胃切除術
b.胃全摘術
c.噴門側胃亜全摘術
d.分節胃切除術
e.幽門側胃亜全摘術
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 2
解説 レジュメP107、11/12プリント。
c.×…現場ではあまり利用されていないらしい。
ステップ外科より。胃の上部の癌に対しては原則として胃全摘の適応となる。リンパ節転移の少ないと考えられる早期癌(m、sm)に対しては積極的に噴門側胃切除が行われるようになっている。
 今回のケースでは漿膜までの浸潤がある上に幽門リンパ節転移が疑われているため、「胃全摘」。

96.抗癌剤の作用機序について正しい記述は次の内どれですか。
a.5−FUはDNA合成障害およびRNA機能障害をもたらす。
b.CDDPはDNA intrastrand cross linkをおこす。
c.CPT−11はDNA Topoisomerase Tの阻害作用がある。
d.Docetaxelは微小管脱重合阻害作用があり、微小管安定化による癌細胞の分裂を阻害する。
(選択肢がわかりません)
解答 すべて?
解説 レジュメP103,104,105。
b.○?…プラチナとDNA鎖との間に形成された架橋によるDNA合成阻害。

97.以下の文について間違っているものを選びなさい。
a.癌は遺伝的要因がほとんどを規定する疾患である。
b.ヒトの癌の原因となるウイルスは見つかっていない。
c.ウイルスの癌遺伝子の中には、元来ヒトの遺伝子に存在するものがある。
d.Kunudsonの2ヒットセオリーとは、癌細胞には癌遺伝子と癌抑制遺伝子の両方に異常があることを示す。
e.DNA癌遺伝子には、癌抑制遺伝子の機能を抑制する作用があるものがある。
1.a,b  2.a,c  3.b,d  4.b,e  5.c,d
解答 1
解説 レジュメP118
a.×…化学物質、放射線、遺伝性、ウイルスなど。
b.×…HPVとか。
c.○…ras癌遺伝子をはじめ50種類以上。

98.細胞死について正しいものの組み合わせを選びなさい。
a.細胞死には大きく分けてアポトーシスとネクローシスがある。
b.抗癌剤は細胞にアポトーシスを起こす。
c.核の分断化はアポトーシスの特徴である。
d.アポトーシスは遺伝子発現によって制御された細胞死である。
1.a,b  2.a,c,d  3.dのみ  4.全て
解答 4
解説 H14概説50。

99.糞便検査について正しいものはどれか。
a.閉塞性黄疸では黒色便となる。
b.脂肪滴はズダンV染色で青色に染まる。
c.オルトトルイジン反応はグアヤック反応よりも鋭敏である。
d.免疫学的潜血反応は大腸癌検診に用いられている。
e.蟯虫卵は肛門周囲にセロテープを貼付して検査する。
1.a,b,c  2.a,b,e  3.a,d,e  4.b,c,d  5.c,d,e
解答 5
解説 10/6飯田先生のプリント
a.×…閉塞性横断では灰白便。
b.×…ズダンV染色で脂肪滴は赤色に染まる。
c.○…オルトトルイジン反応は感度1000万倍、グアヤック反応は1万倍。
d.○…免疫法は大腸癌の一次スクリーニング。
e.○?…選択肢より。

100.腹痛の原因疾患として不適切なものはどれか。
a.腸リンパ管拡張症
b.ポルフィリン症
c.尿毒症
d.肺梗塞
e.糖尿病性アシドーシス
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
解答 1
解説 H13概説3

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