肝胆膵 平成16年度概説試験

(獲得)
問題1. 現在(検査時)の肝(実質細胞)の合成能をみるのにもっとも適切なものは
どれか2つ選びなさい。
a アルブミン  b コリンエステラーゼ  c ヘパプラスチンテスト
d プロトロンビン時間  e コレステロール
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)4 2003年卒試肝胆膵問題9と同じ(解説変更)
a. 肝の合成能障害で↓するが、半減期14〜20日で急性肝障害時の意義少ない。肝硬変の重症度判定に有用。基準値3.5〜5.0g/dl
b.  肝の合成能障害で↓。Albに比し半減期短く鋭敏。しかし、慢性肝炎、肝硬変時基準範囲内のことある。
c.d. [因子以外の凝固因子は肝で合成されるため肝の合成能障害で↓。半減期短い(Z因子で2〜4h)。   PT→T、U、X、Z、]因子  HPT→U、Z、]因子
e. 肝の合成能障害で↓(エステル型 ∵LCAT合成↓)する。

問題2. 血液検査にて、総ビリルビン3.Omg/dl、直接ビリルビン0.9mg/dlの結果を
得た。考えられる疾患を選びなさい。
a Rooter症候群  b Dublin-Johnson症候群  c Gilbert症候群 
d Crigler-Najjar症候群  e 溶血性貧血
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

(答)3 2003年卒試肝胆膵問題10と同じ

問題3. トランスアミナーゼAST、ALTについての解釈で正しいものを選びなさい。なお
正常値はAST13〜33U/1、ALT6〜30U/lである。
a ASTは肝に特異的であるのに対して、ALTは肝以外にも赤血球や筋肉にも存在する。
b 急性肝炎において、(1)AST/ALT=2000/1000と(2)AST/ALT=1000/2000では、(1)の方がさらに病状(肝炎)が悪化する可能一性が強い。
c AST、ALTの上昇は肝実質細胞(肝細胞)の破壊を意味している。
d C型肝炎の患者でALT 60、AST 70であった。これらトランスアミナーゼの値が低いので肝硬変症は考え難い。
e ASTの半減期は約40時間で、ALTの約16時問に比べて長い。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)3 2003年卒試肝胆膵問題11と同じ

問題4. アルカリフォスファターゼ(ALP)、γ-GTPについての解釈で正しいものを選びなさい。
a これらの酵素は胆道系酵素とよばれ、それらの上昇は胆管の障害・病変、胆汁うっ滞を反映している。
b これらの酵素は薬剤性肝障害でトランスアミナーゼに比して優位に上昇してくることがある。
c ALPのアイソザイムには、主に骨型、肝型、胎盤型、肺型がある。
d ALPはアルコール摂取にてその合成に誘導がかかり、上昇してくる。
e γ-GTPはアルコール摂取にてその合成に誘導がかかり、上昇してくる。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

(答)5 2003年卒試肝胆膵問題12と同じ

問題5. 肝炎ウイルスに関する記述で正しいものを選びなさい。
a A型肝炎ウイルスは経口感染する。
b A型肝炎既感染であっても、再感染する可能性が高い。
c B型肝炎ウイルスは性交によっては感染しない。
d B型肝炎ウイルスの母子感染の率は高い。
e C型肝炎ウイルスの針刺し事故による感染は、B型肝炎ウイルスの場合よりもその率は低い。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

(答)5 2003年卒試肝胆膵問題13と同じ

問題6. B型肝炎ウイルスマーカーに関する記述で正しいものを選びなさい。
a HBe抗原は感染細胞において産生され、その陽性はウイルス増殖がさかんなことを意味している。
b HBs抗原はウイルスの存在を意味している。
c HBe抗体は中和抗体であるので、その陽性者からの感染の危険性はない。
d HBc抗体は既感染を意味しており、一般にキャリアーでは陰性である。
e HBs抗原陽性、IgM-HBc抗体強陽性の場合、B型急性肝炎と考えてよい。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

(答)4
a.○ b.○ c.× セロコンバージョン例の10%程度で肝炎持続し、ウイルス量があまり減らないことがある d.×キャリアでは高抗体価 e.○

問題7.  肝細胞癌に関する記述で正しいものを選びなさい。
a 肝細胞癌の腫瘍マーカーとしては、αフェトプロテインとCA19-9が有用である。
b 転移性肝癌との鑑別には67Ga-citrateによる肝シンチグラフィーが有用である。
c 腹部超音波検査では2cm以下の肝細胞癌の検出率は低い。
d ダイナミックCTにおいて、肝細胞癌は肝動脈相で造影され、門脈相では造影さ
れない為に、いわゆるhigh→lowパターンを示す。
e 肝細胞癌の症例の多くは肝硬変を発生母地として持っている。
1)ab   2)ae   3)bc   4)cd    5)de

(答)5 2003年卒試肝胆膵問題14と同じ

問題8.  劇症肝炎について正しい記述を選びなさい。
a 血漿交換は劇症肝炎の治療において有用である。
b 劇症肝炎とは、症状発現後8週間以内に高度の肝障害に基づいて肝性脳症II度以上の脳症を来し、プロトロンビン時間40%以下を示すものである。
c 劇症肝炎で発症後10日以内に脳症を発現する急性型のほうが、それ以降に脳症が発現する亜急性型より予後が良い。
d A型肝炎のほうがB型肝炎より、劇症化しやすい。
e 劇症肝炎は肝移植の対象とならない。
1)abc  2)bcd  3)cde  4)abe  5)ade

(答)1 2003年卒試肝胆膵問題16と同じ

問題9.  34歳の男性。10日前に39℃の発熱があり、感冒と思い市販薬を服用していた。家族に黄疸を指摘され5日前に来院し入院した。入院後、全身倦怠感と食欲不振とが急激に増強してきた。昨日から昏睡状態となった。呼気にアンモニア臭がある。血清生化学所見:総ビリルビン14r/d4、AST1260U/l(正常40以下)、ALT1,460U/l(正常35以下)、プロトロンビン時間15%(正常80-120)。IgM型HA抗体陽性、IgG型HA抗体陰性、HAV-RNA陰性、IgM型HBc抗体陰性、HBs抗原陰性、HBs抗体陽性、HCV抗体陰性、HCV-RNA陰性であった。以下の記述で正しいものを選びなさい。
a 劇症肝炎の急性型である。           b 劇症肝炎の亜急性型である。
c 重症肝炎であるが劇症肝炎ではない。 d 性交により感染したと考えられる。
e 経口感染したと考えられる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)2 2003年卒試肝胆膵問題17と同じ

問題10. 64歳の男性。2ヵ月前から始まった倦怠感、食欲不振を主訴として来院した。胸部にクモ状血管腫、手掌紅斑を認めた。肝は触知なかった。白血球3000/o^3、赤血球350万/o^3、血小板6万/mm^3、総ビリルビン1.2r/dl、アルブミン3.0g/d1、AST69U/1、ALT48U/1、ヘパプラスチンテスト45%(正常80以上)、αフェトプロテイン350ng/m1(正常10以下)、CA19-9、CEAはともに正常範囲内、HBs抗原陰性、HCV抗体陽性であった。腹部エコーにて肝左内側区域に直径2cmの低エコーを呈するSOL(mass)を認めた。以下の記述で正しいものを選びなさい。
a エコー上のSOLは肝血管腫である可能性がもっとも高い。
b エコー上のSOLは胆管癌である可能性がもっとも高い。
c エコー上のSOLは肝細胞癌である可能性がもっとも高い。
d SOL以外の肝は肝硬変である。
e SOL以外の肝は慢性肝炎である(肝硬変ではない)。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)4 2003年卒試肝胆膵問題18と同じ(解説変更)
a.× 肝血管腫では、境界明瞭な高エコー像を呈する。(year note)
b.× 胆管癌では通常AFP(-),CEA/CA19-9↑ (year note)  c.〇  d.〇
e.× クモ状血管腫、手掌紅斑が認められるから。また、Plt10万以下では肝硬変の可能性高い。

問題11. 48歳女性が肝機能異常を指摘され来院した。AST、ALTは正常であったがALP(700
U/1)、γGTP(200U/1)と異常高値を示しており、抗ミトコンドリア抗体強陽性、免疫グロブリンIgM異常高値であった。肝生検にてCNSDC(chronic non-suppurative destructive cholangitis)の所見を得た。もっとも考えられる疾患を選びなさい。
a アルコール性肝障害  b ウイルス性肝炎  c 原発性硬化性胆管炎
d 胆石症            e 原発性胆汁性肝硬変症
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

(答)5 

問題12. 28歳女性。全身倦怠感、食欲不振があり来院した。昨年までの年一度の会社検診では少なくともここ5年間AST、ALT、γGTPの異常は指摘されたことがない。家族歴として母親が肝臓病で通院している。飲酒はしない。半年前に結婚したが、配偶者の肝障害の有無は不明である。来院時の検査結果は、AST450U/1、ALT300U/1、γGTP100U/1、IgM-HA抗体陰性、HBs抗原陽性、HBs抗体陰性、HBe抗原陽性、HBe抗体陰性、HBc抗体陽性(200倍希釈にても陽性)、IgM-HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、HCV一oA陰性であった。下記のうち正しい記述を選びなさい。
a B型肝炎ウイルス非キャリアーから発症したB型急性肝炎。
b B型肝炎ウイルスキャリアーからのB型肝炎発症(急性増悪)。
c 母子感染(垂直感染)である d 経口感染である e 配偶者からの性交を介した感染である
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)2 2003年卒試肝胆膵問題19と同じ(解説変更)
a.○b.× HBs抗体陰性よりB型肝炎ウイルス非キャリアーである。
c.×d.×e.○ 成人発症のB肝は輸血or医療事故or性行為。性行為によるものが最多。

問題13. A型肝炎ウイルスとE型肝炎ウイルスに関して正しい記載を選びなさい。
a 慢性化することがある。   b 肝炎発症時にはウイルスは体内に残っていない。
c 経口感染する。   d 日本での若年者のA型肝炎ウイルス陽性者は年々少なくなっている。
e E型は輸入感染症のみである。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)4 2003年卒試肝胆膵問題1と同じ(解説変更)
a.× b. ウイルス血症は肝炎期間中、ウイルス排泄は肝炎治癒後も続くことが明らかにされている。c.○ d.○ e.× 1994年4月以降、わが国では81例のE肝の報告があり、そのうち56例はブタやイノシシの生肉・内臓を食べたことによる国内での感染と推定されている。また、E肝の輸血感染が3例ほど2004年12月に報告されたのを新聞で読みました。

問題14. C型肝炎に関して正しい記載はどれですか
a 日本国内で多く認められるウイルスのセロタイプは1型である。
b C型急性肝炎のうち約2割は自然に治癒する。
c 慢性肝炎の主たる原因は母子感染である。
d 肝硬変にまで至るとインターフエロンでウイルスが消失しても肝硬変は進行する。
e 感染のごく初期からHCV抗体が陽性化する。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)1 2003年卒試肝胆膵問題2と同じ(解説変更)
a. ○ 1b型が70 %、2a型は20 %、2b型は10%程度  b.○(参照:新臨床内科学)
c.× 輸血・医療行為によるものが多い d.× ウイルス排除5年後には、慢性肝炎の時に近い状態まで線維の沈着が改善していることが判ってきた。(中牟田先生text) 
e. × HCV抗体は感染後1〜2ヶ月で検出できる

問題15. 慢性肝炎に関して正しい記載はどれですか。
a 4ヶ月以上の肝機能異常とウイルス感染性が持続している病態。
b 一般にC型肝炎では肝炎発症後10-20年で肝硬変に進展する。
c 新犬山分類では肝炎はFibrosisとActivityで評価する。
d 門脈域の好中球浸潤と肝小葉の脂肪変性・壊死が特異的。
e B型に比べC型は慢性肝炎の状態からは発癌しやすい。
1)ab2)ae3)bc4)cd5)de

(答)3 2002年卒試肝胆膵問題3改訂
a.× 6ヶ月以上 b.○? Bなら10〜20年だが、Cはもう少し遅いような・・・ c.○ 
d.× 門脈域にはリンパ球を主体とした小円形細胞浸潤。肝小葉は肝細胞の変性・壊死 
e.× 慢性肝炎からの発癌はBが多い。

問題16. 肝硬変に合併しやすいのはどれですか
a 血球細胞の上昇  b 血中アンモニアの上昇  c 高アルドステロン血症
d 高尿酸血症     e 高アルブミン血症
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)3 2003年卒試肝胆膵問題3と同じ(解説変更)
a. × 脾機能亢進による汎血球減少
b. ○ 肝解毒障害によりアンモニア↑⇒肝性脳症、口臭、羽ばたき振戦
c. ○ ステロイド代謝障害により、くも状血管腫、手掌紅班、女性化乳房   d. ×
e. × 肝合成能障害により低アルブミン血症⇒浮腫、腹水、胸水

問題17. 肝硬変の合併症で一番多いのはどれですか
a 心機能冗進 b 肝肺症候群 c 膵機能冗進 d 肝腎症候群 e 門脈圧冗進症
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

(答)5 2003年卒試肝胆膵問題4と同じ

問題18. 肝癌に関して正しい記載はどれですか。
a 日本ではアルコールが原因の肝癌は20%認められる。
b 日本ではC型肝炎が原因の肝癌が70%を占める。
c 肝癌のマーカーとしてAFPとPIoII以外にAFPのL3分画がある。
d 肝癌の検出ではエコーは簡便だがCTより劣ることが多い。
e 肝癌は肝疾患の死亡では消化管出血に次いで第2位を占める。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)3
a.× 約3〜4% b.○ c.○ PimmIIがPIVKA−Uなら d.× 微小肝細胞癌(5mmまで)ではエコーが有用
e.× 年間約5万人の肝疾患死亡者の約三分の二が肝細胞癌で、残りの大半が肝硬変である。
   <http://www.med.niigata-u.ac.jp/med/health/no2/health.html>

問題19. 経皮的肝癌治療法はどれですか。
a PEITまたはPEI b Radiofrequency Ablation  c Catheter Ablation  d BRTO  e EISとEVL
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)1 2003年卒試肝胆膵問題5と同じ

問題20. アルコール肝障害で正しい記載はどれですか。
a アルコール3合5年間の大酒家は肝硬変になる可能性が高い。
b アルコール性肝炎に特徴的な病理所見はアルコール以外の原因では出現しにくい。
c アルコール性肝硬変にF型肝硬変の形態がある。
d アルコール性肝炎では好中球浸潤や発熱等の炎症所見を伴う。
e アルコール性肝炎の腹部エコーは一般に肝臓のエコーレベルは腎臓よりも低くなりやすい。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)4 2002年卒試肝胆膵問題5改訂
a.× 3合5年以上→常習飲酒家;脂肪肝が多い。5合10年以上→大酒家;アルコール性肝炎・肝硬変生じる。
b.× NASH病理像は類似している。
c.○ 丙型 F type を呈する。 乙型に似た微細な肝小葉の中に多量の脂肪沈着が見られるもので、アルコール性肝硬変の特徴的な病理像である。 肝細胞の風船様変化 (アセトアルデヒドによって肝細胞内の微小管が障害され、細胞内にタンパクが貯留して風船状に膨張する。 その核の周辺にアルコール硝子体 alcoholic hyaline, マロリー小体 Mallory hyalineが見られる。)pericellular fibrosis 、central hyaline necrosis
d.○ e.× 肝の脂肪変性を伴うときはエコーレベル上昇

問題21. 自己免疫性肝炎に関して正しくない記載はどれですか
a 抗核抗体が陽性となるが抗ミトコンドリア抗体は陰性である
b 組織学的に形質細胞の浸潤を特徴とする
c 血清γグロブリン値またはIgG値の高値を認める
d 薬剤服用を原則として認めない
e 急性肝炎で発症するのはまれである
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

(答)4 2003年卒試肝胆膵問題6と同じ

問題22. 肝硬変をきたさないものはどれですか。
a アミロイドーシス  b ヘモシデローシス  c Wilson病
d α1アンチトリプシン欠乏症   e Non-alcoholic steatohepatitis
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

(答)1 2002年卒試肝胆膵問題8と同じ

問題23. 膵液について正しい組み合わせを選びなさい。
a 膵液は透明、無味無臭である。
b インスリンは膵液中に分泌される。
c 膵液は重炭酸塩によりpHはアルカリ性に保たれている。
d 膵液中には様々な消化酵素が含まれている。
1)ab 2)ad 3)bc 4)acd 5)a-dすべて

(答)4 2003年卒試肝胆膵問題67改訂
a.○ b.× 肝β細胞で産生され血中に放出される。c.○ d.○

問題24. 消化吸収について正しい組み合わせを選びなさい。
a 十二指腸膵頭切除をした症例では、鉄の主要吸収部位が主に十二指腸のため、鉄欠乏性貧血を起こしやすい。
b 胆汁酸の主たる吸収部位は回腸である。
c カルシウムは能動的に上部小腸で吸収され、ビタミンEはカルシウムの吸収を促進する。
d 脂溶性ビタミンとビタミンB12以外の水溶性ビタミンは主に回腸から吸収される。
1)ab 2)cd 3)acd 4)bcd 5)a-dすべて

(答)2003年卒試肝胆膵問66改訂 a.○ b.○ c.× Vit.E→Vit,D d.× 回腸→空腸

問題25. 膵嚢胞性疾患について正しいものはどれか。正しい組み合わせを選べ。
a 漿液性嚢胞腺腫は悪性化することが多く手術が原則である。
b 粘液性嚢胞腫瘍(Mucinous cystic tumor)は主膵管と交通がないことが特徴である。
c 膵管内乳頭腫瘍は主膵管型と分枝膵管型に分類される。
d 膵管内乳頭腫瘍ではVater乳頭口の開大が特徴である。
e 膵仮性嚢胞の内腔は上皮で覆われている。
1)abc 2)acd 3)bcd 4)cde 5)ace

(答)3 a.× 多くは良性で経過観察となる。 b.○ c.○ d.○ 
e.× 仮性嚢胞は嚢胞壁に上皮の被覆がなく,線維性結合組織からなる。

問題26. 膵癌について正しい記述はどれか。正しい組み合わせを選べ。
a 組織型では腺房細胞癌が最も多い。
b 膵頭部癌では黄疸、膵尾部癌では腹痛、体重減少がみられることが多い。
c 膵癌の化学療法では現在5-FUやgemcitabineなどが用いられている。
d 血清エラスターゼ1は、膵癌による膵管の閉塞を反映して、高値となる。
e 一般に血中腫瘍マーカーは膵癌の治療判定には有用ではない。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)bde 5)abe

(答)2
a. × 膵菅上皮由来の膵肝癌が膵癌の80%以上を占め、殆どが腺癌
b. ○ 十二指腸乳頭に近い癌ほど黄疸が早期出現。体尾部では固有被膜がない為、後腹膜脂肪識に浸潤しやすく、神経を巻き込んで疼痛を生じる。 c.○ d.○ 
e.× CA19-9は約80%で陽性、CEAは約50%で陽性。スクリーニングだけでなく治療効果の判定にも有用。その他のマーカーとしてSPan-1,CA-50,DU-PAN-2,SLXなど

問題27. 以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 心不全によるうっ血は門脈周囲に見られることが多い。
b 体質性黄疸では肝臓が黒褐色を呈することがある。
c 脂肪性肝炎では肝硬変へ進行することがある。
d 特発性門脈圧元進症では中心静脈の線維化が特徴である。
e 輸血による過剰な鉄の摂取は血管内皮に取り込まれる。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

(答)4
a.× 慢性右心不全により、肝中心静脈領域の肝細胞の変性・脱落を来すが,門脈領域orその周辺の肝細胞は正常機能を保てるため黄疸は来しにくい。
b.○ Dubin-Johnson症候群で見られる。 
c.○ アルコール性肝炎やNASHから肝硬変への移行ある。
d.× 門脈抹消枝の潰れを伴う軽度〜中等度の肝線維化
e.× Kupffer細胞や肝細胞に取り込まれる。→ヘモクロマトーシス

問題28. 以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a グリソン鞘には動脈、門脈、胆管が含まれる。
b 肝組織内にリンパ管は認められない。
c 胆汁色素は肝細胞で合成後、類洞に排出される。
d 肝細胞は胆管細胞に比ベミトコンドリアが豊富に存在する。
e 肝内で異物と認識された物質は主に伊東細胞が食食する。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

〈解答〉3〈参照〉yearnote2003-B2〜3
a○:3つ以上の肝小葉が出会う部分には、やや広い結合組織が存在しており、門脈域あるいはGlisson鞘と呼ぶ。このGlisson鞘には肝動脈、門脈、胆管が一組となって存在している。
b×:門脈域にはリンパ管も存在する。
c×:肝細胞と肝細胞の間には毛細胆管が存在し、肝細胞から分泌される胆汁は類洞ではなく毛細胆管に分泌される。
d○:解毒、糖新生などの機能はミトコンドリアが豊富でなければ出来ないはず。
e×:肝内で異物と認識された物質はKupffer細胞というマクロファージ系の細胞に貪食される。伊東細胞はDisse腔内にあり食作用は示さないが細胞質内に脂肪(Vit.A等)を貯留する。

問題29. 肝細胞癌に関する記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a AFP(alpha-fetoprotein)、PIVKA-IIは有用な腫瘍マーカーである。
b 癌細胞はリンパ管浸襲およびリンパ節転移をきたしやすい。
c 腫瘍内の胆汁産生を反映して肉眼的に緑色調になることがある。
d 慢性肝炎→肝硬変→前癌病変からの発癌は多中心性発生と呼ばれる。
e 進行した肝細胞癌は門脈浸潤をきたしやすい。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

〈解答〉1 〈参照〉yearnote2003-B50、ネット。
a○:AFPは、分子量約7万、590個のアミノ酸からなり、1本の糖鎖をもつ蛋白である。胎生期には肝臓および卵黄嚢で産生され、種々の物質の結合蛋白として母体と胎児間の物質の移送に関係し、また免疫抑制作用ももつと考えられている。この胎生期に存在する蛋白が癌化、特に肝細胞癌で再び産生されるようになることがあるため腫瘍マーカーとして利用される。PIVKAとはProtein Induced by Vitamin K Absenceの略で、ビタミンK不足の際に増加する異常なプロトロンビン。AFPと並んで肝細胞癌に対する主要なマーカーである。 肝細胞癌で高度に上昇するが、閉塞性黄疸をはじめとしてビタミンK不足やワーファリン投与などでも上昇する。
b×:リンパ節転移は少ない。c○:腫瘤は出血や,変性・壊死を起こす傾向が強く,その色調は白色,黄色(脂肪浸潤による),暗赤色(出血による),緑色(胆汁産生とそのうっ滞により,ホルマリン固定後に顕著となる)など多彩である。 d×:多中心性発生とはあちらこちらの肝細胞から発癌すること。  e○:「進行した肝細胞癌例では、肝内に多数の癌結節がみられ、その殆どは肝細胞癌の経門脈性の肝内転移巣と考えられている。」とネットにはあるのだけれど…。

問題30. 胆管病変についての記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 胆道閉鎖症では胆管空腸吻合術後も肝内胆管消失をきたすことがある。
b 原発性硬化性胆管炎の診断には肝生検による小型胆管の観察が重要である。
c 肝内結石症は肝内胆管癌の危険因子である。
d 原発性胆汁性肝硬変では大型胆管から次第に消失していく。
e 慢性胆管炎では胆管付属腺の増生を認めることがある。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

〈解答〉1? 〈参照〉ネットから。難しいです。
a○:b×:認定基準は次の1、2を満たすもの
☆ 胆道造影の所見のフィルムの提出を要する。
1 胆道造影で数珠状拡張、帯状狭窄、憩室様変化などの特徴的所見を認める。
2 血液生化学検査でうっ滞性の肝障害を認める。
c○: d×:肝内の小さな胆管が破壊されてどんどん消失する。 e○:

問題31. 薬剤性肝炎についての記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 急性期には肝細胞の変性・壊死が見られる。
b 抗生剤、鎮痛剤が原因となることがある。
c 組織学的に自己免疫性肝炎と鑑別が困難である。
d 原因となる薬剤を中止することで改善する。
e 肝細胞内に胆汁うっ滞を伴うことがある。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

〈解答〉5 〈参照〉Harrison15版1787ページ
a○:肝毒性を有する薬物には直接的な肝細胞障害作用を有する場合がある。この障害によって肝細胞の壊死に進行する可能性がある。b○:c○: d○:原因薬剤の中止、安静、食事療法(低脂肪食)で改善が見られることが多い。 e○:薬剤性胆汁鬱滞の程度は、軽微なものから高度なものまで幅が広く、この中には限定的な肝細胞障害を伴う微小胆汁鬱滞、炎症性胆汁鬱滞、硬化性胆管炎、胆管消失性胆汁鬱滞が存在する。

問題32. 以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 日本住血吸虫症では胆管内腔に虫卵が寄生する。
b 免疫能の低下した状態では、サイトメガロウイルスは肝細胞に感染する。
c 結核では乾酪性類上皮肉芽腫をびまん性に形成する。
d アメーバ性肝膿瘍では肝嚢胞内にアメーバ原虫が感染する。
e C型肝炎ウイルス感染状態では核内に封入体を認める。
1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)a-eすべて

〈解答〉4 〈参照〉ネット。マニアックだなあ。
a×:門脈系に寄生する。b○:c○: d×:アンチョビソース、またはチョコレート様と形容される外観を呈する。細菌培養は陰性である。 e×:封入体はすべてのウイルス感染細胞にみられるわけではない。エンテロウイルス、インフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、風疹ウイルス、C型肝炎ウイルス、レトロウイルス(HTLV1やHIV)など、RNAウイルスの多くは封入体を形成しない。

問題33. 膵管内乳頭粘液性腫瘍についての記述で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 膵管上皮由来の腫瘍である。
b 膵管内にとどまらず周囲膵実質に浸潤することもある。
c 中年女性の膵尾部に好発する。
d 多くは10歳以下の小児、特に男児に発生する。
e 一般的には主膵管との交通はない。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉1 〈参照〉2002年11月15日講義資料
a○b○c,d×:高齢の男性に多く、膵頭部に好発する。 e×:ある。

問題34. 膵内分泌腫瘍についての記述で、正しいものの組み合わせを選べ。
a インスリノーマは膵頭部が好発部位である。
b ホルモン産生腫瘍であるため、ホルモン療法が奏功する。
c 膵腺房細胞由来の腫瘍である。
d 本症の約10%はMultiple endocrine neoplasia(MEN)1型に属する。
e 病理診断においては特殊染色や免疫染色、あるいは電子顕微鏡的検索が必要となる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉5 〈参照〉授業プリント2002年11月15日
a×:体尾部に好発する。b×?:治療は外科的切除が原則である。c×:膵腺房細胞は外分泌器官。 d○: e○:最終的な確定診断は切除標本の免疫組織染色にて行われる。

問題35. 胆嚢についての記述で、正しいものの組み合わせを選べ。
a 胆嚢癌は原発性腺癌が最も多い。
b 胆嚢コレステロールポリープは前癌病変である。
c 胆嚢癌の肉眼形態は陥凹型が最も多いため穿孔しやすい。
d 胆嚢癌は胆汁を過剰分泌するため下痢症状が発見の契機となる。
e 胆道膵管合流異常症は胆嚢癌の発生頻度を増加させる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉2 〈参照〉yearnote2003-B78、Step6-291ページ
a○:b:c: d×: e○:持続する化学的な刺激が発癌を起こすという仮説が主張されている。

問題36. 細菌性肝膿瘍について正しいのはどれか。
a 起炎菌はグラム陽性菌が多い。 b 黄疸は早期から発症する。
c 感染経路は胆道系由来が多い。 d アメーバ性に比べ多発性が多い。
e 保存的に軽快する事が多い。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉4 〈参照〉2002年10月23日授業プリント、yearnote2003-B58
a×:E.coliやKlebsiellaのようなグラム陰性菌が多い。b×:早期から出現する症状は、悪寒・戦慄・弛張熱などの炎症症状である。c○  d○  e×:胆汁への移行性がよいセフェム系、ペニシリン系抗生物質投与、エコーガイド下経皮的ドレナージ、切開排膿を行う。

問題37. 肝臓の解剖について正しいのはどれか。
a Cantlie線とは門脈と下大静脈を結ぶ線である。
b 肝前区域はS5及びS8からなる。
c 肝円索とは胎生期の膀静脈の名残である。
d 肝十二指腸間膜内には肝動脈・総胆管・門脈・下大静脈が走行している。
e 右肝動脈が上腸間膜動脈起始部から分岐する変異は約20%に認められる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉3 〈参照〉2002年10月23日授業プリント、解剖学講義371ページ
a×:肝臓臓側面の胆嚢窩と下大静脈を結ぶ線。b○ c○  d×:肝十二指腸間膜の遊離縁はなかに肝門を通って出入りする総胆管・肝動脈・門脈を含むが、下大静脈は含まない。 e×:授業プリントによると、約11%らしい。

問題38. 肝包虫症について正しいのはどれか。
a 多包虫症は近畿地方に多く見られる。 b 包虫症の確定診断は肝生検による。
c 感染から発症まで数ヶ月である。 d 根治的治療法は肝切除である。
e CT上、石灰化が多く認められる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉5 〈参照〉yearnote2003-H92
a×:北海道が好発地域。b×:肝生検は避けた方が良いとイヤーノートに書いてある。c×:発症までふつう10〜15年かかるらしい。 d○:包虫を外科的に摘出する以外ない。 e○

問題39. 肝血管腫について正しいのはどれか。
a 30-50歳の男性に多い。
b 超音波断層像はモザイクパターンを示す。
c Kasabach-Merritt症候群を呈する場合は手術適応である。
d 血管造影にて特徴的な綿花状陰影が認められる事が多い。
e 血清AFP値が高値を示す。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉4 〈参照〉yearnote2003-B56、ステップ6-251ページ
a×:中年女性に好発する。    b×:境界明瞭で腫瘤全体がhighエコーを示す。
c○:内径が8センチを超える大きなもの、成長傾向の強いもの、血小板減少症を呈するもの、破裂の恐れのあるものに対しては外科的に肝部分切除術を行う。
d○:肝動脈造影で動脈相の半ばから静脈相にかけて持続する貯留像を認め、その形状から綿花状濃染像cotton wool appearanceと呼ばれる。
e×:原則として血液一般検査も肝機能検査も正常。AFPは肝癌で上昇。

問題40. 肝細胞線腫について正しいのはどれか。
a 経口避妊薬との関連がある。   b 高分化型肝細胞癌との鑑別は困難である。
c 悪性化はない。               d CTにて辺縁に石灰化が多く認められる。
e 破裂や腫瘍内出血を来しやすい。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

〈解答〉2 〈参照〉2002年10月23日講義資料
a○ b○ c×:悪性化の危険性がある。 d×  e○:大きいものでは腹腔内出血や腫瘤内出血を来たす。

問題41. 肝内胆管癌について正しいのはどれか。
a 30-40歳代の男性に多い。 b 嚢胞線癌が多い。
c 病理組織学所見上、胆汁産生を高頻度に認める。
d 血清CEA値が上昇する。 e 選択的動脈造影にて濃染像が認められる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

〈解答〉4 〈参照〉Step6-263ページ
a×:60歳以降が好発年齢、男女差はない。b× c×:粘液を産生する。 d○:CEA、CA19-9が上昇する。 e×:ほとんど増強されない。

問題42. 肝細胞癌について正しいのはどれか。
a 肝静脈を介して肝内に転移する。
b 乏血性腫瘍である。
c 動脈塞栓療法(TAE)は娘結節には無効である。
d 我が国の肝細胞癌の約80%に肝硬変が合併している。
e 経皮的ラジオ波焼灼療法は多発肝細胞癌に対して有効である。
1)acd 2)ab 3)bc 4)dのみ 5)a-eすべて

〈解答〉4 〈参照〉2002年10月23日講義資料
a×:門脈を介して転移することが多い。b×:c: d○:講義資料では約80%、ステップでは約85%以上らしい。 e×:

問題43. 原発性肝癌について正しいのはどれか。
a 我が国では肝細胞癌の原因としてB型肝炎が最も多い。
b 胆管細胞癌の中で比較的予後良好なのは胆管内発育型である。
c 肝細胞癌の転移は肝内が最も多い。
d 肝細胞癌は胆管細胞癌より予後良好である。
e 肝細胞癌の病巣を切除すれば再発はまれである。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

〈解答〉4 〈参照〉Step6-254
a×:HCV感染が70%、HBV感染が20%。b○:c○:主として門脈を介する。 d○: e×

問題44. 肝細胞癌について正しいのはどれか。
a 超音波検査におけるbu11's eye signが特徴的な所見である。
b 単発、最大腫瘍径3cm、脈管侵襲なし、であればStageIIである。
c 肝切除中の出血を減少させるにはPringle法が有用である。
d 門脈本幹への腫瘍塞栓を伴うものには動脈塞栓術がよい適応である。
e ICG(15分値)35%であれば肝右葉切除は可能である。
1)acd 2)ab 3)bc 4)dのみ 5)a-eすべて

〈解答〉3 〈参照〉yearnote2003-B50、2002年10月23日講義資料
a×:転移性肝癌の特徴。b○:径3cm>2cmよりT1、N0、M0よりStageU。c○:肝門脈部で肝動脈、門脈を一括遮断する方法。 d×:禁忌。 e×:ICG30%以上は手術適応外。

問題45. 脳死移植について正しいものはどれか。
a 脳死とは脳幹を含めて脳全体の機能が失われた状態をいう。
b 法的脳死判定は6時間以上の間隔をおいて少なくとも2度行われる。
c 脳死者の家族といえども優先的に移植を受けられない。
d 年齢に関係なく臓器を摘出できる。
e 臓器移植に対して脳死者の家族は反対できない。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

〈解答〉1 〈参照〉
a○:b○:c○?: d×:15歳未満は法律上の問題から臓器提供できない。 e×:家族が反対した場合は臓器移植は出来ない。

問題46. 肝移植について正しいものはどれか
a 肝移植後の生存率はアザチオプリンの登場で劇的に改善した。
b 多発性肝嚢胞は肝移植の対象疾患である。
c 肝移植後のHCV再発率は脳死肝移植よりも生体肝移植の方が高率である。
d 劇症肝炎に対する肝移植による救命率は80%を越える。
e Milan基準とは「肝細胞癌7cm以下1個もしくは5cm以下3個以内」である。
1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde

〈解答〉1 〈参照〉講義資料
a○:b○:c○: d×:7割に満たない。 e×:単発肝細胞癌最大径5cm以下あるいは多発肝細胞癌最大径3cm以下3個以内。

問題47. 門脈圧亢進症に関して誤った組み合わせはどれか。
a 日本住血吸虫症 肝内門脈閉塞
b 門脈血栓症 肝外門脈閉塞
c 肝硬変症 肝内肝動脈閉塞
d 特発性門脈圧冗進症 肝内門脈閉塞
e Budd-Chiari症候群 肝外肝静脈閉塞
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

〈解答〉3 〈参照〉Step6-185ページ
a○:肝内性前類洞性。 b○ c×:肝内性類洞性/後類洞性。 d○  e○

問題48. 特発性門脈圧元進症に関して正しい記載はどれか。
a 男性に多い。 b 肝機能障害は軽度である。 c 脾摘により汎血球減少は改善される。
d 著明な脾腫を認める。 e 肝小葉構造に改築がみられる。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

〈解答〉2 〈参照〉Step6-189ページ
a×:1:3と女性に多い。 b○:肝機能はほとんど正常。 c○: d○: e×:肝実質はほとんど正常だが、門脈域が線維性に拡大している。

問題49. 次のうち誤った記載はどれか。
a 肝硬変症患者の吐血は、ほとんどの場合食道静脈瘤からの出血である。
b 腎機能障害は内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS)の合併症の一つである。
c 内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)はEISに比べて合併症が少ない。
d 胃静脈瘤の治療としてB-RTOは有効である。
e 食道静脈瘤より活動性出血を認める場合はEVLは無効である。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉2 〈参照〉Step6-49ページ
a×:門脈圧亢進に伴う静脈瘤の出血よりも血小板減少による出血が主。b○:薬理的には硬化剤自体の腎毒性がある。また物理的には硬化剤が腎に飛んでおこりうる。しかし薬は経静脈的には肺にトラップされるので、腎障害は、誤って動脈に薬が入ったときのほうが起こりやすい。c○:粘膜を縛るだけなので、特に合併症はない。あるとしても食道狭窄くらいだが、ほとんど問題にならない。例えたくさん結紮したとしても術後すぐに食事は可能。だからこそ急性出血の第一選択であり、また高度の肝機能低下時や、全身状態が悪い症例の適応がある。しかし合併症はほとんどないが、再発が多いことと、効果の確実性が劣ることが難点。  d○:B-RTOとはバルーン下逆行性経静脈的胃静脈瘤閉塞術のこと。胃腎短絡路を閉塞させる治療法で、そもそも胃穹窿部静脈瘤に対して開発された治療法
e×:急性出血時はEVLが第一選択

問題50. 腹腔鏡下胆嚢摘出術について正しいのはどれか。
a 気腹には化学的に安定なヘリウムガスが多く用いられている。
b 気腹圧をできるだけ高くして十分な視野を得ることが重要である。
c 手術既往のある症例は、腹腔鏡下の手術は適応とならない。
d 気腹法は腹壁吊り上げ法に比べ、高炭酸血症の合併症が多い。
e 胆石症に対する術式としては、開腹術よりも施行症例が多い。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉5 〈参照〉ネット
a×:CO2ガスを利用。ヘリウムガスだと空気塞栓を起こす。b×:気腹圧をあまりにも高くすると、空気塞栓を起こしやすくなる。c×?:ネットで調べた限りでは、手術適応である病院、そうでない病院があるのだが…? d○:そりゃCO2ガスを使うからね。 e○

問題51. 胆石症について正しい記載はどれか。
a 胆石症の約80%は、腹部単純レントゲン上陽性に描出される。
b ビリルビン結石は、層状構造を示す。 c 中年の女性に多い。
d 胆石症非合併例に比し、胆嚢癌の合併率が高い。 e 超音波検査での検出率は約30%である。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉4 〈参照〉yearnote2003-68ページ
a×:約10%しか描出されない。b×:無構造、層状割面。c○:5Fの人に多い。 d○: e×:約90%以上描出される。

問題52. 肝内結石症について誤った記載はどれか。
a アジア地域に多い。 b 肝膿瘍を来しやすい。
c 一度きちんと治療すれば、再発しにくい。 d 胆石溶解剤の良い適応である。
e 肝の片葉に限局している場合には、胆道鏡下切石術の良い適応である。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

〈解答〉3? 〈参照〉難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/013_i.htm
a○:「肝内結石症は、日本を含む東アジアに頻度が高く、類似した人種的背景を持つ場合でも大きな地域差が認められるのも特徴である。台湾では全胆石症例の20%以上に肝内結石を認めるのに対し、韓国では10.8%、香港では3.1%、シンガポールでは1.7%と報告されている。中国国内でも北京では9.2%なのに対し北西部の沈陽では21.2%と報告されている。西欧諸国ではその頻度は1%以下であり、殆どはアジアからの移民症例と推定されている。ラテンアメリカでは2-7%と比較的高頻度とも報告されている。同時代(1992年)の日本における肝内結石症の頻度は谷村らにより2.2%と報告されている。」b:c×:「一回の治療でなおってしまう人は半分以下で、多くの人で数年のうちに再発を認める。難病といわれる由縁である。再発した場合には、PTCSなどの非手術的な治療法が行われる。」d×:「治療は大きく手術的なものと非手術的なものに分けられる。肝切除術が最も多い手術的治療法であり1985-1988調査で44%の症例で、1989-1992調査で症例の50.1%に施行されている、非手術的なものでは経皮経肝胆道鏡(PTCS)による治療がひろく施行されるようになってきており、1985-1988調査で8.6%の症例に1989-1992調査では14.8%の症例に行われている。」と書いてあるから、おそらくは胆石溶解剤は適応ではないのでは。 e×?:肝切除術をするのでは?

問題53. 肝内結石症について正しいのはどれか。
a 最近欧米なみに我が国でも症例が増加している。
b 胆道鏡を用いた治療の完全切石率は約90%である。
c 胆管癌の合併率が高い。 d 胆管狭窄を伴うことが多い。 e 肝切除の対象とはならない。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉4 〈参照〉上述。てかこんなことを聞いてなんになるのだろう?
a×:逆。上述。b?:勘弁してくれよ。c○:約10%合併する。 d○: e×

問題54. 正しくない組合せはどれか。
a 陶器様胆嚢 胆嚢癌
b 胆嚢腺筋症 泡沫状細胞
c 総胆管結石症   Courvoisier徴候
d 共通管結石    急性膵炎
e 胆道拡張症    胆管癌
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

〈解答〉1 〈参照〉
a×:陶器様胆嚢 porcelain gallbladder …慢性炎症によって胆嚢壁全体に石灰化がみられるものであり、慢性胆嚢炎の末期を表わす。b×:c○:Courvoisier徴候は3管合流部以下の胆管閉塞による胆嚢腫大で胆汁鬱滞により腫大した胆嚢を無痛性に触れることを言う。 d○  e○

問題55. 急性胆道感染症について正しい記載はどれか。
a 胆嚢壁の3重構造は、急性胆嚢炎のエコー像の特徴である。
b 経皮経肝胆嚢ドレナージは、急性胆嚢炎に対する治療法のひとつである。
c 急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)は抗生剤に良く反応するので、まず保存的に
薬剤治療を試みる。
d 胆道感染の主要な菌種は、グラム陽性球菌である。
e 経十二指腸的逆行性感染は、胆道感染の重要な経路である。
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

〈解答〉2 〈参照〉
a○:b○:c×:抗生物質投与とともに胆道ドレナージを行う。 d×:グラム陰性の大腸菌が最多。 e○

問題56. 膵臓の解剖について正しいものを選びなさい。
a 膵臓は第1-2腰椎の高さに位置する。
b 膵臓は後腹膜臓器で、臓器全体が腹膜に覆われる。
c 総胆管は膵内を走行しない。
d 膵頭部と体部の境界は上腸管膜静脈の左側縁である。
e Wirsung管は副乳頭に開口する。
1)ab 2)ad 3)bc 4)cd 5)de

<解答>1
(a) ○(b)○(c)×(d)×門脈の左縁 (e)×Wirsung管は主乳頭に、Santorini管は副乳頭に開口する。

問題57. 膵・腎臓移植について正しいものを選びなさい。
a 2型糖尿病で慢性腎不全を合併している患者が主な対象となる。
b 膵移植の目的はインスリン分泌を再開させ糖代謝を是正することで拡
c 移植膵の1年生着率は80%を超える。
d 移植をしても二次的合併症(網膜症等)の進行は緩和されない。
e 膵島移植と比較すると生着率は劣る。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>3    (a)×2型→1型 (b)○(c)○(d)×緩和される。 (e)×

問題58. 膵・腎臓移植について正しいものを選びなさい。
a 膵臓は2つに分け、腎臓と共に別々のレシピエントに移植する。
b 摘出した膵臓はレシピエントの腸骨窩で腸骨動静脈と血管吻合し、移植する。
c 膵液のドレナージ法には消化管ドレナージ法と膀胱ドレナージ法がある。
d 移植後すぐに内・外分泌機能が再開されることはない。
e 本邦で生体膵移植が行われたことはない。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>3?(3or4)         (a)×?(b)○?(c)○(d)×?(e)×?心肺停止からの移植例はある。

問題59. 次の文章の内誤ったものを選びなさい
a クローン病や小腸結核では胆汁酸の吸収障害が起こる。
b 欧米では黄疸患者の術前には、閉塞性黄疸の解除は一般的ではない。
c 腹水を伴った閉塞性黄疸患者では、経皮経肝的胆道ドレナージ術の適応ではない。
d HMG-CoA酸化酵素はコレステロール合成の律速酵素である。
e 肝門部胆管癌では経皮経肝的胆嚢ドレナージが有効である。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>5 (a) ○ (b)○日本では閉塞性黄疸の治療は必須。 (c) ○?(d)×HMG-CoA還元酵素
(e) ×経皮経肝的胆管ドレナージが有効である。

問題60. 次の文章の内誤ったものを選びなさい。
a 胆汁酸が欠乏すると脂肪酸吸収傷害が起こる。
b ビタミンKの吸収には胆汁酸が必要である。
c ウルソデオキシコール酸の経ロ的投与によりビリルビンカルシウム胆石を溶解しうる。
d 原発性胆汁性肝硬変では、ケノデオキシコール酸による治療が有効である。
e 胆汁外痩はコレステロール合成を増加させる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>4     (a) ○(b)○(c)×(d)×ウルソデオキシコール酸が有効。 (e)○?

問題61. 次の文章の内誤ったものを選びなさい
a 胆汁脂質は主に胆汁酸塩、リン脂質、およびトリグリセリドからなる。
b ビリルビン分子は鉄原子を1個含む。
c 閉塞性黄疸ではビタミンKの吸収障害があり、出血傾向をきたす。
d 直接ビリルビンはグルクロン酸抱合されており、胆汁中に排泄される。
e 溶血性黄疸時にはウロビリノーゲンが尿中に増加する。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>1 (a)×胆汁酸塩、リン脂質、およびコレステロールからなる。 (b)×(c)○(d)○(e)○ 問題62. 次の文章の内誤ったものを選びなさい。
a 胆石症の三主徴は上腹部の症痛・黄疸・発熱である。
b 間接ビリルビンはアルブミンと結合した形で血液中に存在する。
c Mayo-Robson点は胆石症の圧痛点であり、臍の右下方に位置する。
d ビリルビンはβ-glucuronidaseによりグルクロン酸抱合される。
e Dublin-Johnson 症候群では直接ビリルビンが増加する。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>4 (a) ○ (b) ○ (c) ×臍の右上方 (d) × (e) ○

問題63.次の文章の内誤ったものを選びなさい
a 経皮経肝的胆管造影の合併症の一つに気胸がある。
b 閉塞性黄疸時には、一般的にビタミンKを経口的に補給する必要がある。
c 門脈圧>20cmHgを門脈圧冗進症と定義する。
d 溶血性黄疸では直接ビリルビンが優位となる。
e Rotor症候群では直接ビリルビンが高値となる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>4 (a)○(b)○(c)×(d)×(e)○

問題64. 次の文章の内誤ったものを選びなさい
a 赤血球の平均寿命は120日である。
b 黄疸解除には、胆汁内痩が胆汁外痩より優れている。
c 閉塞性黄疸時には直接ビリルビンが優位となる。
d 閉塞性黄疸では尿中ウロビリノーゲンが陽性となる。
e Crigler-Najjar症候群ではビリルビンの抱合障害があり直接ビリルビンが増加する。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>5  (a)○(b)○(c)○(d)×(e)×

問題65. 次の文章の内誤ったものを選びなさい。
a 肝不全時には血中アンモニアが増加し、羽ばたき振戦が見られる。
b 肝硬変症では肝右葉の萎縮と左葉の肥大が認められることが多い。
c コレスチラミンはコレステロール合成を抑制する。
d 閉塞性黄疸の閉塞部位の診断には経静脈的胆道造影を行う。
e Mirrizi症候群では、閉塞性黄疸が認められる。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>4   (a)○(b)○(c)×(d)×?(e)○

問題66. 次の文章の内誤ったものを選びなさい。
a 心窩部中央をHead胆嚢圧痛点と呼び、胆石症の所見として重要である。
b 下部胆道系悪性腫瘍ではCourvoisier徴候がみられることがある。
c Caput medusaeは門脈圧冗進症の所見である。
d 急性閉塞性化膿性胆管炎患者では、内視鏡的逆行性胆管造影などによる緊急胆道ドレナージが必須である。
e 胆汁酸は主に空腸粘膜より吸収される。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>2
(a)×心窩部中央はSolar点、Head胆嚢圧痛点は右季肋部で第9肋軟骨付着部と臍を結ぶ線と右腹胸骨縁線との交点。
(a) ○Courvoisier sign:3管合流部以下の悪性腫瘍の胆管閉塞による胆嚢腫大で胆汁うっ滞に  より腫大した胆嚢を無痛性に触知すること。
(c)○Caput medusae:メズサの頭、腹壁静脈怒張。  (d)○?(e)×回腸末端から吸収。

問題67. 膵胆道系外科解剖について誤っているもの1つはどれか。
a Calotの三角は胆嚢管、総肝管、肝下面で囲まれた三角形である。
b 総胆管と主膵管は通常、十二指腸壁内で合流する。
c 総胆管は副膵管の背側にある。
d 肝十二指腸間膜で最も大きいのは門脈である。
e Replaced右肝動脈は通常、肝十二指腸靱帯の正中側を走行する。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>2 (a) ○Calotの三角の中に胆嚢動脈がある。  (b)×(c)○(d)○?(e)○?

問題68. 胆石症について正しいもの1つはどれか。
a 痩痛、発熱、シヨックをCharcotの3徴という。
b Mirizzi症候群は胆嚢頚部結石の十二指腸の圧迫による。
c confluence stoneは胆嚢管の結石が胆管に内痩を形成し、胆管内に露出したものである。
d MRI は胆石での石灰化の描出に優れている。
e 胆嚢全体の石灰化をstrawberry gallbladderという。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>3 (a)×Charcotの3徴:腹痛、発熱、黄疸 (b)×胆嚢頚部結石の総胆管の圧迫による。
(c)○ (d)×MRI→CT (e)×strawberry gallbladder:胆嚢コレステローシスのこと。

問題69. 胆石症について間違ったもの1つはどれか。
a 胆石による胆嚢・結腸痩では胆管内ガス像を認める。
b 胆石が乳頭部に嵌頓して起こる膵炎を胆石膵炎という。
c 腸管に排泄された胆石によるイレウスを胆石イレウスという。
d 胆嚢炎にガス産生菌感染を伴うと黄色肉芽腫性胆嚢炎という。
e 胆嚢穿孔により胆汁性腹膜炎となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>4 (a)○(b)○(c)○(d)×?(e)○

問題70. 肝内結石症について間違ったもの1つはどれか。
a コ系石が多い。 b アジアに多い疾患である。 c 胆管癌の合併を約10%に認める。
d 肝左葉外側区域に多い。 e 肝萎縮があれば罹患肝の肝切除の適応となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>1 (a)×ビリルビン石灰石が多い (b)○(c)○?(d)○?(e)○?

問題71. AOSC(急性閉塞性化膿性胆管炎)について間違ったもの1つはどれか。
a AOSCではエンドトキシン血症が惹起される。 b 胆嚢摘出術が適応である。
c 原因として胆管結石の嵌頓が多い。 d 老人では症状呈さず、重症化しうる。
e 起炎菌は大腸菌が多い。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>2 (a)○(b)×胆道内圧の改善と抗生物質投与。 (c)○(d)○(e)○

問題72. 胆嚢ポリープの間違ったもの1つはどれか。
a コレステロールポリープがもっとも多い。 b 悪性ポリープは15o以上が多い。
c 多発ポリープは胆嚢癌に多い。 d 悪性ポリープは無茎性が多い。
e 良悪性鑑別に術中迅速診断が行われることがある。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)

<解答>3 (a)○(b)○(c)×多発は良性、単発は悪性が多い。 (d)○(e)○

問題73.胆管合流異常症(AJPBD)について間違ったもの1つはどれか。
a 東洋人、女性に多い。 b 短い共通管が特徴である。
c 先天性胆道拡張症を合併することが多い。 d 胆道癌の発生が多い。
e 胆管拡張のないものは胆嚢摘出術の適応である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>2
(a) ○(b)×膵胆管合流異常症は正常よりも上流で総胆管と主膵管が合流する。(c)○(d)○(e)○

問題74. 胆嚢癌について間違ったもの1つはどれか。
a mumpの胆嚢癌は胆嚢全層切除術が適応となる。
b 進行胆嚢に対する肝切は左側よりの肝切が基本となる。
c 胆嚢癌の肝転移は手術適応とならない。
d 胆嚢癌の術前の壁深達度診断には超音波内視鏡が有用である。
e sis 胆嚢癌にはS4a+5の肝切が適応となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>2 (a)○?(b)×右葉をとる。 (c)○(d)○(e)○?

問題75. 胆管癌について間違ったもの1つはどれか。
a 女性に多い。 b 非切除例にはステント挿入が適応となる。
c 肝門部胆管癌をCalfskin腫瘍という。 d 下部胆管ではCourvoisier徴候認める。
e 下部胆管癌は(幽門輪温存)膵頭十二指腸術の適応となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>1 (a)×男性に多い男:女=2:1 (b)○(c)○?(d)○(e)○

問題76. 慢性膵炎について間違ったもの1つはどれか。
a 腫瘤形成性膵炎と膵癌の鑑別は難しい。
b 主膵管型の膵管内乳頭腫瘍と鑑別が問題となる
c 膵実質に存在する膵石は体外衝撃波の適応である。
d 慢性膵炎に対する手術としてFreyの手術がある。
e 炎症性腫瘤が膵頭部にある時には膵頭十二指腸切除術の適応となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>c 2003卒試52参照

問題77. 膵癌について間違ったもの2つはどれか。
a 背部痛を伴うものは予後不良である。 b 組織学的に間質の繊維化が特徴である。
c 膵頭部癌ではMurphy徴侯が出現する。 d 総肝動脈浸潤例は動脈合併切除の適応である。
e 門脈軽度浸潤例は門脈合併切除の適応である。
1)ab 2) ae 3) bc 4) cd 5) de

<解答>4?
(a) ○?症状を伴う場合は進行していることが多い (b)○ (c)×? (d)× (e)○?軽度浸潤?

問題78.膵癌について間違ったもの1つはどれか。
a 明らかな大動脈周囲リンパ節転移例は外科適応ではない。
b 肝転移例は外科切除適応ではない。
c 胃十二指腸動脈浸潤例は外科切除適応ではない。
d 癌性落痛に対して腹腔神経叢ブロックが適応となる。
e 術中照射は局所進行膵癌での予後改善と除痛効果が期待される。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

<解答>3 (a)○(b)○(c)×適応あり。 (d)○(e)○

問題79. 膵嚢胞性腫瘍について正しいもの2つはどれか。
a 膵漿液嚢胞性腫瘍は悪性例が多い。
b 粘液嚢胞腺腫に対して嚢胞・胃吻合術が適応である。
c 膵管内乳頭腫瘍は高齢、男性に多い。
d 粘液嚢胞腺癌は通常型膵癌同様、拡大膵切除の適応である。
e 粘液嚢胞性腫瘍は通常、膵管との交通を認める。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>4 (a)×悪性化はめったにない。粘液性はしばしば悪性化。
(b)×腫瘍性膵嚢胞は悪性化の懸念があるので原則手術摘出。
(c)○(d)○(e)通常膵管との交通ははっきりしない。

問題80. 膵内分泌腫瘍について間違ったもの1つはどれか。
a インスリノーマは単発、良性が多い。 b 多発の検索には術中超音波検査が有用である。
c インスリノーマの局在診断としてSASIテストがある。
d 通常血流に富む腫瘍である。 e ガストリノーマは多発、悪性が多い。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 

<解答> (a) ○(b)○(c)×Selective Arterial Secretin Injection test:ガストリノーマで有効 (d)○(e)○

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