血液 平成17年度卒業試験

平成17年10月26日

1.血球の分化の模式図を示し、造血幹細胞、造血前駆細胞、造血因子の臨床的意義を簡潔(100字以内)に記せ。

2.次のうち誤っているものはどれか。1つ選びなさい。
1)FISH法は染色体異常検査法である。
2)PCR法を用いて遺伝子異常を調べることができる。
3)フローサイトメトリーを用いて遺伝子異常を調べることができる。
4)G-band法は染色体異常検査法である。

3.Hb6.0g/dlの貧血患者さん(MCV70,MCH20)について誤っているものを選びなさい。
1)大球性貧血である。  2)消化管出血が原因のことがある。
3)ばち状爪が見られることがある。  4)鉄欠乏性貧血が疑われる。

4.下記の問に答えよ。
(1)成人男性の基準範囲を赤血球、白血球、血小板について記せ。
(2)Wintrobeの赤血球指標であるMCV(平均赤血球容積)の基準範囲の大よその値をその単位と共に記せ。
(3)Wintrobeの赤血球指標であるMCH(平均赤血球ヘモグロビン量)の基準範囲の大よその値をその単位と共に記せ。
(4) Wintrobeの赤血球指標であるMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)の基準範囲の大よその値をその単位と共に記せ。
(5)血球検査用の抗凝固剤は何を一般的には用いるか。
(6)凝固検査用の抗凝固剤は何を一般的には用いるか。
(7)血球検査・凝固検査用に採血した後、検査をするまでの間で守らなければならない点を挙げよ。

5.再生不良性貧血で認められる検査所見の組み合わせを、a〜eの中から選べ
1)汎血球減少  2)骨髄低形成  3)網赤血球増加  4)相対的リンパ球の減少
a)1,3,4  b)1,2  c)2,3  d)4のみ  e.すべて

6.鉄欠乏性貧血の特徴ではないものはどれか、2つあげよ。
1)小球性低色素性貧血である  2)血清鉄低値、総鉄結合能低値となる
3)奇形赤血球が出現する 4)赤血球大小不同症を認める 5)シリング試験陽性である
6)重症症例ではプランマー・ビンソン症候群を合併することがある
7)スプーン様爪を呈することがある  8)骨髄中の鉄芽球は消失する

7.悪性貧血について誤っているのはどれか、2つ挙げよ。
1)トランスコバラミン欠乏を認める  2)胃の萎縮性胃炎を認める
3)内因子に対する抗体を認めることが多い
4)巨赤芽球では、未熟な核と比較的成熟した胞体の成熟度の乖離が特徴
5)シリング試験陰性である  6)大球性正色素性貧血である
7)汎血球減少症を認めることも多い

8.鉄代謝について誤っているのはどれか。
1)吸収部位は、十二指腸・空腸上部である  2)胃酸、ビタミンCは吸収を促進する
3)タンニン酸、フィチン酸塩は吸収を阻害する
4)正常成人男性の鉄需要は100mg/日である
5)鉄運搬蛋白、トランスフェリンは2原子まで鉄を結合できる

9.急性白血病のFAB分類について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)急性単球性白血病では歯肉の腫脹や血清リゾチームの高値が認められる。
(2)急性骨髄性白血病分化型ではAuer小体を認めることはまれである。
(3)急性赤白血病では貧血は軽度であり、高率にDICを合併する。
(4)急性前骨髄性白血病ではしばしばfaggot cellが認められる。
(5)急性巨核芽球性白血病ではしばしば骨髄繊維化を伴う。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

10.急性白血病について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)明らかな臨床症状があらわれないことがある。
(2)化学療法の既往のある患者に発症することがある。
(3)出血傾向はDIC(播種性血管内凝固症)を併発しない限り生じない。
(4)血液検査にて必ず白血球増加が認められる。
(5)診断のためには骨髄穿刺が必須である。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

11.ALL(急性リンパ性白血病)の治療について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)成人ALLの長期生存率は60%である。
(2)ALLと診断したら、全例に骨髄移植を行なう。
(3)寛解導入療法が奏功したら同じ治療を地固め療法として繰り返す。
(4)中枢神経系白血病の予防は必要である。
(5)Ph1染色体をもつ症例の予後は不良である。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)

12.急性白血病の分類と臨床病態について関係の深い組み合せをa〜eの中から選べ。
(1)バーキット型急性リンパ性白血病  HTLV-1抗体
(2)急性骨髄性白血病分化型  髄外腫瘤
(3)急性前骨髄性白血病  DIC
(4)急性単球性白血病  血清リゾチーム高値
(5)急性赤白血病  骨髄の繊維化
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

13.急性白血病の分類について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)骨髄中の芽球のペルオキシダーゼ染色陽性率が10%未満の場合は急性リンパ性白血病に、それ以上では急性骨髄性白血病に亜分類される。
(2)骨髄中の芽球の比率が20%以上を急性白血病とし、それ未満のものは骨髄異形成症候群に分類される。
(3)急性リンパ性白血病は小児に多く、急性骨髄性白血病は成人に多い。
(4)巨核芽球性白血病の診断にはCD10陽性であることが必要である。
(5)急性前骨髄球性白血病では8;12転座が多く認められる。
a(1)(3)(4)  b(1)(2)  c(2)(3)  d(4)のみ  e(1)〜(4)のすべて

14.成人急性白血病の治療について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)化学療法に共通の副作用として、骨髄抑制、肝障害、脱毛などがある。
(2)急性骨髄性白血病分化型では、a1l-trans retinoic aoid(ATRA)による分化誘導療法が有用である。
(3)骨髄移植は有効であり、全例に実施すべきである。
(4)G-CSFは化学療法後の好中球の回復を促進する。
(5)急性リンパ性白血病では、小児に比較すると成人の方が予後が悪い。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

15.急性白血病について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)急性白血病の発症頻度は年間10万人あたり約4人であり、うち70%を急性骨髄性白血病が占める。
(2)発症年齢の中央値は60歳である。
(3)成人では急性リンパ性白血病が多いが、小児では急性骨髄性白血病が多い。
(4)成因としてはウイルス、放射線、化学療法剤など、原因の明らかなものがほとんどである。
(5)急性白血病の3大徴候として、発熱、出血傾向、貧血がある。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

16.急性白血病について正しい記述をa〜eの中から選べ。
(1)急性白血病の分類には形態学を主体とするFAB分類と、染色体・遺伝子レベルでの解析を加味したWHO分類がある。
(2)急性骨髄性白血病のFAB分類では、骨髄中芽球が20%以上を占める場合を白血病とし、WHO分類では芽球が30%以上としている。
(3)急性白血病は長期予後が不良なため、第一寛解期でも同種造血幹細胞移植を行う。
(4)急性白血病の治療においては、適切な支持療法(感染対策-輸血など)が不可欠である。
(5)毎年造血幹細胞移植を受ける症例数は増加している。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

17.急性白血病の染色体異常のうち予後不良なものをa〜eの中から選べ。。
(1)t(15;17)  (2)t(9;22)  (3)-5  (4)inv(16)  (5)t(8;21)
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)

18.慢性骨髄性白血病について、正しい組み合わせをa〜eの中から選べ。
1)好中球アルカリフォスファターゼ(NAF)活性が、低下する。
2)急性転化をする際は、常に急性骨髄性白血病になる。
3)フィラデルフィア染色体が認められる。
4)好塩基球の増多が認められる。
a.1,3,4  b.1,2  c.2,3  d.4のみ  e.すべて

19.骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome; MDS)について,正しい記述の組み合わせをa〜eの中から選べ。
(1)染色体異常を呈することが多い.  (2)高齢者に多い.
(3)好中球のペルゲル(Polger)様核奇形や巨赤芽球様変化(megaloblastoid)などが認められる.
(4)WHO分類では芽球が15%以上となったら白血病と分類される.
a(1),(2)  b(2),(3)  c((1),(2),(3)  d(4)  eすべて

20.ホジキンリンパ腫に関して、正しい記述に○、誤った記述に×をつけよ。
(1)リンパ節に発症することが多い。
(2)Reed-Sternberg細胞は反応性の細胞であり、腫瘍細胞ではない。
(3)Reed-Sternberg細胞の背景のリンパ球はクローナルに増殖したT細胞が主体である。
(4)臨床病期の決定はWHO分類に沿って行われる。
(5)放射線感受性が高いので、進行例でも放射線照射が第一選択となる。

21.非ホジキンリンパ腫に関して、正しい記述に○、誤った記述に×をつけよ。
(1)リンパ節に発症し、連続性に進展することが多い。
(2)濾胞性リンパ腫は、B細胞由来である。
(3)中、高悪性度非ホジキンリンパ腫において、血清LDH値は予後を予測する重要な検査の1つである。
(4)胃のMALTリンパ腫は、限局していることが多いため、まず手術を検討する。
(5)CD20抗原は主にB細胞上に発現しており、治療の標的分子となっている。

22.以下の病態や症状のうち、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、マクログロブリネミアに当てはまるものを選べ。
(1)Bリンパ球の腫瘍であり、細胞表面にはimmunoglobulinを発現していない。
(2)白血球数が増加していることが多い。
(3)ほとんどの症例で血清中にM蛋白が上昇している。
(4)末梢血中で大型の成熟リンパ球数が増加していることが多い。
(5)核が遍在し、車軸核をもつ細胞が骨髄中で増加している。
(6)眼底にソーセージ様静脈怒張が見られることがある。
(7)骨に再生像を伴わない骨融解像がみられ,骨折しやすい。
(8)血清Ca値が上昇する症例は稀ではなく、それに伴う意識障害で受診する例もある。
(9)腎障害を生じやすい。
(10)欧米では白血病の約30%を占めるが、我が国では2-3%とその頻度は低い。
(11)IgM産生細胞が単クローン性に増殖した疾患である。
(12)血小板数などに比し、出血傾向がみられやすい。
(13)約10%の症例でアミロイドーシスを合併する。
(14)細胞表面にCD5を発現していることが多い。
(15)若い成人には稀で、高齢者に好発する。
(16)病期が進行すると貧血、血小板減少を生じることが多い。
(17)病初期からの積極的な化学療法が予後を改善する。
(18)病期が進行すると、肝、脾腫が見られることが多い。
(19)急性白血病に比べ、経過はゆるやかであることが多い。

23.以下の文章につき、正しいものには○を、間違っているものには×をつけよ。
(1)形質細胞はTリンパ球が最終分化した細胞であり、免疫グロブリンを産生する。
(2)良性M蛋白血症が、多発性骨髄腫などのリンパ球系悪性腫瘍に移行する割合は、10年間で約15%程度である。
(3)多発性骨髄腫のStage Iでは、抗癌剤を用いた治療のみでは治癒は困難で、経過観察することが多い。
(4)若年の多発性骨髄腫に対し、同種造血幹細胞移植の有効性が示されている。
(5)多発性骨髄腫では、末梢血で赤血球のRouleaux formationがよく見られる。
(6)Bence-Jones蛋白は、免疫グロブリンL鎖由来であり、酢酸緩衝液存在下では、56度で白濁するものの、煮沸すると再融解する。
(7)慢性リンパ球性白血病と診断した揚合、病期が進行していない(Rai分類で0-II)時から治療を開始した方が予後が良い。
(8)慢性リンパ球性白血病では、脾腫はほとんど見られない。

24.小児白血病について正しい記述はどれか。2つ選びなさい。
(1)ダウン症候群における発症率は健常小児に比べ明らかに低い。
(2)約60%は急性骨髄性白血病である。
(3)急性リンパ性白血病(ALL)の発症年齢のピークは2歳から5歳にある。
(4)免疫学的細胞表面マーカー検査では、小児ALLの70%がT細胞型である。
(5)若年型慢性骨髄性白血病では、フィラデルフィア染色体は検出されない。

25.小児急性リンパ性白血病について正しい記述はどれか。2つ選びなさい。
(1)初発時の症状として関節痛を訴えることがある。
(2)初発時の末梢血検査では、ほぼ全例において芽球の出現を伴う白血球増多がみられる。
(3)初発時年齢が5歳と15歳の児を比べた場合、他の条件が同等であれば5歳児の方が予後良好と予測される。
(4)現在行われている標準的治療による5年生存率は約40%である。
(5)化学療法のみで治療を終えた場合、晩期障害はほとんど発症しない。

26.小児の再生不良性貧血について正しい組み合わせをa〜eの中から選べ。
(1)Fanconi貧血の診断には染色体不安定性の確認が重要である。
(2)診断時に骨髄細胞の染色体検査を行う必要はない。
(3)免疫制療法(抗リンパ球グロブリン+シクロスポリン)で治癒する例は80%に達する。
(4)エリスロポイエチン+G-CSF大量療法が最も有効な治療である。
(5)重症例はHLA一致同胞から骨髄移植が治療の第一選択となる。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

27.小児の出血性疾患について正しい組み合わせはどれか。
(1)軟口蓋の出血斑は粘膜出血として注意すべき所見である。
(2)母体からの移行抗体は新生児に血小板減少を来すことがある。
(3)特発性血小板減少性紫斑病の乳児には積極的に脾摘を行う。
(4)血友病B患者のIX因子インヒビター発生率は50%と高い。
(5)第XIII因子欠損症患者のPTとAPTTは正常である。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(3)(4)(5)

28.正しいものはどれか。a〜eの中から2つ選びなさい。
(1)小児がんでは、成人における悪性腫瘍と比べ、造血腫瘍・肉腫・胎児性腫瘍・脳腫瘍などの割合が高い。
(2)小児がんのうち最も頻度が高いのは、急性骨髄牲白血病である。
(3)小児がんは成人における癌と比べ、増殖速度が速く、診断時にすでに全身に広がっている可能性が高い。
(4)小児がんの発生頻度は、15歳未満の小児人口100万人に対し約1.4人である。
(5)小児がんに対する化学療法の反応牲は、成人における癌と比べて低いことが多い。
a(1)  b(2)  c(3)  d(4)  e(5)

29.正しいものはどれか。a〜eの中から2つ選びなさい。
(1)小児急性リンパ性白血病では、HLA一致の同胞が存在すれば第一寛解期早期に同種造血幹細胞移植を行うべきである。
(2)小児における造血幹細胞移植の適応疾患は、腫瘍牲疾患のみである。
(3)臍帯血移植後の血小板の回復は、一般に骨髄移植や末梢血幹細胞移植に比べ早い。
(4)小児患者における造血幹細胞移植後のGVHD(移植片対宿主病)は、成人患者と比較して頻度が低く軽度であることが多い。
(5)小児がん治療後の晩期障害として、成長障害・内分泌障害・臓器機能障害・二次がんなどが挙げられる。
a(1)  b(2)  c(3)  d(4)  e(5)

30.80歳男性。既往歴:10年前脳梗塞のため、軽度の右片麻痺あり。家族歴:特になし
現病歴:自宅庭で転倒し、打撲し紫斑が右臀部を中心に広範囲にみられたが、徐々に右臀部の痛みと右下肢の屈曲が制限されるようになり近医受診。CTで右腸腰筋内血腫がみられ、Hb8.1g/dlと貧血がみられた。胃潰瘍からの下血も伴い内視鏡的止血術をうけたが止血不良であったため紹介入院となる。
身体所見:貧血あり、黄疸なし、胸部異常なし、腹部肝脾腫なし、右下肢は屈曲したままである。
検査所見:Hb:7.8g/dl, WBC:7,800/ml(分類異常なし), Plt23.8万/ml 出血時間:3min, PT:83%、 APTT:85秒、 総蛋白:6.19/dl、 AST:81U/mdl, LDH:282U/dl, BUN:30mg/dl, CRP:2.1mg/dl
(1)診断を確定する上で必要な検査をa〜eの中から二つ選べ
a.血小板凝集能  b.正常血漿との混合試験  c.FDP
d.凝固VIII因子活性  e.Antithrombin

(2)治療法として、明らかなまちがいはどれか。a〜eの中から選べ。
a.凍結血漿輸注  b.凝固VIII因子濃縮製剤  c.ステロイドホルモン剤
d.抗CD20抗体  e.血小板輸血

31.以下の記述で、正しいものの組み合わせを選べ。
1. CD20はT細胞の一般的なマーカーである。
2.Hodgkin病におけるReed-Sternberg細胞で2核のものは饒面型の核配置をとる。
3.Hodgkin病のなかで、リンパ球減少型などReed-Sternberg細胞が優位のものは予後が比較的不良である。
4.MALT(粘膜関連リンパ組織型)リンパ腫はT細胞性である。
5.non- Hodgkinリンパ腫のうち、濾胞性リンパ腫の腫瘍細胞はcyclin D1蛋白陽性である。
a)1,2  b)1,5  c)2,3  d)3,4  e)4,5

32. 以下の記述で、正しいものの組み合わせを選べ。
1.鉄欠乏性貧血の骨髄組織像で、赤芽球は滅少している。
2.急性骨髄芽球性白血病の腫瘍細胞はfaggot bodyの存在を特徴とする。
3.急性単球性白血病の腫瘍細胞はクロロアセテートエステラーゼ染色陽性である。
4.多発性骨髄腫の腫瘍細胞には核内封入体(Dutcher body)を見る。
5.成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)の末梢血像では、核の切れ込みの著明な花弁状の核を有する腫瘍細胞がみられる。
a)1,2  b)1,5  c)2,3  d)3,4  e)4,5

33.血液製剤の適正使用について正しい文章の組み合わせを選べ
1.体重40kgの患者に血小板濃厚液(10単位)を輸血した場合、末梢血血小板は4-6×10^4/μl増加する。
2.56歳女性、158cm,55kg。大腿骨頭置換術の手術中に出血量が400ccを越えたので、濃厚赤血球2単位と新鮮凍結血漿2単位を輸血した。
3.5年前に診断され、慢性的に血小板が1×10^4/μl以下の15歳の再生不良性貧血患者、本日外来受診時、血小板数が0.6×10^4/μlであったため、明らかな出血症状は認めなかったが、予防的に血小板輸血を行った。
4.循環血液量の50%の急性出血ではアルブミン投与の適応がある。
5不明熱の42歳男性、食事がとれず、低栄養状態で血清アルブミン値が3.1g/dlであったためアルブミン製剤の投与を行った。
a)1,2  b)3,4  c)1,4  d)2,4  e)4,5

34.輸血検査について正しい文章をa〜eのなかから1つ選べ。
a.抗A抗体、抗B抗体は不規則抗体のうち最も臨床的に意義のある抗体である。
b.輸血を受ける可能性のある患者が入院した際には、不規則抗体スクリーニングをあらかじめ施行しておく。
c.血液型のおもて試験では血清中の抗A、抗B抗体の存在を調べる。
d.ABO血液型判定ミスの原因として最も多いのは試薬の劣化によるものである。
e.交差適合試験の副試験では患者血清と供血者血球の適合を調べる。

35.輸血副作用について誤った文章の組み合わせを選べ。
1.輸血後GVHDを防止するために、なるべく近親者の血液を輸血することが望ましい。
2.TRALI(transfusion related acute lung injury)は輸血後6時間以内に急激な呼吸困難を発症し、胸部X線上、肺水腫を呈する。
3.血液製剤からの白血球除去は輸血副作用軽減に有効である。
4.血液製剤中のウイルス検出のための核酸増幅法(NAT)の導入により、今後輸血による新たなB型肝炎ウイルス感染は起こらない。
5.AB型濃厚赤血球製剤を誤ってA型患者に投与した場合には、A型製剤をAB型患者に投与した場合より重症の副作用が出現しやすい。
a)1,2  b)3,4  c)1,4  d)2,4  e)4,5

36.GVHDとGVL(graft vs leukemia)効果について簡潔に(100字以内)述べよ。

もどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送