脊椎・運動器 平成16年度卒業試験

2004年度 卒業試験(11/20)(復元)
※個人番号ふってある問題用紙・解答用紙で、持ち帰りを完璧防止!!例年とやや傾向変更。作図なし。欠損:7、11、41、42、43、49、50、62、63、69、70、71、73、75、76、81
1.成人股関節で正しい記述はどれか。
(a)Trendelenburg sign陽性は大腿四頭筋の筋力低下を表す。
(b)脚長を測定するときは肢位を確認する。
(c)大腿周囲径は大腿のほぼ中間の部位で測定する。
(d)Thomas testは内転拘縮をみる検査である。
(e)外転角は、軸心を大転子として計測する。

<解答> b
(1)×。Trendelenburg signは股関節脱臼や外転筋力の低下を反映する。
(2)○。SMDとは上前腸骨棘から足関節内果部までの距離で、脚長の測定に用いる。
(3)×。膝蓋骨底から10cm近位で測定する。
(4)×。Thomas testでは屈曲拘縮、つまり伸展制限をみている。腰椎前弯によりマスクされている場合。
(5)×。上前腸骨棘を軸心とする。


2.正常股関節単純レントゲン写真について誤っているのはどれか。一つ選べ。
(a)?(b)?(d)?(e)?
(c) 臼蓋荷重部は水平である。 →×

<解答> c
※2001年卒試に類似問題があったので、乗せておきます。  
(1)通常は両股関節前後像と大腿骨側面像を撮影する。
(2)臼蓋荷重部は軽度硬化像を示す。
(3)臼蓋荷重部はほぼ水平である。
(4)骨頭はほとんど寛骨臼におさまっている。
(5)転子間稜は写らないことが多い。
 a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

 <解答> d


3.末期変形性股関節症に行なわれる手術はどれか。正しいものを選べ。
(1)骨盤骨切術(寛骨臼移動術) (2)大腿骨内反骨切術
(3)大腿骨外反骨切術     (4)人工股関節骨頭置換術
(5)人工股関節再置換術
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
初期なら、骨盤骨切術、大腿骨内反骨切術。末期なら、骨頭置換術、大腿骨外反骨切術。
骨頭置換術の適応は高齢者の大腿骨頚部内側骨折、大腿骨頭壊死症末期股関節症。
標準整形外科学p.526

4.壊死範囲を示した大腿骨頭のうち最も圧潰を起こしやすいのはどれか。
正しいものを一つ選べ。
※実際の試験問題では股関節の絵(X線図のシェーマ)が示されていて、壊死部分が黒塗りにされていた。黒塗りされていた部分を選択肢に示す。
(a)大腿骨頭窩のやや下方     (b)大腿骨頭窩のあたり
(c)大腿骨頭外側2/3+寛骨臼   (d)大腿骨頚外側
(e)大腿骨頭外側1/3のあたり

<解答> dかe


5.以下の症例に対する最も適切な手術方法はどれか。
23歳男性  主訴:股関節部痛  診断:特発性大腿骨頭壊死症
単純X線像:右股関節前後像にて大腿骨頭に帯状硬化像が認められ、荷重部には圧潰
が認められる。ラウエンシタイン像では、骨頭圧潰は前方に限られており、
後方1/3には及んでいない。帯状硬化像も前方のみである。
MRI T1強調画像:前額断像にて右大腿骨骨頭上外側に帯状低信号域が認められる。
またラウエンシタイン像に相当する断面では前方にのみ帯状低信号域が認められる。
(a)大腿骨頭前方回転骨切術 (b)大腿骨頭後方回転骨切術
(c)大腿骨外反骨切術    (d)人工大腿骨頭置換術  (e)人工股関節全置換術

<解答> a
健常部が骨頭の後方にあるために、その部分に荷重がかかるような骨切り術を行う。
置換術を行うには、年齢が若すぎる。


6.大腿骨頭壊死を合併する外傷を選べ
(1)寛骨臼関節内骨折 (2)股関節後方脱臼 (3)大腿骨頸部骨折  (4)大腿骨転子部骨折
(5)大腿骨転子下骨折
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> c
(2)外傷性股関節脱臼は後方脱臼が多く、合併症として大腿骨頭壊死や坐骨神経損傷がある。
(3)大腿骨頚部骨折は、関節包内に生じた内側骨折の場合、血行途絶のため骨癒合しにくく骨頭壊死を起こしやすい。高齢者の女性に多い。


8.膝関節について正しい組み合わせを選べ。
(1)膝関節は骨性に不安定である。 (2)階段昇降時、膝関節には体重と同等の負荷が作用する。
(3)膝関節は大腿脛骨関節、近位脛骨関節、膝蓋大腿関節からなる。
(4)膝関節の運動は、屈曲伸展のみである。 (5)膝の伸展は大腿四頭筋による。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1) ○。関節面の形状ではなく靭帯や筋などの軟部組織によって安定化を得ている。
(2)×。体重の3〜4倍。 (3)×。膝を構成する関節は二つ。一つは大腿骨と膝蓋骨からなる膝蓋大腿関節、もう一つは大腿骨と脛骨からなる大腿脛骨関節。
(4)×。屈曲伸展に伴い、内旋外旋が生じる。
(5)○。大腿直筋、外側・中間・内側広筋。屈曲は、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋。

9.変形性膝関節症について正しいものを選べ。
(1)一次性変形性膝関節症は男性に多い。
(2)間接裂隙の狭小化と骨の増殖性変化が特徴的なX線所見として見られる。
(3)外側型より内側型変形性膝関節症が多い。
(4)疼痛は安静時に強い。 (5)膝蓋跳動は膝蓋骨の不安定性を見る検査である。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> ?
(1)×。変形性膝関節症は一次性が大部分を占め、50歳以上の肥満女性に多い。
(2)△。関節裂隙狭小化、骨硬化像、骨棘形成。(3)○。日本では内反形関節症が多い。
(4)×。内側広筋萎縮による不安定性増加により生じる。動作開始時に多い。
(5)△。病的な液体貯留があるとき陽性となる。関節腫脹、関節水腫を見る。


10.変形性膝関節症に対する鏡視下手術の利点について誤っているものを1つ選べ。
(a)手術侵襲が小さい。   (b)繰り返し実施可能である。 (c)入院期間が短い。 
(d)術後疼痛が軽度である。 (e)長期効果が期待できる。

<解答> e
関節鏡の長所は手術の侵襲が軽く、手術創も小さい。このため、入院せずに日帰りで行われることもある。しかし、変形性関節症などでは治療効果が長続きしないなどの欠点もある。


12.高位脛骨骨切術について正しい組み合わせはどれか。
(1)内側型の変型性膝関節症に対して適応となる
(2)間接リウマチなどによる炎症性の症例での適応もある
(3)忘れました…アライメントについて。軸がどこを通るように整復するか。
(4)脛骨粗面の遠位で骨切りをおこなう (5)忘れました…術後の合併症について。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> 
内反形関節症が進んでいる場合に、手術によってX脚気味に矯正し関節内側の負荷をへらして痛みをとる。脛骨を切って金属などでX脚気味に固定する。進行した変形性膝関節症ではよく行われる手術。「高位」とは脛骨の関節面から2〜2.5cmの部分(脛骨粗面の近位部)で血管が豊富で骨のつきがよいとされている。(1)○。(4)×。


13.特発性膝骨壊死について正しいものの組み合わせをひとつ選べ。
(1)中高年男性に好発する        (2)安静時痛はほとんど見られない。
(3)発症初期にはX線上変化は認めない。 (4)MRIは早期診断に有用である。
(5)大腿骨外側顆に好発する。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
(1)×。ステロイド性は20代女性、アルコール性は40代男性にピークがある。特発性は60歳以上の高齢女性に好発する。
(2)△。安静時には疼痛は軽快。(3)○。
(4)○。MRIでT1 low,T2 highのモザイク。骨シンチも有効。
(5)×。大腿骨内側顆部関節面に好発。ほとんど一側性。


14.神経病性膝関節症について正しいものを選べ。
(1)脊髄癆を合併する。   (2)末梢神経炎を合併する。
(3)関節の不安定性はない。 (4)単純X線写真上、関節裂隙の狭小化などは見られない。
(5)手術は禁忌である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> a
神経障害性関節症、Charcot jointとも呼ばれる。中枢ならびに末梢神経障害に随伴する。OA類似の関節破壊・変形であるが、程度が高度であり、疼痛は軽微である。
(1)○。基礎疾患として脊髄癆、DM、脊髄空洞症などがある。(2)○。(3)?
(4)×。関節面の破壊と増殖、異所性骨化などがみられる。
(5)×。困難であるが、関節固定術が行われる。


15.脊椎・脊髄の解剖について、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)環軸椎の安定性は、主に後縦靭帯によってもたらされる。
(2)腰椎すべり症は、必ず分離症を伴っている。
(3)脊髄灰白質の傷害により髄節徴候(Segmental sign)が生じる。
(4)脊髄は一般に第1?第2腰椎レベルに下端がある。
(5)ルシュカ(Luschka)関節は頸椎に特徴的である。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> e
(1)×。環軸椎の安定性に大きな役割を果たしているのは環椎横靭帯(十字靭帯)である。
(2)×。他に変性すべり症(無分離すべり症)などがある。
(3)○。segmental signは灰白質の障害。long tract signは白質の障害。(4)○。
(5)○。下部頚椎の鉤状突起によって形成。


16.脊椎損傷について正しいものを選べ
(1)Jeferson fractureとは環椎破裂骨折のことである
(2)麻痺は頚髄から回復する
(3)重傷脊髄損傷では受傷直後より痙性麻痺となる
(4)C7レベルの頚損では一般に肋間筋麻痺を認めるが横隔膜麻痺は認めない
(5)脊椎破裂骨折では椎体後部の骨折を認める
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> c
(1)○。(2)×。不完全麻痺例では、下位レベル(仙髄)より回復。
(3)×。spinal shock:受傷直後は損傷レベル以下の運動・知覚・自律神経・反射が脱落。よって弛緩性麻痺となる。(4)○。C4の麻痺で横隔膜・肋間筋麻痺を起こし呼吸停止する。
(5)○。破裂骨折:垂直圧迫力による前方・中央支柱の損傷。脊髄損傷の合併。


17.画像診断について正しいものを選びなさい。
(1)硬膜外腫瘍はミエログラフィーにおいて騎袴状を呈する。
(2)ADI(atlanto-dental-interbal)は環軸椎亜脱臼の指標となる。
(3)X線斜位撮影は、椎間孔の観察、腰椎分離症の診断に有用である。
(4)脊髄損傷はMRI T2WIで高輝度になる。
(5)化膿性脊椎炎はT2WI、T1WIともに高輝度になる。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
(1)×。硬膜外腫瘍は先細り像。硬膜内髄外腫瘍は騎袴状(盃状)。髄内腫瘍は表面浮き彫り。
(2)○ (3)○。45度斜位でのスコッチテリアの首輪。(4)○。 (5)×。


18.頚椎に対する手術につき正しい組み合わせを選べ。
(1)神経根症状は脊髄症状よりも痛みが強い場合が多いので、手術が優先される場合が多い。
(2)多椎間に障害が及ぶ場合は、前方からの除圧が有用である。
(3)頚椎椎弓形成術は、後方から脊髄の除圧固定を図る方法である。
(4)椎間固定術は、神経根や脊髄の回復に重要な役割を持つ。
(5)環軸椎固定術は、関節リウマチに伴う頚椎病変に対して行われる。
※選択肢復元なし

<解答> 
(1)×。(4)○。(5)○。RAでは環軸椎亜脱臼が出現。
(2)×。前方除圧固定術は一椎間程度のヘルニア。多椎間に及ぶ場合、後方法が選択される。
(3)○。椎弓形成術は後方よりアプローチする方法。多椎間ヘルニアに有効。


19.脊椎損傷に関して正しいものを選べ。
(1)頚髄損傷では頭部合併損傷に注意すべきである。
(2)環軸椎の安定性には環椎横靭帯が重要である。
(3)頚髄損傷の場合、当初副交感神経が優位で血圧が低下しやすい。
(4)脊椎の脱臼が判明した場合、その場で緊急に徒手整復を試みるべきである。
(5)脊髄ショックとは外傷直後に血圧が極端に低下することである。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> a
(1)○。(2)○。
(3)○。交感神経遮断と相対的な迷走神経優位の状態になることに加え、血管運動神経の麻痺と筋肉の弛緩性麻痺が相まって、末梢血管での血液貯留が起こり、有効循環血液量は著しく減少し、血圧低下を来す。標準整形外科学p.694
(4)×。頚部などでは禁忌かもしれない。安静・固定・牽引がbetter?
(5)×。spinal shockとは、受傷直後に損傷レベル以下の運動・知覚・自律神経・反射が脱落してしまうことをいう。血圧も低下はする。


20.関節リウマチについて正しいものを選べ。
(1)朝のこわばり、関節痛、関節腫脹、可動域制限などが主な関節症状である。
(2)初発関節として、手指PIP、MP関節、足MTP関節、膝関節、足関節などが多い。
(3)手の変形として、尺側偏位、スワンネック変形、ボタン穴変形などがある。
(4)膝の症状として関節痛、関節腫脹、可動域制限のほか、骨破壊が進行すると内反変形、外反変形を伴うことがある。
(5)足指のMTP関節部の滑膜炎の症状として、足底の異和感、特に起床時に足の裏に何かを踏んでいるような感じを訴えることがある。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.すべて

<解答> e
(1)○ (2)○。小関節を対称性に侵す。DIPは侵されない。(3)○。他に環軸関節亜脱臼。
(4)○ (5)○


21.関節リウマチの画像検査について正しいものを選べ
(1)RA関節のX線検査では関節周囲の軟部組織の腫脹、関節裂隙の狭小化、骨びらん、アラインメントの異常などが認められる。
(2)関節破壊進行度のX線評価としてSteinbrockerのX線stage分類とLarsenのX線grade分類、Sharp法などがある。
(3)早期RAの関節滑膜炎、骨びらんの描出にはMRIが優れている。
(4)脊椎、脊髄病変の診断、評価にはMRIが優れており、一般的である。
a.(1)(3)(4) b.(1)(4) c.(2)(3) d.(4)のみ e.(1)?(4)のすべて

<解答> e


22.慢性関節リウマチの薬物治療について正しいものを1つ選べ。
(1)抗リウマチ薬は遅効性であり、効果発現までに1?3ヶ月かかる。
(2)抗リウマチ薬は
(3)抗リウマチ薬は長期使用しても効果が減弱することはない。
(4)本邦で使われている抗サイトカイン療法として、抗TGF‐β療法や抗IL‐6受容体抗体療法がある。
(5)抗リウマチ薬の副作用としてかゆみ、皮疹、口内炎、蛋白尿、下痢などがある。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1)○。効く人には効くが、効かない人には効かない。一度効果が発現すると長く続く。使用は、炎症が見られた時点から積極的に行う。2種類以上を併用して用いていく。
(3)×。使用し続けて数年たつと効かなくなってくることがある。
(4)×。抗TNF-α抗体(エンブレル、レミケードなど)、抗IL‐6受容体抗体療法がある。
(5)○。胃腸障害、口内炎、発疹など。


23.関節リウマチRAの機能障害度(Steinblocker Class分類)について正しいものをひとつ選べ。
(1)class1 不自由なく日常生活を送ることができる状態である。
(2)class2 不自由はあるが普通の生活は何とかできる程度の状態である。
(3)class3 一部介助を必要とするが身の回りのことは何とかできる状態である。
(4)class4 寝たきりもしくは車椅子の状態である。
a.(1)(3)(4) b.(1)(4) c.(2)(3) d.(4)のみ e.(1)?(4)のすべて

<解答> e
クラス1(不自由ない生活が可能)。クラス2(痛みや制限はあるが普通の生活は可能)。クラス3(生活や身の回りのことが少ししかできない)。クラス4(寝たきりで身の回りのことがほとんどできない)の4段階に分かれる。


24.血清反応陰性脊椎関節炎として正しい組み合わせはどれか。
(1)リウマチ性多発筋炎  (2)強直性脊椎炎    (3)反応性関節炎   
(4)乾癬性脊椎炎     (5)痛風
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
強直性脊椎炎、腸炎合併性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、ベーチェット病に伴う関節炎などをまとめて血清反応陰性脊椎関節炎と呼んでいる。この疾患群の特徴は血液中のリウマチ反応が陰性であり(血清反応陰性)、仙腸関節と脊椎、四肢の関節に慢性炎症をきたすことである。


25.強直性脊椎炎に関して、正しい組み合わせをひとつ選べ。
(1)仙腸関節、脊椎連結部、下肢の大関節の慢性炎症で、典型的には脊椎、関節の強直が緩徐に進行する。
(2)90%以上の症例でHLA-B7が陽性である。
(3)男女比は5:1で男性に多く、10?20歳台に多い。
(4)初発症状としては、腰部、臀部、背部の痛みが多いが、痛みは夜間明け方に多く、運動により軽快する特徴がある。
a.(1)(3)(4) b.(1)(4) c.(2)(3) d.(4)のみ e.(1)?(4)のすべて

<解答> a
(1)○ (2)×。HLA-B27が90%以上で陽性。
(3)○。10代後半から20代の男性に多い。男性は女性の4倍以上の発症率。
(4)○。初発は腰痛(仙腸関節炎)が多い。痛みは軽度の運動で改善し、安静では改善しない。


26.石灰化または骨化しやすいものはどれか。正しいものを選べ。
(1)デスモイド  (2)平滑筋腫
(3)血管腫    (4)滑膜肉腫  (5)悪性線維性組織球腫
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
軟部悪性腫瘍は骨悪性腫瘍よりも多く、年間十万人あたり約2人の発生率とされている。その中では、悪性線維性組織球種と、脂肪肉腫が断然多く、横紋筋肉腫、滑膜肉腫などがこれについでいる。石灰化は、良性では血管腫、脂肪腫、悪性では滑膜肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫などにみられる。標準整形外科学p.299


27.次のうち正しいものはどれか?
(1)骨肉腫…血中ALP高値  (2)ユーイング肉腫…発熱
(3)軟骨肉腫…血中Ca高値  (4)骨巨細胞腫…貧血  (5)神経芽細胞腫…尿中VMA高値
a.(1)(2)(3) b.(2)(3)(4) c.(3)(4)(5) d.(1)(4)(5) e.(1)(2)(5)

<解答> e
(1)○。ALP3が上昇。 (2)○。初発症状は疼痛・腫脹。発熱、炎症など全身症状が強い。
(3)×。中年以降の悪性腫瘍。一旦転移すると治療困難なので、広範切除術が基本。
(4)×。若人の膝関節に多い。泡沫状陰影。再発率高い。(5)○


28.多発性の頻度が高いものはどれか?
(1)骨軟骨腫   (2)内軟骨腫
(3)骨巨細胞腫  (4)軟骨芽細胞腫  (5)好酸球性肉牙腫
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> a
多発性軟骨性外骨腫(多発性骨軟骨腫症)、多発性内軟骨腫


29.Ewing肉腫について正しい組み合わせを1つ選べ
(1)10歳以下に発生するものが最も多い  (2)骨端部が好発部位である
(3)類骨の形成が病理組織学的所見で重要である
(4)放射線療法が有効である       (5)抗癌剤としてIfosphamide有効である
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> e
(1)×。20歳未満に好発。 (2)×。骨幹が好発部位。
(3)×。小円形細胞の豊富な増殖を認め、核は円形で細胞質は乏しい。
(4)○。放射線療法が有効。 (5)○。抗癌剤としてIfosphamide有効。他にも多数。


30.次の組み合わせで誤っているものを1つ選びなさい。
(a)類骨骨腫?夜間痛 (b)軟骨腫?Albright 症候群 (c)線維性骨異形成?Shepherd's crook deformity (d)血管腫?Maffucci症候群 (e)多発性骨軟骨腫?悪性化

<解答> b標準整形外科学p.283
(a)○。鎮静剤の有効な夜間痛。nidus。
(b)×。軟骨腫に血管腫を伴うものをMaffucci症候群と呼ぶ。McCune-Albright症候群は多発性のFibrous dysplasiaに性早熟、pigmentationを伴うもの。
(c)○。(d)○。(e)○。


31.次の疾患の骨膜反応の見られるものはどれか。
(1)転移性骨腫瘍 (2)軟骨肉腫 (3)悪性リンパ腫 (4)Ewing肉腫 (5)好酸球性肉芽腫
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> e
悪性度の高い、骨肉腫やEwing肉腫、良性の好酸球性肉芽腫などに見られる。


32.化膿性関節炎について正しい組み合わせを選びなさい
(1)成人では頻回のステロイド関節内注射後に生じることが多い
(2)関節裂隙は保たれることが多い (3)変形性関節症に移行することは少ない
(4)診断後でも、抗生物質を投与して経過観察する。 (5)成人では膝関節に多い
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1)○。高齢者を治療する機会の多い今日では、ステロイド薬や関節軟骨保護薬であるヒアルロン酸などの関節内注入後に発症する例が増加している。
(2)×。急性期は関節裂隙拡大、慢性期は関節裂隙狭小化、骨破壊像。
(3)×。変形性股関節症が残る。まれなのは股関節の完全強直。
(4)×。関節破壊を抑え関節機能温存のために、早期診断・早期治療が重要。
(5)○。関節注射の機会の多い膝関節が最多であり、次いで股・肩・手・足・肘の関節に発症。


33.乳児急性化膿性骨髄炎について誤っているものを選べ
(1)肛門に近いので起炎菌は大腸菌が多い
(2)ステロイド剤の関節内注入後に起こることが多い
(3)痛みのため足を動かさないことを仮性麻痺という
(4)穿刺または切開にて直ちに関節内圧を減少させるのが良い
(5)診断を確定しても抗生物質による経過観察のみでよい
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
(1)大腿骨頭頚部の急性化膿性骨髄炎からの直接波及によるものが多いので、原因菌は黄色ブドウ球菌が多くなる。 (2)○? (3)○
(4)○。化膿性股関節がすこしでも疑わしければ直ちに穿刺を行う。この疾患は救急疾患であり、少なくとも4-5日以内に治療しないと手遅れになる確立が高くなる。
(5)×。関節穿刺、切開排膿が大事。


34.MRSAについて正しいものを二つ選べ。
(1)検体を採取したときは、放置した後、培養をおこなっても良い。
(2)無症状の保菌者が易感染性の対応を行っても良い。(3)手術後に肺炎を起こすことがある。
(4)鼻腔・咽頭に常在する。 (5)手洗い・うがいは感染防止の役には立たない。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
(1)×。基本的に、検体を放置すること自体がよくない。
(2)×。原則、医療従事者は全員が保菌者と考える。よって、接触感染を絶つ対策をとればよい(3)○。肺炎、敗血症、腸炎、髄膜炎、胆管炎などを引き起こす。(4)○。(5)×。有効。


35.急性化膿性骨髄炎について誤り2つ選ぶ (選択肢の組み合わせあり)
(1)血行性感染は成人より小児に多い感染経路である
(2)MRSA予防のために、排出菌が同定されるまで抗生物質は使用しない
(3)安静が第一で、開窓術は禁忌である
(4)セファロスポリン系の抗生物質が第一選択である
(5)抗生物質は静脈内投与のほうが経口投与より血中濃度があがる

<解答> 2・3
(1)○。成人に比べて多い。慢性化は稀。
(2)×。安静・抗生物質静注。起炎菌は黄色ブドウ球菌が最多。
(3)×。保存的治療効果がなければ、骨開窓術による排膿。
(4)○。MRSAにはバンコマイシンが効果的。(5)○。


36.関節液について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)正常では細胞数は1000/mm3以下である。
(2)変形性関節症の関節液は黄色、透明のことが多い。
(3)化膿性関節炎の際には細胞数は減少する。
(4)偽痛風の関節液は黄色、透明のことが多い。
(5)関節リウマチの関節液は変形性関節症に比べ粘調度が高い。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> aだと思います。
(1)×。正常関節液は、淡黄色透明、粘稠性、細胞数200未満。
(2)○ (3)×
(4)×。多くの場合混濁していて、急性化膿性関節炎と間違えられやすい。不透明〜半透明。(5)○
@関節液の混濁―炎症性疾患 A細胞数増加―感染性関節炎
B比重上昇―結核性関節炎、化膿性関節炎、RA、変形性関節症(軽度)
C粘稠度上昇―外傷、変形性関節症、SLE D粘稠度低下―血友病性関節症、痛風、炎症疾患
E脂肪滴―関節内骨折 F血性―血友病性関節症、関節内骨折
G結晶―痛風:針状(尿酸)結晶、偽痛風:ピロリン酸Ca結晶


37.慢性骨髄炎で見られるのはどれか?
(1)骨膜下膿瘍 (2)codman三角 (3)腐骨 (4)瘻孔 (5)骨柩
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> ?
慢性骨髄炎に進展すると、壊死・腐骨・骨柩がみられる。
プリントでは骨髄炎で骨膜反応も起こると書いてある。全て正しそうです。


38.先天性股関節脱臼について適切でない組み合わせを一つ選べ。
(1)女児に多い (2)骨盤位に多い (3)巻きオムツが脱臼予防にいい
(4)乳幼児期には痛みが特徴である (5)開排制限が見られる
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
(1)○。1:8で女児に多い。(2)○。骨盤位分娩児に多い。約30%で頚位分娩児の100倍。
(3)×。巻きオムツは、下肢を伸展位のまま固定することになるので脱臼の要因となる。
(4)×。痛みは訴えにくく、気づかれにくい。
(5)○。新生児期は、Click音、telescoping sign 。乳児期は、Allis sign、開排制限。幼児期は、処女歩行遅延、Trendelenburg sign、大転子高位、患肢短縮、腰椎前彎の増強。


39.先天性股関節脱臼であやまってるものを選びなさい。
(1)関節造影内反した関節唇が確認される。 (2)股関節が外側上方にずれる。
(3)Xpでshenton線、calveの乱れがある。 (4)患肢がみかけ上長く見える。
(5)大腿骨頭が関節包内から逸脱した状態である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> e       *中島先生のプリントにある
(1)○ (2)○。大転子高位(骨頭がRoser-Nelaton線より上方)。
(3)○(4)×。患肢短縮。(5)×。骨頭が関節包内にある病的脱臼、関節包損傷はない。


40.ペルテス病について適切でない組み合わせを選べ。
(1)5?8才の女児に多い。    (2)大腿骨頭骨端壊死が本態である。
(3)歩行不能になることはない。 (4)装具による免荷療法が一般に行われる。
(5)将来、変形性股関節症を続発する可能性はない。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1)×。5〜10歳の男児に多い。
(2)○。大腿骨頭骨端核の原因不明の循環障害による虚血性壊死。
(3)○。一年以内に壊死期、その2〜3年後に再生期、約4年後に修復完了。
(4)○。5〜6歳未満では特に、保存的療法(安静・免荷装具装用)が原則。
(5)×大腿骨頭の陥没変形、扁平巨大化、頚部短縮等の変形の後、変形性股関節症につながる。


44.肩関節について正しいものを選べ。
(a)肩関節を構成している骨は、上腕骨と肩甲骨のみである。
(b)肩関節は外傷性脱臼は発生しにくい。
(c)肩関節は生体内で最も可動域の大きい関節である。
(d)肩関節の運動は肩鎖関節のみからなっている。
(e)肩関節の主要な外転筋は大胸筋である。

<解答> c
(1)×。上腕骨、肩甲骨、鎖骨からなる。(2)×。外傷性脱臼の中でも頻度が高い(約50%)。
(3)○。関節の可動域は最大。(4)× (5)×。棘上筋、三角筋。大胸筋は、屈曲・内転・内旋。


45.肩関節の腱板損傷について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)最も損傷されやすいのは小円筋である。 (2)肩関節の外転が困難になる。
(3)肩関節造影で造影剤の肩峰下滑液包への露出があれば、確定診断できる。
(4)診断にMRIはあまり有用でない。   (5)手術的治療の適応はない。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> c
(1)×。腱板は肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋からなり、棘上筋が切れやすい(80%)。
(2)○。外転は、棘上筋、三角筋。(3)○ (4)×。MRI、USは有効。
(5)×。部分断裂は、保存的に治療。完全断裂は、断裂部を縫合。


46.次のうち正しいものを選べ
(1)肩鎖関節脱臼は手術の絶対適応である (2)肩関節脱臼は後方脱臼のほうが多い
(3)ヒポクラテス法は肩関節脱臼の整復方法である
(4)所謂五十肩は結髪、結帯動作が困難である (5)所謂五十肩は手術の絶対適応である
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> d
(1)×。コンタクトスポーツに多い。若年者の完全脱臼例では手術。
(2)×。前方脱臼が多い(約90%)。(3)○。他に、Kocher法、Stimson法。
(4)○。内旋・外旋困難のため結髪・結帯困難となる。一年程度で改善することが多い。
(5)×。保存的に治療。


47.肘関節について正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)肘関節は上腕骨・橈骨・尺骨より構成される。(2)肘関節の主要な屈筋は上腕三頭筋である。
(3)肘内障は肘関節の前方脱臼骨折を指す(4)上腕骨外側上顆炎は別名テニス肘と呼ばれる。
(5)離断性骨軟骨炎の好発部位は、上腕骨小頭である。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> c
(1)○ (2)×。上腕二頭筋がメイン。上腕三頭筋は伸展。
(3)×。肘内障は橈骨頭の輪状靭帯からの「亜脱臼」である。
(4)○。手関節背側時の抵抗痛(Thomsen test陽性)。握力低下。
(5)○。別名、野球肘。運動時痛、伸展障害。関節内遊離体の存在。


48.小児の上腕骨外顆骨折で起こりうる合併症について正しい組み合わせを選べ。
(1)内反肘 (2)外反肘 (3)遅発性尺骨神経麻痺 (4)偽関節 (5)Volkmann阻血性拘縮
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
小児で顆上骨折についで多い。偽関節・外反肘・遅発性尺骨神経麻痺の合併。観血的整復固定。
1、5は上腕骨顆上骨折で起こる。『外反肘は外顆骨折、内反肘は顆上骨折!!』


51.指の変形に関する正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)尺骨神経麻痺…小指外転変形 (2)MP関節背側脱臼…スワンネック変形
(3)DIP関節背側脱臼…スワンネック変形 (4)陳旧性槌指変形…ボタン穴変形
(5)母指MP堯側側副靱帯断裂…MP関節掌側亜脱臼
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b       *2003年度卒試験48番と同問
(1)○。小指球筋と骨間筋の麻痺が起きる。
「鷲が酌して、サルが焼酎飲んで、父(トウ)ちゃんが幽霊になった」
(鷲手←尺骨神経 猿手←正中神経  垂れ手←橈骨神経)
(2)×(3)×。スワンネック変形:DIP屈曲、PIP過伸展の変形。RAや槌指でみられる。
(4)×。ボタン穴変形:PIP屈曲、DIP過伸展。外傷、RA、熱傷でみられる。 (5)○


52.手にできる軟部腫瘍のうち、もっとも高頻度のものはどれか。
(a)神経鞘腫 (b)腱鞘巨細胞腫 (c)血管腫 (d)ガングリオン (e)Heberden結節

<解答> d.            *2002年卒試26と同一
手の軟部腫瘍ではガングリオンが最多(約80%)。


53.手根管症候群でみられるもので正しいのを2つ選べ
(1)手関節背屈障害 (2)手根部のTinel's sign (3)母指球筋の萎縮
(4)小指感覚障害 (5)鷲手
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> c
正中神経低位麻痺。正中神経領域の母指・示指・中指の知覚異常。
母指球筋萎縮(猿手)、母指対立筋筋力低下、Phalen test(+)、Tinel徴候(+)。


54.正しいものを選べ。
(1)成人膝関節半月体軟骨は血管に富む。 (2)成人膝関節半月体軟骨は神経に富む。
(3)成人膝関節半月体軟骨の主成分は1型コラーゲンである。
(4)コンドロイチン硫酸の主成分はプロテオグリカンである。
(5)成人膝関節半月体の栄養は関節液が担う。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> ?標準整形外科学p.44
(1)×(2)×(5)○。関節軟骨には神経、血管、リンパ管がなく、関節液で栄養されている。
(3)×。関節軟骨細胞が産生するU型コラーゲンは関節軟骨の主な構成成分。T型は骨主成分。
(4)×。軟骨のマトリックスはコラーゲン(ヒアルロン酸、60%)とプロテオグリカン(10%)から構成される。プロテオグリカンは95%のグルコサミノグリカンと呼ばれる多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケタラン硫酸)と5%の蛋白質からできている。
細胞外マトリックス(木)
=コラーゲン(ヒアルロン酸、主幹部)+プロテオグリカン(分枝)+コンドロイチン硫酸など(葉)


55.関節軟骨について正しいものを選べ。
(1)成人の正常軟骨組織では軟骨細胞の分裂像はほとんど見られない。
(2)軟骨は、欠損・損傷しても自然修復される。 (3)関節軟骨は50%が水分である。
(4)半月板は硝子様軟骨である。(5)椎間板は線維軟骨である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1)○。成熟した正常軟骨細胞は細胞分裂をしない。
(2)× (3)×関節軟骨は80%の水分・20%のmatrixとわずかな軟骨細胞により構成される。
(4)×。半月板は線維軟骨。
(5)○。半月板、椎間板の軟骨は線維軟骨。気管・気管支・肋骨・関節・鼻の軟骨は透明(硝子)軟骨。外耳・外耳道・声帯は弾性軟骨。


56.正しいものを選べ
(1)骨には血管がない (2)骨には神経がない (3)成長期以後はリモデリングは行われない
(4)骨は生体の内骨格としての支持能を持つ (5)骨はミネラルの貯蔵庫としての役割を持つ
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> e
(1)×。骨膜動脈、骨端骨幹端動脈、栄養動脈がある。
(2)×。Havers管、Volkmann管の中に、血管、リンパ管、神経線維が走行。
(3)×。一生を通じて、リモデリングがなされている。
(4)○。(5)○。Ca、Pなどのミネラルからなり、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる。


57.次のうち誤っているものはどれか?
(1)副甲状腺ホルモンは、破骨細胞による骨吸収を促進する。
(2)カルシトニンは破骨細胞による骨吸収を促進する。
(3)ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進する。
(4)ビタミンDは腸管から吸収され、肝臓、腎臓を経由して活性化される。
(5)ビタミンKは、骨ミネラル代謝に重要な働きをしている。

<解答> 2
(1)○。PTHは破骨細胞による骨吸収を促進し、血中Ca濃度を上げる。
(2)×。カルシトニンは破骨細胞による骨吸収を抑制し、血中Ca濃度を下げるように働く。
(3)○。VitDは@骨:溶出促進(血中Ca↑)A腎:Ca,P再吸収促進B腸:Ca,P吸収促進。
(4)○。吸収後、皮膚でVitD3に、肝で25位水酸化、腎で1位水酸化され活性型となる。
(5)○。VitKは、骨塩量を増加し、骨粗しょう症の予防効果がある。また、血液凝固の作用。


58.正しい組み合わせを選べ
(1)骨芽細胞は破骨細胞による骨吸収作用を補助するはたらきがある。
(2)大人の骨髄中には幹細胞がない。 (3)骨芽細胞は造血幹細胞由来である
(4)破骨細胞は間葉系細胞由来である (5)骨芽細胞はALPを産生する。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b
(1)○。前破骨細胞の破骨細胞への分化や骨表面への誘導に重要な役割を果たしているのは、その周囲を取り囲んでいる骨芽細胞系の間葉細胞である。
(2)×。胚からは胚性幹細胞(ES細胞)、成人からは成体幹細胞、胎児からは胚生殖細胞を採り出すことができる。成体幹細胞とは体の中に既にに形成された組織の中から採り出される分化する前の状態の細胞のこと。
(3)×。骨芽細胞は間葉系細胞由来。(4)×。破骨細胞は造血幹細胞由来。
(5)○。ALPは骨形成マーカー。


59.思春期特発性側弯症について正しいものを選べ
(1)胸椎側弯では右側に凸となる。    (2)神経学的異常は伴わない。
(3)ほとんどの症例で手術が必要となる。 (4)成長終了後は進行することはない。
(5)肋骨隆起(rib hump)は椎骨回旋により生ずる。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> b
(1)○。女子好発(85%)、右凸胸椎側弯が多い。(2)○。脊髄麻痺を来す事はきわめて稀である。
(3)×。Milwaukee brace等の装具療法でも進行を防止できず、50°を超した場合は手術適応。
(4)△。一般的には、成長とともに進行し、成長停止とともに側弯進行も停止する。ただし、50〜60°を越えると成人になった後もカーブが少しずつ増強していくとも言われており、80°を越えると心肺機能にも影響が出やすいとも言われている。(5)○。前屈時にみられる。


60.思春期特発性側彎症の彎曲が進行する因子として正しい組み合わせを選べ。
(1)女性 (2)若年発症 (3)月経開始以降 (4)Risser徴候が高値 (5)大きなカーブ
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> b
進行のリスクは、主に2つの要因に基づいている。1つは今後の骨の成長(残っている成長の年数)、もう1つは診断時のカーブの程度である。残っている成長の年数が多いほど、カーブが進行する確率が高くなるし、カーブの程度が大きいほうが進行リスクが高い。また、初潮前の女子、そして一般的に男子より女子のほうが、進行の可能性が高くなる。
進行のリスクは、残っている成長期間と関係しているため、骨の成長度を知ることが重要になってくる。その評価は、生理が始まっているかどうか、あるいはRisser sign(腰骨のカルシウム沈着量を測定し、骨年齢を推測)によって行う。


61.腰椎椎間板ヘルニアについて間違っているものを選べ。
(1)L4/5椎間のヘルニアでは、通常L5の神経根が障害される。
(2)S1の神経根が障害されたら、FNSTが陽性になることが多い。
(3)MRIは有用ではない。(4)下肢の腱反射は亢進する。(5)保存的治療で軽快する症例が多い。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
(1)○。L4/5の椎間からはL4の神経根がでているが、椎間板が突出してくる部位より上位ですでに側方へ逃げている。但し、外側ヘルニアならば逃げられずに、L4 rootの症状もでる。
(2)×。FNSTはL2/3、L3/4の障害で陽性になる(大腿前面に疼痛)。
(3)×。MRI、Myelogrphyは有用。
(4)×。既に腰椎レベルでは馬尾(脊髄はL1・2まで)であり、下位ニューロン障害しかでない。
(5)○。保存的療法でほとんど軽快。抵抗性、膀胱直腸障害時にLove法。


63.転移性骨腫瘍をきたす癌の中で危険度が低いのはどれか3つ選べ。
(1)甲状腺癌 (2)胃癌 (3)肺癌 (4)乳癌 (5)前立腺癌
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> b
原発巣では乳癌、肺癌、前立腺癌、胃癌、甲状腺癌が多い。


64.スポーツによる疲労骨折で、誤っているものを選べ。
(1)行軍骨折とも呼ばれる (2)第2中足骨にみられる
(3)Jones骨折は中足骨の一つである (4)偽関節になりやすいので手術を要する
(5)ジャンプや長距離の選手に多い
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答>?              *2003年卒試 42番とまったく同じでした。
中足骨の疲労骨折は、陸上競技やバスケットボール、サッカーの選手に多く、昔は兵士にみられ行軍骨折といわれていた。治療には3〜6週間の局所の安静が必要となる。
(1)○。昔はそう呼ばれていた。(2)○。第2・3中足骨骨頭に好発。
(3)○。第5中足骨基部骨折のこと。サッカー。(4)×。その競技の中断と安静。
(5)×。陸上競技やバスケットボール、サッカーの選手に多くみられる。


65.足関節捻挫の際、損傷されやすい靱帯はどれか。ひとつ選べ。
(1)三角靱帯 (2)二分靱帯 (3)前距腓靭帯 (4)踵腓靭帯 (5)後距腓靭帯
a.(1) b.(2) c.(3) d.(4) e.(5)

<解答> c
足関節外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯からなる。足関節の内反による、前距腓靭帯単独、あるいは前距腓靭帯・踵腓靭帯合併の損傷が最もよくみられる。スポーツ外傷の中で最も多い。症状は、足関節の内反動揺性、前方引き出し現象。治療は、患部の冷却・圧迫・挙上。


66.先天性内反足の治療について誤っているのはどれか?
(1)矯正ギプス包帯は無理にでも最初からつける。
(2)Dennis Browne副子は生下時よりつける。 (3)矯正ギプス包帯は原則、膝上からつける。
(4)手術は有効な治療法であり、躊躇すべきではない。
(5)矯正ギプス包帯はまず底屈より矯正する。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> d
内反足の本質的な部分は、踵骨は回旋しながら距骨の下に内転してもぐり込み、同時に舟状骨は距骨の先端から内方に転位している点である。簡単にいえば、距骨の周りの骨(踵骨、舟状骨、その他)が距骨に対して本来の位置から回旋を伴いつつ内方にずれているという事。
先天性内反足は男児に多く、内反・尖足・凹足・内転変形が起こる。
(1)○。内反足は先天時よりはっきりとわかり、自然治癒は望めないので生直後より治療開始。
(2)×。徒手矯正、ギプス固定→Denis-Browne装具、靴型装具→手術の流れ。
(3)×? (4)×。とりあえずは保存的加療を試みる。 (5)○?


67.足の解剖について正しいものを2つ選べ。
(1)足部の骨は7個の足根骨と5個の中足骨と14個の趾骨および2個の種子骨からなる。
(2)踵骨は足関節の中心をなす骨である。
(3)足関節は背屈45度、底屈45度の約90度前後の可動域がある。
(4)Luschka関節は足根間を安定させる重要な関節である。
(5)人の足の内側・外側の縦・横のアーチは、血管神経を立脚時の圧から守る働きもしている。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> b              *2003年卒試46番と同一問題でした。
(1)○。(標準整形外科p.106) 手足の第1指MP関節近傍に種子骨が見られることがある。
(2)×。(標準整形外科p.562) 足関節は脛骨・腓骨・距骨から成り立つ。
(3)×。(標準整形外科p.91) 底屈は45°だが、背屈は20°である。
(4)×。(標準整形外科p.390〜392) Luschka関節とは頚椎下部の話なので関係ない。
(5)○?(標準整形外科p.562)


68.足部に認められるスポーツ外傷のうち、正しい組み合わせを一つ選べ。
(1)アキレス腱断裂を生じた場合、足関節の底屈は不可能となる。
(2)アキレス腱断裂の診断では背臥位での尖足位の有無やThompson-Simmond'stestが有用。
(3)アキレス腱断裂の手術以外に対しては治療法はなく、速やかな手術が必要である。
(4)外傷性腓骨筋腱脱臼には、腓骨筋腱溝や筋支帯の形成不全のような素因が関与していることが多い。
(5)下腿に生じる疲労骨折の内、中下1/3に生じるものは跳躍型骨折と呼ばれ、治療に難渋することが多い。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)

<解答> ?
(1)×。他の屈筋により底屈は可能。つま先立ちはできない。
(2)○。断裂部陥凹。Thompson test陽性(腓腹筋をつかんで足関節底屈)
(3)×。尖足位に固定する保存療法でも癒合する。
(4)×?足関節を捻った時が一番多く発生し、直接けられた時や器械体操での着地、或いはジャンプをしようとして足をふんばった時に発生。外傷性腱脱臼の中では最も多い損傷である。
(5)○。脛骨の疲労骨折には大きく分けて跳躍型、疾走型と呼ばれる二つのタイプがあり、跳躍型疲労骨折は、脛骨前方に働く張力が原因で脛骨の中下1/3に発生する。ジャンプ系スポーツに多く難治性である。上中1/3に起こる骨折は、疾走型と呼ばれ、陸上系の競技に多い。


72.疾患と治療法の組み合わせで正しいものを3つ選べ。
(a)内側側副靭帯新鮮損傷―ギプス固定  (b)ジャンパー膝―前十字靭帯再建術
(c)外側側副靭帯単独損傷―鏡視下再建術 (d)膝蓋骨横骨折―鋼線締結法
(e)内側半月板変性断裂―半月板縫合術
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> c
(1) ○。(2)×。ジャンパー膝は固定後安静治療。
(3)×。前十字靱帯損傷は観血的治療の対象。それ以外の靱帯損傷は、ギプス固定。
(4)○。観血的整復固定法であるひきよせ鋼線締結法がおこなわれる。
(5)○。関節鏡下の手術で、半月板の損傷が付着部より外側1/3までの縦断裂で断裂部にその他の損傷がない場合に適応となる。他に、半月板切除術。


74.18歳女性。1年前バスケットボールのプレー中に左膝を捻って、プレー続行不能となった左膝は腫れていたが、一週間程で改善し、プレーを続けた。今回はプレー中にジャンプして着地する際に左膝を捻って、屈曲したまま伸展ができなくなり来院した。この患者でみられるものは以下のどれか?
(1)半月板損傷 (2)大腿骨内側顆特発性骨壊死症 (3)変形性膝関節症 
(4)反復性膝蓋骨脱臼 (5)前十字靭帯損傷
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> c
(1)○。lockig:断裂した半月が顆間窩に嵌頓して膝屈曲位のまま伸展不能となる。
(2)×。 (3)×。18歳で基礎疾患なしなので考えにくい。
(4)○。一度、膝蓋骨脱臼を起こすと習慣性膝蓋骨脱臼に移行することが少なくない。
(5)○。ジャンプの着地時に起こりうる。40〜60%に半月板損傷を合併。


77.老人性骨粗鬆症について正しいものはどれか。
(1)骨破壊は海綿骨よりも皮質骨で高度である。 (2)骨破壊は骨形成よりも減少している。
(3)力学的負荷は骨量の維持に重要である。 (4)腰椎側面X線像で骨密度を評価する。
(5)腰椎椎体骨折を起こしやすい。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> e         *国試の89A41の問題と同じ
(1)×。骨稜減少は海綿骨に著しくみられる。
(2)×。老人性は低回転型といわれ、骨吸収より骨形成の低下が著しい。
(3)○。Ca摂取、力学的刺激(適度な運動)、日光浴の3つが大切。
(4)○。腰椎側面像や大腿骨頚部前後像などがもちいられる。 (5)○。胸腰椎移行部に多い。


78.骨軟化症について、間違っているものを1つ選べ
(a)進行例のX線像では骨改変層(Looser Zone)が見られる。
(b)全身のX線像で骨萎縮が見られる。 (c)組織所見は類骨減少である。
(d)治療ではビタミンDが使用される。 (e)血清Ca、Pは低下し、血清ALPは上昇する。

<解答> c                   *2002年卒試55とほぼ同内容
(1)○。初期には骨萎縮、進行例ではLooser zone。(2)○
(3)×。くる病、骨軟化症は組織学的に類骨組織が骨の中に過剰にある状態と定義される。
(4)○。活性型VitD投与。(5)○。血清Ca↓、P↓、ALP↑(ALPのみ上昇)。


79.正しいものを選べ。
(1)軟骨無形成症は軟骨内骨化不全のため、四肢短縮型の小人症となる。
(2)くる病はエックス線で骨幹端部の横径が拡大し、中央部の盃状陥没がみられる。
(3)大理石病では、全身の骨は硬化像を呈し、骨折しやすく仮骨形成は不良である。
(4)Paget病ではALPが低下する。
(5)原発性副甲状腺能亢進症では軟骨組織の石灰化や骨吸収による病的骨折がみられる。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答> b
(1)○。軟骨内骨化の異常。四肢短縮型低身長。骨膜性骨化は正常なので骨太に。AD。FGFR3の点変異。知能正常。易骨折性はない。
(2)○。くる病(小児)、骨軟化症(成人)は、骨の石灰化障害。活性型ビタミンD欠乏、腎尿細管疾患が原因。骨髄低形成による貧血・易感染性。血中Ca・P↓、ALP↑。活性型ビタミンDの投与で治療。Xpで盃状陥没、幅広い骨幹端。
(3)×。大理石病は破骨細胞の機能異常による骨硬化(chalk bone)。病的骨折、骨髄炎。Xpでは、均一な濃厚陰影がみられる。破骨細胞の異常であるため、仮骨形成不良はない。
(4)×。骨Paget病は、過剰な骨破壊・骨新生の反復。聴力障害、病的骨折。骨肉腫や心不全の合併。ALP↑↑↑(最もALPが上がる疾患)。
(5)○。原発性副甲状腺能亢進症は、上皮小体腫瘍によるPTH↑↑。高Ca血症・病的骨折。血中Ca↑・P↓、ALP↑。


80.ビタミンD3の作用について誤っているものを1つ選べ。
(a)腸管においてカルシウムの吸収を促進する。 (b)骨吸収を増加する。
(c)腎臓においてカルシウムとリン酸の再吸収を促進する。
(d)血液中のカルシウムとリン酸の濃度を上昇させる。(e)骨吸収を抑制し石灰化を促進する。

<解答> e
VitDは腸で吸収後、皮膚でVitD3に、肝で25位水酸化、腎で1位水酸化され活性型となる。血中Ca濃度を上げる方向に働いている。作用部位は次の3点。
@骨:溶出促進(血中Ca↑)A腎:Ca,P再吸収促進B腸:Ca,P吸収促進


82.変形性膝関節について以下のことについて述べなさい。
(1)症状 (2)X線上変化 (3)治療(保存的治療・手術的治療)

<解答>
(1)症状:主症状は、膝の疼痛(主に内側)で、動作開始時、長時間歩行時、階段昇降で強くなる。関節症の進行とともに関節可動域制限を生じ、正座は不能となり、膝の内反変形(O脚)が高度となる。膝関節液の貯留や大腿四頭筋の廃用性萎縮がみられる。
(2)Xp:内側関節裂隙狭小化、骨硬化像、骨棘形成
(3)治療
・保存的治療:減量、大腿四頭筋強化訓練(straight leg rasing exercise)、温熱療法、足底板
関節内ヒアルロン酸剤注入、NSAIDs投与など
・手術的治療:高位頚骨骨切術(HTO:High Tibial Osteotomy):若年者向け
人工膝関節置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty):高齢者向け

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