脊椎・運動器 平成15年度概説試験

平成16年2月9日実施(120分)
ちなみに、追試は誤植も含め本試験と全く同じだったそうです。

【1】脊椎に関する記載のうち、正しい組み合わせを 一つ選べ。
(1)生理的には、頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯を有している。
(2)環椎破裂骨折では、環軸椎間脱臼による脊髄麻痺が発生する。
(3)後縦靭帯骨化症では、食道の圧迫による嚥下困難が発生する。
(4)L4/5の椎間板ヘルニアでは、脊髄の圧迫は生じない。
(5)腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行の発症には、黄靭帯による圧迫が関与している。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 c
(3)後縦靭帯は、椎体より後にある
(4)脊髄の下端は、L1〜L2にある

【2】骨盤に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)骨盤は、癌の骨転移の最好発部位である。
(2)内腸骨動脈が閉塞すると、下肢は壊死に陥る。
(3)梨状筋による圧迫で、坐骨神経痛が発生する。
(4)スポーツで大腿二頭筋に過度の緊張が加わると、坐骨結節剥離骨折が発生する。
(5)スポーツで大腿直筋に過度の緊張が加わると、下前腸骨棘剥離骨折が発生する。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 e
(1)癌の骨転移の最後発部位は脊椎
(2)下肢に行く大腿動脈は内腸骨動脈ではなく、外腸骨動脈につながっている。

【3】股関節に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)大腿骨頸部外側骨折では、大腿骨頭壊死は発生しない。
(2)X線所見における関節裂隙の狭小化は、関節軟骨の摩耗・消失によるものである。
(3)変形性股関節症における嚢胞形成は、関節軟骨の摩耗よりも先に発生する。
(4)大腿骨頭壊死症は、大腿動脈の閉塞によって発生する。
(5)大腿骨頭壊死症は、進行すれば変形性股関節症に移行する。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 b
(1) 大腿骨頚部の内側骨折、外側骨折というのは、大腿骨頭の栄養血管より外側か内側かにより決まってい るので、内側骨折の時には血管が途中で切られ、骨頭壊死が起こるが、外側骨折では、骨頭に行く血管 は切られないため、壊死は起こらない。
(3)関節軟骨がかなり失われ、関節裂隙が消失したころ嚢胞形成も起こる。

【4】膝関節に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)腓骨頭への圧迫により、坐骨神経麻痺が発生する。
(2)長距離陸上選手の腸脛靭帯炎では、膝蓋骨の裏面に疼痛が発生する。
(3)短距離陸上選手の大腿四頭筋断裂では、膝の伸展ができなくなる。
(4)ジャンパー膝では、膝蓋靭帯に痛みが発生する。
(5)膝関節痛を有する患者では、大腿四頭筋の萎縮が発生する。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 e
(1) 腓骨頭の圧迫では、坐骨神経から分かれた腓骨神経の麻痺が起こる。
(2) 腸脛靭帯炎では大腿の外側が痛む

【5】解剖と疾患の関連について、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)最も痛風発作が発生しやすい部位は、母趾の中足趾関節(MTP関節)である。
(2)足背動脈の触知により、脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症の鑑別ができる。
(3)鎖骨骨折により、腕神経叢麻痺が発生する。
(4)キーンベック病は、舟状骨の壊死性疾患である。
(5)腱板断裂では、肘の屈曲ができなくなる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 a
(2) 閉塞性動脈硬化症では、動脈は触知されない。
(4)キーンベック病とは、月状骨の壊死性疾患のことである。
(5)腱板断裂では肩を上げることができなくなる。

【6】骨の発生と成長について誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)内軟骨性骨化が起こるが、膜性骨化は起こらない。
(2)軟骨原基に最初に血管が侵入する部位は中央部である。
(3)縦の成長は成長軟骨板で行われる。
(4)モデリングがおこる。
(5)2次骨化中心は骨幹部におこる。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

解答 b
(1) 内軟骨性骨化も、膜性骨化も共に起こる。
(4)モデリングでは、骨の形態の変化が起こる。(リモデリングでは、形態は変化しない。)
(5)2次骨化中心は骨端部に起こる

【7】骨の構造について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)海綿骨の骨単位はオステオンである。
(2)オステオンの中心にはハバース管がある。
(3)パケットには栄養血管はない。
(4)線維性骨は成人では見られない。
(5)胎児骨は層板骨である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

解答 c
(1) 海面骨の骨単位はパケットで、皮質骨の骨単位がオステオンである。
(2) ハバース管内に栄養血管が通っている。
(3) パケットは骨髄により栄養される。
(4) 繊維性骨は、骨折の時など急速に骨形成が起こるときに成人でも見られる。
(5)胎児骨は繊維性骨である。

【8】骨の組成について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)ミネラルはハイドロキシアパタイト結晶として存在する。
(2)基質はほとんどオステオネクチンである。
(3)骨形成の主役は骨細胞である。
(4)骨吸収の主役は破骨細胞である。
(5)骨細胞は細胞突起でお互いに連絡している。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 c
(2)基質は90%がコラーゲンである。
(3)骨形成は骨芽細胞によって主に行われる。

【9】骨折治癒過程における時期の順番で正しいものを一つ選べ。
a.修復期→炎症期→骨改変期
b.炎症期→骨改変期→修復期
c.炎症期→修復期→骨改変期
d.骨改変期→修復期→炎症期
e.骨改変期→炎症期→修復期

解答 c

【10】関節軟骨について誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)表層にtidemarkがある。
(2)包水力を担うのはU型コラーゲンである。
(3)プロテオグリカンとヒアルロン酸はつながっている。
(4)関節軟骨細胞への栄養は主に滑液にて行われる。
(5)部分欠損は自然治癒しない。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

解答 a
(1) tidemarkがある場所は、表層というよりは深層の軟骨下骨に近く、radial zoneとcalcified zoneの境に ある。
(2) 包水力をになうのはプロテオグリカンである。
(5)軟骨下骨に至り出血するという完全欠損で修復反応が始まり、繊維性軟骨に置き換わる。

【11】良性骨腫瘍に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)線維性骨異形成は、単純X線で骨膜反応を呈する。
(2)血管腫は、手指の骨に好発する。
(3)内軟骨腫では、単純X線で石灰化が見られる。
(4)手術法は、病巣掻爬・骨移植でよい。
(5)類骨骨腫では、単純X線でnidus周囲に骨硬化像が見られる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 e
(1) 繊維性骨異形成はX線ではすりガラス様に見え、骨皮質の菲薄化・膨隆は見られるが、骨膜反応は見ら れない。
(2) 血管種は脊椎に好発する。
【12】悪性骨腫瘍に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)骨悪性線維性組織球腫は、中年以降に好発する。
(2)脊索腫は、仙骨に好発する。
(3)癌の脊椎転移では、単純X線で椎弓根の破壊と椎間板の狭小化が見られる。
(4)軟骨肉腫は、手術と化学療法による治療を行う。
(5)Ewing肉腫では、骨膜反応、白血球増多など骨髄炎同様の所見が見られる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 b
(3)椎間板は癌の転移では保たれる。(椎間板が保たれないのは化膿性脊椎炎の時)
(4)軟骨肉腫に化学療法は効かない。

【13】骨肉腫に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)化学療法では、シスプラチン、メソトレキサート、アドリアマイシン、イフォスファミドが使われる。
(2)5年生存率は、悪性度が高いにもかかわらず50%を越えている。
(3)患肢温存手術は、切断術に比べ生命予後が劣っている。
(4)術前化学療法の効果判定では、血清アルカリフォスファターゼ値の低下が最も信頼できる。
(5)大腿骨遠位が最好発部位である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 b
(3)患肢温存手術と切断術は、生命予後はほとんど変わらない。
(4)標本での壊死率が化学療法の効果判定に最も信頼できる。
(5)大腿骨遠位、脛骨近位、上腕骨近位の順に頻度が高く、長官骨の骨幹端部に好発する。

【14】軟部腫瘍に関する記載のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)外来で脂肪腫と思って摘出したら悪性腫瘍と判明。早期に追加手術を行うべきである。
(2)触診でつま先立ちしたときの腓腹筋の硬さであれば、「弾性硬」と表現される。
(3)針生検(core-needle biopsy)では、組織型の同定が可能である。
(4)表在筋膜より浅いところにある腫瘍は、悪性のものが多い。
(5)悪性軟部腫瘍の転移様式は、ほとんどリンパ節転移である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 a
(2)悪性腫瘍の多くは、弾性硬である。
(3)針生検のうち、穿刺吸引細胞診では、良悪性の診断しかできないが、組織片採取では、組織型の同定が できる。
(4)表在筋膜より深いところに悪性が多い。
(5)悪性軟部腫瘍の転移様式は主に血行性転移であり、ほとんど肺に転移する。

【15】軟部腫瘍について、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)滑膜肉腫では、単純X線で静脈石が見られる。
(2)悪性線維性組織球腫の手術では、辺縁切除縁を確保する必要がある。
(3)横紋筋肉腫は、化学療法の絶対的適応である。
(4)平滑筋肉腫術後の局所再発後に治癒的広範切除を行った。救命の確率は非再発例に比べ劣る。
(5)悪性軟部腫瘍は、大腿が好発部位である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 e
(1)血管種でX線で静脈石(小円形の石灰化)が見られる。石灰化自体は、滑膜肉腫でも起こる。
(2)悪性繊維性組織球腫では、広範切除縁以上の確保が必要である。
(3)横紋筋肉腫のほか、ユーイング肉腫、PNETなどの小円形細胞肉腫や骨外性骨肉腫も化学療法の絶対的 適応である。
(4)悪性腫瘍の再発があると、遠隔転移の確率も高く、それが死因になることが多い。
(5)悪性腫瘍は、体幹と下肢に多く、特に大腿が好発部位である。

【16】長管骨の骨端部に好発する腫瘍はどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)骨巨細胞腫
(2)アダマンチノーマ
(3)骨肉腫
(4)軟骨芽細胞腫
(5)内軟骨腫
a(1)(2)  b(1)(3)  c(1)(4)  d(2)(3)  e(2)(4)

解答 c
(2)脛骨に好発する。
(3)骨肉腫は骨幹端部に好発する。
(5)大部分は、手の中手骨、指節骨などの短骨に発生する。

【17】巨細胞の出現する骨腫瘍ないし腫瘍類似病変はどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)軟骨芽細胞腫
(2)ユーイング肉腫
(3)骨巨細胞腫
(4)動脈瘤様骨嚢腫
(5)骨軟骨腫
a(1)(3)(4)のみ  b(1)(2)のみ  c(2)(3)のみ  d(4)のみ  e(1)〜(5)のすべて

解答 a

【18】小円形細胞を主体とする腫瘍はどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)骨悪性線維性組織球腫
(2)悪性リンパ腫
(3)ユーイング肉腫
(4)間葉性軟骨肉腫
(5)脱分化型軟骨肉腫
a(1)(2)(3) b(2)(3)(4) c(3)(4)(5) d(1)(3)(4) e(1)(4)(5)
解答 b

【19】骨肉腫について誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)長管骨の骨幹端部に好発する。
(2)腫瘍細胞が類骨を産生するものを骨肉腫と定義する。
(3)血管拡張型骨肉腫は動脈瘤様骨嚢腫と鑑別を要する。
(4)傍骨性骨肉腫は通常型骨肉腫に比較して予後不良である。
(5)骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍の中では軟骨肉腫に次いで2番目に多い。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

解答 e
(4)傍骨性骨肉腫は通常の骨肉腫より予後良好である。
(5)骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍で最も多い。

【20】以下の骨腫瘍ないし腫瘍類似病変と組織学的所見の組み合わせで正しいものを一つ選べ。
(1)小細胞性骨肉腫___Homer Wright rosette
(2)軟骨肉腫______Tumor osteoid
(3)脊索腫_______Physaliferous cell
(4)軟骨芽細胞腫____Chicken-wire calcification
(5)線維性骨異形成___Langerhans' type histiocyte
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

解答 d
(3)Chicken-wire calcificationとは、鶏のとさかのような形に細胞1個1個に小さな石灰化が起こることを 意味する。
(4)Physaliferous cellは、細胞質に空胞をたくさん持つ大型の細胞のことである。

【21】骨移植について、正しいものの組み合わせを一つ選べ。
(1)移植母床の血行、移植骨の固定性のいずれもが骨移植成功の条件である。
(2)自家骨移植後、移植骨内の細胞はほとんど死滅する。
(3)移植母床に含まれるBMPにより間葉系細胞が骨形成能をもつ細胞に分化する(osteoinduction)。
(4)移植骨内の細胞が移植母床内に侵入し、骨移植が完成する(osteoconduction)。
(5)異種骨移植はほとんど用いられない。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5) f(1)〜(5)のすべて

解答 b
(1)他にも軟部の瘢痕などが少ないことや、感染をさせないことなども骨移植成功の条件である。
(2)表層の一部は、移植後も生き残る。
(3)BMPは、移植骨に含まれる。
(4)移植骨内の細胞は、ほとんど死滅し、移植母床に侵入することはない。移植母床の細胞が移植骨内に侵 入する。

【22】骨移植の適応となる疾患について、正しいものの組み合わせを一つ選べ。
(1)先天性脛骨偽関節症の治療では、同種骨移植が用いられる。
(2)良性骨腫瘍の治療では、血管柄付き骨移植が用いられる。
(3)脚長差補正、変形矯正の治療では、創外固定器が用いられる。
(4)離断性骨軟骨炎の治療では、自家骨軟骨移植(モザイク・プラステイ)が用いられる。
(5)microsurgeryによる足趾移植(toe transfer)は、自家複合組織移植である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5) f(1)〜(5)のすべて
解答 e
(1)血管柄付きの腓骨が使われるという自家骨移植が行われる。
(2)血管柄付き骨移植は、広範な骨欠損の時に用いられる。良性骨腫瘍では、それほど広範な欠損が生じる ことは少ないので、血管柄付き骨移植は用いられない。

【23】同種骨移植について、正しいものの組み合わせを一つ選べ。
(1)同種保存骨移植の臨床成績は、同種新鮮骨移植よりもすぐれている。
(2)脱蛋白を行うことにより、移植骨の質が向上する。
(3)移植骨内の細胞が生きていなくても、骨移植は完成する。
(4)同種保存骨移植では、免疫抑制剤は使用しない。
(5)自家骨移植よりも大きな骨欠損を補填できる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5) f(1)〜(5)のすべて
解答 ?
(1)○移植骨の細胞成分には、抗原性があり、また移植骨の細胞成分がなくてもBMPにより移植母床から、 骨形成能を持つ細胞が出てくるため、移植骨の細胞を死滅させる保存骨移植の方が骨移植の成績は良い。
(2)×骨移植にはMTP蛋白が重要な役割を果たしているため、脱蛋白を行うと、移植骨の質は低下する。
(3)○
(4)○
(5)○

【24】骨移植のかわりに用いられる医用材料について、正しいものの組み合わせを一つ選べ。
(1)骨肉腫に対する広範切除後の再建に、人工関節が用いられる。
(2)椎体切除後の再建に、チタニウム・ケージが用いられる。
(3)良性骨腫瘍掻爬後の空洞の充填に、ハイドロキシアパタイトが用いられる。
(4)人工骨は、骨銀行からは供給されない。
(5)人工骨の使用頻度は、しだいに増加してきている。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5) f(1)〜(5)のすべて
解答 f
(3)ハイドロキシアパタイトは、腸骨から移植用の骨をとった後のスペーサーとしても用いられる。
(4)骨銀行は、同種骨を保存する施設である。

【25】骨粗鬆症を基盤として発生する骨折はどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)踵骨骨折
(2)舟状骨骨折
(3)膝蓋骨骨折
(4)大腿骨頚部骨折
(5)脊椎椎体圧迫骨折
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 e

【26】T型コラーゲンの異常による疾患はどれか。正しいものを一つ選べ。
a.大理石骨病
b.Morquio症候群
c.骨形成不全症
d.軟骨無形成症
e.先天性脊椎・骨端異形性症 ※漢字の誤りで、異形性→異形成だと思います。
解答 c
a.大理石病では破骨細胞の機能不全による構造の異常がある。
b.morquio症候群は、ムコ多糖症W型である。
d.軟骨無形成症はFGFR3の異常で起こる。
e.先天性脊椎・骨端異形成症は、U型コラーゲンの異常により起こる。

【27】二次性変形性股関節症の原因として最も頻度が高いのはどれか。正しいものを一つ選べ。
a.骨盤骨折
b.Perthes病
c.臼蓋形成不全
d.転移性骨腫瘍
e.化膿性股関節炎
解答 c

【28】変形性関節症にみられるX線所見はどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)骨棘
(2)骨硬化
(3)骨膜下骨吸収
(4)浸潤性骨破壊
(5)関節裂隙の狭小化
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答 b
変形性関節症では、骨嚢胞も見られる。

【29】長期維持透析患者に発生する末梢神経障害はどれか。正しいものを一つ選べ。
a.橈骨神経麻痩
b.尺骨神経麻痺
c.手根管症候群
d.腕神経叢麻痺
e.腓骨神経麻痺
解答 c アミロイドの沈着によって起こる。

【30】次のうち正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)脱臼と骨折が併存した場合、脱臼の整復を優先させる。
(2)外傷性脱臼で最も頻度が高いのは肩関節である。
(3)肩関節の脱臼では、前方脱臼が殆どである。
(4)外傷性脱臼の頻度は、小児よりも成人に多い。
a(1)(3)(4)のみ  b(1)(2)のみ  c(2)(3)のみ  d(4)のみ  e(1)〜(4)のすべて
解答 e
(4)5,6才の小児には脱臼はほとんど起こらず、骨折が起こる。

【31】次のうち正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)捻挫とは、靭帯損傷はあるが関節相互体の位置関係は正常位にあるものをいう。
(2)膝周辺損傷では、下腿壊死をきたす事のある膝窩動脈損傷の可能性あり、経過観察、処置が重要である。
(3)新鮮創内外の洗浄に生理的食塩水を使用するのは、殺菌力が無いため不適である。
(4)Golden Hourとは、受傷後12時間以内のことをいう。
(5)Golden Hour内で適切な創処理を行っても、一次的骨接合術は不可である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 a
(3)生理的食塩水を使う方が、正常細胞へのダメージが少ないため、生理的食塩水を洗浄に用いる。
(4)Golden Hourは、受傷後6〜8時間である。

【32】次のうち正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)Crush syndrome(挫滅症候群)は、救出直後の局所所見は打撲のみで、意識状態、全身状態も良好であ ることが多く、経過観察が重要である。
(2)Crush syndromeで、死に至るようなことは無い。
(3)脂肪塞栓は、通常受傷後1〜2日目に発症する。
(4)脂肪塞栓でも、脳、神経症状を来しうる。
a(1)(3)(4)のみ  b(1)(2)のみ  c(2)(3)のみ  d(4)のみ  e(1)〜(4)のすべて
解答 a
(2)Crush syndromeは、ショック、多臓器不全などの全身性障害を来たし、致死的である。

【33】次のうち正しいものを一つ選べ。
a.多発外傷時、最初のX線撮影にして確認すべき部位はつねに頭部である。
b.四肢骨折のX線撮影は、一方向のみで十分である。
c.四肢に神経症状が無くとも頸椎の損傷が疑われる場合、最初に撮影すべきX線は、頸部を動かさないよう にしての側面像である。
d.疲労骨折では、つねにX線上明確な所見が得られない。
e.疲労骨折は高齢者にもっとも多い。
解答 c
a多発外傷時、最初は、首を動かさずに頚部の側面像を取る。
b四肢骨折のレントゲンは、必ず2方向以上は取る。
e疲労骨折は繰り返し外力が加わった時に起こるもので、兵士や、駅伝選手に起こることが多い。

【34】次のうち正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)病的骨折とは、骨腫瘍の存在する部位に骨折をきたしたもののみをいう。
(2)疲労骨折は、若いスポーツマンに多い。
(3)偽関節とはいつまでも骨性癒合が起こらず、局所に異常可動性が証明され、骨折部の組織反応機転は沈静 化されているものをいう。
(4)不適切な治療が、偽関節をきたす大きな要因となりうる。
(5)例え小児といえども、自分自身の筋力によって骨折を来すことは無い。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 d
(1)骨腫瘍に限らず、骨粗鬆症や先天性骨形成不全など他の病気により骨が弱くなった時も、病的骨折とい う。
(5)自分の筋力で筋の起始部で、剥離骨折になることがある。

【35】骨幹端部に発生した、急性化膿性骨髄炎が最も進展しやすい部位はどこか。正しいものを一つ選べ。
a.関節内
b.骨端部
c.成長軟骨
d.骨膜下
e.骨幹部
解答 d
逆に成長軟骨がバリアーとなるので、骨端部を越えて関節内に進展することはあまりない。

【36】慢性化膿性骨髄炎について誤っているものを一つ選べ。
a.痩孔を有することがある。
b.しばしば軟骨壁に囲まれている。
c.抗生物質を静注しても病巣に届きにくい。
d.偽関節を伴う場合には血管柄付骨移植が有効である。
e.患肢を切断する場合がある。
解答 b     軟骨壁ではなく、骨壁に囲まれる。

【37】化膿性股関節炎について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)新生児に多い。
(2)片側発症が多い。
(3)最も多い起炎菌は黄色ブドウ球菌である。
(4)血行性感染症は少ない。
(5)穿刺や関節包切開による排膿は必要ない。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 a
(4)化膿性股関節炎は血行性感染で起こることが多い。
(5)骨頭に行く血行が圧で阻害されているため、緊急に除圧が必要であり、関節切開や排膿を行う。

【38】化膿性脊椎炎について誤っているものを一つ選べ。
a.中高齢者に多い。
b.椎間板造影検査の合併症の一つである。
c.起炎菌は黄色ブドウ球菌が多い。
d.感染は椎体中央の海綿骨に始まる。
e.保存療法が原則である。
解答 d
a 化膿性脊椎炎は中年男性に多い
d 感染は、血管が入ってくる椎体終板に初発する。
e 神経症状を起こさないので、安静にして、抗生剤を投与するという保存的治療が一般には効果的である。

【39】結核性関節炎について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)足関節に多い。
(2)滑膜型と肉芽型がある。
(3)局所熱感や発赤は少ない。
(4)単純X線像にて骨新生像を認めることは稀である。
(5)単純X線像にて初期より関節裂隙狭小化が認められる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 d
(1)結核性関節炎は、股関節、膝関節などの大きな関節に多い。
(2)滑膜型では、滑膜炎や、関節水腫が見られ、肉芽型では、関節内に結核性肉芽が充満している。
(4)、(5)単純X線像では、初期にはほとんど変化ないか、骨萎縮があるのみであり、進行すると、関節 裂隙狭小化や骨破壊が見られる。

【40】関節リウマチの診断基準(1987年アメリカリウマチ学会提唱)に含まれている項目の正しい組み 合わせを一つ選べ。
(1)朝のこわばりが1時間以上
(2)3カ所以上の関節炎
(3)対称性関節炎
(4)リウマトイド結節
(5)血液検査でリウマトイド因子陽性
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(1)〜(5)のすべて
解答 e
他に、手関節または手指関節の関節炎・レントゲン検査で関節リウマチの典型所見ありという項目があり、7 項目中4項目以上該当していれば関節リウマチとみなされる。

【41】関節リウマチの画像診断に関して、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)関節リウマチの関節の単純X線所見として軟部組織腫脹、関節裂隙の狭小化、関節周囲の骨萎縮、骨びら ん、アラインメント異常、関節強直などがある。
(2)骨関節破壊進行度のX線評価法としてSteinbrockerのX線stage分類とLarsenのX線Grade分類、Sharp 法などがある。
(3)早期RAの関節滑膜炎、骨びらんの抽出にはMRI(核磁気共鳴法)が優れている。
(4)脊椎・脊髄病変の診断・評価にはMRI(核磁気共鳴法)が優れており、一般的である。
(5)骨シンチグラフィーは、股・仙腸関節などの活動性滑膜炎の評価や脆弱性骨折の診断に有用である。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(1)〜(5)のすべて
解答 e

【42】関節リウマチの治療について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)関節リウマチの治療を考える際、RAの関節症状は滑膜炎や関節水腫による症状(可逆性)と骨関節破壊 による症状(非可逆性)とに分けて考える必要がある。
(2)関節リウマチ患者は、易感染性であるので、術後感染に対し、特に配慮が必要である。
(3)関節リウマチ患者の全身麻酔に際しては、術前に頸椎の状態を評価しておくことが必須である。
(4)足趾の変形や足底のべんち形成に対して切除関節形成術(resection arthroplasty)がよく行われる。
a(1)(3)(4)のみ  b(1)(2)のみ  c(2)(3)のみ  e(4)のみ  e(1)〜(4)のすべて
解答 e
(3)全身麻酔時に、頚椎が亜脱臼することがないように気をつける。

【43】関節リウマチに対する人工関節手術に関して正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)関節リウマチに対する人工股関節および人工膝関節置換術後の長期成績は安定している。
(2)60歳以下の患者でも、人工関節置換術を行うことがある。
(3)人工股関節置換術の合併症として人工関節の脱臼、感染、ゆるみ、摩耗、深部静脈血栓症、肺塞栓などは 極めて重要である。
(4)人工股関節置換術後の関節リウマチ患者は、あまり動かないので脱臼の心配はない。
(5)関節リウマチに対する人工足関節置換術は、術後の長期成績も安定しており、一般的に行われている。
a(1)(2)(3)  b(1)(2)(5)  c(1)(4)(5)  d(2)(3)(4)  e(1)〜(5)のすべて
解答 a
(4)屈曲をしたりすると、人工関節の脱臼の恐れがある。
(5)関節リウマチに対する人工足関節置換術の長期成績はまだ安定していない。

【44】リウマチ性多発筋痛性の特徴として適切なものはどれか。正しい組み合わせを一つ選べ。
※多発筋痛性→多発筋痛症が正しいと思います。
(1)頚部から肩にかける痛みとこわばり
(2)血沈の亢進
(3)発熱
(4)体重増加
(5)ステロイドが無効
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 a
(1)リウマチ性多発筋痛症では、腰から骨盤にかけて痛みやこわばりが起こることもある。
(3)リウマチ性多発筋痛症は、不明熱の原因になる。
(4)リウマチ性多発筋痛症では、体重減少が起こる。
(5)リウマチ性多発筋痛症には少量のステロイドが良く効く。

【45】強直性脊椎炎に関して、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)女性に多い。
(2)30〜40歳代の発症が多い。
(3)痛みは、夜間や朝方に強く、運動により増悪することが特徴である。
(4)初期症状としては、腰部、臀部、背部の痛みなどが多い。
(5)HLA−B27が90%以上の症例で陽性である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 適切な選択肢なし
(1)×男性に多い
(2)×10〜20代に多い
(3)×起床時に強い背中の痛みが起こるが、腰痛は、運動で改善する。
(4)○
(5)○

【46】次のうち、頸椎症性脊髄症で見られ、頸椎症性神経根症で通常見られないものはどれか。正しい組み 合わせを一つ選べ。
(1)下肢の知覚障害
(2)手指筋の萎縮
(3)上肢の疼痛
(4)膝蓋腱反射の亢進
(5)膀胱直腸障害
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 c
頚椎からは、下肢や骨盤内臓への神経根は出ていないので、神経根症では、下肢や、骨盤内臓に障害はみられ ない。

【47】関節リウマチの脊椎疾患につき正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)頚椎では中・下位頚椎に病変が多い。
(2)四肢関節と異なり、椎間板炎が主体であり滑膜炎は殆ど関与しない。
(3)環椎横靭帯は、軸椎に対し環椎が前方に移動するのを制動している。
(4)ADI(atlanto dental interval)やSAC(space available for the cord)は環軸椎亜脱臼の評価法の一 つである。
(5)軸椎垂直性脱臼や軸椎下亜脱臼もリウマチ頚椎病変の特徴である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 e
(1)関節が大きな割合を占める環軸椎関節に病変が多い。
(2)滑膜炎も関与する。

【48】頸椎の解剖で正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)頸椎の神経根は7対である。
(2)環軸椎にも椎間板が存在する。
(3)後根神経は求心性の神経である。
(4)頚椎では横突起の上に神経根が乗っている。
(5)ルシュカ関節は頸椎に特徴的である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 e
(1)神経根は8対ある。C1から、C7まで横突起の上を神経根が通り、C7では、横突起の下にも神経根 が通る。
(2)環軸椎間には椎間板は存在しない。
(5)ルシュカ関節は中・下位頚椎に見られる。

【49】頚椎疾患について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)頚椎靭帯骨化症で神経症状の原因となるのは通常後縦靭帯骨化症である。
(2)脊髄症状のなかで、髄節徴候(segmental sign)では下肢症状を生じない。
(3)脊髄症状のなかで、長経路徴候(long tract sign)は灰白質の障害で生じる。
(4)Babinski反射では母趾が底屈するものを陽性とする。
(5)Hoffman反射、Tromner反射は上肢の反射亢進を意味している。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 b
(1)黄色靭帯骨化症は、胸椎に多い。
(2)髄節徴候は、灰白質の障害によるもので、頚髄の灰白質には、下肢へ行っている細胞はないので、下肢 症状は生じない。
(3)長経路徴候は、白質の障害で生じる。
(4)Babinski反射では、母指が背屈するものを陽性とする。

【50】頸椎疾患について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)C5/6椎間板ヘルニアにおいて障害を受ける脊髄髄節は通常C7である。
(2)C5/6椎間板ヘルニアにおいて障害を受ける神経根は通常C6神経根である。
(3)C6脊髄レベルの障害で横隔膜麻痺が生じる。
(4)頚椎においては神経根症状の方が脊髄症状よりも手術適応になることが多い。
(5)脊髄の病的な圧迫が続くとMRI上脊髄内T2WI highの輝度変化が生じる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 b
(3)横隔膜を支配しているのはC4である。
(4)脊髄症状の方が重篤で手術適応になることが多い。

【51】頚椎疾患について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)第5神経根が圧迫を受けたとき、手の尺側の知覚低下を生じる。
(2)第5神経根が圧迫を受けたとき、手指の骨間筋力が低下しやすい。
(3)第5神経根が圧迫を受けたとき、上腕二頭筋腱反射が減弱する。
(4)脊髄の障害において、Brawn-Sequard syndromeでは、同側の運動麻痺を生じる。
(5)脊髄の障害において、central cord syndromeでは上肢症状が中心となる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 e
(1)手の尺側の知覚はC8で支配されている。
(2)骨間筋はT1で支配されている。
(3)上腕二頭筋腱反射の中枢はC5にある。
(4)Brown-Sequard syndromeでは、運動麻痺と深部知覚障害は同側に起こるが、温痛覚と粗大な触圧覚を 伝える神経は反対側の後根から出るため、温痛覚は反体側が傷害される。
(5)上からの神経線維ほど内側を通っているので、中心の障害では、上肢の症状が主になる。

【52】頚椎疾患の治療につき正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)大きな椎間板ヘルニアがあれば、症状が軽くてもすぐに手術をするべきである。
(2)後縦靭帯骨化症が存在すれば、麻痺の危険があり症状に関わらず通常手術を選択する。
(3)多椎間の病変が存在するときには椎弓形成術の良い適応である。
(4)前方除圧固定では通常骨移植を併用する。
(5)椎弓形成術の多くは本邦で発展した。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 e
(1)椎間板ヘルニアでは症状がひどい時に手術を行う。
(2)後縦靭帯骨化症では症状がひどい時に手術を行う。

【53】腰椎椎間板ヘルニアについて正しいものを一つ選べ。
a.神経節(Gangrion)は脊柱管内に位置することが多い。
b.L4/5間の外側型ヘルニアでは、アキレス腱反射は消失する。
c.ヘルニアが自然に消失することがある。
d.椎間孔外ヘルニアはMRIでは診断できない。
e.L3/4間のヘルニアが最も多い。
解答 c
a 神経節は脊柱管外に位置することが多く、管内にあると圧迫されて痛みが出る。
b L4/5間の外側型ヘルニアでは、L4の神経根が障害される。アキレス腱反射はS1の障害により消失する。
e L4/5間のヘルニアが最も多い。

【54】腰椎変性辷り症について正しいものを一つ選べ。
a.中年以後の男性に多い。
b.高度の辷りは少ない。
c.椎間板ヘルニアの合併が多い。
d.脊柱管狭窄症は生じない。
e.椎間関節に変性を伴いL5辷り症が多い。
解答 b
a 腰椎変性辷り症は中年以降の女性に多い。
e 腰椎変性辷り症にはL4辷り症が多い。

【55】腰椎分離辷り症について正しいものを一つえらべ。
a.女性に多い。
b.ほとんどが片側性の分離である。
c.発症初期では保存的治療により治癒しえる。
d.第4腰椎に多い。
e.Meyerding分類3度は軽度の辷りで頻度が高い。
解答 c
a 男性に多く、子供の時の疲労骨折で起こることが多い。
d 第5腰椎に多い。
e Meyerding分類3度は、高度の辷りである。

【56】思春期特発性側彎症について正しいものを一つ選べ。
a.先天性側彎症とは生下時から見られる側彎症をいう。
b.女子に多い。
c.側彎の角度が20度以上で手術の適応である。
d.脊椎の形成異常がある。
e.椎体の回旋変形はない。
解答 b
c 側彎の角度が50度以上が手術の適応である。20度から50度までは、成長が終わるまでは、装具治療を 行う。

【57】脊椎腫瘍について正しいものを一つ選べ。
a.転移性腫瘍の場合は手術適応はない。
b.原発性腫瘍より転移性腫瘍のほうが多い。
c.脊椎腫瘍ではレントゲンで椎間高が減少する。
d.転移性腫瘍では胃癌の頻度が最も多い。
e.MRI検査は有用でない。
解答 b
a 痛みをとるために、手術をすることがある。
b ほとんどは転移性腫瘍である。
c 脊椎腫瘍では椎間高の減少は見られず、これが化膿性脊椎炎との鑑別点となる。
d 転移性腫瘍では、乳癌の頻度が最も多い。

【58】腰部脊柱管狭窄症について誤っているものを一つ選べ。
a.発症には動的因子と静的因子が関与している。
b.黄色靭帯の肥厚がある。
c.下肢症状には馬尾性、神経根性、混合型がある。
d.馬尾の蛇行がある、
e.椎間板の膨隆はない。
解答 e

【59】肩関節について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)肩関節は生体内で最も可動域の大きい関節である。
(2)肩関節の運動は、肩甲上腕関節のみで行われる。
(3)肩関節は後方に脱臼しやすい。
(4)いわゆる五十肩は、手術の絶対適応である。
(5)いわゆる五十肩は、結髪・結帯制限が認められることが多い。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(2)肩鎖関節・胸鎖関節でも行われる。
(3)肩関節は前方に脱臼しやすい。
(4)自然に良くなることが多く、原則として手術は必要ない。

【60】肩関節脱臼について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)後方脱臼より前方脱臼の頻度が高い。
(2)Apprehension signは手術法の一つである。
(3)脱臼時に上腕骨頭後外側にみられる病変をKocher lesionと呼ぶ。
(4)ヒポクラテス法は、うつ伏せで重りをぶら下げて行う。
(5)若年者は高齢者に比べ反復性になりやすい。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(2)Apprehension testは反復性脱臼例かどうかを調べるための検査である。
(3)上腕骨頭後外側にみられる病変は、Hill-Sachs lesionという。
(4)うつ伏せで重りをぶら下げて行うのは、Stimson法であり、ヒポクラテス法は、術者の手足を使って整 復する方法である。

【61】腱板損傷について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)肩関節の内転が困難となる。
(2)最も損傷されやすい腱は小円筋である。
(3)関節造影で造影剤の肩峰下滑液包への露出を認めれば確定診断となる。
(4)MRIは診断に有用である。
(5)手術が必要となることはない。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 d
(1)肩関節の外転(拳上)が困難になる。
(2)最も損傷されやすいのは棘上筋である。
(5)手術が必要になることが多い。

【62】肘関節について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)肘関節は上腕骨、橈骨、尺骨より構成される。
(2)肘関節の主要な屈筋は上腕二頭筋である。
(3)肘内障は橈骨頭骨折で、小児に発生しやすい。
(4)上腕骨外側上顆炎は手術の絶対適応である。
(5)離断性骨軟骨炎の好発部位は尺骨骨幹部である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 a
(3)肘内障は橈骨頭の脱臼である。
(4)上腕骨外側上顆炎は保存療法が主体で手術はめったにしない。
(5)離断性骨軟骨炎は上腕骨小頭が好発部位である。

【63】次のうち誤っている組み合わせを一つ選べ。
a.テニス肘――――――上腕骨外上顆
b.離断性骨軟骨炎―――上腕骨小頭
c.投球骨折――――――上腕骨骨幹部
d.投球障害肩―――――関節唇障害
e.肩鎖関節脱臼――――上腕二頭筋長頭
解答 e
a テニス肘は、上腕骨外側上顆炎のことである。
b 離断性骨軟骨炎は上腕骨小頭に好発する。
e 肩鎖関節脱臼では烏口鎖骨靭帯が切れる。

【64】次の組み合わせのうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)手指の安静時の肢位は、示指から小指にかけて屈曲の程度が強くなる。
(2)中手骨と基節骨間の関節をMP関節と呼ぶ。
(3)anatomical snuff boxの皮下を橈骨動脈と橈骨神経知覚枝が通る。
(4)手の開放性損傷は一期的に創を閉鎖すべきである。
(5)断端の組織は、切除することなく、すべて温存し、創閉鎖に利用する。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 e
(4)感染が疑わしい時は、閉鎖せずに、開けたままにしておき、二期的に手術を行う。
(5)壊死しそうな組織は、感染の原因になるので、切除する。

【65】次の組み合わせのうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)舟状骨骨折は変形癒合をきたしやすい。
(2)Bennett骨折では、MP関節の亜脱臼を伴う。
(3)深指屈筋腱断裂により、DIP関節の屈曲が不能となる。
(4)母指の単指切断は再接着の絶対的適応である。
(5)開放創では、循環、運動、知覚障害の有無に留意する。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 a
(1)舟状骨骨折は、偽関節になりやすく、癒合機転は消失している。
(2)Bennett骨折では手根中手関節の亜脱臼を伴う。

【66】次の組み合わせのうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)キーンベック病は、豆状骨の無腐性壊死である。
(2)手指屈筋腱は血液および滑液から栄養される。
(3)ドゥ・ケルバン腱鞘炎は、長母指外転筋、短母指伸筋の腱鞘炎である。
(4)内軟骨腫は手根骨に好発する。
(5)ガングリオンは手関節に好発する充実性の腫瘍である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 c
(1)キーンベック病は月状骨の無腐性壊死である。
(4)内軟骨腫は中手骨、指関節に好発する。
(5)ガングリオンでは、ゼリー状物質が貯留している。

【67】正中神経低位麻痺に関して正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)母指の対立運動が障害される。
(2)手根管での絞扼が原因となりうる。
(3)鷲手が出現する。
(4)手掌全域に知覚障害が出現する。
(5)示指の屈曲が障害される。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 a
(3)猿手が出現する。鷲手は、尺骨神経麻痺で見られる。
(4)母指〜環指橈側までの知覚障害が出現する。
(5)高位麻痺では、示指の屈曲障害も生じる。

【68】末梢神経障害について誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)橈骨神経麻痺では手指PIPおよびDIP関節の伸展が不能となる。
(2)Froment signは尺骨神経麻痺の診断に有用である。
(3)肘部管症候群は尺骨神経の障害をきたす。
(4)腕神経叢損傷0の原因の多くは、交通事故である。※損傷0→損傷だと思います。
(5)上位型腕神経叢麻痺では肘関節の伸展が障害される。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(1)PIPおよびDIP関節は尺骨神経により伸展される。橈骨神経麻痺ではMP関節の伸展が不能になる。
(5)上位型腕神経叢損傷では肘関節の屈曲が障害される。

【69】先天性股関節脱臼について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)男児に多い。
(2)X線ではShenton線、Calve線の乱れをみることが多い。
(3)開排制限が見られる。
(4)関節造影では内反した関節唇が確認される。
(5)大腿骨頭が関節包内から逸脱した状態である。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 e
(1)女児に圧倒的に多い。
(5)関節包をやぶらず、関節包内で脱臼している。

【70】先天性股関節脱臼について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)女児に多い。
(2)骨盤位に多い。
(3)巻おむつが脱臼予防によい。
(4)乳幼児期には痛みが特徴である。
(5)開排制限が見られる。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 c
(3)巻おむつをすると、先天性股関節脱臼になりやすい。

【71】ペルテス病について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)5〜8歳の女児に多い。
(2)大腿骨頭骨端の壊死が本態である。
(3)急激な発症で歩行不能となることは少ない。
(4)装具による免荷治療が一般に行われる。
(5)将来、変形性股関節症を続発することはない。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 e
(1)男児に多い。
(4)免荷療法と同時に骨頭を臼蓋の中に入れるContainment療法が行われる。
(5)変形の高度な例では変形性股関節症を続発する。

【72】大腿骨頭辷り症について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)女児に多い。
(2)前方に辷る例が圧倒的に多い。
(3)両側性が10%に認められる。
(4)辷りの軽度な例にはin situ pinningが選択されることが多い。
(5)初潮後の辷りは稀である。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 a
(1)男児にやや多い
(2)ほぼ前例後方に辷る。

【73】筋性斜頸について適切な組み合わせを一つ選べ。
(1)胸鎖乳突筋の腫瘍が原因である。
(2)その多くは数ヶ月で自然治癒する。
(3)頭部の変形を来すことがある。
(4)顔面の非対称も生下時から見られる。
(5)女児に圧倒的に多い。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 b
(1)胸鎖乳突筋の拘縮・短縮により腫瘤が触れられる。
(4)顔面の非対称は将来的にはなる可能性はあるが、生下時から見られるわけではない。

【74】創外固定器を用いた変形矯正・骨延長について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)変形の中心をCORA(center of rotation angulation)と呼び、矯正の目安とする。
(2)骨切り時は骨膜を損傷しないように注意する。
(3)延長は必ず病変のある骨で行う。
(4)延長は一日5mm程度を目安とする。
(5)イリザロフ創外固定器はリング式の創外固定器である。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(5)
解答 c
(4)延長は一日1mm程度を目安とする。

【75】皮膚の上から触知できないものを一つ選べ。
a.上前腸骨棘
b.大転子
c.小転子
d.恥骨結合部
e.坐骨結節
解答 c

【76】変形性股関節症について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)日本では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全による2次性が多い。
(2)進行性である。
(3)関節拘縮を伴う。
(4)早い時期から安静時痛を伴う。
(5)1次性は若年者に多い。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 a
(3)屈曲・内転位での拘縮がみられる。
(4)進行すると安静時痛を伴う。
(5)一次性は高齢者に多い。

【77】変形性股関節症の単純X線所見について誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)関節裂隙狭小化
(2)骨頭の帯状硬化像
(3)骨頭の圧潰像
(4)臼蓋の骨硬化像
(5)臼蓋の骨のう胞像
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 c

【78】以下の症例に対する最も適切な手術方法はどれか。
23歳男性
主訴:右股関節部痛
診断:右特発性大腿骨頭壊死症
単純X線像:右股関節前後像にて大腿骨頭に帯状硬化像が認められ、荷重部には圧潰が認められる。
ラウエンシュタイン像では、骨頭圧潰は前方に限られており、後方1/3には及んでいない。
帯状硬化像も前方のみである。
MRIT1強調画像:前額断像にて右大腿骨頭上外側に帯状低信号域が認められる。またラウエンシュタイン 像に相当する断面では前方にのみ帯状低信号域が認められる。
a.大腿骨頭前方回転骨切術
b.大腿骨頭後方回転骨切術
c.大腿骨外反骨切術
d.人工大腿骨頭置換術
e.人工股関節全置換術
解答 a 健常部が骨頭の後方にあるために、その部分に荷重がかかるような骨切り術を行う。

【79】正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)急速破壊型股関節症――――関節拘縮
(2)弾発股――――――――――縫工筋
(3)滑膜骨軟骨腫症――――――関節内の石灰化像
(4)一過性大腿骨頭萎縮症―――妊娠後期の女性
(5)人工関節ゆるみ――――――オステオライシス
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 e
(1)急速破壊型股関節症では可動域制限は軽い。
(2)弾発股は、腸脛靭帯と大転子の間、もしくは腸腰筋腱と大腿骨頭や腸恥隆起の間で起こる。

【80】次のうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)膝関節は骨性に不安定な構造を有する。
(2)骨端線損傷では成長障害を起こすことがある。
(3)骨端線損傷は、すべて保存的治療の適応である。
(4)脛骨顆間隆起骨折では後十字靭帯機能不全を合併する。
(5)オスグッド・シュラッター病は、筋・腱と骨の成長のアンバランスが一因である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 d
(3)骨端線損傷では徒手整復が不能な場合や、Salter-Harris分類V・W型では観血的に整復する。
(4)脛骨顆間隆起骨折では前十字靭帯機能不全を合併する。

【81】次のうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)大腿四頭筋の主な機能は、膝関節の伸展である。
(2)膝関節屈曲時、大腿骨は後方へ移動する。
(3)階段昇降時に膝関節に作用する力は、ほぼ体重に相当する。
(4)離断性骨軟骨炎は大腿骨外側顆の顆間窩よりに好発する。
(5)膝離断性骨軟骨炎は関節内遊離体の原因となることがある。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 d
(3)階段昇降時には膝関節には体重の約4.5倍の力がかかる。
(4)離断性骨軟骨炎は大腿骨内側の顆間窩よりに好発する。

【82】次のうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)半月板に血行はない。
(2)縦断裂とは半月の円周方向に沿った断裂を指す。
(3)半月板損傷の他覚的所見として大腿四頭筋の筋萎縮が通常認められる。
(4)円板状半月は外側に多い。
(5)半月板切除は取り残しのないよう、確実に全摘することが重要である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(1)半月板の辺縁の3分の1には血行がある。
(5)半月板を取りすぎると、骨にかかる負担が大きくなるので、最小限の範囲を切除する。

【83】次のうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)半月板は膝関節の荷重分散に寄与している。
(2)McMurray testが陽性であれば、半月板損傷と診断してよい。
(3)MRI上、半月板損傷はT2強調画像にて低信号を示す。
(4)半月板損傷では膝関節の可動域制限がみられることがある。
(5)手術的治療は鏡視下手術が主流である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 ?
(1)○
(2)?半月板損傷ではMcMurray testは陽性になる。
(3)×正常な半月板がMRIT2強調で低信号を示し、損傷では、高信号を示す。
(4)○半月板損傷で断裂した半月板が顆間窩に嵌頓すると、膝が屈曲したまま伸展不能になることがある。
(5)○

【84】次のうち、誤っている組み合わせを一つ選べ。
(1)Lachman testは前十字靭帯損傷の診断に有用である。
(2)後十字靭帯は脛骨の前方移動を制動する
(3)正常な後十字靭帯は、MRIにおいて太い高信号の索状物として描出される。
(4)関節血症の7割は十字靭帯損傷が原因である。
(5)内側側副靭帯単独損傷では保存的治療が第一選択となる。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 c
(2)後十字靭帯は脛骨の後方移動を制動する。
(3)後十字靭帯は、MRIで低信号である。
(5)内側側副靭帯単独損傷では固定していれば、自然に治ることが多い。

【85】変形性膝関節症について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)加齢に伴う関節軟骨の退行性変化と力学的負荷の増大が病因と考えられている。
(2)日本では内反変形より外反変形の方が多い。
(3)大腿骨遠位部の関節軟骨は、正常では約10mmの厚さがある。
(4)滑膜炎が初期変化である。
(5)病期の進行には、物理的な要因に加えて蛋白分解酵素などの関与も大きい。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(2)日本では内反変形が多い。
(3)膝関節の関節軟骨は2〜4mmである。
(4)滑膜炎は二次的な変化である。

【86】変形性膝関節症の症状、理学的所見について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)関節軟骨内に存在する神経終末で痛みを感じる。
(2)夜間痛から発症するものが多い。
(3)関節裂隙の圧痛は通常みられない。
(4)大腿四頭筋は早期より委縮することが多い。
(5)滑膜の肥厚、関節面の変形などにより関節可動域の低下がみられる。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 e
(1)軟骨内には神経終末は存在せず、軟骨下骨に存在する神経終末で痛みを感じる。
(2)始めは、立ち上がって歩き始めた時に痛みを感じたり違和感があったりすることが多い。
(4)疼痛や可動域制限のために、早期から大腿四頭筋に廃用性筋萎縮がみられる。

【87】変形性膝関節症の画像所見として正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)診断にはMRIが必須である。
(2)関節裂隙の狭小化は関節軟骨の摩耗、変性を反映している。
(3)破壊性変化より増殖性変化のほうが強い。'
(4)骨棘形成がみられる。
(5)軟骨下骨の骨委縮がみられる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 d
(1)臨床症状とX線診断によって、診断はできる。
(3)骨、軟骨の二次的な新生、増殖性変化を伴う疾患である。
(5)軟骨下骨の骨硬化像が見られる

【88】変形性膝関節症の保存的治療について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)足底板や大腿四頭筋訓練などを用いて、関節に対する力学的負荷を軽減させることによって症状は軽快し 得る。
(2)末期の関節症に対しては、保存的治療は適応とならない。
(3)内服のステロイド剤は第一選択薬である。
(4)ヒアルロン酸の関節腔内注入療法は、潤滑性の向上、抗炎症等の作用が期待されている。
(5)頻回にステロイドホルモンの関節腔内注入を行うと、骨破壊を生じることがある。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)
解答 c
(2)保存療法で効果がないときに手術療法を行う。
(3)ステロイドを使う場合は関節内注入を行う。消炎鎮痛剤の内服も行われる。

【89】変形性膝関節症の手術的治療について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)高位脛骨骨切り術は、変性した関節への負荷を軽滅することを目的としている。
(2)高位脛骨骨切り術後は、症状は軽快するが、変性した関節軟骨が修復されることはない。
(3)人工膝関節置換術は、ほとんどの症例で正座が可能である。
(4)人工膝関節置換術は、術後10年経過すると、約半数の症例で再手術が必要になる。
(5)人工膝関節置換術において、コンポーネントの設置位置は術後成績に影響する。 a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)
解答 b
(2)高位脛骨骨切り術後、症状は軽快し、関節軟骨の修復も起こる。
(3)人工膝関節置換術後は正座を行うことはできない。
(4)人工膝関節置換術は術後10年たつと、10%の症例で再手術が必要となる。

【90】新鮮アキレス腱皮下断裂の確定診断となる所見はどれか。正しいものを一つ選べ。
a.アキレス腱部の陥凹の触知
b.足関節の底屈力の低下
c.アキレス腱部の腫脹および皮下出血
d.腓腹筋を強くつかむも足関節が底屈しない
e.立位不能
解答 d   a,b,cなどの所見も見られるが、dで確定診断になる。

【91】距骨下関節内におよぶ踵骨骨折が単純X線で診断できた。骨片転位を把握するため次に行う検査法は どれか。正しいものを一つ選べ。
a.断層撮影
b.骨シンチ
c.MRl
d.CTスキャン
e.腓骨筋腱造影
解答 d

【92】下記の先天性足部変形のうち下肢短縮が問題となる疾患はどれか。正しいものを一つ選べ。
a.先天性内反足
b.先天性脛骨部分欠損
c.先天性外反踵足
d.麻痺性外反足
e.先天性垂直距骨
解答 b

【93】距骨骨折で距骨体部が脱臼すると壊死が発生しやすい。受傷後8〜12週頃壊死を免れた時に見られ るX線所見はどれか。正しいものを一つ選べ。
a.骨折部の化骨形成
b.骨折部の硬化像
c.距骨滑車軟骨下骨梁の萎縮像
d.距骨体部の硬化像
e.距骨頭部の硬化像
解答 c

【94】足関節果部骨折のうち内転骨折(足部内返しの強制)にみられる足関節前後像はどれか。正しいもの を一つ選べ。
a.内果の縦骨折と脛腓結合離開
b.外果の横骨折と脛腓結合離開
c.腓骨遠位部の螺旋骨折
d.内果の縦骨折と外果の横骨折
e.腓骨の高位骨折
解答 d

【95】二分脊椎にみられる麻痺性踵足変形はいずれの筋の麻痺によるものか。正しいものを一つ選べ。
a.前脛骨筋
b.後脛骨筋
c.下腿三頭筋
d.長母趾屈筋
e.長趾屈筋
解答 c 踵足変形では、背屈位になっているので、底屈筋である下腿三頭筋が麻痺している。

【96】先天性内反足について間違っているものを一つ選べ。
a.早期保存的治療が望まれる。
b.変形は内転、内反、尖足の複合変形である。
c.先天性多発性関節拘縮症に合併した内反足は難治である。
d.女性に多くみられる。
e.年長児、成人の遺残変形には骨手術が適応となる。
解答 d 男性のほうが多い。


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