呼吸器 平成15年度概説試験

平成15年12月16日実施、120分
解答欄はそれぞれの問題用紙についていました。102人中6人不合格。

(耳鼻咽喉科)3枚
1.声の生成のメカニズムについて声帯の層構造を考慮して説明せよ。
 【解答】
   声帯靭帯と声帯ヒダ、前庭ヒダから成る声門において、左右の声帯ヒダを接近させ、これらを呼気で振動させることによって声を発する。
   甲状披裂筋(声帯筋)によって声帯を弛緩させ、輪状甲状筋によって声帯を緊張させるなどの幾つかの筋の組み合わせによって原音を作り、唇、歯、舌、口蓋、咽頭、鼻腔、などを構音器官として声を作る。
   (声帯の層構造というのがイマイチわかりません。授業を聞いていなかったもので…。)

2.次の記載のうち正しいのはどれか。
1.節骨洞の第3基板は中鼻甲介よりなる。
2.後部筋骨蜂巣は中鼻道に開口する。
3.鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。
4.後節骨動脈は内径動脈由来の眼動脈の枝である。
5.鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5
【解答】c H14概2 
 1○
2× 篩骨蜂巣のことでしょう…。 上鼻道に開口。
3× Kiesselbach部位に血管が多いので。
4○
5○

3.気管切開について誤りはどれか。
1.気管支異物による呼吸困難は緊急気管切開の適応である。
2.気管切開後は気管内圧の変動はほとんどなくなるので誤嚥は減少する。
3.輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。
4.中気管切開では甲状腺の切離を伴う。
5.唾液の流入や誤嚥を防ぐため、カニューレのカフ圧は常時高くしておく。
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5
【解答】b H14概2 (丸写し)
 1○
2○
3×
4×
5○

問題1 下の図は喉頭を上方から見た図である。両側の後輪状披裂筋(後筋)の走行を図中に書き入れなさい。
問題2 両側の後輪状披裂筋(後筋)が収縮した場合の披裂軟骨の動きを図中に書き入れなさい。
【解答】授業の小テストでやった毎年でてるというアレです。
    図が描けないので省略させていただきます。

問題3 誤っているのはどれか。
a.食道異物は子供や高齢者に多く、異物は生理的狭窄部にとどまる場合が多い。
b.幼児の気道異物としてはピーナッツが多く、内視鏡下で摘出する。
c.両側の反回神経麻庫で高度の呼吸困難がある場合は気管切開の適応となる。
d.気管内チューブを1週間以上留置する場合は声門下狭窄を起こすことがあるので気管切開が必要である。
e.右側の反回神経は左側の反回神経に比べ走行が長く物理的な障害を受けやすい。
【解答】e H14概3(まんま)
   左右が逆

問題4 喉頭癌について誤っているのはどれか。
a.頭頸部の悪性腫瘍の中では最も頻度が高い。
b.早期例には放射線化学療法が行われ、進行例には喉頭摘出術が行われる。
c.声帯が腫瘍により固定し運動が認められない場合はT3と診断される。
d.頸部の両側に転移性のリンパ節を認める場合はN2cと診断される。
e.遠隔転移が肺や脊椎に認められる場合の病期分類はV期である。
【解答】e H14概6(ほぼ一緒)
  W期ではないかと

(放射線科)1枚
以下の設問に解答し、解答欄にa−eを記入せよ。
問題1.次の文章のうち、正しいものを選べ
1)胸部正面X線撮影の横隔膜影より下方には通常肺病変は存在しない
2)小量の胸水の検出には、側臥位正面撮影を行う
3)胸部立位正面X線撮影は通常100kVp以上の高圧で撮影する
4)胸部臥位正面X線撮影では通常腹側からX線を照射する
5)小葉間裂は通常胸部正面撮影にて左肺野に描出される
(a)(1,2,3)  (b)(1,2,5)  (c)(1,4,5)
(d)(2,3,4)  (e)(3,4,5)
【解答】d H14概説1
 1× 存在しないことも無いでしょう。
2○
3○
4○
5× 右肺野

問題2.次の文章のうち、誤っているものを選べ
(a)奇静脈は立位胸部正面像でほとんど描出されない
(b)中間幹気管支は右にのみみられる
(c)左肺動脈は左上葉気管支の上方を走行する
(d)肺区域は通常右が10区、左が8区に分れている
(e)胸骨後面から気管前縁までを前縦隔と区分する
【解答】a 
  奇静脈食道線や奇静脈裂として描出されます

問題3.Air-Bronchogramが見られるものの組み合わせはどれか
1)肺炎
2)肺水腫
3)無気肺
4)塵肺症
5)肺胞微石症
(a)(1,2,3)  (b)(1,2,5)  (c)(1,4,5)
(d)(2,3,4)  (e)(3,4,5)
【解答】おそらくa テキストP24
 肺炎と無気肺が○なので。肺水腫もありそうですし。

問題4.次のうち正しい組み合わせはどれか
1)円形無気肺−Popcorn Calcification
2)転移性肺腫瘍−Comet Tail Sign
3)結核腫−Satellite Lesion
4)アスペルギルス症−Meniscus Sign
5)Hamartoma−Cannon Ball
(a)(1,2)  (b)(1,5)  (c)(2,3)  (d)(3,4)  (e)(4,5)
【解答】d テキストP25
 1× 円形無気肺はComet Tail Sign.  Popcorn Calcificationは過誤腫。
2× 転移性肺腫瘍は辺縁平滑、空洞形成など
3○
4○
5× 過誤腫のこと Cannon Ballは転移性肺腫瘍

(呼吸器科)
問題1.肺音について正しいものを選べ。
1.胸水貯留で呼吸音は増強する
2.正常肺胞音は吸気時より呼気時の方が弱い
3.捻髪音は問質性肺炎で吸気終末時に聞かれる
4.気管支喘息発作時の笛音(wheeze)は連続性で低調である
5.胸膜摩擦音は気道狭窄の時に聞かれる
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】c
 1× 胸水貯留ではいかなる音も胸壁に伝わりにくくなる。
2○ 
3○ 間質性肺炎に特異的
4× 高調です
5× 胸膜炎など

問題2.細菌性肺炎の起炎菌でもっとも頻度が高いものを1つ選べ
a.肺炎球菌
b.肺炎桿菌
c.インフルエンザ菌
d.緑膿菌
e.MRSA
【解答】a

問題3.ペニシリンが有効な菌種はどれか
1.肺炎クラミジア
2.MRSA
3.インフルエンザ菌
4.肺炎球菌
5.肺炎桿菌
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】d
 最近は肺炎球菌の中にも耐性菌が生まれているようですが。

問題4.60才の女性が肺炎を生じた。膿性の喀疾を伴っている。喀疾グラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貧食像が認められた。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。
a.Streptococcus pneumoniae
b.Legionella pneumophila
c.Pseudomonas aeruginosa
d.Mycoplasma pneumoniae
e.Haemophilus influenzae
【解答】a H15卒7
 a グラム陽性連鎖球菌 よってこれが疑われる
b グラム陰性短桿菌
c グラム陰性桿菌
d 細胞壁なし
e グラム陰性桿菌(多形態性)

問題5.免疫抑制状態にある患者が、呼吸困難および発熱を訴えた。喀疾を伴わない咳が強い。胸部X線では両側性のびまん性間質性・混合性陰影を呈している。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。
a.Streptococcus pneumoniae
 b.Klebsiella pneumoniae
c.Pseudomonas aeruginosa
d.Pneumocystis carinii
e.Aspergillus fumigatus
【解答】d H15卒11
 喀痰を伴わない咳が特徴的。ほかに呼吸困難や瀰漫性間質性混合性陰影なども。

問題6.結核の記載について誤りを1つ選べ
a.肺結核の感染様式は飛沫感染がもっとも多い
b.結核感染から、ツ反陽転まで2−8週かかる
c.初期変化群のひとつは肺門リンパ節腫大である。
d.初期感染結核より、2次性(慢性)結核の方が頻度が高い。
 e.2次性(慢性)結核は、下葉に好発する。
【解答】e H14概24
b○
e× 肺後上部に好発(S1・S5・S6) 初感染は下葉が多い
 acdは詳しくは分かりませんが○でしょう

問題7.肺癌の記述について正しいものを1つ選べ
a.年間発生件数は胃癌より多い
b.腺癌は煙草とは無関係である
c.原因の第1位は受動的喫煙である
d.女性は煙草に対する感受性が低い
e.喫煙開始年齢が低いほど発病率が高い
【解答】とりあえずeを推します
 a? 男は一位で胃がんが二位 女は三位で胃がんが一位 男女比が3:1だから…○?
 b× 小細胞癌と扁平上皮癌では有意差有り。 腺癌と大細胞癌ではほぼ無し。
 c× 能動より多かったらマズイ
 d×? たしか高かったような…
 e○? 感覚的にこれが一番正しそうですが…。


問題8.腫瘍随伴症候群について正しい組み合わせを1つ選べ
1.SIADH−高Na血症
2.異所性ACTH症候群−高K血症
3.PTH-γP−高Ca血症
4.肺性肥大性骨関節症−高P血症
5.Eaton-Lambert症候群−高Mg血症
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】d
 1× ADH分泌不適症候群 ADH分泌が過剰になり自由水↑による低Na血症
2× 低カリウム血症による筋力低下
3○
4○
5× 選択肢から 筋無力症状を呈する
 

問題9.非小細胞肺癌の治療につき正しいものはどれか1つ選べ
a.I期肺癌の手術成績は5年生存率で90%を上回っている
b.U期肺癌は放射線治療の適応となる
c.V期肺癌では放射線治療単独より化学療法・放射線療法の併用療法が優れている
d.化学療法を施行しても延命効果は得られない
e.化学療法は症状が悪化してから開始する
【解答】おそらくc
  ・T期とU期には非小細胞癌は手術療法を第一選択とし、化学療法や放射線療法は原則として行わない。
  ・5年生存率はT期が65%U期が40%。
  ・V期BとW期には手術適応は無く、V期Bには放射線適用が有り、W期はそれも無い。
  ・化学療法は適応はあるものの副作用に見合う効果が上がっていない。
  以上を踏まえると…c・eで迷いますが、とりあえずeは曖昧なのでcを推します。
  テキストにもV期Bは放射化学療法と書いてありますし。

問題10.気管支喘息に関して正しいものはどれか
1.罹患率は減少している
2.気道閉塞の可逆性がみられなければ喘息でない
3.非特異的刺激に対しては気道過敏性が亢進していない
4.Th2細胞が病態に関与している
5.好酸球性気道炎症がみられる
【解答】とりあえず4・5
4・5が正解と思われます。
1は×でしょう。2・3については分かりません。

問題11.気管支喘息に関して正しいものはどれか
1.症状の日内変動がみられる
2.気道閉塞の可逆性は、短時間作用型β2刺激薬の吸入の前後の一秒率の変化で評価する
3.ピークフローは努力に依存する度合いが大きいため、変動が診断には役立たない
4.喘息の診断のため、発作時に気道収縮を誘発する気道過敏性検査を行う
5.喀疾検査が診断に役立つ
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】aかbですが、テキストに従い答えはbでしょう
 1○ 発作は明け方に多い
2×? 一秒率は確かに20%以上変化します(ステップ)が、テキストには一秒量(FEV)についてのみ。
5○? 喀痰は量が少ないですが検査もします
 選択肢から他は×と考えますが、よくわかりません。 

問題12.気管支喘息の治療に関して誤っているものはどれか
1.急性発作治療における第一選択薬は短時間作用型のβ2刺激薬吸入である
2.長時間作用型β2刺激薬の吸入は急性発作治療に用いる
3.キサンチン製剤は急性発作時に著明な気管支拡張効果がある
4.発作の時にステロイドを投与するときは点滴静注で用いる
5.慢性期治療の第一選択薬は吸入ステロイドである
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】
 1○
2× 1が○なので
3× 後半は正しいですが、血中濃度を厳しくコントロールする必要性から急性期には用いないでしょう。
4○
5○

問題13.慢性閉塞性肺疾患に関して正しいものはどれか
1.気管支拡張薬投与は呼吸困難を改善する
2.高炭酸ガス血症があれば酸素投与は禁忌である
3.喫煙を止めても長期間にわたる肺機能低下は軽減しない
4.呼吸リハビリテーションでは運動耐容能を改善しない
5.低酸素血症を有する患者では在宅酸素療法が生命予後を改善する
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】b H14概17 
 1○
2× 考慮すべき
3× 選択肢より。おそらく軽減するでしょうが。
4× 改善します
5○

問題14.閉塞性肺疾患に関して誤っているものはどれか
1.慢性肺気腫ではHRCT画像でlow attenuation areaがみられない
2.慢性肺気腫では短時間作用型β2刺激薬吸入による閉塞性障害の可逆性が乏しい
3.びまん性汎細気管支炎の治療にはマクロライド系抗生物質の少量長期療法を行う
4.気道感染や心不全が慢性閉塞性肺疾患の急性増悪の原因となる
5.慢性閉塞性肺疾患の急性増悪時には、ステロイドの全身投与を行わない
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】 テキストp55〜
 1× 見られます
2○ 不可逆性病変ですが、大半が気道の炎症性病変を持っているので気管支拡張薬は呼吸困難の改善に効果があることが実証されています。
3○
4○ 選択肢より
5× 急性憎悪の頻度を低下させQOLの低下速度を軽減すると報告されています。

問題15.好酸球性肺疾患に関して正しい組み合わせはどれか
1.急性好酸球性肺炎:末梢血好酸球増多
2.慢性好酸球性肺炎:butterfly shadow
3.Churg-Strauss Syndrome:末梢神経炎+皮疹
4.アレルギー性気管支肺アスペルギルス症:中枢性気管支拡張+肺浸潤影
5.肺好酸球性肉芽腫症:気管支肺胞洗浄液中好酸球の著増
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】 テキストp73〜
 1○
2× 選択肢より
3× ステップP301 結節性動脈周囲炎に類似するが腎不全を伴わない。
4○
5○

問題16.アレルギー性肺疾患に関して正しいものはどれか
1.過敏性肺炎のうち我が国で最も多いのは夏型である
2.典型的な過敏性肺炎では抗原吸入直後に呼吸困難を来す
3.過敏性肺炎の慢性化・線維化はまれである
4.慢性好酸球性肺炎の病因は不明のことが多い
5.急性好酸球性肺炎の再発はほとんどない
a.(1,2)b.(2,3)c.(3,4)d.(1,4,5)e.すべて
【解答】d
 1○
2× 抗原吸入後3〜6時間
3× 慢性化が問題となる
4○
5○

問題17.以下の病理組織学的特徴を有する特発性間質性肺炎はどれか。
病変分布が小葉辺縁性、かつ斑状であり、線維化病巣は新しい線維化と古い線維化を混じている。
a.特発性肺線維症(IPF/UIP)
b.非特異性間質性肺炎(NSIP)
c.特発性器質化肺炎(COP)
d.剥離性間質性肺炎(DIP)
e.リンパ球性間質性肺炎(LIP)
【解答】a テキストp64〜
 時相の不一致(新旧の繊維化)が特徴的なUIPが疑われる。

問題18.喫煙ともっとも関連のある疾患はどれか
a.特発性肺線維症(IPF/UIP)
b.非特異性間質性肺炎(NSIP)
c.特発性器質化肺炎(COP)
d.剥離性間質性肺炎(DIP)
e.リンパ球性問質性肺炎(LIP)
【解答】d テキストp66 

問題19.胸水について正しいものを選べ。
1.ヒアルロン酸は膿胸で上昇することが多い
2.心不全では疹出性胸水が認められる
3.結核性胸水ではADA(adenosinedeaminase)が高値となることが多い
4.関節リウマチに伴う胸水では糖が低値をとりやすい
5.癌性胸膜炎では胸水中に癌細胞が認められることは少ない
a(1,2) b(1,5) c(2,3) d(3,4) e(4,5)
【解答】 テキストp32 ステップp215
 1× 膿胸ではADA高値。ヒアルロン酸は悪性胸膜中皮腫において高値を取る。
2× 濾出性の胸水
3○
4○
5× むしろ多いのでは?

問題20.肺循環に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを選び、記号で答えなさい。
1.肺循環血液量が2倍になれば正常人では肺動脈圧も2倍に増加する。
2.換気も肺血流も肺下部により多く分布し、換気血流比も肺下部ほど高い値をとる。
3.肺性心の胸部X線写真では肺動脈主幹が太く、肺野末梢で狭小化する。
4.肺性心で肺高血圧が進むと、聴診で肺動脈弁狭窄や三尖弁閉鎖不全による心雑音を聴取するようになる。
5.平均肺動脈圧が50mmHgを示す場合、肺高血圧があると診断できる。
a.(1,2,3)  b.(1,2,5)  c.(1,4,5)
d.(2,3,4)  e.(3,4,5)

【解答】おそらくd
 1×? 流石にそんなに簡単ではないでしょう
2○? 血流が重力影響下にあるらしいので、正しいと思われます。
3○
4○?
5× 20mmHgだそうです

問題21.65歳、男性。10日前より発熱、右胸痛出現。
胸部X線写真にて右胸水貯留を認めた。胸水検査の結果、T.P 4.0g/dl、LDH 350IU/L、glucose 40mg/dl、ADA 90U/L、細胞診ClassI、リンパ球(+++)であった。最も考えられる疾患は以下うちどれか。
(1)結核性胸膜炎
(2)膿胸
(3)癌性胸膜炎
(4)低蛋白血症による胸水貯留
(5)慢性関節リウマチによる胸膜炎
a.(1)  b.(2)  c.(3)  d.(4)  e.(5)
【解答】a
 密度>3より浸出液であり、ADA高値でありさらに、糖濃度<60であることから結核性胸膜炎
 また、リンパ球+++も裏づけとなる。

問題22.肺機能検査に関して正しい文章を選べ
1.予測値に対して1秒量が70%未満であれば閉塞性障害と呼ぶ
2.ピークフローは努力に依存する度合いが小さい
3.肺内気道の狭窄は吸気よりも呼気の方が検出しやすい
4.CO拡散能の低下は必ずしも間質の肥厚を意味しない
5.慢性肺気腫では肺活量低下を示すことはまれである
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(1,4,5) e.すべて
【解答】d
 1○ ステップp194
2× 大きい ステップp196
3× 選択肢より
4○ 選択肢より 
5○ 肺活量低下はまれ

問題23.呼吸調節・呼吸困難に関して正しい文章はどれか
1.Paco2の異常は大動脈体で感知される
2.呼吸中枢の大部分は橋に存在する
3.低酸素に対する中枢の応答はPaco2上昇で増強する
4.呼吸困難を感知する特定の受容体は知られていない
5.動脈血ガスが正常なら器質的疾患による呼吸困難は否定的である
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(1,4,5) e.すべて

【解答】d
 1○
2× 延髄と考えられている。
3× 低酸素にPaco2を上昇させたらイカンのじゃなかろうか…。
4○ 息苦しさはPaco2上昇として感知されると考えられている。
5○ 選択肢より

問題24.呼吸調節異常に関して正しい文章はどれか
1.肥満低換気と睡眠時無呼吸の組み合わせをPickwick症候群と呼ぶ
2.心不全ではしばしばCheyne-Stokes呼吸を認める
3.肺胞低換気の原因としては呼吸中枢異常が最も多い
4.閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択は外科治療である
5.睡眠時無呼吸の生命予後に対する影響は少ない
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(1,4,5) e.すべて
【解答】
 1○
2○ Cheyne-Stokes呼吸はうっ血性心不全に認められる。
3× 選択肢より
4× 外科治療については何も書かれていない(ステップ)ので適用は無いのではないでしょうか。
5× 選択肢より


(第二外科)1枚
1.緊張性気胸について病態と治療法について述べよ。
【解答】
・緊張性気胸
肺に孔があいており、その孔が吸気時に開き呼気時に閉じるために空気が胸腔内に蓄積し続け、ついには胸腔内圧が大気圧を上回って肺を著しく虚脱させる。
治療としては胸腔ドレナージで脱気して心血管系への負荷を軽減するほか、根治手術として胸腔鏡下でのブラ切除をおこなう。
(緊張性気胸とは別の開放性気胸とは、創縁が吸気時にも呼気時にも閉鎖しない気胸である。重篤な換気障害に発展するため早急に創を閉鎖する必要がある)

2.非小細胞癌の外科治療について次の問いに答えよ。
a)手術適応
【解答】H14概説4 H15卒4
  臨床病期で高度な進展(M1、高度N2、N3、T4)がみられないこと。
心配機能が温存されていること。
全身状態が良く、手術の侵襲に耐えられること。
以上を満たしていれば手術適応である。

b)標準術式
【解答】詳しくはテキストp106
  リンパ節郭清を伴う肺葉切除術或いは肺摘除術

3.縦隔腫瘍のうち、各解剖学的区分ごとの好発疾患を述べよ。ただし嚢胞性疾患も含める。
前縦隔・中縦隔・後縦隔
【解答】ステップp362
前縦隔 奇形腫・心膜性嚢胞
中縦隔 気管支性嚢胞
後縦隔 神経性腫瘍
 (因みに上縦隔は上前縦隔としてまとめられていましたが、胸腺腫が好発。ほかに異所甲状腺種。前縦隔に入れてもいいかもしれません)
(更に因みに、縦隔は胸骨・胸椎・胸郭入口部・横隔膜によって囲まれています)

(第一病理)1枚
1. 以下の設問に対する最も適切な解答をA−Eより1つ選び、○を付けよ。
1) Wegenor肉芽種症の三主徴は、上気道や肺の壊死性肉芽腫、壊死性肉芽腫性血管炎と( )である。
A.喘息 B.半月体形性性糸球体腎炎 C.Masson体形成 D.閉塞性細気管支炎 E.好酸球性肉芽腫
【解答】B

2) 喉頭結節に最も特徴的な病理所見は、
 A.白板症 B.多発ポリープ C.類上皮細胞結節 D.肺胞道線維化 E.肺うっ血
【解答】A 他に嚢胞形成 (尚H14概は咽頭結節についてで、その場合答えはCです)

3) SIRS(systemic inflammatory response syndrome)の特徴的病態は、
 A.高サイトカイン血症 B.高フィブリノゲン血症 C.全身性血管炎 D.アレルギー素因 E.免疫グロブリン異常症
【解答】Aらしいです

4) ?

5) 特発性間質性肺炎の病理像で誤りは、
 A.硝子膜形成 B.蜂窩肺 C.慢性炎症細胞浸潤 D.類上皮細胞結節 E.線維化胞隔炎
【解答】D テキストp119

6) 喫煙による慢性肺気腫としては、( )肺気腫が基本である。
 A.汎小葉性 B.小葉中心性 C.傍隔壁性 D.不規則性 E.ブラ性
【解答】B

7) Churg-Strauss症候群に特徴的な臨床病理学的には、肉芽腫性血管炎、喘息、単もしくは多発性神経炎、肺浸潤と( )がある。
 A.半月形成性腎炎 B.好酸球性肉芽腫 C.Masson体形成 D.閉塞性細気管支炎 E.非乾酪性肉芽腫
【解答】B

8) 以下の肺病変でリウマチ様関節炎と関連が少ない病変は、
 A.アミロイド沈着 B.閉塞性細気管支炎 C.血管炎 D.間質性肺炎 E.肺血鉄症
【解答】C 他は膠原病で起こるそうです

9) "肺硬化性血管腫"の病理像で誤りは、
 A.静脈性血管腫 B.U型肺胞上皮細胞増生 C.上皮間質細胞増生 D.出血 E.線維性硬化
【解答】E テキストp107

10) 肺小細胞癌の発生母細胞は、
 A.気管支腺細胞 B.化生扁平上皮細胞 C.気管支基底細胞 D.神経上皮細胞 E.クララ細胞
【解答】D テキストp123(クララ細胞は腺癌の発声母地)

11) 原発性肺癌の予後に関係の少ない因子は、
 A.MIB−1(PCNA)陽性率 B.胸膜浸潤 C.線維化 D.末梢性発生 E.リンパ節転移
【解答】D

12) Horner症候群を伴うのは、
 A.癌性リンパ管症 B.気管支カルシノイド C.肺腺癌 D.肺尖部癌 E.肺扁平上皮癌
【解答】D Pancoast症候群において出現する。これは肺尖部に生じた癌が胸郭の外まで連続性に浸潤したために起こる諸症状である。ステップp327

13) 原発性肺高血圧症に最も特徴的な肺病変は、
 A.リンパ管腫 B.tumorlet病変 C.蔓状血管病変 D.多発性血栓性塞栓 E.肺静脈閉塞性疾患
【解答】C 取りあえずどの記述も見られませんでしたが、授業中に口頭で説明があったのでしょうか。Graham-Steell音とか右心負荷の所見とか他にも色々あるのですが…。尚、Bのtumorlet病変とは、気道上皮内に存在し神経分泌顆粒を有するKult−shitzky細胞(K細胞)の増生を指します。

14) 肺動脈主幹部血栓塞栓症を認めた。心臓内の肉眼所見は正常。塞栓の由来で最も可能性が高いのは、
 A.大腿動脈 B.膝窩動脈 C.下肢表在静脈 D.下肢深在静脈 E.三尖弁
【解答】D テキストp85

15) 異型性腺腫過形成に最も関係が深いのは、
 A.先天性嚢胞性腺腫様奇形 B.肺線維症 C.肺腺癌 D.気管支腺腫 E.慢性閉塞性肺疾患
【解答】C 前癌病変

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