呼吸器 平成15年度卒業試験

平成15年度 呼吸器 卒業試験  平成15年11月実施

全体像
 呼吸器科より30問、病理より15問、二外科より4問(1〜3は○×各5問)
 放射線科より5問、耳鼻科より8問。耳鼻科の問1、2は図に書き込めというもので、去年と全く同じ。

(放射線科)
1.胸部の解剖に関し間違った記述はどれか。答え→(b),(p19〜)
(a)右気管支動脈は肋間動脈から分岐することが多い←正しい(第3肋間動脈,左は大動脈からが多い)
(b)右肺動脈は右上葉気管支の上方を走行する ※下方
(c)細気管支と肺動脈は二次小葉の中心部を走行する←正しい
(d)リンパ管は小葉中心と小葉辺縁の両方に存在する←正しい
(e)胸骨後面から気管前縁までを前縦隔と区分する←正しい

2.小葉中心性の分布を示すびまん性肺疾患の組み合わせはどれか。
(1)びまん性汎細気管支炎
(2)癌性リンパ管症 ※肺門から末梢に広がる線状索状影,Kerley線,肺門腫大,胸水貯留
(3)粟粒結核 ※両側小粒状陰影
(4)サルコイドーシス ※両側肺門リンパ節腫脹像が特徴(StageT期,U期)
(5)過敏性肺臓炎
(a)(1,2), ○(b)(1,5), (c)(2,3), (d)(3,4), (e)(4,5)

3.次のうち正しい組み合わせはどれか。(画像の特徴)
(1)サルコイドーシス Comet Tail Sign(円形無気肺の特徴)
   ※サルコイドーシスの特徴は、両側肺門リンパ節腫脹像(BHL)
(2)縦隔腫瘍     Extrapleural Sign
(3)肺水腫(p87,88) Air Bronchogram(p24)
(4)胸壁神経鞘腫 Rib Notching
(5)結核腫 Meniscus Sign(アスペルギルス症の特徴)
※結核腫の特徴は、中心性,巣状石灰化,散布巣(satellite lesion),乾酪壊死・空洞
(a)(1,2.3), (b)(1.2.5), (c)(1.4.5), ○(d)(2.3.4), (d)(3.4.5)

4.次の肺腫瘤のうち石灰化を比較的高頻度に認めるものはどれか(消去法で決めました)
(1)悪性リンパ腫
(2)原発性肺癌 ※転移性肺腫瘍に現れる
(3)アミロイドーマ
(4)過誤腫 ※popcorn calcificationが特徴
(5)アスペルギローマ ※通常石灰化は伴わない
(a)(1,2), (b)(1,5), (c)(2,3), ○(d)(3,4), (e)(4,5)

5.膠原病と肺疾患の組み合わせで正しいものはどれか。
(1)強皮症        UIP
(2)SLE        LIP(Lymphoid Interstitial Pneumonia。SjSに合併)
(3)シェーグレン症候群(SjS) DAD(Diffuse Alveolar Damage=AIP。多発性筋炎、皮膚筋炎に合併)
(4)慢性関節リウマチ NSIP
(5)皮膚筋炎(dermatomyositis,DM)   BOOP
(a)(1,2.3), (b)(1.2.5), ○(c)(1.4.5), (d)(2.3.4), (e)(3.4.5)


(病理)
1.以下の設問に対する最も適当な解答をA−Eより1つ選び、○を付けよ。
1)Wegener肉芽腫症の三主徴は、上気道や肺の壊死性肉芽腫、壊死性肉芽腫性血管炎と( B )である。
A.抗ミエロペロキシダーゼANCA B.半月体形成性糸球体腎炎 C.Masson体形成
D.閉塞性細気管支炎 E.好酸球性肉芽腫

2)鼻・咽頭癌で最も少ない組織型は、→B.(p113には稀、と書いてありました)
A.扁平上皮癌 B.唾液腺由来癌 C.悪性リンパ腫 D.嗅神経芽腫 E.リンパ上皮腫癌
 (未分化癌)

3)喉頭結節に特徴的な病理所見は、→A.とD.(二つ考えられると思います)
A.白板症 B.多発ポリープ C.類上皮細胞結節 D.嚢胞形成 E.類線維素物質沈着

4)呼吸窮迫(困難)症候群(RDS)と関連の少ない病変、病態は、
→B.とD.(答えを一つに絞れませんでした)
A.敗血症 B.免疫グロブリン異常症 C.び漫性肺胞障害 D.血液過凝固 E.高サイトカイン血症

5)慢性閉塞性肺疾患(COPD)の基礎疾患として関連の少ない疾患は、→D.(p118,119)
A.肺気腫 B.気管支喘息 C.気管支拡張症 D.慢性間質性肺炎 E.慢性気管支炎

6)間質性肺炎の病理像で誤りは、→D.(H14,3年生呼吸器試験,病理の5番)
A.硝子膜形成 B.蜂窩肺 C.慢性炎症細胞浸潤 D.肉芽腫性病変 E.線維化胞隔炎

7)塵埃による慢性肺気腫に特徴的な病変は、( B )肺気腫である。
(H14,3年生呼吸器試験,病理の6番に類似,喫煙と環境塵埃)
A.汎小葉性 B.小葉中心性 C.傍隔壁性 D.不規則性 E.ブラ性

8)Churg-Strauss症候群に特徴的な臨床病理学的所見には、肉芽腫性血管炎、喘息、単もしくは多発性神経炎、肺浸潤と( B )がある。
A.半月体形成性腎炎 B.好酸球性肉芽腫 C.Masson体形成 D.閉塞性細気管支炎 E.非乾酪性肉芽腫

9)以下の肺病変でリウマチ様関節炎と関連が少ない病変は、→A. C. E.
  (B.とD.は関連があることを確認できましたが、上の3つは未確認です。申し訳ありません。)
A.アミロイド沈着 B.閉塞性細気管支炎(BO)/間質性肺炎(UIP) C.血管炎 D.リウマチ結節
E.過敏性肺炎

10)肺小細胞癌の発生母細胞は、→D. (H14,3年生呼吸器試験,病理の10番)
A.気管支腺細胞 B.化生扁平上皮細胞 C.気管支基底細胞 D.神経上皮細胞 E.クララ細胞

11)原発性肺高血圧症に特徴的な肺病変、病態は、→C. (H14,3年生呼吸器試験,病理の11番)
A.リンパ管腫 B.tumorlet病変 C.蔓状血管病変 D.多発血栓 E.肺静脈閉塞性疾患

12)25歳男性、不妊、副鼻腔炎、内臓逆位と膿性喀疾を認める。考えられる呼吸器疾患は、→C.
※Kartagener症候群(H14,3年生呼吸器試験,病理の12番)
A.喘息 B.気管支肺炎 C.気管支拡張症 D.肺気腫 E.BOOP

l3)Horner症候群を伴うのは、→D.(H14,3年生呼吸器試験,病理の13番)
A.癌性リンパ管症 B.気管支、肺カルシノイド C.肺線維症 D.肺尖部癌 E.肺動脈血栓症

14)肺末梢性腺癌の前癌病変として最も重要なのは、→E.(H14,3年生呼吸器試験,病理の15番)
A.異型扁平上皮化生 B.tumorlet病変 C.気管支ポリープ D.カルチノイド(悪性腫瘍) 
E.異型腺腫様過形成

15)原発性肺癌の予後に関係の少ない因子は、→D. (H14,3年生呼吸器試験,病理の16番)
A.臨床/病理学的病期 B.胸膜浸潤 C.線維化/癩痕 D.中心性/末梢性発生 E.リンパ節転移


(呼吸器科)
1)肺癌について正しいものはどれか。
1.小細胞癌は進行が早く化学療法や放射線療法の効果が期待できない。※化学療法が第1選択
2.扁平上皮癌は肺の中枢側に生じることが多く比較的転移しにくい。
3.高分化型腺癌は低分化型に比べて陰影が淡く辺縁の境界も不明瞭である。
4.腺癌は通常肺門部の太い気管支に発生し、喫煙との関係が深い。※末梢に発生することが多い
5.原発巣が小さいうちはリンパ行性転移や血行性転移はきたさない。
a.1,2.  b.1,5.  ○c.2,3.  d.3,4.  e.4,5

2)小細胞肺癌について正しいものを選べ。
1.異所性ホルモン産生の原因となることがある。←正しい
2.腫瘍内壊死傾向が強い。
3.肺炎様の拡がりを示し、粘液を多量に分泌することがある。※腺癌の特徴
4.大部分は肺の末梢に発生する。※喫煙者の近位気管支に多く発生
5.関連の深い腫瘍マーカーはPro-GRPである。※他、NSE
a.1,2.  ○b.1,5.  c.2,3.  d.3,4.  e.4,5

3)肺癌に伴う癌性胸膜炎について正しいものを選べ。
1.大部分は片側性に発症する。
2.胸水の性状は漏出性であることが多い。 ※滲出性が多い(p32)
3.胸水細胞診検査でClassUであれば確定診断としてよい。※ClassXは癌性
4.胸水中のヒアルロン酸値は多くの場合高値を示す。※胸膜中皮腫の1/3
5.癌性胸膜炎を合併した肺癌は手術適応とならない。←正しい,姑息療法が主
a.1,2  ○b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

4)縦隔腫瘍について正しいものを選べ。(p110から112)
1.神経原性腫瘍(5%が悪性)は前縦隔に好発する。※後縦隔
2.胸腺腫(基本的に悪性)は細胞診検査によって診断がつくことが多い。
※胸部X線から診断(縦隔腫瘍に共通)
3.重症筋無力症は胸腺腫の合併症の一つである。←正しい,約30%に合併,抗アセチルコリンレセプター抗体
4.悪性胚細胞腫瘍は若年男性に多い。
5.縦隔原発悪性リンパ腫は外科的に切除されることが多い。
※縦隔に限局するものは手術可能のときがある,通常は化学療法,放射線治療が有効
a.1,2  b.1,5  c.2,3  ○d.3,4  e.4,5

5)高分化型肺腺癌の画像上の特徴はどれか(怪しいです。e.の可能性もあります。)
1.血管集中像
2.けば立ち
3.胸膜陥入(spicula)
4.分葉化(lobulation)
5.空洞形成
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  ○d.2,3,4  e.3,4,5

6)喫煙が発症に関係する疾患はどれか?
※肺癌,肺気腫,DIP(剥離型間質性肺炎),好酸球性肉芽腫症(EG)
1.サルコイドーシス
2.慢性閉塞性肺疾患 ←慢性気管支炎,小葉中心型肺気腫
3.肺癌 ←確実
4.肺好酸球性肉芽腫症
5.びまん性汎細気管支炎(DPB)
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  ○d.2,3,4  e.3,4,5

7)60才の女性が肺炎を生じた。膿性の喀痩を伴っている。喀疾グラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貪色像が認められた。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。答え→a.
a.Streptcoccus pneumoniae ←グラム陽性連鎖球菌
b.Legionella pneumophila ←グラム陰性短桿菌
c.Pseudomonas aeruginosa ←グラム陰性桿菌
d.Mycoplasma pneumoniae ←細胞壁無し
e.Haemophilus influenzae ←グラム陰性桿菌(多形態性)

8)25才の健康成人が肺炎を生じた。βラクタム系抗菌剤を使用したが、効果が認められず、急速に進行し呼吸不全を生じた。以下の原因菌で、最も考慮が必要なものはどれか。答え→d.
※どれも感染力が弱いので回答に悩みました。
a.Legionella pneumophila ←高齢者,易感染宿主が罹患,曝露量が多いと健康成人も感染
b.Pseudomonas aeruginosa ←院内感染症として重要
c.Pneumocystis carinii ←免疫不全者で感染
d.Aspergillus fumigatus ←日和見感染症,菌交代症
e.Klebsiella pneumoniae ←院内感染で重要

9)若年成人が肺結核を発症した。感受性試験では薬剤耐性を持たないことが示唆された。肺結核の初期治療に通常使用されない薬剤はどれか。答え→e.※ストレプトマイシン(SM)を使用
a.イソニアジド(INH)
b.リファンピシン(RFP)
c.エサンブトール(EB)
d.ピラジナマイド(PZA)
e.サイクロセリン(CS)

10)アスペルギルスにより最も生じにくい呼吸器疾患は以下の内どれか。答え→e.
a.気管支喘息
b.気管支炎
c.Fungus ball
d.膿胸
e.間質性肺炎 ←過敏性肺臓炎

11)免疫抑制状態にある患者が、呼吸困難を訴えた。乾性咳そう、発熱を伴っている。胸部X線所見では、びまん性すりガラス陰影を呈した。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。→d.
a.Streptcoccus pneumoniae
b.Legionella pneumophila
c.Pseudomonas aeruginosa
d.Pneumocystis carinii
e.Aspergillus fumigatus

12)感染防御機序の破綻で生じる病態として関連があるものはどれか(H14,3年生呼吸器試験,呼吸器の20番)
a.神経学的感染防御機構 − 菌交代症
b.生物学的感染防御機構 − 肺化膿症
c.物理的感染防御機構  − immotile ci1ia症候群
d.生化学的感染防御機構 − 薬剤性肺炎
e.免疫学的感染防御機構 − 急性好酸球性肺炎
答え→c.

13)結核の記載について正しいものを選べ 答え→d.(怪しいです)
a.粟粒結核の特徴は大量排菌を伴うことである ←喀痰からは菌は検出できず
b.BCG接種者は結核を発病しない ※全身諸臓器への血行性感染を予防
c.結核性胸膜炎は飛沫核感染を容易に起こす
d.排菌患者にはN95マスクを装着させる
e.気管支結核は感染危険度が高い

14)サルコイドーシスについて正しいのはどれか。(p60)
1.肺胞洗浄液中のリンパ球が増加していることが多い。
2.病変部に乾酪性肉芽腫が形成される。 ※非乾酪性
3.胸部X線所見のBHLは病気分類V期を示唆する。 ※T,U期
4.治療はまず副腎皮質ステロイド製剤の吸入より開始する。
5.血清ACEは活動性の指標となる。
a.1,2  b.2,3  c.3,4  d.4,5  ○e.1,5

15)膠原病の肺疾患について正しいのはどれか。
1.多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う間質性肺炎では抗Jo-1抗体陰性症例に比し、陽性症例のほうが予後は良い。
2.多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う間質性肺炎は特発性間質性肺炎の多くを占めるusual interstitial pneumonia (UIP)より予後は悪い。←悪いものもある
3.強皮症に伴う間質性肺炎は、ステロイド剤による治療によく反応する。 ※有効ではない
4.関節リウマチの肺病変には閉塞性細気管支炎(BO)を伴うことがある。 ←正しい
5.全身性エリテマトーデス(SLE)では強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎に比し胸膜炎合併頻度が高い。
↑正しい,約半数に合併
a.1,2,3  b.1,2,5  ○c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5

16)肺分画症について正しいのはどれか。(p71,73,99)
1.先天性異常である。 ←正しい
2.手術による摘出は禁忌である。 ※適応
3.肺動脈との交通がある。 ※ない,大循環から血液供給
4.大動脈造影が診断に有用である。 ←正しい,大循環からの異常動脈
5.左下葉に好発する。 ←正しい
a.1,2,3  b.1,2,5  ○c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5

17)気管支肺胞洗浄液(BALF)について正しい答えを選べ。
1.正常のBALFの細胞成分は肺胞マクロファージがほぼ90%を占める。 ←正しい
2.夏型過敏性肺臓炎はBALF中のリンパ球数が増加する。 ←正しい
3.夏型過敏性肺臓炎BALF中のCD4/CD8比が増加する。 ※低下する
4.サルコイドーシスはBALF中のCD4/CD8比が低下する。 ※増加する
5.粟粒結核の診断にはBALが有用である。
※骨髄穿刺後の塗沫培養と,その際のclotホルマリン固定標本からの肉芽腫同定,菌染色
○a.1,2  b.2,3  c.2,4  d.2,5  e.4,5

18)ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に関する正しいものを選べ。(p83)
(H14,3年生呼吸器試験,呼吸器)
1.肺のコンプライアンスは小さい。 ←正しい
2.Kerley's B lineは肺胞性肺水腫の所見である。 ※間質性パターンの陰影
3.肺に直接障害が加わった場合にのみ引き起こされる。 ※間接的にも起こりうる
4.死因は肺障害よりも多臓器不全によることが多い。
5.人工換気が肺障害や炎症を増悪する可能性があり、最近では換気量を小さめにする傾向にある。←正しい
a.1,2,3  b.1,2,5  ○c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5

19)アスピリン喘息に関し正しいものはどれか(p51)
1.解熱薬の注射では発作が誘発されない ※される(NSAIDs一般で)
2.市販の風邪薬では発作が誘発されない ※される,上に同じ
3.抗ロイコトリエン薬で発作が完全に予防できる ※有効である可能性がある
4.ステロイド注射薬の中にも発作を誘発するものがある
5.鼻茸を合併した喘息患者にみられることが多い
a.1,2  b.1,5  c.2,3  d.3,4  ○e.4,5

20)気管支喘息の診断に有用なものはどれか
1.抗喘息薬による症状の改善
2.β刺激剤吸入前後のFEV1.0%の改善 ←正しい,吸入後FEV1.0が12%かつ200ml以上の改善
3. 喀疲中好酸球の増多 ←喘息の診断には役立たない
4.β刺激剤吸入前後のFEV1.0%の改善 ←2.と同じなので正しい(問題作成ミスだと思います)
5.胸部X線写真 ※軽症時には正常
○a.1,2  b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

21)COPD患者の生存率を向上させるものはどれか(p55)
1.呼吸リハビリテーション ←運動耐容能の改善
2.禁煙 ←確実
3.在宅酸素療法 ←生命予後の改善
4.気管支拡張薬 ←QOLの改善
5.吸入ステロイド薬 ←上に同じ
a.1,2  b.1,5  ○c.2,3  d.3,4  e.4,5

22)肺機能検査について正しい組合せはどれか。
1.機能的残気量はスパイロメトリー(肺容量計)を用いて測定する。←正しい
2.安静呼気位では肺と胸郭の弾性収縮力が釣り合っている。 ※肺内圧=肺弾性圧+胸腔内圧
3.%FEV1.0はCOPD重症度の判定に利用される。
4.肺気腫では拡散能の上昇が認められる。 ※低下
5.予測肺活量は性別、年齢、体表面積から算出できる。 ※未確認
a.1,2  ○b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

23)動脈血ガスについて誤っている組合せはどれか。(消去法です)
1.酸素分圧の化学受容体は延髄に存在する。 ※CO2上昇を感知
2.高炭酸ガス血症は肺内シャントの程度を反映する。
3.換気血流不均等分布の増大によりA-aD O2は開大する。
4.低酸素換気応答は双曲線のパターンを示す。 ←正しい
5.炭酸ガス分圧が上昇すると脳血管は拡張する。 ←正しい
○a.1,2  b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

24)気管支喘息について正しい組合せはどれか。
1.成人喘息では非アトピー性喘息が8割をしめる。
2.気道の可逆性がみられなければ喘息を否定できる。 ※できない
3.アトピー性喘息治療の第1選択は減感作療法である。
4.重症喘息発作では聴診所見として喘鳴が減弱する。 ※強くなる,離れていても聞こえる
5.喘息重症度判定にはスパイロメトリーが必要である。
a.1,2  ○b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

25)聴診所見で、誤った組み合わせはどれか
(わかりませんでした,おそらくc.とd.の組み合わせだと思います)
a.細菌性肺炎    − coarse crackle
b.間質性肺炎    − fine crackle
c.中枢気道狭窄   − 吸気時のwheeze
d.重症の気管支喘息 − 低波長のwheeze
e.胸膜炎      − friction rub(胸膜摩擦音)

26)肺動脈血栓塞栓症の診断について正しいものはどれか。(p85,86)
1.胸痛を伴わない喀血をきたす ※胸痛がある
2.高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症を呈する ※急性期は伴わない,hyperventilation
3.心電図上、右軸偏位がみられる ←正しい,右心不全
4.肺動脈造影で血管内造影欠損がみられる
5.肺換気血流スキャンで換気血流のmatched defectがみられる
a.1,2  b.1,5  c.2,3  ○d.3,4  e.4,5

症例問題1.
67歳、男性。主訴:咳嗽、発熱、呼吸困難
既往歴:特記事項無し
職歴:酪農業
生活歴:喫煙10本/日×40年
現病歴:元来健康であったが、飼料となる干し草を使用して以来、上記症状が出現。次第に増強してきたので近医を受診し、気管支拡張剤、抗生物質の投与を受けたが改善せず、当科外来に紹介受診となった。胸部X線写真および胸部CTでは、小葉中心性の淡い粒状影を呈したが、入院後自然消退している。

※典型的な過敏性肺臓炎(p60,73)である。診断根拠は、@小葉中心性の粒状影、A抗原からの隔離で症状消失、
 B抗生物質や気管支拡張剤に反応しない、があげられる。過敏性肺臓炎の症状には、悪寒、発熱、咳、
呼吸困難があり、肺機能検査では拘束性障害を呈する。

27)入院時呼吸機能検査上の所見はどれか.
1.全肺気量の上昇
2.肺活量低下
3.一秒率正常
4.拡散能低下
5.気道抵抗の低下
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  ○d.2,3,4  e.3,4,5

28)次に行うべき検査としてふさわしいものはどれか。
  ※サルコイドーシス,特発性間質性肺炎,粟粒結核,膠原病肺,びまん性汎細気管支炎と鑑別
1.リンパ球刺激試験
2.気管支肺胞洗浄(BAL)←Tリンパ球数の増加,CD4/CD8比の減少(日本の農夫肺では高い)
3.経気管支肺生検(TBLB)←呼吸細気管支中心の病変
4.外泊試験 ←ふさわしい,抗原からの隔離で症状の消失があるかどうか
5.気道過敏性試験
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  ○d.2,3,4  e.3,4,5

症例問題2.
25歳の女性。1ヶ月前より、咳嗽、血痰、胸痛、鼻汁、難聴を自覚し、当科受診したところ、胸部X線、CTにて両側性に空洞を伴う結節影と浸潤影を認め、耳鼻科受診したところ、副鼻腔炎と中耳炎を指摘された。喀痰の抗酸菌塗沫染色は陰性。

※咳嗽、血痰、胸痛、鼻汁、難聴、副鼻腔炎、中耳炎など、Wegener肉芽腫症(p69)の症状を呈している。
臨床免疫学的にはC-ANCAを疾患標識交代とする。鼻生検、肺、腎生検で壊死性肉芽腫炎を確認することで
診断。治療はシクロフォスファマイド、グルココルチコイド。

29)診断上重要な検査はどれか?
1.好中球細胞質抗体測定 ←特異的
2.ツベルクリン反応
3.特異的IgE測定
4.気管支動脈造影
5.尿検査 ←必須,腎病変の検出(半月体形成性腎炎)
a.1,2  ○b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4,5

30)鼻粘膜と肺生検を行った結果、最も得られる可能性の高い所見はどれか。答え→c.
a.平滑筋過誤腫性増殖
b.PAS陽性の脂質に富む蛋白様物質の肺胞内充満
c.壊死性肉芽腫性血管炎
d.アミロイドの沈着
e.閉塞性細気管支炎・器質化肺炎


(二外科)
1.胸膜・胸壁の疾患について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。
a.(×)悪性胸膜中皮腫(p107)の発生と喫煙は関連がある。 ※アスベスト曝露
b.(×)緊張性気胸は緊急手術の適応である。 ※胸腔ドレナージ
c.(おそらく○)原発性胸壁悪性腫瘍で最も多いのは軟骨肉腫である。
d.(○)胸部外科手術後の乳び胸は胸管やその主要分枝の損傷が原因である。
e.(○)自然気胸の手術後再発率は1〜5%である。

2.良性肺疾患について下記の組合せで正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。
a.(○)肺葉性肺気腫(p101) − 新生児・乳児
b.(×)硬化性血管腫(p107) − 脳血栓症 ※気管支動脈造影でメロンの網目状
c.(○)肺分画症(p99)   − Pryce分類
d.(×)巨大気腫性肺嚢胞(p100) − 一側肺1/2以上を占める嚢胞 ※1/3
e.(×)肺動静脈瘻(p100) − Eaton Lambert syndrome(肺癌の腫瘍随伴症状,近位筋の易疲労性と脱力)

3.肺悪性腫瘍の外科治療について正しいものに○誤っているものに×をつけよ。
a.(○?)原発性肺癌の標準手術は、葉切除または片肺全摘及び縦郭リンパ節郭清である。(p106)
b.(×)T期小細胞癌は切除+化学療法で長期生存が期待できる。 ※予後悪い
c.(×?)転移性肺腫瘍の切除後5年生存率は約30%である。
d.(○)胸壁浸潤肺癌(T3N0M0)は手術適応がある。
e.(○)TA期非小細胞肺癌の切除後5年生存率は約80%である。

4.非小細胞癌の手術適応について述べよ。(平成14年度の三年生の試験にも同じ問題があります)
臨床病期で高度な進展(M1、高度N2、N3、T4)がみられないこと。
心配機能が温存されていること。
全身状態が良く、手術の侵襲に耐えられること。
以上を満たしていれば手術適応である。

(耳鼻咽喉科) 問題番号は適当です。
3.誤りはどれ? →b.
a.食道異物は子供や高齢者に多く、異物は生理的狭窄部に留まる場合が多い
b.幼児の気道異物としては硬貨が多く、内視鏡下で摘出する
c.両側の反回神経麻痺で呼吸困難がある場合は気管切開の適応となる
d.中気管切開では甲状腺の切離を伴う
e.左側の反回神経は右側の反回神経に比べて走行が長く物理的な障害を受けやすい

4.反回神経麻痺の原因とならないのはどれか(わかりませんでした)
1.喫煙  2.甲状腺癌  3.解離性大動脈瘤  4.下顎骨骨折  5.肺気腫
a.1,2,3  b.1,2,5  c.1,4,5  d.2,3,4  ○e.3,4,5

5.喉頭癌について誤っているのはどれか
a.頭頚部の悪性腫瘍の中では最も頻度が高い
b.早期例には放射線化学療法が行われ、進行例には喉頭摘出術が行われる
c.声帯が腫瘍により固定し運動が認められない場合にはT2と診断される
(1側声帯のみに腫瘍が認められ声帯の動きが障害されていない場合はT1aと診断される。だった?)
d.頚部の両側に転移性のリンパ節を認める場合はN2c(N2b?だった?)と診断される
e.遠隔転移が肺や脊椎に認められる場合の病期分類はW期である
(解答)d

6.正しいのはどの組み合わせか?
1.両側声帯麻痺の症状は呼吸困難のみのことが多い。
2.一側声帯麻痺の症状は嗄声のみである。
3.一側声帯麻痺に対する手術として同側の輪状咽頭筋切断術がある。※被裂軟骨内転術,甲状軟骨形成術
4.一側声帯麻痺に対する手術の目的として咳嗽効率の改善が重要になる。
5.披裂軟骨内転術は一側声帯麻痺に対する手術のひとつである。
a.1,2,3  b.1,2,5  ○c.1,4,5  d.2,3,4  e.3,4,5

今回も覚える問題がはっきりわからなかったので2002年度卒試とかぶった問題(ほとんど一緒だったもの)。
A−1、12、13、14、21、22、24、25
B−1、2、5、10、11、12、13、15、16
D−1、2、3、4、
E−3、4、5、6、7、8
です。マルチョイはチョコチョコ変えてあったりしました。

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