肝胆膵 平成16年度卒業試験

(復元)
1.現在(検査時)の肝(実質細胞)の合成能をみるのに最も適切なものはどれか。
a.アルブミン  b.コリンエステラーゼ c.ヘパプラスチンテスト
d.プロトロンビン時間 e.コレステロール
1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e

<解答> a    2003卒試と同じ


2.黄疸のある患者が来院した。検尿を施行したところ、尿中ウロビリノーゲン(N)、尿中ビリルビン(+++)であった。この結果より考えられる病態はどれか。
 a.完全閉塞性黄疸    b.溶血性黄疸  c.重症肝炎
 d.非代償性肝硬変症  e.新生児黄疸
 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
  
解答 1
1 ○ 尿中ウロビリノーゲン陰性
2 × 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陰性
3 × 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陽性
4 × 尿中ウロビリノーゲン高値 肝細胞障害による 尿中ビリルビン陽性
5 × 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陰性


3.トランスアミナーゼ AST,ALTについて正しいもの。('03卒試11番と同じ)
a.ASTは肝に特異的であるのに対してALTは肝以外で赤血球や筋肉にも存在する
b.急性肝炎において(1)AST/ALT=2000/1000と(2)AST/ALT=1000/2000では、(1)のほうがさらに症状(肝炎)が悪化する可能性が強い
c.AST,ALTの上昇は肝実質細胞(肝細胞)の破壊を意味している
d.c型肝炎の患者でAST60,ALT70であった。これらトランスアミナーゼの値が低いので肝硬変症は考え難い
e.ASTの半減期は約40時間で、ALTの16時間に比べて長い
1ab 2ae 3bc 4cd 5de

<解答>3
a × ASTは心筋や骨格筋や赤血球にも含まれているため、心筋梗塞や骨格筋疾患、溶血性貧血でも上昇する。
b ○ ASTの半減期は13時間、ALTの半減期は41時間であり、AST優位のほうが極期を迎えておらずこれから症状が悪化する可能性が高い。
c ○ トランスアミナーゼは肝逸脱酵素とも呼ばれ、肝細胞が壊れていることを意味する。
d × 慢性肝炎においてはトランスアミナーゼが100UI以下でほとんど自覚症状がないことが多い。
e × ASTとALTが逆。


4.肝疾患と免疫グロブリンの関係で正しい組み合わせはどれか。
a. IgE高値・・・・・・急性A型肝炎
b. IgM高値・・・・・・原発性胆汁性肝硬変症
c. IgG高値・・・・・・自己免疫性肝炎
d. IgA高値・・・・・・アルコール性肝硬変症
e. IgG高値・・・・・・薬剤性肝炎
1) a, b, c 2) b, c, d 3) c, d, e 4) a, b, e 5) a, d, e

<解答>2
a × A型肝炎はIgM高値
c ○ 肝硬変でもIgGが上昇する。
e × 薬剤性肝障害はIgE高値(アレルギー)他に寄生虫感染でもIgEが上昇する。


5.B型肝炎ウイルスマーカーに関する記述で正しいものはどれか。
a. Hbe抗原は感染細胞において産生され、その陽性はウイルス増殖が盛んなことを意味している。
b.Hbs抗原はウイルスの存在を意味している。
c.Hbe抗体は中和抗体であるので、その陽性者からの感染の危険性はない。
d.Hbc抗体は既感染を意味しており、一般にキャリアーでは陰性である。
e.Hbs抗原陽性、IgM-Hbc抗体強陽性の場合、B型急性肝炎と考えてよい。
1.a,b,c 2.b,c,d 3.c,d,e 4.a,b,e 5.a,d,e

<解答>5
a ○ HBV感染細胞から分泌される蛋白であり、陽性はウイルスの増殖が盛んなことを示している。
b ○ HBVのエンベロープを構成する蛋白であり、陽性はHBVが血中に存在すること    を示している。
c × HBe抗原に対する抗体であり、HBe抗原陰性・HBe抗体陽性はセロコンバージョ     ンを示している。しかし、針刺し事故の場合は感染の危険性がある。
d × キャリアーは200倍希釈で陽性。
e ○ 感染によりHBs抗原が陽性となり、IgM-HBc抗体が出現する。


6.肝細胞癌について正しいものを選べ
a. 肝細胞癌の腫瘍マーカーとしてαフェトプロテインとca19?9が有用である
b. 転移性肝癌との鑑別に67Ga citrateによるGaシンチが有用である
c. 腹部超音波検査では2cm以下の肝細胞癌の検出率は低い
d. ダイナミックcTにおいて,肝細胞癌は肝動脈相で造影され,門脈相では造影されない為に,いわゆるhig-low patternを示す
e. 肝細胞癌の多くは肝硬変を発生母地としてもっている
1)a,b 2)a,e, 3) b,c 4) c,d 5) d,e

<解答>5
a × 肝細胞癌の腫瘍マーカーはAFPとPIVKA-II。CA19-9は膵癌・胆道癌の腫瘍マーカー。
b × c × 腹部超音波検査では1cm未満の肝内小結節でも発見できる。断層面を自由に設定できるため、CT以上の情報が得られることも多い。
d ○ 肝細胞癌は肝動脈から栄養を受けている。


7.肝性脳症について正しい記述の組み合わせを選べ。
a.肝性脳症?度以上では羽ばたき振戦を認めることが多い。
b.肝性脳症では尿素回路がうまく働かないために血中アンモニアが上昇している。
c.肝性脳症ではFischer比が上昇している。
d.肝性脳症ではアミノ酸の異常バランスを補正するために芳香族アミノ酸の輸液を行う。
e.肝性脳症では合成2糖類(ラクチュロース等)を経口、または注腸で投与する。
1.abc 2.bcd 3.cde 4.abe 5.ade

<解答>4 2003年卒試の問題15と同じ


8.64歳の男性。2ヶ月前から始まった倦怠感、食欲不振を主訴として来院した。胸部にクモ状血管腫、手掌紅斑を認めた。肝は触知しなかった。白血球 3000/mm3, 赤血球 350万/mm3,血小板 6万/mm3, 総ビリルビン1.2mg/dl, アルブミン 3.0mg/dl, AST 69U/L, ALT 48U/L, ヘパプラスチンテスト 45%(正常80%以上), αフェトプロテイン 350ng/dl(正常10以下), cA19-9, cEAはともに正常範囲内、Hbs抗原陰性、HcV抗体陽性であった。腹部エコーにて肝左内側区域に直径2cmの低エコーを呈するSOL(space occupied lesion)を認めた。以下の記述で正しいものはどれか。
a.エコー上のSOLは肝血管腫である可能性が高い。
b.エコー上のSOLは胆管癌である可能性が高い。
c.エコー上のSOLは肝細胞癌である可能性が高い。
d.SOL以外の肝は肝硬変である。
e.SOL以外の肝は慢性肝炎である(肝硬変ではない)。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答>5 2003年の卒業試験18番と同じ問題


9.48歳女性。肝機能異常を指摘され来院。AST,ALT正常。ALP,γ-GTP異常高値。抗ミトコンドリア抗体強陽性。IgM異常高値。肝生検にてcNSDcの所見。診断はどれか。
a.アルコール性肝障害
b.ウイルス性肝炎
c.原発性硬化性胆管炎
d.胆石症
e.原発性胆汁性肝硬変

<解答> e
中年の女性、ALP・γGTPの高値→胆道系酵素の高値、抗ミトコンドリア抗体陽性(原発性胆汁性肝硬変PBCでは抗M2)、CNSDCの所見より胆管が障害される自己免疫疾患である原発性胆汁性肝硬変症。治療にはウルソデオキシコール酸、肝移植、ベザフィブラートなどがあり、ステロイドは効かない


10.検診にて肝機能障害とHCV抗体陽性を指摘された患者が来院した。自覚、他覚症状ともにない。当院での検査結果はAST 80 IU/l、ALT 60 IU/l、ALP 380U/l(正常115-359)、γ-GTP 50、総蛋白 8.0 g/dl、アルブミン 3.6 g/dl、ヘパプラスチンテスト 60%(正常80%以上)、血小板 7万/mm3、AFP 350 ng/mlであった。今後進めていくべき検査を選びなさい。
a.脳波検査 b.腹部エコー検査 c.腹部CT検査
d.上部消化管内視鏡検査 e.心電図検査
1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade

<解答>2


11.B型慢性肝炎の患者。AFP陰性でPIVKA II異常高値。血管造影にて濃染される腫瘤、造影CTでもenhanceされる。診断はどれか。
1.肝細胞癌 2.肝血管腫 3.転移性肝癌 4.肝嚢胞

<解答> 1  転移性肝癌ではAFP・PIVKAU共に陰性。肝嚢胞は造影CTでenhanceされない


12.外来治療、経過観察中のC型肝硬変患者に腹部エコーを施行したところ、図に示すような肝内SOLをみとめた。まず考えなければならないものを一つ選べ。
1)大腸癌肝転移 2)胆管癌 3)肝細胞癌 4)胆嚢癌 5)肝血管腫
図はわかりづらかったけど、SOL周囲にhypoechoicなhaloがあったような気が。

<解答>3


13.B型肝炎に関して正しい記載はどれですか。
a 母子感染による垂直感染以外の水平感染は一般に老人で出現する
b 急性肝炎の原因としては輸血が多い
c 母子感染を予防する手段はない
d アジアは感染率が高い
e Hbe抗原が消失しHbe抗体が陽性になっても肝炎が再燃することがある
1)a b 2)a e 3)b c 4)c d 5)d e

<解答>5


14.慢性肝炎に関して正しい記載はどれか。
a.4ヶ月以上の肝機能異常とウイルス性感染が持続している病態である。
b.一般的にC型肝炎では感染後10〜20年で肝硬変に進展する。
c.新犬山分類では肝炎はFibrosisとActivityで評価する。
d.門脈域の好中球浸潤と肝小葉の細胞変性・壊死が特異的である。
e.B型に比べC型は慢性肝炎から発症しやすい。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答> 3 a 6ヶ月以上  d 好中球→リンパ球


15.肝細胞癌について正しいものを選べ・
 a.アルコールによるものは約20%である
 b.C型肝炎ウィルスによるものは約70%である
 c.肝細胞癌のマーカーとしてはAFP、PIVKA IIの他にAFPのレクチン分画がある
 d.肝細胞癌の診断に際して、エコーは簡便であるがCTよりは劣る
 e.肝硬変からの死亡は、肝細胞癌によるものは消化管出血についで第2位である
1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e

<解答> ?
a.× アルコールによるものは3〜4%
  b.○ HCV(+)は約75%、HBV(+)は約15%、HCV・HBV共に(+)が約3%
  c.○ 他に、というのがよくわかりませんがAFPのL3(レクチン)分画
  d.○ エコー:微小肝細胞癌の検出に有効(1cm程度の肝細胞癌の発見も可能)
  e.× 肝硬変の3大死因は1)原発性肝癌合併 2)消化管出血(食道静脈瘤破裂などによる) 
3)肝不全


16.アルコール性肝障害について・・2002卒試類似


17.PBCについて正しくないものをひとつ選べ。
1. IgM高値
2. ほぼ半数が肝硬変へと進行する。
3. トランスアミナーゼ(ALP、γ-GTP)の高値
4. 慢性非化膿性破壊性胆管炎
5. 無症候性でも皮膚掻痒感が生じることがある。

<解答> 5 症状を有さないものを無症候性、有するものを症候性という。


18.肝硬変をきたさないものはどれか。
 a. アミロイドーシス  b. ヘモジデローシス  c. Wilson病
 d. α-1アンチトリプシン欠乏症  e. Non-alcoholic steatohepatitis
1) a,b 2) a,e 3) b,c 4) c,d 5) d,e

<解答> 1
a × アミロイド蛋白が沈着し、肝腫大を起こす。
b × ヘモシデローシスはKupffel細胞などの網内系に鉄が沈着する。ヘモクロマトーシスは鉄沈着により肝腫大、皮膚の色素沈着、糖尿病(古典的3徴)と心不全(4徴)を起こす。
c ○ 核レンズ核変性症。常染色体劣性遺伝形式を取る銅代謝異常症。銅が肝、脳、核膜などに沈着する。
d ○ α1アンチトリプシンはα1グロブリン分画の大部分を占める糖タンパクであり、セリンプロテアーゼを阻害する。若年性肺気腫と肝硬変を発症する。欧米ではPizzやPiNull-Nullがあり肝疾患が見られるが、日本ではα1アンチトリプシン欠損症による肝疾患は報告されていない。
e ○ 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)。アルコール性肝炎に類似した組織像を示し、肝線維化や肝硬変への進展が見られる。

19.上部消化管内視鏡で得られた写真を示す(図3)。この所見をきたさないものはどれですか?
a 肝細胞癌 b 肝硬変 c 門脈血栓症
d budd-chiari症候群 e Dubin-Johnson症候群
1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e
写真は食道静脈瘤でした。

<解答>2 2002卒試問題9と同じ


20.原発性胆汁性肝硬変の生検組織像を示す。正しくない組み合わせはどれか?
  a、cronic non-supprative cholangitis b、Fatty infiltrarion
c、Onion-skin fibrosis d、Piecemeal necrosis e、Granuloma
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

<解答> 3 b ??  c PSC原発性硬化性胆管炎でみられる


次の文を読んで以下の問に答えよ。
61歳女性、腹痛を主訴に救急部来院。身体所見では上腹部に限局した痛み。高山の圧痛点(+)などの急性膵炎を示唆する所見を認めた。血液検査ではWBC,CRPが上昇して、アミラーゼ値、LDHが高値を示していた。腹部CTでは膵全体に膵実質内部不均一化を生じていた(問題文はかなり不正確な復元です)
21.急性膵炎の診断基準に含まれない項目をひとつ選べ
(a)腹痛などの身体所見  (b)アミラーゼの上昇 (c)LDHの上昇
(d)腹部CTでの膵臓の腫大 (e)リパーゼの上昇
22.急性膵炎の重症度の指標とならないものはどれか
a.血清アミラーゼ b.BUN c.PaO2 d.LDH e.血清Ca23
23.重症度判定の結果、本症例は中等度の急性膵炎と診断された。総胆管にはCT上結
石は認められず、胆管の拡張も認めなかった。入院時の治療として不適当なものはどれか。
a 抗生物質       b 輸液    c 蛋白分解酵素阻害薬
d H2ブロッカー    e モルヒネによる鎮痛
24.胆石のほかに急性膵炎の原因となりうるものを選べ。
a.アルコール    b.高カルシウム血症    c.高脂血症    d.ムンプス  e.サイアザイド系利尿剤
1.abc 2.acd 3.ade 4.bcd 5.a〜eの全て

21.<解答>c
急性膵炎臨床診断基準 (厚生省〔当時〕特定疾患難治性膵疾患調査研究班)
1 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある
2 血中、尿中あるいは腹水中に膵酵素の上昇がある
3 画像で膵に急性膵炎に伴う異常がある
上記3項目中2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎とする。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。また、手術または剖検で確認したものはその旨を付記する。 注:膵酵素は膵特異性の高いもの(p-amylaseなど)を測定することが望ましい。
22.<解答>a
 重症度の判定 (厚生省基準)
  臨床症状;ショックの有無、呼吸困難、神経症状、感染症、出血傾向 などこれらのうちひとつでもあれば重症と判定
  血液検査所見:Ca濃度7.5mg/dl以下、FBS≧200mg/dl、代謝性アシドーシス 、腎機能障害 、その他(脱水など) 、画像検査所見
23.<解答>e モルヒネは乳頭括約筋の収縮を生じるので避けるべき
24.<解答>5  


以下の文を読み、25〜27の問題に答えよ。
56歳男性、大酒家であり、10年前より飲酒後の腹痛、背部痛を自覚していた。近医にて膵に異常を指摘され受診。身長175cm、48kg、上腹部圧痛(高山診)。腰背部叩打痛あり。生化学検査ではアミラーゼ5U/l(正常値10〜65U/l)、リパーゼ8U/l(正常値16〜51U/l)、空腹時血糖212mg/dl、HbA1c10.6%であった。CT(図6?1、6?2)を示す。
※膵に散在する膵石を認めました。
25.本症例のCTについて正しいのはどれか
a膵は腫大している。    b膵石を認める。    c主膵管の拡張はない。
d膵全体を占める陰影を認める。      e巨大膵のう胞を認める。
27.本症例で外分泌機能低下により起こった、糖尿病に対しインスリン治療行うことになった。正しいものはどれか?
a) 消化酵素阻害薬は血糖を上昇されるため使用しない
b) 禁酒が必要
c) カロリーや脂肪量を考慮する必要がある
d) 蛋白分解酵素阻害薬を使用する
e) 膵石は疼痛の有無にかかわらず外科的治療を行う
選択肢 1)a,b,c 2)b,c,d 3)c,d,e 4)a,d,e 5)すべて

慢性膵炎の画像診断 ・・膵石あるいは膵内石灰化の存在 、膵管の不均等に分布する不均一な分岐 、膵管の不規則な拡張
 25.<解答>c     27.<解答>2


29.消化吸収について正しい組み合わせはどれか。
a.十二指腸膵頭切除をした症例では、鉄の主要吸収部位が主に十二指腸のため、 鉄欠乏性貧血を起こしやすい
b.脂溶性ビタミンとビタミンB12以外の水溶性ビタミンは主に空腸から吸収される。
c.カルシウムは能動的に上部小腸で吸収されビタミンEはカルシウムの吸収を促進する。
d.胆汁酸の主たる吸収部位は空腸である。
1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.d,a 5.全部

解答 1


30.膵癌について正しい記述はどれか。
a.組織型では腺房細胞癌が最も多い
b.膵頭部癌では黄疸、膵尾部癌では腹部、体重減少が見られることが多い
c.膵癌の化学療法では、現在5-FUやgemcitabineなどが用いられている
d.血清エラスターゼ1は、膵癌による膵管の閉塞を反映して高値となる
e.一般に血中腫瘍マーカーは膵癌の治療判定に有用でない
1.bc 2.bcd 3.cde 4.bde 5.abe

解答2 a× 腺房細胞は稀。導管系(膵管上皮系)が殆ど。b〇 c? d〇 e×


31.正しいものを選べ
a.心不全によるうっ血は門脈周囲に多い
b.体質性横断では肝臓は黒褐色を呈することがある
c.脂肪性肝炎では肝硬変へ進行することがある
d.特発性門脈圧亢進症では中心静脈の線維化が特徴である
e.輸血による過剰な鉄は血管内皮細胞が取り込む
1.a,c,e 2.b,c,d 3.a,d 4.b,c 5.すべて

解答4 a×中心静脈に多いd×門脈域の繊維性拡大


32.以下から正しいものを選べ
a.グリソン鞘には、肝動脈、門脈、胆管がある。
b.肝臓にはリンパ組織がない。
c.
d.肝細胞には、胆管細胞に比べてミトコンドリアが多い。
e.肝細胞の異物を貪食するのは伊東細胞である。
選択枝 非典型的でした。

a〇 e× 伊藤細胞→クッパー細胞
33.正しいものを選べ
a. 日本住血吸虫は、胆管内に虫卵が寄生している
b. 免疫抑制状態でサイトメガロウイルスは、肝細胞に感染する
c. 結核はびまん性に乾酪類上皮性肉芽腫をつくる
d. アメーバ性肝膿瘍は、膿瘍内にアメーバ原虫がいる
e. C型肝炎では核内封入体が見られる
1.ace 2.bcd 3.ad 4.bc 5.すべて

解答4
a× 門脈に寄生し、血管内で産卵する。虫卵は腸の血管に詰まり、虫卵を含んだ腸粘膜が脱落する。これによって虫卵は糞便とともに排出される。c〇 d×?


34.57歳男性、飲酒歴あり、腹痛を主訴に来院した。血液検査でリパーゼ・アミラーゼの上昇をみとめ、腹部CTにて膵尾部にのう胞をみとめた。二ヵ月後、増大傾向が続いていたため、手術がおこなわれた。病理組織を示す。(弱拡大と強拡大の二枚)正しいものをえらべ。
a.上皮で覆われている
b.上皮で覆われていない。
c.摘出せずに消化管と吻合が行われることもある。
d.
e.自然に消失することはない。
1(a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e)

解答 3
a×b〇c〇 内部の液体を消化管内に排泄する膵仮性嚢胞は上皮を欠く。
6w以上経過すると自然消失は期待できない。


35.膵管内乳頭粘液性腫瘍について正しい組み合わせを選べ
a. 膵管上皮由来の腫瘍である
b. 膵管内だけでなく周辺膵実質に浸潤することもある
c. 中年女性では膵尾部に多い
d. 10歳以下の小児、特に男児に多い
e. 一般に腫瘍は主膵管との交通はない
1. ab 2. ae 3. bc 4. cd 5. de

解説
講義プリントによれば、膵管内乳頭腫瘍は60〜70歳の男性に多く、膵頭部に多い、膵管系との交通はある。だから、a.○?b.○?c.×d.×e.×ということになるのかな?(要確認)
コメント 粘液性嚢胞腫瘍・膵管内乳頭腫瘍を比較して調べるといいかもしれない。でも、はっきりいって、STEP・YearNoteのLevelではない。余力のある人は、医学雑誌で探してください。


36.胆嚢癌について正しい組み合わせをえらべ。
a胆嚢癌は原発性腺癌が多い。
b胆嚢コレステロールポリープは前癌病変である。
c胆嚢癌の肉眼所見は陥凹型が多いので穿孔しやすい。
d胆嚢癌は胆汁産生するため、下痢をきたしやすい。
e胆道膵管合流異常は胆嚢癌のリスクを増大させる。
1ab 2ae 3bc 4cd 5de

解答2


37.細菌性肝膿瘍について正しいものを選べ
a. 起炎菌はグラム陽性菌が多い          b. 早期から黄疸を来す
c. 感染経路は、経胆道性が多い          d. アメーバ性に比し、多発性が多い
e. 保存的治療で軽快することが多い
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

解答 4)cd      類題が平成14年概説にあります。


38.肝臓の解剖について正しいものを選べ。
a. cantlie線は門脈と下大静脈を結ぶ線である。
b. 肝前区域とはS5区域とS8区域を含む。
c. 肝円索とは胎生期の肝静脈の名残である。
d. 肝十二指腸間膜内には肝動脈・総胆管・門脈・下大静脈が走行する。
e. 右肝動脈が上腸間膜動脈起始部より分岐する変異が20%の頻度で見られる。
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

解答3      a×門脈→胆嚢窩 b〇 c〇 d×下大静脈は無い e×そんなに多くなかったような…


39、多胞虫症について正しいものを2つ選べ
a.近畿地方に多い。
b.診断には生検が必要である。
c.症状が現れるのは約6ヶ月後である。
d.CTで石灰化が特徴的である。
e.根治するには、肝切除が必要である。
1ab 2ae 3bc 4cd 5de 

解答5       a×北海道に多いe〇


40.肝血管腫について正しいものを選べ
a.40〜50歳の男性に多い。
b.超音波ではbull's eye signを示す。
c.Kasabach Merritt症候群を呈する場合、手術をすることが多い。
d.血管造影では、綿花様所見を呈する。
e.AFPが高値となる。
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

解答4


41.肝細胞腺腫について正しいもの選べ
a.経口避妊薬と関連がある         b.高分化型肝細胞癌との鑑別は難しい
c.悪性化はない                  d.CTにて辺縁に石灰化を認めることが多い
e.破裂や腫瘍内出血をきたしやすい
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde

解答?   a〇 c×悪性化の傾向有りe〇


42.肝内胆管癌について正しいものを選べ。
a)30〜40歳の男性に多い。
b)嚢胞腺癌が多い。
c)病理組織所見で胆汁産生を認める。
d)血清CEAが高値である。
e)選択的動脈造影で濃染像を認める。
(1)a (2)b (3)c (4)d (5)e

解答4     a×60歳以降が好発年齢。男女差は無い b腺癌が多いが… c×? d〇


45.原発性肝癌について正しい組み合わせを選べ。
a.日本では成因としてB型肝炎が多い
b.胆管細胞癌で比較的予後がよいのは、胆管内発育型である。
c.肝細胞癌の転移は肝内が最多である。
d.肝細胞癌は胆管細胞癌より予後が良い
e.肝細胞癌は病巣を切除すれば、再発はマレである。
(1)abc (2)abe (3)ade (4)bcd (5)cde

解答4         a× C型が多い b〇 c〇 d〇 e×多中心性を呈す


46. 肝細胞癌について正しいものを選べ
a. エコーにおけるbull's eye signが特徴的である
b. 単発、最大腫瘤径3cm、脈管侵襲なし、であればstage2である
c. 肝切除後中の出血を減少させるにはPringle法が有用である
d. 門脈本幹への腫瘤塞栓を伴うものには肝動脈塞栓が良い適応である
e. IcG(15分値)35%であれば肝右葉切除が可能である
1) acd 2) ab 3) bc 4) e 5) a-e のすべて

選択肢はちょっと疑わしいですが、b,cが○でその他は×です


47.リピオドリゼーションについて正しいものはどれか。
a.胆嚢炎を生じることがある。
b.被膜浸潤部への効果はあまり期待できない。
c.Child C症例には行えない。
d.門脈本幹への腫瘍塞栓を伴うものには禁忌である。
e.初期の高分化肝癌に対して有効。
1)acd  2)ab  3)bc  4)dのみ  5)a-eすべて

解答?  a〇 b〇


48 脳死移植について正しいものを選びなさい。
a.脳死とは脳幹を含めて脳全体の機能が失われた状態をいう。
b.法的脳死判定は6時間以上の間隔を置いて2度行われる。
c.脳死者の家族といえども優先的に移植を受けられない。
d.年齢に関係なく臓器を摘出できる。
e.臓器移植に対して、脳死者の家族は反対できない。
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde

解答 1
解説 a.○b.○c.○d.×→15歳以上でないと適応がない e.×→家族の同意が必要である。


49. 肝移植について正しいものを選べ。
(a) 肝移植後の生存率はアザチオプリンの登場で劇的に改善した。
(b) 多発性肝嚢胞は肝移植の対象疾患である。
(c) 肝移植後のHCV再発率は脳死肝移植よりも生体肝移植の方が高率である。
(d) 劇症肝炎に対する肝移植による救命率は80%を超える。
(e) Milan基準とは「肝細胞癌7cm以下1個、もしくは5cm以下3個以内」である。
1. abc 2. abe 3. ade 4. bcd 5. cde

解答1  a〇 e×


51.次の文章のうち、誤っているものの組みあわせを選べ
a 肝硬変患者の吐血のほとんどは食道胃静脈瘤によるものである
b 腎機能障害は内視鏡的硬化薬注入療法(EIS)の合併症としてみられる
c 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)はEISに比べて合併症が少ない
d 胃静脈瘤にb-RTOは有効である
e 食道胃静脈瘤から活動性出血を認めるときのEVLは無効である
1(a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e)

<解答>
<解説>
a × 門脈圧亢進に伴う静脈瘤の出血よりも、血小板減少による出血が主
b ○ 薬理的には硬化剤自体の腎毒性がある。また物理的には硬化剤が腎に飛んでおこりうる。しかし薬は経静脈的には肺にトラップされるので、腎障害は、誤って動脈に薬が入ったときのほうが起こりやすい
c ○ 粘膜を縛るだけなので、特に合併症はない。あるとしても食道狭窄くらいだが、ほとんど問題にならない。例えたくさん結紮したとしても術後すぐに食事は可能。だからこそ急性出血の第一選択であり、また高度の肝機能低下時や、全身状態が悪い症例の適応がある。しかし合併症はほとんどないが、再発が多いことと、効果の確実性が劣ることが難点
d ○ B-RTOとはバルーン下逆行性経静脈的胃静脈瘤閉塞術のこと。胃腎短絡路を閉塞させる治療法で、そもそも胃穹窿部静脈瘤に対して開発された治療法
e × 出血予防だけでなく、破裂した静脈瘤にもEVLは第一選択。むしろ急性出血の第一選択です。(因みに予防では施設にもよるがEISが第一選択)それでも血が止まらなければSb管を用いる。
52腹腔鏡下手術について正しいものはどれか。
a.腹腔鏡の気腹ではヘリウムガスが多く使われている。
b.腹腔鏡下手術では気腹圧を高くして視野を十分に得ることが重要である。
c.気腹法では高炭酸ガス血症の副作用が多い。
d.以前に手術をしたことがある場合には開腹手術となる。
e.開腹下胆嚢摘出術よりも腹腔鏡下胆嚢摘出手術のほうが症例数が多い。
1abc 2bcd 3cde 4abe 5ade

解答3 ※問題の復元があいまいです。すいません。


53.胆石症について正しい記載はどれか
a.胆石症の約80%は腹部単純レントゲン撮影にて陽性にでる。
b.ビリルビン結石は層状構造を示す。
c.中年女性に多い。
d.胆石非合併例に比し、胆嚢癌の合併率が多い
e.腹部超音波検査での検出率は30%である。
1a,b 2a,e 3b,c 4c,d 5d,e

解答3   a×殆どの胆石はX線透過性 b〇 c〇 fatty forty female


54.肝内胆石症について正しいものを選べ。
a.最近我が国でも欧米並みの発症率となった。 b.胆管鏡にて90%治癒出来る。
c.胆管癌の合併率が高い。 d.胆管狭窄をともなうことが多い。
e.肝切除の適応はない。
1a,b 2a,e 3b,c 4c,d 5d,e

解答4  aアジアに多い b×再発がある e×


56.63歳女性、急な心窩部痛を主訴に来院、同様の痛みを三か月前にも自覚している。腹部単純写真と、超音波を示す。白血球7600/μl ast:35U/L T.bil:1.0mg/dl正しいものを選べ
a鎮痛剤で症状が取れたらその後手術の必要はない
b次の検査はercpである
c保存的治療で治癒する可能性は低い
dまずは非侵襲的な破砕療法を行う
e開腹手術の適応である

解答 たぶんc.
解説 画像がないのでなんとも言えませんが、選択枝的にたぶん胆石の問題でしょう。腹部単純写真が示されているということは、たぶん胆石が写っているのでしょう。 a. ? 胆管の拡張や大胆石などの徴候がなければ、手術を行わずとも保存的治療でも可能かも。ただ3か月前にも同様の痛みを自覚しているので、内科的治療を行っても疼痛発作を繰り返すようならば、手術の適応となる b. × 侵襲性の低いMR-cholangiographyによる胆管の描出が可能となったため、最近ではERCPはあまり行われない c. ○ 腹部単純Xrで石灰化を検出するには5%以上のCa含量が必要なので、この場合はCa含量の多い結石であると予想されます。よってビリルビンCa石、炭酸Ca石、混成石が考えられ、純コレステロール結石は除外され、経口胆石溶解剤は適応になりませんESWLの適応は@腹部X線で石灰化(-) A胆石が三個以下、直径2.5cm以下 B胆嚢機能良好(造影される)なので石灰化があるこの症例には適応外です。よって内科的治療による治癒は難しいと思われます。治療するなら外科的治療でしょう d. × 上記のように適応外 e. × 腹腔鏡の適応なら腹腔鏡で行う


57.70歳男。
(画像)ERCPにて胆管内に結石によると思われる透亮像と胆管の拡張が見られる?
正しいものを選べ。
1.保存的に治療を行う。         2.破砕術が第一選択である。
3.38度の発熱とビリルビンが3以上の時は緊急手術を行う。
4.症状がなくても手術を勧める。  5.手術は分流手術を行う。

解答 3. 4 ?
解説 1. × 無症状の状態では胆嚢癌の高危険群(胆膵管合流異常症・3cm以上の大胆石・陶器様胆嚢・石灰乳胆嚢の合併)を除き原則的には治療を要さない。この症例で胆管の拡張が見られるようなので、何らかの処置(たぶん手術)が必要と考えられます。大体、ERCPまで行っているのだから症状もあるのでしょう。@疼痛発作が内科的にコントロール出来ない時 A閉塞性黄疸、胆嚢炎などの合併症が重篤なとき は手術の適応となります。2. × 4. ○ 閉塞所見があるので手術を勧めるべきと思われます 3はあってるらしいです。5. × 分流手術は膵・胆管合流異常症の場合に行う手術です。


58.臓器移植について間違っている組み合わせを選びなさい。
a.脳死とは脳幹を含めて脳全体の機能が失われた状態である
b.植物状態とは脳幹の機能があり、自発呼吸を認め、まれに回復する事がある
c)法的脳死判定は1回行う。
d.心停止後腎移植は本人の意思がなくても家族の承諾があれば移植は可能である
e.図11のカードを保持していれば家族の承諾がなくても心停止後移植は可能である。
1ab 2ae 3bc 4ce 5de

解答 4.
解説 c). 1回目の判定終了時点から6時間以上経過をみて変化がないことを確認したうえで2回目の判定が開始される。2回目の脳死判定終了時をもって脳死と判定される。


55.急性胆道感染症について正しいものを選べ。
a.胆嚢の3層構造は、急性胆嚢炎のecho所見である。
b.経皮経肝胆嚢ドレナージは、急性胆嚢炎の治療の一つである。
c.急性閉塞性化膿性胆管炎は抗生剤によく反応するので、まずは、薬剤による保存的治療を試みる。
d.胆道感染の起炎菌としてはグラム陽性球菌が多い。
e.経十二指腸逆行性胆道感染は、胆道感染の経路として重要である。
1)abc,2)abe,3)ade,4)bcd,5)cde

解答 2)
解説 c. 敗血症性ショック、DICからMOFへと進展し重篤化するため、早期に胆道内圧の改善と抗生物質投与を行う d. 大腸菌が最多。次いで、クレブシエラ、他には嫌気性菌。


60. 膵・腎同時移植について正しいものを選べ。
a. 膵臓は2つに分け、腎臓と共に別々のレシピエントに移植する。
b. 摘出した膵臓はレシピエントの腸骨窩で腸骨動静脈と血管吻合し、移植する。
c. 膵液のドレナージ法には、消化管ドレナージ法と膀胱ドレナージ法がある。
d. 移植後すぐに内・外分泌機能が再開されることはない。
e. 本邦で生体膵移植が行われたことはない。
1(ab) 2(ae) 3(bc) 4(cd) 5(de)

解答 4or5 c. ○ e. ○ 全て脳死か心停止後(1999年時点)


61. 次の中から誤ったものを選びなさい。
a. 胆汁酸が減ると脂肪吸収障害がおこる。
b. ビタミンKの吸収には胆汁酸が必要である。
c. ウルソデオキシコール酸の経口投与でビリルビンカルシウム石を溶解しうる。
d. 原発性胆汁性肝硬変に対してキノデオキシコール酸が有効である。
e. 胆汁外瘻はコレステロール合成を促進する。
1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解答 4.
解説 a. ○ 胆汁酸は分泌されると、腸内で食事中の脂質と複合ミセルを形成し、膵リパーゼを活性化し、脂質と、脂溶性ビタミンの消化吸収を助ける(ちなみに 脂溶性ビタミンとビタミンB12以外の水溶性ビタミンは主に空腸から吸収される。)b. ○ Vit.Kは脂溶性の分子であるために,その吸収には胆汁が適切に分泌されている必要がある。 c. × ウルソはミセルを形成せず、コレステロール系の胆石を溶解する。 d. × PBCにはウルソを用いる。


63.間違いを2つ選べ。
(ア)心窩部中央にHead圧痛点がある。
(イ)下部胆道悪性腫瘍によりcourvoisier徴候がでる。
(ウ)Caput Medusaeは門脈圧亢進症により起こる。
(エ)AOSCでは、緊急胆道ドレナージが必須だ。
(オ)胆汁酸は空腸で吸収される。

解答 (ア)(オ)が×で(2)が正解。
解説 (ア)圧痛点:Head点[右季肋部で第9肋軟骨付着部と臍を結ぶ線と右腹胸骨縁線との交点] Solar点[心窩部中央] Mayo-Robson点[臍の右上方] G点(沢田点)[右第7肋間で右乳腺より2横指外側] (イ)Courvoisier徴候:三管合流部以下の悪性腫瘍による胆嚢腫大で、胆汁鬱滞により腫大した胆嚢を無痛性に触知すること (オ)回腸末端で能動輸送により再吸収(95%)肝でまた代謝を受けて胆汁へ分泌される。


65. 誤っているものの組合せを選べ
a. 肝不全時の高アンモニア血症で羽ばたき振戦がみられることがある。
b. 肝硬変症では右葉の萎縮と左葉の腫大が認められる。
c. コレスチラミンは、コレステロールの合成を抑制する。
d. 閉塞性黄疸の閉塞部位の診断には経静脈的胆道造影を行なう。
e.Mirizzi症候群では、閉塞性黄疸をきたす。
1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de

解答 d
解説a. ○ b. ○ こうもり型(flying bat pattern)をしめす c. × 腸管内で胆汁酸と結合してその糞中排泄量を増大させることにより,コレステロールを低下させる薬剤。合成を抑制するわけではない。 d. × 閉塞性黄疸の場合は経口・静注法では造影されないことが多いため、PTC(経皮経肝胆道造影)が行われる e. ○


66.間違いをひとつ選べ。
1.Calotの三角は胆嚢管、総肝管、肝下面により構成される。
2.主膵管と総胆管は通常十二指腸壁内で合流する。
3.総胆管は副膵管の背側を走行する。
4.肝十二指腸間膜で最も大きいのは門脈である。
5.リプレイスド右肝動脈は肝十二指腸靭帯の正中側を走行する。

解答 2.? 
解説 1. ○ この中を胆嚢動脈が通っている(http://imperial-web.hp.infoseek.co.jp/calot.jpg)
2. × 胆膵管膨大部で合流し、十二指腸壁を貫いて大十二指腸乳頭に開口する 3.○ 4.○ 5.?


67.胆石症について誤っているものを一つ選べ。
a、胆石による胆嚢結腸婁では、胆管内ガス象を認める。
b、胆石が乳頭部にカントンして起こる膵炎を胆石膵炎という。
c、腸管に排泄された胆石によるイレウスを胆石イレウスという。
d、胆嚢炎にガス産生菌感染を伴うと黄色肉芽腫性胆嚢炎という。
e、胆嚢穿孔により胆汁性腹膜炎を起こす。
1,a 2,b 3,c 4,d 5,e

解答 d.  気腫性胆嚢炎と言う


68.AOSC(急性閉塞性化膿性胆管炎)について間違ったもの一つはどれか。
a AOSCではエンドトキシン血症が惹起される。
b 胆嚢摘出術が適応である。 c 原因として胆管結石の嵌頓が多い。
d 老人では症状呈さず、重症化しうる。 e 起炎菌は大腸菌が多い。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

解答 b.  敗血症性ショック、DICからMOFへと進展し重篤化するため、早期に胆道内圧の改善と抗生物質投与を行う。First choiceはPTCD


69.胆嚢ポリープについて間違った記述を一つ選べ
a.コレステロールポリープが最も多い b.悪性ポリープは15mm以上のものが多い
c.多発ポリープは胆嚢癌に多い d.悪性ポリープは無茎性のものが多い
e.良性悪性の鑑別のために術中迅速診断が行われることがある

解答 c. 5mm以下の多発する隆起はコレステロールポリープである
解説 b. × 胆嚢隆起性病変において、径10mm以下では90%が良性に対し、10~20mmでは30%が悪性であり、20mm以上では悪性を考える d. 有茎性が良性、広基性は悪性であることが多い


70. 膵胆管合流異常症について誤ったものを一つ選べ。
a  東洋人、女性に多い。 b.  短い共通管が特徴である。
c  先天性胆道拡張症を合併することが多い。 d  胆道癌の発生が多い。
e  胆管拡張のないものは、胆嚢摘出術の適応である。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

解答 b. 
解説 b. 胆管と膵管が括約筋の作用が及ばない十二指腸壁外で合流する先天異常で、共通管が長い。共通管の長さで診断する e. ○ 胆道拡張のないものは胆嚢に癌が多い 


72.胆管癌について間違っているもの一つ選べ。
a.女性に多い
b.非切除例ではステント挿入の適応となる。
c.肝門部胆管癌をKlatskin腫瘍という。
d.下部胆管癌ではCourvoisier徴候を認める。
e.下部胆管癌では(幽門輪温存)膵頭十二指腸切除の適応となる。
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e

解答 a. 50歳以上に多く、2:1で男性に多い


74.慢性膵炎について間違ったものはどれか。
a.腫瘤形成性膵炎と膵癌の鑑別は難しい。
b.主膵管?ごめんなさい、思い出せません。
c.膵実質に存在する膵石は体外衝撃波の適応である。
d.慢性膵炎に対する手術としてFreyの手術がある。
e.炎症性腫瘤が膵頭部にある時には膵頭十二指腸切除術の適応となる。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e
(解答)3)c 2003卒試52参照


75.膵癌について間違ったものはどれか。
a.大動脈周囲リンパ節転移のあるものは外科切除術適応ではない。
b.肝転移例は外科切除適応ではない。
c.胃十二指腸動脈浸潤例は外科切除非適応である。
d.癌性疼痛に対して腹腔神経叢ブロックが適応となる。
e.術中照射は腫瘍の縮小とともに除痛効果が期待される。
1)a 2)b 3)c 4)d 5)e

答えは3)のcです。2003年度卒試の53番とほぼ同じ


77.(乳頭部癌における?)幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の合併症について誤っているものを選べ。
a. 糖尿病 b. 膵液ろう c. 仮性動脈瘤 d. 逆流性胆管炎 e. 胆汁性肝硬変
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e

解答 5.
解説 a. 術後晩期に10~20%で糖尿病を生じる c. 血管の縫合不全による d. 術後晩期に10~20%で逆行性胆管炎を生じる。膿瘍に至ることもある


79.70歳女性。生来健康であった。右季肋部痛と黄疸を訴えて来院した。ERcPを行ったところ、図13の所見を得た。考えられる疾患はどれか?
1.胆石症 2.胆嚢癌 3.総胆管結石 4.総胆管癌 5.原発性硬化性胆管炎

解答 画像は下部胆管の陰影欠損と上部胆管の拡張がありました。似たような画像を探してみましたが、year note ATLAS(2nd edition)のP66の胆管癌のPTcの画像に似てました。たぶん答えは4と思います。


80.30歳、女性。腹痛を主訴に来院。ERcPにて図14の像をえた。診断はどれか。
  a.十二指腸憩室 b.膵石 c.膵・胆管合流異常 d.膵頭部癌 e.pancreas divisum
(1)a  (2)b  (3)c  (4)d  (5)e


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