呼吸器 平成14年度概説試験

呼吸器科担当分

問題1 次の検査で正しいものを2つ選べ。(p31、32)
a) 夏型過敏性肺臓炎ではBAL中のリンパ球数、CD4/CD8比は増加する。※低下
b) 腫瘍マーカーは、診断より経過観察に有効である。○
c) 比重1.025、蛋白4g/dlの血清胸水は滲出性胸水である。○
d) 血清のリウマチ因子(RA)の増加は、膠原病肺に特異的にみられる。※特発性肺線維症も
e) 結核性胸膜炎の胸水ではADA値が全てに上昇する。※全て→多くに上昇

問題2 次の呼吸音を示す典型的な疾患を1つ記せ。(p30)
 1)wheeze(笛音) (  喘息  )
 2)fine crackle(捻髪音) ( 間質性肺炎 )
 3)coarse crackle(水泡音) ( 慢性気管支炎 )※他にも肺水腫など
 4)rhonchus(いびき音) ( 気道感染症 )※太い気道に痰を有する疾患

問題3 次の中で正しいものを1つ選べ。(p28)
a) ホルネル症候群は眼瞼下垂、眼球陥没、瞳孔散大を示す。※縮小
b) バチ状指は、肺癌や慢性肺疾患のみに見られる。※心疾患にも現れる
c) Kussmaul呼吸は、無呼吸と過呼吸が周期的にくり返すものである。※発作的に深い呼吸
d) 縦隔気腫では聴診でHamman's signを聞くことがある。○
e) 肺気腫では鳩胸状に胸郭が膨らむ。

問題4 次の( )の中に正しい答えを選んで番号をいれよ。(教科書には情報少ない)
1.腺癌( b )、2.扁平上皮癌( a )、3.小細胞癌( c )、4.大細胞癌( d )

a) 病巣は中枢気管支に多く発生し、しばしば閉塞性肺炎を生じる。
b) 病巣のスピキュラ、胸膜陥入、血管収束が特徴である。
c) 喫煙と関連が深く、腫瘍の増大速度が速い。
d) 腫瘤は辺縁が鮮明な類円状の陰影を呈し、増大速度も速い。


問題5 肺循環に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ。(p81〜、プリント)
1) 肺高血圧を示す胸部X線写真は肺動脈主幹が拡大し、末梢肺血管陰影が減少する。
2) 換気、血流とも肺下部程減少し、換気血流比は肺下部程高い。※低い
3) 運動時には肺血管抵抗が増大するため、肺動脈圧は体血管血圧と同程度まで上昇する。 ※血圧よりも、心拍出量の上昇が大きい。
4) 原発性肺高血圧に対してプロスタグランディンI2(プロスタサイクリン)の持続静注療法はその肺血管拡張作用、血小板凝集抑制作用により使用されている。
5) Wegener肉芽腫症では血清中の抗好中球細胞質抗体(ANCA)のうちc-ANCAの陽性率が高く、診断に有用である。

a.(1,2,3)、 b.(1,2,5)、 ○c.(1,4,5)、 d.(2,3,4)、 e.(3,4,5)

問題6 急性呼吸窮迫症候(ARDS)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを選び、記号で答えなさい。(p83)
1) 他の呼吸不全の場合よりも大きな一回換気量を用いて肺を過伸展するような人工呼吸法が予後を改善する。※過伸展で増悪の疑い
2) 肺動脈楔入圧は左心房圧に近似されるが、その数値は本疾患では正常範囲にある。
3) ガス交換率を表わすPaO2(動脈血酸素分圧)/FiO2(吸入器酸素濃度)はきわめて低下している。
4) 基礎的原因が肺内でなく肺以外の臓器にあることもあり、肺血管透過性亢進型肺水腫の病像を形成する。※全身性炎症性反応症候群(SIRS)の一分症としても現れる
5) 本病態では人工呼吸の際、呼気終末圧を陽圧にしてはならない。※PEEPを用いる

a.(1,2,3)、 b.(1,2,5)、 c.(1,4,5)、 ○d.(2,3,4)、 e.(3,4,5)

問題7. a〜eの中で拘束性換気障害の定義として最も正しいものを選べ。
a. RV(残気量)の増加。
b. TLC(全肺気量)の減少。
c. VC(肺活量)の減少。○
d. 一秒率(FEV1)の低下。
e. 残気率《(RV/TLC)×100》の低下。
※肺活量が正常の8割以下、1秒率が正常の7割より大きい

問題8. a〜dの中で呼吸の化学調節の感受器でないものを選べ。a〜dすべて正しければeを選べ。(わかりませんでした。d.だと思います。)
a. Carotid body
b. Central Nervous System Chemoreception
c. Glomus cells(頚動脈小体の小体細胞)
d. Slowly adapting stretch receptor←神経性調節
e. A〜Dすべて化学受容体である。

問題9. 気管支肺胞洗浄液中、好酸球が著増するのはどれか。(p73、消去法で決めました)
1) PIE症候群
2) 好酸球性肺肉芽腫症
3) 過敏性肺臓炎
4) サルコイドーシス
5) Churg-Strauss症候群
a. (1,2)、 ○b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)
好酸球がBALで上昇するのは、好酸球性肺炎。好酸球性肺炎は昔から分類について議論があったが、1952年、PEI症候群として分類された。その中には1.Loffler(oにウムラルトが付きます)症候群、2.prolonged pulmonary eosinophilia、3.pulmonary eosinophilia with asthma、4.tropical eosinophilia、5.Churg-Strauss症候群に分類される。3は多くはアレルギー性気管支真菌症を基礎疾患とする。
CEP…慢性好酸球性肺炎  AEP…急性好酸球性肺炎

問題10. 以下の文章の中正しいものを選びなさい。(p77から)
1) 肝硬変に伴ってみられる胸水は滲出性である。※漏出性
2) 胸水中のグルコースと蛋白は浸出液と漏出液の鑑別に有用である。
3) 結核性胸膜炎では胸水中のADA(アデノシンデアミナーゼ)が高値である。
4) 気管支拡張症の急性増悪には大腸菌が関与することが多い。           ※緑膿菌、インフルエンザ菌などが関与
5) Williams-Campbell症候群では気管支拡張症、慢性副鼻腔炎、内臓逆位がみられる。  ※Kartagener syndromeの3徴
a. (1,2)、 b.(1,5)、 ○c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題11. 通常型間質性肺炎Usual Interstitial Pneumonia(UIP)として矛盾する所見を2つ選べ。(p63から)  答え→aとe
a. 気道中心性の病変分布である。
b. 古い線維化もあれば新しい線維化もある。
c. 胸膜直下に脂肪織の増殖がある。
d. 蜂巣状肺となる。
e. 隔壁が肥厚して単核細胞浸潤が目立つ。

問題12. 特発性間質性肺炎(IIP)について正しいのはどれか(プリント)
1) 特発性間質性肺炎と膠原病の病理学的鑑別は容易ではない。
2) 特発性間質性肺炎は網状陰影を呈することが多い。←正しい
3) 特発性間質性肺炎の陰影は上肺野肺尖部に多い。※下肺野や肺外層に優位
4) 特発性間質性肺炎では気管支肺胞洗浄液検査の診断的特異性は高い。※低い
5) 特発性間質性肺炎では高分解能CTの診断的特異性は低い。
○a. (1,2)、 b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題13. 過敏性肺臓炎(夏型、農夫肺、空調肺、鳥飼病)について正しいのはどれか。(p60,p73)
1) 日本で最も多いのは夏型過敏性肺臓炎である。←正しい,74.7%
2) 末梢血中好酸球増多、血清IgEの上昇が特徴的である。               ※T型アレルギーの特徴,過敏性肺臓炎はV,W型アレルギー
3) 急性の閉塞性肺機能障害をきたす。※拘束性
4) 治療は抗原からの隔離よりもステロイド投与が第一選択である。※逆
5) 慢性化すると肺の線維化をきたすことがある。
a. (1,2)、 ○b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題14. サルコイドーシスについて正しいのはどれか。(p60)
1) ツベルクリン反応は陰性であることが多い。←正しい
2) 気管支肺胞洗浄液中リンパ球のCD4/CD8比は低下することが多い。※増加
3) 肺サルコイドーシスの胸部X線分類でstageIは治癒を意味する。           ※縦隔肺門リンパ節腫大
4) 病変が多臓器に及ぶ方が予後がよい。※悪い
5) 肺病変のみではステロイドを投与しないことが多い。←正しい,美容上問題があるとき
a. (1,2)、 ○b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題15.次の中で正しいのはどれか。(p70)
1) 薬剤性肺臓炎は過敏性反応が関与することは少ない。※主たる病因の一つ
2) 薬剤性肺臓炎の診断はリンパ球刺激試験が有用である。
3) 放射線肺臓炎は照射野以外にも陰影が生じることがある。
4) 放射線肺臓炎は照射期間中に起こりやすい。※照射後2-10週で乾性咳,発熱,息切れ
5) 放射線肺臓炎は抗癌剤併用によって起こりにくくなる。
a. (1,2) b.(1,5) c.(2,3) d.(3,4) e.(4,5)
cが答えと思います。

問題16. 気管支喘息に関して正しいものはどれか。(p51から)
1) 軽症例では好酸球性気道炎症はみられない。
2) 気管支喘息患者の約9割が消炎鎮痛剤に過敏である。
3) ピークフローは努力に依存する度合いが小さいためモニターに使用する。※通常大きい
4) 非特異的刺激に対して気道過敏性が亢進している。←正しい
5) CD4+リンパ球が病態に関与している。←正しい
a. (1,2)、 b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 ○e.(4,5)

問題17. 気管支喘息の治療に関して正しいものはどれか。(p51から)
1) 急性発作治療における第一選択薬は短時間作用型のβ2刺激剤吸入(SABA)である。
2) 長時間作用型β2刺激剤(LABA)の吸入は急性発作治療に用いる。※長期管理に
3) キサンチン製剤は薬物相互作用が少ない。※多い
4) 慢性期治療の吸入ステロイドは他の抗アレルギー薬の効果が乏しい時考慮する。
5) 発作の時にステロイドを投与する時は点滴静注で用いる。
a. (1,2)、 ○b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題18. 慢性閉塞性肺疾患に関して正しいものはどれか。
1) 気管支拡張薬(特にLABA)投与は呼吸困難を改善する。←正しい
2) 高炭酸ガス血症があれば酸素投与は禁忌である。※禁忌→考慮すべき
3) 残気量は増加するが全肺気量も増えるので残気率は変わらない。※増大
4) 低酸素血症を有する患者では在宅酸素療法は生命予後を改善しない。※予後とQOL改善
5) 呼吸リハビリテーションは運動耐容能を改善する。
a. (1,2)、 ○b.(1,5)、 c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)
bが答えと思います。

問題19. 閉塞性肺疾患の肺機能検査に関して正しいものはどれか。(p51から)
1) 気管支喘息や肺気腫では%肺活量は低下しない。
2) 1秒量が異常低値でも閉塞性障害とは限らない。
3) 短時間作用型β2刺激剤吸入により閉塞性障害の可逆性がみられれば気管支喘息である。
4) 閉塞性障害の可逆性はFEV1.0%の変化で評価する。
5) 気管支喘息や肺気腫ではair trappingがみられない。※閉塞性なので見られる
a. (1,2)、 b.(1,5)、 ○c.(2,3)、 d.(3,4)、 e.(4,5)

問題20. 感染防御機序の破綻で生じる病態として関連がないものはどれか。(p40)
A. 神経学的感染防御機構(くしゃみ,喉頭反射,咳嗽反射)--------誤嚥性肺炎
B. 生物学的感染防御機構(常在菌叢)--------日和見感染
C. 物理的感染防御機構(線毛クリアランスと肺胞Mφ)----------Kartagener症候群
D. 生化学的感染防御機構--------Vanishing lung
E. 免疫学的感染防御機構--------HTLV-1関連肺疾患
(答)D ※ARDSなどは関連がある

問題21. 関連のない組み合わせを選べ。(p43,他に戸田新細菌学)
1. ブドウ球菌------------MRSA
2. 肺炎球菌--------------空洞 ※大葉性肺炎や気管支肺炎を起こす
3. インフルエンザ菌------アマンタジン(インフルエンザウイルスの増殖抑制)
4. 肺炎桿菌--------------老人の肺炎 ※ニューキノロン系抗生剤で治療
5. 緑膿菌----------------終末感染 ※空洞を形成することがある
(答)c.(2,3)

問題22. 肺アスペルギルス症について誤りを選べ。(p45)
A. aspergillomaは結核遺残空洞に好発する。
B. aspergillomaの形成にはIII型アレルギーの関与が重要である。
C. allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)では中心性気管支拡張症がみられる。
D. allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)の血清IgE値は高値を呈する。
E. invasive aspergillosisは免疫不全患者にみられる。
(答)B ※ABPAの形成に重要

問題23. ツベルクリン反応が陰転しないのはどのような場合か。(p48)
A. サルコイドーシス
B. 結核性胸膜炎
C. 重症結核
D. 免疫抑制剤 ※免疫不全で陰性化
E. 抗結核剤投与
(答)E

問題24. 結核の記載について誤りを選べ。(少し怪しいです)(p47)
A. 肺結核の感染様式は飛沫感染が最も多い。 ※飛沫核とは小さい飛沫が水分を失ったもの
B. 結核感染からツ反陽転まで2〜8週かかる。
C. 初期変化群の1つは肺門リンパ節腫大である。
D. 初期感染結核より、二次性(慢性)結核の方が遭遇頻度高い。
E. 二次性(慢性)結核は、S1,S2,S6に好発する。
(答)A

第一病理学担当分
以下の設問に対するもっとも適当な解答をA-Eより1つ選べ。
1)Wegener肉芽腫症の三主徴は、上気道や肺の壊死性肉芽腫、壊死性肉芽腫性血管炎と( B )である。
A. 喘息、
B. 半月体形成性糸球体腎炎、 ※巣状糸球体
C. 類上皮細胞結節、
D. 閉塞性細気管支炎、
E. 好酸球性肉芽腫

2)咽頭結節に最も特徴的な病理所見は、( C )
A. 白板症、←喉頭
B. 多発ポリープ、
C. 類上皮細胞結節、
D. 嚢胞形成、←喉頭
E. 類線維素物質沈着

3)成人急性呼吸困難症候群の滲出期(急性期)の最も特徴的な病理所見は、( C )(p122)
A. 肺胞上皮過形成
B. 肺胞内器質化像
C. 硝子膜形成
D. 肺胞洞線維化
E. 肺うっ血

4)SIRS(systemic inflammatory response syndrome)の特徴的病態は、( C )
A. 高サイトカイン血症
B. 高フィブリノゲン血症
C. 全身血管炎
D. アレルギー素因
E. 免疫グロブリン異常

5)特発性間質性肺炎の病理像で誤りは、( D )(p119)
A. 硝子膜形成
B. 蜂窩肺
C. 慢性炎症細胞浸潤
D. 類上皮細胞結節
E. 線維化胞隔炎

6)喫煙による慢性肺気腫としては、( B )肺気腫が基本である。(p119)
A. 汎小葉性
B. 小葉中心性
C. 某隔壁性
D. 不規則性
E. ブラ性

7)Churg-Strauss症候群に特徴的な臨床病理学的所見には、肉芽腫性血管炎、喘息、単もしくは多発性神経炎、肺浸潤と( B)がある。
A. 半月体形成性腎炎
B. 好酸球性肉芽腫
C. Masson体形成
D. 閉塞性細気管支炎
E. 非乾酪性肉芽腫

8)以下の肺病変でリウマチ様関節炎と関連が少ない病変は、( C )(他は膠原病で起こるので)
A. アミロイド沈着
B. 閉塞性細気管支炎
C. 血管炎
D. 間質性肺炎
E. 肺血鉄症

9)"肺硬化性血管腫"の病理像で誤りは( E ) (p107)
A. 静脈性血管腫
B. II型肺胞上皮細胞増生
C. 上皮性間質細胞増生
D. 出血
E. 線維性硬化

10)肺小細胞癌の発生母細胞は( D )
A. 気管支腺細胞
B. 仮性偏平上皮細胞
C. 気管支基底細胞
D. 神経上皮細胞
E. クララ細胞

11)原発性肺高血圧症に最も特徴的な肺病変は( C )
A. リンパ管腫
B. tumorlet病変
C. 蔓状血管病変
D. 多発血栓性塞栓
E. 肺静脈閉塞性疾患

12)25歳男性、不妊、副鼻腔炎、内蔵逆位と膿性喀痰を認める。考えられる呼吸器疾患は、( C )
A. 喘息
B. 慢性気管支炎
C. 気管支拡張症
D. 肺気腫
E. BOOP
※Kartagener症候群

13)Horner症候群を伴うのは、( D ) ※Pancoast腫瘍
A. 癌性リンパ管症
B. 気管支カルチノイド
C. 肺線維症
D. 肺尖部癌→頚部交感神経叢浸潤
E. 上大静脈血栓症

14)肺動脈主幹部血栓塞栓症を認めた。心臓内の肉眼所見は正常。塞栓の由来でもっとも可能性が高いのは、( D ) (p85)
A. 大腿動脈
B. 膝窩動脈
C. 下肢表在静脈
D. 下肢深部静脈
E. 三尖弁

15)肺末梢性腺癌の前癌病変として最も重要なのは、( E ) (p123)
A. 異型扁平上皮化生
B. tumorlet病変←多発小腫瘍、以前は前癌病変と考えられていた
C. 気管支ポリープ
D. カルチノイド←悪性腫瘍(稀に転移)
E. 異型腺腫様過形成

16)原発性肺癌の予後に関係の少ない因子は ( D )
A. MIB-1(またはPCNA)陽性率
B. 胸膜浸潤
C. 線維化
D. 末梢性発生
E. リンパ節転移

放射線科担当分
問題1. 次のうち正しいものを選べ。
1) 小児気管支内異物の診断には、吸気.呼気撮影が有用である。
2) 胸部臥位正面X線撮影では通常腹側からX線を照射する。
3) 通常腹腔内フリーエアーの検出には、背臥位腹部単純撮影を行う。※立位
4) 少量の胸水の検出には立位側面撮影を行う。※側臥位
5) 小葉間裂は通常胸部正面撮影にて右肺野に描出される。
a. (1,2,3) ○b.(1,2,5) c.(1,4,5) d.(2,3,4) e.(3,4,5)

問題2. 次のうち過っているものを選べ。(b,e)
a. 奇静脈は上大静脈に流入する。
b. 気管分岐部より左上肺気管支までの気管支を中間気管支と言う。※右側のみ
c. 左右の肺動脈では右の方が長い。
d. 肺区域は右が10区、左が8区に別れている。
e. 胸骨後面から椎体前縁までを前縦隔と区分する。※気管前方

問題3. 縦隔胸膜線として正しい組み合わせを選べ。(p20から)
1. 前接合線--------左肺上葉無気肺
2. 奇静脈食道線----前縦隔腫瘍
3. 左傍脊髄線------食道腫瘍
4. 右傍気管線------肺癌リンパ節転移
5. 大動脈肺動脈窓--反回神経麻痺
a. (1,2,3) b.(1,2,5) c.(1,4,5) d.(2,3,4) ○e.(3,4,5)

問題4. 間質影の陰影として正しいものはどれか。(p24)
1) 斑状影
2) スリガラス影
3) Kerley line
4) 区域性分布(肺胞性パターン)
5) 辺縁明瞭
a. (1,2) b.(1,5) ○c.(2,3) d.(3,4) e.(4,5)

第二外科担当分
問題1. 胸膜・胸腔疾患について正しいものに○、誤っているものに×をつけよ。
a) 悪性胸膜中皮腫(p107)はアスベストの曝露歴と関連がある。( ○ )
b) 緊張性気胸には緊急胸腔ドレナージの必要がある。( ○ )※ただちに
c) 24時間で500mlの胸腔内出血は開胸術適応である。( × ) ※胸腔ドレーン挿入時700ml以上など
d) 術後乳び胸はただちに開胸し、損傷した胸管を修復する必要がある。( × )
e) 原則として特発性自然気胸はすべて手術適応である。( ×)

問題2. 肺良性疾患について下記の組み合わせが正しいものに○、誤っているものに×をつけよ。
a) 肺葉性肺気腫--------新生児、乳児( ○ )
b) 硬化性血管腫--------脳血栓症( × )
c) 肺分画症------------Pryce分類( ○ )
d) 巨大気腫性嚢胞------一側肺の1/2を占める嚢胞( × )※1/3
e) 肺動静脈瘻----------Eaton lambert症候群( × )

問題3. 肺癌の治療について正しいものに○、誤っているものに×を記入せよ。
a) 原発性肺癌の標準術式は葉切除または全摘及び縦隔リンパ節廓清である。( ○ )
b) I期小細胞肺癌は切除+化学療法で長期生存が期待できる。( × )
c) 両側転移性肺癌は手術非適応である。( × )?(p107)
d) 胸壁浸潤癌T3N0M0は手術適応である。( ○)※M1,N2高度,N3,T4は非適応
e) 原発性肺癌に対する外科手術後の五年生存率は約80%である。( × )       ※非小細胞癌のTA 期への手術での5生率

問題4. 非小細胞癌の手術適応について述べよ。
臨床病期(TNM分類)において、M1,N2高度,N3,T4などの高度な進展が見られないこと。
肺機能が十分温存されていること。
全身状態が比較的良好で、手術の侵襲に耐えられること。
以上を総合的に考えて、手術適応を決定する。(TNM分類はp104)

耳鼻科担当分 梅崎俊郎
1.GRBASは嗄声の聴覚心理的評価法の1つであるが、あるポリープ様声帯患者の音声がG2R2B1A0S1と評価された。どのような声か説明せよ。
Grade(全体の程度)=2,Rough(粗雑性)=2,Breathy(気息性)=1,Asthenic(無力性)=0,
Strained(努力性)=1であるから、荒くやや力んだような、程度のよくない嗄声だと言える。

2. 次の記載のうち正しいのはどれか。
1) 篩骨洞の第二基板は篩骨胞よりなる。
2) 前頭洞は鼻前頭管を経由して上鼻道に開口する。※中鼻道
3) 鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。※Kiesselbach部位
4) 後篩骨動脈は眼動脈の枝である。
5) 鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。
a. (1,2,3) b.(1,2,5) ○c.(1,4,5) d.(2,3,4) e.(3,4,5)

2. 気管切開について誤りはどれか。(?)
1) 気管支異物による呼吸困難は緊急気管切開の適応である。
2) 気管切開後は気管内圧の変動はほとんどなくなるので誤嚥は減少する。
3) 輪状軟骨を切断するとカニューレ除去困難症を起こしやすい。
4) 中気管切開では甲状腺の切離を伴う。
5) 唾液の流入や誤嚥を防ぐため、カニューレのカフ圧は常時高くしておく。
a. (1,2,3) ○b.(1,2,5) c.(1,4,5) d.(2,3,4) e.(3,4,5)

山本智矢
3. 誤っているのはどれか。
a. 食道異物は子供や高齢者に多く、異物は生理的狭窄部に留まる場合が多い。
b. 幼児の気道異物としてはピーナッツが多く、内視鏡下で摘出する。
c. 両側の反回神経麻痺で呼吸困難がある場合は気管切開の適応となる。
d. 気管内チューブを1週間以上留置する場合は声帯の狭窄を起こすことがあるので気管切開が必要である。
e. 右側の反回神経は左側の反回神経に比べ走行が長いので物理的な障害を受けやすい。 ※逆
選択肢
 a b c d ○e
6. 喉頭癌について誤っているのはどれか。
a. 頭頚部の悪性腫瘍の中では頻度が高い。
b. 早期例には放射線化学療法が行われ、進行例には喉頭摘出術が行われる。
c. 一側声帯のみに腫瘤が認められ声帯の動きが障害されていない場合はT1aと診断される。
d. 頚部の両側に転移性リンパ節を認める場合はN2bと診断される。
e. 遠隔転移が肺や脊椎に認められる場合の病期分類はIV期である。
選択肢
 a b c ○d e

下の図は咽頭を上方から見た図である。
7.両側の後輪状披裂筋(後筋)の走行を図中に書き入れなさい。
テキスト参照
8.両側の後輪状披裂筋(後筋)が収縮した場合の両側の披裂軟骨の動きを図中に書き入れなさい。

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